特許訂正審判
2017-390059
変形性関節症のバイオマーカー
- 審判番号
- 2017-390059
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-244355外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月30日
- 審決日
- 2017年09月12日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ザ・キュレーターズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミズーリ
- 【請求人代理人】鮫島 睦
- 【請求人代理人】森本 靖
- 【請求人代理人】新田 昌宏
- 分類
- P141 .852-Y (G01N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第36条第6項第1号、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5980299号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5980299号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3-11〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第5980299号に係る出願は、2011年(平成23年)3月4日(パリ条約による優先権主張 2010年3月5日 米国)に国際出願された特願2012-556266号の一部を、平成26年12月2日に新たに出願したものであって、平成28年8月5日に特許権の設定登録がされ、平成29年6月30日に本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の趣旨は、本件審判請求書の「5.請求の趣旨」に記載されるとおり、本件特許第5980299号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3~11について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「特許明細書等」という。)の特許請求の範囲の請求項3に「c)前記第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと前記第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含み、前記第1のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける前記OAポリペプチドの発現レベルが、前記ヒト対象由来の前記第2の生物学的流体試料中の前記OAポリペプチドの発現レベルより低い場合は」と記載されているのを、「c)前記第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと前記第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含み、前記第2のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける前記OAポリペプチドの発現レベルが、前記イヌ対象由来の前記第1の生物学的流体試料中の前記OAポリペプチドの発現レベルより低い場合は」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4~11も同様に訂正する)。
なお、下線は、訂正箇所を示すものであり、請求人が付与したものである。以下同様。
2 訂正事項2
特許明細書等の明細書の段落【0010】に「c)第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含み、第1のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第2の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合は」と記載されているのを、「c)第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含み、第2のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第1の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合は」に訂正する。
3 訂正事項3
特許明細書等の明細書の段落【0060】に「c)第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含んでもよく、第1のOAバイオマーカー発現レベルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第2の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合は」と記載されているのを、「c)第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含んでもよく、第2のOAバイオマーカー発現レベルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第1の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合は」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正の目的について
(1) 訂正事項1について
ア 特許明細書等の記載
特許明細書等には、以下の記載がある。
(ア)「【請求項3】
ヒトの変形性関節症の治療の効果を監視するための方法であって、a)前記変形性関節症の治療が前記ヒト対象に施される前に、前記ヒト対象から得られる第1の生物学的流体試料中の、以下のOAポリペプチド:1)IL6、2)MMP1、3)IL8、および4)RANTESの発現レベルを測定することを含む、第1のOAバイオマーカー発現プロファイルを得ることと、b)前記変形性関節症の治療が前記ヒト対象に施された後またはその間に、前記ヒト対象から得られる第2の生物学的流体試料中の、(a)の前記OAポリペプチドの発現レベルを測定することを含む、第2のOAバイオマーカー発現プロファイルを得ることと、c)前記第1のOAバイオマーカー発現プロファイルと前記第2のOAバイオマーカー発現プロファイルとを比較することと、を含み、前記第1のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける前記OAポリペプチドの発現レベルが、前記ヒト対象由来の前記第2の生物学的流体試料中の前記OAポリペプチドの発現レベルより低い場合は、前記ヒト対象における前記変形性関節症治療の治療効果を示す、方法。」
(イ)「【0027】
