特許訂正審判
2025-390057
情報処理端末、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム
- 審判番号
- 2025-390057
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2024-071075
- 登録番号
- 7525968
- 請求日
- 2025年04月24日
- 審決日
- 2025年06月17日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ビーサイズ株式会社
- 【請求人代理人】大野 聖二
- 【請求人代理人】小林 英了
- 【請求人代理人】松野 知紘
- 審判長/審判官
- 審判長 丸山 高政
- 審判官 松原 徳久
- 審判官 衣鳩 文彦
- 分類
- P141 .851-Y (H04M) / P141 .853-Y (H04M) / P141 .857-Y (H04M) / P141 .854-Y (H04M) / P141 .855-Y (H04M) / P141 .856-Y (H04M) / 標準データ:手続:訂正 / 標準データ:41・851-Y (H04M) / 標準データ:41・853 / 標準データ:41・857 / 標準データ:41・854 / 標準データ:41・855 / 標準データ:41・856 / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
事件の表示
特許第7525968号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7525968号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2~9〕、〔12~14〕、〔18~21〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7525968号(以下「本件特許」という。)は、令和4年2月25日を国際出願日とする特願2023-577842号の一部を令和6年4月25日に新たな特許出願としたものであって、令和6年7月23日にその請求項1~23に係る特許権の設定登録がなされ、令和7年4月24日に本件訂正審判の請求がされたものである。
以下では、本件訂正審判による訂正を「本件訂正」という。
第2 請求の趣旨及び本件訂正の内容
審判請求書の「5 請求の趣旨」には、「特許第7525968号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~7、8、9、12~13、14,18~19、20、21について訂正することを求める。」と記載されているが、本件は訂正審判事件であるから、「本件訂正請求書」は、「本件審判請求書」のことであり、「…について訂正することを求める。」は、「…について訂正することを認める、との審決を求める。」のことであると解される。
よって、本件の請求の趣旨は次のとおりと認める。
「特許第7525968号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~7、8、9、12~13、14,18~19、20、21について訂正することを認める、との審決を求める。」
また、その訂正の内容は、以下の1~6に示す訂正事項1~6のとおりである。
1 訂正事項1
請求項2の冒頭に「マイクと、前記マイクに入力された音声を送信する送信部と、を備え、」を追加し、
「受信される」とあるのを「受信され、前記音声データを再生したことを示す情報が前記見守り者用端末に送信される」とし、
末尾に「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く。)」を追加する。
(請求項2を引用する請求項3~7、9も同様に訂正する。)
2 訂正事項2
請求項8の冒頭に「被見守り者によって携帯される被見守り者用端末の位置情報を見守り者用端末に送信するモニタリングシステムにおける被見守り者用端末であって、複数の選択肢から前記見守り者用端末のユーザによって選択された報知パターンを設定する設定指示と、前記見守り者用端末からの音声データと、を受信する受信部と、前記音声データを受信すると、前記設定指示に基づいて設定される報知パターンで、前記音声データを受信したことの報知を行う報知部と、前記音声データを再生するスピーカと、」を追加し、
「備える」とあるのを「備え、前記複数の選択肢のうちの1つは、着信音を鳴らさないことであり、前記音声データごとに、前記設定指示が受信される」とし、
「請求項1乃至7のいずれかに記載の」を削除する。
(請求項8を引用する請求項9も同様に訂正する。)
3 訂正事項3
請求項12に「受信し、」とあるのを「受信し、かつ、第2音声データを前記被見守り者用端末から受信し、」とし、
「送信する」とあるのを「送信し、かつ、前記第2音声データを前記見守り者用端末に送信し、前記被見守り者用端末によって前記第1音声データが再生されたことを示す情報を前記被見守り者用端末から受信して前記見守り者用端末に送信する」とし、
末尾に「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く)」を追加する。
(請求項12を引用する請求項13も同様に訂正する。)
4 訂正事項4
