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特許拒絶査定不服審判

2017-015112

遊技機

審判番号
2017-015112
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-188358外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年10月11日
審決日
2018年06月28日
公報発行日
2018年09月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-188358号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月 5日出願公開、特開2018- 50764号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成28年9月27日の出願であって、平成29年3月17日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年5月22日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年7月12日付け(発送日:平成29年7月18日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年10月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年10月11日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年10月11日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、平成29年5月22日付けの手続補正書における特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 変動した状態で表示される識別図柄を停止させ、その停止した識別図柄によって当否判定結果を報知する遊技機であって、 対象の当否判定結果を報知するための前記識別図柄が最終的に完全に停止して当該対象の当否判定結果が確定的に報知される直前の期間として当該識別図柄が擬似的に停止した状態となる擬似停止期間が設定されることがあり、 前記擬似停止期間中に、前記対象の当否判定結果に関連しない特定演出が発生する可能性があることを特徴とする遊技機。」 から、 「【請求項1】 A 変動した状態で表示される識別図柄を停止させ、その停止した識別図柄によって当否判定結果を報知する遊技機であって、 B 対象の当否判定結果を報知するための前記識別図柄が最終的に完全に停止して当該対象の当否判定結果が確定的に報知される直前の期間として当該識別図柄が擬似的に停止した状態となる擬似停止期間が設定されることがあり、 C 前記擬似停止期間中に、前記対象の当否判定結果を報知する演出が開始される時点で既に取得されていた当否判定情報に基づく当否判定結果に関連し、かつ、前記対象の当否判定結果に関連しない特定演出が発生する可能性があることを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。また、当審においてA~Cに分説した。)。 2 補正の適否について 上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「特定演出」に関して、「前記対象の当否判定結果を報知する演出が開始される時点で既に取得されていた当否判定情報に基づく当否判定結果に関連し、かつ、」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 (1)刊行物1 ア 刊行物1の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2014-200262号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の(1-a)~(1-e)の事項が記載されている。 (1-a)「【0083】 なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。 ・・・ 【0085】 図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」や2R特別大当りである「特図C」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾5-装飾5-装飾5」等)を停止表示する。15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2-装飾2-装飾2」や「装飾4-装飾4-装飾4」等)を停止表示する。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、「装飾1-装飾2-装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、「装飾1-装飾3-装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、“装飾図柄の組合せ1”~“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。」 (1-b)「【0220】 本実施形態における先読み予告は、図7に示す特図関連抽選処理(ステップS229,S231)で行われる当否判定の結果が大当りになる可能性があることを予告するための演出であって、本発明にいう予告の一例に相当する。