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特許拒絶査定不服審判

2016-015227

情報処理システム、情報処理方法、通信端末、通信端末の制御方法および制御プログラム、サーバ、サーバの制御方法および制御プログラム

審判番号
2016-015227
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-068416外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年10月11日
審決日
2017年08月21日
公報発行日
2017年11月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012- 68416「情報処理システム、情報処理方法、通信端末、通信端末の制御方法および制御プログラム、サーバ、サーバの制御方法および制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月 3日出願公開、特開2013-200696〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 本件特許出願は、平成24年3月23日を出願日とした特許出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 1月21日付け:拒絶理由の通知 平成28年 3月28日  :意見書及び手続補正書の提出 平成28年 7月 7日付け:拒絶査定 平成28年10月11日  :審判請求書及び手続補正書の提出 平成28年11月22日付け:前置報告書 平成29年 1月18日  :上申書の提出 第2.平成28年10月11日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成28年10月11日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正の内容 平成28年10月11日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成28年3月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲(以下、「補正前の特許請求の範囲」という。)について、以下のとおりの特許請求の範囲(以下、「補正後の特許請求の範囲」という。)に補正することを含むものである。 (補正前の特許請求の範囲) 「【請求項17】 ユーザの状況を示す画像または音声情報を、無線通信ネットワークを介して接続されたサーバに送信する第1送信ステップと、 前記サーバによるコンテンツの選択結果を受信する第1受信ステップと、 前記選択結果に基づいてコンテンツを再生する再生ステップと、 をコンピュータに実行させることを特徴とする通信端末の制御プログラム。 【請求項1】~【請求項16】、【請求項18】~【請求項25】 (省略) 」 (補正後の特許請求の範囲) 「【請求項16】 ユーザの状況を示す画像または音声情報を、無線通信ネットワークを介して接続されたサーバに送信する第1送信ステップと、 前記サーバによる、前記画像または音声情報に基づいた、前記ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリストからのコンテンツの選択結果として、前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生するために使用する第1コンテンツリストを受信する第1受信ステップと、 前記第1コンテンツリストに基づいて、前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生する再生ステップと、 をコンピュータに実行させることを特徴とする通信端末の制御プログラム。 【請求項1】~【請求項15】、【請求項17】~【請求項23】 (省略) 」 なお、補正後の特許請求の範囲の【請求項16】の請求項は、補正前の特許請求の範囲の【請求項9】が削除されたことにより、項番が1つ繰り上がったものである。 2.本件補正の目的 本件補正は、本件補正前の請求項17に記載した発明に係る「コンテンツの選択結果」について、「前記画像または音声情報に基づいた、前記ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリストからのコンテンツの選択結果」に限定すると共に、受信する「コンテンツの選択結果」を「コンテンツの選択結果として、前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生するために使用する第1コンテンツリスト」にさらに限定する補正事項を含むものである。 また、本件補正は、本件補正前の請求項17に記載した発明に係る「前記選択結果に基づいてコンテンツを再生する再生ステップ」について、上記補正事項を含む補正に伴い、「前記選択結果に基づいて」を「前記第1コンテンツリストに基づいて」に補正すると共に、再生される「コンテンツ」について、「前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択した」と補正することでさらに限定する補正事項を含むものである。