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特許異議申立

2024-701032

往復式電気かみそり

審判番号
2024-701032
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-114291
登録番号
7471934
請求日
2024年10月21日
審決日
2025年01月22日
公報発行日
2025年03月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】マクセルイズミ株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
  • 【異議申立人】足立 幸子
審判長/審判官
  • 審判長 本庄 亮太郎
  • 審判官 田々井 正吾
  • 審判官 大山 健
分類
P1651.121-Y (B26B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7471934号発明「往復式電気かみそり」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7471934号の請求項1~3に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7471934号の請求項1~3に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和2年7月1日(優先権主張 令和元年9月26日)に出願され、令和6年4月12日にその特許権の設定登録がされ、同月22日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許の請求項1~3に係る特許に対し、令和6年10月21日に特許異議申立人足立幸子(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、請求項○に係る発明を「本件特許発明○」といい、まとめて「本件特許発明」ということがある。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~3に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 外刃と、前記外刃の内面に摺接しつつ左右に往復動する内刃と、前記内刃の昇降動作に追従可能に前記外刃が取付けられた外刃保持枠と、前記外刃保持枠が取付けられた刃枠と、前記刃枠が取付けられた本体と、前記本体に内蔵されたモータと、前記モータの駆動力によって前記内刃を往復動させるオシレータとを備え、前記オシレータは、往復動可能な可動台と、前記可動台に立設固定されて上端部が前記内刃に着脱可能に取付けられたアーム部とを有し、前記アーム部は、前記本体の正面側から順に、第1腕と第2腕と第3腕が所定間隔で腕支持部の真上に配されており、前記腕支持部の真下にアーム取付部が配されており、前記可動台に前記アーム取付部が立設固定されており、前記オシレータは、前記本体の正面寄りに配設される第1オシレータと前記本体の背面寄りに配設される第2オシレータとからなり、前記本体の上面側に前記外刃が配されており、前記外刃は、4つの第1外刃と当該第1外刃と異なる形状の2つの第2外刃とからなり、前記内刃は、前記第1外刃と対応する第1内刃と前記第2外刃と対応する第2内刃とからなり、前記第1外刃と前記第1内刃とでカット刃が構成されており、前記第2外刃と前記第2内刃とでトリマ刃が構成されており、前記トリマ刃が前記カット刃に隣接して配されており、前記第1オシレータにおける前記アーム取付部と前記腕支持部と前記第2腕とを通る第1中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であり、かつ、前記第2オシレータにおける前記アーム取付部と前記腕支持部と前記第2腕とを通る第2中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線と平行な前記第2中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であること を特徴とする往復式電気かみそり。 【請求項2】 前記第1内刃は前記第1外刃と対応する断面逆U字形状であり、前記第2内刃は前記第2外刃と対応する断面逆L字形状であるとともに前後に対称配置であり、前記トリマ刃は前記カット刃に比べて摺接しつつ往復動する際の負荷が大きい構成であること を特徴とする請求項1に記載の往復式電気かみそり。 