特許異議申立
2024-701108
ポリウレタン水分散液、合成擬革およびインク
- 審判番号
- 2024-701108
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-545698
- 登録番号
- 7522838
- 請求日
- 2024年11月14日
- 審決日
- 2025年09月30日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】三井化学株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人いくみ特許事務所
- 【異議申立人】下河 あい
- 審判長/審判官
- 審判長 細井 龍史
- 審判官 岡谷 祐哉
- 審判官 加藤 幹
- 分類
- P1652.113-YAA(C08G) / P1652.121-YAA(C08G) / P1652.537-YAA(C08G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第5項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7522838号発明「ポリウレタン水分散液、合成擬革およびインク」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7522838号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。
特許第7522838号の請求項1、4~6に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7522838号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、2021年(令和3年)8月26日(優先権主張 令和2年8月27日)を国際出願日とする特願2022-545698号に係るものであって、令和6年7月17日にその特許権の設定登録(請求項の数6)がされ、同年同月25日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、令和6年11月14日に、本件特許の請求項1、4~6に係る特許に対して、特許異議申立人である下河 あい(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。
以降の手続の経緯は、以下のとおりである。
令和6年12月19日 手続補正書(方式)の提出(申立人)
令和7年 4月28日付け 取消理由通知
同年 6月30日 応対記録
同年 7月 1日 訂正請求書、意見書の提出(特許権者)
同年 同月18日付け 訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)
本通知に対して、申立人からの応答はなかった。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和7年7月1日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、当該訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求めるものであって、その内容は以下のとおりである。
(1)訂正事項1
請求項1に、訂正前の請求項3に記載される「前記マクロポリオールが、植物由来ポリカーボネートポリオールを含む、」という構成要件の全部を盛り込む。
(2)訂正事項2
請求項3に「請求項1に記載のポリウレタン分散液」とあるものについて、新請求項3として独立形式に改める。
(3)訂正事項3
明細書の【0194】において、「実施例1、3、5、7~11、参考例2、4、6および比較例1」を「実施例1、3、5、9~11、参考例2、4、6~8および比較例1」に改める。
また、【0220】の【表2】において、「実施例7」を「参考例7」に改め、「実施例8」を「参考例8」に改める。
なお、訂正前の請求項2~6は、それぞれ請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、本件訂正は、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6という一群の請求項についてするものである。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「マクロポリオール」について、「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ものに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更
「マクロポリオール」について、「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ことは、訂正前の請求項3及び本件明細書の段落【0010】に基づくものであるから、本件明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でされたものであり、また、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2は、本件訂正前の請求項3が請求項1を引用するものであったところ、請求項3を独立形式に改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定の「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項2による訂正は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