特許拒絶査定不服審判
2017-017659
空気調和機の室内機及び空気調和機
- 審判番号
- 2017-017659
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-216916外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月29日
- 審決日
- 2018年10月09日
- 公報発行日
- 2019年01月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
- 分類
- P18 .121-Z (F24F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-216916「空気調和機の室内機及び空気調和機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月23日出願公開、特開2015- 78802〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成25年10月18日の出願であって、平成28年6月7日に手続補正書が提出され、平成29年2月9日付けで拒絶理由が通知され、平成29年5月9日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年7月26日付け(発送日:平成29年8月1日)で拒絶査定がされ、これに対して平成29年11月29日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成29年5月9日提出の手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに出願当初の図面からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
被空調室内を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときに外部の情報端末へ通知する外部通知モードと、前記撮像手段により撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときに外部の情報端末へ通知しない非通知モードとを有し、前記外部通知モード又は前記非通知モードを選択することができる通知モード設定部を有する制御手段とを備える空気調和機の室内機。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由(拒絶査定における理由)は、本願の請求項1、2、5、及び6に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1ないし4に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献一覧>
1. 特開2010-71595号公報(審決注:本審決の引用例1)
2. 特開2003-255442号公報(審決注:本審決の引用例2)
3. 特開2010-266188号公報
4. 特開平08-178390号公報
第4 引用例
1.引用例1
(1)引用例1の記載事項
原査定の理由に引用され、本願の出願前に頒布された引用例である、特開2010-71595号公報(以下、「引用例1」という。)には、「空気調和装置」に関して、図面とともに以下の記載がある(なお、下線は理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。
1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内画像を撮像可能とする撮像手段と、該撮像手段からの撮像画像情報から室内にいる人間およびペットのうちの少なくともいずれかの活動状態を検出する活動状態検出手段と、該活動状態検出手段で検出した人間およびペットのうちの少なくともいずれかの活動状態の情報に応じて空気調和処理および情報出力処理のうちの少なくともいずれかに切り替え制御する処理切り替え手段とを有する空気調和装置。
【請求項2】
前記活動状態検出手段により検出された人間およびペットのうちの少なくともいずれかの活動状態の情報に基づいて、該人間およびペットのうちの少なくともいずれかが所望の感覚を得るように前記空気調和処理として送風制御を行う空気調和制御手段と、該人間およびペットのうちの少なくともいずれかの活動状態の情報を前記情報出力処理として出力可能とする情報出力手段とを更に有する請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記活動状態は、人間または/およびペットの位置および方向、不審者またはペットの侵入の有無および、人間または/およびペットの室内での動きのいずれかである請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記人間またはペットの侵入の有無は、外出または夜間の室内不在を示す情報が入力されており、かつ人間またはペットが存在するかしないかを前記活動状態検出手段が検出して、侵入情報を前記情報出力手段が出力する請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