特許訂正審判
2017-390066
情報処理装置、情報を表示する方法、プログラム、および情報処理システム
- 審判番号
- 2017-390066
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2013-085932外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年07月07日
- 審決日
- 2017年08月28日
- 公報発行日
- 2017年11月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】任天堂 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 分類
- P141 .832-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6131090号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6131090号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6131090号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし12に係る特許についての手続の経緯は、以下のとおりである。
平成25年 4月16日 特許出願
平成29年 4月21日 特許の設定登録
平成29年 7月 7日 本件訂正審判請求
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正事項
本件審判請求書で請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)は、次のとおりである。(当審注.訂正箇所に下線を付した。)
訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の記載について、
「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」とあるのを、「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは異なる第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」と訂正する。
訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3の記載について、
「記通信用情報を、前記自装置に関連する位置情報を追加するための更新手段」とあるのを、「記通信用情報に、前記自装置に関連する位置情報を追加するための更新手段」と訂正する。
訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3の記載について、
「前記更新手段によって更新された前記通信用情報を他の情報処理装置に送信するためのと送信手段をさらに備える」とあるのを、「前記更新手段によって更新された前記通信用情報を他の情報処理装置に送信するための送信手段とをさらに備える」と訂正する。
訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4の記載について、
「記通信用情報を、前記自装置に関連する位置情報を追加するための更新手段」とあるのを、「記通信用情報に、前記自装置に関連する位置情報を追加するための更新手段」と訂正する。
訂正事項5
特許請求の範囲の請求項10の記載について、
「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」とあるのを、「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは異なる第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」と訂正する。
訂正事項6
特許請求の範囲の請求項11の記載について、
「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」とあるのを、「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記コンピュータとは異なる第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」と訂正する。
訂正事項7
特許請求の範囲の請求項12の記載について、
「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」とあるのを、「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは異なる第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」と訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の請求項1の記載は、「前記通信用情報は、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と、当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」であり、「前記通信用情報」は、情報である「前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報」と「前記第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」であることを示す記載であると認められる。そして、「前記第2の他の情報処理装置」を修飾する記載として「当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは」との文言があるものと認められる。
このとき、「当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは」との文言は、「前記第2の他の情報処理装置」を修飾する記載としては、係り受けが日本語として不自然であるため、本件訂正前の請求項1の記載は、明瞭な記載であるとはいえない。
そして、訂正事項1は、当該文言を「当該第1の他の情報処理装置および前記情報処理装置とは異なる」に訂正することで、係り受けを日本語として適切にし、明瞭な記載に改める訂正であるといえる。
そうすると、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件訂正前の請求項1には、「所定範囲内に存在する他の情報処理装置との間でデータ通信可能に設けられた情報処理装置であって」との記載があり、「情報処理装置」と「他の情報処理装置」とは異なるものであることは、本件訂正前の請求項1に記載されているといえる。
そして、本件訂正前の請求項1には、「前記第2の他の情報処理装置に関連する位置情報は、前記第1の他の情報処理装置が前記第2の他の情報処理装置から受信した情報であり」との記載があり、「第2の他の情報処理装置に関連する位置情報」を「第1の他の情報処理装置」に送信するのであるから、「第2の他の情報処理装置」が「第1の他の情報処理装置」とは異なる装置であることは自明である。よって、「第2の他の情報処理装置」と「第1の他の情報処理装置」とは異なるものであることは、本件訂正前の請求項1に記載されているといえる。
そうすると、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記「1(2)」で前述したように、「第1の他の情報処理装置」及び「情報処理装置」と「第2の他の情報処理装置」とは異なるものであることは、本件訂正前の請求項1の「所定範囲内に存在する他の情報処理装置との間でデータ通信可能に設けられた情報処理装置であって」との記載、及び、「前記第2の他の情報処理装置に関連する位置情報は、前記第1の他の情報処理装置が前記第2の他の情報処理装置から受信した情報であり」との記載において示されていたのであり、請求項1が示す内容は、訂正の前後で事実上変化していないから、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の請求項3の記載は「前記通信用情報を、前記自装置に関連する位置情報を追加するための更新手段」であり、「通信用情報」に「自装置に関連する位置情報」を「追加する」のか、「通信用情報」を「自装置に関連する位置情報」に「追加する」のか明確でないものを、訂正事項2は、「前記通信用情報に、前記自装置に関連する位置情報を追加するための更新手段」と訂正することで、明瞭な記載に改める訂正であるといえる。
