特許訂正審判
2017-390136
免疫基盤ボツリヌス毒素血清A型活性アッセイ
- 審判番号
- 2017-390136
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2010-550881外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月30日
- 審決日
- 2018年02月05日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】アラーガン、インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】細田 芳徳
- 分類
- P141 .853-Y (C07K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5766954号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5766954号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第5766954号は、平成21年3月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2008年3月14日 米国)を国際出願日として出願され、その請求項1~9に係る発明について平成27年6月26日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成29年11月30日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨および訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、特許第5766954号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~9について訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その訂正の内容は、下記訂正事項1、2のとおりである。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「該細胞は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」と記載されているのを、「該確立された細胞株は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~6、8及び9も同様に訂正する)。
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7に「該細胞は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」と記載されているのを、「該確立された細胞株は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8及び9も同様に訂正する)。
第3 当審の判断
1.一群の請求項について
訂正事項1を含む請求項1の記載を請求項2~6,8及び9が引用している。また、訂正事項2を含む請求項7の記載を請求項8及び9が引用している。請求項8及び9が両者に共通しているから、請求項1~9からなる「一群の請求項」に訂正を請求することは、特許法第126条第3項の規定に適合する。
2.訂正の目的について
本件特許請求の範囲の請求項1には、「該細胞は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」と記載されている。請求項7についても同様である。
そして、上記記載からみて「該細胞」は「SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)」から選択されるものである。
しかしながら、特許明細書の「例えば以下の確立された細胞株は内因性SNAP-25を発現する:BE(2)-M17、Kelly、LA1-55n、N1E-115、N4TG3、N18、Neuro-2a、NG108-15、PC12、SH-SY5Y、SiMaおよびSK-N-BE(2)-C。」(【0090】)、「例えば以下の確立された細胞株は少なくとも1つの内因性BoNT/A受容体を発現する:BE(2)-M17、Kelly、LA1-55n、N1E-115、N4TG3、N18、Neuro-2a、NG108-15、PC12、SH-SY5Y、SiMaおよびSK-N-BE(2)-C。内因性BoNT/A受容体は天然発生BoNT/A受容体またはその天然発生バリアントのみでよい。」(【0103】)、「表2は1nM BoNT/Aで処理したときにSNAP-25切断生成物が検出された細胞株を示す。以下の細胞株は1nM BoNT/Aの取り込みおよび基質表面への適切な付着の双方を呈した:BE(2)-M17、IMR-32、Kelly、LA1-55n、N1E-115、N4TG3、N18、Neuro-2a、NG108-15、PC12、SH-SY5Y、SiMaおよびSK-N-BE(2)-C。」(【0185】)、「表3は0.1nM BoNT/Aで処理したときにSNAP-25切断生成物を呈した細胞株を示す。試験された細胞株のうち、SiMaおよびNeuro-2a細胞株のみが未分化状態で0.1nM BoNT/Aの取り込みを呈した。しかしながら、SiMaおよびNeuro-2aに加えて、細胞株N18、LA1-55n、PC12およびSH-SY5Y全てが分化した状態で0.1nM BoNT/Aの取り込みを呈した。」(【0188】)及び表2(【0186】)、表3(【0189】)に記載されるように、「SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)」は、いずれも「細胞株」である。
したがって、「該細胞は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」との記載は、細胞を細胞株から選択するということを意味することになり、「該細胞」なる記載内容は他の記載との関係において不合理を生じているといえる。
そして、上記摘示した特許明細書の各段落の記載からみて、「該細胞」との記載は、「該確立された細胞株」を意味するものであることを示していると認められ、また、そのように解することにより、上記の不合理が解消される。
したがって、「該細胞は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」という記載を、「該確立された細胞株は、SiMa細胞株(DSMZ 番号 ACC 164)、Neuro-2a細胞株(ATCC カタログ番号 CCL-131)、N18(ECACC 番号 88112301)、LA1-55n(ECACC 番号 06041203)、PC12(ATCC カタログ番号 CRL-1721)、およびSH-SY5Y(ATCC カタログ番号 CRL-2266)からなる群から選択される」と訂正する訂正事項1、2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
3.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1、2は、特許明細書の【0090】、【0103】、【0185】-【0186】、【0188】-【0189】、【0055】の記載に基づくものであるから、訂正事項1、2は、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。
4.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記2.の理由から明らかなように、訂正事項1、2は、明瞭でない記載を訂正するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合する。
第4 むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおりに審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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