特許拒絶査定不服審判
2017-011847
移動局及び無線基地局
- 審判番号
- 2017-011847
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-023464外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年08月08日
- 審決日
- 2019年02月18日
- 公報発行日
- 2019年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社NTTドコモ
- 【請求人代理人】三好 秀和
- 分類
- P18 .121-WZ (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013- 23464「移動局及び無線基地局」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 5月15日出願公開、特開2014- 90396〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成25年2月8日(優先権主張 平成24年10月4日)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 1月23日付け 拒絶理由通知書
平成29年 3月30日 意見書、手続補正書の提出
平成29年 4月28日付け 拒絶査定
平成29年 8月 8日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提 出
平成30年 9月27日付け 拒絶理由通知書(当該通知書で通知した拒 絶理由を、以下「当審拒絶理由」という。 )
平成30年12月 3日 意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成30年12月3日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものであると認める。
「 物理上りリンク制御チャネルをサポートしているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動局であって、
下りリンク用セルと上りリンク用セルとを関連付けて管理するように構成されている管理部と、
前記下りリンク用セルを介して送信された信号に対するフィードバック情報を、該下りリンク用セルに関連付けられている前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネルを介して送信するように構成されている送信部とを具備し、
前記管理部は、前記下りリンク用セルと前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリアとを関連付けて管理するように構成されていることを特徴とする移動局。」
第3 拒絶の理由
当審拒絶理由の概要は、
「理由3(新規性)
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。」、
「理由4(進歩性)
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
そして、本願発明は、本件補正前の請求項1の「前記管理部は、コンポーネントキャリアごとに、或いは、コンポーネントキャリアのグループごとに、前記下りリンク用セルと前記上りリンク用セルとを関連付けて管理するように構成されている」との発明特定事項から、択一的記載の「コンポーネントキャリアのグループごとに」に係る発明特定事項を削除し、残りの「前記管理部は、コンポーネントキャリアごとに、前記下りリンク用セルと前記上りリンク用セルとを関連付けて管理するように構成されている」との発明特定事項を、「前記管理部は、前記下りリンク用セルと前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリアとを関連付けて管理するように構成されている」との表現に変更したものであり、当審拒絶理由では、本件補正前の請求項1に対して、下記の1が引用されている。
1.New Postcom,Enhancement to UL signalling transmission[online],3GPP TSG-RAN2 #75bis R2-115298,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL2/TSGR2_75bis/Docs/R2-115298.zip,2011年10月2日アップデート
第4 引用例に記載された事項及び引用発明
当審拒絶理由で引用されたNew Postcom,Enhancement to UL signalling transmission(当審仮訳:ULシグナリング送信の拡張)[online],3GPP TSG-RAN2 #75bis R2-115298,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL2/TSGR2_75bis/Docs/R2-115298.zip,2011年10月2日アップデート(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
(1)「This contribution addresses the UL control signalling issues associated with CA enhancement, including the following aspects:
- Periodic CSI reporting
- Issues specific for TDD
- UL timing maintenance
The analysis of the above issues targets to introduce PUCCH on SCell in Rel-11.」(1ページ)
(当審仮訳:
この寄書は、以下の側面を含む、キャリアアグリゲーションの拡張に関連する上りリンク制御シグナリングの問題に取り組む:
- 周期的なCSIレポート
- TDDに固有の問題
- ULタイミングメンテナンス
上記問題の分析は、Rel-11のSCellにPUCCHを導入することを目的としている。)
(2)「For the periodic CSI reporting, only PUCCH on PCell is designed to support it in Rel-10. For FDD, only 2 cells are considered, the transmission of their respective CSI is arranged on different subframes by RRC signalling. For TDD, it is even more suboptimal for the DL-heavy UL-DL configurations. When the number of cells with concurrent DL PDSCH transmission increases, e.g., 5 cells transmit PDSCH in the same subframe, then up to 5 CSIs need to be transmitted in the same UL subframe, this is obviously not supported by the existing mechanism of PUCCH on PCell. More seriously, the Rel-10 behaviour of handling this conflict is to only transmit one CSI, all the other CSIs will be dropped. The high dropping rate of CSI will impact user experience and reduce data throughput of the network. From this point of view, a strong need on the table is to optimize the periodic CSI reporting.
(中略)
Another natural method is to extend the configuration of PUCCH to SCell, i.e., configuring PUCCH in multiple cells for the UE, on the PCell and some of the SCells. Figure 1 illustrates the Rel-10 configuration of PUCCH on PCell for periodic CSI reporting of all the cells. Figure 2 illustrates an example of the proposed configuration of PUCCH on PCell and an SCell. By comparing these figures, it can be seen that the load of UCI can reduced for each subframe.
