特許拒絶査定不服審判
2017-015224
セル更新メッセージを動的に構成するための方法および装置
- 審判番号
- 2017-015224
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-523216外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年10月12日
- 審決日
- 2018年11月30日
- 公報発行日
- 2019年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】クアルコム,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】黒田 晋平
- 分類
- P18 .121-Z (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-523216「セル更新メッセージを動的に構成するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 1月23日国際公開、WO2014/015013、平成27年 8月 6日国内公表、特表2015-523033〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,2013年(平成25年)7月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年7月20日 米国,2013年6月3日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成28年6月1日に手続補正され,同年9月20日付けで拒絶理由が通知され,平成29年3月23日に意見書が提出され,同年6月2日付けで拒絶査定されたところ,同年10月12日に拒絶査定不服審判が請求され,同時に手続補正されたものである。
第2 本願発明について
本願の請求項に係る発明は,平成29年10月12日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし30に記載された事項により特定されるものと認められるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。
「ユーザ機器(UE)においてセル更新メッセージを動的に構成するための方法であって、
「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」情報要素(IE)をセル更新メッセージから除去するステップであって、前記「RACHにおける測定結果」IEは、現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含み、前記「RACHにおける測定結果」IEを除去することで、前記測定結果が前記セル更新メッセージから除去される、ステップと、
前記「RACHにおける測定結果」IEが前記セル更新メッセージから除去された後、前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップと、
前記セル更新メッセージの前記サイズが前記しきい値以下になるまで、前記セル更新メッセージから1つまたは複数のIEを除去するステップであって、前記除去されたIEは破棄される、ステップと
を含む方法。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものであり,請求項1に係る発明に対して,下記の引用例1及び2が引用されている。
1 特表2008-501281号公報
2 Renesas Electronics Europe,RACH singnalling optimisation proposals,
3GPP TSG-RAN WG2 #73 R2-111170,[online],2011年2月15日,インターネット<URL:http://3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73/Docs/R2-111170.zip>
第4 引用例
1 引用例1
原査定の拒絶の理由で引用された,特表2008-501281号公報(以下,「引用例1」という。)には以下の記載がある。
「【0056】
一般に、RACHの第1トランスポートフォーマットは、168ビットの1つの伝送ブロックのみを伝送できる。しかしながら、CCCHで伝送されたメッセージが大きいため、場合によっては、他の伝送ブロックサイズを使用する方がよいこともある。
(中略)
【0060】
CCCHチャネルは、アップリンクでセル更新メッセージ(Cell Update Message)、RRC接続要求メッセージ、及びURA更新メッセージを送信するために使用される。前記メッセージは、追加される情報によってサイズが異なる。さらに、前記メッセージは、周辺セルに対する測定結果に関する情報、例えば、RACH上での測定結果のような品質及びタイミング情報を含む。
(中略)
【0062】
図10に示すように、既存のPRACH構成に関する情報は、UE2に伝送される(S10)。UE2は、前記既存のPRACH構成に基づいてアルゴリズムによってPRACHを選択する(S12)。UE2は、PRACH上での伝送のための全ての情報要素を含むメッセージを生成する(S14)。UE2は、前記メッセージサイズを該当RACHの第1トランスポートフォーマットの伝送ブロックサイズと比較し、前記メッセージが前記伝送ブロックサイズ以内になるまで測定情報を削除することによりメッセージサイズを変更する(S16)。UE2は、前記PRACHで前記変更されたメッセージを送信する(S18)。」
上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると,引用例1には,次の技術的事項が記載されている。
