特許無効審判
2024-800132
電気加熱式エアロゾル発生物品用の紙ラッパー
- 審判番号
- 2024-800132
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2017-545965外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6572318
- 請求日
- 2024年11月18日
- 審決日
- 2026年03月30日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】Future Technology 株式会社
- 【被請求人】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
- 【被請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【被請求人代理人】須田 洋之
- 【被請求人代理人】山崎 一夫
- 【被請求人代理人】近藤 直樹
- 【被請求人代理人】那須 威夫
- 【被請求人代理人】鈴木 信彦
- 【被請求人代理人】岩上 健
- 【被請求人代理人】豊島 匠二
- 分類
- P1123.851-XA (A24D) / P1123.853-XA (A24D) / P1123.857-XA (A24D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第1項、特許法第134条の2第3項、特許法第135条、特許法第169条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の特許第6572318号発明「電気加熱式エアロゾル発生物品用の紙ラッパー」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6572318号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8、10~16〕、9について訂正することを認める。
本件審判の請求を却下する。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨
1 請求の趣旨
特許第6572318号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項1に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。
2 答弁の趣旨
本審判の請求は成り立たない。
審判費用は請求人の負担とする。
との審決を求める。
第2 手続の経緯
1 本件特許の出願から設定登録までの経緯
本件特許の請求項1~9に係る発明についての、出願から本件無効審判請求の前までの手続の経緯の概略は、以下のとおりである。
平成28年 3月24日 出願(特願2017-545965号;パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年3月27日(EP)欧州特許庁)
平成29年 9月28日 手続補正書
平成31年 3月25日 手続補正書
令和 元年 5月31日付け 特許査定
同年 8月16日 設定登録
2 本無効審判事件の手続の経緯
本無効審判事件の手続の経緯の概略は、以下のとおりである。
令和 6年11月18日 審判請求書の提出
令和 7年 4月15日 審判事件答弁書
同年 7月 9日付け 審理事項通知
同年 8月 8日 口頭審理陳述要領書の提出(請求人)
同年 8月29日 口頭審理陳述要領書の提出(被請求人)
同年 9月29日 口頭審理
同年10月15日付け 審決の予告
令和 8年 1月19日 上申書(被請求人)及び訂正請求書の提出
第3 訂正請求について
1 訂正請求の趣旨
本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~16について訂正することを求める。
2 訂正の内容
令和8年1月19日付け訂正請求書に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである。なお、下線部は訂正箇所について被請求人が付したものを示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に、「前記紙ラッパーが、乾燥引張強さ試験に従い測定した時に15ミリメートル当たり少なくとも10ニュートンの乾燥引張強さを持つ、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。」と記載されているのを、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記紙ラッパーが、乾燥引張強さ試験に従い測定した時に15ミリメートル当たり少なくとも10ニュートンの乾燥引張強さを持つ、エアロゾル発生物品。」に訂正する(請求項2を直接又は間接的に引用する請求項10~16も同様に訂正する。)。
(3)訂正事項3
(訂正事項3-1)
特許請求の範囲の請求項3に、「前記紙ラッパーが、少なくとも前記エアロゾル発生基体の全長さを囲む、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記紙ラッパーが、少なくとも前記エアロゾル発生基体の全長さを囲む、エアロゾル発生物品。」に訂正する(請求項3を直接又は間接的に引用する請求項11~16も同様に訂正する。)。
(訂正事項3-2)
特許請求の範囲の請求項3に、「前記紙ラッパーが、少なくとも前記エアロゾル発生基体の全長さを囲む、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、引用する請求項2のうち請求項1を引用するものについて、「前記紙ラッパーが、少なくとも前記エアロゾル発生基体の全長さを囲む、請求項2に記載の電気加熱式エアロゾル発生物品。」と記載し、新たに請求項10とする(請求項10を直接又は間接的に引用する請求項11~16も同様に訂正する。)。
(4)訂正事項4
(訂正事項4-1)
特許請求の範囲の請求項4に、「前記少なくとも1つのエアロゾル形成体が少なくとも1つのポリオールを含み、前記少なくとも1つのポリオールがグリセロールを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記少なくとも1つのエアロゾル形成体が少なくとも1つのポリオールを含み、前記少なくとも1つのポリオールがグリセロールを含む、エアロゾル発生物品。」に訂正する(請求項4を直接又は間接的に引用する請求項12~16も同様に訂正する。)。
(訂正事項4-2)
特許請求の範囲の請求項4に、「前記少なくとも1つのエアロゾル形成体が少なくとも1つのポリオールを含み、前記少なくとも1つのポリオールがグリセロールを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、引用する請求項2のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項3のうち請求項1を引用するもの、及び、訂正事項3-2に伴い、請求項10を引用するものについて、「前記少なくとも1つのエアロゾル形成体が少なくとも1つのポリオールを含み、前記少なくとも1つのポリオールがグリセロールを含む、請求項2、3、及び10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」に訂正し、新たに請求項11とする(請求項11を直接又は間接的に引用する請求項12~16も同様に訂正する。)。
(5)訂正事項5
(訂正事項5-1)