、明細書の段落【0194】、【0220】の記載のうち、訂正事項1及び訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の請求項1の及び請求項6の記載と整合しないこととなる実施例を参考例に変更して、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、特許法120条の5第2項ただし書第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項3は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でされたものであり、また、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである訂正事項1に伴って明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
上記「第1」で述べたように、本件特許異議の申立ては、訂正前の請求項1、4~6に係る特許に対して申立てられたものであるから、これらに対応する訂正後の請求項1、4~6に係る発明には独立特許要件は課されない。
そこで、本件特許異議の申立ての対象となっていない訂正前の請求項2及び3に係る特許に対応する訂正後の請求項2及び3に係る発明の独立特許要件について検討する。
訂正後の請求項2に係る発明は、訂正後の請求項1を引用し訂正後の請求項1に係る発明に「前記脂環族ポリイソシアネートが、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有する」という構成を付加するものであるところ、下記第5で述べる理由と同様の理由により、取消理由及び申立理由により特許を受けることができないものではない。
また、訂正後の請求項3に係る発明は、訂正後の請求項1と同一の発明であるところ、下記第5で述べる理由と同じ理由により、取消理由及び申立理由により特許を受けることができないものではない。
また、請求項2及び3に係る発明は、他に特許を受けることができないとすべき理由は見当たらない。
したがって、本件訂正後の請求項2及び3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができたものである。
4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で読み替えて準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり、本件訂正が認められることから、本件特許の請求項1、4~6に係る発明(以下、項番に従い「本件発明1」、「本件発明4」~「本件発明6」といい、これらをまとめて「本件発明」ともいう。)は、それぞれ、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1、4~6に記載された事項により特定されるとおりの以下のものである。
「【請求項1】
ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン水分散液であり、
前記ポリウレタン樹脂は、
ポリイソシアネート、マクロポリオール、親水性基含有ポリオールおよび鎖伸長剤を含有する原料成分の反応生成物を含み、
前記ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネートからなり、
前記マクロポリオールが、植物由来マクロポリオールを含み、
前記マクロポリオールが、植物由来ポリカーボネートポリオールを含み、
前記鎖伸長剤が、
第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を、1分子中に3つ以上有するポリアミンを含み、
前記反応生成物のバイオマス度が30%以上である、ポリウレタン水分散液。」
「【請求項4】
前記ポリアミンが、ジエチレントリアミンを含む、請求項1に記載のポリウレタン水分散液。
【請求項5】
請求項1に記載のポリウレタン水分散液の乾燥物を含む、合成擬革。
【請求項6】
請求項1に記載のポリウレタン水分散液を含む、インク。」
第4 特許異議申立理由の概要、取消理由の概要及び証拠方法
1 申立人が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由
特許異議申立書(以下「申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。
(1)申立理由1(甲第1号証による新規性)
本件特許の請求項1、5、6に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、これらの発明に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(2)申立理由2(甲第1号証による進歩性)
本件特許の請求項1、4~6に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(3)申立理由3(サポート要件)
本件特許の請求項1、4~6に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
・本件明細書の実施例で合成擬革の風合いに優れることが示されたポリウレタン水分散液は、ポリイソシアネートを83.6~121.2質量部、マクロポリオールを447.9~480.0質量部、親水性基含有ポリオールを13.8~68.7質量部、及び、鎖伸長剤を4.6~5.3質量部使用して得られた反応生成物を含み、かつ、固形分濃度を30~35%としたもののみである。