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項16に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に適合するか)について検討する。 3.引用文献 原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-146630号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は当審にて付した。 (ア)「この発明は、複数のコンテンツの中から、ユーザにお薦めのコンテンツを適切に選択して提供することができるようにするコンテンツ選択再生装置、コンテンツ選択再生方法並びにコンテンツ配信システム、コンテンツ検索システムに関する。」(【0001】 ) (イ)「図1は、コンテンツ選択再生装置の一実施形態のブロック図である。この実施形態は、コンテンツ選択再生装置が車載用として構成された、いわゆるカーオーディオ装置の場合の例である。 この例のコンテンツ選択再生装置は、マイクロコンピュータを搭載して構成されるもので、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)10に対してシステムバス100を介してプログラムROM(Read Only Memory)11およびワークエリア用RAM(Random Access Memory)が接続されている。」(【0023】~【0024】) (ウ)「生体情報センサ19は、ユーザの生体情報を取得するセンサであり、取得した生体情報をシステムバス100に送出する。CPU10は、この生態情報から現在のユーザの心理状態(感性、感情、情動など)を分析する。ここで、この生体情報は、ユーザの脈拍数、呼吸数、体温、体動、瞬目、‥‥など、非侵擾なセンサにより取得されるものが好ましい。 この生体情報センサとしては、例えば自動車のハンドルに取り付けられた脈拍センサや体表温度センサ、シート下部や背もたれ部分に埋め込まれた圧力センサ、ユーザの目の動きや瞬きなどを検出するビデオカメラなどが用いられるが、これ以外にもマイクロホンなどの感音センサや振動センサなどを取り付けてもよい。」(【0033】~【0034】) (エ)「次に、コンテンツ選択条件の二つ目は、ユーザの心理状態である。ユーザの心理状態は、種々の多数の心理属性を用いて多軸のデータにより表わすことができるが、ここでは、説明の簡単のため、心理状態は、心理属性1と心理属性2の2軸で表わすものとした。 この例においては、心理属性1は、“快・不快”の程度を数値として表わしたもので、ここでは簡単のため、“快”の状態をプラス方向の値とし、その最大を「+1」とし、逆に、“不快”の状態をマイナス方向の値として、その最小を「-1」とした。“快”でも“不快”でもない平常時の状態は、「0」または「0に近い値」であるとする。図5(A)に、心理属性1の“快・不快”の程度の数値と、その数値に対応するユーザの“快・不快”の感性的な状態との関係の一例を示す。 心理属性2は“沈静・興奮” の程度を数値として表わしたもので、ここでは、“興奮” の状態をプラス方向の値とし、その最大を「+1」とし、逆に、“沈静” の状態をマイナス方向の値として、その最小を「-1」とした。その中間的な状態、つまり平常時の状態は「0」または「0に近い値」であるとする。図5(B)に、心理属性1の“沈静・興奮”の程度の数値と、その数値に対応するユーザの“沈静・興奮”の感性的な状態との関係の一例を示す。 例えば、渋滞中でユーザがいらついている状態では、“不快”であって、“興奮”している心理状態であると考えられるので、心理属性1はマイナスの値、心理属性2はプラスの値をとる。ハイウェイをスムーズにクルージングしている走行状態では、“快”状態ではあるが、興奮はしない平常状態であろうから、心理属性1はプラスの値、心理属性2は0に近い値をとる。また、走行状態とは無関係に別の要因、例えば同乗者との会話が弾んで楽しい状態であれば、心理属性1も心理属性2も共にプラスの値をとる。」(【0067】~【0070】) (オ)「なお、同乗者との会話が弾んでいる状態の判別は、次のようにして行うことが可能である。先ず、コンテンツ選択再生装置に備えられる室内音声収音用マイクロホンにより、室内の音声を収音する。そして、好ましくは、この室内音声収音用マイクロホンからの出力信号から、スピーカから放音されている再生音声の音声信号をキャンセルする。このキャンセルのためには、適応信号処理を利用する適応キャンセラー回路を用いる。」(【0101】) (カ)「 図9は、その場合のコンテンツ検索システムの構成例を示すブロック図である。このシステムは、コンテンツ検索サーバ装置60と、コンテンツ再生装置70とが、インターネット等のネットワーク50を介して接続されて構成される。 コンテンツ検索サーバ装置60は、ユーザIDに対応して、当該ユーザが所有するコンテンツ再生装置70のコンテンツ格納部71に格納されている楽曲属性などのコンテンツ属性の情報が記憶されているコンテンツ属性情報記憶部62と、このコンテンツ属性情報記憶部62のコンテンツ属性情報から、ユーザ端末としてのコンテンツ再生装置70に配信するコンテンツを検索し、そのコンテンツIDをコンテンツ再生装置70に配信するコンテンツ検索配信部61とを備える。 