特許訂正審判
2025-390043
携帯電子機器
- 審判番号
- 2025-390043
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2010-217946
- 登録番号
- 5727742
- 請求日
- 2025年04月07日
- 審決日
- 2025年06月20日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京セラ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人キュリーズ
- 審判長/審判官
- 審判長 土居 仁士
- 審判官 寺谷 大亮
- 審判官 丸山 高政
- 分類
- P141 .841-Y (H04M) / P141 .851-Y (H04M) / P141 .856-Y (H04M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第5727742号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第5727742号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5727742号(以下「本件特許」という。)は、平成22年9月28日に出願され、平成27年4月10日に特許権の設定登録がされたものである。
その後、令和6年12月24日に訂正審判が請求されたところ、令和7年3月6日にその請求が取り下げられた。
そして、令和7年4月7日に本件訂正審判の請求がされ、同年4月24日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年5月23日に意見書及び手続補正書(方式)が提出された。
なお、本件訂正審判の請求に係る訂正を、以下「本件訂正」という。
第2 令和7年5月23日の手続補正書(方式)による手続補正の適否
令和7年5月23日の手続補正書(方式)による手続補正(以下「本件補正」という。)は、訂正事項4を削除するものであるから、審判請求書の要旨を変更するものではない。
よって、本件補正は、特許法131条の2第1項の規定に適合するから、これを認める。
第3 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第4 訂正の内容
前記第2とおり、本件補正は認められるから、本件訂正は、以下の訂正事項1~3からなるものである(下線は、訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「筐体と、前記筐体の表面に露出して外部からの接触入力を検出すると共に前記接触入力に応じた表示内容を表示するタッチパネル部と、前記タッチパネル部の表示内容を制御する制御部と、を備える携帯電子機器において、」
と記載されているのを、
「筐体と、前記筐体の表面に露出して外部からの接触入力を検出すると共に前記接触入力に応じた表示内容を表示するタッチパネル部と、前記タッチパネル部の表示内容を制御する制御部と、を備える携帯電子機器において、前記タッチパネル部は、音を出力する出力部と音を入力する入力部とが配置される前記筐体に配置され、」
に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~4も同様に訂正する。)。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「再度表示された前記一のメニューボタンに対する接触入力が前記タイマーの前記設定時間の満了前に検出されたときに、該一のメニューボタンに対応する機能を実行することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。」
と記載されているのを、
「再度表示された前記一のメニューボタンに対する接触入力が、前記タイマーの前記設定時間の満了前に検出されたときは該一のメニューボタンに対応する機能を実行し、前記タイマーの前記設定時間の満了前に検出されなかったときは前記一のメニューボタンを消去することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。」
に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に
「筐体と、前記筐体の表面に露出して外部からの接触入力を検出すると共に前記接触入力に応じた表示内容を表示するタッチパネル部と、前記タッチパネル部の表示内容を制御する制御部と、を備える携帯電子機器において、」
と記載されているのを、
「筐体と、前記筐体の表面に露出して外部からの接触入力を検出すると共に前記接触入力に応じた表示内容を表示するタッチパネル部と、前記タッチパネル部の表示内容を制御する制御部と、を備える携帯電子機器において、前記タッチパネル部は、音を出力する出力部と音を入力する入力部とが配置される前記筐体に配置され、」
に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。)。
第5 当審の判断
1 独立特許要件以外の訂正要件について
以下、訂正事項1~3が訂正要件を満たしているか否かについて検討する。なお、独立特許要件については、後記2においてまとめて検討する。
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に「前記タッチパネル部は、音を出力する出力部と音を入力する入力部とが配置される前記筐体に配置され」との事項を追加することで、「筐体」について「音を出力する出力部」及び「音を入力する入力部」が配置されるとの限定を付すとともに、「前記タッチパネル部」について該「筐体」に配置されるとの限定を付すものであるから、訂正事項1は、特許法126条1項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法126条6項の規定に適合する。
ウ 新規事項の追加の有無について
訂正事項1の「前記タッチパネル部は、音を出力する出力部と音を入力する入力部とが配置される前記筐体に配置され」との事項は、明細書の「この携帯電子機器1は、タッチパネル部2と、入力部3と、基板(図示省略)と、電源部5と、通信部6と、レシーバ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを備え、これらが筐体12に組み込まれて構成される(図1および図2参照)」(【0020】)、「レシーバ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。」(【0024】)との記載等に基づくものであるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項2に「前記タイマーの前記設定時間の満了前に検出されなかったときは前記一のメニューボタンを消去する」との事項を追加することで、訂正前の請求項2で特定されていなかった、「接触入力」が「前記タイマーの前記設定時間の満了前に検出」されなかったときの動作を特定するとともに、これに付随する訂正をするものであるから、訂正事項2は、特許法126条1項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法126条6項の規定に適合する。
ウ 新規事項の追加の有無について
訂正事項2の「再度表示された前記一のメニューボタンに対する接触入力が、・・・(略)・・・前記タイマーの前記設定時間の満了前に検出されなかったときは前記一のメニューボタンを消去する」との事項は、明細書の「接触入力にかかるメニューボタンcと確認ボタンgとが、例えば、同一のボタン(例えば、文字、図形、記号、画像など)であっても良い」(【0052】)、「主制御部10は、確認ボタンgに対する接触入力がタイマーBの設定時間の満了前に検出されなかったときに、この確認ボタンgを消去すると共にメニューボタンa~fをタッチパネル部2の第一位置に表示する(ステップST15の否定判定、ステップST01およびステップST04)(図3参照)」(【0069】)との記載等に基づくものであるから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項5に「前記タッチパネル部は、音を出力する出力部と音を入力する入力部とが配置される前記筐体に配置され」との事項を追加することで、「筐体」について、「音を出力する出力部」及び「音を入力する入力部」が配置されるとの限定を付すとともに、「前記タッチパネル部」について、該「筐体」に配置されるとの限定を付すものであるから、訂正事項3は、特許法126条1項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項3は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法126条6項の規定に適合する。
ウ 新規事項の追加の有無について
訂正事項3の「前記タッチパネル部は、音を出力する出力部と音を入力する入力部とが配置される前記筐体に配置され」との事項は、明細書の「この携帯電子機器1は、タッチパネル部2と、入力部3と、基板(図示省略)と、電源部5と、通信部6と、レシーバ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを備え、これらが筐体12に組み込まれて構成される(図1および図2参照)」(【0020】)、「レシーバ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。」(【0024】)との記載等に基づくものであるから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
2 独立特許要件について
訂正事項1~3は、特許法126条1項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項1~6に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなくてはならない。
そして、本件訂正後の請求項1~6に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。
よって、訂正事項1~3に係る訂正は、特許法126条7項の規定に適合する。
3 当審において通知した訂正拒絶理由について
(1)訂正拒絶理由の概要
当審において令和7年4月24日付けで通知した訂正拒絶理由の概要は、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条5項及び7項の規定に適合しないから、本件訂正は認められないというものである。
(2)訂正拒絶理由についての判断
前記第2のとおり、本件補正により、訂正事項4は削除されたので、前記(1)の訂正拒絶理由に理由はない。
第6 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法126条1項ただし書1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合する。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正は適正にされたものであるから、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
よって、結論のとおり審決する。
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