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特許異議申立

2025-700037

燃料電池ユニット及び燃料電池スタック

審判番号
2025-700037
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-533209
登録番号
7509778
請求日
2024年12月26日
審決日
2025年10月23日
公報発行日
2026年02月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】セレス インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド
  • 【権利者代理人】池田 成人
  • 【権利者代理人】酒巻 順一郎
  • 【権利者代理人】野田 雅一
  • 【権利者代理人】鈴木 英彦
  • 【異議申立人】西内 大生
審判長/審判官
  • 審判長 井上 信一
  • 審判官 ▲吉▼澤 雅博
  • 審判官 須原 宏光
分類
P1652.113-YAA(H01M) / P1652.121-YAA(H01M) / P1652.537-YAA(H01M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7509778号発明「燃料電池ユニット及び燃料電池スタック」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7509778号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-24〕について訂正することを認める。 特許第7509778号の請求項1及び21に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7509778号の請求項1~24に係る特許についての出願は、令和1年12月3日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2018年12月20日(GB)英国、2019年10月24日(GB)英国)を国際出願日として出願され、令和6年6月24日にその特許権の設定登録がされ、令和6年7月2日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 6年12月26日 :特許異議申立人西内 大生(以下、「特許異議申立人」という。)による請求項1及び21に係る特許に対する特許異議の申立 令和 7年 3月12日付け:取消理由通知 令和 7年 6月11日 :特許権者による意見書、訂正請求書(以下、この訂正請求書による訂正請求を「本件訂正請求」という。)の提出 令和 7年 7月31日 :特許異議申立人による意見書(以下、この意見書を「意見書」という。)の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求は、特許第7509778号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~24に訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は、以下のとおりである。(下線部は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「電池化学物質層を保持している金属支持板」と記載されているのを、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板であって、電池化学物質層を保持している金属支持板」と訂正する。(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する引用する請求項2~20、24も同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項21に「金属支持板を用意するステップ」と記載されているのを、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板を用意するステップ」と訂正する。(請求項21の記載を直接的又は間接的に引用する請求項22~24も同様に訂正する。) 2 一群の請求項について 訂正前の請求項1~20及び24は、請求項2~20及び24が訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあり、一群の請求項を構成する。 また、訂正前の請求項21~24は、請求項22~24が訂正の請求の対象である請求項21の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあり、一群の請求項を構成する。 そして、これら一群の請求項は共通する請求項24を有することから、組み合わされ、訂正前の請求項1~24に対応する訂正後の請求項1~24は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 よって、本件訂正請求は、一群の請求項〔1-24〕について請求されたものである。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1及び2について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「電池化学物質層を保持している金属支持板」との記載を、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板であって、電池化学物質層を保持している金属支持板」に訂正するものであり、また、訂正事項2は、訂正前の請求項21の「金属支持板を用意するステップ」との記載を、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板を用意するステップ」に訂正するものであり、それぞれ「金属支持板」の材料厚さについて、「実質的に均一の材料厚さを有する」との限定を付加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項1及び2は、本件特許明細書段落【0025】、【0066】及び【0067】の記載に基づいて導き出せることであり、新規事項の追加に該当しない。 そして、訂正事項1及び2は、発明特定事項である「金属支持板」について限定を付加することによって、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (2)独立特許要件について 本件特許異議の申立ては、請求項1~24に係る特許のうち請求項1及び21に係る特許に対して申立てられたものであるから、訂正後の請求項1及び21は、特許法第120条の5第9項で準用する同法126条第7項の独立特許要件は課されない。 一方、本件特許異議の申立てがなされていない訂正前の請求項2~20、22~24に係る特許についての訂正は、上記(1)で述べたとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、独立して特許を受けることができるものでなければならない。 そこで、訂正後の請求項2~20、22~24に係る特許の独立特許要件について検討すると、後記「第4」及び「第5」で述べるように、訂正後の請求項1、21に係る発明に特許を受けることができないとすべき理由があるとはいえないから、これらの請求項を引用する訂正後の請求項2~20、22~24に係る特許についても、同様に特許を受けることができないとすべき理由があるとはいえない。 また、他に特許を受けることができない理由を発見しないため、訂正後の請求項2~20、22~24に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。 したがって、訂正事項1及び2による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法126条第7項の規定を満たす訂正であるといえる。 