審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許無効審判

2024-800126

疎水性プラグラップ

審判番号
2024-800126
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2016-545291外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
6238328
請求日
2024年11月11日
審決日
2025年11月10日
公報発行日
2026年03月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1123.537-YAA(A24D) / P1123.853-YAA(A24D) / P1123.854-YAA(A24D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第1項、特許法第36条第6項第2号、特許法第134条の2第3項、特許法第123条第1項第4号、特許法第135条、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第6238328号発明「疎水性プラグラップ」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第6238328号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔6~12〕について訂正することを認める。 特許第6238328号の請求項10~12に係る発明についての本件審判の請求は、成り立たない。 特許第6238328号の請求項6に係る発明についての本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨 1 請求の趣旨 特許第6238328号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項6及び10~12に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。 2 答弁の趣旨 次を結論とする審決を求める。 (1)訂正を認める。 (2)本件審判の請求は成り立たない。 (3)審判費用は請求人の負担とする。 第2 手続の経緯 本件特許に係る出願は、2015年(平成27年)10月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年10月20日、アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、その請求項1~15に係る発明について平成29年11月10日に特許権の設定登録がなされたものである。 本件特許無効審判の手続の経緯は、次のとおりである。 令和 6年11月11日 :審判請求書の提出 令和 7年 4月15日 :審判事件答弁書の及び訂正請求書の提出 同年 5月14日付け:手続補正指令書(方式) 同年 6月20日 :手続補正書の提出(被請求人) 同年 9月17日付け:書面審理通知 なお、請求人に対して、答弁書の副本を送付し、期間を指定して弁駁書を提出する機会を与えたが、弁駁書は提出されず、審判請求書で主張した無効理由について、請求人が争わないことが明らかとなったため、本件の審理は、職権により書面審理によるものとした。 第3 訂正請求について 1 訂正請求の趣旨 本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6~12について訂正することを求める。 2 訂正の内容 令和7年6月20日付けの手続補正書により補正された令和7年4月15日付けの訂正請求書に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである。なお、下線部は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項7に「請求項1~6のいずれか1項に記載の喫煙物品。」とあるのを、「請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品。」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項9に「請求項1~8のいずれか1項に記載の喫煙物品。」とあるのを、「請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項10に 「前記疎水性のプラグラップが、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセスによって製造される、請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙物品。」 とあるのを、 「請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙物品の製造方法であって、前記疎水性のプラグラップを、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセスによって製造する、前記方法。」 に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項11に「喫煙物品」とあるのを、「方法」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項12に「喫煙物品」とあるのを、「方法」に訂正する。 3 一群の請求項について 訂正前の請求項6~12について、請求項7~12は、請求項6を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項6に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項6~12は一群の請求項であり、これに対応する訂正後の請求項6~12は、特許法134条の2第3項に規定する一群の請求項である。 4 訂正の適否についての判断 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項6を削除する訂正であるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 また、訂正事項1は、無効審判の請求の対象とされている請求項6に係る訂正であるので、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条第7項の独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項7が請求項1~6の記載を引用するものであったのを、請求項6の記載を引用しないものとし、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減する訂正であり、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項2は、上述の訂正の内容からみて、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 また、訂正事項2に係る訂正後の請求項7に記載されている発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、訂正事項2は、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条第7項の独立特許要件に適合する。