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特許拒絶査定不服審判

2017-000933

ユーザ機器及び基地局に適用しうる接続変更方法

審判番号
2017-000933
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-051312外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年01月23日
審決日
2018年10月16日
公報発行日
2019年04月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015- 51312「ユーザ機器及び基地局に適用しうる接続変更方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月 5日出願公開、特開2015-177548〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年 3月13日(パリ条約による優先権主張 2014年 3月14日 (US)アメリカ合衆国,2014年 3月17日 (US)アメリカ合衆国,2014年 5月 9日 (US)アメリカ合衆国,2015年 3月13日 (US)アメリカ合衆国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 2月22日付け 拒絶理由通知書 平成28年 5月31日   意見書、手続補正書の提出 平成28年 9月20日付け 拒絶査定 平成29年 1月23日   拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 平成30年 1月31日付け 拒絶理由通知書(当審) 平成30年 6月 5日   意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明について 本願の請求項1~15に係る発明は、平成30月6月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるところ、その請求項7に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「第1の基地局及び第2の基地局にデュアル接続しうるユーザ機器(UE)に作用する第1の基地局に適用しうる接続変更方法であって、この接続変更方法が、 UEに対する第1のSCGベアラを確立するために用いられる第1のSCGコンフィギュレーションを第2の基地局から受信するステップと、 第1のSCGコンフィギュレーションを有する第1の無線リソースコントロール(RRC)メッセージをUEに送信するステップと、 UEに対する第2のSCGベアラを確立するために、第1のSCGコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加要求を第3の基地局に送信するステップと、 第1のSCG付加要求を送信するのに応答して第1のSCGコンフィギュレーションに基づく第2のSCGコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加応答を第3の基地局から受信するステップと、 第1のSCGベアラを解除するSCG解除要求を第2の基地局に送信するステップと、 第1のSCGベアラのパケットデータコンバーゼンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)の第2の基地局の送信が成功せず、送信器ハイパーフレームナンバ(TX_HFN)及びPDCPシーケンスナンバ(SN)がPDCPSDUに関連する場合に、第2の基地局から送信されたPDCP SDUと、TX_HFNと、PDCP SNとを受信するステップと、 PDCP SDUと、TX_HFNと、PDCP SNとを第2の基地局から受信するのに応答して、PDCP SDUと、TX_HFNと、PDCPSNとを第3の基地局に送信するステップと、 第2のSCGベアラを確立する第2のSCGコンフィギュレーションを有する第2のRRCメッセージをUEに送信するステップと を具える接続変更方法。」 第3 拒絶の理由 平成30年1月31日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものであり、請求項7に対して引用例4及び引用例5が引用されている。 引 用 文 献 等 一 覧 4.NSN Nokia Corporation、SeNB change and inter-MeNB handover procedure、3GPP TSG-RAN WG3 Meeting #83 R3-140186、2014.01.31掲載、URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_83/Docs/R3-140186.zip 5.NTT DOCOMO, INC.、Introduciton of Dual Connectivity、3GPP TSG-RAN WG2 #85 R2-140906、2014.02.22掲載、URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85/Docs/R2-140906.zip 第4 引用例の記載及び引用発明について 1.引用例4 当審拒絶理由に引用されたNSN,Nokia Corporation,"SeNB change and inter-MeNB handover procedure"(当審訳:SeNB変更及びMeNB間ハンドオーバの手続き),3GPP TSG-RAN WG3 Meeting #83 R3-140186,インターネット<http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_83/Docs/R3-140186.zip>,2014年(平成26年)1月31日掲載(以下、「引用例4」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。) (1) 「2. 