より具体的に説明すれば、本実施形態では、大当りにも、遊技者に相対的に有利な大当り(例えば、15R特別大当り:特図A、15R大当り:特図B)と相対的に不利な大当り(例えば、2R系の大当り:特図C~特図F)が用意されており、先読み予告は、有利な大当りになる可能性があることを予告するための演出である。なお、2R系の大当りでも確変付きの大当り(特図C,特図E)は有利な大当りとしてもよい。また、本実施形態における先読み予告は、上記特図関連抽選処理(ステップS229,S231)で始動情報を取得するよりも先に取得した始動情報(先読みした始動情報)に基づいて行われる予告である。すなわち、先読み予告は、先読みした始動情報に基づく事前判定結果に基づいて行われる。」 (1-c)「【0223】 本実施形態では、保留表示の表示態様を変化させることで、保留表示を用いた先読み予告を行う。この保留表示を用いた先読み予告は、実行開始タイミングが入賞時であり、実行領域は、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの、特図1保留表示領域と特図2保留表示領域を併せた領域(第二の表示領域)になる。なお、保留が0の状態で入賞があった場合には、当該入賞に基づく当否判定はすぐに行われ、特図の図柄変動表示もすぐに開始されるため、当該入賞に基づく保留表示を行わないことも考えられるが、あえて、その入賞に基づく図柄変動表示を開始した直後の数秒間行うようにしてもよい。この場合には、先読みした始動情報に基づく当否判定結果を報知する図柄変動表示(先読みした始動情報に対応した図柄変動表示)中に先読み予告の演出が行われることになる。」 (1-d)「【0412】 また、装飾図柄の変動表示では、演出の一つとして、特図表示装置は図柄変動表示が終了する前に、装飾図柄の疑似停止が行われることがある。この装飾図柄の疑似停止は、特図表示装置は図柄変動表示であるのに、装飾図柄の変動表示を一旦終了し、あるいは一旦終了したかのように見せかけるために、図5(b)に一例を示す装飾図柄の組合せを停止表示する停止態様である。装飾図柄表示装置208では、この装飾図柄の疑似停止が行われている期間は、装飾図柄の停止表示中に相当する。疑似停止が所定時間行われた後、装飾図柄の変動表示が再開される。以下、特図表示装置における図柄変動表示中に、疑似停止が一又は複数回行われることを疑似連続変動と称する。 【0413】 また、装飾図柄の変動表示では、その他の演出として、特図表示装置は図柄変動表示が終了する前に、装飾図柄の揺れ停止表示を行うこともある。この装飾図柄の揺れ停止表示は、装飾図柄の組合せを、揺らしながら表示する演出であり、例えば、上下に揺らすのであれば、揺れ方が、上方向から下方向に変わる瞬間、あるいは下方向から上方向に変わる瞬間、装飾図柄の組合せは停止することになり、停止態様の一つに数えることができる。なお、上述の装飾図柄の疑似停止も、遊技者がよほどしっかりと注意してみないとわからない程度に、揺れ停止表示されている場合もある。」 (1-e)「【0478】 図39は、スーパーリーチ演出から揺れ停止表示が行われる例を示す図である。 【0479】 この図39に示す例では、装飾図柄表示装置208における特図1保留表示領域を図示省略し、特図2保留表示領域のみを示している。図39に示す特図2保留表示領域には、RAM308の特図2保留記憶部に始動情報が記憶された順(入賞順)に古いものから順番に左側から並べて表示される。 ・・・ 【0481】 図39(a)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組み合わせである「装飾3」-「装飾7」-「装飾8」が停止表示されている。この装飾図柄表示装置208には、特図2の保留数を表す、3つの保留アイコン(以下、保留表示と称する)291~293が示されている。いずれの保留表示もデフォルトの表示態様(無模様かつ灰色一色)である。 【0482】 図39(b)では、第一保留表示291が表す保留1に基づく図柄変動表示が開始され、同図(b)に示す装飾図柄表示装置208では、装飾図柄の変動表示が開始されている。 ・・・ 【0483】 図39(b)で開始された装飾図柄の変動表示では、同図(c)に示すようにリーチ演出が開始され、次いで、スーパーリーチ演出に発展する。 ・・・ 【0485】 やがて、図39(f)に示すように、スーパーリーチ演出の終了画面が表示され、敵役が逃亡し、画面右上に表示された装飾図柄の変動表示は、「装飾7」-「装飾8」-「装飾7」の組み合わせで揺れ停止表示が開始されている。なお、この場面でも保留表示や消化保留表示領域2085は非表示である。ここで、スーパーリーチ演出が終了する。このように、スーパーリーチ演出の開始(図39(d))から終了(図39(e))までの間、保留表示や消化保留表示領域2085は、非表示になる。すなわち、スーパーリーチ演出中には、先読み予告が行われない。また、スーパーリーチ演出中に、電チュー(第2特図始動口232の羽根部材2321)は開放し、1球の入球があるが、増加した保留を表す保留表示も非表示である。 【0486】 こうしてスーパーリーチ演出が終了すると、図39(g)に示すように、装飾図柄表示装置208では、「装飾7」-「装飾8」-「装飾7」の組み合わせによる揺れ停止表示が大きく表示される。このタイミングで、保留表示、および消化保留表示領域2085の表示が再開される。再開された保留表示では、スーパーリーチ演出中の電チュー入賞を表す第三保留表示293が追加表示されている。第三保留表示293は、星形の先読み予告の表示態様で表示されており、この第三保留表示293によって先読み予告が実行されていることになる。