特許拒絶査定不服審判
2016-017723
アップリンク制御情報をフィードバックするための方法
- 審判番号
- 2016-017723
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-501001外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年11月28日
- 審決日
- 2017年12月26日
- 公報発行日
- 2018年06月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アルカテル-ルーセント
- 【請求人代理人】岡部 讓
- 【請求人代理人】吉澤 弘司
- 分類
- P18 .121-Z (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-501001「アップリンク制御情報をフィードバックするための方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月26日国際公開,WO2013/140246,平成27年 6月11日国内公表,特表2015-516727〕について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本願は,2013年(平成25年)3月18日(パリ条約による優先権主張 国際事務局受理 2012年3月20日 中国)を国際出願日とする出願であって,平成27年9月29日付けで拒絶理由が通知され,平成28年2月5日付けで意見書及び手続補正書が提出され,同年7月22日付けで拒絶査定されたところ,同年11月28日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
2 本願発明
本願の請求項1から16に係る発明は,平成28年2月5日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1から16までに記載された事項によりそれぞれ特定されるものであると認められるところ,請求項1を直接引用する請求項5に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,請求項5,及び引用する請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「 多地点協調協働セット内の複数の伝送ポイントのチャネル状態情報(CSI)をフィードバックするための方法であって、
前記複数の伝送ポイントの基準信号を受信するステップと、
前記複数の伝送ポイントの前記基準信号に基づいて、前記複数の伝送ポイントの各々のチャネル状態情報を評価するステップと、
所定のマッピング・シーケンスにおいて前記複数の伝送ポイントの1つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップとを備え,
前記多重化の実行時に、前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報は、前記マッピング・シーケンスにおいて所定の時間オフセットで複数のサブフレームでフィードバックされ、前記複数のサブフレームの各々は、1つのチャネル状態情報を単にフィードバックするのみである方法。」
3 引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された,Texas Instruments, CSI Feedback for DL CoMP([当審仮訳]:DL CoMPのためのCSIフィードバック), 3GPP TSG RAN WG1 Meeting # 66bis R1-113249, インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_66b/Docs/R1-113249.zip>, 利用可能日2011年10月4日(以下,「引用例」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている(なお,2/3ページにおける「Proposal:」にもとから付されていた下線を除き,下線は当審で付与したものである)。
(1)「1. Introduction
The WID on DL COMP [1] captured the following aspects to be studied for standardized CoMP in Rel.11:
- Specification in support of DL CoMP operation potentially including:
● UE feedback scheme and related measurements
- individual per-point CSI feedback with or without complementary inter-point feedback as baseline. Aggregated CoMP feedback is not precluded.
- potential enhancement of SRS for CSI measurement at eNodeB exploiting channel reciprocity
- all schemes will be developed assuming that the UE reports CSI feedback based on the assumption of single-user transmission. This assumption causes no restriction on the SU/MU scheduling decision at the eNB when the PDSCH is demodulated based on UE-specific RS.
This contribution provides our current views on multi-point CSI feedback for CoMP.」(1/3ページ)
([当審仮訳]:
1.導入
DL COMPのWIDは,Rel.11において標準化されるCoMPに関し,研究すべき以下の観点を取り込んだ。
- DL CoMP運用のサポートの規格は,潜在的に以下を含む:
● UEフィードバックスキーム及び関連する測定
- ベースラインとしての相補的なポイント間フィードバックを有する又は有しない,ポイントごとに個別のCSIフィードバック。アグリゲートされたCoMPフィードバックは排除しない。
- チャネルレシプロシティを利用するeNodeBでのCSI測定のためのSRSの潜在的な強化
- 全てのスキームは,UEが,シングル-ユーザ伝送とした仮定に基づいてCSIフィードバックを報告すると仮定して,開発されるであろう。この仮定は,PDSCHがUE-固有のRSに基づいて復調されるときの,eNBでのSU/MUスケジューリング判定について,いかなる制限ももたらさない。
本寄与は,CoMPのためのマルチ-ポイントCSIフィードバックについての現在の我々の展望を提供する。)
(2)「2. CSI feedback
As discussed in [2], a natural and straightforward extension for CoMP CSI feedback is to configure multiple CSI-RS measurement subsets, each associated with a different RRH point. Per-point CSI in the form of Rel.10 RI/PMI/CQI is then calculated for each RRH point.
(中略)
2.3.1. PUCCH
To keep PUCCH feedback as simple as possible, each PUCCH should report CSI for one CoMP transmission point. CSI for different points are time domain multiplexed on PUCCH, as given in Figure 1. This is analogous to DL CA where PUCCH CSI for different downlink CCs are multiplexed in the time domain.