記人間または/およびペットの室内での動きは、該人間およびペットのうちの少なくともいずれかが前記室内にいるかまたはいなくなったかを前記活動状態検出手段が検出して監視し、その監視情報を前記情報出力手段に出力する請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記情報出力手段の出力先として、前記人間およびペットのうちの少なくともいずれかの活動状態の情報が異常を示す場合に、これを検出して、警告音、警告音声、照明の点灯、照明の点滅および画面表示のうちの少なくともいずれかにより、室内外にいる人間に警告を与える警報手段を更に有する請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記警報手段は、外出または夜間の室内不在を示す情報が入力され、かつ人間またはペットが存在する場合または、子供、お年寄りおよびペットのうちの少なくともいずれかが前記室内からいなくなった場合を、前記活動状態の情報が異常を示す場合として検出する請求項6に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記情報出力手段からの室内情報を、通信回線を用いて室内またはその外部の電子機器に通信可能とする通信手段を更に有する請求項2に記載の空気調和装置。」
1b)「【0029】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における防犯機能付き空気調和装置の構成図である。
【0030】
図1において、本実施形態1の防犯機能付き空気調和装置1は、室内画像を撮像可能とする撮像手段2と、この撮像手段2により撮像された撮像画像情報から、室内にいる人間8やペットの活動状態を検出する活動状態検出手段3と、活動状態検出手段3により検出された人間8やペットの活動状態に応じて空気調和装置1が実行する処理として、空気調和制御処理または警報情報出力処理に切り替え可能とする処理切り替え手段4と、この処理切り替え手段4により、活動状態検出手段3で検出された人間8やペットの活動状態に基づいて、人間8やペットが所望の感覚を得るように送風制御を行う空気調和制御手段5と、活動状態検出手段3により検出された人間8やペットの活動状態に関する情報を外部に出力可能とする情報出力手段6と、この情報出力手段6からの出力情報に何らかの異常を検知した場合に、警報を出力する警報手段7とを有しており、この情報出力手段6の動作を制御することにより、空気調和機能を利用していない外出時や夜間などに、空気調和装置1に備わる各種センサを利用して不審者やペットの侵入の検知を行ったり、空気調和機能を利用しない場合に、お年寄りや子供、さらにペットの見守り(監視)を行う機能を実現することができる。
【0031】
撮像手段2は、可視光で空調対象の室内を撮像する場合は、撮像方向前方にレンズが設けられた撮像素子(CCDまたはCMOSセンサなど)で構成されるビデオカメラを用いる。ビデオカメラの撮像手段2から出力された撮像画像信号を活動状態検出手段3に出力する。なお、本実施形態1において、撮像光は可視光だけではなく、赤外光を撮像可能な赤外線カメラであってもよい。また、コストを抑えるためには、焦電センサの赤外線センサを用いてもよい。ただし、赤外線センサの場合には、室内にいる人間8やペットの形状の判断はできず、存在するかしないかだけの情報の取得のみとなるので、人間8やペットの活動状態の検知精度や情報量は落ちる。
【0032】
活動状態検出手段3は、撮像手段2からの画像信号を時系列に従ってフレーム毎に内部の画像メモリに記憶し、この画像メモリ内の記憶画像情報の特定のフレームに基づいて、室内における熱源や形状からの人間8やペットの有無の判定および、人間8やペットのいる位置(方向)を検出すると共に、時系列の複数のフレームの画像情報を監視して、室内の人間8やペットの状態変化からその人間8やペットの活動状態を検出する。
【0033】
この場合の室内の人間8やペットの活動状態としては、人間または/およびペットの位置および方向、不審者などの人間またはペットの侵入の有無および、人間または/およびペットの室内での動きのいずれかである。不審者まどの人間またはペットの侵入の有無については、外出または夜間の室内不在時を示す情報が、図示しない操作入力部(ボタン)から入力されているときに、室内に、人間8やペットが存在するかまたは、人間8やペットが存在しないかを活動状態検出手段3が検出して、その検出結果としての侵入情報(不審者やペットの有無情報)を情報出力手段6に出力する。また、子供、お年寄りおよびペットのうちの少なくともいずれかの監視については、子供、お年寄りおよびペットのうちの少なくともいずれかが、室内にいるかまたは室内からいなくなったかを、活動状態検出手段3が検出して、この監視情報(人間8やペットがいた場合からいなくなった場合の変化情報など)を情報出力手段6に出力する。」
1c)「【0036】
