特許訂正審判
2017-390143
転動部材及び転動装置
- 審判番号
- 2017-390143
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2002-056202外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年12月12日
- 審決日
- 2018年03月01日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .851-Y (F16C) / P141 .853-Y (F16C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4000870号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4000870号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第4000870号(以下、「本件特許」という。)は、平成14年3月1日の出願であって、その請求項1ないし5に係る発明について、平成19年8月24日に特許権の設定登録がなされ、平成29年12月12日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第4000870号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」ものであり、その訂正の内容は次のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層はダイヤモンドライクカーボン層とフッ素化合物層とを備え、前記フッ素化合物層が最表面に配されており、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであることを特徴とする転動部材。」との記載を、「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層はダイヤモンドライクカーボン層とフッ素化合物層とを備え、前記フッ素化合物層が最表面に配されており、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであることを特徴とする転動部材。」に訂正する。(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項3~5についても同様に訂正する。)(下線は請求人が付与。以下同様。)
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであるダイヤモンドライクカーボン層を備え、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの2種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成され、表面側から前記カーボン層,前記複合層,前記金属層の順に配されていることを特徴とする転動部材。」との記載を、「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであるダイヤモンドライクカーボン層を備え、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの2種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成され、表面側から前記カーボン層,前記複合層,前記金属層の順に配されていることを特徴とする転動部材。」に訂正する。(請求項2の記載を直接的又は間接的に引用する請求項3~5についても同様に訂正する。)
3 訂正事項3
明細書の段落【0012】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaである」との記載を、「前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmである」に訂正する。
4 訂正事項4
明細書の段落【0013】の「前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであるダイヤモンドライクカーボン層を備え」との記載を、「前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであるダイヤモンドライクカーボン層を備え」に訂正する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0016】の「厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載を、「厚さは1~5μmである。」に訂正する。
6 訂正事項6
明細書の段落【0023】の「厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載を、「厚さは1~5μmである。」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的の成否について
訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1の「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層はダイヤモンドライクカーボン層とフッ素化合物層とを備え、前記フッ素化合物層が最表面に配されており、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであることを特徴とする転動部材。」との記載を、「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層はダイヤモンドライクカーボン層とフッ素化合物層とを備え、前記フッ素化合物層が最表面に配されており、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであることを特徴とする転動部材。」に訂正することにより、ダイヤモンドライクカーボン層を限定するものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項1に係る訂正は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0016】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は炭素が主成分であり、その他に金属元素や非金属元素を含有してもよい。その硬さは微小硬度計(フィッシャー社製)で15GPa以上であり、厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載、本件特許明細書の段落【0023】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載、本件特許明細書の段落【0075】の「ダイヤモンドライクカーボン層Cの厚さは1~5μmがより好ましい。」との記載に基いているから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の請求項1の発明特定事項であるダイヤモンドライクカーボン層を限定するものであるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1により訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項1、3ないし5に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明を限定したものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかであり、特許法126条第7項の規定を満たすものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項2の「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであるダイヤモンドライクカーボン層を備え、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの2種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成され、表面側から前記カーボン層,前記複合層,前記金属層の順に配されていることを特徴とする転動部材。」との記載を、「潤滑性を有する潤滑層を表面に備えた転動部材において、前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであるダイヤモンドライクカーボン層を備え、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの2種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成され、表面側から前記カーボン層,前記複合層,前記金属層の順に配されていることを特徴とする転動部材。」に訂正することにより、ダイヤモンドライクカーボン層を限定するものであるから、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書の段落【0016】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は炭素が主成分であり、その他に金属元素や非金属元素を含有してもよい。その硬さは微小硬度計(フィッシャー社製)で15GPa以上であり、厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載、本件特許明細書の段落【0023】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載、本件特許明細書の段落【0075】の「ダイヤモンドライクカーボン層Cの厚さは1~5μmがより好ましい。」との記載に基いているから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の請求項2の発明特定事項であるダイヤモンドライクカーボン層を限定するものであるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項2により訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項2ないし5に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明を限定したものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかであり、特許法126条第7項の規定を満たすものである。
3 訂正事項3
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正(請求項1の減縮)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0012】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaである」との記載を、「前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmである」に訂正するものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項3における、「前記ダイヤモンドライクカーボン層は、Cr,W,Ti,Si,Ni,及びFeのうちの1種以上の金属からなる金属層と、前記金属及び炭素からなる複合層と、炭素からなるカーボン層と、の3層で構成されており、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmである」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0016】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は炭素が主成分であり、その他に金属元素や非金属元素を含有してもよい。その硬さは微小硬度計(フィッシャー社製)で15GPa以上であり、厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載、本件特許明細書の段落【0023】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載、本件特許明細書の段落【0075】の「ダイヤモンドライクカーボン層Cの厚さは1~5μmがより好ましい。」との記載に基いているから、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3に係る訂正は、上記(1)のとおり訂正事項1により訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、訂正事項1と同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
4 訂正事項4
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正(請求項2の減縮)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0013】の「前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであるダイヤモンドライクカーボン層を備え」との記載を、「前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであるダイヤモンドライクカーボン層を備え」に訂正するものである。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項4における、「前記潤滑層は、等価弾性定数が80~240GPaであり、厚さが1~5μmであるダイヤモンドライクカーボン層を備え」るとする訂正は、本件特許明細書の段落【0016】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は炭素が主成分であり、その他に金属元素や非金属元素を含有してもよい。その硬さは微小硬度計(フィッシャー社製)で15GPa以上であり、厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載、本件特許明細書の段落【0023】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載、本件特許明細書の段落【0075】の「ダイヤモンドライクカーボン層Cの厚さは1~5μmがより好ましい。」との記載に基いているから、訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項4に係る訂正は、上記(1)のとおり訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、訂正事項2と同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
5 訂正事項5
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項5は、訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正(請求項1及び請求項2の減縮)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、本件特許明細書の段落【0016】の「厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載を、「厚さは1~5μmである。」に訂正するものである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項5における、「厚さは1~5μmである。」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0016】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層は炭素が主成分であり、その他に金属元素や非金属元素を含有してもよい。その硬さは微小硬度計(フィッシャー社製)で15GPa以上であり、厚さは0.8~8μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。」との記載に基いているから、訂正事項5に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項5に係る訂正は、上記(1)のとおり訂正事項1及び訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、訂正事項1及び訂正事項2と同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
6 訂正事項6
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項6は、訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正(請求項1及び請求項2の減縮)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、本件特許明細書の段落【0023】の「厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載を、「厚さは1~5μmである。」に訂正するものである。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項6における、「厚さは1~5μmである。」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0023】の「前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚さは0.8~8μmが好ましい(より好ましくは1~5μmである)。」との記載に基いているから、訂正事項6に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項6に係る訂正は、上記(1)のとおり訂正事項1及び訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、訂正事項1及び訂正事項2と同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
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