特許拒絶査定不服審判
2016-013940
電力計を利用したエネルギー管理を提供するためのシステム、方法および装置
- 審判番号
- 2016-013940
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2011-285345外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年09月16日
- 審決日
- 2017年06月16日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-Z (G01R) / P18 .575-Z (G01R)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2011-285345「電力計を利用したエネルギー管理を提供するためのシステム、方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 7月26日出願公開、特開2012-141307〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年12月27日(パリ条約による優先権主張2011年1月4日(以下、「優先日」という。)、米国)を出願日とする外国語書面出願であって、平成24年2月27日付けで翻訳文が提出され、の出願であって、平成26年12月17日に特許請求の範囲が補正され、平成27年10月9日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月15日に特許請求の範囲が補正され、同年5月9日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年9月16日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に特許請求の範囲が補正されたものである。
第2 補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年9月16日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおり補正された(下線は、補正箇所である。)。
「外部デバイス(120)と通信している電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の動作、または(ii)1つまたは複数の負荷に対する電力の準備のうちの少なくとも1つに関連するグラフィカルユーザインタフェースの要求を受け取るステップ(210)と、
前記電力計(105)が、前記受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を生成するステップ(215)と、
前記電力計(105)が、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記生成された情報を前記外部デバイス(120)に通信するステップ(220)と、
前記電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の前記動作、および(ii)前記電力計(105)に通信ネットワークを介して接続されている1つまたは複数のデバイスに関連する情報を収集するステップ(205)と、
前記1つまたは複数のデバイスを使用するユーザに対し、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を表示するステップと、
を含み、
前記収集された情報の少なくとも一部を利用して前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記情報が生成され、
前記1つまたは複数のデバイスが、ガス量計及び/又は水量計を含む需給計器(150)を含み、
情報を収集するステップ(205)が、(i)前記電力計(105)の老化、(ii)前記電力計(105)識別情報、(iii)1つまたは複数の環境条件に関連する情報、(iv)前記電力計(105)に関連する1つまたは複数のボタンの状態情報、(v)前記電力計(105)に関連する相装荷情報、(vi)1つまたは複数の負荷制御継電器の状態情報、(vii)前記電力計(105)と通信している需給計器(150)の動作に関連する情報、(viii)電気負荷プロファイルに関連する情報、または(ix)1つまたは複数の外部負荷に対する電力の準備に関連する情報のうちの少なくとも1つを収集するステップを含む方法(100)。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成28年1月15日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「外部デバイス(120)と通信している電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の動作、または(ii)1つまたは複数の負荷に対する電力の準備のうちの少なくとも1つに関連するグラフィカルユーザインタフェースの要求を受け取るステップ(210)と、
前記電力計(105)が、前記受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を生成するステップ(215)と、
前記電力計(105)が、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記生成された情報を前記外部デバイス(120)に通信するステップ(220)と、
(i)前記電力計(105)の前記動作、または(ii)前記電力計(105)に接続されている1つまたは複数のデバイスのうちの少なくとも1つに関連する情報を収集するステップ(205)と、