特許請求の範囲の請求項5に、「前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~30重量パーセントの量の水を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~30重量パーセントの量の水を含む、エアロゾル発生物品。」に訂正する(請求項5を直接又は間接的に引用する請求項13~16も同様に訂正する。)。
(訂正事項5-2)
特許請求の範囲の請求項5に、「前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~30重量パーセントの量の水を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、引用する請求項2のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項3のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項4のうち請求項1を引用するもの、及び、訂正事項3-2、4-2に伴い、請求項10、11を引用するものについて、「前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~30重量パーセントの量の水を含む、請求項2~4、10、及び11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」に訂正し、新たに請求項12とする(請求項12を直接又は間接的に引用する請求項13~16も同様に訂正する。)。
(6)訂正事項6
(訂正事項6-1)
特許請求の範囲の請求項6に、「前記エアロゾル発生基体と前記マウスピースとの間に配置された中空管をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記エアロゾル発生基体と前記マウスピースとの間に配置された中空管をさらに備える、エアロゾル発生物品。」に訂正する(請求項6を直接又は間接的に引用する請求項15、16も同様に訂正する。)。
(訂正事項6-2)
特許請求の範囲の請求項6に、「前記エアロゾル発生基体と前記マウスピースとの間に配置された中空管をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、引用する請求項2のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項3のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項4のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項5のうち請求項1を引用するもの、及び、訂正事項3-2、4-2、5-2に伴い、請求項10、11、12を引用するものについて、「前記エアロゾル発生基体と前記マウスピースとの間に配置された中空管をさらに備える、請求項2~5、及び10~12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」に訂正し、新たに請求項13とする(請求項13を直接又は間接的に引用する請求項14~16も同様に訂正する。)。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に、「前記紙ラッパーが、前記中空管を囲む、請求項6に記載のエアロゾル発生物品。」とあるのを、訂正事項6-2に伴い、請求項13を引用するものについて、「前記紙ラッパーが、前記中空管を囲む、請求項13に記載のエアロゾル発生物品。」に訂正し、新たに請求項14とする(請求項14を直接又は間接的に引用する請求項15、16も同様に訂正する。)。
(8)訂正事項8
(訂正事項8-1)
特許請求の範囲の請求項8に、「前記エアロゾル発生基体が7ミリメートル~15ミリメートルの長さを持つ、請求項1~7のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記エアロゾル発生基体が7ミリメートル~15ミリメートルの長さを持つ、エアロゾル発生物品。」に訂正する(請求項8を引用する請求項16も同様に訂正する。)。
(訂正事項8-2)
特許請求の範囲の請求項8に、「前記エアロゾル発生基体が7ミリメートル~15ミリメートルの長さを持つ、請求項1~7のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、引用する請求項2のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項3のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項4のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項5のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項6のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項7のうち請求項1を引用するもの、及び、訂正事項3-2、4-2、5-2、6-2、7に伴い、請求項10、11、12、13、14を引用するものについて、「前記エアロゾル発生基体が7ミリメートル~15ミリメートルの長さを持つ、請求項2~7、及び10~14のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生物品。」に訂正し、新たに請求項15とする(請求項15を引用する請求項16も同様に訂正する。)。
(9)訂正事項9
(訂正事項9-1)
特許請求の範囲の請求項9に、「前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~20重量パーセントの量の水を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体の5~30重量パーセントの量の少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むものと、マウスピースと、前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を囲む紙ラッパーとを備え、前記紙ラッパーが、水およびグリセリン1:1混合物を使用して湿潤引張強さ試験に従い測定した時、15ミリメートル当たり少なくとも5ニュートンの湿潤引張強さを持ち、前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~20重量パーセントの量の水を含む、エアロゾル発生物品。」に訂正する。
(訂正事項9-2)
特許請求の範囲の請求項9に、「前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~20重量パーセントの量の水を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」とあるうち、引用する請求項2のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項3のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項4のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項5のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項6のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項7のうち請求項1を引用するもの、引用する請求項8のうち請求項1を引用するもの、及び、訂正事項3-2、4-2、5-2、6-2、7、8-2に伴い、請求項10、11、12、13、14、15を引用するものについて、「前記エアロゾル発生基体が前記エアロゾル発生基体の10~20重量パーセントの量の水を含む、請求項2~8、及び10~15のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。」に訂正し、新たに請求項16とする。
