審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2016-700878

偏光板、光学部材セット及びタッチ入力式画像表示装置

審判番号
2016-700878
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-031676
登録番号
特許第5886338号(P5886338)
請求日
2016年09月16日
審決日
2017年03月29日
公報発行日
2017年06月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】住友化学株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人深見特許事務所
  • 【異議申立人】増山 美紀
審判長/審判官
  • 審判長 西村 仁志
  • 審判官 河原 正
  • 審判官 中田 誠
分類
P1651.113-YAA(G02B) / P1651.537-YAA(G02B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第2項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5886338号発明「偏光板、光学部材セット及びタッチ入力式画像表示装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5886338号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正することを認める。 特許第5886338号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 1.手続の経緯 特許第5886338号の請求項1~9に係る発明についての出願は、平成26年2月21日に特許出願され、平成28年2月19日に特許権の設定登録がされ、同年3月16日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、同年9月16日に特許異議申立人増山美紀により特許異議の申立てがなされ、同年11月30日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年1月20日に意見書の提出及び訂正請求がなされ、同年3月8日に特許異議申立人増山美紀から意見書が提出されたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 平成29年1月20日になされた訂正請求による訂正(以下、当該訂正請求を「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲についての、請求項1~9からなる一群の請求項に係る訂正であって、訂正事項1ないし3からなり、その内容は次のアないしウのとおりである(下線は、当審において、本件訂正前後の対応箇所を表すものとして付与した。)。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、 「偏光子と、その一方の面上に積層される第1光学フィルムとを含み、 前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面は、断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下である、偏光板。」 と記載されているのを、 「偏光子と、その一方の面上に積層される第1光学フィルムとを含み、 前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面は、凹凸を有し、算術平均粗さRaが30nm以上であり、断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下である、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用の偏光板。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~9も同様に訂正する。)。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項7において、 「タッチ入力式画像表示装置用の光学部材セット。」 と記載されているのを、 「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用の光学部材セット。」 に訂正する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項8において、 「タッチ入力式画像表示装置。」 と記載されているのを、 「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置。」 に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 。 (2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1について (ア)上記訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1の「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」について、「凹凸を有し、算術平均粗さRaが30nm以上」であることを限定するとともに、「偏光板」の用途について、「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用」であることに限定するものであるから、上記訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。訂正後の請求項1の記載を引用する訂正後の請求項2~9についても同様である。 (イ)上記(ア)から明らかなように、上記訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (ウ)上記訂正事項1に関し、本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0031】には、「光学層22は、その外面S(第1熱可塑性樹脂フィルム21とは反対側の表面)が、後述する所定の表面特性を満足するような微細な表面凹凸からなる。・・・光学層22は表面凹凸を有する層であることから、・・・」と記載され、段落【0063】には、「第1光学フィルム20の外面Sの算術平均粗さRaは、通常30nm以上である。」と記載されていることから、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」を、「凹凸を有し、算術平均粗さRaが30nm以上」とすることは、本件特許明細書に記載されているものと認められる。 また、本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0001】には、「本発明は、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置に好適に用いることができる偏光板、並びにそれを含む光学部材セット及びタッチ入力式画像表示装置に関する。」と記載されていることから、「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用」の「偏光板」は、本件特許明細書に記載されているものと認められる。 よって、上記訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、新規事項の追加に該当しない。 