なお、上述のごとく、装飾図柄の揺れ停止表示中も、特図の図柄変動表示は継続している。 【0487】 やがて、特図の図柄変動表示が終了し、停止表示中(確定表示中)になり、図39(h)に示す装飾図柄表示装置208では、揺れ停止表示からの、装飾図柄の組み合わせの変更はなく、ハズレの装飾図柄の組み合わせである「装飾7」-「装飾8」-「装飾7」が停止表示(確定表示)されている。装飾図柄の確定表示中は、保留表示が非表示になり、先読み予告が行われていない。なお、保留表示を行い、第三保留表示293によって先読み予告を実行してもよい。 ・・・ 【0490】 図40は、スーパーリーチ演出から揺れ停止表示が行われ、大当りした例を示す図である。以下、図39に示す例との相違点を中心に説明する。 ・・・ 【0493】 やがて、特図の図柄変動表示が終了する。図40(h)には、特図の図柄変動表示の終了時における装飾図柄表示装置208の表示画面が示されている。図40(h)に示す装飾図柄表示装置208では、揺れ停止表示からの、装飾図柄の組み合わせの変更はなく、大当りの装飾図柄の組み合わせである「装飾7」-「装飾7」-「装飾7」が停止表示されている。」 イ 認定事項 上記「ア」から、次の(1-f)~(1-h)の事項が認定できる。 (1-f) 段落【0083】には、「本実施形態のパチンコ機100」と記載され、段落【0085】には、「装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」や2R特別大当りである「特図C」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾5-装飾5-装飾5」等)を停止表示する。15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2-装飾2-装飾2」や「装飾4-装飾4-装飾4」等)を停止表示する。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、「装飾1-装飾2-装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、「装飾1-装飾3-装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、“装飾図柄の組合せ1”~“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。」と記載されていることから、刊行物1には、装飾図柄の変動表示を行って大当り又はハズレの装飾図柄の組合せを停止表示するパチンコ機100が記載されているといえる。 (1-g) 段落【0412】には、「装飾図柄の変動表示では、演出の一つとして、特図表示装置は図柄変動表示が終了する前に、装飾図柄の疑似停止が行われることがある。」と記載され、段落【0413】には、「また、装飾図柄の変動表示では、その他の演出として、特図表示装置は図柄変動表示が終了する前に、装飾図柄の揺れ停止表示を行うこともある。・・・なお、上述の装飾図柄の疑似停止も、遊技者がよほどしっかりと注意してみないとわからない程度に、揺れ停止表示されている場合もある。」と記載され、段落【0486】「こうしてスーパーリーチ演出が終了すると、図39(g)に示すように、装飾図柄表示装置208では、「装飾7」-「装飾8」-「装飾7」の組み合わせによる揺れ停止表示が大きく表示される。このタイミングで、保留表示、および消化保留表示領域2085の表示が再開される。再開された保留表示では、スーパーリーチ演出中の電チュー入賞を表す第三保留表示293が追加表示されている。第三保留表示293は、星形の先読み予告の表示態様で表示されており、この第三保留表示293によって先読み予告が実行されていることになる。なお、上述のごとく、装飾図柄の揺れ停止表示中も、特図の図柄変動表示は継続している。」と記載され、段落【0487】には、「やがて、特図の図柄変動表示が終了し、停止表示中(確定表示中)になり、図39(h)に示す装飾図柄表示装置208では、揺れ停止表示からの、装飾図柄の組み合わせの変更はなく、ハズレの装飾図柄の組み合わせである「装飾7」-「装飾8」-「装飾7」が停止表示(確定表示)されている。」と記載され、段落【0493】には、「揺れ停止表示からの、装飾図柄の組み合わせの変更はなく、大当りの装飾図柄の組み合わせである「装飾7」-「装飾7」-「装飾7」が停止表示されている。」と記載されているから、刊行物1には、大当り又はハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示(確定表示)される直前の期間において、装飾図柄の疑似停止である揺れ停止表示が行われることが記載されているといえる。 (1-h) 段落【0083】には、「本実施形態のパチンコ機100」と記載され、段落【0220】には、「本実施形態における先読み予告は、図7に示す特図関連抽選処理(ステップS229,S231)で行われる当否判定の結果が大当りになる可能性があることを予告するための演出であって、本発明にいう予告の一例に相当する。より具体的に説明すれば、本実施形態では、大当りにも、遊技者に相対的に有利な大当り(例えば、15R特別大当り:特図A、15R大当り:特図B)と相対的に不利な大当り(例えば、2R系の大当り:特図C~特図F)が用意されており、先読み予告は、有利な大当りになる可能性があることを予告するための演出である。」、「また、本実施形態における先読み予告は、上記特図関連抽選処理(ステップS229,S231)で始動情報を取得するよりも先に取得した始動情報(先読みした始動情報)に基づいて行われる予告である。