【請求項3】 前記本体の背面側に、キワゾリ刃とスライドスイッチとが配されており、前記スライドスイッチを上方向にスライドさせて前記キワゾリ刃を起立させた状態において、前記第2オシレータと前記キワゾリ刃とが連動可能な構成であり、前記モータにおける駆動軸を通る軸線は、前記第1オシレータにおける前記第3腕と前記第2オシレータにおける前記第1腕との中間位置を基準として前記第2オシレータにおける前記第1腕に至らない範囲内で後方位置になること を特徴とする請求項1または2に記載の往復式電気かみそり。」 第3 申立ての理由 1 申立人が特許異議申立書で主張する申立ての理由の概要 (進歩性)請求項1~3に係る発明は、甲第1~6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 証拠方法 申立人が特許異議申立書に添付して提出した証拠方法は、以下のとおりである。 (1)甲第1号証:特開2017-127384号公報 (2)甲第2号証:特開平9-131475号公報 (3)甲第3号証:特表2002-521105号公報 (4)甲第4号証:特開平8-126779号公報 (5)甲第5号証:特開2012-179141号公報 (6)甲第6号証:特開2002-273072号公報 以下、甲第○号証を「甲○」という。 第4 証拠の記載内容について 1 甲1 (1)甲1の記載事項 ア 発明の詳細な説明 「【0001】 本発明は、可動刃と固定刃を有する切断刃を備えている電気かみそりに関する。 ・・・ 【0005】 本発明の目的は、ひげ剃り時の肌当りを向上させることができる電気かみそりを提供することにある。 ・・・ 【0017】 (実施例1) 図1ないし図13は、本発明に係る電気かみそりの実施例1を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、矢印の近傍の前後・左右・上下の表記に従う。図2、図3において電気かみそりは、グリップを兼ねる本体ケース1と、本体ケース1で上下動可能かつ左右傾動可能に支持したかみそりヘッド2を備えている。かみそりヘッド2は本体ケース1の上部に設けられる。本体ケース1の内部には、モーター3、2次電池4、および制御基板5などの電装品が配置されている。制御基板5には、モーター3への通電状態を切換えるスイッチや、電池残量を発光表示するLED6などが実装されている。本体ケース1の前面には、先のスイッチを切換え操作するスイッチボタン8が配置されている。また、図3に示すように、本体ケース1の後面側には、きわ剃り刃9と、きわ剃り刃9を駆動位置へ押し上げ操作するスライドノブ10が設けられている。この実施例では、かみそりヘッド2が本体ケース1で、上下動可能かつ左右傾動可能に支持してある電気かみそりについて説明するが、かみそりヘッド2は本体ケース1に固定してあってもよい。図1、図2において、符号3aはモーター3の出力軸である。 【0018】 図3に示すようにかみそりヘッド2は、ヘッドベース13と、同ベース13に着脱可能に装着される固定刃ホルダー14を基体にして構成されており、ヘッドベース13は、モーターホルダー(図示していない)に固定したケース体15に締結固定されている。モーターホルダーの下部と本体ケース1の間に、かみそりヘッド2を上下動可能かつ左右傾動可能に支持するフロート構造が設けられている。固定刃ホルダー14には、前側から順に仕上げ剃り用の第1メイン刃(切断刃)16と、粗剃り用のセンター刃(切断刃)17と、仕上げ剃り用の第2メイン刃(切断刃)18と、粗剃り用のサブ刃(切断刃)19が配置されている。 【0019】 図4に示すように各メイン刃16・18は、網刃からなる固定刃(外刃)22と、固定刃22の内面に摺接するスリット刃からなる可動刃(内刃)23を備えており、主に短毛を仕上げ切断する。固定刃22は固定刃フレーム24に固定されて逆U字状に湾曲しており、可動刃23は可動刃フレーム25に固定されて逆U字状に湾曲している。第1メイン刃16と第2メイン刃18は同じ大きさになっており、両者の外形寸法に違いはない。 【0020】 センター刃17およびサブ刃19は、それぞれスリット刃からなる固定刃26と、固定刃26の内面に摺接する櫛刃からなる可動刃27を備えており、主に長毛やくせ髭を切断する。固定刃26は固定刃フレーム28に支持されており、可動刃27は可動刃フレーム29でそれぞれ支持されている。各固定刃フレーム24・28は、固定刃支持ベース30に組付けられている。