イ 訂正事項2について (ア)上記訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項7の「タッチ入力式画像表示装置用の光学部材セット」について、「タッチ入力式画像表示装置」が、「エアーギャップ方式」であることを限定するものであるから、上記訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)上記(ア)から明らかなように、上記訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (ウ)上記訂正事項2に関し、本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0001】には、「本発明は、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置に好適に用いることができる偏光板、並びにそれを含む光学部材セット及びタッチ入力式画像表示装置に関する。」と記載され、段落【0023】には、「この光学部材セット40はエアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置に用いられ、」と記載されていることから、「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用の光学部材セット」は、本件特許明細書に記載されているものと認められる。 よって、上記訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、新規事項の追加に該当しない。 ウ 訂正事項3について (ア)上記訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項8の「タッチ入力式画像表示装置用の光学部材セット」について、「タッチ入力式画像表示装置」が、「エアーギャップ方式」であることを限定するものであるから、上記訂正事項3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。訂正後の請求項8の記載を引用する訂正後の請求項9についても同様である。 (イ)上記(ア)から明らかなように、上記訂正事項3に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (ウ)上記訂正事項3に関し、本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0001】には、「本発明は、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置に好適に用いることができる偏光板、並びにそれを含む光学部材セット及びタッチ入力式画像表示装置に関する。」と記載され、段落【0023】には、「この光学部材セット40はエアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置に用いられ、」と記載されていることから、「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置」は、本件特許明細書に記載されているものと認められる。 よって、上記訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、新規事項の追加に該当しない。 エ 訂正における一群の請求項の存否 訂正事項1に係る訂正前の請求項1~9について、請求項2~9は、請求項1の記載を引用しているものであるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、本件特許の請求項1~9に係る訂正の請求は一群の請求項ごとに請求されたものである。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正を認める。 3.特許異議の申立てについて (1)本件発明 本件訂正後の請求項1~9に係る発明(以下、「本件発明1~9」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~9に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 偏光子と、その一方の面上に積層される第1光学フィルムとを含み、 前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面は、凹凸を有し、算術平均粗さRaが30nm以上であり、断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下である、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用の偏光板。 【請求項2】 前記第1光学フィルムは、第1熱可塑性樹脂フィルムと、その前記偏光子とは反対側の面上に積層される光学層とを含む、請求項1に記載の偏光板。 【請求項3】 前記第1熱可塑性樹脂フィルムがセルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる、請求項2に記載の偏光板。 【請求項4】 前記偏光子における前記第1光学フィルムとは反対側の面上に積層される第2光学フィルムをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光板。 【請求項5】 前記第2光学フィルムは、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂又は環状ポリオレフィン系樹脂からなる第2熱可塑性樹脂フィルムを含む、請求項4に記載の偏光板。 【請求項6】 前記第2光学フィルムが位相差フィルムである、請求項4又は5に記載の偏光板。 【請求項7】 請求項1~6のいずれか1項に記載の偏光板と、 前記偏光板における前記第1光学フィルム側に配置されるための透光性部材と、 からなる、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用の光学部材セット。 【請求項8】 画像表示素子と、 前記画像表示素子の視認側に配置される請求項1~6のいずれか1項に記載の偏光板と、 前記偏光板における前記第1光学フィルム側に、前記第1光学フィルムと離間して配置される透光性部材と、 を含む、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置。 【請求項9】 前記透光性部材がタッチ入力素子である、請求項8に記載のタッチ入力式画像表示装置。」 (2)取消理由の概要 請求項1~9に係る特許に対して、平成28年11月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 「本件特許は、下記ア及びイの点で、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 記 ア (ア)本件特許明細書の発明の詳細な説明には、【発明が解決しようとする課題】として、「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置においては、手指等で画面をタッチしたとき、エアーギャップの間隔が変化し、その結果、エアギャップにおいて多重反射した光が干渉することに起因して、ニュートンリングと呼ばれる干渉縞が発生しやすい。ニュートンリングが発生すると、表示画面の視認性が低下する。」(段落【0007】)ことや、「樹脂成形体における透明導電膜が形成される側の面を粗面化する、具体的には算術平均粗さRaを50~150nmとすることでニュートンリングを抑制し得る」とする従来技術や「ハードコート層における透明導電膜が形成される側の面の算術平均粗さRa及び所定高さの凸部の存在個数を制御することでニュートンリング及びギラツキを抑制し得る」とする従来技術などでは、ニュートンリングを有効に抑制できないことがあること(段落【0008】)が記載され、さらに、「本発明の目的」として、「ニュートンリングの発生を効果的に抑制することのできる偏光板、並びにそれを含む光学部材セット及びタッチ入力式画像表示装置を提供する」こと(段落【0009】)が記載されている。 