すなわち、先読み予告は、先読みした始動情報に基づく事前判定結果に基づいて行われる。」と記載され、段落【0223】には、「本実施形態では、保留表示の表示態様を変化させることで、保留表示を用いた先読み予告を行う。」と記載され、段落【0486】には、「こうしてスーパーリーチ演出が終了すると、図39(g)に示すように、装飾図柄表示装置208では、「装飾7」-「装飾8」-「装飾7」の組み合わせによる揺れ停止表示が大きく表示される。このタイミングで、保留表示、および消化保留表示領域2085の表示が再開される。再開された保留表示では、スーパーリーチ演出中の電チュー入賞を表す第三保留表示293が追加表示されている。第三保留表示293は、星形の先読み予告の表示態様で表示されており、この第三保留表示293によって先読み予告が実行されていることになる。」と記載されているから、刊行物1には、揺れ停止表示が行われる際に、先読みした始動情報の当否判定の結果が大当りになる可能性があることを予告するために保留表示の表示態様を変化させる先読み予告の演出が行われる、パチンコ機100が記載されているといえる。 ウ 刊行物1に記載された発明 上記(1-a)~(1-e)の記載事項及び(1-f)~(1-h)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。 「a 装飾図柄の変動表示を行って大当り又はハズレの装飾図柄の組合せを停止表示するパチンコ機100であって、(認定事項(1-f)) b 大当り又はハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示(確定表示)される直前の期間において、装飾図柄の疑似停止である揺れ停止表示が行われること、(認定事項(1-g)) c 揺れ停止表示が行われる際に、先読みした始動情報の当否判定の結果が大当りになる可能性があることを予告するために保留表示の表示態様を変化させる先読み予告の演出が行われる、パチンコ機100。(認定事項(1-h))」 (2)刊行物2 本願の出願前に頒布された特開2016-154627号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに次の(2-a)~(2-f)の事項が記載又は図示されている。 (2-a)「【0021】 (パチンコ遊技機1の構成等) 図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。」 (2-b)「【0115】 また、後で詳述するが、この実施の形態では、始動入賞時における判定(保留された特図ゲームの表示結果(飾り図柄の可変表示の表示結果でもある。)が大当りになるか否かなどの判定であり、以下、先読み判定ともいう。)に基づいて所謂先読み予告が実行される。先読み予告は、先読み判定の対象となった特図ゲーム(以下、これらをターゲットともいう。)の大当り期待度を予告するものである。この実施の形態では、先読み予告として、先読みチャンス目予告(単に先読みチャンス目ともいう。)と、第1保留変化演出と、第2保留変化演出とが用意されている。 ・・・ 【0117】 第1保留変化演出は、ターゲット前に実行される可変表示において特殊図柄を含む所定の組合せの飾り図柄(最終的には、最終停止図柄として停止表示される。)を仮停止したあとに、当該ターゲットの特図ゲームに対応する保留表示画像の表示態様(ここでは、表示色であり、通常は白色)を変化させる演出である(図25参照)。」 (2-c)「【0257】 図16(A)に示すように、第1始動入賞時コマンドバッファには、バッファ番号となる保留表示番号(第1保留表示番号)が設定されている。第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、入賞時判定結果指定コマンドからなる1セットのコマンド(第1始動入賞時に主基板11から送信させてくる第1始動入賞時コマンド)は、第1保留表示番号「1」~「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納される。 ・・・ 【0261】 第1始動入賞時コマンドは、第1特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から送信されるので、当該第1特図ゲームの保留の発生時(第1始動入賞発生時)には、第1始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第1始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。第2始動入賞時コマンドは、第2特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から送信されるので、当該第2特図ゲームの保留の発生に対応して、第2始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第2始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。」 (2-d)「【0332】 なお、第1保留変化演出では特殊図柄を含む最終停止図柄を一端仮停止させたあと(例えば、わずかに揺動させながら停止させるなど)、ターゲットの保留表示画像の表示色を変化させる(図26)。なお、仮停止させた最終停止図柄はその後に完全停止し、可変表示が終了する(後述のステップS572)。 ・・・ 【0336】 ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS572)。