4 小括 以上のとおりであるから、一群の請求項〔1-24〕についての本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-24〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~24に係る特許(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明24」という。また、「本件発明1」~「本件発明24」をまとめて、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~24に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(下線部は訂正箇所を示す。) 「【請求項1】 セパレータ板と、 実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板であって、電池化学物質層を保持している金属支持板と、 多孔質領域と、 を備え、 前記電池化学物質層は、前記多孔質領域上に設けられ、 前記セパレータ板及び前記金属支持板は互いに重なり合って、繰り返しユニットを形成する、金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニットであって、 前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの少なくとも一方は、凹状形状を形成するフランジ付き外周特徴部を備え、 前記セパレータ板及び前記金属支持板は、前記フランジ付き外周特徴部にて直接当接されて、前記セパレータ板と前記金属支持板との間に流体容積部を形成し、 少なくとも1つの流体ポートが、前記フランジ付き外周特徴部内の前記セパレータ板及び前記金属支持板のそれぞれに設けられ、それぞれの前記流体ポートは、前記セパレータ板及び前記金属支持板の重なり合い方向に前記流体容積部と整列して連通し、 前記流体容積部は、前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部を備える、金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項2】 前記金属支持板が前記多孔質領域を含むように前記多孔質領域が前記金属支持板内に設けられ、 前記電池化学物質層は、前記金属支持板の前記多孔質領域上の前記金属支持板に形成されたアノード、電解質及びカソードを備えた電気化学的に活性な層の形態をとる、請求項1に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項3】 多孔質領域が別個の板に設けられ、その上に、アノード、電解質及びカソードを備えた電気化学的に活性な層の形態をとる燃料電池化学物質層が形成され、前記別個の板は、前記金属支持板に設けられた窓上に設けられる、請求項1に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項4】 前記流体ポートから前記流体容積部までの前記流体通路は、蛇行しており、及び/又は複数の場所で互いに交差している、請求項1~3のいずれか一項に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項5】 前記フランジ付き外周特徴部は、前記セパレータ板にのみ設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項6】 前記流体通路を画定する前記特徴部が、前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの少なくとも一方の前記流体ポートの周囲に形成された成形ポート特徴部を備え、前記成形ポート特徴部の複数の要素は、互いから離間されて、前記流体ポートから前記複数の要素間の前記流体通路を画定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項7】 前記成形ポート特徴部は、前記セパレータ板にのみ設けられている、請求項6に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項8】 前記成形ポート特徴部は、前記成形ポート特徴部が延びる表面の上方に、前記セパレータ板及び前記金属支持板の対向する内面間の距離と同じ高さにある、請求項6又は7に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項9】 前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの少なくとも一方は、1つ又は複数の隆起部材を備え、前記隆起部材は前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの他方から離れる方向に延び、1つの前記流体ポート又は複数の前記流体ポートの各々の周囲に配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項10】 前記1つ又は複数の隆起部材が、内部にガスケットを収容する空間を画定するように構成された複数の隆起部材であり、及び/又は前記複数の隆起部材が、外側でガスケットを収容する周縁を画定するように構成されている、請求項9に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項11】 前記成形ポート特徴部の前記複数の要素間に点在する複数の隆起部材が設けられている、請求項6に従属する場合の請求項9に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項12】 1つの前記隆起部材又は複数の前記隆起部材の各々は、前記成形ポート特徴部の外側に配置されている、請求項6に従属する場合の請求項9に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項13】 1つの前記隆起部材又は複数の前記隆起部材の各々は、隣り合う燃料電池又は電解質電池ユニットが又は隣り合う燃料電池又は電解質電池ユニットから延びる一部分が燃料電池又は電解質電池ユニットのスタックの組み立て中に支持できるハードストップ面を画定するピークを有する、請求項9~12のいずれか一項に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項14】 ハードストップ面を画定する複数の隆起部材があり、前記ハードストップ面はすべて共通の平面にある、請求項13に記載の金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。 【請求項15】 請求項1~14のいずれか一項に記載の複数の燃料電池又は電解質電池ユニットを備えた固体酸化物燃料電池又は電解質電池スタックであって、 前記燃料電池又は電解質電池ユニットは、隣り合う燃料電池又は電解質電池ユニット間の前記流体ポートの周囲にシールを備えた状態で互いに積み重ねられる、固体酸化物燃料電池スタック。 【請求項16】 前記シールはガスケットを含む、請求項15に記載の固体酸化物燃料電池又は電解質電池スタック。 【請求項17】 前記シールはインサイチュシールを含む、請求項15に記載の固体酸化物燃料電池又は電解質電池スタック。 【請求項18】 1つの前記隆起部材又は複数の前記隆起部材の各々は、請求項13に記載のハードストップ面を画定するピークを有し、前記燃料電池又は電解質電池ユニットの低い方のユニットのシール受容面にある少なくとも1つのシールの高さは、次の燃料電池又は電解質電池ユニットが上に積み重ねられる前に前記シール受容面の上にあり、前記燃料電池又は電解質電池ユニットの低い方のユニットの前記ハードストップ面の高さは、前記隣り合う燃料電池又は電解質電池ユニット間の圧縮に制限を設けるように、前記シール受容面よりも上だが、前記シール受容面にあるシールの高さよりも低い、請求項9~14のいずれか一項に従属する場合の請求項15~17のいずれか一項に記載の固体酸化物燃料電池又は電解質電池スタック。 