1 Mobility scenarios Figure 1 shows the overall architecture in small cell deployment. The definitions are below according to TR36.842. Master Cell Group: the group of the serving cells associated with the MeNB. Master eNB: in dual connectivity, the eNB which terminates at least S1-MME and therefore act as mobility anchor towards the CN. Secondary Cell Group: the group of the serving cells associated with the SeNB. Secondary eNB: in dual connectivity, an eNB providing additional radio resources for the UE, which is not the Master eNB.」(1葉下から8行~末行) (当審訳: 2.1 モビリティのシナリオ 図1はスモールセルの配置における総体的なアーキテクチャを示す。その定義はTR36.842によれば下記の通りである。 マスタセルグループ:MeNBと関連付けられるサービングセルの集合。 マスタeNB:デュアル接続において、少なくともS1-MMEを終端しCNへのモビリティアンカとして動作するeNB。 セカンダリセルグループ:SeNBと関連付けられるサービングセルの集合。 セカンダリeNB:デュアル接続において、マスタeNBではない、UEのために追加的な無線リソースを提供するeNB。) (2)「In this architecture, the following mobility scenarios should be supported. Note that inter-MME and inter-SGW handover cases are not shown. A) from MeNB#1 and no SeNB to MeNB#1 and SeNB#1 (SeNB addition, Annex G in TR36.842) B) from MeNB#1 and SeNB#1 to MeNB#1 and no SeNB added (SeNB release, Annex G in TR36.842) C) from MeNB#1 and SeNB#1 to MeNB#2 and no SeNB added (Inter-MeNB handover) D) from MeNB#1 and SeNB#1 to MeNB#1 and SeNB#2 (SeNB change)」(2葉1~6行) (当審訳: このアーキテクチャにおいて、以下のモビリティのシナリオがサポートされるべきである。MME間及びSGW間のハンドオーバの場合が示されていないことに留意。 A)MeNB#1が存在しSeNBがない状態から、MeNB#1とSeNB#1が存在する状態へ(SeNB付加、TR36.842におけるアネックスG) B)MeNB#1とSeNB#1が存在する状態から、MeNB#1が存在しSeNBがない状態へ(SeNB解放、TR36.842におけるアネックスG) C)MeNB#1とSeNB#1が存在する状態から、MeNB#2が存在しSeNBがない状態へ(MeNB間のハンドオーバ) D)MeNB#1とSeNB#1が存在する状態から、MeNB#1とSeNB#2が存在する状態へ(SeNBの変更)) (3)「10.1.2.X.Z SeNB change procedure Figure 10.1.2.X.Z-1 shows SeNB change signalling flow. Figure 10.1.2.X.Z-1: SeNB change signalling flow Below is a more detailed description of SeNB change procedure: 0 Packet data is transferred between S-GW and the UE by passing through MeNB, or S-SeNB depending on the User-Plane option (bear splitting or non bearer splitting) in dual connectivity mode. 1 A Measurement Report is triggered and sent to the MeNB. 2 The MeNB sends SeNB Addition Request message including QoS, UE capability, S-SeNB UL F-TEIDs with S-GW (only for non bearer splitting) and configuration information to the T-SeNB (Target SeNB). 3 T-SeNB responds with SeNB Addition Command message including T-SeNB configuration information, T-SeNB DL F-TEIDs with S-GW (only for non bearer splitting), and F-TEIDs used for T-SeNB receiving forwarded packets from MeNB (only for non bearer splitting). 4 MeNB sends SeNB Release Request message, which includes F-TEIDs (only for non bearer splitting) used for MeNB receiving forwarded packets from S-SeNB, to the S-SeNB. 5 S-SeNB responds with SeNB Release Response message to the MeNB and release the radio resource for the UE. 6 The MeNB generates the RRC message to perform the SeNB change, i.e. RRCConnectionReconfiguration message indicating that T-SeNB is added and S-SeNB is released, to be sent towards the UE so that the UE can switch the data transmission from S-SeNB to T-SeNB. 7 SeNB may send SN Status Transfer message including the uplink PDCP SN and HFN receiver status and the downlink PDCP SN and HFN transmitter status of S-SeNB to the MeNB. This procedure occurs only for non bearer splitting. 