」(1-2ページ)
(当審仮訳:
Rel-10では、周期的なCSIレポートのために、PCell上のPUCCHのみがそれをサポートするよう設計されている。FDDに対しては、2つのセルだけが考慮され、それらのそれぞれのCSIの送信は、RRCシグナリングによって異なるサブフレーム上に配置される。TDDに対しては、DL偏重UL-DLコンフィグレーションにとって、さらに最適ではない。同時DL PDSCH送信を行うセルの数が増加する場合、例えば、5つのセルが同じサブフレームにおいてPDSCHを送信する場合、最大5つのCSIが同じULサブフレームにおいて送信される必要があり、これはPCell上のPUCCHの既存の仕組みによって、明らかにサポートされていない。より深刻なことに、この衝突を処理するRel-10の動作は、1つのCSIのみを送信することであり、全ての他のCSIはドロップされる。CSIの高いドロップ率は、ユーザエクスペリエンスに影響を与え、ネットワークのデータスループットを低下させる。この観点から、テーブルに対する強いニーズは周期的CSレポートを最適化することである。
(中略)
別の自然な方法は、PUCCHの構成をSCellに拡張すること、すなわち、PCell及びいくつかのSCellにおいて、UEのために複数のセルでPUCCHを構成することである。図1は、全てのセルの周期的なCSIレポートのためのPCellにおけるPUCCHのRel-10の構成を示す。図2は、PCellとSCellにおける提案するPUCCHの構成の一例を示す。これらの図を比較することによって、各サブフレームについてUCIの負荷を減らすことができるとわかる。
(図1略)
図1:全てのセルの周期的なCSIレポートのためのPCellにおけるPUCCHのRel-10の構成
(図2略)
図2:複数セルにおけるPUCCHの提案構成の一例
)
(3)「For the DL PDSCH transmission in SCell, the HARQ feedback timing has to be adapted according to the UL frames in PCell. If PUCCH is only configured in PCell, the feedback of subframe 9 of SCell is carried on subframe 7 of PCell; if PUCCH is configured in both PCell and SCell, the feedback of subframe 9 of SCell is carried on subframe 3 of SCell, thus the HARQ feedback is transmitted 4 subframes earlier if PUCCH is configured on SCell.」(3ページ)
(当審仮訳:
SCellにおけるDL PDSCH送信に対して、HARQフィードバックのタイミングは、PCellにおけるULのフレームに従って、適応されなければならない。PUCCHがPCellでのみ構成される場合、SCellのサブフレーム9のフィードバックは、PCellのサブフレーム7で搬送される;PUCCHがPCell及びSCellの両方で構成される場合、SCellのサブフレーム9のフィードバックは、SCellのサブフレーム3で搬送され、したがって、PUCCHがSCellで構成される場合、HARQフィードバックは4サブフレームはやく送信される。)
上記各記載及び当業者における技術常識からみて、以下のことがいえる。
ア 上記(1)の記載並びに上記(2)の記載及び図2によれば、UEは、PUCCHを送信するPCell及びSCell2を用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるといえる。UEがキャリアアグリゲーションを行うために、キャリアアグリゲーションを行うことができるようUEを構成することは技術常識である。したがって、引用例には、「PUCCHを送信するPCell及びSCell2を用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるよう構成されているUE」が記載されているといえる。
イ 上記(2)の記載及び図2によれば、PCell及びSCell1が送信するPDSCHに対して、PCellがPUCCHを送信し、SCell2及びSCell3が送信するPDSCHに対して、SCell2がPUCCHを送信するよう、UEのためにPUCCHを構成する。そのため、引用例に記載のUEは、下りリンクと上りリンクに係るセル間の対応関係を管理するといえるから、PDSCHを送信するPCell及びSCell1とPUCCHを送信するPCellとを関連付け、PDSCHを送信するSCell2及びSCell3とPUCCHを送信するSCell2とを関連付けて管理する機能を具備するといえる。そして、UEが、各種機能を実現するために、各々の機能を実行するように構成されている機能部を具備することは技術常識である。したがって、引用例に記載のUEは、「PDSCHを送信するPCell及びSCell1とPUCCHを送信するPCellとを関連付け、PDSCHを送信するSCell2及びSCell3とPUCCHを送信するSCell2とを関連付けて管理するよう構成されている管理部」を具備するといえる。
ウ 上記(3)の記載によれば、PDSCHに対して、HARQフィードバックをPUCCHを介して送信する。上記イの検討を加えると、引用例に記載のUEは、「PDSCHを送信するPCell及びSCell1を介して送信されたPDSCHに対するHARQフィードバックを、PDSCHを送信するPCell及びSCell1に関連付けられているPUCCHを送信するPCellのPUCCHを介して送信し、PDSCHを送信するSCell2及びSCell3を介して送信されたPDSCHに対するHARQフィードバックを、PDSCHを送信するSCell2及びSCell3に関連付けられているPUCCHを送信するSCell2のPUCCHを介して送信するように構成されている送信部」を具備するといえる。