すなわち、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、もっぱら、エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置において発生するニュートンリングを効果的に抑制するものである偏光板等が記載されているものと認められる。 (イ)そして、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、上記のエアーギャップ方式のタッチパネル式画像表示装置において発生するニュートンリングを有効に抑制できないことがあるという課題を解決することを目的とする発明として、「エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置」に用いるための偏光板であって、偏光子とその一方の面上に積層される第1光学フィルムとを含み、第1光学フィルムが、所定のクルトシスPku、所定の反射率Yを持つものとした偏光板が開示されている。 (ウ)一方、本件特許の請求項1に係る発明は、「偏光板」の発明であるが、請求項1には、当該「偏光板」がどのような用途(例えば、「エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置」用等)に用いられるのかが理解できるような特定はなされていない。したがって、本件特許の請求項1に係る発明は、例えば、エアーギャップ方式のタッチパネルを備えない画像表示装置に用いられる偏光板、偏光を利用した測定・計測機器に用いられる偏光板、偏光光源に用いられる偏光板など、様々な用途に用いられる偏光板を含むものとなっている。 (エ)しかしながら、上述したとおり、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置に用いた際の課題を解決するための「偏光板」のみが開示されており、その課題とその課題を解決するための発明の構成を、「エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置」以外のその他の用途へ適用することについては記載も示唆もされていないのであるから、本件特許の請求項1に係る発明のうち、「エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置」以外に用いられる「偏光板」の発明については、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものと認めることができない。 (オ)したがって、「エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置」用の偏光板以外の偏光板を含む請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。請求項1を直接・間接に引用する請求項2~6に係る発明も同様である。 よって、請求項1~6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない イ (ア)本件特許の請求項1に係る発明は、上記のエアーギャップ方式のタッチパネル式画像表示装置において発生するニュートンリングを有効に抑制できないことがあるという課題を解決するために、偏光子の一方の面上に積層される「第1光学フィルム」における偏光子とは反対側の表面が、「断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下」であるという事項を有している。 (イ)本件特許明細書には、第1光学フィルムの表面が「断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下」であることと、本発明の課題・目的との対応及びその作用・効果に関し、「・・・断面曲線のクルトシスPkuが3.0以上とされ、かつ、反射率Yが4.0%以下とされる。微細な表面凹凸からなる外面Sにこのような表面特性を付与することにより、画面を手指等で押圧したときのニュートンリングの発生を効果的に抑制することができる。」(段落【0051】)、「・・・本発明者の検討により、算術平均粗さRaよりもむしろ、凸部の尖度を表す指標であるPkuを用いた方が表面凹凸形状とニュートンリング発生との関係をより正確に評価でき、反射率Yが4.0以下であることを前提として、Pkuを3.0以上とすることによりニュートンリングの発生を効果的に抑制できることが明らかとなった。」(段落【0052】)、「本発明者は、外面SのPkuだけではなく、反射率Yもニュートンリングの発生に多大な影響を与え、ニュートンリング抑制のためには、Pkuを所定の範囲に調整するだけではなく、反射率Yも所定の範囲に調整しなければならないことを見出したものである。」(段落【0053】)、「・・・Pkuが高いほど、また反射率Yが低いほどニュートンリングの抑制に有利といえるが、例えばPkuが十分に高い場合には、反射率Yは4.0以下の範囲で比較的高くてもニュートンリングを十分に抑制できる傾向にあり、反射率Yが十分に低い場合には、Pkuは3.0以上の範囲で比較的低くてもニュートンリングを十分に抑制できる傾向にある。・・・」(段落【0062】)ことが記載され、さらに、段落【0094】~【0116】には、ニュートンリングが観察されないエアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置用の偏光板として、所定の製造条件により製造された実施例2(Pkuが4.9,反射率2.0%)及び実施例3(Pkuが7.9,反射率3.0%)が記載されている。 (ウ)ここで、本件特許明細書には、本件特許において技術的な前提となる、エアーギャップ方式のタッチパネル入力式画像表示装置において、第1光学フィルムの表面を特定パラメータを満たすような態様で粗面とすること、あるいは表面凹凸を設けることにより、ニュートンリングが抑制されるとしか記載されておらず、その粗面化、あるいは表面凹凸を設けることによりニュートンリングが抑制される原理については何ら説明されていないが、当業者の技術常識に基づけば、表面凹凸によるニュートンリングの抑制原理は、凹凸(の側面・傾斜面)により光の反射方向を拡散・散乱することによって、光の干渉が生じないようにしているか、あるいは、凹凸の高さにより、エアーギャップの間隔が、ニュートンリングが発生する所定間隔よりも小さくならないようにしているか、のいずれかであると解される。 (エ)また、本件特許の請求項1に係る発明において、「入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下」とすることによりニュートンリングが抑制される原理についても説明されていないが、ニュートンリングの発生原理(境界面による反射光の干渉)や、本件特許発明において、「ニュートンリングが発生するかどうかを観察し」、「A:ニュートンリングが観察されない。B:ニュートンリングがわずかに観察されるが、視認に問題ないレベルである。」「C:ニュートンリングが顕著に観察される。」という「評価基準に従って評価」している(段落【0106】~【0108】)ことに鑑みれば、反射率を低くすることによって、ニュートンリングの強度を低下させて視認されにくくしているものと解される。 (オ)そして、「クルトシスPku」は、断面曲線の二乗平均平方根高さPq(段落【0057】の【数2】)の四乗によって無次元化した基準長さLpにおけるZ(x)(:任意の位置における断面曲線の高さ)の四乗平均(段落【0055】の【数1】)であり、「Pku」は、断面曲線の確率密度関数のとがり(鋭さ)の度合い(段落【0058】)、凸部の尖度(段落【0052】)を示す無次元のパラメータ(例えば、Pku=3の場合には、正規分布を示し、Pku>3の場合には、高さ分布が尖っていることを示し、Pku<3の場合には、表面凹凸の高さ分布がつぶれている形状を示す。)