3 一群の請求項について
訂正前の請求項1~9について、請求項2~9は、それぞれ請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~9に対応する訂正後の請求項〔1~16〕は、特許法第134条の2第3項に規定する一群の請求項である。
4 訂正の適否についての判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載を削除するものであるから、当該訂正事項1は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること
訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 独立特許要件について
訂正事項1は、無効審判の請求の対象とされている請求項1に係る訂正であるので、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること
訂正事項2は、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 独立特許要件について
訂正事項2は、「明瞭でない記載の釈明」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、「明瞭でない記載の釈明」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正のみがされた請求項2に対しては、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3に係る訂正前の請求項3には、2つの引用関係(請求項1を引用する請求項3と、請求項1及び2を引用する請求項3の2つ。)を有するものが含まれる(以下、訂正事項3~9について、直接訂正前の請求項1を引用するものを「訂正事項○-1」(当審注:「○」は、3~9の数字を意味する。)とし、それ以外の引用関係については「訂正事項○-2」とする。また、合わせて、「訂正事項○」とする。)。
訂正事項3-1は、訂正前の請求項3が請求項1の記載を直接引用する記載であるところ、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
また、訂正事項3-2は、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、訂正事項3-1以外の場合の引用関係について、訂正後の請求項2を、さらに引用するように整理して従属形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
さらに、訂正事項3-2において、訂正前の請求項3の「エアロゾル発生物品」を「電気加熱式エアロゾル発生物品」とする訂正は、訂正前の請求項3が「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品」に関するものであり、訂正前の請求項3の「エアロゾル発生物品」についての構成を明確化して、その当然備えている条件を特許請求の範囲への加入するものといえるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である。
イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること
訂正事項3は、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 独立特許要件について
訂正事項3は、「明瞭でない記載の釈明」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、「明瞭でない記載の釈明」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正のみがされた請求項3及び請求項10に対しては、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(4)訂正事項4~9について
ア 訂正の目的
訂正事項4-1~9-1は、上記(3)アと同様の理由により、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
同様に、訂正事項4-2~9-2も、上記(3)アと同様の理由により、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
さらに、訂正事項8-2において、訂正前の請求項8の「エアロゾル発生物品」を「電気加熱式エアロゾル発生物品」とする訂正は、訂正前の請求項8が「電気的に加熱可能なエアロゾル発生物品」に関するものであり、訂正前の請求項8の「エアロゾル発生物品」についての構成を明確化して、その当然備えている条件を特許請求の範囲への加入するものといえるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である。
イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること
訂正事項4~9は、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4~9は、特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 独立特許要件について
訂正事項4~9は、「明瞭でない記載の釈明」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、「明瞭でない記載の釈明」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正のみがされた請求項4~9、11~16に対しては、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
5 別の訂正単位とする求め
被請求人は、訂正後の請求項2~6、及び8~16については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することの求めをしている。
6 訂正請求についてのむすび
以上のとおり、本件訂正は、訂正の要件を全て満たすものであるから、これを認める。
そして、訂正事項1~9により、上記3のとおり、一群の請求項である訂正前の請求項1~9に対応する訂正後の請求項〔1~16〕について本件訂正が請求されている一方で、上記5のとおり、請求項2~6、及び8~16に対しては当該請求項についての訂正が認められる場合には、上記一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することの求めがされているものである。
しかしながら、訂正後の請求項16が、請求項2~8、10~15を直接又は間接的に引用しているから、請求項2~6、8、10~16について別の訂正単位とする求めは認められない。
一方、訂正後の請求項9を別の訂正単位とする求めは、認める。
第4 本件審判の請求について
本件審判の請求は、請求項1を対象とするところ、上記のとおり、この請求項は、適法になされた上記本件訂正により削除されたため、当該請求の対象は存在しないこととなった。
したがって、本件審判の請求は、不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものというべきであるから、特許法第135条の規定によって却下すべきものである。
審判費用は、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-800132