8 MeNB may send SN Status Transfer message including the uplink PDCP SN and HFN receiver status and the downlink PDCP SN and HFN transmitter status of S-SeNB to the T-SeNB. This procedure occurs only for non bearer splitting. 9 S-SeNB may perform data forwarding to MeNB. T-SeNB buffers forwarded packets from the MeNB until it receives SeNB Addition Complete message. 10 After receiving the RRCConnectionReconfiguration message indicating that T-SeNB is added and S-SeNB is released, UE performs Random Access procedure towards T-SeNB and sends RRCConnectionReconfigurationComplete message to the MeNB. 11 MeNB sends SeNB Addition Complete message to the T-SeNB so that T-SeNB can start sending buffered packets to the UE. 12 Packet data is transferred between S-GW and the UE by passing through MeNB, or T-SeNB depending on the User-Plane option (bear splitting or non bearer splitting) in dual connectivity mode. DL packets from S-GW will go through T-SeNB to the UE after S-GW receives Modify Bearer Request message from MME in step 14 in case of non bearer splitting.」(4葉下から2行~6葉14行) (当審訳: 10.1.2.X.Z SeNB変更手続き 図10.1.2.X.Z-1はSeNB変更のシグナリングフローを示す。 (図10.1.2.X.Z-1は省略。) 以下はSeNB変更手続きのより詳細な記述である。 0 デュアル接続のモードにおけるユーザプレーンのオプション(ベアラスプリットであるかベアラスプリットでないか)に依存してMeNB又はS-SeNBのいずれかを通過することによりS-GWとUEとの間でパケットデータが転送される。 1 メジャメントレポートがトリガされMeNBに送信される。 2 MeNBはQoS、UEケイパビリティ、S-GWに伴うS-SeNB UL F-TEID(ベアラスプリットでない状況のためのみ)及び構成情報を含むSeNB追加要求メッセージをT-SeNB(ターゲットSeNB)に送信する。 3 T-SeNBはT-SeNB構成情報、S-GWに伴うT-SeNB DL F-TEID(ベアラスプリットでない状況のためのみ)及びMeNBから転送されるパケットをT-SeNBが受信するために使用されるF-TEID(ベアラスプリットでない状況のためのみ)を含むSeNB追加命令メッセージで応答する。 4 MeNBはS-SeNBから転送されるパケットをMeNBが受信するために使用されるF-TEID(ベアラスプリットでない状況のためのみ)を含むSeNB解放要求メッセージをS-SeNBに送信する。 5 S-SeNBはMeNBに対してSeNB解放応答メッセージで応答し、UEのための無線リソースを解放する。 6 MeNBはSeNB変更を実行するためにUEへ送信されるRRCメッセージ、すなわちT-SeNBが追加されS-SeNBが解放されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージ、を生成する。これによりUEはデータ送信をS-SeNBからT-SeNBへ切り換えることができる。 7 SeNBはS-SeNBにおける上りリンクのPDCP SN及びHFNの受信機での状態及び下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を含むSNステータス転送メッセージをMeNBへ送信してもよい。この手続きはベアラスプリットでない状況のためにのみ起こる。 8 MeNBはS-SeNBにおける上りリンクのPDCP SN及びHFNの受信機での状態及び下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を含むSNステータス転送メッセージをT-SeNBへ送信してもよい。この手続きはベアラスプリットでない状況のためにのみ起こる。 9 S-SeNBはMeNBへデータ転送を実行してもよい。T-SeNBはSeNB追加完了メッセージを受信するまでMeNBから転送されたパケットをバッファする。 10 T-SeNBが追加されS-SeNBが解放されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信した後、UEはT-SeNBへランダムアクセス手続きを実行し、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージをMeNBへ送信する。 11 MeNBがSeNB追加完了メッセージをT-SeNBへ送信することにより、T-SeNBはバッファされたパケットのUEへの送信を開始することができる。 12 デュアル接続のモードにおけるユーザプレーンのオプション(ベアラスプリットであるかベアラスプリットでないか)に依存してMeNB又はT-SeNBのいずれかを通過することによりS-GWとUEとの間でパケットデータが転送される。ベアラスプリットでない場合、ステップ14においてS-GWがMMEから変更ベアラ要求メッセージを受信した後、S-GWからのDLパケットはT-SeNBを介してUEへ進むだろう。) ア 上記(3)の「0」~「11」の記載は図10.1.2.X.Z-1の「0」~「11」に示される各ステップの説明であるところ、上記(3)及び図10.1.2.X.Z-1におけるステップ0の記載によれば、UEがMeNB及びS-SeNBとデュアル接続しうるUEであり、MeNBがUEと通信することは明らかである。