である。すなわち、「クルトシスPku」は、表面凹凸の、凹凸の高さ(表面粗さ)、凹凸の大きさ、凹凸の数、凹凸の間隔、凸(凹)同士の間隔、凹凸が山なのか谷なのか等を示すパラメータではない。 (カ)そうすると、本件特許の請求項1に係る発明のように、偏光子の一方の面上に積層される「第1光学フィルム」の断面形状に関し、断面形状のクルトシスPkuを4.0以上と規定するだけでは、例えば、(a)小数の(尖った)小さな山や谷しかない断面形状、あるいは(尖った)山と山との間隔が広い断面形状、(b)(尖った)山や谷があってもその高さが低い断面形状、(c)(尖った)山ではなく谷ばかりの断面形状が含まれることが理解できる。 そして、上記イ(ウ)の表面凹凸によるニュートンリングの抑制原理及び上記イ(エ)の反射率Yを4%以下とすることの意味に鑑みると、上記(a)の断面形状の場合に、小数の(尖った)小さな山や谷により、あるいは間隔が広い(尖った)山と山により、いかにして光の反射方向を拡散・散乱し、光の干渉を防ぎニュートンリングの発生が抑制されるのか、あるいは、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようにしてニュートンリングの発生が抑制されるのか、当業者の技術常識に照らしても理解することができない。 同様に、(b)の断面形状の場合には、結局、山や谷の側面・斜面が小さいものとなり、いかにして光の反射方向を拡散・散乱し、光の干渉を防ぐのか、あるいは、高さが低い山・谷により、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようになるのか、(c)の断面形状の場合には、谷ばかりの断面形状により、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようになるのかについて、当業者の技術常識に照らしても理解することができない。 (キ)したがって、技術常識に照らしても、請求項1に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとは言えない。 請求項1を直接・間接に引用する請求項2~9においても同様である。 よって、請求項1~9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 」 (3)判断 ア 特許法第36条第6項第1号(上記(2)アの点)について 本件訂正により、請求項1において、「偏光板」の用途が、「エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置用」であることが特定されたため、訂正後の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲内のものとなった。 訂正後の請求項1の記載を引用する請求項2~6に係る発明についても、同様に、発明の詳細な説明に記載した範囲内のものとなった。 よって、特許法第36条第6項第1号(上記(2)アの点)についての取消理由は解消した。 イ 特許法第36条第6項第1号(上記(2)イの点)について (ア)本件訂正により、請求項1に係る発明において、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」は、「断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下である」ことに加え、「凹凸を有し、算術平均粗さRaが30nm以上であ」ることが特定された。 (イ)ここで、表面凹凸によるニュートンリングの抑制原理(上記(2)イ(ウ)参照)及び反射率Yを4%以下とすることの意味(上記(2)イ(エ)参照)に鑑み、当業者の技術常識に照らしても、いかにしてニュートンリングの発生が抑制されるのか理解できない断面形状として取消理由通知で示した以下の(a)ないし(c)の断面形状について改めて検討する。 (a)小数の(尖った)小さな山や谷しかない断面形状、あるいは(尖った)山と山との間隔が広い断面形状 (b)(尖った)山や谷があってもその高さが低い断面形状 (c)(尖った)山ではなく谷ばかりの断面形状 (ウ)断面形状(a)について a 「算術平均粗さRa」について 「算術平均粗さRa」とは、本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0063】によれば、「JIS B 0601:2013」の「4.2.1」に規定されるパラメータであり、「基準長さにおける高さZ(x)の絶対値の平均値」を意味するものである。 b 「基準長さ」について 「JIS B0601:2013」は、「製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状:輪郭曲線方式-用語,定義及び表面性状パラメータ」に関する規格であり、「基準長さ」に関し(特に、下線部参照)、「3.1 一般用語」の「3.1.9」に「基準長さ,lp,lr,lw(sampling length) 輪郭曲線の特性を求めるために用いる輪郭曲線のX軸方向長さ。 注記 粗さ曲線用の基準長さlr及びうねり曲線用の基準長さlwは,それぞれ輪郭曲線フィルタのカットオフ値λc及びλfに等しい。断面曲線用の基準長さlpは,評価長さlnに等しい。」、「3.2 パラメータに関する用語」の「3.2.8」に「縦座標値,Z(x)(ordinate value) 任意の位置xにおける輪郭曲線の高さ。 注記 高さの符号は,X軸(平均線)の下側を負とし,上側を正とする。」、「4.2 高さ方向のパラメータ」の「4.2.1」に「輪郭曲線の算術平均高さ(arithmetical mean deviation of the assessed profile) 基準長さにおけるZ(x)の絶対値の平均。 断面曲線の算術平均高さPa,算術平均粗さRa及び算術平均うねりWaがある。・・・」と記載されている。 また、「基準長さ」の値に関し(特に、下線部参照)、「製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状:輪郭曲線方式-表面性状評価の方式及び手順」に関する規格「JIS B0633」には、「1.適用範囲」に「この規格は,JIS B 0601,JIS B 0631・・・に定義された表面性状パラメータの測定値と許容限界値との比較方式について規定する。さらに,JIS B 0651に規定された触針式表面粗さ測定機によって粗さパラメータを測定するためのカットオフ値λcの標準値を規定する。・・・」と記載され、「7.2 粗さパラメータの測定」の「7.2.1 非周期的な粗さ曲線のための評価手順」の「表1 非周期的な輪郭曲線の粗さパラメータRa,Rq,Rsk,Rku,RΔq並びに負荷曲線及び確率密度関数とそれらに関連するパラメータの基準長さ(研削加工面の例)」によれば、「粗さ曲線の基準長さ(lr)mm」を、「Ra μm」が「(0.006μm)<Ra≦0.02μm」の場合、「0.08mm」とし、「0.02μm<Ra≦0.1μm」の場合、「0.25mm」とし、「0.1μm<Ra≦2μm」の場合、「0.8mm」とし、「2μm<Ra≦10μm」の場合、「2.5mm」とし、「10μm<Ra≦80μm」の場合、「8mm」とすることが記載されている。 (当合議体注:「JIS B 0601:2013」、「JIS B 0633」等の規格については、日本工業規格のホームページの「JIS検索」(URL「http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html」より参照が可能である。) c 本件特許明細書において先行技術文献としてあげられた、特開2011-133881号公報、あるいは特開2008-155387号公報には、エアーギャップ方式のタッチパネルにおいて、光学フィルム・光学積層体の表面の「Ra(算術平均粗さ)」を、31~45nm(段落【0092】の【表1】の実施例1~5の「Ra」、段落【0093】の【表2】の実施例6,7の「Ra」を参照。)