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特許拒絶査定不服審判

2020-002934

蓄電セル制御装置および蓄電モジュールマネジメントシステム

審判番号
2020-002934
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-551498
請求日
2020年03月03日
審決日
2020年11月20日
公報発行日
2021年02月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
  • 【請求人代理人】特許業務法人前田特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 中塚 直樹
  • 審判官 濱本 禎広
  • 審判官 岸 智史
分類
P18 .121-Z (G01R) / P18 .575-Z (G01R)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-551498「蓄電セル制御装置および蓄電モジュールマネジメントシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月 7日国際公開、WO2016/051684〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)9月9日(優先権主張 平成26年9月29日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 7月31日  :手続補正書の提出 令和 元年 5月28日付け:拒絶理由通知書 令和 元年 7月29日  :意見書の提出 令和 元年12月13日付け:拒絶査定(同年12月17日送達、以下「原査定」という。) 令和 2年 3月 3日  :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和2年3月3日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和2年3月3日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和2年3月3日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)により、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1が、下記の補正前請求項1から補正後請求項1に補正された。 <補正前請求項1> 「【請求項1】 複数の蓄電セルが接続された蓄電モジュールに対して、各蓄電セルの電圧を測定する蓄電セル制御装置であって、 前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧がそれぞれ入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力する複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)と、 前記複数の第1ADCに対応してそれぞれ設けられ、当該第1ADCの変換動作の基準となる第1参照電圧を供給する複数の第1参照電圧部と、 第2デジタル信号を出力する第2ADCと、 前記複数の第1参照電圧部に接続され、前記複数の第1参照電圧部のいずれかから供給される前記第1参照電圧を選択して、前記第2ADCに与える選択部と、 前記複数の第1デジタル信号から、当該複数の蓄電セルの各々の電圧値を求める電圧値取得部と、 前記各々の電圧値を、前記第2デジタル信号から得た補正データを基にして補正する電圧値補正部と、を備える 蓄電セル制御装置。」 <補正後請求項1> 「【請求項1】 複数の蓄電セルが接続された蓄電モジュールに対して、各蓄電セルの電圧を測定する蓄電セル制御装置であって、 前記蓄電セル制御装置は、 前記複数の蓄電セルの各蓄電セルに対応してそれぞれ設けられる複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)を備え、 前記複数の第1ADCの各第1ADCは、前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧がそれぞれ入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力し、 前記蓄電セル制御装置は、さらに 前記複数の第1ADCに対応してそれぞれ設けられ、当該第1ADCの変換動作の基準となる第1参照電圧を供給する複数の第1参照電圧部と、 第2デジタル信号を出力する第2ADCと、 前記複数の第1参照電圧部に接続され、前記複数の第1参照電圧部のいずれかから供給される前記第1参照電圧を選択して、前記第2ADCに与える選択部と、 前記複数の第1デジタル信号から、当該複数の蓄電セルの各々の電圧値を求める電圧値取得部と、 前記各々の電圧値を、前記第2デジタル信号から得た補正データを基にして補正する電圧値補正部と、を備える 蓄電セル制御装置。」(下線は、補正箇所を示す。) 