そして、図10.1.2.X.Z-1で示されるフローは、UEとS-SeNBとの接続からUEとT-SeNBとの接続へ変更するSeNB変更のフローであるので、「MeNB及びS-SeNBとデュアル接続しうるUEと通信するMeNBに適用しうる、UEとS-SeNBとの接続からUEとT-SeNBとの接続へ変更するSeNB変更方法」といえる。 イ 上記(3)のステップ0においてUEとMeNBとの間のデータ転送に加えてUEとS-SeNBとの間でデータ転送が行われているので、ステップ0より前の時点でUEとMeNBとの接続に対して「UEとS-SeNBとの間の接続を追加するステップ」が行われていることは明らかである。 ウ 上記(1)の記載によれば、セカンダリセルグループ(SCG)とSeNBとは関連付けられている。また、図10.1.2.X.Z-1におけるステップ0には、S-GWとUEとの間でMeNBを介して行われるパケットデータの転送に加えて、S-GWとUEとの間でS-SeNBを介してパケットデータが転送される状況がベアラスプリットでない状況であることが記載されているので、MeNBを介したパケットデータ転送とS-SeNBを介したパケットデータ転送とを行うために1つのベアラが設定されていることは明らかであり、このベアラを第1のSCGベアラと称することは任意である。同様に、図10.1.2.X.Z-1におけるステップ12の記載から、MeNBを介したパケットデータ転送とT-SeNBを介したパケットデータ転送とを行うために1つのベアラが設定されていることは明らかであり、このベアラを第2のSCGベアラと称することは任意である。 そして、上記(3)のステップ2におけるMeNBからT-SeNBへのSeNB追加要求メッセージの送信は、ステップ12においてUEとT-SeNBとの間でのパケットデータ転送を開始するために行われるので、S-GWとUEとの間のT-SeNBを介したベアラを設定するために行われることは明らかである。 よって、ステップ2は、MeNBが「UEに対する第2のSCGベアラを確立するために、構成情報を含むSeNB追加要求メッセージをT-SeNBに送信するステップ」といえる。 エ 上記(3)のステップ3は、ステップ2のSeNB追加要求メッセージの送信に応答してT-SeNBから送信されるSeNB追加命令メッセージをMeNBが受信するステップであり、SeNB追加命令メッセージはT-SeNB構成情報を含んでいる。 よって、ステップ3は、MeNBが「SeNB追加要求メッセージを送信するのに応答してT-SeNBと関連付けられるSCGに関する構成情報を含むSeNB追加命令メッセージをT-SeNBから受信するステップ」といえる。 オ 上記(3)のステップ4において送信されるSeNB解放要求メッセージが、UEとS-SeNBとの間の回線を解除するためのメッセージであることは明らかである。よって、ステップ4は、MeNBが「UEとS-SeNBとの間の第1のSCGベアラを解除するSeNB解放要求メッセージをS-SeNBに送信するステップ」といえる。 カ 上記(3)のステップ6の記載及び上記(3)の図10.1.2.X.Z-1の「6.RRC Reconfiguration(T-SeNB addition,S-SeNB release)」の記載によれば、ステップ6においてT-SeNBが追加されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージがMeNBからUEに送信されることは明らかである。よって、ステップ6は、MeNBが「T-SeNBが追加されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEに送信するステップ」といえる。 キ 上記(3)のステップ7の記載によれば、MeNBがS-SeNBから受信するSNステータス転送メッセージには下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態が含まれるから、ステップ7は、MeNBが「S-SeNBから送信された、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を受信するステップ」といえる。 ク 上記(3)の図10.1.2.X.Z-1によれば、ステップ8のSNステータス転送メッセージをT-SeNBへ送信するステップは、ステップ7の下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を含むSNステータス転送メッセージの受信に応答して行われているから、ステップ8は、MeNBが「S-SeNBにおけるPDCP SN及びHFNの送信機での状態の受信に応答して、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態をT-SeNBへ送信するステップ」といえる。 ケ 上記(3)のステップ9の記載によれば、MeNBはS-SeNBからデータ転送を受信している。また、上記(3)の図10.1.2.X.Z-1によれば、S-SeNBからMeNBへ転送されたデータはMeNBからT-SeNBへ転送されている。よって、ステップ9は、MeNBが「S-SeNBからパケットを受信しT-SeNBへパケットを送信するデータ転送を行うステップ」であるといえる。 以上を総合すると、引用例4には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「MeNB及びS-SeNBとデュアル接続しうるUEと通信するMeNBに適用しうる、UEとS-SeNBとの接続からUEとT-SeNBとの接続へ変更するSeNB変更方法であって、このSeNB変更方法が、 UEとS-SeNBとの間の接続を追加するステップと、 UEに対する第2のSCGベアラを確立するために、構成情報を含むSeNB追加要求メッセージをT-SeNBに送信するステップと、 SeNB追加要求メッセージを送信するのに応答してT-SeNBと関連付けられるSCGに関する構成情報を含むSeNB追加命令メッセージをT-SeNBから受信するステップと、 UEとS-SeNBとの間の第1のSCGベアラを解除するSeNB解放要求メッセージをS-SeNBに送信するステップと、 T-SeNBが追加されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEに送信するステップと、 S-SeNBから送信された、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を受信するステップと、 S-SeNBにおけるPDCP SN及びHFNの送信機での状態の受信に応答して、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態をT-SeNBへ送信するステップと、 S-SeNBからパケットを受信しT-SeNBへパケットを送信するデータ転送を行うステップと、 を備えるSeNB変更方法。」 