【請求項19】 前記シールのうちの少なくとも1つは、前記シールのためのそれぞれの流体ポートを囲む溝に部分的に配置され、前記溝は、任意選択で前記板の隆起部分に位置する、請求項15~18のいずれか一項に記載の固体酸化物燃料電池又は電解質電池スタック。 【請求項20】 前記燃料電池スタックの内部構成部品は、燃料電池及び前記シールの前記スタックのみを含む、請求項15~19のいずれか一項に記載の固体酸化物燃料電池又は電解質電池スタック。 【請求項21】 セパレータ板を用意するステップと、 実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板を用意するステップと、 前記セパレータ板及び前記金属支持板のそれぞれに、少なくとも一つの流体ポートを設けるステップと、 フランジ付き外周特徴部を形成するために前記金属支持板及び前記セパレータ板のうちの少なくとも一方を加工するステップであって、前記金属支持板及び/又は前記セパレータ板に凹状形状を形成することを含む、加工するステップと を含む、金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニットを製造する方法であって、 前記セパレータ板及び前記金属支持板を互いに重ね合わせて、繰り返しユニットを形成するステップと、 前記フランジ付き外周特徴部にて前記セパレータ板及び前記金属支持板を直接当接させるステップであって、凹状形状を形成する前記フランジ付き外周特徴部は、それらの間に流体容積部を形成する、ステップと、 前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部を設けるステップと、 をさらに含む、方法。 【請求項22】 前記フランジ付き外周特徴部及び流体通路を画定する前記特徴部が、加圧成形によって形成される、請求項21に記載の方法。 【請求項23】 流体通路を画定する前記特徴部が、前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの少なくとも一方の前記流体ポートの周囲に形成された成形ポート特徴部を備える、請求項21又は22に記載の方法。 【請求項24】 前記燃料電池又は電解質電池ユニットは、請求項1~14のいずれか一項に記載されており、又は前記スタックは、請求項15~20のいずれか一項に記載されている、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。」 第4 特許異議申立書に記載された申立理由及び取消理由通知に記載した取消理由について 1 申立理由の概要 申立人は、証拠方法として甲第1号証を提出し、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)において、概略、以下の申立理由を主張する。 (1)申立理由1(甲第1号証を主引例とする新規性) 本件発明1及び21は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、請求項1及び2に係る特許は特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (2)申立理由2(甲第1号証を主引例とする進歩性) 本件発明1及び21は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、甲第1号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1及び2に係る特許は特許法第29条第第2項の規定に違反してされたものである。 (3)証拠方法 甲第1号証:特開2017-174605号公報 2 取消理由通知に記載した取消理由の概要 請求項1及び21に係る特許に対して、取消理由通知書において通知した取消理由は、上記1(1)の申立理由1と同じ内容の取消理由1である。 3 各文献の記載 (1)甲第1号証及び甲第1発明、甲第1発明2 ア 甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は当審において付与した。) 「【0009】 しかし、SOFCの動作温度に耐えるガラス等の無機シール材は弾性が小さい一方で、熱特性が金属の熱特性と大きく異なるものであり、上記シール材と金属との熱特性の違いから、シール材の厚さを厚くすると、温度変化により燃料電池スタック外部へのガス漏れ等の問題が生じ易くなる。 ・・・略・・・ 【0014】 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、上記フレーム領域のフレーム部から発電領域の発電部まで一体の構造からなる多孔質金属支持体について、多孔質金属支持体のフレーム部の厚さを、発電部の厚さよりも厚くすると共に、上記フレーム部の空隙率を上記発電部よりも小さくすることで、上記フレーム領域のシール材を薄くできることを見出し、本発明を完成するに至った。 ・・・略・・・ 【0018】 (第1の実施形態) 本発明の燃料電池スタックは、燃料電池単セルを複数積層したものである。 【0019】 本発明の燃料電池単セルの一例を図1に示す。 上記燃料電池単セルは、図1に示すように、フレーム部及び発電部を一体に成形した多孔質金属支持体上に、アノード極、固体電解質、及びカソード極を順に積層した発電ユニット2と、セパレータ3と、シール層4とを備える。 【0020】 上記多孔質支持体は発電ユニット2を支持するものであり、その一部に発電ユニット2が積層される。具体的には、図1中、点線で示す位置の裏面に発電ユニットが積層される。 ここで、本発明においては、積層方向に上記発電ユニット2が存在する範囲が発電領域Aであり、上記発電領域Aの外周の発電ユニット不存在範囲がフレーム領域Fである。 【0021】 上記セパレータ3は、上記発電ユニット2に対応する中央部分が、短辺方向の断面が波形状に形成され、この波形状は図1に示すように長辺方向に連続している。これにより、セパレータ3の波形状の凸部分が発電ユニット2又は多孔質金属支持体1に接触し、波形状における各凹部分に、上記発電ユニット2にガスを供給するガス流路Gが形成される。 【0022】 また、図1に示すように、多孔質金属支持体1とセパレータ3は、そのフレーム部に多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通するマニホールド部H1~H4を有する。 【0023】 多孔質金属支持体1のマニホールド部H1~H4の周縁部の適当な箇所には、面方向に開口する開口部14を有し、上記フレーム領域と上記発電領域との間でガスが流通する。 【0024】 図1中楕円で示す開口部14の拡大図を図2に示す。 多孔質金属支持体1の開口部14、すなわち、マニホールド部Hと発電部との間に、凹部15を複数設けることで、流通するガスを整流することができる。 【0025】 上記多孔質金属支持体1及び上記セパレータ3は、いずれもほぼ同じ縦横寸法を有する略長方形状であり、発電ユニット2を支持する多孔質金属支持体1とセパレータ3とを重ね合わせ、フレーム部の外周を溶接することで燃料電池単セルCを構成する。 【0026】 上記燃料電池単セルCを複数積層した状態では、一の燃料電池単セルのセパレータ3のフレーム部と、隣接する燃料電池単セルのフレーム部の縁部同士の間や、マニホールド部H1~H4の周囲にシール層4が設けられる。 【0027】 図1中のA-A’で切ったときの断面図を図3に示す。 図3中、21はアノード極、22は固体電解質層、23はカソード極、2は発電ユニット、1は多孔質金属支持体、3はセパレータ、4はシール層である。 【0028】 上記燃料電池単セルCは、図3に示すように、上記多孔質金属支持体1の一方の面に上記発電ユニット2が形成され、他方の面に上記セパレータ3が配置されて、上記発電ユニット2または上記多孔質金属支持体1と上記セパレータ3との間にガス流路Gが形成される。 ・・・略・・・ 【0037】 (セパレータ) 上記セパレータ3は、例えば、ステンレス鋼や、ニッケル(Ni)又はクロム(Cr)を主成分とする合金などの金属製の平板をプレス加工することで形成できる。 ・・・略・・・ 【0040】 本発明の燃料電池単セルCは、上記多孔質金属支持体1の厚さが発電部よりもフレーム部が厚く、かつ、上記多孔質金属支持体1の空隙率が発電部よりもフレーム部が小さいものである。 【0041】 多孔質金属支持体1のフレーム部が厚いことでフレーム部の空間が積層方向に狭くなり、シール層4を薄くしてシール層4の寸法変化を小さくすることができ、温度変化が激しい使用状況においても燃料電池スタックFC外部へのガス漏れを防止することができる。 【0043】 (多孔質金属支持体) 上記多孔質金属支持体は、発電ユニットをそのアノード極側から支持するものである。 【0044】 上記多孔質金属支持体1としては、金属粒子をプレス成形したものを使用できる。 上記金属粒子11としては、例えば、ステンレス鋼、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロムを含む合金などの金属粒子を挙げることができる。 【0045】 図4は多孔質金属支持体の発電部の断面図であり、図5は多孔質金属支持体のフレーム部の断面図である。図4、図5中の丸は金属粒子11であり、矢印はガスの流れを表す。 【0046】 多孔質金属支持体1のフレーム部の空隙率が発電部よりも小さいことで、発電部においては、図4中の矢印で示すように、金属粒子間の空隙によりガスの流通が確保され、ガス透過性を有する。 【0047】 一方、フレーム部においては、図5中の矢印で示すように、多孔質金属支持体内部のガス流通経路が金属粒子11によって分断され、上記フレーム部が厚いことと相俟って、ガス遮蔽性を有し、燃料電池スタック内部または外部へのリークを防止できる。 ・・・略・・・ 【0049】 多孔質金属支持体1のフレーム部の厚さは、発電ユニット2の厚さ等にもよるが発電部の厚さの1.5倍以上であることが好ましく、2倍~3倍であることが好ましい。 ・・・略・・・ 【0053】 上記多孔質金属支持体1は、金属粉末等をプレス成形により作製することができ、発電部からフレーム部まで一体成型することで、サポート部材(発電部)とフレーム部材との接合工程を省くことができる。 さらに、接合時の加熱等によるサポート部材及びフレーム部材の反りの発生や、接合部からのガス漏れが防止されて信頼性が向上する。 【0054】 上記多孔質金属支持体の作製方法について説明する。 上記多孔質金属支持体1は、まず、多孔質金属支持体1のフレーム部となる領域が、図6中点線で示すように所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型する。 上記多孔質体のフレーム部となる領域の厚さは、上記多孔質金属支持体1のフレーム部の厚さと空隙率から適宜設定する。 【0055】 そして、上記多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型し、所望の厚さまで圧縮して空隙率を小さくすることで、発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい多孔質金属支持体1を成型できる。」 【図1】 [図:0001432063000001.jpg] 【図3】 [図:0001432063000002.jpg] 【図6】 [図:0001432063000003.jpg] イ 甲第1発明について 上記アの記載によれば、甲第1号証には第1の実施形態に関連して以下の事項が記載されている。 (ア)段落【0018】によれば、複数積層することで「燃料電池スタック」を構築する「燃料電池単セル」について記載されているといえる。 (イ)段落【0019】及び【0020】、図1によれば、「燃料電池単セル」は「発電ユニット2を支持する」「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」を有している。 (ウ)段落【0019】によれば、「多孔質金属支持体1」は「フレーム部と発電部を一体に成形した」ものである。 そして、段落【0046】によれば、「多孔質金属支持体1」の「発電部」は、「金属粒子間の空隙によりガスの流通が確保され、ガス透過性を有する」といえ、また、段落【0040】、【0054】及び【0055】、図3、図6によれば、「多孔質金属支持体1」は、その厚さが「発電部よりもフレーム部が厚い」ものである。 (エ)段落【0025】によれば、「多孔質金属支持体1」及び「セパレータ3」は、「重ね合わ」され、「フレーム部の外周を溶接することで燃料電池単セルCを構成」している。 (オ)図3によれば、「セパレータ3」における「発電領域A」において凹部を形成していることが見て取れ、また、図1及び図3によれば、「セパレータ3」の「フレーム領域F」は「多孔質金属支持体1」に直接当接し平板状であることは明らかである。また、段落【0020】によれば、「フレーム領域F」は、「発電領域A」の外周である。 (カ)図1及び図3によれば、「フレーム領域F」において「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」が当接し、「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」の間のフレーム領域Fに囲まれた領域「発電領域A」に空間(以下、「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間」という。)が形成されていることが明らかである。 (キ)段落【0022】によれば、「多孔質金属支持体1とセパレータ3は、そのフレーム部に多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通するマニホールド部H1~H4を有する」ものである。また、図1によれば、マニホールド部H1~H4は、「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間」と隣り合って連通していることが見て取れる。 (ク)段落【0024】に「マニホールド部Hと発電部との間に、凹部15を複数設けることで、流通するガスを整流する」と記載され、また図1を見れば「凹部15」は「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間」に設けられていることが明らかである。したがって、「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間」は、マニホールド部Hと発電部との間において流通するガスを整流する「凹部15」を有しているといえる。 以上から、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲第1発明」という。)が記載されていると認められる。 「発電ユニット2を支持する多孔質金属支持体1と、セパレータ3とを有し、 多孔質金属支持体1の発電部は、金属粒子間の空隙によりガスの流通が確保され、ガス透過性を有しており、 多孔質金属支持体1は、その厚さが発電部よりもフレーム部が厚いものであり、 多孔質金属支持体1及びセパレータ3は、重ね合わされ、フレーム部の外周を溶接することで燃料電池単セルを構成し、 セパレータ3は発電領域Aにおいて凹部を形成し、発電領域Aの外周であるフレーム領域Fは多孔質金属支持体に当接し、平板状であり、 フレーム領域Fにおいて多孔質金属支持体1とセパレータ3が当接し、多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間が形成され、 多孔質金属支持体1とセパレータ3は、そのフレーム部に多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通するマニホールド部H1~H4を有し、マニホールド部H1~H4は、多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間と隣り合って連通し、 多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間に、マニホールド部Hと発電部との間において流通するガスを整流する凹部15を有している、 複数積層することで燃料電池スタックを構成する燃料電池単セル。」 