コンテンツ再生装置70からは、自装置が備えるコンテンツ格納部71に格納されているコンテンツIDを、コンテンツ検索サーバ装置60に送るようにする。最初は、コンテンツ格納部71に格納されている全部のコンテンツのコンテンツIDをユーザIDと共に、サーバ装置60に送る必要があるが、一度、送信した後には、新たなコンテンツがコンテンツ格納部71に追加されたり、コンテンツが削除されたりしたときなど、コンテンツ格納部71の内容が変化するときにのみ、当該追加あるいは削除されたコンテンツIDをユーザIDと共に、サーバ装置60に送ればよい。 サーバ装置60は、コンテンツIDを受け取ると、当該コンテンツIDで識別されるコンテンツの属性情報を、例えばネットワーク50を介して取得して、コンテンツ属性情報記憶部62に、ユーザIDおよびコンテンツIDに対応して格納する。なお、コンテンツ再生装置71側にコンテンツ属性情報が記憶されている場合には、コンテンツIDと共に、コンテンツ属性情報をサーバ装置60に送るようにしてもよい。その場合には、サーバ装置60では、コンテンツ属性情報を他から取得する必要はない。 そして、コンテンツ検索配信部61は、前述の実施形態と同様に、先ず、ユーザの生体情報等から求められたユーザの心理状態、環境情報や車速情報や位置情報から求められた環境状態、ユーザ属性情報から求められる、前述したようなコンテンツ選択条件の少なくとも一つに基づいて、ユーザに配信する楽曲の候補を、コンテンツ属性情報記憶部62の当該ユーザIDに対応して記憶されている複数のコンテンツの属性情報から選択(第1の選択)する。この第1の選択によって選択される配信コンテンツ候補としては、複数個が選択される。 次に、コンテンツ検索配信部61は、ユーザの生体情報等から求められたユーザの心理状態と、環境情報や車速情報や位置情報から求められた環境状態とを参照しつつ、ユーザの性向の情報に基づいて、ユーザのコンテンツ選択傾向を判定し、複数個の配信コンテンツ候補の中から、1つの配信コンテンツを決定する(第2の選択)。 そして、コンテンツ選択配信部61は、決定した配信コンテンツのコンテンツIDを、ネットワーク50を通じて、検索要求してきたコンテンツ再生装置70にダウンロードする。 コンテンツ再生装置70は、受信したコンテンツIDを用いて、コンテンツ格納部71から対応するコンテンツデータを読み出し、再生するようにする。」(【0118】~【0125】) (キ)「コンテンツ検索サーバ装置と、コンテンツ再生装置とからなり、 前記コンテンツ再生装置は、 ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、 ユーザ識別情報を含むコンテンツ検索要求を前記コンテンツ検索サーバ装置に送ると共に、前記生体情報取得手段で取得した前記ユーザの生体情報を前記コンテンツ検索サーバ装置に送る送信手段と、 前記コンテンツ検索サーバ装置から送られてくるコンテンツ識別情報を受信する手段と、 を備え、 前記コンテンツ検索サーバ装置は、 複数個のコンテンツの属性データを、コンテンツ識別情報に対応して格納するコンテンツ属性格納部と、 ユーザ毎のコンテンツ選択傾向を判定するための情報を、ユーザ識別情報に対応して記憶するコンテンツ選択傾向判定用情報記憶部と、 前記コンテンツ再生装置からの前記コンテンツ検索要求および前記ユーザの生体情報を受信する受信手段と、 前記受信手段で受信した前記ユーザの生体情報から前記ユーザの心理状態を判定し、その心理状態に基づいて、前記コンテンツ属性格納部から再生候補コンテンツのコンテンツ識別情報を選択する第1の選択手段と、 前記第1の選択手段で選択された前記再生候補コンテンツのコンテンツ識別情報が複数個のときに、前記選択傾向判定用情報記憶部の情報から、前記受信手段で受信した前記ユーザ識別情報に対応するユーザのコンテンツ選択傾向を判定し、当該ユーザのコンテンツ選択傾向に基づいて、前記複数個の再生候補コンテンツのうちの1つの再生候補コンテンツのコンテンツ識別情報を選択する第2の選択手段と、 前記第2の選択手段で選択された前記1つの再生候補コンテンツのコンテンツ識別情報を前記コンテンツ再生装置に送る手段と、 を備えることを特徴とするコンテンツ検索システム。」【請求項11】 (ク)図9 したがって、上記摘記事項(ア)~(ク)の記載から引用例には、 「複数のコンテンツの中から、ユーザにお薦めのコンテンツを適切に選択して提供することができるようにするコンテンツ選択再生方法であって、 コンテンツ検索サーバ装置と、コンテンツ再生装置とが、インターネット等のネットワークを介して接続され、 コンテンツ再生装置は、 マイクロコンピュータを搭載して構成され、 ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、 ユーザ識別情報を含むコンテンツ検索要求を前記コンテンツ検索サーバ装置に送ると共に、前記生体情報取得手段で取得した前記ユーザの生体情報を前記コンテンツ検索サーバ装置に送る送信手段と、 