本件補正は、本件補正前の「前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧がそれぞれ入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力する複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)」について、「複数の第1ADC」が「複数の蓄電セルの各蓄電セルに対応してそれぞれ設けられ」ているものに限定する補正を含むものであり、かつ本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。 2 本件補正後の本願発明 本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面からみて、その請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 3 引用刊行物に記載された発明 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前の平成21年9月3日に頒布された刊行物である特開2009-198448号公報(以下「引用刊行物1」という。)には、「電圧検出装置」(発明の名称)に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。 <記載事項1> 「【0001】 本発明は、電圧検出装置に係り、特に、二次電池から成る単位セルが複数直列接続された組電池を複数に分割したブロック毎に電圧検出を行う電圧検出装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車(以下HEV)が普及してきている。このHEVは、上記エンジン始動用の12V程度の低圧バッテリと、上記電動モータ駆動用の高圧バッテリと、の2種類のバッテリを備えている。上述した高圧バッテリは、ニッケル-水素電池やリチウム電池といった二次電池を単位セルとして、この単位セルを複数直列接続して高電圧を得ている。 【0003】 上述した高圧バッテリは充放電を繰り返すうちに各単位セルの両端電圧、即ち充電状態(SOC)にばらつきが生じる。バッテリの充放電にあたっては、各単位セルの耐久性や安全確保の観点より、SOC(又は両端電圧)の最も高い単位セルが設定上限SOC(又は上限両端電圧値)に到達した時点で充電を禁止し、SOC(又は両端電圧)の最も低い単位セルが設定下限SOC(又は下限両端電圧値)に到達した時点で放電を禁止する必要がある。従って、各単位セルにSOCのバラツキが生じると、実質上、バッテリの使用可能容量が減少することになる。このため、HEVにおいては、登坂時にガソリンに対してバッテリエネルギーを補充したり、降坂時にバッテリにエネルギーを回生したりする、いわゆるアシスト・回生が不十分となり、実車動力性能や燃費を低下させることになる。そこで、各単位セルのSOCを均等化するために、各単位セルの両端電圧を検出する必要がある。」 <記載事項2> 「【0012】 第1実施形態 以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の電圧検出装置の一実施形態を示すブロック図である。図中引用符号BLは低圧バッテリである。低圧バッテリBLは、図1に示すように、例えば一つの二次電池から構成されている。低圧バッテリBLは、エンジンを始動するスタータの動作電源として用いられ、その両端にはオルタネータ等が必要に応じて充電器として接続される。 【0013】 また、図中引用符号BHは組電池としての高圧バッテリである。上記高圧バッテリBHは、エンジンと電動モータを走行駆動源として併用するHEVにおいて前記電動モータの電源として用いられ、その両端には電動モータが必要に応じて負荷として接続されると共にオルタネータ等が必要に応じて充電器として接続される。 【0014】 高圧バッテリBHは、n個(nは任意の整数)のブロックB1~Bnに分割されている。各ブロックB1~Bnは例えばそれぞれ2個の単位セルC11~Cn2から構成されている。電圧検出装置は、高圧検出回路11~1nと、制御手段としての低圧系制御回路30と、を備えている。低圧系制御回路30は、低圧バッテリBLからの電源供給を受けて動作し、高圧検出回路11~1nを制御する。 【0015】 高圧検出回路11~1nは、ブロックB1~Bn毎に対応して設けられている。高圧検出回路11~1nは、複数のブロックB1~Bnのうち対応するブロックB1~Bnを構成する単位セルC11~Cn2のみから電源供給を受けて動作して、対応するブロックB1~Bnを構成する単位セルC11~Cn2の両端電圧を検出する。即ち、上述した高圧検出回路11~1nは、対応するブロックB1~Bnのマイナス側がグランドレベルになり、互いに異なるグランドレベルとなっている。これにより高圧検出回路11~1nを構成するデバイスの耐圧を下げることができる。 【0016】 次に、上述した高圧検出回路11~1nの構成について図2を参照して説明する。同図に示すように、高圧検出回路11~1nは各々、対応するブロックB1~Bnを構成する単位セルC11~Cn2の両端が接続されるキャパシタCpと、対応するブロックB1~Bnを構成する単位セルC11~Cn2の一つの両端をキャパシタCpに接続する選択スイッチ群24と、キャパシタCpを介して供給された単位セルC11~Cn2の両端電圧をデジタル変換するアナログ/デジタル変換手段としてのA/D変換器22と、キャパシタCp及びA/D変換器22間に設けられたスイッチS11、S12と、A/D変換器22に基準電圧を供給する基準電圧源25と、高圧検出回路11~1n全体を制御する高圧系CPU25と、を備えている。 