前記1つまたは複数のデバイスを使用するユーザに対し、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を表示するステップと、
を含み、
前記収集された情報の少なくとも一部を利用して前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記情報が生成され、
情報を収集するステップ(205)が、(i)前記電力計(105)の老化、(ii)前記電力計(105)識別情報、(iii)1つまたは複数の環境条件に関連する情報、(iv)前記電力計(105)に関連する1つまたは複数のボタンの状態情報、(v)前記電力計(105)に関連する相装荷情報、(vi)1つまたは複数の負荷制御継電器の状態情報、(vii)前記電力計(105)と通信している需給計器(150)の動作に関連する情報、(viii)電気負荷プロファイルに関連する情報、または(ix)1つまたは複数の外部負荷に対する電力の準備に関連する情報のうちの少なくとも1つを収集するステップを含む方法(100)。」
(3)上記補正は、
(ア)本件補正前の請求項1に記載された「1つまたは複数のデバイス」について、電力計(105)に「通信ネットワークを介して接続されている」点及び「ガス量計及び/又は水量計を含む需給計器(150)を含」む点を限定するとともに、
(イ)「情報を収集するステップ(205)」について、本件補正前の請求項1に「(i)前記電力計(105)の前記動作、または(ii)前記電力計(105)に接続されている1つまたは複数のデバイスのうちの少なくとも1つに関連する情報を収集するステップ(205)」とあったところを、「電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の前記動作、および(ii)前記電力計(105)に通信ネットワークを介して接続されている1つまたは複数のデバイスに関連する情報(ii)を収集するステップ(205)」と限定するものである。
よって、本件補正は、請求項1については、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
2 本件補正の適否
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記「1」「(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載」に記載したとおりのものである。
(2)引用例、引用発明
ア 引用例1
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2010-96777号公報(以下「引用例1」という。)には、図とともに次の記載がある(下線は、当審による。)。
(ア)「【0001】
本発明は、電力監視システムに関するものである。」
(イ)「【0010】
この発明によれば、宅内の分岐電路毎の電力量をモニタ可能であり、無駄に電力を消費している電気機器や部屋を特定して、省エネルギー化のために停止、消灯、電源オフ等の具体的な操作を行うことができる。さらに、分岐ブレーカと監視制御手段の名称情報との対応付けを自動で行うので、手動による対応付けの手間(例えば、監視制御手段の登録や、電気機器が接続されている端子の登録等)が省け、登録誤りによる操作不能状態の発生を低減できる。」
(ウ)「【0026】
(実施形態1)
本実施形態の電力監視システムは、図2に示すように、宅内に設置された統合管理盤1と、商用電源を供給する電路Lpおよび情報伝送路Li(エンハンスト・カテゴリ5若しくはカテゴリ6のLANケーブル)を介して統合管理盤1に接続されて、統合管理盤1が電力供給、制御並びに監視を行う照明器具、空調機器(エアコン)、床暖房器具、IH機器等の宅内に設置された複数の電気機器Xmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、統合管理盤1にLANケーブルLiを介して接続される複数(図示例では、2つ)の端末装置(パーソナル・コンピュータPC並びに表示制御装置CV等のウェブブラウザ機能を有する端末装置)とを備え、統合管理盤1と端末装置とが汎用の通信プロトコル(TCP/IP、UDP、HTTPなど)を利用した宅内ネットワークを構成している。この宅内ネットワークは、100BASE-TX(IEEE802.3u)規格に準拠したローカルエリアネットワーク(LAN)であって、統合管理盤1内においてレイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチに相当する後述の統合装置TMに、ネットワーク端末に相当する端末装置(パーソナルコンピュータPC並びに表示制御装置CV)などがスター配線で接続されている。また、統合装置TMは、インターネットに接続するための回線の種類(電話回線、CATV回線、光ファイバ回線など)に応じたインターネット接続機能を有しており、宅内ネットワークが外部ネットワークたるインターネットに接続される。なお、表示制御装置CVとしては、ウェブブラウザ機能を有するネットテレビ等であればよい。
【0027】
そして、宅内ネットワークには住宅から離れた遠隔地に設置されたセンタ装置(センタサーバ)SVがインターネットを通じて接続されており、後述するようにインターネットに接続可能なノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等からなるウェブブラウザ機能を有する携帯型の端末装置PTとセンタ装置SVとの間でインターネットを介したデータ通信を行うことにより、例えば、携帯端末PTを使って外出先から宅内電気機器の制御や監視を行うことができる。センタ装置SVは、ネットワーク機能を有する汎用のコンピュータ装置で構成されており、携帯端末PTからインターネットを通じて送信される統合管理盤1宛のメッセージや統合管理盤1から宅内ネットワークに属さない端末装置に宛て送信されるメッセージを中継する機能を有している。但し、上述のようなインターネット接続機能を有する携帯端末PTやセンタ装置SVは従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