前記コンテンツ検索サーバ装置から送られてくるコンテンツ識別情報を受信する手段と、を備え、 前記ユーザの生体情報は、マイクロホンなどの感音センサなどの生体情報センサにより取得されるものであり、 自装置が備えるコンテンツ格納部に格納されているコンテンツIDを、前記コンテンツ検索サーバ装置に送り、 コンテンツ検索サーバ装置は、 ユーザIDに対応して、当該ユーザが所有するコンテンツ再生装置のコンテンツ格納部に格納されているコンテンツ属性の情報が記憶されているコンテンツ属性情報記憶部と、コンテンツIDをコンテンツ再生装置に配信するコンテンツ検索配信部とを備え、 前記コンテンツ検索配信部は、ユーザの生体情報から求められたユーザの心理状態に基づいて、ユーザに配信する候補を、コンテンツ属性情報記憶部の当該ユーザIDに対応して記憶されている複数のコンテンツの属性情報から選択(第1の選択)し、 前記コンテンツ検索配信部は、複数個の配信コンテンツ候補の中から、配信コンテンツを決定(第2の選択)し、 前記ユーザの心理状態は、心理属性1と心理属性2の2軸で表わし、会話が弾んで楽しい状態であれば、心理属性1も心理属性2も共にプラスの値をとり、会話が弾んでいる状態の判別は、コンテンツ再生装置に備えられる室内音声収音用マイクロホンにより、室内の音声を収音することにより行われ、 前記コンテンツ選択配信部は、決定した配信コンテンツのコンテンツIDを、ネットワークを通じて、前記コンテンツ再生装置にダウンロードし、 前記コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ選択配信部から受信したコンテンツIDを用いて、自装置が備えるコンテンツ格納部から対応するコンテンツデータを読み出し、再生するようにした、 コンテンツ選択再生方法。」(以下、「引用発明」という。) が開示されているものと認められる。 なお、引用例に記載されている「コンテンツ選択再生装置」と「コンテンツ再生装置」とは、表記上の違いはあるものの、同一の装置を意味することは明らかであるので、本審決においては、引用例の記載事項を摘記する場合を除き、「コンテンツ再生装置」という表記に統一して用いることとする。 4.対比 本願補正発明と引用発明とを比較する。 4-1. 引用発明における「ユーザの生体情報」は、「マイクロホンなどの感音センサなどの生体情報センサにより取得されるもの」であるから「音声情報」であることは明らかである。 また、引用発明においては、「コンテンツ検索サーバ装置」のコンテンツ検索配信部において、「ユーザの生体情報から求められたユーザの心理状態に基づいて、ユーザに配信する候補を、コンテンツ属性情報記憶部の当該ユーザIDに対応して記憶されている複数のコンテンツの属性情報から選択(第1の選択)し」ているところ、「ユーザの心理状態」は、「心理属性1と心理属性2の2軸で表わし、会話が弾んで楽しい状態であれば、心理属性1も心理属性2も共にプラスの値をとり、会話が弾んでいる状態の判別は、コンテンツ選択再生装置に備えられる室内音声収音用マイクロホンにより、室内の音声を収音することにより行われる」のであるから、生体情報センサであるマイクロホンにより収音された室内の音声を使用して「ユーザの心理状態」を分析していることは明らかである。 そうすると、「会話が弾んで楽しい状態」という「ユーザの心理状態」を分析するために、生体情報センサであるマイクロホンにより収音された室内の「音声」が使用されるのであるから、引用発明において、生体情報センサであるマイクロホンにより収音された「音声」は、本願補正発明でいうところの『ユーザの状況を示す音声』といえる。 してみると、引用発明に係る「ユーザの生体情報」は、本願補正発明でいうところの『ユーザの状況を示す音声情報』に対応するものといえる。 4-2. 引用発明においては、「コンテンツ検索サーバ装置と、コンテンツ再生装置とが、インターネット等のネットワークを介して接続され」、「コンテンツ再生装置」は、「生体情報取得手段で取得した前記ユーザの生体情報を前記コンテンツ検索サーバ装置に送る送信手段」を備えており、そして、前記「ユーザの生体情報」は、前記「4-1.」で上述したように、本願補正発明の『ユーザの状況を示す音声情報』に対応するものである。 また、前記「3.引用文献(イ)」で摘記した様に、「コンテンツ選択再生装置が車載用として構成され」と記載されていることを鑑みると、引用発明に係る「コンテンツ再生装置」は、無線通信ネットワークを介して、コンテンツ検索サーバ装置と接続することも示唆されていることは明らかである。 さらに、引用発明に係る「コンテンツ検索サーバ装置」が、本願補正発明でいうところの『サーバ』に対応するものであることは明らかである。 してみると、引用発明には、本願補正発明でいうところの『ユーザの状況を示す音声情報を、無線通信ネットワークを介して接続されたサーバに送信する第1送信ステップ』を備えているといえる。 4-3. 引用発明では、「コンテンツ再生装置」は、「コンテンツ選択配信部から受信したコンテンツIDを用いて、自装置が備えるコンテンツ格納部から対応するコンテンツデータを読み出し、再生する」のであるから、前記「コンテンツ格納部」には、「コンテンツデータ」が格納されていることは明らかである。 