(1) 上記【0056】の記載によれば,伝送可能なブロックサイズは,RACHの第1トランスポートフォーマットの伝送ブロックサイズであることが記載されていると認められる。
また,上記【0060】の記載によれば,CCCHチャネルで送信されるメッセージには,周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定結果」を含むセル更新メッセージが含まれる。
してみると,上記【0062】には,UEは,PRACH上での伝送のための全ての情報要素を含むセル更新メッセージを生成するステップと,前記セル更新メッセージのサイズを伝送可能なブロックサイズと比較するステップと,前記セル更新メッセージが前記伝送可能なブロックサイズ以内になるまで,セル更新メッセージに含まれる,RACH上での測定情報を削除するステップとが記載されていると認められる。
(2) 上記【0062】の記載によれば,測定情報を削除するまでの一連の処理は,UEにおいて,CCCHチャネルで送信されるメッセージが伝送可能となるように,セル更新メッセージのサイズを変更することであるから,引用例1には,UEにおいて,CCCHチャネルで送信されるメッセージが伝送可能となるように,セル更新メッセージのサイズを変更する方法が記載されていると認められる。
したがって,引用例1には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「UEにおいて,CCCHチャネルで送信されるメッセージが伝送可能となるように,セル更新メッセージのサイズを変更する方法において,
UEは,PRACH上での伝送のための全ての情報要素を含むセル更新メッセージを生成するステップと,
前記セル更新メッセージのサイズを伝送可能なブロックサイズと比較するステップと,
前記セル更新メッセージが前記伝送可能なブロックサイズ以内になるまで,セル更新メッセージに含まれる,周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」を削除するステップとを含む方法。」
2 引用例2
原査定の拒絶の理由で引用された,Renesas Electronics Europe,RACH singnalling optimisation proposals(訳:RACHシグナリングの最適化の提案),3GPP TSG-RAN WG2 #73 R2-111170,[online],2011年2月15日,インターネット<URL:http://3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73/Docs/R2-111170.zip>(以下,「引用例2」という。)には以下の記載がある。
(1)「The problem due to the RACH shortage is that UE may omit RACH measurement results when UL CCCH reaches the maximum size (166 bits).
If the intra-frequency RACH measurement result is omitted, then NW can't configure more than one radio link in the active set via RRCConnectionSetup message (i.e. soft handover cann't be configured via RRCConnectionSetup).
If the inter-frequency RACH measurement result is omitted, then NW can't initiate redirection procedure via RRCConnectionSetup message to the measured frequency. 」(1葉15行-20行)
(当審訳:「RACHの不足に起因する問題は,UL CCCHが最大サイズ(166ビット)に達したときに,UEがRACH測定結果を削除することがある点である。
もし,イントラ周波数のRACH測定結果が削除された場合,NWは,RRCConnectionSetupメッセージを介して,アクティブセット内に1より多くの無線リンクを構成することはできない(すなわち,RRCConnectionSetupメッセージを介して,ソフトハンドオーバを構成することができない)。
もし,インター周波数のRACH測定結果が削除された場合,NWは,RRCConnectionSetupメッセージを介して,測定された周波数へのリダイレクション手続を開始することができない。」)
(2)「Solution 2: Grouping IEs and prioritising the IE goups
In RRC CONNECTION REQUEST message, The IEs can be separated into several groups e.g. per use-case.
After that, if NW can indicate the priority of the group, then UE can decide what IE group can be omitted. 」(2葉7行-9行)
(当審訳:「解決策2:IEのグループ化とIEグループへの優先順位付け
RRCConnectionRequestメッセージ内において,IEは,使用状況に応じていくつかのグループに分けられることができる。
その後,NWがグループの優先順位を示せば,UEは,削除できるIEグループを決めることができる。」)
(3)「For example,
We could have the following groups IE.