処理切り替え手段4は、図2に示すように、処理切り替え制御部41と処理切り替え器42とから構成されている。処理切り替え制御部41は、活動状態検出手段3により検出された人間の活動状態と、空気調和装置1自体の動作状況に応じて、空気調和装置1が実行する処理を切り替えための制御を行う。例えば、空気調和装置1が、室内の人間8やペットに対して、暖風または冷風を風量、風向を調節しながら吹き出し口から吹き出して、室内を快適な環境に保つ空気調和処理機能を働かせている動作状態の場合には、処理切り替え制御部41は処理切り替え器42に対して、空気調和制御手段5が活動状態検出手段3により検出された人間8やペットの活動状態に基づいて、人間8やペットが快適な感覚を得るように送風を制御するための情報を空気調和制御手段5に伝えるように制御する。また、空気調和装置1が、上述の空気調和機能を働かせていない動作状態の場合には、室内に不審者が侵入してきたかどうかを監視するために、情報出力手段6が活動状態検出手段3により検出された人間8やペットの活動状態に基づいて、人間8やペットが不審者または不審物体かどうか判断するための情報を情報出力手段6に伝えるように制御するようになっている。」
1d)「【0039】
情報出力手段6は、処理切り替え手段4によって室内に不審者が侵入してきたかどうかを監視することを指示されている場合に、活動状態検出手段3により検出された人間8の活動状態の情報に基づいて、人間8が活動していることを検知したとき、その人間8を不審者の侵入と判断し、警報を発するための警報情報を警報手段7に出力する。
【0040】
警報手段7は、情報出力手段6からの警報出力情報に基づいて、その警報出力情報を検出してそれが異常情報(例えば不審者の侵入情報)の場合、ブザーなどによる警告音や警告音声、ライトによる照明(点灯や点滅)、表示による画面表示などにより、異常を検知したことを周辺の人間に通知することができる。
【0041】
要するに、警報手段7は、外出または夜間の室内不在を示す情報が入力され、かつ人間8またはペットが存在する場合または、子供、お年寄りおよびペットのうちの少なくともいずれかが室内からいなくなった場合などを、人間8またはペットの活動状態の情報が異常を示す場合として検出して、警告音などにより周辺の人間に警告を与える。
1e)「【0044】
また、本実施形態1では、空気調和制御手段5と情報出力手段6は排他的に利用されることを想定しているが、空気調和制御手段5と情報出力手段6を同時に利用できるように処理切り替え手段4に指示させることも可能である。この場合には、空気調和機能を働かせている室内にいる子どもやお年寄り、ペットなどの見守りにも利用することができる。さらに、処理切り替え手段4は、空気調和制御処理および警報情報出力処理に切り替え可能とすることもできる。即ち、処理切り替え手段4は、空気調和制御処理および警報情報出力処理のうちの少なくともいずれかに切り替えることができる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2における防犯機能付き空気調和装置の構成図である。なお、図3は、図1の構成部材と同様の作用効果を奏する部材には同一の部材番号を付してその説明を省略する。
【0045】
図3において、本実施形態2の空気調和装置1の構成は、図1に示す実施形態1の場合と同様であるが、情報出力手段6が通信手段9と接続されている点が異なっている。この通信手段9は、情報出力手段6からの室内情報として、室内の人間8やペットの活動状態などの情報を、通信回線を用いて室内内外部の電子機器(PC10、11や携帯電話会社12の送受信機器)に通信可能とする。
空気調和装置1は、通信手段9によって、空気調和装置1が設置されている建物と同じ建物内に設置された家庭内PC(パーソナルコンピュータ)10、空気調和装置1が設置されている建物と同じ建物外に設置された家庭外PC(パーソナルコンピュータ)11にインターネットなどを介して接続されている。また、通信手段9は携帯電話会社12の送受信機器とも接続されており、携帯電話会社12の送受信機器を介して携帯電話装置13とも接続可能である。」
1f)「【0049】
以上により、本実施形態2によれば、既に内蔵されている各種センサ類としての撮像素子2(または赤外線センサ)、および外部との通信処理機能を用いて、撮像画像情報から室内の人間およびペットのうちの少なくともいずれかの活動状態を検出するため、不審者または不審物体の侵入を検知したり、子供やペットの見守り(監視)を行う付加機能を低価格で行うことができる。」
1g)上記1e)の実施形態2に関する記載、1f)の記載及び図3の記載から、空気調和装置1における情報出力手段6が通信手段9と接続されて室内の人間8の活動状態、すなわち不審者の侵入などの室内情報を外部の電子機器に通知する付加機能を、空気調和装置1が備えることが分かる。
(2)引用発明
上記(1)及び図1ないし3の記載からみて、引用例1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。)
「空調対象の室内を撮像する撮像手段2と、
撮像手段2で撮像された画像情報から検出される人間8の活動状態の情報に基いて、室内に不審者が侵入してきたと判断されるときに、外部の電子機器に通知する付加機能と、を備える空気調和装置1。」
2.引用例2
(1)引用例2の記載事項
原査定の理由に引用され、本願の出願前に頒布された引用例である、特開2003-255442号公報(以下、「引用例2」という。)には、「監視装置」に関して、図面とともに以下の記載がある。
