特許訂正審判
2017-390070
ドラム式洗濯機
- 審判番号
- 2017-390070
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2007-239731外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年07月25日
- 審決日
- 2017年09月11日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】シャープ 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 分類
- P141 .852-Y (D06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4794524号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4794524号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第4794524号(平成19年9月14日特許出願、平成23年8月5日設定登録)の明細書及び特許請求の範囲を、審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、すなわち、下記(1)及び(2)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項1
請求項1記載の「前記脱水工程」を、「前記すすぎ工程」に訂正する(請求項1を引用する請求項2ないし6も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0010】に記載の「前記脱水工程」を、「前記すすぎ工程」に訂正する。
2 当審の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
(ア)訂正前の請求項1の記載
訂正前の請求項1の記載は、以下のとおりである。
「外箱内に弾性支持されるとともに前面部に洗濯物投入用の開口部が形成されている水槽と、当該水槽内に略水平軸を中心に自在に回転し且つ内部に洗濯物を収容する回転ドラムと、前記外箱に前記開口部を開閉可能に設けられ且つ閉鎖状態で前記開口部との間をドアパッキンを介してシールする開閉ドアと、投入された前記洗濯物の容量判定をするとともに洗い・すすぎ・脱水・乾燥の各工程の順次運転を制御し、前記すすぎ工程ではシャワーすすぎを実施する制御装置とを備えたドラム式洗濯機において、前記制御装置は、前記脱水工程での中間脱水の回転数の検出を受けて、前記中間脱水の回転数がある一定の回転数以上であることに応答して、前記シャワーすすぎを継続することを特徴とするドラム式洗濯機。」
(イ)訂正前の請求項1における誤記の存在
請求項1の「洗い・すすぎ・脱水・乾燥の各工程の順次運転を制御し、前記すすぎ工程ではシャワーすすぎを実施する制御装置」の記載からすれば、シャワーすすぎは、脱水工程前のすすぎ工程で行われている。
一方、請求項1の「前記制御装置は、前記脱水工程での中間脱水の回転数の検出を受けて、前記中間脱水の回転数がある一定の回転数以上であることに応答して、前記シャワーすすぎを継続する」の記載(以下、「記載A」という。)からすれば、シャワーすすぎは、脱水工程での中間脱水の回転数の検出を受けて、継続するのである。
そして、上記記載Aにおいて、脱水工程での中間脱水の回転数の検出を受けて継続するシャワーすすぎは、「前記シャワーすすぎ」とされており、すすぎ工程で実施されるシャワーすすぎを指すのであるから、上記記載Aからすれば、シャワーすすぎを実施するすすぎ工程は脱水工程の後に行われることになる。
してみれば、訂正前の請求項1は、脱水工程をすすぎ工程の後に行うことと、脱水工程をすすぎ工程の前に行うことという相矛盾する内容を含むことになり、訂正前の請求項1の記載が誤記を包含することは明らかである。
(ウ)訂正後の請求項1の記載が本来の意を表しているかについて
本件明細書及び図面には、制御装置が脱水工程で行う制御については何ら記載されていない(なお、段落【0010】に記載があるが、当該段落【0010】の記載は、請求項1同様、訂正の対象である。)。
一方、段落【0006】-【0009】及び図12,13の記載からすれば、本件発明は、すすぎ工程での中間脱水の回転数の検出に基づくすすぎ工程でのシャワーすすぎについて制御する従来例の改良を意図していることが明らかであり、また、段落【0045】,【0057】及び図6B,Cの記載からすれば、図6BのS111での脱水が請求項1記載の中間脱水に相当し、当該中間脱水の回転数を受けて、S112で中間脱水の回転数がある一定の回転数以上であることに応答して、S123-125のシャワーすすぎを継続するように制御装置が制御を行っていることが読み取れる。
そして、段落【0019】の記載からすれば、本件発明は洗い工程、すすぎ工程、脱水工程及び乾燥工程が順次に、又は各工程が単独で行われるものとされており、段落【0040】の記載からすれば当該S111,S112及びS123-125における制御は、いずれもすすぎ工程でのシーケンスに含まれているから、中間脱水はすすぎ工程で行われるものである。
してみれば、中間脱水が行われる訂正前の請求項1記載の「前記脱水工程」は、「前記すすぎ工程」の誤記であると解するのが合理的であり、そのように解することが明細書から把握される本来の意に合致しているといえる。
よって、請求項1の「前記脱水工程」の記載は、「前記すすぎ工程」の誤記であるものと認められる。
(エ)小括
以上のとおりであるから、訂正事項1は特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであると認められる。
イ 一群の請求項ごとの訂正であるかについて
請求項2ないし6は、訂正事項1に係る請求項1を引用しているから、請求項1の訂正に連動して訂正される。
したがって、請求項1ないし6は一群の請求項であり、訂正事項1は、当該一群の請求項ごとになされたものと認められる。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
上記2(1)ア(ウ)で検討したように、訂正事項1は、明細書の段落【0019】,【0040】,【0045】,【0057】及び図6B等に基づいて誤記を訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内のものと認められる。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
エ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記2(1)ア(ウ)で指摘したように、訂正後の請求項1の記載は、明細書から把握される本来の意に合致しているといえる。
そして、訂正事項1は、上記2(1)ウで指摘したように、願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
オ 独立特許要件
訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし6に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができない理由は発見されていないから、訂正後の請求項1ないし6に係る発明は独立特許要件を満たす。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
上記2(1)ア(イ)で指摘したのと同じ理由により,訂正前の明細書の段落[0010]には相矛盾する記載があり、誤記を包含することは明らかである。
そして、上記2(1)ア(ウ)で指摘したのと同じ理由により、段落[0010]の「前記脱水工程」の記載は、「前記すすぎ工程」の誤記であると解するのが合理的であり、そのように解することが明細書から把握される本来の意に合致しているといえる。
よって、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであると認められる。
イ 一群の請求項についての訂正であるかについて
訂正事項2に係る明細書の段落【0010】の記載は、上記訂正事項1に係る請求項1に対応する記載である。
そして、上記訂正事項1に係る訂正後の請求項1ないし6からなる一群の請求項が本件審判請求の対象とされている。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。
ウ 新規事項の有無について
上記2(1)ウで指摘したのと同じ理由により、訂正事項2は、本件出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された範囲内のものと認められる。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
エ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記2(1)エで指摘したのと同じ理由により、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
オ 独立特許要件
訂正事項2による訂正により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし6に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができない理由は発見されていないから、訂正後の請求項1ないし6に係る発明は独立特許要件を満たす。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
3 むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的としたものであり、同法同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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