2.引用例5 当審拒絶理由に引用されたNTT DOCOMO, INC.,"Introduciton of Dual Connectivity"(当審訳:デュアル接続のイントロダクション),3GPP TSG-RAN WG2 #85 R2-140906,インターネット<http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85/Docs/R2-140906.zip>,2014年(平成26年)2月22日掲載(以下、「引用例5」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。) (1)「10.1.2.3 Data forwarding 10.1.2.3.1 For RLC-AM DRBs Upon handover, the source eNB may forward in order to the target eNB all downlink PDCP SDUs with their SN that have not been acknowledged by the UE.」(23葉下から7行~下から4行) (当審訳: 10.1.2.3 データ転送 10.1.2.3.1 RLC-AM DRBのためのもの ハンドオーバの時、ソースeNBは、UEによって確認応答されていないSNを有するすべてのダウンリンクPDCP SDUをターゲットeNBに順番に転送してもよい。) (2)「10.1.2.X Dual connectivity operation 10.1.2.X.1 SCG modification The SCG modification procedure is initiated by the SeNB and used to perform configuration changes of the SCG within the same SeNB. Figure 10.1.2.X.1-1 shows the SCG Modification procedure. 1. The SeNB provides the new radio resource configuration of SCG by the RRC container in the SCG Modification Request message. 2. The MeNB sends the RRCConnectionReconfiguration message to the UE including the new radio resource configuration of SCG according to the SCG Modification Request message. 3. The UE applies the new configuration and reply the RRCConnectionReconfigurationComplete message. If synchronisation towards the SeNB is not required for the new configuration, the UE may perform UL transmission after having applied the new configuration. If the new configuration requires synchronisation towards the SeNB, the UE performs the Random Access procedure. The IE by which the SeNB triggers the Random Access procedure is FFS. 4. The MeNB replies the SCG Modification Response to the SeNB forwarding RRCConnectionReconfigurationComplete message. (中略) Figure 10.1.2.X.1-1: SCG Modification procedure」(25葉下から10行~26葉5行) (当審訳: 10.1.2.X デュアル接続の動作 10.1.2.X.1 SCG変更 SCG変更手続きはSeNBにより開始され、同一のSeNB内のSCGの構成変更を実行するために使用される。図10.1.2.X.1-1はSCG変更手続きを示す。 1 SeNBは、SCG変更要求メッセージのRRCコンテナにより、SCGの新しい無線リソース構成を提供する。 2 MeNBは、SCG変更要求メッセージに従って、SCGの新しい無線リソース構成を含むRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEへ送信する。 3 UEは新しい構成を適用し、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを返信する。もしSeNBへの同期が新しい構成のために必要とされない場合、UEは新しい構成を適用した後にUL送信を実行してもよい。もし新しい構成がSeNBへの同期を必要とする場合、UEはランダムアクセス手続きを実行する。SeNBがランダムアクセス手続きをトリガされるIEはFFSである。 4 MeNBは、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを転送しながら、SCG変更応答をSeNBに返信する。 (図10.1.2.X.1-1は省略。)) (3)「10.1.2.X.2 SCG addition/MeNB triggered SCG modification The SCG addition procedure is initiated by the MeNB and used to add the first cell of the SCG. The MeNB triggered SCG modification procedure is initiated by the MeNB and used as described in subclause 10.1.2.X.1. Figure 10.1.2.X.2-1 shows the SCG Addition/MeNB triggered SCG modification procedure. 