そうすると、引用発明では、「コンテンツ再生装置が備えるコンテンツ格納部」には、「コンテンツデータ」が格納されており、「コンテンツ再生装置」をユーザが所有しているのであるから、「コンテンツデータ」もユーザが所有しているものといえる。 してみると、引用発明に係る「コンテンツデータ」は、本願補正発明でいうところの『ユーザが所有するコンテンツ群』に対応するといえる。 4-4. 引用発明においては、「コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ選択配信部から受信したコンテンツIDを用いて、自装置が備えるコンテンツ格納部から対応するコンテンツデータを読み出し、再生する」のであるから、前記「コンテンツID」は、「対応するコンテンツデータ」を識別するための情報であることは明らかである。 一方、本願補正発明における『コンテンツリスト』については、本願明細書及び図面を参照しても、『コンテンツリスト』の具体的な内容、形式等について説明する特段の記載がないことを踏まえると、本願補正発明における『コンテンツリスト』は、”対応するコンテンツデータを識別するための情報”という他なく、それよりも詳細な事項を特定するものとはいえない。 そして、機能についても、本願補正発明における『コンテンツリスト』と、引用発明における「コンテンツID」とは、対応するコンテンツデータを識別するために用いられる情報という点で同じである。 してみると、引用発明に係る「コンテンツID」は、対応するコンテンツデータを識別するための情報であることから、本願補正発明でいうところの『コンテンツリスト』に対応するといえる。 4-5. 引用発明においては、「コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ選択配信部から受信したコンテンツIDを用いて、自装置が備えるコンテンツ格納部から対応するコンテンツデータを読み出し、再生する」のであるから、引用発明に係る「コンテンツ格納部に格納されているコンテンツID」は、コンテンツ格納部に格納されている「コンテンツデータ」を識別するための情報であり、前記「4-3.」で言及したように、引用発明に係る「コンテンツデータ」は、本願発明でいうところの『ユーザが所有するコンテンツ群』に対応するのであり、また、前記「4-4.」で上述したように、引用発明に係る「コンテンツID」は、本願補正発明でいうところの『コンテンツリスト』に対応するのであるから、引用発明に係る「コンテンツ格納部に格納されているコンテンツID」は、本願補正発明でいうところの『ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリスト』に対応するといえる。 また、引用発明の「コンテンツ検索サーバ装置」は、「コンテンツ格納部に格納されているコンテンツID」を受け取り、「ユーザの生体情報から求められたユーザの心理状態に基づいて」「ユーザに配信する候補」を「選択(第1の選択)し」、「候補の中から、配信コンテンツを決定し(第2の選択)」し、「決定した配信コンテンツのコンテンツID」を、「コンテンツ再生装置にダウンロード」させているのであるから、引用発明の「コンテンツ検索サーバ装置」は、「ユーザの生体情報」に基づいた「選択(第1の選択)」を経て、「配信コンテンツのコンテンツID」を決定しているといえる。 そして、引用発明の「コンテンツ再生装置」は、「受信したコンテンツIDを用いて、コンテンツ格納部から対応するコンテンツデータを読み出し、再生するようにし」ているのであるから、コンテンツ検索サーバが備えるコンテンツ選択配信部からコンテンツ再生装置が「受信したコンテンツID」、すなわち、コンテンツ検索サーバが備えるコンテンツ選択配信部が決定し配信した「配信コンテンツのコンテンツID」は、「(コンテンツ再生装置が備える)コンテンツ格納部に格納されているコンテンツID」から選択された「コンテンツID」である。 してみると、前記「4-1.」で上述したように、引用発明に係る「ユーザの生体情報」は、本願補正発明でいうところの『ユーザの状況を示す音声情報』に対応し、前記「4-4.」で上述したように、引用発明に係る「コンテンツID」は、本願補正発明でいうところの『コンテンツリスト』に対応し、前述のとおり、引用発明に係る「コンテンツ格納部に格納されているコンテンツID」は、本願補正発明でいうところの『ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリスト』に対応するのであるから、引用発明に係る「配信コンテンツのコンテンツID」は、本願補正発明でいうところの『サーバによる、音声情報に基づいた、ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリストからのコンテンツの選択結果として、ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生するために使用する第1コンテンツリスト』に対応するといえ、そして、引用発明においては、当該『・・・第1コンテンツリスト』に対応する「配信コンテンツのコンテンツID」をコンテンツ選択配信部から受信しているのであるから、引用発明には、本願補正発明でいうところの『サーバによる、音声情報に基づいた、ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリストからのコンテンツの選択結果として、前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生するために使用する第1コンテンツリストを受信する第1受信ステップ』を備えているといえる。 