【0028】
統合管理盤1は、図1に示すように、外部から住宅に供給される商用電源を一次側に受ける主幹ブレーカBsと、主幹ブレーカBsの二次側から分岐した電路に介挿された複数の分岐ブレーカBmnと、エネルギマネージメントユニット2と、統合装置TMと、電気機器コントローラC1とを備える。そして、分岐ブレーカBmnを介して分岐された各電路Lpmnは統合管理盤1外に導出されて、各電気機器Xmnに接続されて動作電源を供給している。
【0029】
エネルギマネージメントユニット2は、各分岐ブレーカBmnを介して供給される電力量を分岐ブレーカBmn毎に検出して、検出データを分岐ブレーカBmn毎に表示する画像データを生成する機能を有しており、主幹ブレーカBsを流れる主幹電流の値を定期的に計測する主幹電流検出部CTsと、主幹電流の計測値を電力量に変換することで主幹ブレーカBsを介して供給されている主幹電力量を演算する電力演算部2aと、各分岐ブレーカBmnを流れる分岐電流の値を分岐ブレーカ毎に定期的に検出する分岐電流検出部CTmnと、電力演算部2aで演算した主幹電力量、および各分岐電流検出部CTmnで計測した分岐電流を入力されて、各分岐電流に基づいて各分岐ブレーカBmnを介して供給されている分岐電力量を演算する演算部2bと、演算部2bから入力された主幹電力量、分岐電力量に基づいて、主幹電力量および分岐電力量を表す画像データを生成する制御部2cとを備える。
【0030】
上記制御部2cは、電力量検知を行う分岐ブレーカBmnのデータ(分岐ブレーカの名称:分岐1、分岐2、...等)を予め格納しており、主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データ(例えば、分岐電力モニタ用画像データ)としてウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置からの要求に応じて当該ウェブコンテンツを端末装置に提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)を有しており、LANケーブルを介して統合管理盤1内の統合装置TM、電気機器コントローラC1等が接続されている。」
(エ)「【0056】
次に図1における統合装置TMは、LANケーブルを介して、盤内の制御部2cや電気機器コントローラC1、盤外のパソコンPC、表示制御装置CVが接続されるとともに、インターネットを通じてセンタ装置SVや携帯電話機MP、または他の端末装置に接続しており、パケット処理機能、経路切換機能、ネットワークセキュリティ機能、UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能等を有して、ネットワークにおけるデータ授受をコントロールしている。」
(オ)「【0058】
上記のように構成された電力監視システムでは、宅内のパソコンPCや表示制御装置CV、またはインターネットに接続された携帯端末PT等の端末装置からエネルギマネージメントユニット2に電力モニタ要求のメッセージを送信し、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cが統合装置TMを介して電力モニタ要求を受信すると、制御部2cで生成した電力モニタ用画像データを、統合装置TMを介して、電力モニタ要求を送信してきた端末装置に向けて送信する。
【0059】
画像データを受信したパソコンPC、表示制御装置CV、携帯端末PT等の端末装置では、当該画像データが各端末装置のモニタ画面に表示され、主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量をモニタできる。図8は、端末装置で表示された分岐電力モニタ用画像を示しており、分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量を棒グラフG1で表している。なお、電力量のモニタ画面は、電力量のグラフ表示以外に、日時表示や、メニュー画面に遷移するメニューボタン、前ページや後ページに遷移する前ページボタンおよび後ページボタン、過去の電力量のデータを表示する履歴ボタン等が設けられている。
【0060】
このように、分岐ブレーカBmn毎に供給している電力量を監視できるので、無駄な電力消費をしている分岐電力系統を特定することができ、ユーザは、特定された分岐電力系統に接続している電気機器Xmnに対して、停止、消灯等の具体的な操作を行うことで、容易に省エネルギー化を図ることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、パソコンPC、表示制御装置CV、携帯端末PT等の端末装置を用いて、分岐ブレーカBmnに対応する電気機器Xmnまたは部屋Rnの名称を入力することができ、以下、この名称入力機能について説明する。
【0062】
まず、端末装置において、図8に示す分岐電力量のモニタ画面を表示させた状態で、名称入力を行う分岐ブレーカBmnの表示領域M1を選択した後、機器名称(例えば、エアコン、床暖房、IH機器等)、または部屋名称(例えば、リビング、台所、浴室等)を入力する。
【0063】