一方、請求項1、4~6に係る発明の範囲には、上記各成分の配合比や、ポリウレタン水分散液の固形分濃度が実施例と極端に異なり、発明の課題を解決できない範囲が明らかに含まれているから、本件特許発明1、4~6は、発明の詳細な説明に記載された発明ではなく、サポート要件を満たさない。
2 申立人が申立書とともに提出した証拠方法
甲第1号証:特表2009-544834号公報
甲第2号証:「バイオマスプラスチックをめぐる最新事情」、バイオマス産業社会ネットワーク第187回研究会(2020年2月25日(公開日))
甲第3号証:Sustainable Growth: Biobase d Fuels and Materials at DuPont、Mark A Harmer、DuPont,Wilmington,DE、(2009年6月25日(発行日))
甲第3-2号証:甲第3号証の抄訳文
甲第4号証:特表2011-519396号公報
甲第5号証:特開2012-1654号公報
(以下、甲第1号証~甲第5号証を、それぞれ「甲1」~「甲5」という。)
3 当審において通知した令和7年2月28日付け取消理由通知書に記載した取消理由の概要
(1)取消理由1(甲1による新規性)
本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1についての特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(2)取消理由2(甲1による進歩性)
本件特許の請求項1、4~6に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1、4~6についての特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
第5 当審の判断
1 当審において通知した取消理由及び申立理由について
以下に述べるように、当審において通知した取消理由通知書に記載した取消理由及び申立書に記載した申立理由によっては、本件発明1、4~6に係る特許は取り消すことはできない。
(1)取消理由1、2、申立理由1、2(甲1による新規性・進歩性)
取消理由1、2、申立理由1、2は、いずれも甲1を主引例とする新規性・進歩性についてのものであるので、まとめて検討する。
ア 甲1に記載された事項及び発明
(ア)甲1に記載された事項
甲1には次の事項が記載されている(下線は当審にて付与。)。
「【請求項1】
ポリトリメチレンエーテルグリコールとポリイソシアネートの反応生成物から誘導される1個以上の非イオンセグメントを含む高分子主鎖を含むポリウレタンであって、前記高分子主鎖が、前記高分子主鎖に導入されている、前記高分子主鎖の側鎖である、および/または前記高分子主鎖の末端をなすイオン官能基および/またはイオン化性官能基を有するポリウレタン。」
「【0011】
水性ポリウレタン分散液は、顔料入り塗料および透明塗料、織物処理剤、顔料、印刷インキ、接着剤および表面仕上に限定されないが、それらを含む多くの最終用途において利用されてきた。」
「0038】
一実施形態において、PO3Gは、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール、ポリチオアミン、ポリヒドロキシチオールおよびポリヒドロキシルアミンなどの他の低分子量および/または高分子の多官能性イソシアネート反応性化合物とブレンドしてもよい。ブレンドするとき、二官能性成分、より好ましくは、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリレートジオール、ポリオレフィンジオールおよびシリコーンジオールを含む1種以上のジオールを用いることが好ましい。」
「【0041】
PO3Gは、好ましくは、1,3-プロパンジオールを含むモノマーの重縮合によって調製され、よって-(CH2CH2CH2O)-連結(例えば、トリメチレンエーテル反復単位)を含有するポリマーまたはコポリマーをもたらす。上で示したように、反復単位の少なくとも約50%はトリメチレンエーテル単位である。」
「【0043】
PO3Gを調製するために用いられる1,3-プロパンジオールは、周知の種々の化学経路のいずれか、または生物化学的変換経路によって得てもよい。好ましい経路は、例えば、米国特許第5,015,789号明細書、米国特許第5,276,201号明細書、米国特許第5,284,979号明細書、米国特許第5,334,778号明細書、米国特許第5,364,984号明細書、米国特許第5,364,987号明細書、米国特許第5,633,362号明細書、米国特許第5,686,276号明細書、米国特許第5,821,092号明細書、米国特許第5,962,745号明細書、米国特許第6,140,543号明細書、米国特許第6,232,511号明細書、米国特許第6,235,948号明細書、米国特許第6,277,289号明細書、米国特許第6,297,408号明細書、米国特許第6,331,264号明細書、米国特許第6,342,646号明細書、米国特許第7,038,092号明細書、米国特許出願公開第2004/0225161A1号明細書、米国特許出願公開第2004/0260125A1号明細書、米国特許出願公開第2004/0225162A1号明細書および米国特許出願公開第2005/0069997A1号明細書に記載されている。
【0044】
好ましくは、1,3-プロパンジオールは、再生可能源から生物化学的に得られる(「生物誘導」)1,3-プロパンジオール)。
【0045】