【0017】 上記選択スイッチ群24は、単位セルC11~Cn2の両端に設けられたスイッチから構成されている。また、上述したA/D変換器22、基準電圧源25、及び、高圧系CPU25は、その電源ラインが対応するブロックB1~Bnのプラス側に接続され、グランドラインが対応するブロックB1~Bnのマイナス側に接続されている。基準ブロックとしてのブロックB1の基準電圧源25は、例えば±0.01%程度の高精度のものを用いている。一方、非基準ブロックとしてのブロックB2~Bnは、例えば±0.5%程度のブロックB1に比べて低精度のものを用いている。」 <記載事項3> 「【0019】 図2に示すように、上記高圧検出回路11を除く高圧検出回路12~1nは、ブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22の基準電圧Vref2~Vrefnの分圧をブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22に対して入力する第1の入力手段としての入力回路27を備えている。 【0020】 入力回路27は各々、基準電圧Vref2~Vrefnと各ブロックB2~Bnのグランドとの間に設けられた分圧抵抗R1、R2と、これら分圧抵抗R1、R2により分圧された基準電圧Vref2~Vrefnを増幅する演算増幅器28と、演算増幅器28の出力、及び、ブロックB1のキャパシタCpの一端、間に設けられたスイッチS21と、対応するブロックB2~Bnのグランド、及び、キャパシタCpの他端、間に設けられたスイッチS22と、から構成されている。 【0021】 次に、上述した構成の電圧検出装置の基準電圧検出動作について図3及び図4を参照して以下説明する。図3は、図1に示す低圧系制御回路30の基準電圧検出処理手順を示すフローチャートである。図4は、高圧系CPU25の基準電圧検出処理手順を示すフローチャートである。所定のタイミングで低圧系制御回路30は、基準電圧検出処理を開始する。基準電圧検出処理において低圧系制御回路30はまず、覚醒信号を出力する(ステップSp1)。覚醒信号は、図示しない絶縁デバイスを介して各ブロックB1~Bnに設けた図示しない電源回路に供給される。各ブロックB1~Bnの電源回路は、上記覚醒信号を受信すると、高圧検出回路11~1nに対して電源を供給する。そして、高圧検出回路11~1nの高圧系CPU25は、電源供給に応じてスリープモードが解除されて、図4及び図5に示す高圧系基準電圧検出処理を開始する。 【0022】 次に、低圧系制御回路30は、任意の整数であるm(整数)を2にセットした後(ステップSp2)、送信ラインLT1に対してブロックBm宛に基準電圧検出命令を送信する(ステップSp3)。これに応じてブロックB1の高圧系CPU25から低圧系制御回路30に対してブロックBmの基準電圧Vrefmの分圧値のデジタル値が送信される。低圧系制御回路30は、基準電圧Vrefmの分圧値のデジタル値を受信して図示しない記憶媒体内に格納すると(ステップSp4)、mが最上位のアドレスnに達したか否かを判断する(ステップSp5)。 【0023】 mが最上位のアドレスnに達していれば(ステップSp5でY)、低圧系制御回路30は、基準電圧Vref2~Vrefnの全ての分圧値のデジタル値を高圧側から受信したと判断して、スリープ信号を出力した後に(ステップSp7)、低圧系基準電圧検出処理を終了する。スリープ命令は、図示しない絶縁デバイスを介して各ブロックB1~Bnに設けた図示しない電源回路に供給される。各ブロックB1~Bnの電源回路は、上記スリープ命令を受信すると、高圧検出回路11~1nに対して電源を遮断する。これに対して、mが最上位のアドレスnに達していなければ(ステップSp5でN)、低圧系制御回路30は、mをインクリメントした後に(ステップSp6)、ステップSp3に戻る。これにより、低圧系制御回路30からはブロックB2~Bn宛の基準電圧検出命令が順次、高圧側に対して送信される。 【0024】 一方、図4に示すように、任意のブロックBp(pは1~nまでの整数)の高圧検出回路1pの高圧系CPU25は、上記基準電圧検出命令を受信すると(ステップSp11でY)、その基準電圧検出命令の宛先が自己のアドレスpであるか否かを判断する(ステップSp12)。自己のアドレスp(=m)であれば(ステップS12でY)、ブロックBpの高圧検出回路1pの高圧系CPU25は、スイッチS21及びS22をオンする(ステップSp13)。 【0025】 スイッチS21及びS22のオンに応じて、ブロックB1のキャパシタCpの両端にブロックBpの基準電圧Vrefpの分圧が供給される。ブロックBpの高圧検出回路1pは、キャパシタCpが充電されてキャパシタCpの両端電圧がブロックBpの基準電圧Vrefpと同じ電圧に達するような所定時間経過するのを待って(ステップSp14でY)、スイッチS21及びS22をオフする(ステップSp15)。