すると、選択した領域M1に対応する分岐ブレーカBmnのデータ(分岐ブレーカの名称:分岐1、分岐2、...等)と、入力した機器名称または部屋名称とが、端末装置からエネルギマネージメントユニット2に送信され、統合装置TMを介して上記データを受信した制御部2cは、各名称を分岐ブレーカBmnに対応させて格納する。その後、制御部2cが分岐電力モニタ用画像データを生成する際には、各分岐ブレーカBmnに対応する機器名称または部屋名称を参照して画像データを生成し、端末装置で表示される分岐電力モニタ用画像は、図9に示すように、機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像となる。したがって、表示された各分岐電力量が、どの電気機器での消費電力量なのか、またはどの部屋における消費電力量なのかが一目で認識できる。」
(カ)「【0078】
なお、宅内ネットワークおよびインターネットを介してセキュリティ機器などの住宅設備の制御並びに監視を行う住宅設備監視制御システムに、本発明の電力監視システムを組み込めば、システムの統一を図ることができる。」
これらのことから、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「電力監視システムは、宅内に設置された統合管理盤1と、商用電源を供給する電路Lpおよび情報伝送路Li(LANケーブル)を介して統合管理盤1に接続されて、統合管理盤1が電力供給、制御並びに監視を行う、宅内に設置された複数の電気機器Xmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、を備え、統合管理盤1内の統合装置TMは、インターネットに接続するための回線の種類に応じたインターネット接続機能を有しており、宅内ネットワークが外部ネットワークたるインターネットに接続され(段落【0026】より)、
インターネットに接続可能な携帯電話機等からなるウェブブラウザ機能を有する携帯型の端末装置PTを使って外出先から宅内電気機器の制御や監視を行うことができ(段落【0027】より)、
統合管理盤1は、外部から住宅に供給される商用電源を一次側に受ける主幹ブレーカBsと、主幹ブレーカBsの二次側から分岐した電路に介挿された複数の分岐ブレーカBmnと、エネルギマネージメントユニット2と、統合装置TMと、を備え、そして、分岐ブレーカBmnを介して分岐された各電路Lpmnは統合管理盤1外に導出されて、各電気機器Xmnに接続されて動作電源を供給しており(段落【0028】より)、
エネルギマネージメントユニット2は、各分岐ブレーカBmnを介して供給される電力量を分岐ブレーカBmn毎に検出して、検出データを分岐ブレーカBmn毎に表示する画像データを生成する機能を有しており、主幹電力量、分岐電力量に基づいて、主幹電力量および分岐電力量を表す画像データを生成する制御部2cとを備え(段落【0029】より)、
上記制御部2cは、電力量検知を行う分岐ブレーカBmnのデータ(分岐ブレーカの名称:分岐1、分岐2、...等)を予め格納しており、主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データ(例えば、分岐電力モニタ用画像データ)としてウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置からの要求に応じて当該ウェブコンテンツを端末装置に提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)を有しており、統合管理盤1内の統合装置TMが接続され(段落【0030】より)、
統合装置TMは、盤内の制御部2cが接続されるとともに、インターネットを通じて携帯電話機MP、または他の端末装置に接続しており、ネットワークにおけるデータ授受をコントロールしており(段落【0056】より)、
電力監視システムでは、携帯端末PT等の端末装置からエネルギマネージメントユニット2に電力モニタ要求のメッセージを送信し、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cが統合装置TMを介して電力モニタ要求を受信すると、制御部2cで生成した電力モニタ用画像データを、統合装置TMを介して、電力モニタ要求を送信してきた端末装置に向けて送信し(段落【0058】より)、
画像データを受信した携帯端末PT等の端末装置では、当該画像データが各端末装置のモニタ画面に表示され、主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量をモニタでき、端末装置で表示された分岐電力モニタ用画像は、分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量を棒グラフG1で表し、電力量のモニタ画面は、電力量のグラフ表示以外に、日時表示や、メニュー画面に遷移するメニューボタン、前ページや後ページに遷移する前ページボタンおよび後ページボタン、過去の電力量のデータを表示する履歴ボタン等が設けられており(段落【0059】より)、
携帯端末PT等の端末装置を用いて、分岐ブレーカBmnに対応する電気機器Xmnまたは部屋Rnの名称を入力することができ(段落【0061】より)、
制御部2cは、各名称を分岐ブレーカBmnに対応させて格納し、その後、制御部2cが分岐電力モニタ用画像データを生成する際には、各分岐ブレーカBmnに対応する機器名称または部屋名称を参照して画像データを生成し、端末装置で表示される分岐電力モニタ用画像は、機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像となり、したがって、表示された各分岐電力量が、どの電気機器での消費電力量なのか、またはどの部屋における消費電力量なのかが一目で認識でき(段落【0063】より)、
宅内ネットワークおよびインターネットを介してセキュリティ機器などの住宅設備の制御並びに監視を行う住宅設備監視制御システムに、この電力監視システムを組み込めば、システムの統一を図ることができる(段落【0078】より)、
電力監視システム。」