、あるいは、50~100nm(段落【0074】の【表1】の実施例1~5の「面(A)の表面粗さ(nm)」を参照。)としたものにより、ニュートンリングの発生を抑制できることが記載されており、表面凹凸の「算術平均粗さRa」が「30nm」程度あるいはそれ以上であれば、ニュートンリングの発生を抑制できることは、当業者の技術常識である。 d 本件訂正により、本件発明1は、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」が、0.25mm~8mmの「基準長さ」の範囲において、「算術平均粗さRa」が「30nm以上」となる程度の高さ・大きさの凹凸が存在するものとなっているところ、上記aないしcからみて、いかにして光の反射方向を拡散・散乱し、光の干渉を防ぎニュートンリングの発生が抑制されるのか、あるいは、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようにしてニュートンリングの発生が抑制されるのか、当業者の技術常識に照らして理解できないような、小数の(尖った)小さな山や谷しかない断面形状、あるいは(尖った)山と山との間隔が広い断面形状は、本件発明1に含まれないことが技術常識に照らし明らかとなった。 (エ)断面形状(b)について 本件訂正により、本件発明1は、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」が、0.25mm~8mmの「基準長さ」の範囲において、「算術平均粗さRa」が「30nm以上」となる程度の高さ・大きさの凹凸が存在するものとなっているところ、上記(ウ)aないしcからみて、いかにして光の反射方向を拡散・散乱し、光の干渉を防ぐのか、あるいは、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようになるのか、当業者の技術常識に照らしても理解することができないような、(尖った)山や谷があってもその高さが低い断面形状は、本件発明1に含まれないことが技術常識に照らし明らかとなった。 (オ)断面形状(c)について 本件発明1における、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」は、「凹凸を有し」、「算術平均粗さRaが30nm以上」である。 ここで、「光学フィルム」の「表面」が「凹凸を有する」とは、「光学フィルム」の「表面」に「山(凸)」と「谷(凹)」とを有することを意味すると考えるのが自然であるから、本件訂正により、本件発明1には、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようになるのか当業者の技術常識に照らしても理解することができない、谷ばかりの断面形状が含まれないことが明らかとなった。 (カ)以上のとおりであって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載されたものである。 請求項1の記載を引用する本件発明2~9についても同様である。 よって、特許法第36条第6項第1号(上記(2)イの点)についての取消理由は解消した。 ウ 特許異議申立人が提出した平成29年3月8日付けの意見書(以下、「特許異議申立人意見書」という。)における主張 (ア) 特許異議申立人意見書第2頁5~13行の主張について 特許異議申立人は、「これに対して特許権者は『(尖った)山と山との間隔が広い断面形状に関し、当該『山』の高さは、『エアーギャップ方式のタッチ入力画像表示装置』用の偏光板においては、いかに高くてもエアーギャップ未満になることは必然であるから、この点を加味すればなおさらRaは小さいものとなる。』と主張している。上記(a)の態様に関する特許権者の主張は、審判官合議体の認定に対して何の回答にもなっていない。言い換えると、特許権者の主張は、訂正後の請求項1に係る発明が、上記(a)の態様においてニュートンリングを抑制できる理由を何ら主張立証していない。」旨主張している(当合議体注:「上記(a)の態様」は、上記イ(イ)における(a)の断面形状を意味する。)。 しかしながら、「算術平均粗さRa」は、山や谷だけでなく基準長さにおける平坦な部分(凹凸がない部分)をも含めた高さZ(x)の絶対値の平均値であるから、小数(尖った)の小さな山や谷しかない断面形状、あるいは(尖った)山と山との間隔が広い断面形状の場合には、算術平均粗さRaは小さくなるはずであり、しかも、もともと山の高さはエアーギャップ未満であることを考慮すれば、なおさらRaが小さくなるはずである。 一方、本件発明1は、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」が、0.25mm~8mmの「基準長さ」の範囲において、「算術平均粗さRa」が「30nm以上」となる程度の高さ・大きさの凹凸が存在するものとなっていることから、上記イ(ウ)aないしcからみて、いかにして光の反射方向を拡散・散乱し、光の干渉を防ぎニュートンリングの発生が抑制されるのか、あるいは、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようにしてニュートンリングの発生が抑制されるのか、当業者の技術常識に照らして理解できないような、小数の(尖った)小さな山や谷しかない断面形状、あるいは(尖った)山と山との間隔が広い断面形状は、本件発明1に含まれないことが技術常識に照らし明らかとなった。 よって、特許異議申立人の上記の主張を採用することはできない。 (イ) 特許異議申立人意見書第2頁14行~24行の主張について 特許異議申立人は、「また、エアーギャップ方式のタッチ入力式画像表示装置が本件特許明細書の図4に示す抵抗膜方式である場合において、上部電極と下部電極との間隔(エアーギャップ)は、通常100~300μm程度であることが知られている(例えば、URL「http://www.fujikura.co.jp/rd/gihou/backnumber/pages/__icsFiles/afieldfile/2008/07/14/102_11.pdf」の「2.タッチパネルの構造と原理」の5行目参照)。仮に、下部電極上に、幅50μmで高さ50μmの柱状の山が存在した場合、算術平均粗さRaが30nmとなるための山と山との間隔は、50μmの約1667(50μm/30nm)倍である約83mmもの間隔が必要となる。したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、依然として、上記(a)の態様を包含している。」旨主張している。 しかしながら、「JIS B 0601」、「JIS B 0633」の規格において定義されているように、「算術平均粗さRa」は、対象物の任意の長さ・範囲に基づいて求めてよいわけではなく、所定の「基準長さ」において求められたものを用いるもの(例えば、「Ra」が「30nm以上」であれば、基準長さは、「0.25mm」~「8mm」を用いる。)であり、当業者であれば、特許異議申立人が主張するような、「約83mm」に渡って表面粗さを計測して得られた「算術平均粗さRa」である「30nm」を、「算術平均粗さRa」として用いることはない。 してみると、特許異議申立人の上記の主張は、「JIS B 0601:2013」や「JIS B 0633」の規格の内容からみて、正しく求めた「算術平均粗さRa」に基づくものとはいえず、これを採用することはできない。 (ウ) 特許異議申立人意見書第3頁4行~11行の主張について 特許異議申立人は、「これに対して特許権者は、『山や谷の高さが低いため、算術平均粗さRaを測定した場合には、Raは低いものとなる。』と主張している。上記(b)の態様に関する特許権者の主張は、審判官合議体の認定に対して何の回答にもなっていない。言い換えると、特許権者の主張は、訂正後の請求項1に係る発明が、上記(b)の態様においてニュートンリングを抑制できる理由を何ら主張立証していない。