4-6. 引用発明においては、「コンテンツ再生装置」は、「コンテンツ選択配信部から受信したコンテンツIDを用いて、コンテンツ格納部から対応するコンテンツデータを読み出し、再生する」のであり、前記「4-5.」で上述した様に、コンテンツ検索サーバが備えるコンテンツ選択配信部からコンテンツ再生装置が「受信したコンテンツID」、すなわち、コンテンツ検索サーバが備えるコンテンツ選択配信部が決定し配信した「配信コンテンツのコンテンツID」は、本願補正発明でいうところの『サーバによる、音声情報に基づいた、ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリストからのコンテンツの選択結果として、ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生するために使用する第1コンテンツリスト』に対応し、更に、前記「4-3.」で上述した様に、引用発明に係る「コンテンツデータ」は、本願補正発明でいうところの『ユーザが所有するコンテンツ群』に対応するのであるから、引用発明には、本願補正発明でいうところの『第1コンテンツリストに基づいて、ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生する再生ステップ』を備えているといえる。 4-7. 引用発明に係る「コンテンツ再生装置」は、コンテンツ検索サーバ装置との間で、「コンテンツID」の送信、受信を行うのであるから、本願補正発明でいうところの『通信端末』に対応することは明らかである。 したがって、両者は、 「ユーザの状況を示す音声情報を、無線通信ネットワークを介して接続されたサーバに送信し、 前記サーバによる、前記音声情報に基づいた、前記ユーザが所有するコンテンツ群を示す第2コンテンツリストからのコンテンツの選択結果として、前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生するために使用する第1コンテンツリストを受信し、 前記第1コンテンツリストに基づいて、前記ユーザが所有するコンテンツ群からコンテンツを選択して再生することを特徴とする通信端末の方法。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点] 本願補正発明は、各ステップをコンピュータに実行させる通信端末の制御プログラムであるのに対し、引用発明のコンテンツ選択再生方法は、コンテンツ再生装置にマイクロコンピュータを搭載して行うものの、制御プログラムを用いてコンピュータに各動作を実行させているのか特定されていない点。 5.判断 [相違点]について 制御プログラムを用いてコンピュータに各動作を実行させることは周知技術であり、引用発明に係るコンテンツ再生装置は、マイクロコンピュータを搭載しているのであるから、当該マイクロコンピュータにおいて制御プログラムを用いて各動作を実行させることは当業者が容易に想到し得たことである。 また、本願補正発明の構成によってもたらされる効果は、引用発明及び周知技術より当業者ならば容易に予測することができる程度のものである。 したがって、本願補正発明は引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 6.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 平成28年10月11日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項17に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年3月28日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項17に記載された事項(上記「「第2」の1.」における(補正前の特許請求の範囲)の【請求項17】参照。)により特定されるものである。 1.引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用発明は、前記「「第2」の3.」に記載したとおりである。 2.対比・判断 本願発明は、前記「「第2」の2.」で検討した本願補正発明における「コンテンツの選択結果」と「前記選択結果に基づいてコンテンツを再生する再生ステップ」についての限定事項を省いたものである。 そうすると、本願発明と引用発明との相違点は、前記「「第2」の4.」で言及した[相違点]となるから、本願発明は、前記「「第2」の5.」で示したように、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-015227

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