本明細書で使用される「OAバイオマーカー」は、バイオマーカーの発現レベルもしくは数または構造が、OAを伴わない、または同じ程度、重篤性、型、もしくは病期のOAを有する対象よりも、OAが存在する、または同じ程度、重篤性、型、もしくは病期のOAを有する対象において著しく頻繁に見られる時の、OAを示す。対照と比較した時のOAマーカーの発現レベル、数、または構造の有意性は、許容される信頼性のレベル(例えば、最低で95%)を適用することによって、通常の統計的方法を使用して判定される。例えば、各OAバイオマーカーの発現レベルのカットオフまたは閾値を、発現レベルの臨床的または亜臨床OA指標との相関度を含む、多数の因子に従って設定してもよい。例えば、OAを示すバイオマーカーの発現レベルは、例えば、疾患を有する患者の少なくとも60%で見ることができ、疾患を有しない対象では10%未満でしか見られない。より好ましくは、発現レベルは、疾患を有する患者の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上で見られた場合にOAを示し、疾患を有しない対象では20%未満、10%未満、8%未満、5%未満、2.5%未満、または1%未満でしか見られない。」
(ウ)「【0056】
OAバイオマーカーは、例えば変形性関節症を治療するための治療薬として候補物質を特定するための、種々のスクリーニング方法に容易に適用することができる。そのような方法は、例えば、a)候補物質を、自然発症変形性関節症であると診断された対象に投与することと、b)対象由来の生物学的試料中の、MCP1、IL8、KC、MMP2、MMP3、IL6、MMP1、RANTES、MMP9、IL1B、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質E、DCN、CILP、およびCOMPから成る群から選択される、2つ以上のOAポリペプチドの発現レベルを測定することと、c)生物学的試料中の2つ以上のOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、試験物質を投与していない対照対象由来の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合に、変形性関節症を治療するための候補治療薬として、前記候補物質を選択することと、を含んでもよい。」
(エ)「【0061】
本明細書で同じ意味で使用される「OA治療」および「変形性関節症治療」という用語は、本明細書で説明されるOAバイオマーカーの2つ以上の任意の組み合わせの対象における発現レベルを低減する、および/または対象におけるOAの臨床的症状を低減または排除する、任意の治療用デバイスまたは薬剤を適用すること、または施すことを指す。」
(オ)「【0086】
実施例3:ヒト患者の滑液中のOAバイオマーカー
ヒト患者の滑液中のOAバイオマーカーを調査した。1)正常な患者および膝関節全置換を受けているOA患者の滑液に放出される特定のMMPおよび炎症性サイトカインの濃度を特定し、測定すること、および2)これらの炎症性バイオマーカーの産生を、疾患の放射線学的重篤性と相関させること、を特定の目標とした。全ての手技は、IRB(IRB#1042248)の承認を得て行った。滑液は、これまでにいかなる膝の損傷もない、膝の疼痛またはOAといった臨床症状もない、または手術手技も行っていない、3人の「真の正常な」患者(23、27、28歳)から吸引した。滑液は、OAを伴う18人の患者(21の膝)から、膝関節全置換術の直前に吸引した(年齢範囲=44~86歳)。等容積のヒアルロニダーゼ処理済みの滑液試料を、Fluorokine MAPヒトMMP(MMP-1、-2、-9、および013)、およびサイトカイン(インターロイキン1β(IL-1β)、IL-6、IL-8、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α)、MIP-1β、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、RANTES)多重パネル(R&D Systems)を使用して分析した。ログ形質転換を行って、統計分析のためのデータを正規化した。正常な群およびOA群からの結果は、対応のないt-検定を使用して、またピアソンの積率相関を使用した分析物間で評価した。有意性は、p<0.05に設定した。最終的にTKAを受けた各患者には、術前評価中に、立位AP放射線撮影を行った。改良型のKellgren-Lawrenceスコアリングシステムを、内側および外側区画に適用し、次いで、合計した。放射線学的スコアは、有意性をp<0.05に設定した、Spearmanの順位相関を使用して、ログ形質転換したMMP/サイトカインデータと相関させた。
【0087】
正常対OA:図3に示されるように、試験を行った12のバイオマーカーのうち、MMP-1、IL-6、IL-8、およびRANTESは、正常な患者と比較して、OA患者の滑液において大幅に高かった。12のうちの3つ、すなわち、MIP-1β、MCP-1、およびMMP-2は、有意性を示していた(図3には示さず、p=0.105)。MMP-9、MMP-13、IL-1β、TNF-α、およびMIP-1αは、全ての患者に対してこのアッセイの検出限界よりも低かった。
【0088】
分析物間の相関性:MMP-1は、MMP-2(r=0.43)、IL-6(r=0.52)、IL-8(r=0.43)、およびRANTES(r=0.58)との適度な正の相関を有した。IL-6は、IL-8との強い(r=0.79)正の相関を有し、MMP-2との適度な(r=0.44)正の相関を有した。MCP-1は、IL-6との適度な(r=0.56)正の相関を有し、IL-8との強い(r=0.70)正の相関を有した。
【0089】
放射線学的スコアリングとの相関性:放射線学的スコアリングシステムは、IL-6(r=0.71)およびIL-8(r=0.82)との強い正の相関を有し、MMP-1(r=0.353)およびMCP-1(r=0.483)との適度な正の相関を有した。
【0090】
このデータは、初めて、ヒト患者のOAに対する滑液バイオマーカーの指示を提供するものと考えている。重要なことに、真の正常な対照をこの研究に使用したが、これは珍しいことであり、したがって、ヒトの臨床研究における重大な制限因子ではない。この研究の結果は、IL-6およびIL-8がOA患者においてかなりの増加を示し、これらの2つの間で強い相関性を示し、また、放射線学的変化の重篤性に対して強い相関性を示したので、これらの2つのサイトカインが、潜在的なバイオマーカーとして特に興味深いことを示唆している。また、放射線学的変化の重篤性とMMP-1およびMCP-1のレベルとの間に、顕著な適度に強い相関性も示した。放射線学的重篤性に対する相関性は、密接な臨床的関連性をこれらのタンパク質のOAバイオマーカーとしての調査に対して提供するので、特に重要である。IL-6、IL-8、MMP-1、およびMCP-1は、市販のアッセイを使用して、滑液の小容積試料中のパネルとして、容易に評価することができる。
【0091】
実施例1および2の結果とともに、この実施例の結果は、IL-6、IL-8、MMP、KCおよびMCP-1が、イヌおよびヒトの患者の双方における疾患の存在および重篤性、ならびに治療監視の双方に対するバイオマーカーパネルを提供することを示している。」
イ 訂正の目的の検討
(ア)特許明細書等の記載から自明な事項
特許明細書等の用語の定義に関する記載である上記「ア(イ)」及び上記「ア(エ)」から、特許明細書等において、「OAバイオマーカー」とは、その発現レベルが、OAを伴わない対象よりも、OAが存在する対象において著しく頻繁に見られるものであり、「治療」とは、OAバイオマーカーの発現レベルを低減することであることが記載されている。