この状態の各固定刃フレーム24・28は、固定刃支持ベース30と固定刃フレーム24・28の間に配置した弾性手段である固定刃ばね(ばね)31(図5参照)で上方に押上げ付勢されて、各固定刃フレーム24・28の左右両端に設けたスライド片32が、固定刃支持ベース30に設けたガイド溝33の上端で受け止められている(図6参照)。そのため、固定刃26および固定刃フレーム24・28は、肌面から押付け反力を受けるとき固定刃支持ベース30側(下方)へ沈込む。センター刃17およびサブ刃19の固定刃26を押し上げ付勢する固定刃ばね31のばね荷重は、各メイン刃16・18の固定刃22を押し上げ付勢する固定刃ばね31のばね荷重より小さく設定されている。これは、センター刃17およびサブ刃19の固定刃26を、各メイン刃16・18の固定刃22より沈ませやすくして、肌当りをソフトにするためである。スイッチボタン8を操作しモーター8を回転駆動することにより、固定刃22・26の内面にて可動刃23・27が摺動する。 ・・・ 【0024】 固定刃支持ベース30に各メイン刃16・18の固定刃フレーム24と、センター刃17およびサブ刃19の固定刃フレーム28を組付け、この状態の固定刃支持ベース30を固定刃ホルダー14の内面に下面側から組付けることにより、各固定刃22・22・26・26を固定刃ホルダー14と一体化できる。この状態では、図6に示すように、取外しアーム46の係合爪50が固定刃ホルダー14の内面の係合凹部49と係合している。また、固定刃支持ベース30が組付けられた固定刃ホルダー14をヘッドベース13に組み付けることにより、図6に示すように固定刃ホルダー14の係合爪43が取外しボタン36の係合段部41と係合して、分離不能に保持固定されている。さらに、取外しアーム46の下部内面が、取外しボタン36の受壁39で受止められている ・・・ 【0027】 各メイン刃16・18とセンター刃17およびサブ刃19の合計4個の可動刃23・27を左右および前後に往復駆動するために、モーター3と可動刃23・27の間に可動刃駆動構造を設けている。この実施例では、第1メイン刃16とセンター刃17で前側の切断刃群C1を構成し、第2メイン刃18とサブ刃19で後側の切断刃群C2を構成し、各切断刃群C1・C2ごとに可動刃駆動構造D1・D2を設けている。図1および図9において可動刃駆動構造D1・D2は、モーター3と、モーター3と可動刃23・27の間に配置されるカム構造(動作変換構造)および駆動レバー55・56と、駆動レバー55・56の揺動動作を可動刃23・27に伝動する4個の連結ピン(連結体)57・58・59・60などで構成する。カム構造は、モーター3の出力軸3aに固定した偏心カム62・63と、各駆動レバー55・56の揺動先端に形成したカム溝64・65で構成する。 【0028】 図1に示すように、前側の切断刃群C1に対応する可動刃駆動構造D1の駆動レバー55は、モーター3の中心軸線を通り左右に延びる垂直平面より前側に配置されて、その前端が揺動中心軸68で左右揺動可能に軸支されている。また、後側の切断刃群C2に対応する可動刃駆動構造D2の駆動レバー56は、モーター3の中心軸線を通り左右に延びる垂直平面より後側に配置されて、その後端が揺動中心軸69で左右揺動可能に軸支されている。なお、揺動中心軸68・69はヘッドベース13に設けた前後一対のブラケット70・70に固定されている。図9に示すように、一対の駆動レバー55・56の揺動先端にはそれぞれ受動腕71・72が設けられており、各受動腕71・72の板面に、各偏心カム62・63と係合するカム溝64・65が形成されている。各受動腕71・72は、モーター3の中心軸上で上下に間隔をあけて隣接する状態で設けられている。このように、可動刃駆動構造D1と可動刃駆動構造D2は、モーター3を共通の駆動源としており、1個のモーター3のみで4個の可動刃23・27を往復駆動する。 【0029】 前側の駆動レバー55には、同レバー55の往復動作を第1メイン刃16とセンター刃17の可動刃23・27に伝動する連結ピン(連結体)57・58が所定の間隔をあけて固定されている。また、後側の駆動レバー56には、同レバー56の往復動作を第2メイン刃18とサブ刃19の可動刃23・27に伝動する連結ピン(連結体)59・60が、所定の間隔をあけて固定されている。このように、各連結ピン57~60の配置位置を異ならせることにより、各連結ピン57・58と揺動中心軸68の間の前後距離が異なり、各連結ピン59・60と揺動中心軸69の間の前後距離が異なることになる。図5に示すように、各連結ピン57~60の上端は、各可動刃フレーム25・25・29・29に設けた連結穴73~76に係合しており、両者の間には各可動刃23・27を固定刃22・26へ向かって押し上げ付勢する弾性手段である可動刃ばね(ばね)77が配置されている。