ウ 甲第1発明2について 上記アの記載によれば、甲第1号証には第1の実施形態に関連して以下の事項が記載されている。 (ア)段落【0037】によれば、「金属製の平板をプレス加工することで」「セパレータ3」を「形成」することが記載されている。 (イ)段落【0044】によれば、「多孔質金属支持体1」は「金属粒子をプレス成形したもの」であり、段落【0054】及び【0055】によれば、「フレーム部となる領域が、」「所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型」し、その後、「多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型し」、「発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい多孔質金属支持体1を成型」することが記載されているといえる。 (ウ)段落【0022】によれば、「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」には、「フレーム部に多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通するマニホールド部H1~H4」を設けることが記載されているといえる。 (エ)段落【0021】によれば、「セパレータ3」は「発電ユニット2に対応する中央部分が、短辺方向の断面が波形状に形成され」るが、図1、図3及び段落【0020】によれば、「セパレータ3」は断面が波形状に形成される「発電領域A」において凹部を形成していることが見て取れる。また、「セパレータ2」の「発電領域A」の外周に存在する「フレーム領域F」は「多孔質金属支持体1」に直接当接し平板状であることは明らかである。 そうしてみると、「セパレータ3」の「発電領域A」の外周に存在する「フレーム領域F」は多孔質金属支持体に直接当接し平板状であるのに対し、「発電領域A」において凹部を形成する工程が存在するといえる。 (オ)段落【0025】によれば、「多孔質金属支持体1」及び「セパレータ3」が「重ね合わ」され、「フレーム部の外周を溶接することで燃料電池単セルCを構成」することが記載されている。また、図3も参照すれば、「フレーム領域F」において「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」が直接当接し、「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」の間に空間が形成されることが明らかである。 したがって、「フレーム領域F」において「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」を直接当接し、「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」の間に空間を形成することが記載されているといえる。 (カ)段落【0024】に「マニホールド部Hと発電部との間に、凹部15を複数設けることで、流通するガスを整流する」と記載されているから、マニホールド部Hと発電部との間において流通するガスを整流する「凹部15」を複数設けることが記載されているといえる。 以上から、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲第1発明2」という。)が記載されていると認められる。 「金属製の平板をプレス加工することでセパレータ3を形成し、 金属粒子をプレス成形した多孔質金属支持体1であって、フレーム部となる領域が、所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型し、さらに、多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型して、発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい多孔質金属支持体1を成型し、 多孔質金属支持体1とセパレータ3には、フレーム部に多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通するマニホールド部H1~H4を設け、 セパレータ3の発電領域Aの外周に存在するフレーム領域Fは多孔質金属支持体1に当接し平板状であるのに対し、発電領域Aにおいて凹部を形成し、 多孔質金属支持体1及びセパレータ3は、重ね合わされ、フレーム部の外周を溶接することで燃料電池単セルCを構成し、 フレーム領域Fにおいて多孔質金属支持体1とセパレータ3が直接当接し、多孔質金属支持体1とセパレータ3の間に空間を形成し、 マニホールド部Hと発電部との間に、流通するガスを整流する凹部15を複数設ける、燃料電池単セルCを製造する方法。」 4 当審の判断 (1)訂正後の請求項に係る発明 本件訂正請求により訂正された本件発明1及び21は、上記「第3」で示したとおりのものである。 (2)本件発明1についての対比・判断 ア 本件発明1を甲第1発明と対比する。 (ア)甲第1発明の「セパレータ3」は、本件発明1の「セパレータ板」に相当する。 本件発明1の「電池化学物質層」は発電を行う層状の構成であることは明らかであるから、甲第1発明の「発電ユニット2」は、本件発明1の「電池化学物質層」に相当する。 すると、甲第1発明の「発電ユニット2を支持する多孔質金属支持体1」は、本件発明1の「電池化学物質層を保持している金属支持板」に相当するといえる。 その一方、甲第1発明の「多孔質金属支持体1」は「その厚さが発電部よりフレーム部が厚いものであ」るから、本件発明1の「実質的に均一の材料厚さを有する」ものではない点で相違する。 (イ)甲第1発明の「多孔質金属支持体1の発電部」は、金属粒子間の空隙によりガスの流通が確保され、ガス透過性を有しているから多孔質に形成されているといえるから、本件発明1の「多孔質領域」に相当する。 また、甲第1発明の「多孔質金属支持体1の発電部」は、発電ユニット2を設ける領域であるから、甲第1発明は本件発明1の「前記電池化学物質層は、前記多孔質領域上に設けられ」る構成を有しているといえる。 (ウ)甲第1発明の「燃料電池単セル」は、「多孔質金属支持体1及びセパレータ3」が重ね合わされて形成されるから「ユニット」であるといえ、上記3(1)イ(ア)から、複数積層、すなわち繰り返し積層されて燃料電池スタックを構成するものであるから、本件発明1の「繰り返しユニットを形成する」「金属支持型固体酸化物燃料電池」「ユニット」に相当する。なお、本件発明1の「金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット」は、「金属支持型固体酸化物燃料電池ユニット又は電解質電池ユニット」の意に解されることは明らかである。 したがって、甲第1発明は、本件発明1の「前記セパレータ板及び前記金属支持板は互いに重なり合って、繰り返しユニットを形成する、金属支持型固体酸化物燃料電池」「ユニット」を有している。 (エ)甲第1発明において、「セパレータ3」は「発電領域A」において凹部を形成し、「発電領域A」の外周である「フレーム領域F」は平板状であるからフランジ形状といえる。したがって、甲第1発明の「セパレータ3」の「フレーム領域F」は本件発明1の「凹状形状を形成するフランジ付き外周特徴部」に相当する。 そうしてみると、甲第1発明の「セパレータ3」に係る当該構成は本件発明1の「前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの少なくとも一方は、凹状形状を形成するフランジ付き外周特徴部を備え」る構成に含まれる。 (オ)甲第1発明において、「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」が当接して形成される「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間」は、本件発明1の「前記セパレータ板と前記金属支持板との間」の「流体容積部」に相当する。 