1. The MeNB sends the SCG Addition/Modification Indication message including the MCG configuration for UE capability coordination to be used as basis for the reconfiguration by the SeNB. 2. The SCG Modification procedure as described in 10.1.2.X.1. Figure 10.1.2.X.2-1: SCG Addition/MeNB triggered SCG Modification procedure」(26葉12~18行) (当審訳: 10.1.2.X.2 SCG追加/MeNBがトリガするSCG変更 SCG追加手続きはMeNBにより開始され、SCGの1番目のセルを追加するために使用される。MeNBがトリガするSCG変更手続きはMeNBにより開始され、10.1.2.X.1に記載されたのと同じように使用される。図10.1.2.X.2-1はSCG追加/MeNBがトリガするSCG変更手続きを示す。 1 MeNBは、SeNBによる再構成のための基礎として使用されるUEケイパビリティの整合のためにMCGの構成を含むSCG追加/変更指示メッセージを送信する。 2 10.1.2.X.1で記載されるSCG変更手続き。 (図10.1.2.X.2-1は省略。)) a eNBの切り換えの際にeNB間でデータを転送する手法として、例えば上記(1)に記載されているように、「切り換え元のソースeNBから送信されたがUEによって確認応答されておらず送信に成功していないデータを、PDCP SDUとして切り換え先のターゲットeNBへ転送する」手法は、当業者にとって常とう手段である。 b 上記(2)の冒頭に「10.1.2.X デュアル接続の動作」と記載されているように、上記(2)及び(3)に記載されているすべてのステップはデュアル接続を前提とした制御である。上記(2)のステップ1及びステップ2における「SCGの新しい無線リソース構成」は、ステップ3においてUEとSeNBとの間でデータ通信を行う際に適用される新しい構成であるので、UEとSCGとの間の接続の確立に用いられるSCGコンフィギュレーションといえる。また、RRCConnectionReconfigurationメッセージがRRCメッセージであるのは明らかである。 そして、上記(3)のSCG追加手続きの際にステップ2として10.1.2.X.1で記載されるSCG変更手続きを行うことが記載されており、上記(2)の図10.1.2.X.1-1におけるステップ1でMeNBがSeNBから「SCGの新しい無線リソース構成」を含むSCG変更要求メッセージを受信し、上記(2)のステップ2でMeNBがUEへRRCConnectionReconfigurationメッセージを送信している。 よって、引用例5には、「デュアル接続においてSCGのセルを追加する手続きの具体的な手法として、MeNBがSeNBからSCGのセルのSCGコンフィギュレーションを受信し、SCGのセルのSCGコンフィギュレーションを含むRRCメッセージをUEへ送信する」との公知技術が記載されていると認められる。 第5 対比及び判断 本願発明と引用発明とを対比する。 1.引用発明の「SeNB変更方法」は、UEとS-SeNBとの接続からUEとT-SeNBとの接続へ変更する方法であるので、「接続変更方法」といえる。引用発明の「UE」は、本願発明の「ユーザ機器(UE)」に相当する。 また、本願発明の「第2の基地局」は接続変更にあたってSCG解除要求によりSCGベアラが解除される前にユーザ機器と接続されている基地局であり、「第3の基地局」は接続変更にあたって第1のSCG付加要求によりSCGベアラが確立した後にユーザ機器と接続する基地局であるところ、引用発明の「S-SeNB」及び「T-SeNB」は、それぞれ接続変更における変更前にUEと接続する基地局及び変更後にUEと接続する基地局であるので、本願発明の「第2の基地局」及び「第3の基地局」に相当する。引用発明の「MeNB」は、UEと通信することによりUEに作用することは明らかであるから「UEに作用する」基地局といえ、S-SeNBまたはT-SeNBとデュアル接続を行う基地局であるので、本願発明の「ユーザ機器(UE)に作用する第1の基地局」に相当する。 よって、引用発明の「MeNB及びS-SeNBとデュアル接続しうるUEと通信するMeNBに適用しうるUEとS-SeNBとの接続からUEとT-SeNBとの接続へ変更するSeNB変更方法」は、「第1の基地局及び第2の基地局にデュアル接続しうるユーザ機器(UE)に作用する第1の基地局に適用しうる接続変更方法」といえる。 2.本願発明の「UEに対する第1のSCGベアラを確立するために用いられる第1のSCGコンフィギュレーションを第2の基地局から受信するステップ」及び「第1のSCGコンフィギュレーションを有する第1の無線リソースコントロール(RRC)メッセージをUEに送信するステップ」は、UEと第1の基地局とで通信が行われている状態においてUEと第2の基地局との間の接続が追加される際に行われるステップであるので、「UEと第2の基地局との間の接続を追加するステップ」といえる。 したがって、本願発明の「UEに対する第1のSCGベアラを確立するために用いられる第1のSCGコンフィギュレーションを第2の基地局から受信するステップ」及び「第1のSCGコンフィギュレーションを有する第1の無線リソースコントロール(RRC)メッセージをUEに送信するステップ」と引用発明の「UEとS-SeNBとの間の接続を追加するステップ」とは、「UEと第2の基地局との間の接続を追加するステップ」といえる点で共通する。 3.引用発明のSeNB追加要求メッセージに含まれる「構成情報」は、構成(コンフィギュレーション)を示す情報であるので、本願発明の「第1のコンフィギュレーション」といえる。また、引用発明の「SeNB追加要求メッセージ」は、本願発明の「第1のSCG付加要求」に相当する。 よって、引用発明の「UEに対する第2のSCGベアラを確立するために、構成情報を含むSeNB追加要求メッセージをT-SeNBに送信するステップ」は、本願発明と「UEに対する第2のSCGベアラを確立するために、第1のコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加要求を第3の基地局に送信するステップ」である点で一致する。 4.引用発明の「T-SeNBと関連付けられるSCGに関する構成情報」は、SeNB追加要求メッセージを送信するのに応答して受信するSeNB追加命令メッセージに含まれる情報であり、SCGの構成(コンフィギュレーション)を示す情報であるので、本願発明の「第2のSCGコンフィギュレーション」に相当する。また、引用発明の「SeNB追加命令メッセージ」は、本願発明の「第1のSCG付加応答」に相当する。 