請求項14の冒頭に「被見守り者によって携帯される被見守り者用端末の位置情報を見守り者用端末に送信するモニタリングシステムにおけるサーバであって、第1音声データを前記見守り者用端末から受信する受信部と、複数の選択肢から前記見守り者用端末のユーザによって選択された報知パターンであって、前記第1音声データが前記被見守り者用端末によって受信された場合に、前記第1音声データの受信をどのような報知パターンで前記被見守り者用端末において報知するかを設定する設定指示と、前記第1音声データと、を前記被見守り者用端末に送信する送信部と、を備え、前記複数の選択肢のうちの1つは、着信音を鳴らさないことであり、」を追加し、
「前記受信部は、第2音声データ」とあるのを「前記受信部は、前記第1音声データごとに前記設定指示を前記見守り者用端末から受信し、かつ、第2音声データ」とし、
「前記送信部は、前記第2音声データ」とあるのを「前記送信部は、前記第1音声データごとに前記設定指示を前記被見守り者用端末に送信し、かつ、前記第2音声データ」とし、
「請求項10乃至13のいずれかに記載の」を削除する。
5 訂正事項5
請求項18の冒頭に「前記見守り者用端末を、前記被見守り者用端末からの第2音声データを受信し、かつ、前記被見守り者用端末によって前記第1音声データが再生されたことを示す情報を受信する受信部として機能させ、」を追加し、
末尾に「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く)」を追加する。
(請求項18を引用する請求項19及び21も同様に訂正する。)
6 訂正事項6
請求項20に「前記見守り者用端末を、」とあるのを「被見守り者によって携帯される被見守り者用端末の位置情報を見守り者用端末に送信するモニタリングシステムにおける見守り者用端末を、」とし、
それに引き続いて「前記見守り者用端末のユーザから音声入力を受け付ける第1受付部と、前記見守り者用端末のユーザによる複数の複数の選択肢から報知パターンの選択を受け付ける第2受付部と、前記音声入力に対応した第1音声データと、前記第1音声データが前記被見守り者用端末によって受信された場合に、前記選択された報知パターンで前記被見守り者用端末において報知することを設定する設定指示と、を前記被見守り者用端末に送信する送信部と、」を追加し、
「機能させ、」を「機能させ、前記複数の選択肢のうちの1つは、着信音を鳴らさないことであり、」とし、
「前記設定指示および前記第1音声データを送信する」とあるのを「前記設定指示および前記第1音声データを送信し、前記送信部は、前記第1音声データごとに前記設定指示を送信する」とし、
「請求項17乃至19のいずれかに記載の」を削除する。
(請求項20を引用する請求項21も同様に訂正する。)
第3 当審の判断
以下の1で、本件訂正が一群の請求項ごとにしたものか(特許法126条3項)を判断し、以下の2~7で、訂正事項1~6について、その目的が適法なものか(同条1項)、本件訂正に新規事項の追加がないか(同条5項)、本件訂正が特許請求の範囲の拡張・変更をするものではないか(同条6項)、及び、本件訂正が独立特許要件を満たすか(同条7項)をそれぞれ判断する。
1 一群の請求項について
(1)訂正前の請求項2~9について
訂正前の請求項3~9は、請求項2を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものであるから、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。
また、訂正前の請求項9は、請求項8を直接引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項8に連動して訂正されるものであり、訂正事項2による訂正の影響は、上記一群の請求項内に留まり、上記一群の請求項を左右しない。
(2)訂正前の請求項12~14について
訂正前の請求項13及び14は、請求項12を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項3によって記載が訂正される請求項12に連動して訂正されるものであるから、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。
(3)訂正前の請求項18~21について
訂正前の請求項19~21は、請求項18を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項5によって記載が訂正される請求項18に連動して訂正されるものであるから、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。
また、訂正前の請求項21は、請求項20を直接引用しているものであって、訂正事項6によって記載が訂正される請求項20に連動して訂正されるものであり、訂正事項6による訂正の影響は、上記一群の請求項内に留まり、上記一群の請求項を左右しない。
2 訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正が、特許法126条1項ただし書き、5項、6項及び7項の規定に適合するかについて、以下、判断する。
(1)訂正事項1に係る訂正の目的