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項8を削除する訂正であるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項3は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 また、訂正事項3は、請求項の削除による訂正がされているので、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条第7項の独立特許要件は、課されない。 (4)訂正事項4について 訂正事項4は、訂正前の請求項9が請求項1~8の記載を引用するものであったのを、請求項6~8の記載を引用しないものとし、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減する訂正であり、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項4は、上述の訂正の内容からみて、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 また、訂正事項4に係る訂正後の請求項9に記載されている発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、訂正事項4は、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条第7項の独立特許要件に適合する。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 訂正前の請求項10の記載は、「・・・(略)・・・喫煙物品」であるから、訂正前の請求項10に係る発明の対象は、「喫煙物品」という「物」であることは明らかである。 そして、訂正前の請求項10には、「前記疎水性のプラグラップが、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセスによって製造される」と特定されていることから、喫煙物品が備える「プラグラップ」に関し、その「製造方法」が記載されている。 ここで、「物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において、当該特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号にいう『発明が明確であること』という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られると解するのが相当である」(最高裁第二小法廷判決平成27年6月5日(平成24年(受)第1204号))と判示されている。 そこで、上記判示事項を踏まえて検討すると、訂正前の請求項10の「前記疎水性のプラグラップが、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセスによって製造される」との喫煙物品が備える「プラグラップ」の製造方法が記載されているから、「発明が明確であること」という要件を欠くおそれがあるものである。 そして、訂正事項5は、「発明が明確であること」という要件を欠くおそれがある訂正前の請求項10を、「喫煙物品の製造方法」として、「前記疎水性のプラグラップが、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセスによって製造する」ことを特定する訂正後の請求項10に訂正するものであって、「発明が明確であること」という要件を満たすものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内であること 本件の願書に添付した明細書の段落【0045】には、訂正後の請求項10に係る発明に対応する「本発明によれば、疎水性のプラグラップは、脂肪族の酸ハロゲン化物(脂肪酸ハロゲン化物が好ましい)を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、随意にガス流を表面に適用して、塗布された脂肪酸ハロゲン化物の拡散を助ける工程と、表面を約120℃~約180℃の温度に保つ工程とを含むプロセスによって製造でき、ここで脂肪酸ハロゲン化物は、プラグラップ中のセルロース系材料のヒドロキシル基と原位置で反応し、その結果として脂肪酸エステルが形成される」ことが記載されているから、訂正事項5は、特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではないこと (ア)発明が解決しようとする課題とその解決手段について 願書に添付された明細書の段落【0007】~【0011】の記載から、訂正前の請求項10に係る発明の課題は、「喫煙物品を通過する主流煙もしくはエアロゾルや、フィルターセグメントで作動した風味源から放出される液体風味剤中にある水または化合物を簡単には吸収しない、プラグラップを含む喫煙物品を提供すること」であると認められる。 また、上記課題の解決手段は、願書に添付された明細書の上記段落及び段落【0045】の記載から、「疎水性のプラグラップ」について、「脂肪族の酸ハロゲン化物(脂肪酸ハロゲン化物が好ましい)を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と」、「表面を約120℃~約180℃の温度に保つ工程とを含むプロセスによって製造」し、「ここで脂肪酸ハロゲン化物は、プラグラップ中のセルロース系材料のヒドロキシル基と原位置で反応し、その結果として脂肪酸エステルが形成される」よう製造することであると認められる。 一方、訂正後の請求項10に係る発明も、願書に添付された明細書の段落【0007】~【0011】、【0045】の記載から、「喫煙物品を通過する主流煙もしくはエアロゾルや、フィルターセグメントで作動した風味源から放出される液体風味剤中にある水または化合物を簡単には吸収しない、プラグラップを含む喫煙物品を提供すること」が課題であると認められ、「疎水性のプラグラップ」について、「脂肪族の酸ハロゲン化物(脂肪酸ハロゲン化物が好ましい)を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と」、「表面を約120℃~約180℃の温度に保つ工程とを含むプロセスによって製造」し、「ここで脂肪酸ハロゲン化物は、プラグラップ中のセルロース系材料のヒドロキシル基と原位置で反応し、その結果として脂肪酸エステルが形成される」よう製造することが上記課題の解決手段であると認められる。 