特に好ましい1,3-プロパンジオール源は、再生可能な生物源を用いる発酵プロセスを経由する。再生可能源からの出発材料の例示的な例として、トウモロコシ原料などの生物的且つ再生可能な資源から製造された原料を用いる1,3-プロパンジオール(POD)への生物化学経路は記載されている。例えば、グリセロールを1,3-プロパンジオールに転化できる菌株は、種:クラブシエラ(Klebsiella)、シトロバクター(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)およびラクトバシラス(Lactobacillus)の中で見出されている。前に引用した米国特許第5,633,362号明細書、米国特許第5,686,276号明細書および米国特許第5,821,092号明細書を含む幾つかの公報の中でこの技術は開示されている。米国特許第5,821,092号明細書には、特に、組換え生物を用いるグリセロールからの1,3-プロパンジオールの生物生産のための方法が開示されている。この方法は、1,2-プロパンジオールのための特異性を有する異種pduジオールデヒドラターゼ遺伝子により変換された大腸菌(E.coli)を導入している。変換された大腸菌(E.coli)は炭素源としてのグリセロールの存在下で成長し、1,3-プロパンジオールは成長した媒体から単離される。菌と酵母の両方がグルコース(例えば、トウモロコシ糖)または他の糖質をグリセロールに転化できるので、これらの公報で開示された方法は、迅速で安価且つ環境に責任をもつ1,3-プロパンジオールモノマー源を提供する。
【0046】
上で記載され参照された方法によって製造されたような生物誘導1,3-プロパンジオールは、1,3-プロパンジオールの生産のための原料を構成する植物によって導入された大気二酸化炭素からの炭素を含有する。かくして、本発明と関連して用いるために好ましい生物誘導1,3-プロパンジオールは、再生可能炭素のみを含有し、化石燃料系炭素も石油系炭素も含有しない。従って、生物誘導1,3-プロパンジオールを用いる本発明のPO3G、およびポリウレタンアイオノマーならびに水性ポリウレタン分散液は、組成物中で用いられる1,3-プロパンジオールが減り続ける化石燃料を枯渇させず、分解すると、もう一度植物による使用のために炭素を放出して大気に戻すので環境により小さい影響しか及ぼさない。従って、本発明の組成物は、石油系グリコールを含む類似の組成物より天然で且つ小さい環境影響しか及ぼさないとして特徴付けることが可能である。」
「【0074】
ブレンドするためのポリカーボネートジオールは、好ましくは、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリウレタンカーボネートジオールおよびポリヘキシレンカーボネートジオールからなる群から選択される。」
「【0117】
本発明において用いられるポリウレタンを製造する際に有用なジアミン連鎖延長剤には、1,2-エチレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,2-プロパンジアミン、4,4’-メチレン-ビス(3-クロロアニリン)(3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンとしても知られている)(MOCAまたはMboca)、イソホロンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン(DDM)、1,3-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノベンゼン、3.3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、ヒドラジン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、テトラエチレンペンタアミンおよびペンタエチレンヘキサアミンなどのポリアミンも有用である。」
「【0148】
ポリウレタンおよび分散液の有用性
本発明のポリウレタンアイオノマーおよび分散液は、特に、ゴルフボール、塗料、ワイヤエナメル、織物処理、インキ、接着剤およびパーソナルケア製品に限定されないが、それらを含む多様な分野において有用性を有する。ここで、これらの製品は、環境問題への関心の高まりに調和してそれらの溶媒系同等物を代替してもよい。」
「【0152】
実施例において用いた1,3-プロパンジオールを生物的方法によって調製した。これは99.8%を上回る純度を有していた。
【0153】
実施例1
この実施例は、ジアミンとポリアミンの組み合わせにより変換後に連鎖延長された、ポリトリメチレンエーテルグリコール、イソホロンジイソシアネートおよびジメチロールプロピオン酸イオン反応体からの本質的に有機溶媒を含まないポリウレタン分散液の調製を例示している。
【0154】
2L反応器に201.11gのPO3G(2000のMn)を投入し、内容物が500ppm未満の水を有するまで真空下で100℃に加熱した。反応器を40℃に冷却し、アセトン(99g)および0.13gのジブチル錫ジラウレート触媒を添加した。53.01gのイソホロンジイソシアネートを1時間にわたり添加し、2.6gの乾燥アセトンですすいだ。反応を放置して50℃で2.5時間にわたり続け、その後、重量%NCOを3.5%未満であると決定した。ジメチロールプロピオン酸(12.98g)およびトリエチルアミン(8.82g)を添加し、その後、乾燥アセトン(3.16g)ですすいだ。反応を50℃で2時間にわたり保持し、重量%NCOを0.6%未満であると決定した。575gの水、直後に、エチレンジアミン(7.52g)およびトリエチレンテトラアミン(36.6g)を添加しつつ、得られたポリウレタン溶液を高速混合下で変換した。アセトンを減圧下で70℃で蒸留除去した。
【0155】
得られたPO3G系ポリウレタン分散液は、13.4cPの粘度、30.2重量%固体、17.6mgKOH/g固体の滴定酸価および95%が63nm未満の37nmの平均粒径を有していた。」
(イ)甲1に記載された発明
甲1の実施例1に着目すると、甲1には次の発明が記載されているといえる。