Proposal:
■ CoMP feedback on PUCCH should be as simple as possible.
○ Each PUCCH feeds back single-point CSI for one point.
○ PUCCH reports for multiple points are time-domain multiplexed. Collisions between PUCCH CSI for different points are avoided by different CSI-RS subframe offset, and left to eNB implementation.
○ In case of PUCCH CSI collision between different points, CSI for one point is reported, while CSI for other points are dropped. The same dropping rule as in Rel.10 DL CA is applied, e.g. based on CSI type priority.」(1/3ページ~2/3ページ)
([当審仮訳]:
2.CSIフィードバック
[2]で議論したとおり,CoMP CSIフィードバックの自然で素直な拡張は,それぞれが異なるRRHポイントに関連付けられた,複数のCSI-RS測定のサブセットを構成することである。Rel.10 RI/PMI/CQIの形式でのポイントごとのCSIは,ここでは,それぞれのRRHポイントごとに計算される。
(中略)
2.3.1.PUCCH
PUCCHフィードバックをできるだけシンプルに保つために,それぞれのPUCCHは,1つのCoMP伝送ポイントのCSIを報告するべきである。図1に示されるように,異なるポイントのCSIは,時間ドメインでPUCCHに多重化される。これは,異なるダウンリンクCCのPUCCH CSIが時間ドメインで多重化されるところのDL CAと類似している。
(図1の当審仮訳は省略する。図1のタイトルの当審仮訳:「PUCCHでのマルチ-ポイントCSIフィードバック」)
提案:
■ PUCCHでのCoMPフィードバックは,できるだけシンプルであるべきである。
○ それぞれのPUCCHは,1つのポイントのシングル-ポイントCSIをフィードバックする
○ 複数のポイントのPUCCHの報告は,時間-ドメイン多重化される。異なるポイントのPUCCH CSIの間での衝突は,CSI-RSサブフレームオフセットと,残りはeNBの実装と,によって回避される。
○ 異なるポイントの間のPUCCH CSIの衝突のケースにおいて,1つのポイントのCSIが報告され,他方で他のポイントのCSIはドロップされる。例えばCSIタイプ優先度に基づく,Rel.10 DL CAと同じドロッピングルールが適応される。)
上記記載及び当該技術分野における技術常識を考慮すると,
ア 上記(2)の「2.」及び「2.3.1.」の項目における記載,上記(2)の図1のタイトル,並びに,図1における「CSI-RS」及び各ポイントごとの「PUCCHレポート」(PUCCH report)についての記載によれば,引用例には,複数の伝送ポイントのCSIをフィーバックする方法が記載されているということができ,また当該複数の伝送ポイントが,CoMPの協働セットを構成していることも自明である。さらに,CSIをフィードバックするために,前記複数の伝送ポイントのCSI-RSを受信することや,前記複数の伝送ポイントの前記CSI-RSに基づいて,前記複数の伝送ポイントの各々のCSIを評価することを行っていることも明らかである。
イ 上記(2)の「2.3.1.」の項目における記載によれば,「図1に示されるように,異なるポイントのCSIは,時間ドメインでPUCCHに多重化され」,また,PUCCHが,上記の異なるポイントのCSIを報告するといえる。
ここで,上記の「多重化」に関し,図1に記載されている「CSI-RS」,「PUCCHレポート(ポイント1用)」,及び「PUCCHレポート(ポイント2用)」を表すそれぞれの矩形が,1サブフレーム単位で区切られたものであることは,「CSI-RSサブフレームオフセット」(上記(2)の「提案」の項目を参照)という記載があることなどからみても明らかであり,また同図において,PUCCHを構成する複数のサブフレーム(矩形)のうち,左から6番目と16番目とに「PUCCHレポート(ポイント1用)」に対応する色が塗られ,また,左から11番目に「PUCCHレポート(ポイント2用)」に対応する色が塗られているから,同図には,異なるポイントのCSIは,5サブフレームずれて多重化されてフィードバック(同図のタイトル)されることが示されていることが見てとれる。
さらに,上記の「2.3.1.」の項目における記載によれば,PUCCHフィードバックをできるだけシンプルに保つために,それぞれのPUCCHは,1つのCoMP伝送ポイントのCSIを報告するものである。
以上を総合すると,引用例には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「 CoMPの協働セット内の複数の伝送ポイントのCSIをフィードバックする方法であって,
前記複数の伝送ポイントのCSI-RSを受信することと,
前記複数の伝送ポイントの前記CSI-RSに基づいて,前記複数の伝送ポイントの各々のCSIを評価することと,
異なるポイントのCSIは,PUCCHに多重化され,PUCCHが,前記異なるポイントのCSIを報告することとを備え,