してみると、訂正前の請求項10に係る発明の課題と、訂正後の請求項10に係る発明の課題との間には、何ら変更はなく、訂正前の請求項10に係る発明の課題解決手段と、訂正後の請求項10に係る発明の課題解決手段との間にも、実質的な変更はない。 したがって、訂正後の請求項10に係る発明の技術的意義は、訂正前の請求項10に係る発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではない。 (イ)訂正による第三者の不測の不利益について 訂正前の請求項10に係る発明は、「脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、 ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、 その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセス」という製造方法(以下「特定の製造方法」という)により「疎水性のプラグラップ」という喫煙物品が備える物が特定された「物の発明」であるから、前記特定の製造方法により製造された「疎水性のプラグラップ」を備える喫煙物品に加え、前記特定の製造方法により製造された「疎水性のプラグラップ」と同一の構造・特性を有する物を備える喫煙物品も、特許発明の実施に含むものである。 一方、訂正後の請求項10に係る発明は、上記特定の製造方法により 「疎水性のプラグラップを」「製造する」「喫煙物品の製造方法」という方法が特定された「物を生産する方法の発明」であるから、前記特定の製造方法により製造された「疎水性のプラグラップ」を備える喫煙物品を、特許発明の実施に含むものである。 したがって、訂正後の請求項10に係る発明の「実施」に該当する行為は、訂正前の請求項10に係る発明の「実施」に該当する行為に全て含まれるので、第三者にとって不測の不利益が生じるおそれはないから、訂正前の請求項10に係る発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものではない。 (ウ)小括 訂正後の請求項10に係る発明の技術的意義は、訂正前の請求項10に係る発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではなく、訂正後の請求項10に係る発明の「実施」に該当する行為は、訂正前の請求項10に係る発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものとはいえないから、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 独立特許要件について 訂正事項5は、無効審判の請求の対象とされている請求項10に係る訂正であるので、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条第7項の独立特許要件は課されない。 (4)訂正事項6~7について 上記(3)アと同様の理由により、訂正事項6及び7は、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、上記(3)イ及びウと同様の理由により、訂正事項6及び7は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 また、訂正事項6及び7は、無効審判の請求の対象とされている請求項11及び12に係る訂正であるので、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条第7項の独立特許要件は課されない。 5 訂正請求についてのむすび 以上のとおり、本件訂正は、訂正の要件を全て満たすものであるから、これを認める。 第4 本件発明 前記第3のとおり、本件訂正の請求による請求項6~12の訂正は認められるから、本件特許の請求項1~15に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 喫煙物品であって、 たばこ基体と、 前記たばこ基体と端と端を接した関係で軸方向に整列させた濾過材料を含むフィルターセグメントと、 前記濾過材料の周りに配置されたプラグラップとを備え、前記プラグラップが前記プラグラップに共有結合された疎水性基によって疎水性である、喫煙物品。 【請求項2】 前記フィルターセグメントが液体風味剤を含む液体放出構成要素を含む、請求項1に記載の喫煙物品。 【請求項3】 前記プラグラップの少なくとも内部表面が少なくとも約100度の水接触角を持つ、請求項1~2のいずれか1項に記載の喫煙物品。 【請求項4】 前記プラグラップがセルロース系材料と、前記セルロース系材料に共有結合された疎水性基とを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の喫煙物品。 【請求項5】 前記プラグラップが約20~約100グラム/平方メートルの範囲の坪量を持ち、かつ前記疎水性基が約0.1~約3グラム/平方メートルの範囲の坪量を持つ、請求項1~4のいずれか1項に記載の喫煙物品。 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 前記疎水性プラグラップがセルロースの脂肪酸エステルを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品。 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 前記プラグラップが紙であり、20g/m2未満のCobb測定値(60秒)を示す、請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品。 【請求項10】 請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙物品の製造方法であって、前記疎水性のプラグラップを、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成するプロセスによって製造する、前記方法。 