最終停止図柄は、ステップS171で決定した最終停止図柄(特殊図柄の差し替え処理が行われたときには特殊図柄を含む)である。最終停止図柄が先読みチャンス目のチャンス目であるときには、当該チャンス目の停止によって先読みチャンス目が実行される。第1保留変化演出を実行しているときには、仮停止させている最終停止図柄(特殊図柄を含む組合せの飾り図柄)を完全停止させて停止図柄を確定させる(例えば、揺動を停止させて完全停止させる)。」 (2-e)「【0355】 次に、図25を参照して第1保留変化演出について説明する。第1保留変化演出の実行が決定されたあと(ターゲットの保留発生後)の次の可変表示(図25(A))において、図柄確定指定コマンド受信前に特殊図柄を含む最終停止図柄を仮停止する(図25(B))。このとき、各図柄は、揺動等して完全に停止はしていないものとする。その後、ターゲットである保留表示画像Tの表示色が赤又は青に変化し(図25(C))、その後、特殊図柄を含む最終停止図柄は完全停止して停止図柄として確定する(図25(D))。」 (2-f)図25には、第1保留変化演出に関して、変動開始時点で存在する保留表示画像を変化させることが図示されている。 (3)対比 本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の(a)~(c)は、刊行物1発明の構成に対応している。)。 (a)刊行物1発明の「装飾図柄」は、本願補正発明の「識別図柄」に相当し、刊行物1発明の「装飾図柄の変動表示を行って大当り又はハズレの装飾図柄の組合せを停止表示する」ことは、本願補正発明の「変動した状態で表示される識別図柄を停止させ、その停止した識別図柄によって当否判定結果を報知する」ことに相当する。 また、刊行物1発明の「パチンコ機100」は遊技機の一種であるから、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 よって、刊行物1発明の「装飾図柄の変動表示を行って大当り又はハズレの装飾図柄の組合せを停止表示するパチンコ機100」は、本願補正発明の「変動した状態で表示される識別図柄を停止させ、その停止した識別図柄によって当否判定結果を報知する遊技機」に相当する。 (b)刊行物1発明の「大当り又はハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示(確定表示)される直前の期間」は、本願補正発明の「対象の当否判定結果を報知するための前記識別図柄が最終的に完全に停止して当該対象の当否判定結果が確定的に報知される直前の期間」に相当する。 また、刊行物1発明の「装飾図柄の疑似停止である揺れ停止表示」は、本願補正発明の「識別図柄が擬似的に停止した状態」に相当する。 よって、刊行物1発明の「大当り又はハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示(確定表示)される直前の期間において、装飾図柄の疑似停止である揺れ停止表示が行われる」ことは、本願補正発明の「対象の当否判定結果を報知するための前記識別図柄が最終的に完全に停止して当該対象の当否判定結果が確定的に報知される直前の期間として当該識別図柄が擬似的に停止した状態となる擬似停止期間が設定されることがあ」ることに相当する。 (c)刊行物1発明の「先読みした始動情報」は、本願補正発明の「既に取得されていた当否判定情報」に相当する。 また、刊行物1発明における保留表示の表示態様を変化させる先読み予告の演出は、先読みした始動情報の当否判定結果が大当りになる可能性があることを示すものであり、現在の当否判定結果では無く、先読みした始動情報の当否判定結果に関連するものである。 よって、刊行物1発明の「揺れ停止表示」の期間の「先読みした始動情報の当否判定の結果が大当りになる可能性があることを予告するために保留表示の表示態様を変化させる先読み予告の演出」を行うことは、本願補正発明の「前記擬似停止期間中に、」「既に取得されていた当否判定情報に基づく当否判定結果に関連し、かつ、前記対象の当否判定結果に関連しない特定演出が発生」することで共通する。 したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、 「A 変動した状態で表示される識別図柄を停止させ、その停止した識別図柄によって当否判定結果を報知する遊技機であって、 B 対象の当否判定結果を報知するための前記識別図柄が最終的に完全に停止して当該対象の当否判定結果が確定的に報知される直前の期間として当該識別図柄が擬似的に停止した状態となる擬似停止期間が設定されることがあり、 C’前記擬似停止期間中に、既に取得されていた当否判定情報に基づく当否判定結果に関連し、かつ、前記対象の当否判定結果に関連しない特定演出が発生する可能性があることを特徴とする遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願補正発明は、特定演出で用いられる当否判定情報が「対象の当否判定結果を報知する演出が開始される時点で」取得されていたものであるのに対して、刊行物1発明はそのようには構成されておらず、当否判定情報がどの時点で取得されていたものであるかが異なる点。(構成C) (4)判断 ア 上記相違点1について検討する。 刊行物2の段落【0021】、【0115】、【0117】、【0257】、【0261】、【0332】、【0336】、【0355】、図25には、保留発生に応じて始動入賞時コマンドを取得して保留表示に対応して格納し、先読み予告の対象となるターゲットの保留発生後の次の可変表示において、最終停止図柄を仮停止して、変動開始時点で存在しターゲットである保留表示画像Tの表示色を変化させる第1保留変化演出を行い、その後に、最終停止図柄は完全停止して停止図柄として確定する、パチンコ遊技機1が記載されている(以下「刊行物2記載の事項」という。)