2a)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、監視装置、監視方法および監視プログラムに関し、特に、監視するべき領域に侵入した物体を発見および追尾する監視装置、監視方法および監視プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、監視するべき領域に侵入した物体(人物を含む)を発見するための監視装置が知られている。従来の監視装置は、監視するべき領域を撮影して得られた画像を処理することで、監視領域に侵入した物体を検出(発見)するようにしている。この種の監視装置では、侵入した物体を発見する処理と、発見された物体が撮影領域内に収まるようにカメラの撮影方向を変更しながら撮影する追尾処理とが行なわれる。
【0003】また、このような監視装置は、ユーザが監視装置が設置された家から離れた外出先から、監視装置を遠隔制御できるようになっている。たとえば、外出先から携帯用の情報端末を監視装置と公衆回線を介して接続し、所定の遠隔操作コマンドを監視装置に送信することにより、情報端末から監視装置を制御することが可能である。このように監視装置を遠隔制御することにより、監視装置で撮影された家の中の様子を外出先で見ることができる。」
2b)「【0018】図1は、本発明の実施の形態の1つにおける監視装置の概略構成を示す図である。図1を参照して、監視装置100は、カメラヘッド120と、コントロールボックス101とから構成される。カメラヘッド120は、撮影可能な範囲を撮影して画像を出力する電荷結合素子(CCD)と、カメラの撮影方向を水平方向および垂直方向に変更するためのパン・ティルト駆動機構121と、撮影倍率を調整するズーム駆動機構122と、レンズ123とを含む。
【0019】コントロールボックス101は、監視装置100の全体を制御するための中央演算装置(CPU)102と、カメラヘッド120のCCDが出力する画像を取込むための画像入力部103と、取込まれた画像を処理するための画像処理部105と、取込まれた画像または画像処理部105で処理された画像を保存するための画像記録部104と、CPU102からの指示によりカメラヘッド102のパン・ティルト駆動機構121およびズーム駆動機構122とを制御するためのPTZ(Pan-Tilt-Zoom)制御部106と、時計を内蔵して時刻情報をCPU102に提供するタイマ108と、外部の情報通信端末やパーソナルコンピュータなどとローカルエリアネットワーク(LAN)130を介して通信するための外部通信部107と、記録媒体140に記録されたプログラムやデータ等を読込み、または、記録媒体140に必要なデータを書込むための外部記憶装置109とを含む。
【0020】CPU102は、予め内部に記憶しているプログラムを実行することにより、後述する監視処理を実行する。」
2c)「【0080】図5(H)を参照して、記録通知設定画面280は、監視領域の名称を表示する領域281と、詳細撮影するか否かを設定するためのボタン282A,282Bと、通知するか否かを設定するボタン283A,283Bと、保存ボタン284と、戻るボタン285とを含む。
【0081】領域281には、設定の対処となっている監視領域の名称が表示される。ボタン282A,282Bは、監視領域で物体が発見された場合に、その物体を詳細に撮影するかしないかを設定するためのボタンである。ボタン282Aが選択された場合には、詳細撮影すると設定され、ボタン282Bが指定された場合には詳細撮影しないと設定される(ステップS16)。
【0082】ボタン283A,283Bは、監視領域で物体が発見された場合に、その旨を通知するかしないかを設定するためのボタンである。ボタン283Aが指定された場合には通知するように設定され、ボタン283Bが設定された場合には、通知しないモードに設定される(ステップS16)。」
2d)「【0086】図6では、2つの監視領域201A,201Bを示している。監視領域201Aは、窓150を含む領域としている。したがって、窓150から侵入しようとする者がある場合には、監視領域201Aにその侵入した者が含まれることになる。監視領域201Bは、ドア151を含む領域に設定されている。このため、ドア151から侵入する者がある場合には、監視領域201Bに含まれることになる。したがって、監視領域201Bでは、ドア151からの部屋への侵入者を監視することができる。」
2e)「【0097】そして、次のステップS35では、通知するか否かが決定される。通知するか否かは、記録通知設定画面280で設定されたデータに基づく。詳細撮影しない場合の通知は、文字のみの通知に限られる。
【0098】ステップS36では、文字情報が通知される。ここでの通知とは、外部通信部109を介して、たとえば、侵入者があった旨を電子メールなどで送信する処理である。外部通信部107よりユーザが所有する携帯電話に電子メールを送信するようにしてもよい。これにより、ユーザは、電子メールを受信することにより、外出先にいながら侵入者があった旨を知ることができる。」