「2L反応器に201.11gのPO3G(2000のMn)を投入し、内容物が500ppm未満の水を有するまで真空下で100℃に加熱し、反応器を40℃に冷却し、アセトン(99g)および0.13gのジブチル錫ジラウレート触媒を添加し、53.01gのイソホロンジイソシアネートを1時間にわたり添加し、2.6gの乾燥アセトンですすぎ、反応を放置して50℃で2.5時間にわたり続け、ジメチロールプロピオン酸(12.98g)およびトリエチルアミン(8.82g)を添加し、乾燥アセトン(3.16g)ですすぎ、反応を50℃で2時間にわたり保持し、575gの水、エチレンジアミン(7.52g)およびトリエチレンテトラアミン(36.6g)を添加しつつ、得られたポリウレタン溶液を高速混合下で変換し、アセトンを減圧下で70℃で蒸留除去して得られた、30.2重量%固体を含むポリウレタン分散液。」(以下「甲1発明」という。)
イ 対比・判断
(ア)本件発明1について
a 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
甲1発明の「ポリウレタン」は、本件発明1の「ポリウレタン樹脂」に相当する。
甲1発明の「ポリウレタン分散液」は使用した水の量からみて水を分散媒とするものであるといえるから、本件発明1の「ポリウレタン水分散液」に相当する。
甲1発明の「固体」は、反応によって得られたポリウレタン分散液中の固形分を指すものであるから、本件発明1の「ポリウレタン樹脂」、「反応生成物」に相当する。
甲1発明の「イソホロンジイソシアネート」は、脂環族であるシクロヘキサンを骨格とし、かつイソシアネート基を2つ有する化合物であるから、本件発明1の「ポリイソシアネート」、「脂環族ポリイソシアネート」に相当する。
そして、甲1発明は、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートのみを含有するから、本件発明1の「前記ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネートからなり」を満たすといえる。
甲1発明の「ジメチロールプロピオン酸」は、親水性基であるカルボキシ基を有し、かつヒドロキシ基を2つ有する化合物であるから、本件発明1の「親水性基含有ポリオール」に相当する。
本件明細書には、「鎖伸長剤」としてエチレンジアミン(【0107】)、トリエチレンテトラミン(【0113】)が例示されているから、甲1発明の「エチレンジアミン」、「トリエチレンテトラアミン」は、本件発明1の「鎖伸長剤」に相当する。
また、甲1発明の「トリエチレンテトラアミン」は、第1級アミノ基を2つ、第2級アミノ基を2つ有するポリアミンであるから、本件発明1の「第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を、1分子中に3つ以上有するポリアミン」に相当する。
本件明細書の【0039】には「マクロポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である。マクロポリオールの数平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算分子量)は、例えば、400を超過し、例えば、20000以下である。」と記載されているところ、甲1発明の「PO3G(2000のMn)」は、「分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である」という事項を満たすものといえるので、本件発明1の「マクロポリオール」に相当する。
また、甲1の【0041】には、甲1のPO3Gが1,3-プロパンジオールを含むモノマーの重縮合によって調製されることが記載されており、【0046】には、甲1の生物誘導1,3-プロパンジオールは原料が植物であることが、【0152】には、甲1の実施例において用いた1,3-プロパンジオールを生物的方法によって調製したことが記載されている。そうすると、甲1発明の「PO3G」は、植物由来のものといえるから、本件発明1の「植物由来マクロポリオール」に相当する。
したがって、両者は
「ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン水分散液であり、
前記ポリウレタン樹脂は、
ポリイソシアネート、マクロポリオール、親水性基含有ポリオールおよび鎖伸長剤を含有する原料成分の反応生成物を含み、
前記ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネートからなり、
前記マクロポリオールが、植物由来マクロポリオールを含み、
前記鎖伸長剤が、
第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を、1分子中に3つ以上有するポリアミンを含む、
ポリウレタン水分散液。」
である点において一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
反応生成物のバイオマス度が、本件発明1では「30%以上」であるのに対し、甲1発明では不明である点
<相違点2>
マクロポリオールが、本件発明1では「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」のに対し、甲1発明では「1,3-プロパンジオールを含むモノマーの重縮合によって調製される」「PO3G」を用いるものであり、植物由来ポリカーボネートポリオールを含まない点
b 相違点についての判断
事情に鑑み、まず相違点2について検討する。
(a)新規性について