1. CELL_FACH capabilities
a. Enhanced Cell-FACH
b. Enhanced Uplink in Cell-FACH and idle mode
2. HSPA capabilities
a. HS-DSCH or E-DCH+HS-DSCH
b. F-DPCH
c. EF-DPCH
d. Discontinuous DPCCH transmission (CPC)
e. MAC-ehs
f. MAC-i/is
g. CS voice over HSPA
3. Multi-cell capabilities
a. Dual cell
b. Dual cell + MIMO
c. More than two (lower rate, or high rate)
4. Redirection
a. Measurement Results on non-used frequencies
b. Pre-redirection info
c. Frequency bands indicators
5. RACH measurement results . intra-frequency
a. Measurement Results for current cell
b. Measurement Results on monitored cells on used frequency
6. MBMS
a. MBMS Selected Services 」(2葉10行-3葉1行)
(当審訳:「例えば,IEグループは次のようにすることができる。
1. CELL_FACHの能力
a. Enhanced Cell-FACH
b. Enhanced Uplink in Cell-FACH and idle mode
2.HSPAの能力
a. HS-DSCH or E-DCH+HS-DSCH
b. F-DPCH
c. EF-DPCH
d. Discontinuous DPCCH transmission (CPC)
e. MAC-ehs
f. MAC-i/is
g. CS voice over HSPA
3.マルチセルの能力
a. Dual cell
b. Dual cell + MIMO
c. More than two (lower rate, or high rate)
4.リダイレクション
a. Measurement Results on non-used frequencies
b. Pre-redirection info
c. Frequency bands indicators
5.RACH測定結果。イントラ周波数
a. Measurement Results for current cell
b. Measurement Results on monitored cells on used frequency
6.MBMS
a. MBMS Selected Services 」)
(4)「For example, if the serving cell doesn't support SHO, dual cell or enhanced CELL_FACH configuration but may configure HSPA in Cell-DCH state and/or may trigger the redirection procedure during RRC connection setup procedure, then the NW may indicate;
Support of RACH signalling optimisation
Omissible IEs (Optional)
i.CELL_FACH capabilities
ii.Multi-cell capabilities
iii.RACH measurement . intra-freq results
For this example, UE safely omits the intra-freq RACH measurement results, CELL_FACH capabilities and the multicell capabilities. 」(3葉2行-3葉13行)
(当審訳「例えば,サービングセルが,SHO,デュアルセル,又は拡張CELL_FACH構成をサポートしておらず,CELL_DCH状態でHSPA構成できる,及び/又はRRC接続セットアップ手続中にリダイレクションをトリガできる場合,NWは,次の指示を行うことができる;
RACHシグナリングの最適化のサポート
削除可能なIE(オプション)
i.CELL_FACHの能力
ii.マルチセルの能力
iii.RACH測定。イントラ周波数結果。
この例によると,UEは,前記のイントラ周波数RACH測定結果,CELL_FACHの能力,マルチセルの能力を,安全に削除する。」)
(5)上記記載,及び当業者の技術常識を考慮すると,引用例2には,次の技術的事項が記載されている。
ア 上記(1)の記載によれば,UEから,RACH測定結果を含むメッセージをCCCHで送信する際に,伝送可能なサイズとするために,RACH測定結果を除去することが記載されていると認められる。
イ 上記(2)の記載によれば,メッセージ内のIEを安全に除去するために,IEを優先順位付けされた複数のグループに分けて,グループ単位で1つ,又は複数のIEが除去されることが記載されていると認められる。
ウ 上記(3)に記載された「b. Measurement Results on monitored cells on used frequency」は,「RACH測定結果。イントラ周波数」のグループに含まれるIEであり,同じグループ内に「 a. Measurement Results for current cell」IEが含まれていることから,現在のセル(current cell)以外の監視されたセル(monitored cells)の測定結果を含む,RACH測定結果IEであると解することができる。