また、治療候補物質を特定するための方法に関する上記「ア(ウ)」及びヒトに関する治験データを示す上記「ア(オ)」から、特許明細書等においては、「治療」することによって、請求項3に規定されている「1)IL6、2)MMP1、3)IL8、および4)RANTES」の発現レベルは、治療前に比べて減少していることが示される。
そして、特許明細書等には、請求項3及び請求項3の記載と同内容である【0010】及び【0060】段落以外に、「治療」によってOAバイオマーカーの発現レベルが上昇することは、記載も示唆もされていない。
しがって、上記「ア(イ)」ないし「ア(オ)」の記載を参酌すれば、特許明細書等において「治療効果を示す」といえるのは、治療が施された後又はその間の対象から得られたOAバイオマーカーの発現レベルが、治療が施される前の対象から得られたOAバイオマーカーの発現レベルよりも低い場合を指すことは自明である。
(イ)訂正前の請求項3の記載
訂正前の請求項3に記載された工程c)は、治療が施される前の対象から得られた「第1のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける前記OAポリペプチドの発現レベル」が、治療が施された後又はその間の対象から得られた「第2の生物学的流体試料中の前記OAポリペプチドの発現レベル」より低い場合に、治療効果を示すとするものである。
したがって、訂正前の請求項3の工程c)の記載は、上記「イ(ア)」で認定した特許明細書等から自明な事項と整合していない
そして、特許法第36条第6項第1号の要請から発明の詳細な説明に記載されていない発明を特許請求の範囲に記載することを意図していたとは考えられないから、請求項3の工程c)の「前記第1のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける前記OAポリペプチドの発現レベルが、前記ヒト対象由来の前記第2の生物学的流体試料中の前記OAポリペプチドの発現レベルより低い場合」との記載には誤記があり、正しい記載が、「前記第2のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける前記OAポリペプチドの発現レベルが、前記ヒト対象由来の前記第1の生物学的流体試料中の前記OAポリペプチドの発現レベルより低い場合」であることは、明らかである。
(ウ)小括
以上のとおり、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものに該当する。
(2)訂正事項2について
上記「(1) 訂正事項1について」で検討したのと同様に、段落【0010】の工程c)の「第1のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第2の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合」との記載には誤記があり、正しい記載が、「第2のOAバイオマーカー発現プロファイルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第1の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合」であることは、明らかである。
したがって、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものに該当する。
(3)訂正事項3について
上記「(1) 訂正事項1について」で検討したのと同様に、段落【0060】の工程c)の「第1のOAバイオマーカー発現レベルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第2の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合」との記載には誤記があり、正しい記載が、「第2のOAバイオマーカー発現レベルにおける2つ以上の選択されたOAポリペプチドのそれぞれの発現レベルが、対象由来の第1の生物学的試料中の選択された2つ以上のOAポリペプチドの発現レベル以下である場合」であることは、明らかである。
したがって、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものに該当する。
2 その他の要件について
(1)新規事項の追加について
上記1(1)ア(イ)-同ア(オ)で摘記した事項は、本件特許に係る出願の外国語書面の明細書にも記載されている。
してみると、上記1(1)イ(ア)で検討したのと同様に、外国語書面の明細書においても、「治療効果を示す」といえるのは、治療が施された後又はその間の対象から得られたOAバイオマーカーの発現レベルが、治療が施される前の対象から得られたOAバイオマーカーの発現レベルよりも低い場合を指すことは自明である。
したがって、訂正事項1-3による訂正後の明細書及び特許請求の範囲の記載は、外国語書面から自明な事項の範囲内のものであるから、訂正事項1-3は、外国語書面に記載された事項の範囲内でするものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1-3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(2)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正前の記載は誤記があることが明らかであって、当業者であれば、訂正前の記載を、その記載どおりにではなく、訂正後の記載の趣旨に理解するのが当然であるから、そのような当業者の理解を前提とするならば、本件訂正の前後で特許請求の範囲は同一である。
よって、訂正事項1-3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできない。
したがって、訂正事項1-3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項3-11に係る発明(以下、「訂正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討するに、訂正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1-3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(4)特許法施行規則に基づく一群の請求項について
請求項4-11は、いずれも、請求項3を引用するものであるから、請求項3-11は、特許法施行規則第46条の2第2号に掲げる関係を有する一群の請求項である。
そして、訂正事項1は、請求項3-11からなる一群の請求項ごとに、訂正請求するものであり、訂正事項2、3は、一群の請求項3-11に関係する訂正であって、請求項1、2、12-17に関係しないものである。
したがって、訂正事項1は特許法第126条第3項の規定に適合し、訂正事項2、3は特許法第126条第4項の規定に適合する。
第5 むすび
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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