【請求項11】 前記プロセスが、ステアロイル酸クロリドまたはパルミチン酸クロリドを含む液体組成物を、約120℃~約180℃の温度でプラグラップ紙の少なくとも一つの表面に塗布する工程を含み、前記プラグラップ紙はセルロース系材料を含み、前記プラグラップ紙の前記セルロース系材料中のヒドロキシル基が、前記ステアロイル酸クロリドまたはパルミチン酸クロリドと原位置で反応する、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 前記プロセスが、前記液体組成物をプラグラップ紙の前記少なくとも一つの表面に約0.1~約3グラム毎平方メートルの範囲のレートで塗布して、プラグラップ紙の前記少なくとも一つの表面を疎水性にする工程を含む、請求項10~11のいずれか1項に記載の方法。 【請求項13】 疎水性プラグラップを作製する方法であって、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、前記表面を約120℃~約180℃の温度に維持する工程とを含み、ここで前記脂肪酸ハロゲン化物が、前記プラグラップ中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応して、その結果として脂肪酸エステルを形成する工程を含む、方法。 【請求項14】 前記プラグラップが、ステアロイル酸クロリドまたはパルミチン酸クロリドと原位置で反応するヒドロキシル基を含むセルロース系材料を含む紙である、請求項13に記載の方法。 【請求項15】 前記塗布工程が脂肪酸ハロゲン化物を含む前記液体組成物をプラグラップの少なくとも一つの表面に約0.1~約3グラム毎平方メートルの範囲のレートで印刷して、プラグラップ紙の前記少なくとも一つの表面を疎水性にする工程を含む、請求項13~14のいずれか1項に記載の方法。」 第5 請求人の主張する無効理由(明確性要件違反)の概要 本件特許の請求項6、10~12に係る発明は、物の発明であるが、その構成にその物の製造方法が記載されており明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができない 。 したがって、本件特許の請求項6、10~12に係る発明についての特許は、特許法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。 第6 当審の判断 本件訂正により、請求項10~12は、方法の発明を特定するものに訂正されたから、本件訂正後の請求項10~12に係る発明は明確である。 したがって、請求人の主張する無効理由は、理由がない。 なお、請求項6は、本件訂正により削除されたから、同請求項に係る発明についての本件審判の請求の対象は存在しないこととなった。 第7 むすび 以上のとおり、請求人の主張する無効理由は理由がなく、請求項10~12に係る発明ついての特許は、無効とすることはできない。 請求項6に係る発明についての本件審判の請求は、その対象が存在せず、不適法な請求であってその補正をすることができないものであるから、特許法135条の規定により却下する。 審判費用は、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-800126

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決240件(Future Technology 株式会社、フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム)
  • 2025-800017無効審判 / 2026-09-09
    同じ当事者: Future Technology 株式会社、フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
  • 2025-800021無効審判 / 2026-09-09
    同じ当事者: Future Technology 株式会社、フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
  • 2025-800061無効審判 / 2026-09-09
    同じ当事者: Future Technology 株式会社、フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
  • 2025-800127無効審判 / 2026-08-26
    同じ当事者: Future Technology 株式会社、フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
  • 2024-800167無効審判 / 2026-08-03 / 審決却下
    同じ当事者: Future Technology 株式会社、フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
同じ根拠条文の審決768件(民事訴訟法61条、特許法169条2項)
  • 2024-800141無効審判 / 2025-11-05 / 請求不成立疎水性プラグラップ
    共通の条文: 民事訴訟法61条、特許法169条2項
  • 2024-800151無効審判 / 2025-11-05 / 請求不成立疎水性ラッパー
    共通の条文: 民事訴訟法61条、特許法169条2項
  • 2024-800159無効審判 / 2025-11-05 / 請求不成立疎水性チッピングペーパー
    共通の条文: 民事訴訟法61条、特許法169条2項
  • 2024-800132無効審判 / 2026-03-30 / 訂正認容電気加熱式エアロゾル発生物品用の紙ラッパー
    共通の条文: 民事訴訟法61条、特許法169条2項
  • 2025-800084無効審判 / 2026-03-23 / 請求不成立中空の管状要素を備えるエアロゾル発生物品
    共通の条文: 民事訴訟法61条、特許法169条2項
同じ論点・分野の審決(審決分類)51件(537・A24D、853・A24D、854・A24D)
  • 2024-800141無効審判 / 2025-11-05 / 請求不成立疎水性プラグラップ
    共通の審決分類: 537・A24D、853・A24D、854・A24D
  • 2024-800151無効審判 / 2025-11-05 / 請求不成立疎水性ラッパー
    共通の審決分類: 537・A24D、853・A24D、854・A24D
  • 2024-800159無効審判 / 2025-11-05 / 請求不成立疎水性チッピングペーパー
    共通の審決分類: 537・A24D、853・A24D、854・A24D
  • 2024-800132無効審判 / 2026-03-30 / 訂正認容電気加熱式エアロゾル発生物品用の紙ラッパー
    共通の審決分類: 853・A24D
  • 2025-800084無効審判 / 2026-03-23 / 請求不成立中空の管状要素を備えるエアロゾル発生物品
    共通の審決分類: 537・A24D

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存