。 刊行物1発明及び刊行物2記載の事項は、疑似停止(仮停止)期間において保留表示に関する演出を行う遊技機である点で共通するものである。 よって、刊行物1発明に刊行物2記載の事項を適用し、演出で用いられる当否判定情報を保留発生して取得した後の次の識別図柄の変動表示の疑似停止期間において変動表示開始時点で存在する該当否判定情報に対する保留表示の演出を行うように構成、すなわち、当否判定結果の報知を行う識別図柄の変動表示の開始前に保留発生して取得した変動表示開始時点で存在する当否判定情報を用いて保留表示の演出を行うように構成し、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 イ 本願補正発明が奏する効果について 上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2記載の事項から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 ウ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において「審査においては、引用文献1に記載される『第三保留表示293が星形の先読み予告の表示態様で表示される』こと(引用文献1の段落0486、図39(g))が、本願発明の『特定演出』に相当すると判断されたものと推測される。 引用文献1の段落0487には『スーパーリーチ演出中に、電チュー(第2特図始動口232の羽根部材2321)は開放し、1球の入球があるが、増加した保留を表す保留表示も非表示である。』と記載され、段落0487には『再開された保留表示では、スーパーリーチ演出中の電チュー入賞を表す第三保留表示293が追加表示されている。第三保留表示293は、星形の先読み予告の表示態様で表示されており、この第三保留表示293によって先読み予告が実行されていることになる。』と記載されている。 これらの記載および図39の記載からすると、図39(g)において示される『星形の保留表示』は、図39(b)から開始される当否判定結果(本願発明における対象の当否判定結果に相当する)の報知が開始される時点において、既に取得されていた当否判定情報(保留情報)の存在を示すものであるとは認められない。 一方、本願発明における特定演出は、『前記対象の当否判定結果を報知する演出が開始される時点で既に取得されていた当否判定情報に基づく当否判定結果に関連』するものであることを特定する。 つまり、引用文献1に記載される『星形の保留表示』は、『対象の当否判定結果を報知する演出が開始される時点で既に取得されていた当否判定情報』の存在を示すものではないから、当該『星形の保留表示』を表示する演出が本願発明の特定演出に相当するとはいえない。 少なくとも上記の点で本願発明と引用文献1に記載される発明は明確に相違する。よって、本願発明は、引用文献1によって新規性、進歩性が否定されるものであるとはいえない。」と主張しており(第3頁第9行~第4頁第6行)、引用文献1に記載の発明(刊行物1発明)における当否判定情報(保留情報)は、当否判定結果の報知が開始される時点において既に取得されていたものでは無く、本願発明とは異なる旨を主張している。 しかしながら、上記相違点1において検討したように、刊行物1発明に刊行物2記載の事項を適用し、特定演出で用いる当否判定情報を、当否判定結果を報知する演出が開始される時点で既に取得されていたものとすることは、当業者が容易になし得たことである。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 (5)まとめ 以上のように、本願補正発明は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年5月22日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は本願の出願日前に頒布された刊行物1に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、又は、本願発明は刊行物1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 3 刊行物 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された刊行物1の記載事項は、上記第2の3(1)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、上記第2の1の下線部の構成に係る限定事項を削除したものである。 そして、上記第2の3(3)で検討したとおり、本願補正発明と刊行物1発明との相違点は、上記第2の1の下線部の構成に係る限定事項に基づくものであるから、当該限定事項を有しない本願発明と刊行物1発明とは一致しており、相違点はない。 よって、本願発明は、刊行物1発明である。仮に、本願発明と刊行物1発明に相違点があるとしても、本願発明は刊行物1発明から当業者が容易に発明をすることのできたものである。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。又は、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-015112

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