その後、ブロックBpの高圧検出回路1pは、宛先をブロックB1のアドレス1、送信元を自己のアドレスpとした充電完了信号を一つ下位のブロックBp-1の高圧系CPU25に対して送信した後(ステップSp16)、ステップSp11に戻る。 【0026】 これに対して、高圧検出回路1pの高圧系CPU25は、自己のアドレスp(≠m)でなければ(ステップSp12でN)、ステップSp11で受信した基準電圧検出命令を一つ上位のブロックBp+1の高圧系CPU25に対して転送する(ステップSp17)。また、任意のブロックBpの高圧検出回路1pの高圧系CPU25は、充電完了信号を受信すると(ステップSp18でY)、充電完了信号の宛先が自己のアドレスpであるか否かを判断する(ステップSp19)。自己のアドレスp(≠1)でなければ(ステップSp19でN)、その充電完了信号を一つ下位のブロックBp-1に転送した後(ステップSp20)、Sp11に戻る。 【0027】 一方、高圧検出回路1pの高圧系CPU25は、自己のアドレスp(=1)であれば(ステップSp19でY)、スイッチS11及びS12をオンして(ステップSp21)、キャパシタCpに蓄積された基準電圧Vrefmの分圧値をA/D変換器22に入力してデジタル値に変換させる。そして、ブロックBpの高圧系CPU25は、そのデジタル値を取り込んで(ステップSp22)、スイッチS11及びS12をオフする(ステップSp23)。次に、ブロックBpの高圧系CPU25は、ステップSp22で取り込んだデジタル値に充電完了信号の送信元アドレスを添付して低圧系制御回路30に送信して(ステップSp24)、ステップSp11に戻る。 【0028】 上述した低圧系基準電圧検出処理、高圧系基準電圧検出処理により、低圧系制御回路30には、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22により変換されたブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22の基準電圧Vref2~Vrefnの分圧のデジタル値が順次格納される。」 <記載事項4> 「【0030】 次に、低圧系制御回路30は、任意の整数であるm(整数)を1にセットした後(ステップSp32)、送信ラインLT1に対してブロックBm宛にセル電圧検出命令を送信する(ステップSp33)。これに応じて高圧側から低圧系制御回路30に対してブロックBmを構成する単位セルCm1、Cm2の両端電圧のデジタル値ADCm1、ADCm2が送信される。低圧系制御回路30は、上記デジタル値ADCm1、ADCm2を受信した後(ステップSp34)、送信されたデジタル値ADCm1、ADCm2がブロックB1の単位セルC11、C12の両端電圧のデジタル値ADC11、ADC12であるか否かの判断を行う(ステップSp35)。デジタル値ADC11、ADC12であれば(ステップSp35でY)、低圧系制御回路30は、ステップSp34で受信したADC11、ADC12をそのまま格納した後(ステップSp36)、ステップSp38に進む。 【0031】 これに対して、デジタル値ADC11、ADC12でなければ(ステップSp35でN)、低圧系制御回路30は、補正手段として働き、ステップSp34で受信したデジタル値ADCm1、ADCm2を補正して格納した後に(ステップSp37)、ステップSp38に進む。ステップSp37において低圧系制御回路30は、上述した基準電圧検出処理にて格納したブロックB1に設けられたA/D変換器22により変換されたブロックBmの基準電圧Vrefmの分圧に基づいて、ブロックB1の基準電圧Vref1とブロックBmの基準電圧Vrefmとの差に起因してブロックBmに対応して設けられたA/D変換器22により変換された単位セルCm1、Cm2の両端電圧VCm1、VCm2のデジタル値ADCm1、ADCm2に生じる誤差を消去するように補正する。 【0032】 より詳しく説明すると、ブロックBmの基準電圧VrefmのA/D変換器22を用いて両端電圧VCm1、VCm2(アナログ値)をA/D変換すると、両端電圧VCm1、VCm2のデジタル値ADCm1、ADCm2は下記の式(1)によって表される。なお、2qはA/D変換器22の分解能を示す。 ADCm1=VCm1×2q/Vrefm ADCm2=VCm2×2q/Vrefm …(1) これに対して、ブロックB1の基準電圧Vref1のA/D変換器22で両端電圧VCm1、VCm2をA/D変換すると、両端電圧VCm1、VCm2のデジタル値ADCm1´、ADCm2´は下記の式(2)によって表される。 ADCm1´=VCm1×2q/Vref1 ADCm2´=VCm2×2q/Vref1 …(2) よって、下記の式(3)に示すようにステップSp34で受信したデジタル値ADCm1、ADCm2を補正すれば、基準電圧VrefmのA/D変換器22で変換されたデジタル値ADCm1、ADCm2を基準電圧Vref1のA/D変換器22で変換されたデジタル値ADCm1´、ADCm2´に変換することができる。 ADCm1´=ADCm1×Vrefm/Vref1 ADCm1´=ADCm1×Vrefm/Vref1 …(3) 【0033】 上述した基準電圧Vrefmは、上述した基準電圧検出処理により格納された基準電圧Vrefmの分圧値のデジタル値ADVrefmにより求めることができる。即ち、上述した基準電圧検出処理により検出された基準電圧Vrefmの分圧値のデジタル値ADVrefmは、基準電圧Vref1のA/D変換器22で変換されるため、式(4)で表すことができる。