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明における「インターネットに接続可能な携帯電話機等からなるウェブブラウザ機能を有する携帯型の端末装置PT」は、「外出先から宅内電気機器の制御や監視を行う」ものであるから、本件補正発明における「外部デバイス(120)」に相当する。
(イ)引用発明における「統合管理盤1」は、「エネルギマネージメントユニット2と、統合装置TMと、を備え」、「エネルギマネージメントユニット2は、各分岐ブレーカBmnを介して供給される電力量を分岐ブレーカBmn毎に検出して」おり、「統合装置TM」は、「インターネットを通じて携帯電話機MP、または他の端末装置に接続しており、ネットワークにおけるデータ授受をコントロールして」いる。
よって、引用発明における「統合管理盤1」は、「電力量」の検出と、「インターネットを通じて携帯電話機MP、または他の端末装置」と「データ授受」を行っているから、本件補正発明における「外部デバイス(120)と通信している電力計(105)」に相当するといえる。
(ウ)引用発明では、「携帯端末PT等の端末装置」が、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2に電力モニタ要求のメッセージを送信」し、これにより、「端末装置」には「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像」が「電力モニタ用画像」として表示されるが、該「電力モニタ画像」は、「ウェブコンテンツ」として端末装置に提供(配信)されるものである。
この「ウェブコンテンツ」は、本願明細書(平成24年2月27日付け翻訳文)の段落【0023】に「ウェブページなどの1つまたは複数のグラフィカルユーザインタフェース」、段落【0026】に「グラフィカルユーザインタフェース(例えばウェブページ、等々)」、段落【0040】に「1つまたは複数のグラフィカルユーザインタフェース(例えばウェブページ)」と記載されているように、本件補正発明の「グラフィカルユーザインタフェース」に相当するものである。
よって、引用発明において、「携帯端末PT等の端末装置」が、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」に「電力モニタ要求のメッセージを送信」すること、つまり、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」が「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像」からなる「ウェブコンテンツ」の提供(配信)を「要求」されることが、本件補正発明における「電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の動作、または(ii)1つまたは複数の負荷に対する電力の準備のうちの少なくとも1つに関連するグラフィカルユーザインタフェースの要求を受け取るステップ(210)」に相当するといえる。
(エ)引用発明における「制御部2c」は、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」に備えられたものであって、「上記制御部2cは、電力量検知を行う分岐ブレーカBmnのデータ(分岐ブレーカの名称:分岐1、分岐2、...等)を予め格納しており、主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データ(例えば、分岐電力モニタ用画像データ)としてウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置からの要求に応じて当該ウェブコンテンツを端末装置に提供(配信)」している。
よって、上記「(ウ)」を踏まえれば、引用発明における「統合管理盤1」の「制御部2c」が、「端末装置からの要求に応じて」、「主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データ(例えば、分岐電力モニタ用画像データ)としてウェブコンテンツ(ウェブページ)」を「端末装置に提供(配信)」することと、本件補正発明における「前記電力計(105)が、前記受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を生成するステップ(215)と、前記電力計(105)が、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記生成された情報を前記外部デバイス(120)に通信するステップ(220)」とは、「前記電力計(105)が、前記受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連して生成された情報を前記外部デバイス(120)に通信するステップ(220)」の点で共通するといえる。
(オ)引用発明における「制御部2c」は、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」に備えられたものであって、「制御部2c」は、「分岐ブレーカBmnに対応する電気機器Xmnまたは部屋Rnの名称」を「分岐ブレーカBmnに対応させて格納し、その後、制御部2cが分岐電力モニタ用画像データを生成する際には、各分岐ブレーカBmnに対応する機器名称または部屋名称を参照して画像データを生成し、端末装置で表示される分岐電力モニタ用画像は、機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像」としている。そして「宅内に設置された複数の電気機器Xmn(m=1,2,…、n=1,2,…)」は、「情報伝送路Li(LANケーブル)を介して統合管理盤1に接続されて、統合管理盤1が電力供給、制御並びに監視を行う」ものである。