甲1発明は、ポリオールとして、「1,3-プロパンジオールを含むモノマーの重縮合によって調製される」「PO3G」のみを用いるものであり、甲1の【0041】によると、「PO3G」は、-(CH2CH2CH2O)-連結(例えば、トリメチレンエーテル反復単位)を含有するポリマーまたはコポリマーであって、ポリカーボネート構造を有しないから、相違点2は実質的な相違点である。
したがって、本件発明1は、甲1発明ではない。
(b)進歩性について
甲1の【請求項1】には「ポリトリメチレンエーテルグリコールとポリイソシアネートの反応生成物から誘導される1個以上の非イオンセグメントを含む高分子主鎖を含むポリウレタンであって」と記載されており、ポリオールとして「ポリトリメチレンエーテルグリコール」を必須とするものであるので、これをポリカーボネートポリオールに置換することは動機付けられない。
また、甲1の【0038】、【0074】には、PO3Gにブレンドしてもよい多官能性イソシアネート反応性化合物としてポリカーボネートジオールが記載されているものの、多数列挙される一例にすぎず、また、植物由来のポリカーボネートジオールなどの「植物由来のポリカーボネートポリオール」を含むことについて記載も示唆もされていないため、甲1発明において、「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ことは動機付けられない。
また、マクロポリオールが「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ようにすることについて、提出された他の証拠のいずれにも記載されていない。
そして、本件発明1の効果について検討するに、本件明細書の【0219】【表1】、【0220】【表2】の実施例1と参考例7を比較すると、マクロポリオールとして「植物由来ポリカーボネートポリオール」ではなくPTG-2000SN(P)(本件明細書の【0221】の記載からみてポリテトラメチレングリコールであり、その構造はPOG3に類似する。)を用いる参考例7では「風合い」、「耐オレイン酸性」がいずれも「×」であるのに対し、「植物由来ポリカーボネートポリオール」を用いる実施例1では、これらがいずれも「○」になっており、本件発明1は、マクロポリオールが「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ようにすることによって、「風合い」、「耐オレイン酸性」において優れた性質を示すという効果を奏するものである。
そうすると、本件発明1は、甲1発明及び甲1の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
c 小括
したがって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明ではなく、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
d 申立人の主張について
申立人は、本件発明1について意見書を提出していない。
また、申立人は、マクロポリオールが「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ものであり、本件発明1と同一である本件訂正前の請求項3に係る特許ついて申立てを行っていない。
(イ)本件発明4~6について
本件発明4~6は、いずれも本件発明1を直接引用するものであるから、上記(ア)のとおり、本件発明1が甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない以上、本件発明4~6のいずれも、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
ウ 取消理由1、2、申立理由1、2についてのまとめ
よって、本件発明1、5、6は、甲1に記載された発明ではなく、また、本件発明1、4~6は甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、取消理由1、2、申立理由1、2のいずれによっても、本件特許を取り消すことはできない。
(2)申立理由3(サポート要件)
ア サポート要件の判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
この観点に立って、以下検討する。
イ 本件明細書の記載について
本件明細書には下記のとおり記載されている。
「【0007】
本発明は、カーボンニュートラルに対応し、優れた風合いを有する合成擬革を得られるポリウレタン樹脂、および、そのポリウレタン樹脂を含む合成擬革である。さらに、本発明は、上記ポリウレタン樹脂を含むインクを含む。」
「【0038】
ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートを含んでいなければ、優れた風合いを有する合成擬革が得られる。」
「【0067】
植物由来マクロポリオールが植物由来ポリカーボネートポリオールを含んでいれば、とりわけ優れた耐光性および耐酸性を有する合成擬革が得られる。」
「【0103】
鎖伸長剤としては、アミノ基含有化合物が挙げられる。アミノ基含有化合物は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を、1分子中に2つ以上有する低分子量化合物である。なお、アミノ基含有化合物において、アミノ基は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を示す。」
「【0115】
アミノ基含有化合物として、好ましくは、3官能以上のポリアミンが挙げられ、より好ましくは、3官能ポリアミンが挙げられ、さらに好ましくは、ジエチレントリアミンが挙げられる。すなわち、鎖伸長剤は、好ましくは、3官能以上のポリアミンを含有し、より好ましくは、3官能ポリアミンを含有し、さらに好ましくは、ジエチレントリアミンを含有する。
【0116】