センター刃17およびサブ刃19の可動刃27を押し上げ付勢する可動刃ばね77のばね荷重は、各メイン刃16・18の可動刃23を押し上げ付勢する可動刃ばね77のばね荷重より小さく設定されている。これにより、センター刃17およびサブ刃19の固定刃26を、各メイン刃16・18の固定刃22より沈ませやすくして、肌当りをソフトにすることができる。なお、可動刃駆動構造D1・D2の構成部品の内、モーター3を除く各部材はケース体15の内部に収容されて、ケース体15の上面をシールするパッキン(図示していない)で封止されており、各連結ピン57・58・59・60のみがパッキンを貫通して、各可動刃23・27に駆動レバー55・56の揺動動作を伝動する。 【0030】 ひげ剃り時には、前側の可動刃駆動構造D1の駆動レバー55と、後側の可動刃駆動構造D2の駆動レバー56をモーター動力で同時に揺動駆動して、4個の各可動刃23・27を往復駆動する。このとき、モーター3の回転方向は、一方向(図1に向かって時計回転方向)であるので、各駆動構造D1・D2における駆動レバー55・56は、互いに逆向きに同期した状態で揺動駆動され、前側の切断刃群C1の可動刃23・27と、後側の切断刃群C2の可動刃23・27は、互いに逆向きに往復駆動される。そのため、前後の可動刃23・27が往復移動するときの振動を互いに打消し合って肌面に不快な振動が作用するのを解消でき、より滑らかにひげ切断を行うことができる。 【0031】 また、図10に示すように、各可動刃23・27は、対応する固定刃22・26に対して左右に往復移動しながら、僅かに前後移動する。そのため、各可動刃23・27は、固定刃22・26に捕捉されたひげを、引切り作用を発揮して、ひげ切断を円滑にしかも的確に行える。また、前側の切断刃群C1においては、駆動レバー55の揺動中心軸68の中心から各連結ピン57・58の中心までの前後距離が異なるため、揺動中心軸68に近い側の可動刃23の左右の往復ストロークS1、および前後移動量T1は、揺動中心軸68から遠い側の可動刃27の左右の往復ストロークS2、および前後移動量T2に比べて小さくなる。後側の切断刃群C2においても同様の差が生じる。 【0032】 詳しくは、前側の切断刃群C1においては、センター刃17の可動刃27の左右ストロークS2と前後移動量T2と往復速度が、第1メイン刃16の可動刃23の左右ストロークS1と前後移動量T1と往復速度より大きくなる。そのため、センター刃17で長毛やくせ髭を効果的に切断したのち、前後に隣接する各メイン刃16・18で短毛を効果的に仕上げ切断できる。また、後側の切断刃群C2においては、第2メイン刃18の可動刃23の左右ストロークS2と前後移動量T2と往復速度が、サブ刃19の可動刃27の左右ストロークS1と前後移動量T1と往復速度がより大きくなる。後側の切断刃群C2におけるサブ刃19の可動刃27を駆動する連結ピン60と揺動中心軸69の中心間距離は、第2メイン刃18の可動刃23を駆動する連結ピン59と揺動中心軸69の中心間距離より小さい。そのため、サブ刃19の可動刃27には、第2メイン刃18の可動刃23に比べて、より大きな揺動トルクが作用する。そのため、刃穴の開口面積が大きなサブ刃19の固定刃26に捕捉された長宅やくせ毛を効果的に切断して、効率よくひげ切断を行える。 【0033】 上記のように構成した電気かみそりは、センター刃17およびサブ刃19の固定刃26がスリット刃として構成してあるため肌当りが悪く、網刃構造の固定刃22に比べて滑らかな肌当り感が得られにくい。しかも、全ての可動刃23・27が前後に振動するので、ひげ剃り後にヒリヒリ感を生じやすい傾向がある。こうした使用感を改善し、滑らかな肌当り感を得るために、各メイン刃16・18の固定刃22の左右両端と、センター刃17およびサブ刃19の固定刃26の左右両端のそれぞれに、肌当り突部81~84を設けている。具体的には、各メイン刃16・18の固定刃22を支持する固定刃フレーム24において、左右の側端枠24aの上端に各固定刃22の頂部より上方へ突出する肌当り突部81・83を設けている。また、センター刃17およびサブ刃19の固定刃26を支持する固定刃フレーム28において、左右の側端枠28aの上端に各固定刃26の頂部より上方へ突出する肌当り突部82・84を設けている。 ・・・ 【0049】 (別実施例5) 図19は切断刃群C1・C2と可動刃駆動構造D1・D2を変更した別実施例5を示す。そこでは、前側の切断刃群C1を3個の切断刃16・17・20で構成し、後側の切断刃群C2を3個の切断刃18・19・21で構成した。