以上を総合すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 PUCCHを送信するPCell及びSCell2を用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるよう構成されているUEであって、
PDSCHを送信するPCell及びSCell1とPUCCHを送信するPCellとを関連付け、PDSCHを送信するSCell2及びSCell3とPUCCHを送信するSCell2とを関連付けて管理するよう構成されている管理部と、
前記PDSCHを送信するPCell及びSCell1を介して送信されたPDSCHに対するHARQフィードバックを、該PDSCHを送信するPCell及びSCell1に関連付けられている前記PUCCHを送信するPCellのPUCCHを介して送信し、前記PDSCHを送信するSCell2及びSCell3を介して送信されたPDSCHに対するHARQフィードバックを、該PDSCHを送信するSCell2及びSCell3に関連付けられている前記PUCCHを送信するSCell2のPUCCHを介して送信するように構成されている送信部とを具備する
UE。」
第5 対比及び判断
本願発明と引用発明とを対比すると、以下のとおりとなる。
1.引用発明の「PUCCH」は、本願発明の「物理上りリンク制御チャネル」に相当する。また、引用発明の「PCell及びSCell2」はPUCCHを送信することから、PUCCHをサポートしているプライマリセル及びセカンダリセルといえる。さらに、引用発明の「UE」は、移動局といえる。したがって、引用発明の「PUCCHを送信するPCell及びSCell2を用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるよう構成されているUE」は、「物理上りリンク制御チャネルをサポートしているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動局」という点で本願発明と共通する。
2.引用発明の「PDSCHを送信するPCell及びSCell1」、「PDSCHを送信するSCell2及びSCell3」を、下りリンク用セルと称することは任意である。また、引用発明の「PUCCHを送信するPCell」、「PUCCHを送信するSCell2」を上りリンク用セルと称することは任意である。したがって、引用発明の「PDSCHを送信するPCell及びSCell1とPUCCHを送信するPCellとを関連付け、PDSCHを送信するSCell2及びSCell3とPUCCHを送信するSCell2とを関連付けて管理するよう構成されている管理部」は、「下りリンク用セルと上りリンク用セルとを関連付けて管理するように構成されている管理部」という点で本願発明と共通する。
3.上記2.のとおり、引用発明の「PDSCHを送信するPCell及びSCell1」、「PDSCHを送信するSCell2及びSCell3」を、下りリンク用セルと称することは任意であるから、引用発明の「前記PDSCHを送信するPCell及びSCell1を介して送信されたPDSCH」、「前記PDSCHを送信するSCell2及びSCell3を介して送信されたPDSCH」は、下りリンク用セルを介して送信された信号といえる。また、本願の発明の詳細な説明の段落【0030】の記載によれば、本願発明の「フィードバック情報」は、「フィードバック情報(CQIやACK/NACK等)」を含む。引用発明の「HARQフィードバック」がACK/NACKを表すことは技術常識であるから、引用発明の「HARQフィードバック」は、本願発明の「フィードバック情報」に含まれる。さらに、上記2.のとおり、引用発明の「PUCCHを送信するPCell」、「PUCCHを送信するSCell2」を上りリンク用セルと称することは任意である。
したがって、引用発明の「前記PDSCHを送信するPCell及びSCell1を介して送信されたPDSCHに対するHARQフィードバックを、該PDSCHを送信するPCell及びSCell1に関連付けられている前記PUCCHを送信するPCellのPUCCHを介して送信し、前記PDSCHを送信するSCell2及びSCell3を介して送信されたPDSCHに対するHARQフィードバックを、該PDSCHを送信するSCell2及びSCell3に関連付けられている前記PUCCHを送信するSCell2のPUCCHを介して送信するように構成されている送信部」は、「前記下りリンク用セルを介して送信された信号に対するフィードバック情報を、該下りリンク用セルに関連付けられている前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネルを介して送信するように構成されている送信部」という点で本願発明と共通する。
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「 物理上りリンク制御チャネルをサポートしているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動局であって、
下りリンク用セルと上りリンク用セルとを関連付けて管理するように構成されている管理部と、
前記下りリンク用セルを介して送信された信号に対するフィードバック情報を、該下りリンク用セルに関連付けられている前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネルを介して送信するように構成されている送信部とを具備する
移動局。」