異なるポイントのCSIは,5サブフレームずれて多重化されてフィードバックされ,それぞれのPUCCHは,1つのCoMP伝送ポイントのCSIを報告する方法。」
4 対比・判断
本願発明と,引用発明とを対比すると,
(1)引用発明の「CoMP」,「CSI」,「CSI-RS」,及び「PUCCH」は,本願発明の「多地点協調」,「チャネル状態情報(CSI)」,「基準信号」,及び「物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)」にそれぞれ相当する。
(2)引用発明の「CoMPの協働セット内の複数の伝送ポイントのCSIをフィードバックする方法」,「前記複数の伝送ポイントのCSI-RSを受信すること」,及び「前記複数の伝送ポイントの前記CSI-RSに基づいて,前記複数の伝送ポイントの各々のCSIを評価すること」は,それぞれ,本願発明の「多地点協調協働セット内の複数の伝送ポイントのチャネル状態情報(CSI)をフィードバックするための方法」,「前記複数の伝送ポイントの基準信号を受信するステップ」,及び「前記複数の伝送ポイントの前記基準信号に基づいて、前記複数の伝送ポイントの各々のチャネル状態情報を評価するステップ」に相当する。
(3)引用発明の「異なるポイントのCSIは,PUCCHに多重化され,PUCCHが,前記異なるポイントのCSIを報告すること」は,「所定のマッピング・シーケンスにおいて」多重化され報告するかどうかや,「前記複数の伝送ポイントの1つの」PUCCHであるかどうかは別として,本願発明の「物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップ」と共通する。
(4)引用発明の「異なるポイントのCSIは,5サブフレームずれて多重化されてフィードバックされ」は,「前記マッピング・シーケンスにおいて」フィードバックされるかどうかは別として,「前記多重化の実行時に,前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報は、所定の時間オフセットで複数のサブフレームでフィードバックされ」の点で本願発明と共通する。
(5)上記(4)で示した引用発明の「異なるポイントのCSIは,5サブフレームずれて多重化されてフィードバックされ」る点や,上記「3 引用発明」のイの項目で示したPUCCHとサブフレームとの関係を考慮すれば,引用発明の「それぞれのPUCCHは,1つのCoMP伝送ポイントのCSIを報告する」は,下記の相違点(相違点3)は別として,「前記複数のサブフレームの各々は、1つのチャネル状態情報をフィードバックする」の点で本願発明と共通する。
したがって,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また相違する。
[一致点]
「 多地点協調協働セット内の複数の伝送ポイントのチャネル状態情報(CSI)をフィードバックするための方法であって、
前記複数の伝送ポイントの基準信号を受信するステップと、
前記複数の伝送ポイントの前記基準信号に基づいて、前記複数の伝送ポイントの各々のチャネル状態情報を評価するステップと、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップとを備え,
前記多重化の実行時に、前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報は、所定の時間オフセットで複数のサブフレームでフィードバックされ、前記複数のサブフレームの各々は、1つのチャネル状態情報をフィードバックする方法。」
[相違点]
(相違点1)
一致点である「物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップ」に関し,
本願発明は,「前記複数の伝送ポイントの1つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップ」であるのに対し,
引用発明は,PUCCHについて「前記複数の伝送ポイントの1つの」という特定がない点。
(相違点2)
一致点である「物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップ」,及び「前記多重化の実行時に、前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報は、所定の時間オフセットで複数のサブフレームでフィードバックされ」る点に関し,
本願発明は,「所定のマッピング・シーケンスにおいて」「物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送するステップ」であり,また「前記多重化の実行時に,前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報は,前記マッピング・シーケンスにおいて所定の時間オフセットで複数のサブフレームでフィードバックされ」るのに対し,
引用発明は,当該「所定のマッピング・シーケンスにおいて」,「前記マッピング・シーケンスにおいて」なる特定がない点。
(相違点3)
一致点である「前記複数のサブフレームの各々は、1つのチャネル状態情報をフィードバックする」点に関し,
本願発明は,「前記複数のサブフレームの各々は,1つのチャネル状態情報を単にフィードバックするのみである」のに対し,
引用発明は,1つのCoMP伝送ポイントのCSIを「単に」報告する「のみである」という特定がない点。
以下,各相違点について検討する。
(相違点1について)