なお、抵抗R1、R2による分圧比をKとする。 ADVrefm=Vrefm×(1/K)×2q/Vref1 …(4) これを変形すると下記に示す式(5)が得られる。 Vrefm=(Vref1/2q)×K×ADVrefm …(5) そこで、式(5)を式(3)に代入すると、下記の式(6)に示す補正式を得ることができる。 ADCm1´=ADCm1×ADVrefm×K×(1/2q) ADCm2´=ADCm2×ADVrefm×K×(1/2q) …(6) 【0034】 よって、図5のステップSp37において高圧系CPU25は、ステップSp34で受信したデジタル値ADCm1、ADCm2に図3のステップSp4で受信したデジタル値ADVrefmとKと(1/2q)とを乗じた値を補正した新たなデジタル値ADCm1、ADCm2とする。上述した式(6)に示す補正式を用いることにより、基準電圧VrefmのA/D変換器22によって変換された単位セルCm1、Cm2の両端電圧VCm1、VCm2のデジタル値ADCm1、ADCm2を、基準電圧Vref1のA/D変換器22によって変換された単位セルCm1、Cm2の両端電圧VCm1、VCm2のデジタル値ADCm1、ADCm2に変換して、ブロックB1の基準電圧Vref1とブロックBmの基準電圧Vrefmとの差に起因してブロックBmに対応して設けられたA/D変換器22により変換された単位セルCm1、Cm2の両端電圧VCm1、VCm2のデジタル値ADCm1、ADCm2に生じる誤差を消去することができる。即ち、精度の低いブロックB2~Bnの基準電圧源25を用いてA/D変換しても、精度の高いブロックB1の基準電圧源25を用いてA/D変換したデジタル値ADCm1、ADCm2に変換することができる。これにより、ブロックB1~Bn毎に高精度の基準電圧源25を用いる必要がなく、高精度かつ安価に各ブロックB1~Bnの単位セルC11~Cn2の両端電圧を検出することができる。 【0035】 ステップSp38において、低圧系制御回路30は、mが最上位のアドレスnに達したか否かを判断する。mが最上位のアドレスnに達していれば(ステップSp38でY)、低圧系制御回路30は、全てのブロックB1~Bnを構成する単位セルC11~Cn2の両端電圧のデジタル値をブロックB1の高圧系CPU25から受信したと判断して、スリープ信号を出力した後に(ステップSp39)、低圧系セル電圧検出処理を終了する。このスリープ命令の出力に応じて上述したように高圧検出回路11~1nに対する電源が遮断される。これに対して、mが最上位のアドレスnに達していなければ(ステップSp38でN)、低圧系制御回路30は、mをインクリメントした後に(ステップSp40)、ステップSp33に戻る。これにより、低圧系制御回路30からはブロックB2~Bn宛のセル電圧検出命令が順次、高圧側に対して送信される。」 【図1】 【図2】 【0022】、【0024】、【0025】、【0027】から、基準電圧検出命令を受信したブロックBmは、当該ブロックBmに対応するスイッチS21及びS22をオンし、当該ブロックBmの基準電圧Vrefmの分圧を、ブロックB1のキャパシタCpを介して、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22に供給していること、すなわち、スイッチS21及びS22は、いずれかのブロックBmの基準電圧Vrefmの分圧を選択して、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22に供給していることが読み取れる。 以上を総合すると、上記記載事項1~4及び上記図1~2の記載からみて、引用刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「二次電池から成る単位セルが複数直列接続された組電池を、それぞれ2個の単位セルから構成される複数のブロックに分割し、各ブロックを構成する2個の単位セルの一つの両端電圧を選択スイッチ群24により選択することにより、単位セル毎の電圧検出を行う電圧検出装置であって(【0001】、【0003】、【0014】、【0016】)、 前記電圧検出装置は、 前記2個の単位セルから構成される複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22を備え(【0016】、【0028】、【図2】)、 前記複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22は、選択スイッチ群24によって選択された、当該ブロックを構成する単位セルの一つの両端電圧をデジタル変換し(【0016】、【0028】)、 前記電圧検出装置は、さらに、 前記複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22に対応して、それぞれ設けられた基準電圧Vref2~Vrefnを供給する基準電圧源26と(【0016】、【0019】、【図2】)、 ブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22の基準電圧Vref2~Vrefnの分圧値をデジタル値に変換する、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22と(【0027】、【0028】)、 いずれかのブロックBmの基準電圧Vrefmの分圧を選択して、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22に供給するスイッチS21及びS22と(【0022】、【0024】、【0025】、【0027】)、 前記ブロックB2~Bnに設けられたA/D変換器22により変換された単位セルの両端電圧のデジタル値を検出し、前記ブロックB1に設けられたA/D変換器22により変換された前記ブロックB2~Bnの基準電圧の分圧値のデジタル値に基づいて補正する低圧系制御回路30と(【0030】、【0031】、【0033】~【0035】)、を備える 電圧検出装置。」 4 対比 (1)本願補正発明と引用発明の対比 本願補正発明と引用発明を対比する。 ア 引用発明の「二次電池から成る単位セル」、「二次電池から成る単位セルが複数直列接続された」、「組電池」は、それぞれ本願補正発明の「蓄電セル」、「複数の蓄電セルが接続された」、「蓄電モジュール」に相当する。 また、【0003】の「各単位セルのSOCを均等化するために、各単位セルの両端電圧を検出する必要がある。」との記載からみて、引用発明の「電圧検出装置」が、各単位セルのSOCを均等化する制御装置に属するものであることは明らかである。 よって、引用発明の「二次電池から成る単位セルが複数直列接続された組電池を、それぞれ2個の単位セルから構成される複数のブロックに分割し、各ブロックを構成する2個の単位セルの一つの両端電圧を選択スイッチ群24により選択することにより、単位セル毎の電圧検出を行う電圧検出装置」は、本願補正発明の「複数の蓄電セルが接続された蓄電モジュールに対して、各蓄電セルの電圧を測定する蓄電セル制御装置」に相当する。 イ 引用発明の「複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22」は、本願補正発明の「複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)」に相当する。 よって、引用発明の「2個の単位セルから構成される複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22」と本願補正発明の「複数の蓄電セルの各蓄電セルに対応してそれぞれ設けられる複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)」とは、「複数の蓄電セルに対応して設けられる複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)」という点で共通する。 ウ 引用発明の「単位セルの一つの両端電圧」、「デジタル変換し」は、それぞれ本願補正発明の「前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧」、「入力に応じた第1デジタル信号を出力し」に相当する。 よって、引用発明の「複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22は、選択スイッチ群24によって選択された、当該ブロックを構成する単位セルの一つの両端電圧をデジタル変換し」と本願補正発明の「複数の第1ADCの各第1ADCは、前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧がそれぞれ入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力し」とは、「複数の第1ADCの各第1ADCは、前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧が入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力し」という点で共通する。 エ 引用発明の「複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22」、「基準電圧Vref2~Vrefn」、「基準電圧源26」は、それぞれ本願補正発明の「複数の第1ADC」、「第1ADCの変換動作の基準となる第1参照電圧」、「第1参照電圧部」に相当する。 よって、引用発明の「複数のブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22に対応して、それぞれ設けられた基準電圧Vref2~Vrefnを供給する基準電圧源26」は、本願補正発明の「複数の第1ADCに対応してそれぞれ設けられ、当該第1ADCの変換動作の基準となる第1参照電圧を供給する複数の第1参照電圧部」に相当する。 オ 引用発明の「ブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22の基準電圧Vref2~Vrefnの分圧値をデジタル値に変換する」、「ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22」は、それぞれ本願補正発明の「第2デジタル信号を出力する」、「第2ADC」に相当する。 