そうすると,上記(4)には,メッセージから,安全に除去可能なIEである,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,RACH測定結果IE,及び1つ又は複数のIEを除去することが記載されていると認められる。
したがって,引用例2には,「RACH測定結果を含むメッセージをCCCHで送信する際に,前記メッセージが伝送可能なサイズとするために,前記メッセージから,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,RACH測定結果IE,及び1つ又は複数のIEを除去する。」との公知技術が記載されていると認められる。
第5 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
1 本願発明の「ユーザ機器(UE)」,「情報要素(IE)」及び「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」と,引用発明の「UE」,「情報要素」及び「RACH上での測定情報」とは,表記上の差異があるのみであって同義である。
2 本願明細書の【0005】,【0006】,【0033】-【0036】,図3等の記載によれば,本願発明のユーザ機器(UE)においてセル更新メッセージを「動的に構成する」ことは,ユーザ機器(UE)において,ネットワークで許容されるサイズになるように,セル更新メッセージを変更することを含むから,引用発明の,「UEにおいて,CCCHチャネルで送信されるメッセージが伝送可能となるように,セル更新メッセージのサイズを変更する方法」は「ユーザ機器(UE)においてセル更新メッセージを動的に構成するための方法」といえる。
3 引用発明において「セル更新メッセージ」は,「UEは,PRACH上での伝送のための全ての情報要素を含むセル更新メッセージを生成するステップ」によって生成されたものであるから,「周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」」の他にも「「PRACH上での伝送のための」「情報要素」」を含むことは明らかであって,本願発明の「「RACHにおける測定結果」IE」及び「1つまたは複数のIE」も,引用発明の「周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」」及びその他の「「PRACH上での伝送のための」「情報要素」」も,「セル更新メッセージに含まれる情報」といえる。
また,本願発明の「「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」情報要素(IE)」,及び「前記「RACHにおける測定結果」IEは、現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含」むことと,引用発明の「周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」」とは,「「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」に関する情報」,及び「前記「RACHにおける測定結果」に関する情報は、現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含」む点で共通する。
そして,本願発明の「除去」と,引用発明の「削除」とは,表記上の差異のみであって同意であり,パラメータ等の情報を「除去」した際に,その情報を「破棄」することは,当業者にとって技術常識であるから,引用発明においても,セル更新メッセージに含まれる情報を「除去」し,前記除去された情報を「破棄」するものであると解される。
さらに,引用発明は,「前記セル更新メッセージが前記伝送可能なブロックサイズ以内になるまで,セル更新メッセージに含まれる,周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」を削除するステップ」において,セル更新メッセージを伝送可能なブロックサイズ以内とするために,「周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」」を削除した後に,「セル更新メッセージのサイズを伝送可能なブロックサイズと比較するステップ」によって「伝送可能なブロックサイズ」を上回るか否かの判断が繰り返し行われることは明らかである。そして「伝送可能なブロックサイズ」は「しきい値」であるといえるから,本願発明の「前記「RACHにおける測定結果」IEが前記セル更新メッセージから除去された後,前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップ」と,引用発明の「前記セル更新メッセージのサイズを伝送可能なブロックサイズと比較するステップ」とは,「前記「RACHにおける測定結果」に関する情報が前記セル更新メッセージから除去された後,前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップ」の点で共通する。
よって,本願発明の「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」情報要素(IE)をセル更新メッセージから除去するステップであって,前記「RACHにおける測定結果」IEは,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含み,前記「RACHにおける測定結果」IEを除去することで,前記測定結果が前記セル更新メッセージから除去される,ステップと,前記「RACHにおける測定結果」IEが前記セル更新メッセージから除去された後,前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップと,前記セル更新メッセージの前記サイズが前記しきい値以下になるまで,前記セル更新メッセージから1つまたは複数のIEを除去するステップであって,前記除去されたIEは破棄される,ステップ」と,引用発明の「前記セル更新メッセージのサイズを伝送可能なブロックサイズと比較するステップと,前記セル更新メッセージが前記伝送可能なブロックサイズ以内になるまで,セル更新メッセージに含まれる,周辺セルに対する測定結果に関する情報である「RACH上での測定情報」を削除するステップ」とは,「「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」に関する情報をセル更新メッセージから除去するステップであって,前記「RACHにおける測定結果」に関する情報は,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,ステップと,前記「RACHにおける測定結果」に関する情報が前記セル更新メッセージから除去された後,前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップと,前記セル更新メッセージの前記サイズが前記しきい値以下になるまで,前記セル更新メッセージからセル更新メッセージに含まれる情報を除去するステップであって,前記除去された情報は破棄される,ステップ」の点で共通する。
したがって,本願発明と引用発明とは,両者は,以下の点で一致し,また,相違している。
[一致点]
「ユーザ機器(UE)においてセル更新メッセージを動的に構成するための方法であって,
「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」に関する情報をセル更新メッセージから除去するステップであって,前記「RACHにおける測定結果」に関する情報は,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,ステップと,
前記「RACHにおける測定結果」に関する情報が前記セル更新メッセージから除去された後,前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップと,
前記セル更新メッセージの前記サイズが前記しきい値以下になるまで,前記セル更新メッセージからセル更新メッセージに含まれる情報を除去するステップであって,前記除去された情報は破棄される,ステップとを含む方法」
[相違点1]
一致点の「ランダムアクセスチャネル(RACH)における測定結果」を除去する点に関し,本願発明は,「RACHにおける測定結果」IEを除去するのに対して,引用発明は「RACHにおける測定結果」を除去するものであって,IEであることが特定されていない点。
[相違点2]
本願発明は,「RACHにおける測定結果」IEと「1つまたは複数のIE」とを除去の対象としており,「RACHにおける測定結果」IEがセル更新メッセージから除去された後に,前記セル更新メッセージのサイズがしきい値以下になるまで、「セル更新メッセージから1つまたは複数のIE」を除去しているのに対して,引用発明は「RACHにおける測定情報」のみを除去の対象とし,前記セル更新メッセージのサイズがしきい値以下になるまで,「RACHにおける測定情報」を除去するものである点。
第6 判断
上記相違点1,2について,まとめて検討する。
上記「第4 2(5)」のとおり「RACH測定結果を含むメッセージをCCCHで送信する際に,前記メッセージが伝送可能なサイズとするために,前記メッセージから,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,RACH測定結果IE,及び1つ又は複数のIEを除去する。」ことは公知技術であるから,引用発明において「RACHにおける測定結果」IEを除去するようにし,サイズが不足する場合に「RACHにおける測定結果」IEに加えて「1つまたは複数のIE」を除去することは,格別困難なことではない。
また,複数の情報を除去する際に,どのような順序で行うかは,当業者が必要に応じて適宜決定すべきことであるから,引用発明において「RACHにおける測定結果」IEを除去した後に,「1つまたは複数のIE」を除去することは,適宜なし得ることに過ぎない。
したがって,引用発明において「RACHにおける測定結果」IEが前記セル更新メッセージから除去された後、前記UEにおける前記セル更新メッセージのサイズがしきい値を上回ると判断するステップと、前記セル更新メッセージの前記サイズが前記しきい値以下になるまで、前記セル更新メッセージから1つまたは複数のIEを除去するステップであって、前記除去されたIEは破棄されるステップ」を備えることは,当業者が容易に想到できたことである。
したがって、本願発明は、引用発明、及び公知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして,本願発明の作用効果も,引用発明,及び公知技術に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別なものではない。
[請求人の主張について]
請求人は,審判請求書において,以下のとおり主張する。
「本願請求項に記載の「前記「RACHにおける測定結果」IEを除去することで、前記測定結果が前記セル更新メッセージから除去される」という特徴は、引用文献等1~3には、開示及び示唆されておりません。」
しかし,上記「第4 2(5)」で述べたように,「RACH測定結果を含むメッセージをCCCHで送信する際に,前記メッセージが伝送可能なサイズとするために,前記メッセージから,現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,RACH測定結果IE,及び1つ又は複数のIEを除去する。」ことは公知技術であるから,引用発明において「RACHにおける測定結果」として,「現在のセル以外の監視されたセルに対するセル測定結果を含む,RACHにおける測定結果」IEを用いることは,当業者が容易に想到できたことである。
したがって,上記請求人の主張は採用できない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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