したがって、甲第1発明は、本件発明1の「前記セパレータ板及び前記金属支持板は、前記フランジ付き外周特徴部にて直接当接されて、前記セパレータ板と前記金属支持板との間に流体容積部を形成」する構成を有する。 (カ)甲第1発明の「マニホールド部H1~H4」は「多孔質金属支持体1」と「セパレータ3」の「フレーム部」に設けられるから、本件発明1の「前記フランジ付き外周特徴部内の前記セパレータ板及び前記金属支持板のそれぞれに設けられ」る「少なくとも1つの流体ポート」に相当し、甲第1発明の「マニホールド部H1~H4」が「フレーム部」において「多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通」し、「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間に形成される空間と隣り合って連通」する構成が、本件発明1の「それぞれの前記流体ポートは、 前記セパレータ板及び前記金属支持板の重なり合い方向に前記流体容積部と整列して連通」する構成に相当する。 (キ)甲第1発明の「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間に形成される空間」が有している「凹部15」は、「マニホールド部Hと発電部との間において流通するガスを整流」しており、これは、当該凹部15をガスが通過し、ガスの流路を規定することを意味する。したがって、甲第1発明の「凹部15」は、本件発明1において「流体容積部」が有する「前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部」に相当する。 イ 以上のことから、本件発明1と甲第1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「 セパレータ板と、 電池化学物質層を保持している金属支持板と、 多孔質領域と、 を備え、 前記電池化学物質層は、前記多孔質領域上に設けられ、 前記セパレータ板及び前記金属支持板は互いに重なり合って、繰り返しユニットを形成する、金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニットであって、 前記セパレータ板及び前記金属支持板のうちの少なくとも一方は、凹状形状を形成するフランジ付き外周特徴部を備え、 前記セパレータ板及び前記金属支持板は、前記フランジ付き外周特徴部にて直接当接されて、前記セパレータ板と前記金属支持板との間に流体容積部を形成し、 少なくとも1つの流体ポートが、前記フランジ付き外周特徴部内の前記セパレータ板及び前記金属支持板のそれぞれに設けられ、それぞれの前記流体ポートは、前記セパレータ板及び前記金属支持板の重なり合い方向に前記流体容積部と整列して連通し、 前記流体容積部は、前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部を備える、金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニット。」 <相違点> 相違点1 「金属支持板」について、本件発明1は「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板であって」と特定されているのに対し、甲第1発明は「その厚さが発電部よりもフレーム部が厚い」ものである点。 ウ すると、本件発明1と甲第1発明とは、上記相違点1において相違するから、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。 エ 特許異議申立人の意見書における主張について (ア)特許異議申立人は、「訂正された本件発明1では金属支持板そのものの材料厚さが実質的に均一であることを特定しているだけであり、その金属支持板が備えるフランジ付き外周特徴部の形状及び厚さは何ら特定されて」おらず、「甲第3号証(特表2011-530141号)の図3-Aには、実質的に均一の材料厚さを有する金属シートを用いつつインターコネクタの周縁部(第2の側の突出シール表面206)、即ち、フランジ部分を厚くすることが記載されており、金属支持板そのものの材料厚さが実質的に均―であることを特定するだけでは、その金属支持板が備えるフランジ付き外周特徴部の形状及び厚さまで特定される訳ではないことは明らかである」から、「訂正された本件発明1は甲第1号証に記載の発明と実質的な差異が認められない」と主張(意見書 第2頁19行~第3頁21行)する。 (イ)また、特許異議申立人は、「金属支持板の厚さは当業者が適宜選択する事項であり、引用文献に記載の発明との間の実質的な相違点にはならない。」とも主張(意見書 第3頁22~23行)する。 そこで、上記主張について検討する。 本件発明1において、「実質的に均―の材料厚さを有する金属支持板」が「凹部形状を形成するフランジ付き外周特徴部」を備える場合に、対応する甲第1発明の「多孔質金属支持体1」は、「多孔質金属支持体1」そのものの厚さが「発電部」と「フレーム部」とで異なるものであることから、甲第1発明と本件発明1とは、フランジ付き外周特徴部の形状及び厚さに関わらず、金属支持板(多孔質金属支持体1)自体の「材料厚さ」(板厚)において実質的に相違する。 そして、甲第1号証は「シール材の厚さを厚くすると、温度変化により燃料電池スタック外部へのガス漏れ等の問題が生じやすくなる」(段落【0009】参照。)という課題を解決するために、「上記フレーム領域のフレーム部から発電領域の発電部まで一体の構造からなる多孔質金属支持体について、多孔質金属支持体のフレーム部の厚さを、発電部の厚さよりも厚くすると共に、上記フレーム部の空隙率を上記発電部よりも小さくすることで、上記フレーム領域のシール材を薄くできることを見出し、本発明を完成するに至った」(段落【0014】参照。)ものであるから、甲第1発明において、「多孔質金属支持体」の厚さを、フレーム部と発電部とで異ならせずに均一とすることは、甲第1号証の目的と相反するものである。 すると、甲第1発明において、「多孔質金属支持体」の厚さを均一とすることが当業者が適宜選択する事項であるともいえない。 よって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (3)本件発明21についての対比・判断 ア 本件発明21を甲第1発明2と対比する。 (ア)甲第1発明2の「セパレータ3」が本件発明21の「セパレータ板」に相当し、甲第1発明2の「金属製の平板をプレス加工することでセパレータ3を形成」することが、本件発明21の「セパレータ板を用意するステップ」に相当する。 (イ)甲第1発明2の「多孔質金属支持体1」が本件発明21の「金属支持板」に対応し、甲第1発明2の「フレーム部となる領域が、所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型し、さらに、多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型して」「多孔質金属支持体1を成型」することが、本件発明21の「金属支持板を用意するステップ」である点で一致する。 その一方、甲第1発明2の「多孔質金属支持体1」は、「金属粒子をプレス成形した多孔質金属支持体1であって、フレーム部となる領域が、所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型し、さらに、多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型して、発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい」ものであるから、本件発明21の「実質的に均一の材料厚さを有する」ものではない点で相違する。 (ウ)甲第1発明2の「マニホールド部H1~H4」が本件発明21の「流体ポート」に相当するから、甲第1発明2の「多孔質金属支持体1とセパレータ3」において、「フレーム部に多孔質金属支持体1及びセパレータ3を積層方向に連通するマニホールド部H1~H4を設け」ることは、本件発明21の「前記セパレータ板及び前記金属支持板のそれぞれに、少なくとも一つの流体ポートを設けるステップ」に相当する。 (エ)甲第1発明2において、「セパレータ3の発電領域Aの外周に存在するフレーム領域Fは」「平板状であるのに対し、発電領域Aにおいて凹部を形成」しているから、フランジ形状を成しているといえる。したがって、甲第1発明2の「フレーム領域F」は、本件発明21の「フランジ付き外周特徴部」に相当する。そして、甲第1発明2は、セパレータ3の発電領域Aにおいて凹部を形成していることから、本件発明21の「フランジ付き外周特徴部を形成するために」「前記セパレータ板」「を加工するステップであって、」「前記セパレータ板に凹状形状を形成することを含む、加工するステップ」を有しているといえる。 したがって、甲第1発明2は、本件発明21の「フランジ付き外周特徴部を形成するために前記金属支持板及び前記セパレータ板のうちの少なくとも一方を加工するステップであって、前記金属支持板及び/又は前記セパレータ板に凹状形状を形成することを含む、加工するステップ」に含まれるステップを有しているといえる。 (オ)甲第1発明2では、「多孔質金属支持体1及びセパレータ3は、重ね合わされ、フレーム部の外周を溶接することで燃料電池単セルCを構成し」ている。したがって、「燃料電池単セルC」は多孔質金属支持体1及びセパレータ3が重ね合わされて形成されるユニットということができ、また、段落【0018】や図3から見て取れるように、当該ユニットは複数積層、すなわち繰り返し積層されることから繰り返しユニットということもできる。 したがって、甲第1発明2は、本件発明21の「前記セパレータ板及び前記金属支持板を互いに重ね合わせて、繰り返しユニットを形成するステップ」を有しているといえる。 (カ)甲第1発明2では、「フレーム領域Fにおいて多孔質金属支持体1とセパレータ3が直接当接し」ていることから、製造する上で、フレーム領域Fにおいて多孔質金属支持体1とセパレータ3を直接当接させる工程が存在することは明らかである。そして、フレーム領域Fにおいて多孔質金属支持体1とセパレータ3が直接当接することにより、フレーム領域Fに囲まれる発電領域Aにおいて、本件発明21の「流体容積部」に相当する「多孔質金属支持体1とセパレータ3の間の空間」が形成されることになる。 したがって、甲第1発明2は、本件発明21の「前記フランジ付き外周特徴部にて前記セパレータ板及び前記金属支持板を直接当接させるステップであって、凹状形状を形成する前記フランジ付き外周特徴部は、それらの間に流体容積部を形成する、ステップ」を有しているといえる。 (キ)甲第1発明2の「マニホールド部Hと発電部との間」の「凹部15」は流通するガスを整流しており、これは、複数設けられる「凹部15」によりガスの通過が可能になっているともいうことができる。したがって、甲第1発明2の「凹部15」は、本件発明21の「前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部」に相当し、甲第1発明2は、本件発明21の「前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部を設けるステップ」を有しているといえる。 (ク)甲第1発明2の「燃料電池単セルCを製造する方法」は、本件発明21の「金属支持型固体酸化物燃料電池」「ユニットを製造する方法」に相当する。 イ 以上のことから、本件発明21と甲第1発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「 セパレータ板を用意するステップと、 金属支持板を用意するステップと、 前記セパレータ板及び前記金属支持板のそれぞれに、少なくとも一つの流体ポートを設けるステップと、 フランジ付き外周特徴部を形成するために前記金属支持板及び前記セパレータ板のうちの少なくとも一方を加工するステップであって、前記金属支持板及び/又は前記セパレータ板に凹状形状を形成することを含む、加工するステップと を含む、金属支持型固体酸化物燃料電池又は電解質電池ユニットを製造する方法であって、 前記セパレータ板及び前記金属支持板を互いに重ね合わせて、繰り返しユニットを形成するステップと、 前記フランジ付き外周特徴部にて前記セパレータ板及び前記金属支持板を直接当接させるステップであって、凹状形状を形成する前記フランジ付き外周特徴部は、それらの間に流体容積部を形成する、ステップと、 前記流体ポートから前記流体容積部への流体の通過を可能にするための流体通路を画定する特徴部を設けるステップと、 をさらに含む、方法。」 <相違点> 相違点2 「金属支持板を用意するステップ」において、本件発明21は「金属支持板」が「実質的に均一の材料厚さを有する」と特定されているのに対し、甲第1発明は「金属粒子をプレス成形した多孔質金属支持体1であって、フレーム部となる領域が、所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型し、さらに、多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型して、発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい」ものである点。 ウ すると、本件発明21と甲第1発明2とは、上記相違点2で相違するから、本件発明21は、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。 エ 特許異議申立人の意見書における主張について (ア)特許異議申立人は、「訂正された本件発明21では、金属支持板を加工するステップが行われる前の金属支持板の材料厚さを特定しているだけであり、「フランジ付き外周特徴部を形成するために前記金属支持板を加工するステップであって、前記金属支持板に凹状形状を形成することを含む、加工するステップ」が施された後の金属支持板の形状及び厚さ、並びに、フランジ付き外周特徴部の形状及び厚さは何ら特定されて」おらず、「甲第3号証(特表2011-530141号)の図3-Aには、実質的に均一の材料厚さを有する金属シートを用いつつインターコネクタの周縁部(第2の側の突出シール表面206)、即ち、フランジ部分を厚くすることが記載されており、金属支持板そのものの材料厚さが実質的に均―であることを特定するだけでは、その金属支持板が備えるフランジ付き外周特徴部の形状及び厚さまで特定される訳ではないことは明らかである」から、「訂正された本件発明21は甲第1号証に記載の発明と実質的な差異が認められない」と主張(意見書 第4頁13行~第5頁13行)する。 (イ)また、特許異議申立人は、「加工するステップが行われる前の金属支持板の厚さは当業者が適宜選択する事項であり、引用文献に記載の発明との間の実質的な相違点にはならない。」とも主張(意見書 第5頁14~16行)する。 そこで、上記主張について検討する。 甲第1発明2において「多孔質金属支持体1」は、「フレーム部となる領域が、所望の厚さよりも厚く、発電部となる領域が所望の厚さを有する空隙率が均一な多孔質体をプレス成型し」、「多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型して、発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい多孔質金属支持体1を成形」するものである。 すると、甲第1発明2は、「多孔質金属支持体1」は、当初から「発電部」よりも「フレーム部」の厚さが厚いものであるから、本件発明21と甲第1発明2とは、金属支持板(多孔質金属支持体1)自体の「材料厚さ」(板厚)において実質的に相違する。 そして、甲第1発明2において、「多孔質体のフレーム部となる領域のみに圧力をかけてプレス成型して、発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい多孔質金属支持体1を成形」するのは、「発電部」において、「金属粒子間の空隙によりガスの流通が確保され、ガス透過性を有」し、「フレーム部」において、「多孔質金属支持体内部のガス流通経路が金属粒子11によって分断され」「ガス遮蔽性を有し、燃料電池スタック内部または外部へのリークを防止できる」「多孔質金属支持板1」を得る(段落【0046】及び【0047】参照。)