よって、引用発明における「統合管理盤1」の「制御部2c」は、「情報伝送路Li(LANケーブル)を介して統合管理盤1に接続されて」いる「複数の電気機器Xmn(m=1,2,…、n=1,2,…)」について「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量」を「検出」していることになるから、引用発明における「統合管理盤1」の「制御部2c」が、かかる検出をすることが、本件補正発明における「前記電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の前記動作、および(ii)前記電力計(105)に通信ネットワークを介して接続されている1つまたは複数のデバイスに関連する情報を収集するステップ(205)」に相当するといえる。
(カ)上記「(ウ)」を踏まえれば、引用発明において「画像データを受信した携帯端末PT等の端末装置では、当該画像データが各端末装置のモニタ画面に表示され」ること、つまり「ウェブコンテンツ」が表示されることが、本件補正発明における「前記1つまたは複数のデバイスを使用するユーザに対し、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を表示するステップ」に相当するといえる。
(キ)上記「(ウ)」を踏まえれば、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」が「各分岐ブレーカBmnを介して供給される電力量を分岐ブレーカBmn毎に検出し」、該「エネルギマネージメントユニット2」が備える制御部2cが、「分岐ブレーカBmnに対応する電気機器Xmnまたは部屋Rnの名称」を「分岐ブレーカBmnに対応させて格納し」、「各分岐ブレーカBmnに対応する機器名称または部屋名称を参照して画像データを生成し」、「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像」を生成することが、本件補正発明における「前記収集された情報の少なくとも一部を利用して前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記情報が生成され」ることに相当するといえる。
(ク)上記「(オ)」を踏まえれば、引用発明において、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」が「各分岐ブレーカBmnを介して供給される電力量を分岐ブレーカBmn毎に検出し」、該「エネルギマネージメントユニット2」が備える制御部2cが、「分岐ブレーカBmnに対応する電気機器Xmnまたは部屋Rnの名称」を「分岐ブレーカBmnに対応させて格納し」、「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量」を求めることが、本件補正発明における「情報を収集するステップ(205)」が、「(ix)1つまたは複数の外部負荷に対する電力の準備に関連する情報」を「収集するステップ」に相当するから、引用発明と本件補正発明とは、「情報を収集するステップ(205)が、(i)前記電力計(105)の老化、(ii)前記電力計(105)識別情報、(iii)1つまたは複数の環境条件に関連する情報、(iv)前記電力計(105)に関連する1つまたは複数のボタンの状態情報、(v)前記電力計(105)に関連する相装荷情報、(vi)1つまたは複数の負荷制御継電器の状態情報、(vii)前記電力計(105)と通信している需給計器(150)の動作に関連する情報、(viii)電気負荷プロファイルに関連する情報、または(ix)1つまたは複数の外部負荷に対する電力の準備に関連する情報のうちの少なくとも1つを収集するステップを含む」点で一致するといえる。
(ケ)引用発明は、「システム」の発明とされ、本件補正発明は、「方法」の発明とされているが、引用発明の各発明特定事項は、前記のとおり、それぞれ、「ステップ」と表現できるものであるから、引用発明もこのような各ステップを含む「方法」の発明として捉えることができるものと認められる。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
外部デバイス(120)と通信している電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の動作、または(ii)1つまたは複数の負荷に対する電力の準備のうちの少なくとも1つに関連するグラフィカルユーザインタフェースの要求を受け取るステップ(210)と、
前記電力計(105)が、前記受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連して生成された情報を前記外部デバイス(120)に通信するステップ(220)と、
前記電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の前記動作、および(ii)前記電力計(105)に通信ネットワークを介して接続されている1つまたは複数のデバイスに関連する情報を収集するステップ(205)と、
前記1つまたは複数のデバイスを使用するユーザに対し、前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を表示するステップと、
を含み、
前記収集された情報の少なくとも一部を利用して前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する前記情報が生成され、
情報を収集するステップ(205)が、(i)前記電力計(105)の老化、(ii)前記電力計(105)識別情報、(iii)1つまたは複数の環境条件に関連する情報、(iv)前記電力計(105)に関連する1つまたは複数のボタンの状態情報、(v)前記電力計(105)に関連する相装荷情報、(vi)1つまたは複数の負荷制御継電器の状態情報、(vii)前記電力計(105)と通信している需給計器(150)の動作に関連する情報、(viii)電気負荷プロファイルに関連する情報、または(ix)1つまたは複数の外部負荷に対する電力の準備に関連する情報のうちの少なくとも1つを収集するステップを含む方法(100)。