そうすると、訂正事項2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件訂正前の請求項3には、「前記更新手段によって更新された前記通信用情報を他の情報処理装置に送信する」との記載があり、「通信用情報」が更新されていることは自明である。
そして、「通信用情報」が更新されるということは、「更新手段」によって「通信用情報」に「自装置に関連する位置情報」を「追加する」ことにより更新される他なく、訂正事項2による訂正は、本件訂正前の請求項3に記載されている事項といえる。
そうすると、訂正事項2による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記「2(2)」で前述したように、「通信用情報」に「自装置に関連する位置情報」を「追加する」ことは、本件訂正前の請求項3の「前記更新手段によって更新された前記通信用情報を他の情報処理装置に送信する」において示されていたのであり、請求項3が示す内容は、訂正の前後で事実上変化していないから、訂正事項2による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の請求項3の記載は「前記更新手段によって更新された前記通信用情報を他の情報処理装置に送信するためのと送信手段をさらに備える」であり、「送信するためのと送信手段を」との文言は、日本語として不自然な表現であるものを、訂正事項3は、「送信するための送信手段とを」と訂正することで、明瞭な記載に改める訂正であるといえる。 そうすると、訂正事項3による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記「3(1)」で前述したように、訂正事項3は、日本語として不自然な表現があるため、訂正前の特許請求の範囲の記載が明瞭ではなかったものを、明瞭な記載に改めたものであり、「送信手段」という特定事項に対して新たな事項を付したり変更するものではないため、本件訂正前の請求項3に記載されている事項といえる。
そうすると、訂正事項3による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記「3(2)」で前述したように、「送信手段」という特定事項に対して新たな事項を付したり変更するものではないため、請求項3が示す内容は、訂正の前後で事実上変化していないから、訂正事項3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正事項4による訂正は、上記「2(1)」と同様の理由により、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項4による訂正は、上記「2(2)」と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項4による訂正は、上記「2(3)」と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5 訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正事項5による訂正は、上記「1(1)」と同様の理由により、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項5による訂正は、上記「1(2)」と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項5による訂正は、上記「1(3)」と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
6 訂正事項6について
(1)訂正の目的について
訂正事項6は、本件訂正前の請求項11の記載のうち「前記情報処理装置」を「前記コンピュータ」に訂正する訂正事項と、「とは第2の他の情報処理装置」を「とは異なる第2の他の情報処理装置」に訂正する訂正事項という2つの訂正事項を含むものである。
そして、「前記情報処理装置」を「前記コンピュータ」に訂正する訂正事項は、「前記情報処理装置」という「前記」に対応する「情報処理装置」が、本件訂正前の請求項11に記載されていないことから、対応関係が不明確であり、明瞭な記載とはいえないものを、本件訂正前の請求項11に記載されている「コンピュータ」に訂正することで、対応関係を明確にして、明瞭な記載に改める訂正である。
また、「とは第2の他の情報処理装置」を「とは異なる第2の他の情報処理装置」に訂正する訂正事項については、上記「(1)ア」で前述した通りである。
そうすると、訂正事項6による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
「前記情報処理装置」を「前記コンピュータ」に訂正する訂正事項について検討する。
本件訂正前の請求項11には、「前記プログラムは、前記コンピュータに、前記第1の他の情報処理装置に関連する位置情報と前記第2の他の情報処理装置に関連する位置情報と自装置に関連する位置情報とに基づいて算出される距離に基づく表示処理を実行するステップをさらに実行させる」との記載があり、ここでいう「自装置」が「コンピュータ」を示していることは自明であるから、「コンピュータ」が、自装置に関連する位置情報を有する装置であることは、本件訂正前の請求項11に記載されているといえる。
また、本件訂正前の請求項11には、「所定範囲内に存在する他の情報処理装置との間でデータ通信可能に設けられたコンピュータ」との記載、及び、「前記プログラムは、前記コンピュータに、第1の他の情報処理装置から通信用情報を受信するステップを実行させ」との記載があり、「コンピュータ」が「他の情報処理装置」と「通信用情報」等のデータ通信が可能な装置であることも、本件訂正前の請求項11に記載されているといえる。
そして、本件訂正前の請求項1等には、請求項11に係る「コンピュータ」と同等な機能を奏する装置を「情報処理装置」として記載していることから、請求項11に係る「コンピュータ」は、本件訂正前の請求項1等に記載された「情報処理装置」と実質的に同義に用いられているものであることは明らかである。
そうすると、「前記情報処理装置」を「前記コンピュータ」に訂正する訂正事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項であると認められる。
また、「とは第2の他の情報処理装置」を「とは異なる第2の他の情報処理装置」に訂正する訂正事項については、上記「1(2)」で前述した通りである。
そうすると、訂正事項6による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記「6(2)」で前述したように、訂正事項6による訂正のうち「前記情報処理装置」を「前記コンピュータ」に訂正する訂正事項は、実質的に同義の用語に訂正するものであり、また、「とは第2の他の情報処理装置」を「とは異なる第2の他の情報処理装置」に訂正する訂正事項については、上記「1(2)」で前述した通りであるから、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
7 訂正事項7について
(1)訂正の目的について
訂正事項7による訂正は、上記「1(1)」と同様の理由により、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項7による訂正は、上記「1(2)」と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項7による訂正は、上記「1(3)」と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項、及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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