ためであるところ、「実質的に均一の材料厚さ」の多孔質体のフレーム部をプレス成形し加工しても、「発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい」金属板とはならないため、その厚さを均一とすることが当業者が適宜選択する事項であるともいえない。 よって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 5 小括 以上から、本件発明1と甲第1発明とは相違点1で相違し、本件発明21と甲第1発明2とは相違点2で相違するから、本件発明1及び本件発明21は、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。 よって、取消理由通知に記載した取消理由により、本件発明を取り消すことはできない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許異議申立理由の概要 申立書の記載からみて、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要は、上記「第4 1(2)」に記載したとおりである。 2 甲第1号証と甲第1発明及び甲第1発明2 甲第1号証及び甲第1発明、甲第1発明2は、上記「第4 3」で示したとおりものである。 3 当審の判断 (1)本件発明1についての対比・判断 ア 本件発明1と甲第1発明との一致点、相違点は、上記「第4 4(2)イ」で示したとおりのものである。 イ 相違点1について検討する。 甲第1号証には「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板」について記載も示唆もされていない。 そして、上記「第4 4(2)エ」で検討したとおり、甲第1発明において「多孔質金属支持体」の厚さをフレーム部と発電部とで異ならせずに均一とすることは、甲第1号証の目的と相反するものであるから、相違点1に係る構成を採用する動機があるとはいえない。 すると、本件発明1は、甲第1発明から当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 (2)特許異議申立人の意見書における主張について ア 特許異議申立人は、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板とセパレータとを直接当接させること。」は技術常識であるから、甲第1号証に記載された発明に基いて、本件発明1は当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張(意見書第3頁24行~第4頁11行)している。 イ しかしながら、上記「第4 4(2)エ」で検討したとおり、甲第1発明において、多孔質金属支持体の厚さをフレーム部と発電部とで異ならせずに均一とすることは、甲第1号証の目的と相反するものであるから、たとえ「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板とセパレータとを直接当接させること。」が技術常識であったとしても、かかる技術常識を甲第1発明に適用する動機はなく、むしろ阻害要因があるといえる。 よって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (2)本件発明21についての対比・判断 ア 本件発明21と甲第1発明2との一致点、相違点は、上記「第4 4(3)イ」で示したとおりのものである。 イ 相違点2について検討する。 甲第1号証には「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板」について記載も示唆もされていない。 そして、上記「第4 4(3)エ」で検討したとおり、甲第1発明2において「実質的に均一の材料厚さ」の多孔質体を加工しても、「発電部よりもフレーム部の厚さが厚く、かつ、発電部よりもフレーム部の空隙率が小さい」金属板とはならないため、相違点2に係る構成を採用する動機があるとはいえない。 すると、本件発明21は、甲第1発明2から当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 (2)特許異議申立人の意見書における主張について ア 特許異議申立人は、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板とセパレータとを直接当接させること。」は技術常識であるから、甲第1号証に記載された発明に基いて、本件発明21は当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張(第5頁17行~第6頁4行)している。 イ しかしながら、たとえ「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板とセパレータとを直接当接させること。」が技術常識であったとしても、そもそも甲第1発明2は、「金属支持板を用意するステップ」において、多孔質金属支持体1(金属支持板)が「実質的に均一の材料厚さを有する」ものではないから、甲第1発明2に技術常識を適用することはできない。 よって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 4 特許異議申立人のその他の主張について (1)特許異議申立人は、「金属支持板の表面が部分的にくぼんだ状態になっているのであれば、金属支持板は実質的に均一の材料厚さを有さないと理解できる」から、「「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板」が「凹状形状を形成するフランジ付き外周特徴部」を備えるとの記載は発明特定事項同士の関係が整合していない」ため、訂正された本件発明1及び21は明確ではない旨主張(意見書第1頁21行~第2頁16行)している。 そこで、上記主張について検討すると、そもそも「金属支持板」の外形形状とそれ自体の材料厚さ(板厚)とは直接関係しないものであり、また、本件特許明細書の段落【0087】~【0091】及び図9~17における「金属支持板14」の記載を参照すれば、表面が部分的にくぼんだ状態であり、かつ、実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板が記載されているから、「金属支持板の表面が部分的にくぼんだ状態になっているのであれば、金属支持板は実質的に均一の材料厚さを有さない」という主張には理由がない。 さらに、本件発明21については、「実質的に均一の材料厚さを有する金属支持板を用意するステップ」と「フランジ付き外周特徴部を形成するために前記金属支持板及び前記セパレータ板のうちの少なくとも一方を加工するステップであって、前記金属支持板及び/又は前記セパレータ板に凹状形状を形成することを含む、加工するステップ」とは別のステップであるから、特許異議申立人の主張は前提を欠くものでもある。 よって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 5 小括 以上から、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由により、本件発明を取り消すことはできない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1及び21に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1及び21に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700037

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