よって、引用発明の「SeNB追加要求メッセージを送信するのに応答してT-SeNBと関連付けられるSCGに関する構成情報を含むSeNB追加命令メッセージをT-SeNBから受信するステップ」は、本願発明の「第1のSCG付加要求を送信するのに応答して第2のSCGコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加応答を第3の基地局から受信するステップ」に相当する。 5.引用発明の「SeNB解放要求メッセージ」は、本願発明の「SCG解除要求」に相当する。 よって、引用発明の「UEとS-SeNBとの間の第1のSCGベアラを解除するSeNB解放要求メッセージをS-SeNBに送信するステップ」は、本願発明の「第1のSCGベアラを解除するSCG解除要求を第2の基地局に送信するステップ」に相当する。 6.引用発明においてS-SeNBから受信しT-SeNBへ送信される「S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態」は、S-SeNBからの送信(TX)に関する「PDCP SN」及び「HFN」であるので、本願発明の「PDCP SN」及び「TX_HFN」に相当する。 よって、引用発明の「S-SeNBから送信された、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を受信するステップ」は、本願発明と「第2の基地局から送信されたTX_HFNと、PDCP SNとを受信するステップ」を具える点で一致する。 同様に、引用発明の「S-SeNBにおけるPDCP SN及びHFNの送信機での状態の受信に応答して、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態をT-SeNBへ送信するステップ」は、本願発明と「TX_HFNと、PDCP SNとを第2の基地局から受信するのに応答して、TX_HFNと、PDCPSNとを第3の基地局に送信するステップ」を具える点で一致する。 7.引用発明における「S-SeNBからパケットを受信しT-SeNBへパケットを送信するデータ転送を行うステップ」は、パケットがPDCP SDUであることは特定されていないものの、本願発明と「第2の基地局から送信されたパケットを受信するステップ」及び「パケットを第2の基地局から受信するのに応答して、パケットを第3の基地局に送信するステップ」を具える点で一致する。 8.引用発明において「T-SeNBが追加される」ことは、UEとT-SeNBとの間の第2のSCGベアラを確立することであるので、本願発明における「第2のSCGベアラを確立する」ことに相当する。また、RRCConnectionReconfigurationメッセージは、RRCメッセージであることが明らかであるから、本願発明の「第2のSCGベアラを確立する第2のRRCメッセージ」に相当する。 よって、引用発明における「T-SeNBが追加されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEに送信するステップ」は、本願発明と「第2のSCGベアラを確立する第2のRRCメッセージをUEに送信するステップ」である点で一致している。 以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「第1の基地局及び第2の基地局にデュアル接続しうるユーザ機器(UE)に作用する第1の基地局に適用しうる接続変更方法であって、この接続変更方法が、 UEと第2の基地局との間の接続を追加するステップと、 UEに対する第2のSCGベアラを確立するために、第1のコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加要求を第3の基地局に送信するステップと、 第1のSCG付加要求を送信するのに応答して第2のSCGコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加応答を第3の基地局から受信するステップと、 第1のSCGベアラを解除するSCG解除要求を第2の基地局に送信するステップと、 第2の基地局から送信されたTX_HFNと、PDCP SNとを受信するステップと、 TX_HFNと、PDCP SNとを第2の基地局から受信するのに応答して、TX_HFNと、PDCPSNとを第3の基地局に送信するステップと、 第2の基地局から送信されたパケットを受信するステップと、 パケットを第2の基地局から受信するのに応答して、パケットを第3の基地局に送信するステップと、を具え、さらに、 第2のSCGベアラを確立する第2のRRCメッセージをUEに送信するステップと、 を具える接続変更方法。」 (相違点1) 一致点の「UEとS-SeNBとの間の接続を追加するステップ」に関して、本願発明は「UEに対する第1のSCGベアラを確立するために用いられる第1のSCGコンフィギュレーションを第2の基地局から受信するステップ」と、「第1のSCGコンフィギュレーションを有する第1の無線リソースコントロール(RRC)メッセージをUEに送信するステップ」とを具えるのに対して、引用発明はUEとS-SeNBとの間の接続を追加するステップの具体的な手段として当該発明特定事項を具えていない点。 (相違点2) 一致点の「第1のコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加要求を第3の基地局に送信」し「第2のSCGコンフィギュレーションを有する第1のSCG付加応答を第3の基地局から受信する」ことに関して、本願発明は「第1のコンフィギュレーション」が第1のSCGベアラを確立するために用いられる「第1のSCGコンフィギュレーション」であり、「第2のSCGコンフィギュレーション」が「第1のSCGコンフィギュレーションに基づく」のに対して、引用発明では当該発明特定事項を具えていない点。 (相違点3) 一致点の「第2の基地局から送信されたTX_HFNと、PDCP SNとを受信するステップ」に関して、本願発明は「第1のSCGベアラのパケットデータコンバーゼンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)の第2の基地局の送信が成功せず、送信器ハイパーフレームナンバ(TX_HFN)及びPDCPシーケンスナンバ(SN)がPDCPSDUに関連する場合に」受信するのに対して、引用発明では当該発明特定事項を具えていない点。 一致点の「第2の基地局から送信されたパケットを受信するステップ」及び「パケットを第2の基地局から受信するのに応答して、パケットを第3の基地局に送信するステップ」に関して、本願発明では第2の基地局から受信するパケットが「第2の基地局から送信されたPDCP SDU」であるのに対して、引用発明では当該発明特定事項を具えていない点。 