また、言うまでもなく、訂正後の請求項1に係る発明は、依然として、上記(b)の態様を包含している。」旨主張している。(当合議体注:「上記(b)の態様」は、上記イ(イ)における(b)の断面形状を意味する。)。 しかしながら、本件訂正により、本件発明1は、「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」が、0.25mm~8mmの「基準長さ」の範囲において、「算術平均粗さRa」が「30nm以上」となる程度の高さ・大きさの凹凸が存在するものとなっていることから、上記イ(ウ)aないしcからみて、いかにして光の反射方向を拡散・散乱し、光の干渉を防ぐのか、あるいは、いかにしてエアーギャップの間隔が所定間隔よりも小さくならないようになるのか、当業者の技術常識に照らしても理解することができないような、(尖った)山や谷があってもその高さが低い断面形状は、本件発明1に含まれないことが技術常識に照らし明らかとなった。 よって、特許異議申立人の上記の主張を採用することはできない。 (エ) 特許異議申立人意見書第3頁17行~第4頁2行の主張について 特許異議申立人は、「これに対して特許権者は、『訂正後の請求項1に係る発明において上記表面は、凹凸、すなわち山(凸)と谷(凹)とを有するから、訂正後の請求項1に係る発明は上記(c)の態様を包含しない。』と主張している。しかし、いわゆる『凹凸形状』が下記(i)、(ii)の断面形状のいずれをも意味包含することは一般常識であり、下記(i)は谷のみを含む断面形状である。しかも、下記(i)、(ii)から算出されるRaの値は同一である。したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、依然として、上記(c)の態様を包含しており、特許権者の主張は失当である。」旨主張している。(当合議体注:「上記(c)の態様」は、上記イ(イ)における(c)の断面形状を意味する。)。 しかしながら、上記イ(オ)で述べたとおり、「光学フィルム」の「表面」が「凹凸を有する」とは、「光学フィルム」の「表面」に「山(凸)」と「谷(凹)」とを有することを意味すると考えるのが自然であるから、断面形状(c)のものは除かれることとなる。 よって、特許異議申立人の上記の主張を採用することはできない。。 (オ) 特許異議申立人意見書第4頁3行~15行の主張について 特許異議申立人は、「さらに、算術平均粗さRaが小さいほどニュートンリングは生じやすいことは技術常識であるところ、本件特許明細書の実施例では、算術平均粗さRaが30nm程度の略平滑な凹凸面においてクルトシスを4.0以上とした場合にニュートンリングの発生が抑制できることを何ら実証していない。なお、本願特許明細書の段落0063には、『第1光学フィルム20の外面Sは、算術平均粗さRaが100nm以下であることが好ましい。・・・。算術平均粗さRaを100nm以下とすることで、ニュートンリングの抑制効果を高めることができる場合がある。第1光学フィルム20の外面Sの算術平均粗さは、通常30nm以上である。』と記載されている。この記載からは、算術平均粗さRaが小さい方がニュートンリングを抑制しやすいと読み取れるが、該記載内容は明らかに技術常識に反しており、しかも実施例で何ら効果が実証されていない。」旨主張している。 しかしながら、上記イ(ウ)cより、表面凹凸の「算術平均粗さRa」が「30nm」程度あるいはそれ以上であれば、ニュートンリングの発生を抑制できることは、当業者の技術常識であるから、本件発明1の「前記第1光学フィルムにおける前記偏光子とは反対側の表面」が、「凹凸を有し、算術平均粗さRaが30nm以上であり、断面曲線のクルトシスPkuが4.0以上であり、かつ、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における反射率Yが4.0%以下である」という構成によって、ニュートンリングの発生を抑制できることを、当業者の技術常識に照らして理解できないとまではいえない。 また、訂正後の請求項1に係る発明は、「算術平均粗さRaを100nm以下とする」ものではない。 よって、特許異議申立人の上記の主張を採用することはできない。 (4) 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について ア 特許異議申立人は、甲第1号証として、特開2009-104076号公報(以下、「引用例」という。)を提出して、請求項1~3及び7に係る発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、請求項1~3及び7に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 イ 引用例に記載された事項 (ア) 引用例には、以下の事項が記載されている。(下線は、段落【0093】,【0094】の下線を除き、当合議体が付したものである。) a 「【技術分野】 【0001】 本発明は、光学積層体、偏光板及び画像表示装置に関する。 【背景技術】 【0002】 陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の最表面には、種々の機能を有する機能層からなる光学積層体が設けられている。 【0003】 そのような機能層の一つとして、画像表示面への外光からの反射による像の映り込みや、界面反射による視認性の低下を改善する防眩層について、内部光散乱特性と表面形状制御とに注目して研究がなされている。特に表面形状制御に関しては、凹凸形状の算術平均粗さ、凹凸の高低差、及び、凹凸平均間隔等を指標に、より高い防眩性を目指して検討がなされていた(例えば、特許文献1、2、3及び4等参照)。 【0004】 しかしながら、従来検討がなされていた指標では、高い防眩性を発現できる光学積層体を製造することができるが、一方でディスプレイパネル等に貼り合わせた場合に、特に黒色を表示する際に白くぼやけてしまい、本来の黒色表示が不充分となり、その結果画質の深みが損なわれる現象(以下、白ボケと称する)が発生し、良好な性能を得ることができないという問題があった。 ・・・略・・・ 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、上記現状に鑑みて、高い防眩性能を有するとともに、白ボケの発生を抑制することができる光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置を提供することを目的とするものである。」 b 「【0007】 本発明はまた、最表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置でもある。 本発明はまた、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光板は、偏光素子表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。 本発明はまた、最表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置でもある。 以下、本発明を詳細に説明する。」 c 「【0083】 偏光素子の表面に、本発明による光学積層体を、上記光学積層体における防眩層が存在する面と反対の面に設けることによって、偏光板とすることができる。このような偏光板も、本発明の一つである。」 d 「【0093】 (防眩層用組成物の調製) 下記材料を充分混合し、固形分40.5%の組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して防眩層用組成物を調製した。 