訂正事項1に係る訂正は、請求項2の冒頭に「マイクと、前記マイクに入力された音声を送信する送信部と、を備え、」を追加し、「受信される」とあるのを「受信され、前記音声データを再生したことを示す情報が前記見守り者用端末に送信される」とし、末尾に「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く。)」を追加するものであって、いずれも「被見守り者用端末」を限定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法126条1項ただし書き1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認められる。
(2)訂正事項1に係る訂正による新規事項追加の有無
「マイクと、前記マイクに入力された音声を送信する送信部と、を備え、」の訂正については、訂正前の請求項8には、「マイクと、前記マイクに入力された音声を送信する送信部と、を備える、請求項1乃至7のいずれかに記載の被見守り者用端末」との記載があり、また、「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く。)」との訂正については、訂正前の請求項9には、「請求項1乃至8のいずれかに記載の被見守り者用端末(ただし、被見守り者用端末が携帯電話であるものと、…(略)…を除く)。」との記載がある。
また、「受信され、前記音声データを再生したことを示す情報が前記見守り者用端末に送信される」との訂正については、本件明細書には、「図8~図11は、第1ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される画面G1の一例を示す図である。以下、図8~図11を参照して、第1ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される画面G1の一例について説明する。」(【0052】)、「また、画面G1の右側には、第1ユーザ端末3から第2ユーザ端末4へ送信された音声データ(第1ユーザの音声ファイル)を示す表示枠13Aが送信された時刻13C(タイムスタンプの情報を利用)とともに表示される。また、表示枠13Aの近傍には音声データの報知に関する状態13D(例えば、第2ユーザ端末4で音声データを再生したか否かなど)が併記される。」(【0053】)、「第1ユーザ端末3と第2ユーザ端末4とがサーバ2(情報処理装置)を介さずに(例えばピアトゥピアなどの方式により)データ(例えば、音声データ)と、設定指示とを送受信するようにしてもよい。」(【0095】)、との記載があり、これらの記載から、第1ユーザ端末3から第2ユーザ端末4へ送信された音声データが第2ユーザ端末4で再生されたか否かの情報が、第2ユーザ端末4から第1ユーザ端末3に送信されることは明らかである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項の規定に適合すると認められる。
(3)訂正事項1に係る訂正による特許請求の範囲の拡張・変更の有無
訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法126条6項の規定に適合すると認められる。
(4)訂正事項1に係る訂正による独立特許要件について
訂正後の請求項2に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
また、訂正後の請求項2の記載を直接又は間接的に引用する請求項3~7、9の訂正についても同様である。
したがって、訂正事項1は、特許法126条7項の規定に適合する。
3 訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正が、特許法126条1項ただし書き、5項、6項及び7項の規定に適合するかについて、以下、判断する。
(1)訂正事項2に係る訂正の目的
訂正事項2に係る訂正のうち、請求項8の冒頭に「被見守り者によって携帯される被見守り者用端末の位置情報を見守り者用端末に送信するモニタリングシステムにおける被見守り者用端末であって、複数の選択肢から前記見守り者用端末のユーザによって選択された報知パターンを設定する設定指示と、前記見守り者用端末からの音声データと、を受信する受信部と、前記音声データを受信すると、前記設定指示に基づいて設定される報知パターンで、前記音声データを受信したことの報知を行う報知部と、前記音声データを再生するスピーカと、」を追加し、「備える」とあるのを「備え、前記複数の選択肢のうちの1つは、着信音を鳴らさないことであり、前記音声データごとに、前記設定指示が受信される」とするものについて、これらの追加された記載により特定される事項は、訂正前の請求項1及び2に記載された事項であり、訂正前の請求項2は訂正前の請求項1を引用するものである。
そして、訂正事項2に係る訂正は、さらに、訂正前の請求項8から「請求項1乃至7のいずれかに記載の」を削除するものであるから、訂正前の請求項8が訂正前の請求項1乃至7のいずれかを引用するものとしていた記載を、訂正前の請求項2のみを引用するように限定し、かつ、他の請求項の記載を引用しないものとする訂正である。
したがって、訂正事項2は、特許法126条1項ただし書き1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項を引用しないものとすること」を目的とするものと認められる。
(2)訂正事項2に係る訂正による新規事項追加の有無
前記(1)のとおり、訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項8が訂正前の請求項1乃至7のいずれかを引用するものとしていた記載を、訂正前の請求項2のみを引用するように限定し、かつ、他の請求項の記載を引用しないものとする訂正である。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項の規定に適合すると認められる。