(相違点)
一致点である「管理部」に関して、本願発明は、「前記下りリンク用セルと前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリアとを関連付けて管理するように構成されている」との発明特定事項を有するのに対し、引用発明は、当該発明特定事項が明らかでない点
以下、相違点について検討する。
キャリアアグリゲーションの技術において、物理上りリンク制御チャネルが上りリンクのコンポーネントキャリアで送信されること及びセル(プライマリセル又はセカンダリセル)に上りリンクが設定される場合、そのセルに設定される上りリンクのコンポーネントキャリアが1つであることは、技術常識である。そして、本願の発明の詳細な説明の記載(例えば、段落【0064】の「CCi(すなわち、セル#i)」)を参酌しても、本願発明でもセルに設定される上りリンクのコンポーネントキャリアは、1つであるといえる。また、当該技術常識を踏まえると、引用発明の「下りリンク用セルと上りリンク用セルとを関連付け」ることは、実質的に、下りリンク用セルと上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネルを送信する上りリンクのコンポーネントキャリアとを関連付けることといえ、物理上りリンク制御チャネルを送信する上りリンクのコンポーネントキャリアを物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリアと称することは任意である。
したがって、上記相違点は実質的な相違ではないので、本願発明と引用発明とは同一である。
また仮に相違点であるとしても、引用発明は、「下りリンク用セルと上りリンク用セルとを関連付け」るものであり、セルに設定される上りリンクのコンポーネントキャリアが1つであることは、技術常識であるから、引用発明において、「下りリンク用セル」と「上りリンク用セル」とを関連付けて管理するか、「下りリンク用セル」と「上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリア」とを関連付けて管理するかは、任意であり、当業者が適宜選択し得る事項に過ぎない。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(請求人の主張について)
請求人は、平成30年12月3日に提出された意見書において、「本願の補正後の請求項1に係る発明は、物理上りリンク制御チャネルをサポートしているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動局に係り、以下のような特徴を有しています(下線部は、今回の補正箇所を示します)。
(a) 下りリンク用セルと上りリンク用セルとを関連付けて管理するように構成されている管理部と、
(b) 前記下りリンク用セルを介して送信された信号に対するフィードバック情報を、該下りリンク用セルに関連付けられている前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネルを介して送信するように構成されている送信部とを具備し、
(c) 前記管理部は、前記下りリンク用セルと前記上りリンク用セルの物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリアとを関連付けて管理するように構成されている
(2) 上述しましたように、今回の補正によって追加された特徴(c)は、補正前の請求項6の特徴に準ずるものであり、拒絶理由通知書では、当該請求項に対しては、明確性及び実施可能要件不備が指摘されているものの、新規性及び進歩性については、特に言及されていません。
また、特徴(c)における「物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)用リソース」から「物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリア」への補正は、下位概念に限定するものであり、当該補正が新規性及び進歩性の判断に影響を与えることはないと考えます。」と主張している。
以下、上記主張について検討する。
「物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)用リソース」と「物理上りリンク制御チャネル用のコンポーネントキャリア」とは、上位概念、下位概念の関係ではなく、意味が大きく異なるため、本願発明は、本件補正前の請求項6の特徴に準ずる特徴を有するとはいえない。したがって、本願発明が本件補正前の請求項6の特徴に準ずる特徴を有することを前提とする上記主張は採用できない。
また、上記相違点についての検討で示したとおり、キャリアアグリゲーションの技術において、セルに設定される上りリンクのコンポーネントキャリアが1つであることは、技術常識であって、本願の発明の詳細な説明の記載を参酌しても、補正前の請求項1に係る発明でもセルに設定される上りリンクのコンポーネントキャリアは、1つであるといえる。してみると、補正前の請求項1に係る発明は、上記主張の特徴(a)及び(b)を具備するため、上記主張の特徴(c)を実質的に有するといえるから、当該特徴(c)は、補正前の請求項6の特徴に準ずるものといえない。したがって、この観点から見ても、本願発明が本件補正前の請求項6の特徴に準ずる特徴を有することを前提とする上記主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
また仮にそうでなかったとしても、本願発明は、当業者が引用例に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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