防眩層用組成物の調製 (紫外線硬化型樹脂) ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51)                          20質量部 セルロースアセテートブチレート(平均分子量3万)                         0.3質量部 (光硬化開始剤) イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)                         1.2質量部 イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)                         0.2質量部 (防眩剤) 不定形シリカ(平均粒径1μm、表面処理品) 1.24質量部 (レベリング剤) シリコーン系レベリング剤 0.02質量部 (溶剤) トルエン   35.5質量部 シクロペンタノン   7.0質量部 【0094】 (表面調整層用組成物の調製) 下記材料を充分混合し、固形分40.5%の組成物として調製した。この組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して表面調整層用組成物を調製した。 表面調整層用組成物の調製 (紫外線硬化型樹脂) 多官能ウレタンアクリレート(UV1700B、(日本合成化学工業(株)製、屈折率1.51) 30.7質量部 イソシアヌル酸トリアクリレート(アロニックスM315、(東亜合成(株)製) 9.98質量部 (光硬化開始剤) イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)                           1.5質量部 イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)                           0.5質量部 (防汚剤) UT-3971(日本合成化学工業(株)製)   2.0質量部 (溶剤) トルエン 508.76質量部 シクロペンタノン 67.24質量部 【0095】 (実施例1) 80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TD80U、富士写真フィルム社製)を光透過性基材として用い、調製した防眩層用組成物を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#6を用いて塗布して厚さ約6μmの塗膜を形成した。 次に、形成した塗膜を乾燥器内の送風により塗工面が乱れないよう、乾燥台に固定して送風乾燥させ、器内温度50℃の乾燥器にて30秒乾燥させた後、同様に設定した器内温度70℃の乾燥器にて30秒間乾燥させる条件で乾燥した。 その後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させた(下地凹凸層)。 更に、硬化させた塗膜上に、調製した表面調整層用組成物を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布して厚さ約6μmの塗膜を形成した。形成した塗膜を乾燥器内の送風により塗工面が乱れないよう、乾燥台に固定して送風乾燥させ、器内温度50℃の乾燥器にて30秒乾燥させた後、同様に設定した器内温度70℃の乾燥器にて30秒間乾燥させる条件で乾燥した。その後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が200mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、下地凹凸層上に表面調整層とが積層された防眩層を備える光学積層体を製造した。なお、形成した防眩層の総厚は約8μmであった。」 e 「【0098】 (比較例1) 下地凹凸層用塗膜の乾燥条件を、送風のない50℃の乾燥器内にて30秒、70℃の乾燥器内にて30秒乾燥させることとした以外は、実施例1と同様にして防眩層を形成し、光学積層体を製造した。なお、形成した防眩層の総厚は約12μmであった。」 f 「【0100】 (評価) 得られた光学積層体について、下記に示す方法で各評価した。結果を表1に示す。 【0101】 (尖度(Rku)) Zygo社製白色干渉式光学顕微鏡NewView6300型を用い、以下の条件で光学積層体表面の尖度(Rku)を測定した。 観察視野:0.55mm□ 対物レンズ:10倍 Zoomレンズ:2倍 【0102】 (歪度(Rsk)) Zygo社製白色干渉式光学顕微鏡NewView6300型を用い、以下の条件で光学積層体表面の歪度(Rsk)を測定した。 観察視野:0.55mm□ 対物レンズ:10倍 Zoomレンズ:2倍 【0103】 (10ポイント高さ(Rz値)) Zygo社製白色干渉式光学顕微鏡NewView6300型を用い、以下の条件で光学積層体表面の10ポイント高さ(Rz値)を測定した。 観察視野:0.55mm□ 対物レンズ:10倍 Zoomレンズ:2倍 【0104】 (平均頂間距離(Sm)及び平均傾斜角度(θa) 得られた光学積層体の表面の凹凸の凸部の平均頂間距離(Sm)は、JIS B0601に準拠して測定した。Smは、20~100μmが好適な範囲である。 得られた光学積層体の凹凸の平均傾斜角(θa)は、ISO-4288-1985に記載された粗さ測定法により測定した。θaは、0.5~2.0°が好適な範囲である。 【0105】 (ヘイズ値) 反射・透過率計HM-150(村上色彩技術研究所製)を用い、JIS K-7136規格に従い、内部ヘイズ及び表面ヘイズ値(%)を求めた。 【0106】 (防眩性評価試験) 実施例及び比較例で得られた光学積層体の裏面を粘着処理し、黒アクリル板に貼付したものを評価用サンプルとした。幅20mmの白黒ストライプ板を用意し、上記サンプル(サンプル面は、30度くらい上方に傾ける)にこのストライプをサンプル面法線から20度の角度で写り込ませ、観察した。このときサンプル面の照度は250lx(ルクス)で、ストライプの輝度(白)は65cd/m2とした。またストライプ板とサンプルの距離は1.5mで、サンプルと観察者の距離は1mとした。これを観察者が見たときのストライプの見え方により次のように定義し評価した。 評価基準 ○:ストライプが認識できない ×:ストライプが認識できる 【0107】 (透過鮮明性試験) 写像性測定器(スガ試験機(株)、品番「ICM-1DP」)を用いて、JIS K7105に準拠し、4種類の光学櫛(0.125mm、0.5mm、1mm及び2mm)で測定した数値の合計をもって評価した。 評価基準 ○:数値200以上で、透過鮮明性が高い ×:数値200以下で、透過鮮明性が低い 【0108】 (白ボケ評価) 明室環境下で白ボケがない状態を以下のように評価した。 実施例と比較例の光学積層体のフィルム面と反対側に黒のアクリル板を、光学用粘着剤(日立化成工業株式会社製、アクリル系粘着剤「DA-1000」)で張り合わせた後、高さ40cmからの三波長蛍光灯下で100cm上方、サンプルから30cmはなれた所(サンプルの法線から45°くらいの角度)からの目視官能評価を行って、白ボケがなく、黒色再現性(黒が、艶のある黒に見えるか)があるかどうかを下記基準によって詳細に評価した。 艶のある黒色のリファレンスとしては、実施例、比較例で使用している透明基材を、上記光学積層体の代わりに黒アクリル板に張り合わせたものを使用し、各サンプルと比較した。 (評価基準) ○:白ボケがなく、リファレンスと同等の黒色再現性がある。 ×:白ボケがあり、黒色再現性がない。」 g 「【0109】 【表1】 」 h 「【0110】 表1に示したとおり、実施例で製造した光学積層体は、良好な防眩性能を示すとともに、白ボケの発生も抑制されていたのに対し、比較例で製造した光学積層体は、防眩性は良好な防眩性を示すものの、白ボケが発生していた。 また、図1に実施例1で製造した光学積層体の防眩層の表面の電子顕微鏡写真を示し、図2に比較例1で製造した光学積層体表面の電子顕微鏡写真を示す。図1に示すように、実施例1で製造した光学積層体表面に形成された凹凸形状は、比較的なだらかな凸状部分を有するのに対し、比較例1で製造した光学積層体表面に形成された凹凸形状は、かなり尖った凸状部分を有するものであった。」 (イ) 引用例に記載された発明 a 上記(ア)eの段落【0098】の記載によれば、(比較例1)は、「下地凹凸層用塗膜の乾燥条件を、送風のない50℃の乾燥器内にて30秒、70℃の乾燥器内にて30秒乾燥させることとした以外は、実施例1と同様にして防眩層を形成し」て、「光学積層体を製造した」ものである。 b 上記(ア)f及び(ア)gによれば、(比較例1)の「光学積層体表面の尖度(Rku)」、「光学積層体表面の歪度(Rsk)」、「光学積層表面体の10ポイント高さ(Rz)」、「光学積層体の表面の凹凸の凸部の平均頂間距離(Sm)」、「光学積層体の凹凸の平均傾斜角(θa)」は、それぞれ「7.61」、「1.64」、「5.3μm」、「98.9μm」、「0.8」である。 c 上記(ア)hによれば、(比較例1)で製造した「光学積層体」の「表面に」「凹凸形状」が形成されていることが把握できる。 d 上記(ア)d~(ア)g及び(イ)a~cとから、引用例には、比較例1として、以下の発明(以下、「引用発明」いう。)が記載されている。 「光透過性基材として用いられる80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム上に、防眩層用組成物を塗布して塗膜を形成し、 次に、形成した塗膜を、送風のない50℃の乾燥器内にて30秒、70℃の乾燥器内にて30秒乾燥させる条件で乾燥し、 その後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ(下地凹凸層)、 更に、硬化させた塗膜上に、表面調整層用組成物を塗布して塗膜を形成し、 形成した塗膜を乾燥器内の送風により塗工面が乱れないよう、乾燥台に固定して送風乾燥させ、器内温度50℃の乾燥器にて30秒乾燥させた後、同様に設定した器内温度70℃の乾燥器にて30秒間乾燥させる条件で乾燥し、 その後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が200mJになるよう照射して塗膜を硬化させて製造された、 下地凹凸層上に表面調整層が積層された防眩層を備える光学積層体であって、 光学積層体の表面に凹凸形状が形成され、 光学積層体表面の尖度(Rku)は7.61、光学積層体表面の歪度(Rsk)は1.64、光学積層表面体の10ポイント高さ(Rz)は5.3μm、光学積層体の表面の凹凸の凸部の平均頂間距離(Sm)は98.9μm、光学積層体の凹凸の平均傾斜角(θa)は0.8である、 光学積層体。」 ウ 対比・判断 (ア) 本件発明1と引用発明とを対比すると、以下の点で少なくとも相違している。 (相違点) 本件発明1は、偏光子と、その一方の面状に積層される第1光学フィルムとを含む偏光板であるのに対して、 引用発明は、光透過性基材として用いられる80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム上に、下地凹凸層上に表面調整層が積層された防眩層を備えた光学積層体である点。 (イ) 上記(相違点)において、本件発明1と引用発明とは相違しているのであるから、本件発明1は、引用例に記載された発明であるということはできない。 (ウ) 特許異議申立人は、特許異議申立書の「(4)具体的理由」「イ 申立理由1(特許法第29条第1項第3号)について」において、「さらに、甲第1号証の記載の光学積層体は、偏光板及び画像表示装置に用いられるものである・・・から、当然に、甲第1号証の比較例に記載のものも、偏光板及び画像表示装置に用いられるものであるといえる。以上から、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。『80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TD80U、富士写真フィルム社製)の片面に防眩層が配置され、防眩層の表面の尖度(Rku)が7.61である、光学積層体を含む偏光板。』」(特許異議申立書第9頁25~32行)旨主張している。 しかしながら、甲第1号証(引用例)に記載された比較例1の光学積層体は、実施例1~3の光学積層体の性能を比較・評価するためのものであって、防眩層として求められる透過鮮明性、白ボケ評価のいずれも良くないものである(上記イ(ア)gの【表1】の比較例1の「透過鮮明性」、「白ボケ評価」の項目を参照。)。 してみると、光透過性基材として用いられる80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム上に、下地凹凸層上に表面調整層が積層された防眩層を備えた光学積層体であって、防眩層として求められる透過鮮明性、白ボケ評価のいずれも良くないものである、比較例1の構成の光学積層体が、偏光板及び画像表示装置に用いられるものであるということはできず、甲第1号証に特許異議申立人が主張する上記「甲1発明」が記載されているということはできない。 よって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 d 同様な理由により、本件発明2,3,7は、引用例に記載された発明であるということはできない。 オ むすび 以上のとおりであるから、取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2016-700878

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決494件(住友化学株式会社、増山 美紀)
  • 2016-700879異議申立 / 2017-08-09 / 請求成立(取消)光拡散フィルムおよびその製造方法、光拡散性偏光板、ならびに液晶表示装置
    同じ当事者: 住友化学株式会社、増山 美紀
  • 2024-701215異議申立 / 2026-03-10 / 請求成立(取消)組成物、重合体、硬化物、成形体及びポリメタクリル酸メチルの製造方法
    同じ当事者: 住友化学株式会社
  • 2024-700692異議申立 / 2026-01-30 / 訂正認容炭素繊維含有ポリプロピレン組成物
    同じ当事者: 住友化学株式会社
  • 2025-700453異議申立 / 2026-01-06 / 訂正認容組成物、重合体、硬化物、成形体及びポリメタクリル酸メチルの製造方法
    同じ当事者: 住友化学株式会社
  • 2025-700454異議申立 / 2026-01-06 / 訂正認容組成物、硬化物、および成形体
    同じ当事者: 住友化学株式会社
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,067件(113・G02B、537・G02B)
  • 2025-700999異議申立 / 2026-02-16 / 維持光学フィルムおよび画像表示装置
    共通の審決分類: 113・G02B、537・G02B
  • 2024-701111異議申立 / 2026-01-27 / 維持反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ装置
    共通の審決分類: 113・G02B、537・G02B
  • 2024-700176異議申立 / 2026-01-27 / 訂正認容フォトクロミック化合物、フォトクロミック組成物、フォトクロミック物品及び眼鏡
    共通の審決分類: 113・G02B、537・G02B
  • 2025-700200異議申立 / 2025-12-26 / 訂正認容液晶化合物配向層転写用配向フィルム
    共通の審決分類: 113・G02B、537・G02B
  • 2025-700522異議申立 / 2025-12-22 / 維持蛍光体プレート、及び発光装置
    共通の審決分類: 113・G02B、537・G02B

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存