(3)訂正事項2に係る訂正による特許請求の範囲の拡張・変更の有無
前記(1)のとおり、訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲を減縮する及び他の請求項の記載を引用しないものとするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法126条6項の規定に適合すると認められる。
(4)訂正事項2に係る訂正による独立特許要件について
訂正後の請求項8に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
また、訂正後の請求項8の記載を直接引用する請求項9の訂正についても同様である。
したがって、訂正事項2は、特許法126条7項の規定に適合する。
4 訂正事項3について
訂正事項3に係る訂正が、特許法126条1項ただし書き、5項、6項及び7項の規定に適合するかについて、以下、判断する。
(1)訂正事項3に係る訂正の目的
訂正事項3に係る訂正のうち、請求項12に「受信し、」とあるのを「受信し、かつ、第2音声データを前記被見守り者用端末から受信し、」とし、「送信する」とあるのを「送信し、かつ、前記第2音声データを前記見守り者用端末に送信し、前記被見守り者用端末によって前記第1音声データが再生されたことを示す情報を前記被見守り者用端末から受信して前記見守り者用端末に送信する」とするものについては、「サーバ」が備える「受信部」及び「送信部」を限定するものである。
また、訂正事項3に係る訂正のうち、請求項12の末尾に「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く)」を追加するものについては、「サーバ」における送受信の対象である「被見守り者用端末」を限定するものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認められる。
(2)訂正事項3に係る訂正による新規事項追加の有無
「受信し、かつ、第2音声データを前記被見守り者用端末から受信し、」及び「送信し、かつ、前記第2音声データを前記見守り者用端末に送信し」との訂正について、訂正前の請求項14には、「前記受信部は、第2音声データを前記被見守り者用端末から受信し、前記送信部は、前記第2音声データを前記見守り者用端末に送信する、請求項10乃至13のいずれかに記載のサーバ。」との記載があり、また、「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く)」との訂正について、訂正前の請求項9には、「請求項1乃至8のいずれかに記載の被見守り者用端末(ただし、被見守り者用端末が携帯電話であるものと、…(略)…を除く)。」との記載がある。
また、「前記被見守り者用端末によって前記第1音声データが再生されたことを示す情報を前記被見守り者用端末から受信して前記見守り者用端末に送信する」とする訂正について、本件明細書には、「図3は、サーバ2の機能ブロック図である。図3に示すように、サーバ2は、受信部201、送信部202、記憶装置制御部203などの機能を備える。」(【0017】)、「受信部201は、第1ユーザ端末3、第2ユーザ端末4などから送信されるデータ、例えば、音声データや設定指示などを受信する。」(【0018】)、「送信部202は、第1ユーザ端末3から受信したデータ、例えば、音声データや設定指示を第2ユーザ端末4へ送信する。また、送信部202は、第2ユーザ端末4から受信したデータ、例えば、音声データを第1ユーザ端末3へ送信する。」(【0019】)、「図8~図11は、第1ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される画面G1の一例を示す図である。以下、図8~図11を参照して、第1ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される画面G1の一例について説明する。」(【0052】)、「また、画面G1の右側には、第1ユーザ端末3から第2ユーザ端末4へ送信された音声データ(第1ユーザの音声ファイル)を示す表示枠13Aが送信された時刻13C(タイムスタンプの情報を利用)とともに表示される。また、表示枠13Aの近傍には音声データの報知に関する状態13D(例えば、第2ユーザ端末4で音声データを再生したか否かなど)が併記される。」(【0053】)、との記載があり、これらの記載から、第1ユーザ端末3から第2ユーザ端末4へ送信された音声データが第2ユーザ端末4で再生されたか否かの情報が、第2ユーザ端末4からサーバに送信され、サーバから第1ユーザ端末3に送信されることは明らかである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項の規定に適合すると認められる。
(3)訂正事項3に係る訂正による特許請求の範囲の拡張・変更の有無
訂正事項3に係る訂正は、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合すると認められる。
(4)訂正事項3に係る訂正による独立特許要件について