引用発明の「異なるポイントのCSIは,PUCCHに多重化され」ることは,「異なるダウンリンクCCのPUCCH CSIが時間ドメインで多重化されるところのDL CAと類似している」(上記「3 引用発明」の(2)の「2.3.1.」の項目)ものであり,また引用例は,3GPPの「Rel.11」(上記「3 引用発明」の(1)の「1.」の項目)の標準化についての提案文書であるところ,Rel.11は,1つ前のバージョンであるRel.10の技術を発展させた技術であることは移動体通信の分野における常識であり,またそのRel.10では,CA(キャリアアグリゲーション)に関し,UEはプライマリセルでのみPUCCHを送信することが定められており,規格で定められている技術事項は当業者にとって技術常識である。
そうすると,引用発明において,「DL CAと類似」する態様で多重化を行うべく,異なるポイントのCSIを,複数の伝送ポイントそれぞれのPUCCHにではなく,複数の伝送ポイントのうちの1つの伝送ポイントのPUCCHに多重化し,またそれを報告することは,当業者が容易になし得る。
(相違点2について)
本願明細書の第0019段落の「1つのユーザ機器の複数の伝送ポイントからのチャネル状態情報は、・・・同じ周波数リソース、および直交シーケンスの同じ循環シフトで伝送される」との記載によれば,本願発明の「所定のマッピング・シーケンス」は,「直交シーケンス」を「同じ」シフト量で「循環シフト」した結果得られる同じシーケンスを含み得ると解される。
そして,Rel.10では,PUCCHで複数のCSIを多重化及び伝送するときに,ベースシーケンスを各端末に割り当てられたシフト量でサイクリックシフトして得られる所定のシーケンス(本願発明でいうところの「マッピング・シーケンス」)を用いてCSIをPUCCHにマッピングすることが定められているところ,Rel.11とRel.10との関係は上記「(相違点1について)」で示したとおりであるから,引用発明に係るRel.11でも,複数のCSIをPUCCHで伝送するために,Rel.10と同様のシーケンスを用いることは当然に予測される。
そうすると,引用発明は,「所定のマッピング・シーケンスにおいて」物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報を多重化および伝送し,かつ,前記多重化の実行時に,前記複数の伝送ポイントの前記チャネル状態情報は,「前記マッピング・シーケンスにおいて」所定の時間オフセットで複数のサブフレームでフィードバックされるものであると考えられるし,またそうでないとしても,そのようにすることは当業者が容易になし得ることである。
したがって,相違点2は,実質的な相違点ではないか,又は,当業者が容易になし得ることである。
(相違点3について)
引用例には,それぞれのPUCCHが「1つのCoMP伝送ポイントのCSI」を他の情報とあわせて報告することは記載されていないし,また引用発明の「それぞれのPUCCHは,1つのCoMP伝送ポイントのCSIを報告する」ことは,「PUCCHフィードバックをできるだけシンプルに保つために」(上記「3 引用発明」の(2)の「2.3.1.」の項目)行っていることである。
そうすると,引用発明は,それぞれのサブフレームは,1つの伝送ポイントのCSIを「単に」フィードバックする「のみである」ものと考えられ,またそのようにすることは容易である。
したがって,相違点3は,実質的な相違点ではないか,又は,当業者が容易になし得ることである。
また上記相違点を考慮しても,本願発明の奏する作用,効果は,引用発明の奏する作用,効果から予測される範囲内のものに過ぎず,格別顕著なものということはできない。
よって,本願発明は,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
なお,審判請求人は,審判請求書において,引用例(引用文献1)を摘記しつつ,以下のように主張している。
(i)「ここで、CSI-RSサブフレームオフセットは、eNBによるダウンリンク伝送に関するオフセットであって、PUCCHでの多重化および伝送に関するオフセットではありません。引用文献1の上記記載は、eNBが異なるサブフレームオフセットでCSI-RSを送信したときに、PUCCH上でのCSIの衝突が回避され得ることを開示するにすぎません。引用文献1は、本願請求項1のように、「所定のマッピング・シーケンスにおいて」PUCCHでの多重化および伝送を行うことを開示するものではありません。」
(ii)「これらの記載から、引用文献1の2.3.1 PUCCHにおける多重化は、「劣った」例として開示されていることが理解されます。引用文献1は、CoMPフィードバックの簡明さ(扱いやすさ)とPUCCHの信頼性のために、PUCCHが1つの伝送ポイントに対するCSIを報告すべきであることを明確に教示しています。本願請求項1は複数の伝送ポイントのCSIを多重化する発明であり、引用文献1に基づいて容易になし得るものではありません。」
しかしながら,上記(i)の主張については,上記「(相違点2)」で検討したとおりであり,また上記(ii)における主張の点が,上記で検討した引用発明に基づく容易想到性の結論に影響を及ぼすものでもないから,審判請求人の上記主張は採用できない。
5 まとめ
上記のとおり,本願発明は,当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願の他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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