駆動レバー55は、全ての切断刃16~21と直交する状態で1個のみ設け、その前後中央部を支軸101でシーソー揺動できるように軸支した。また、駆動レバー55の後部下面にカム溝102と、同溝102を駆動する偏心カム103を設け、偏心カム103をモーター3で回転駆動するようにした。支軸101と、同軸101に隣接する連結ピン61・59の中心間距離L1は、前後に隣接する連結ピン57~61・66の中心間距離L1と同じにした。この実施例では、前側の切断刃群C1の可動刃23・27と、後側の切断刃群C2の可動刃23・27は、互いに逆向きに往復揺動する。」 イ 図面 「【図1】 [図:0001420358000001.jpg] 【図2】 [図:0001420358000002.jpg] 【図3】 [図:0001420358000003.jpg] 【図4】 [図:0001420358000004.jpg] 【図5】 [図:0001420358000005.jpg] ・・・ 【図7】 [図:0001420358000006.jpg] 【図8】 [図:0001420358000007.jpg] 【図9】 [図:0001420358000008.jpg] 【図10】 [図:0001420358000009.jpg] ・・・ 【図19】 [図:0001420358000010.jpg] 」 (2)甲1の記載事項の整理 ア 段落0018~0020、0027、0049、図1、4~5、19の記載からみて、甲1記載の電気かみそりは、固定刃22、26と、この固定刃22、26の内面に摺接しつつ左右に往復駆動する可動刃23、27を備える。 イ 段落0018~0020、0024、0029、図3、5、7~8の記載からみて、甲1記載の電気かみそりは、可動刃23、27が押し上げ付勢する固定刃22、26が取付けられた固定刃フレーム24、28と、固定刃フレーム24、28が取付けられた固定刃ホルダー14と、固定刃ホルダー14が取付けられた本体ケース1を備える。 ウ 段落0017~0018、0027~0030、0049、図1~3、19の記載からみて、甲1記載の電気かみそりは、本体ケース1の内部に配置されたモーター3と、モーター3の動力によって前記可動刃23、27を往復駆動させる可動刃駆動構造D1とを備えている。 エ 段落0027~0029、0049、図19の特に別実施例5の記載からみて、上記可動刃駆動構造D1は、支軸101でシーソー揺動できるように軸支した駆動レバー55を有する。 そして、この駆動レバー55の支軸101より前側の上面に、本体ケース1の正面側から順に、上側が可動刃に連結される連結ピン57と連結ピン58と連結ピン61が距離L1の間隔で固定される。 また、駆動レバー55の前記支軸101より後側の上面に、本体ケース1の正面側から順に、上側が可動刃に連結される連結ピン59と連結ピン60と連結ピン66が距離L1の間隔で固定されている。 そして、可動刃駆動構造D1は1つのみ設けられる。 オ 段落0018~0020、0049、図3~4、19の記載からみて、甲1記載の電気かみそりの本体ケース1の上面側に固定刃22、26が配されており、この固定刃22、26は、4つの固定刃22と当該固定刃22と異なる形状の2つの固定刃26とからなり、可動刃23、27は、固定刃22と対応する可動刃23と固定刃26と対応する可動刃27とからなる。 そして、特に段落0049及び図19に記載された別実施例5において、固定刃22と可動刃23とでメイン刃16、20、18、21が構成されており、固定刃26と可動刃27とでセンター刃17及びサブ刃19が構成されており、センター刃17が前記メイン刃16、20と、サブ刃19がメイン刃18、21に隣接して配されていることが、記載されている。 カ 段落0049、図19の記載からみて、上記可動刃駆動構造D1が有する上記駆動レバー55の支軸101より前側において、連結ピン58の中心軸線上に可動刃23、27、23のうちの可動刃27が取付けられており、連結ピン58の中心軸線を基準として3つの可動刃23、27、23が前後に距離L1の間隔で配置されている。 そして、駆動レバー55の支軸101より後側において、連結ピン60の中心軸線上に可動刃23、27、23のうちの可動刃27が取付けられており、連結ピン58の中心軸線と平行な連結ピン60の中心軸線を基準として3つの可動刃23、27、23が前後に距離L1の間隔で配置されている。 (3)甲1に記載された発明 上記(1)~(2)より、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「固定刃22、26と、前記固定刃22、26の内面に摺接しつつ左右に往復駆動する可動刃23、27と、 前記可動刃23、27が押し上げ付勢する前記固定刃22、26が取付けられた固定刃フレーム24、28と、前記固定刃フレーム24、28が取付けられた固定刃ホルダー14と、前記固定刃ホルダー14が取付けられた本体ケース1と、 前記本体ケース1の内部に配置されたモーター3と、前記モーター3の動力によって前記可動刃23、27を往復駆動させる可動刃駆動構造D1とを備え、 前記可動刃駆動構造D1は、支軸101でシーソー揺動できるように軸支した駆動レバー55を有し、前記駆動レバー55の前記支軸101より前側の上面に、前記本体ケース1の正面側から順に、上側が可動刃に連結される連結ピン57と連結ピン58と連結ピン61が距離L1の間隔で固定され、及び前記駆動レバー55の前記支軸101より後側の上面に、前記本体ケース1の正面側から順に、上側が可動刃に連結される連結ピン59と連結ピン60と連結ピン66が距離L1の間隔で固定されており、 前記可動刃駆動構造D1は1つのみ設けられ、 前記本体ケース1の上面側に前記固定刃22、26が配されており、前記固定刃22、26は、4つの固定刃22と当該固定刃22と異なる形状の2つの固定刃26とからなり、前記可動刃23、27は、前記固定刃22と対応する可動刃23と前記固定刃26と対応する可動刃27とからなり、 前記固定刃22と前記可動刃23とでメイン刃16、20、18、21が構成されており、前記固定刃26と前記可動刃27とでセンター刃17及びサブ刃19が構成されており、前記センター刃17が前記メイン刃16、20と、サブ刃19が前記メイン刃18、21に隣接して配されており、 前記可動刃駆動構造D1が有する前記駆動レバー55の前記支軸101より前側における前記連結ピン58の中心軸線上に可動刃23、27、23のうちの可動刃27が取付けられており、前記連結ピン58の中心軸線を基準として3つの可動刃23、27、23が前後に距離L1の間隔で配置されており、かつ、前記可動刃駆動構造D1が有する前記駆動レバー55の前記支軸101より後側における前記連結ピン60の中心軸線上に可動刃23、27、23のうちの可動刃27が取付けられており、前記連結ピン58の中心軸線と平行な前記連結ピン60の中心軸線を基準として3つの可動刃23、27、23が前後に距離L1の間隔で配置されている電気かみそり。」 2 甲2 (1)甲2の記載事項の整理 ア 段落0001、0013、図2の記載からみて、甲2記載のドライシェービング装置のガイドピン42、43、44は結合エレメント23の上に配されている。 イ 段落0013、0014、図2~3の記載からみて、甲2記載のドライシェービング装置の結合エレメント23の下にガイドピン44の手段が配され、ドライブエレメント40にガイドピン44の手段が固定されている。 ウ 甲2の段落0001、0013~0015、図2の記載からみて、甲2記載のドライシェービング装置のガイドピン44の手段と結合エレメント23とガイドピン44とを通る中心線上には内部カッタ34が取付けられ、この中心線を基準として3つの内部カッタ21、22、34が前後に対称配置されている。 (2)甲2記載の技術的事項 上記(1)より、甲2には次の技術的事項(以下「甲2記載の技術的事項」という。)が記載されている。 「ドライシェービング装置において、ガイドピン42、43、44が結合エレメント23の上に配され、結合エレメント23の下にガイドピン44の手段が配され、ドライブエレメント40にガイドピン44の手段が固定され、ガイドピン44の手段と結合エレメント23とガイドピン44とを通る中心線上に内部カッタ34が取付けられ、この中心線を基準として3つの内部カッタ21、22、34が前後に対称配置であること。」 3 甲3 (1)甲3の記載事項の整理 ア 段落0001、0030、図5の記載からみて、甲3記載の電気髭剃機において、二つの駆動要素48及び駆動要素47が連結要素Kの上に配されている。 イ 段落0019、0021、図3の記載からみて、甲3記載の電気髭剃機の上記連結要素Kの下に連結要素11が配され、駆動ピン10に連結要素11が固定されている。 ウ 段落0030~0031、図5~6の記載からみて、甲3記載の電気髭剃機の連結要素11と連結要素Kと駆動要素47とを通る中心線上に下カッター49が取り付けられ、この中心線を基準として下カッター49に対し2つの下カッター22が前後対称配置である。 (2)甲3記載の技術的事項 上記(1)より、甲3には次の技術的事項(以下「甲3記載の技術的事項」という。)が記載されている。 