(相違点1)
本件補正発明では、前記電力計(105)が、「前記受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて」前記グラフィカルユーザインタフェースに関連する情報を生成しているのに対し、引用発明では、「統合管理盤1」の「制御部2c」が、「主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データ(例えば、分岐電力モニタ用画像データ)としてウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し」、該「分岐電力モニタ用画像」は、「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像」であるものの、該ウェブコンテンツ(ウェブページ)が、端末装置からの要求に少なくとも部分的に基づいて作成されているか、明らかでない点。
(相違点2)
本件補正発明では、「前記1つまたは複数のデバイスが、ガス量計及び/又は水量計を含む需給計器(150)を含」むのに対し、引用発明では、「複数の電気機器Xmn」が示されているものの、ガス量計及び/又は水量計を含む需給計器は示されていない点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
ウェブサーバが、端末装置から受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて、ウェブコンテンツを生成することは、周知の事項である。
そして、引用発明における「統合管理盤1」の「制御部2c」は、「端末装置からの要求に応じて当該ウェブコンテンツを端末装置に提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)を有して」いるのであるから、引用発明に、上記周知の事項を適用し、引用発明において、「統合管理盤1」の「制御部2c」が、端末装置から受け取った要求に少なくとも部分的に基づいて、「主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データ(例えば、分岐電力モニタ用画像データ)」であって、「機器名称または部屋名称に対応させた分岐電力量を棒グラフG2で表す画像」であるウェブコンテンツを生成するようにし、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2について
例えば、特開2004-12148号公報の段落【0025】に「本実施形態は、住宅内での電気、ガス、水道等エネルギーの消費量を記憶し、表示装置としての家庭内の端末コンピュータ31の表示画面にエネルギー消費状況を表示させるエネルギーデータ管理装置としての消費量記録装置1に関するものである。」と記載されているとおり、宅内の省エネルギーを総合的に行うためには、電力量のみならず、ガス、水道等のエネルギーの消費量についても、それらの消費状況をユーザに知らせることが望ましいことは、周知の事項である。
そして、引用発明は、宅内の省エネルギー化(引用例1段落【0010】、【0060】参照。)を目指した発明であるから、引用発明において、「住宅設備の制御並びに監視を行う住宅設備監視制御システムに、この電力監視システムを組み込」み、「システムの統一を図る」際、宅内の省エネルギーを総合的に行うため、「複数の電気機器Xmn」の電力量だけではなく、水道メータやガスメータについても、「情報伝送路Li(LANケーブル)を介して統合管理盤1に接続し」、「統合管理盤1」の「エネルギマネージメントユニット2」が、これらのメータから消費量も検出するようにして、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知の事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)本件補正発明の適否についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、平成28年1月15日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載される事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1「(2)本件補正前の特許請求の範囲」に記載のとおりのものである。
2 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された上記引用例1及びその記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明は、本件補正発明において、
ア 「1つまたは複数のデバイス」についての、電力計(105)に「通信ネットワークを介して接続されている」との限定、及び「ガス量計及び/又は水量計を含む需給計器(150)を含」むとの限定を解除するとともに、
イ 「情報を収集するステップ(205)」について、「電力計(105)が、(i)前記電力計(105)の前記動作、および(ii)前記電力計(105)に通信ネットワークを介して接続されている1つまたは複数のデバイスに関連する情報(ii)を収集するステップ(205)」とあったところを、「(i)前記電力計(105)の前記動作、または(ii)前記電力計(105)に接続されている1つまたは複数のデバイスのうちの少なくとも1つに関連する情報を収集するステップ(205)」と限定を解除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-013940