訂正後の請求項12に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
また、訂正後の請求項12の記載を直接引用する請求項13の訂正についても同様である。
したがって、訂正事項3は、特許法126条7項の規定に適合する。
5 訂正事項4について
訂正事項4に係る訂正が、特許法126条1項ただし書き、5項、6項及び7項の規定に適合するかについて、以下、判断する。
(1)訂正事項4に係る訂正の目的
訂正事項4に係る訂正のうち、請求項14の冒頭に「被見守り者によって携帯される被見守り者用端末の位置情報を見守り者用端末に送信するモニタリングシステムにおけるサーバであって、第1音声データを前記見守り者用端末から受信する受信部と、複数の選択肢から前記見守り者用端末のユーザによって選択された報知パターンであって、前記第1音声データが前記被見守り者用端末によって受信された場合に、前記第1音声データの受信をどのような報知パターンで前記被見守り者用端末において報知するかを設定する設定指示と、前記第1音声データと、を前記被見守り者用端末に送信する送信部と、を備え、前記複数の選択肢のうちの1つは、着信音を鳴らさないことであり、」を追加し、「前記受信部は、第2音声データ」とあるのを「前記受信部は、前記第1音声データごとに前記設定指示を前記見守り者用端末から受信し、かつ、第2音声データ」とし、「前記送信部は、前記第2音声データ」とあるのを「前記送信部は、前記第1音声データごとに前記設定指示を前記被見守り者用端末に送信し、かつ、前記第2音声データ」とするものについて、これらの追加された記載により特定される事項は、訂正前の請求項10及び12に記載された事項であり、訂正前の請求項12は訂正前の請求項11を引用し、訂正前の請求項11は訂正前の請求項10を引用するものである。(なお、請求項11に記載された事項は追加されていないが、訂正前の請求項12に、訂正前の請求項11の記載が実質的に含まれているため、追加されていないものと認められる。)
そして、訂正事項4に係る訂正は、さらに、訂正前の請求項14から「請求項10乃至13のいずれかに記載の」を削除するものであるから、訂正前の請求項14が訂正前の請求項10乃至13のいずれかを引用するものとしていた記載を、訂正前の請求項12のみを引用するように限定し、かつ、他の請求項の記載を引用しないものとする訂正である。
したがって、訂正事項4は、特許法126条1項ただし書き1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項を引用しないものとすること」を目的とするものと認められる。
また、訂正前の請求項12は、訂正前の請求項11を引用するものであるが、訂正事項4に係る訂正において、訂正前の請求項11の記載による訂正は行われていないが、これは、訂正前の請求項12に、訂正前の請求項11の記載が実質的に含まれているため、訂正事項4に係る訂正において、訂正前の請求項11の記載を追加してしまうと、かえって明瞭でなくなるために、訂正前の請求項11の記載による訂正を行っていないものといえるから、訂正事項4は、特許法126条1項ただし書き3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものと認められる。
(2)訂正事項4に係る訂正による新規事項追加の有無
前記(1)のとおり、訂正事項4に係る訂正は、訂正前の請求項14が訂正前の請求項10乃至13のいずれかを引用するものとしていた記載を、訂正前の請求項12のみを引用するように限定し、かつ、他の請求項の記載を引用しないものとする訂正である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項の規定に適合すると認められる。
(3)訂正事項4に係る訂正による特許請求の範囲の拡張・変更の有無
前記(1)のとおり、訂正事項4に係る訂正は、特許請求の範囲を減縮する、他の請求項の記載を引用しないものとする、明瞭でない記載を釈明するものである。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法126条6項の規定に適合すると認められる。
(4)訂正事項4に係る訂正による独立特許要件について
訂正後の請求項14に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項4は、特許法126条7項の規定に適合する。
6 訂正事項5について
訂正事項5に係る訂正が、特許法126条1項ただし書き、5項、6項及び7項の規定に適合するかについて、以下、判断する。
(1)訂正事項5に係る訂正の目的
訂正事項5に係る訂正のうち、請求項18の冒頭に「前記見守り者用端末を、前記被見守り者用端末からの第2音声データを受信し、かつ、前記被見守り者用端末によって前記第1音声データが再生されたことを示す情報を受信する受信部として機能させ、」を追加するものについては、「見守り者用端末」を限定するものである。
また、訂正事項5に係る訂正のうち、請求項18の末尾に「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く)」を追加するものについては、「見守り者用端末」における送受信の対象である「被見守り者用端末」を限定するものである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認められる。
(2)訂正事項5に係る訂正による新規事項追加の有無