よって、引用発明の「ブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22の基準電圧Vref2~Vrefnの分圧値をデジタル値に変換する、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22」は、本願補正発明の「第2デジタル信号を出力する第2ADC」に相当する。 カ 引用発明の「スイッチS21及びS22」は、本願補正発明の「選択部」に相当する。 引用発明の「基準電圧Vrefmの分圧」と本願補正発明の「第1参照電圧」とは、「第1参照電圧に関する電圧」という点で共通する。 よって、引用発明の「いずれかのブロックBmの基準電圧Vrefmの分圧を選択して、ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22に供給するスイッチS21及びS22」と本願補正発明の「複数の第1参照電圧部に接続され、前記複数の第1参照電圧部のいずれかから供給される前記第1参照電圧を選択して、前記第2ADCに与える選択部」とは、「複数の第1参照電圧部に接続され、前記複数の第1参照電圧部のいずれかから供給される前記第1参照電圧に関する電圧を選択して、前記第2ADCに与える選択部」という点で共通する。 キ 引用発明の「単位セルの両端電圧のデジタル値」、「ブロックB2~Bnの基準電圧の分圧値のデジタル値」は、それぞれ本願補正発明の「第1デジタル信号」、「第2デジタル信号」に相当する。 また、引用発明の「低圧系制御回路30」は、単位セルの両端電圧のデジタル値を取得し、補正していることから、本願補正発明の「電圧値取得部」及び「電圧値補正部」に相当する。 よって、引用発明の「ブロックB2~Bnに設けられたA/D変換器22により変換された単位セルの両端電圧のデジタル値を検出し、前記ブロックB1に設けられたA/D変換器22により変換された前記ブロックB2~Bnの基準電圧の分圧値のデジタル値に基づいて補正する低圧系制御回路30」は、本願補正発明の「前記複数の第1デジタル信号から、当該複数の蓄電セルの各々の電圧値を求める電圧値取得部と、前記各々の電圧値を、前記第2デジタル信号から得た補正データを基にして補正する電圧値補正部」に相当する。 (2)一致点及び相違点 上記(1)の検討を総合すると、本願補正発明と引用発明の両者は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 <一致点> 複数の蓄電セルが接続された蓄電モジュールに対して、各蓄電セルの電圧を測定する蓄電セル制御装置であって、 前記蓄電セル制御装置は、 前記複数の蓄電セルに対応して設けられる複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)を備え、 前記複数の第1ADCの各第1ADCは、前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧が入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力し、 前記蓄電セル制御装置は、さらに 前記複数の第1ADCに対応してそれぞれ設けられ、当該第1ADCの変換動作の基準となる第1参照電圧を供給する複数の第1参照電圧部と、 第2デジタル信号を出力する第2ADCと、 前記複数の第1参照電圧部に接続され、前記複数の第1参照電圧部のいずれかから供給される前記第1参照電圧に関する電圧を選択して、前記第2ADCに与える選択部と、 前記複数の第1デジタル信号から、当該複数の蓄電セルの各々の電圧値を求める電圧値取得部と、 前記各々の電圧値を、前記第2デジタル信号から得た補正データを基にして補正する電圧値補正部と、を備える 蓄電セル制御装置。 <相違点1> 本願補正発明では、「複数の第1ADC」が、「複数の蓄電セルの各蓄電セルに対応してそれぞれ設けられ」ているのに対して、引用発明では、A/D変換器22が、2個の単位セルから構成される複数のブロックの各ブロックに対応してそれぞれ設けられ、選択スイッチ群24によって選択された、当該ブロックを構成する単位セルの一つの両端電圧をデジタル変換している点。 <相違点2> 選択部が第2ADCに与える第1参照電圧に関する電圧について、本願補正発明では「第1参照電圧」そのものであるのに対して、引用発明では、A/D変換器22の基準電圧の分圧値である点。 5 当審の判断 (1)相違点1について 上記相違点1について、検討する。 検出器一般において、複数の検出対象をスイッチにより切り替えて、1つの検出器で検出することは、特に例を示すまでもなく従来からよく知られたものであるところ、その前提にある構成は、検出対象毎にそれぞれ検出器を設ける構成であることは明らかである。 そうすると、引用発明においても、選択スイッチ群24を設けて、各ブロックを構成する2個の単位セルから1つずつ選択して、デジタル変換を行う構成とするか、各単位セルにそれぞれ検出器を設けて、選択スイッチ群24を設けることなくデジタル変換を行う構成とするかは、当業者が適宜になし得る構成にすぎず、後者の構成とすることに格別の困難性は認められない。 したがって、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。 なお、上記「4 対比」においては、引用発明の「複数のブロックB2~Bn」を構成する「各単位セル」を、本願発明の「複数の蓄電セルの各蓄電セル」に相当するものとしたが、仮に、引用発明における「ブロックB1」及び「複数のブロックB2~Bn」の各単位セルを、本願発明の「複数の蓄電セルの各蓄電セル」に相当するものとした場合、本願補正発明の「第1ADC」に相当する引用発明の「ブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22」は、ブロックB1を構成する各単位セルに対して設けられていないので、本願補正発明の「前記複数の蓄電セルの各蓄電セルに対応してそれぞれ設けられる複数の第1ADC」という構成と相違することになる。 しかしながら、本願補正発明の「第2ADC」に相当する引用発明の「ブロックB1に対応して設けられたA/D変換器22」は、ブロックB2~Bnに対応して設けられたA/D変換器22の基準電圧Vref2~Vrefnの分圧値をデジタル値に変換するA/D変換器と、ブロックB1を構成する各単位セルの両端電圧をデジタル値に変換するA/D変換器を兼用しているところ、これらの異なる変換を、それぞれ別のA/D変換器で行うようにすることは、当業者が適宜になし得ることである。 その場合、ブロックB1を構成する各単位セルの両端電圧をデジタル値に変換するA/D変換器が、本願補正発明の「複数の第1ADC」に含まれることになることは明らかである。 (2)相違点2について 上記相違点2について、検討する。 一般に電圧を測定する際に、電圧そのものを測定するか、当該電圧を分圧したものを測定するかは、検出対象の電圧の大きさに応じて、当業者が適宜になし得るものにすぎず、引用発明において、A/D変換器22の基準電圧を、分圧せずにそのまま測定するようにすることは格別なものではない。 したがって、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。 (3)小活 以上のとおり、上記相違点1及び2に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。 そして、本願補正発明によって奏される効果は、引用発明から当業者が予測し得る程度のものにすぎない。 よって、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 6 まとめ 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成30年7月31日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。 「【請求項1】 複数の蓄電セルが接続された蓄電モジュールに対して、各蓄電セルの電圧を測定する蓄電セル制御装置であって、 前記蓄電モジュールにおける各蓄電セルの電圧がそれぞれ入力され、入力に応じた第1デジタル信号を出力する複数の第1ADC(Analog-to-Digital Converter)と、 前記複数の第1ADCに対応してそれぞれ設けられ、当該第1ADCの変換動作の基準となる第1参照電圧を供給する複数の第1参照電圧部と、 第2デジタル信号を出力する第2ADCと、 前記複数の第1参照電圧部に接続され、前記複数の第1参照電圧部のいずれかから供給される前記第1参照電圧を選択して、前記第2ADCに与える選択部と、 前記複数の第1デジタル信号から、当該複数の蓄電セルの各々の電圧値を求める電圧値取得部と、 前記各々の電圧値を、前記第2デジタル信号から得た補正データを基にして補正する電圧値補正部と、を備える 蓄電セル制御装置。」 第4 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由2は、この出願の請求項1-11に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1-8に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1.特開2009-198448号公報(上記引用刊行物1と同じ) 引用文献2.特開2002-156392号公報(周知技術を示す文献) 引用文献3.特開平11-109005号公報 引用文献4.特開平11-160367号公報 引用文献5.特開2013-185904号公報 引用文献6.特開2011-158268号公報 引用文献7.国際公開第2012/153372号 引用文献8.特開2013-9514号公報 第5 引用文献に記載された発明 引用文献1に記載された発明は、前記「第2」の「3 引用刊行物に記載された発明」において、引用発明として示したとおりである。 第6 対比・判断 本願発明は、前記「第2」の「5 当審の判断」で検討した本願補正発明について、「複数の第1ADC」が「複数の蓄電セルの各蓄電セルに対応してそれぞれ設けられ」ているという限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに当該発明特定事項の一部を限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2」の「5 当審の判断」において記載したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-002934

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