鎖伸長剤がこれらを含有していれば、とりわけ優れた貯蔵安定性、および、優れた軟化開始温度を有するポリウレタン樹脂が得られる。」
「【0175】
そして、上記のポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、親水性基含有ポリオールと、鎖伸長剤とを含有する原料成分の反応生成物を含む。また、ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネートであり、マクロポリオールが、植物由来マクロポリオールを含み、反応生成物のバイオマス度が30%以上である。」
「【0078】
マクロポリオールが植物由来マクロポリオールからなる場合、ポリウレタン樹脂および合成擬革は、とりわけ良好に、カーボンニュートラルに対応できる。」
ウ 本件発明の課題
本件明細書【0007】には「本発明は、カーボンニュートラルに対応し、優れた風合いを有する合成擬革を得られるポリウレタン樹脂、および、そのポリウレタン樹脂を含む合成擬革である。さらに、本発明は、上記ポリウレタン樹脂を含むインクを含む。」と記載されていることから、本件発明の課題は、カーボンニュートラルに対応し、優れた風合いを有する合成擬革を得られるポリウレタン樹脂、及び、該ポリウレタン樹脂を含む合成擬革、インクを提供することであると認められる。
エ 本件発明1について
本件明細書には、ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートを含んでいなければ、優れた風合いを有する合成擬革が得られることが記載されており(【0038】)、脂環族ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートを含んでいない実施例1、3、5、9~11において、「風合い」が「〇」か「△」であることが示されている。
また、本件明細書には、植物由来マクロポリオールが植物由来ポリカーボネートポリオールを含んでいれば、とりわけ優れた耐光性および耐酸性を有する合成擬革が得られることが記載されており(【0067】)、植物由来マクロポリオールが植物由来ポリカーボネートポリオールを含む実施例1、3、5、9~11において、「耐光性」および「耐オレイン酸性」が「〇」であり、植物由来マクロポリオールが植物由来ポリカーボネートポリオールを含まない参考例7、8、比較例1(「耐光性」および「耐オレイン酸性」が「×」)と比較して、優れた効果を発揮することが示されている。
さらに、本件明細書には、鎖伸長剤が3官能以上のポリアミンを有することで、優れた貯蔵安定性、および、優れた軟化開始温度を有するポリウレタン樹脂が得られることが記載されており(【0103】、【0115】、【0116】)、鎖伸長剤が3官能以上のポリアミンを有する実施例1、3、5、10、11において、「貯蔵安定性」が「〇」であり、当該鎖伸長剤を含まない比較例1(「貯蔵安定性」が「×」)と比較して、優れた効果を発揮することが示されている。
また、鎖伸長剤が3官能以上のポリアミンを有する実施例1、3、5、9、10において、「軟化開始温度」が180~200℃であり、当該鎖伸長剤を含まない比較例1(「軟化開始温度」が170℃)と比較して、優れた効果を発揮することが示されている。
ここで、鎖伸長剤が3官能以上のポリアミンを有する実施例9において、「貯蔵安定性」が「×」であることが示されているものの、実施例9は「軟化開始温度」が185℃であるから、「貯蔵安定性」と「軟化開始温度」を総合的に判断した場合には、比較例1(「貯蔵安定性」が「×」、「軟化開始温度」が170℃)と比較して、優れた効果を発揮することが示されている。
また、鎖伸長剤が3官能以上のポリアミンを有する実施例11において、「軟化開始温度」が170℃であることが示されているものの、実施例11は「貯蔵安定性」が「〇」であるから、「貯蔵安定性」と「軟化開始温度」を総合的に判断した場合には、比較例1(「貯蔵安定性」が「×」、「軟化開始温度」が170℃)と比較して、優れた効果を発揮することが示されている。
加えて、本件明細書には、マクロポリオールが、植物由来マクロポリオールを含み、反応生成物のバイオマス度が30%以上であることにより、ポリウレタン樹脂および合成擬革は、とりわけ良好に、カーボンニュートラルに対応できることが記載されている(【0078】、【0175】)。
したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。
オ 本件発明4~6について
本件発明4~6は、いずれも本件発明1を直接引用するものであるから、上記エと同様の理由により、当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものである。
カ 申立人の主張について
申立人は、本件発明1について意見書を提出していない。
また、申立人は、マクロポリオールが「植物由来ポリカーボネートポリオールを含む」ものであり、本件発明1と同一である本件訂正前の請求項3について申立てを行っていない。
キ 申立理由3についてのまとめ
よって、本件発明1、4~6は、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるから、申立理由3によって、本件特許を取り消すことはできない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、当審において通知した取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した申立理由によっては、本件特許の請求項1、4~6に係る特許を取り消すことはできない。
また、ほかに本件特許の請求項1、4~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-701108