2f)「【0103】次に、詳細に撮影された静止画像をユーザに通報するか否かが判断される(ステップS41)。詳細撮影通報すると判断された場合にはステップS42へ進み、そうでない場合にはステップS24に進む。この判断は、記録通知設定画面280で設定されたデータに基づき判断される。図4(H)の記録通知設定画面280では、ユーザが遠隔操作によりボタン283Aが指定された場合に詳細撮影通報すると設定され、ボタン283Bが指定された場合に詳細撮影通報しないと設定された。
【0104】ステップS42では、ステップS40で撮影し保存された静止画像を、電子メールなどに添付して外部通信部107よりユーザに送信する。これにより、ユーザは、受信した電子メールとその電子メールに添付された静止画像を見ることにより、侵入者があった旨およびその侵入者を撮影した画像を見ることができる。」
(2)引用例2技術
上記(1)及び図1、3、5及び7の記載からみて、引用例2には次の技術(以下、「引用例2技術」という。)が記載されている。)
「監視領域において侵入した物体を発見した場合に、ユーザの所有する携帯電話やPCに通知するモード及び通知しないモードを選択可能とするボタン283A,283Bを監視装置の記録通知設定画面280に設ける技術。」
第5 対比・判断
引用発明における「空調対象の室内」は、その機能、構成及び技術的意義から、本件発明における「被空調室内」に相当し、以下同様に、「撮像手段2」は「撮像手段」に、「画像情報」は「画像」に、「人間8の活動状態の情報に基いて、室内に不審者が侵入してきたと判断されるとき」は「在室者の状態が変化したとき」に、「外部の電子機器に通知する付加機能」は「外部の情報端末へ通知するモード」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明における「空気調和装置」は、空調対象の室内を撮像する撮像手段2を有するものであって、空調対象の室内に設けられるものであるから、本件発明における「空気調和機の室内機」に相当する。
したがって、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「被空調室内を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときに外部の情報端末へ通知する外部通知モードと、
を備える空気調和機の室内機。」
[相違点]
本件発明においては、「空気調和機の室内機」が、「撮像手段により撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときに外部の情報端末へ通知しない非通知モードとを有し、外部通知モード又は非通知モードを選択することができる通知モード設定部を有する制御手段」を備えるのに対して、引用発明においては、「空気調和装置1」が、そのような非通知モードを有し、外部通知モード又は非通知モードを選択することができる通知モード設定部を有する制御手段を備えるか不明である点。
以下、相違点について検討する。
[相違点について]
引用例2技術は、「監視領域において侵入した物体を発見した場合に、ユーザの所有する携帯電話やPC(外部の情報端末)に通知するモード(通知モード)及び通知しないモード(非通知モード)を選択可能とするボタン283A,283B(通知モード設定部)を監視装置の記録通知設定画面280に設けることについて開示している。
よって、引用発明に、監視対象とする領域に侵入した不審者あるいは物体を検知するとともに外部の電子機器に通知する機能を有することにおいて共通する引用例2技術を適用して、撮像手段2で撮像された画像情報から検出される人間8の活動状態の情報に基いて、室内に不審者が侵入してきたと判断されるときに、外部の電子機器に通知する付加機能に加えて外部の電子機器に通知しない付加機能を設け、外部の電子機器に通知する付加機能又は外部の電子機器に通知しない付加機能を選択可能な設定部を空気調和装置1に設けることにより、上記相違点に係る本件発明とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、本件発明は、引用発明及び引用例2技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。
なお、請求人は、審判請求書(第4ページ第23ないし25行)において、「既に部屋にいる在室者の状態を監視している引用文献1に、侵入しようとする者を発見するために監視する引用文献2を組み合わせることができない。そもそも情報処理の前提が全く異なる。」と主張している。
しかしながら、引用例1(引用文献1に同じ)の明細書段落【0033】の記載「不審者まどの人間またはペットの侵入の有無については、外出または夜間の室内不在時を示す情報が、図示しない操作入力部(ボタン)から入力されているときに、室内に、人間8やペットが存在するかまたは、人間8やペットが存在しないかを活動状態検出手段3が検出して、その検出結果としての侵入情報(不審者やペットの有無情報)を情報出力手段6に出力する。」などによれば、引用例1記載の空気調和装置1は、外出または夜間の室内不在時に、監視領域である室内に不審者が侵入したことを外部の電子機器に通知するものであって、引用例2技術と、その機能において共通するものであるから、上記請求人の主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-017659