「前記見守り者用端末を、前記被見守り者用端末からの第2音声データを受信し、」及び「受信部として機能させ、」との訂正について、訂正前の請求項20には、「前記見守り者用端末を、前記被見守り者端末からの第2音声データを受信する受信部と、…(略)…として機能させ、」との記載がある。
また、「前記見守り者用端末を、」「前記被見守り者用端末によって前記第1音声データが再生されたことを示す情報を受信する受信部として機能させ、」との訂正について、前記2(2)及び4(2)のとおり、第1ユーザ端末3から第2ユーザ端末4へ送信された音声データが第2ユーザ端末4で再生されたか否かの情報が、第1ユーザ端末3によって受信されることは明らかである。
また、「(ただし、前記被見守り者用端末が携帯電話であるものを除く)」との訂正について、訂正前の請求項9には、「請求項1乃至8のいずれかに記載の被見守り者用端末(ただし、被見守り者用端末が携帯電話であるものと、…(略)…を除く)。」との記載がある。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項の規定に適合すると認められる。
(3)訂正事項5に係る訂正による特許請求の範囲の拡張・変更の有無
訂正事項5に係る訂正は、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合すると認められる。
(4)訂正事項5に係る訂正による独立特許要件について
訂正後の請求項18に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
また、訂正後の請求項18の記載を直接又は間接的に引用する請求項19及び21の訂正についても同様である。
したがって、訂正事項5は、特許法126条7項の規定に適合する。
7 訂正事項6について
訂正事項6に係る訂正が、特許法126条1項ただし書き、5項、6項及び7項の規定に適合するかについて、以下、判断する。
(1)訂正事項6に係る訂正の目的
訂正事項6に係る訂正のうち、請求項20に「前記見守り者用端末を、」とあるのを「被見守り者によって携帯される被見守り者用端末の位置情報を見守り者用端末に送信するモニタリングシステムにおける見守り者用端末を、」とし、それに引き続いて「前記見守り者用端末のユーザから音声入力を受け付ける第1受付部と、前記見守り者用端末のユーザによる複数の複数の選択肢から報知パターンの選択を受け付ける第2受付部と、前記音声入力に対応した第1音声データと、前記第1音声データが前記被見守り者用端末によって受信された場合に、前記選択された報知パターンで前記被見守り者用端末において報知することを設定する設定指示と、を前記被見守り者用端末に送信する送信部と、」を追加し、「機能させ、」を「機能させ、前記複数の選択肢のうちの1つは、着信音を鳴らさないことであり、」とし、「前記設定指示および前記第1音声データを送信する」とあるのを「前記設定指示および前記第1音声データを送信し、前記送信部は、前記第1音声データごとに前記設定指示を送信する」とするものについて、これらの追加された記載により特定される事項は、訂正前の請求項17及び18に記載された事項であり、訂正前の請求項18は訂正前の請求項17を引用するものである。
そして、訂正事項6に係る訂正は、さらに、訂正前の請求項20から「請求項17乃至19のいずれかに記載の」を削除するものであるから、訂正前の請求項20が訂正前の請求項17乃至19のいずれかを引用するものとしていた記載を、訂正前の請求項18のみを引用するように限定し、かつ、他の請求項の記載を引用しないものとする訂正である。
したがって、訂正事項6は、特許法126条1項ただし書き1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項を引用しないものとすること」を目的とするものと認められる。
(2)訂正事項6に係る訂正による新規事項追加の有無
前記(1)のとおり、訂正事項6に係る訂正は、訂正前の請求項20が訂正前の請求項17乃至19のいずれかを引用するものとしていた記載を、訂正前の請求項18のみを引用するように限定し、かつ、他の請求項の記載を引用しないものとする訂正である。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項の規定に適合すると認められる。
(3)訂正事項6に係る訂正による特許請求の範囲の拡張・変更の有無
前記(1)のとおり、訂正事項6に係る訂正は、特許請求の範囲を減縮する及び他の請求項の記載を引用しないものとするものである。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法126条6項の規定に適合すると認められる。
(4)訂正事項6に係る訂正による独立特許要件について
訂正後の請求項20に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
また、訂正後の請求項20の記載を直接引用する請求項21の訂正についても同様である。
したがって、訂正事項6は、特許法126条7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおり、本件審判の請求に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き1号、3号及び4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-390057