また、一致点の「第2の基地局から送信されたTX_HFNと、PDCP SNとを受信するステップと、TX_HFNと、PDCP SNとを第2の基地局から受信するのに応答して、TX_HFNと、PDCPSNとを第3の基地局に送信するステップと、第2の基地局から送信されたパケットを受信するステップと、パケットを第2の基地局から受信するのに応答して、パケットを第3の基地局に送信するステップ」に関して、本願発明では第2の基地局から第3の基地局へPDCP SDUとTX_HFNとPDCP SNとを転送することが「1つのステップ」であるのに対して、引用発明は当該発明特定事項を有していない点。 (相違点4) 一致点の「第2のSCGベアラを確立する第2のRRCメッセージをUEに送信するステップ」に関して、本願発明はUEへ送信される第2のRRCメッセージが「第2のSSGコンフィギュレーションを有する」のに対して、引用発明は当該発明特定事項を具えていない点。 (相違点5) 一致点の「第2のSCGベアラを確立する第2のRRCメッセージをUEに送信するステップ」に関して、本願発明では他のステップとの前後関係が明らかにされていないのに対して、引用発明ではPDCP SDU、TX_HFN及びPDCP SNを転送するステップより前に行われるステップである点。 (相違点1について) 上記第4.2.bのとおり、「デュアル接続においてSCGのセルを追加する手続きの具体的な手法として、MeNBがSeNBからSCGのセルのSCGコンフィギュレーションを受信し、SCGのセルのSCGコンフィギュレーションを含むRRCメッセージをUEへ送信する」ことは公知技術であるので、引用発明におけるUEとS-SeNBとの間の接続を追加するステップの具体的な手法として、「UEに対する第1のSCGベアラを確立するために用いられる第1のSCGコンフィギュレーションを第2の基地局から受信するステップと、第1のSCGコンフィギュレーションを有する第1の無線リソースコントロール(RRC)メッセージをUEに送信するステップ」とすることは、当業者が容易になし得ることである。 (相違点2について) まず、引用発明は、SeNBをS-SeNBからT-SeNBへ変更する手続きであり、T-SeNBにおける設定を適切に行うためにS-SeNBで行われている通信に関する情報をT-SeNBに伝えることは常とう手段であるから、SeNB追加要求メッセージが有する構成情報がS-SeNBに関する構成情報を含むこと、すなわち第1のSCG付加要求が第1のSCGベアラを確立するために用いられる第1のSCGコンフィギュレーションを有することは明らかである。 そして、引用発明において、T-SeNBはMeNBから受信したSeNB追加要求メッセージに応答してSeNB追加命令メッセージを送信しているのであるから、T-SeNBにおいてSeNB追加命令メッセージに含めるパラメータがSeNB追加要求メッセージに含まれるパラメータを考慮して決定されることは明らかである。よって、SeNB追加命令メッセージに含めるパラメータの1つであるT-SeNB構成情報が、SeNB追加要求メッセージに含まれるパラメータであるS-SeNBに関する構成情報に基づいて決定されることも、当業者が通常想到し得た事項に過ぎない。 (相違点3について) 上記第4.2.aのとおり、eNBの切り換えの際にeNB間でデータを転送する手法として、「切り換え元のソースeNBから送信されたがUEによって確認応答されておらず送信に成功していないデータを、PDCP SDUとして切り換え先のターゲットeNBへ転送する」ことは、当業者にとって常とう手段である。 したがって、引用発明においてS-SeNBからT-SeNBへのSeNBの切り換えの際にMeNBを介してSeNB間でデータを転送するにあたって、切り換え元のS-SeNBから送信されたが確認応答されておらず送信に成功していないPDCP SDUを転送する構成とすることは、当業者にとって格別困難なことではない。 また、PDCP SNとHFNとが1つのステップとして転送されている引用発明において、S-SeNBからT-SeNBへのeNBの切り換えの際にMeNBを介してSeNB間でデータであるPDCP SDUを転送するにあたって、PDCP SNとHFNのみならずPDCP SDUの転送も1つのステップとして行う構成とすることも、当業者が容易に想到し得る事項に過ぎない。 (相違点4について) 上記第4.2.bのとおり、「デュアル接続においてSCGのセルを追加する手続きの具体的な手法として・・・SCGのセルのSCGコンフィギュレーションを含むRRCメッセージをUEへ送信する」ことは公知技術である。 引用発明におけるT-SeNBが追加されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEに送信するステップについても、RRCConnectionReconfigurationメッセージが、追加されるT-SeNBと関連付けられるSCGに関するSCGコンフィギュレーションを有する構成とすること、すなわち第2のRRCメッセージが第2のSSGコンフィギュレーションを有するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (相違点5について) 本願発明は、各ステップを具えることが規定されるのみであって、各ステップの時間的関係は特定されていないため、相違点5は実質的な相違点ではない。 なお、仮に実施例の記載を参酌して、請求項において上記の順序が特定されているとしても、引用発明において、「S-SeNBから送信された、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態を受信するステップ」、「S-SeNBにおけるPDCP SN及びHFNの送信機での状態の受信に応答して、S-SeNBにおける下りリンクのPDCP SN及びHFNの送信機での状態をT-SeNBへ送信するステップ」及び「S-SeNBからパケットを受信しT-SeNBへパケットを送信するデータ転送を行うステップ」は、UEが関与しない制御であるので、UEが関与する「T-SeNBが追加されることを示すRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEに送信するステップ」とは相互に影響を及ぼさない独立した制御であることは明らかである。このとき、いずれの制御を先に行うかは、当業者が適宜決定すべき設計事項に過ぎない。 したがって、本願発明は、引用発明、公知技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-000933

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