特許訂正審判
2017-390127
円筒ころ軸受用保持器、円筒ころ軸受
- 審判番号
- 2017-390127
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2006-178528
- 登録番号
- 特許第5358871号(P5358871)
- 請求日
- 2017年11月22日
- 審決日
- 2018年01月10日
- 公報発行日
- 2018年04月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本精工 株式会社
- 【請求人代理人】松山 美奈子
- 審判長/審判官
- 審判長 加藤 友也
- 審判官 堀 洋樹
- 審判官 小柳 健悟
- 分類
- P141 .851-Y (C08L) / P141 .853-Y (C08L) / P141 .856-Y (C08L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5358871号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5358871号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5358871号は、平成18年6月28日(優先権主張 平成17年6月28日)を出願日とし、平成25年9月13日に設定登録がなされ、平成29年11月22日付けで本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5358871号の明細書、及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
請求人が求めている具体的な訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項のとおり訂正することを求めるものである(当審注:訂正箇所に下線を付した。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、
「前記第2の炭素繊維を5質量%以上20質量%以下の範囲で含有し」
と記載されているのを、
「前記第2の炭素繊維を5質量%以上10質量%以下の範囲で含有し」
に訂正し、
「前記第1の炭素繊維および第2の炭素繊維の合計含有率が35質量%以上50質量%以下である」
と記載されているのを、
「前記第1の炭素繊維および第2の炭素繊維の合計含有率が35質量%以上40質量%以下である」
に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。
2 訂正事項2
明細書の段落【0006】において、
「前記第2の炭素繊維を5質量%以上20質量%以下の範囲で含有し」
と記載されているのを、
「前記第2の炭素繊維を5質量%以上10質量%以下の範囲で含有し」
に訂正し、
「前記第1の炭素繊維および第2の炭素繊維の合計含有率が35質量%以上50質量%以下である」
と記載されているのを、
「前記第1の炭素繊維および第2の炭素繊維の合計含有率が35質量%以上40質量%以下である」
に訂正する。
3 訂正事項3
明細書の段落【0010】において、
「二種類の繊維強化材の合計含有率の上限値は50質量%とする。」
と記載されているのを、
「二種類の繊維強化材の合計含有率の上限値は40質量%とする。」
に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否について
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1において、第2の炭素繊維の含有率の範囲を、「5質量%以上20質量%以下」から「5質量%以上10質量%以下」に減縮し、第1の炭素繊維および第2の炭素繊維の合計含有率の範囲を、「35質量%以上50質量%以下」から「35質量%以上40質量%以下」に減縮するものであるから、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。また、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面を「本件特許明細書等」という。)の段落【0023】の表2のNo.2-2には、第1の炭素繊維が30質量%、第2の炭素繊維が5質量%であり、合計が35質量%配合された実施例が、No.2-3には、第1の炭素繊維が30質量%、第2の炭素繊維が10質量%である、合計が40質量%配合された実施例が記載されている。
また、本件特許明細書の段落【0027】には、「第1の炭素繊維の含有率が30質量%である場合、第2の炭素繊維の含有率は5質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。」と記載されている。
これらの記載からすれば、第2の炭素繊維の含有率の範囲を、5質量%以上10質量%以下に特定し、第1の炭素繊維および第2の炭素繊維の合計含有率の範囲を、35質量%以上40質量%以下と特定する、訂正事項1は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでない。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1は、請求項1において、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2、3について
ア 訂正の目的について
訂正事項2、3は、訂正事項1による訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合性を図るための訂正である。
よって、訂正事項2、3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項2、3は、訂正事項1による訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合性を図るための訂正であるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項2、3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2、3は、訂正事項1による訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合性を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項2、3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 独立特許要件について
上記1(1)アで検討したとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、本件訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すると、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、本件訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
なお、本件訂正審判の請求の趣旨は、上記第2のとおりであり、特許権全体に対して訂正審判を請求する場合に該当するから、特許法第126条第4項の規定に適合するか否かについての検討は不要である。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1~3は、特許法第126条第1項ただし書第1号または第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同法同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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