「電気髭剃機において、二つの駆動要素48及び駆動要素47が連結要素Kの上に配され、連結要素Kの下に連結要素11が配され、駆動ピン10に連結要素11が固定され、連結要素11と連結要素Kと駆動要素47とを通る線上に下カッター49が取り付けられ、中心線を基準として下カッター49に対し2つの下カッター22が前後対称配置であること。」 4 甲4 (1)甲4の記載事項の整理 ア 段落0001、0012、0015、0018、図3、5の記載からみて、甲4記載の電気かみそりにおいて、3つの垂直筒11Bが内刃台11の上部に配されている。 イ 段落0030、0033、図4、6の記載からみて、上記内刃台11の下部に連結凸部11Dが配され、サブ振動台20に連結凸部11Dが連結されている。 ウ 段落0012、0018、図3、5の記載からみて、甲4記載の電気かみそりの連結凸部11Dと内刃台11と中央の垂直筒11Bとを通る中心線上に、中央の内刃6が取り付けられ、この中心線を基準として三連の内刃6が前後に対称配置である。 (2)甲4記載の技術的事項 上記(1)より、甲4には次の技術的事項(以下「甲4記載の技術的事項」という。)が記載されている。 「電気かみそりにおいて、3つの垂直筒11Bが内刃台11の上部に配され、内刃台11の下部に連結凸部11Dが配され、サブ振動台20に連結凸部11Dが連結され、連結凸部11Dと内刃台11と中央の垂直筒11Bとを通る中心線上に、中央の内刃6が取り付けられ、この中心線を基準として三連の内刃6が前後に対称配置であること。」 5 甲5 (1)甲5の記載事項の整理 ア 段落0001~0004、0006~0007には、電気かみそりの技術分野において、2つの駆動子を用いた場合に低振動化を図ることの課題があることについて記載されている。 イ 段落0016、0039、0040、0046には、上記アの課題に対して、駆動子の重量や振幅といった2つの駆動子を駆動する駆動力のバランスを考慮することについて、記載されている。 (2)甲5記載の技術的事項 上記(1)より、甲5には次の技術的事項(以下「甲5記載の技術的事項」という。)が記載されている。 「電気かみそりでは、低振動化のためには、駆動子の重量や振幅といった2つの駆動子を駆動する駆動力のバランスを考慮すること。」 6 甲6 (1)甲6の記載事項の整理 ア 段落0023の記載からみて、甲6記載の電気かみそりのトリマーユニット20が駆動位置(上位置)に回動した際に、往復移動駒28に駆動レバー26が係合する。 イ 上記アのとおり往復移動駒28に駆動レバー26が係合すると、段落0021記載のとおり駆動レバー26と電動かみそりの本体10に設けられた駆動機構が連繋し、段落0024、0027記載のとおりトリマーユニット20のトリマー刃14が作動する。 (2)甲6記載の技術的事項 上記(1)より、甲6には次の技術的事項(以下「甲6記載の技術的事項」という。)が記載されている。 「電気かみそりにおいて、トリマーユニット20が駆動位置(上位置)に回動した際に、往復移動駒28に駆動レバー26が係合することにより、電気かみそり本体10に内蔵された、ひげそり用の駆動機構を介してトリマーユニット20のトリマー刃14が作動すること。」 第5 当審の判断 1 本件特許発明1の進歩性 (1)本件特許発明1と甲1発明の対比 ア 甲1発明の「固定刃22、26」は本件特許発明1の「外刃」に相当し、同様に「可動刃23、27」は「内刃」に相当する。 イ 甲1発明の「前記可動刃23、27が押し上げ付勢する前記固定刃22、26が取付けられた」は本件特許発明1の「前記内刃の昇降動作に追従可能に前記外刃が取り付けられた」に相当し、以下同様に「固定刃フレーム24、28」は「外刃保持枠」に、「固定刃ホルダー14」は「刃枠」に、「本体ケース1」は「本体」に、それぞれ相当する。 ウ 甲1発明の「モーター3」は本件特許発明1の「モータ」に相当し、以下同様に「動力」は「駆動力」に、「往復駆動」は「往復動」に、「可動刃駆動構造D1」は「オシレータ」に、それぞれ相当する。 エ 甲1発明の「連結ピン57、59」は本件特許発明1の「第1腕」に相当し、以下同様に「連結ピン58、60」は「第2腕」に、「連結ピン61、66」は「第3腕」に、それぞれ相当する。また、甲1発明の「距離L1の間隔」は本件特許発明1の「所定間隔」に相当し、同様に「固定されており」は「配されており」に相当する。 次に、甲1発明の 「前記可動刃駆動構造D1は、支軸101でシーソー揺動できるように軸支した駆動レバー55を有し、前記駆動レバー55の前記支軸101より前側の上面に、前記本体ケース1の正面側から順に、上側が可動刃に連結される連結ピン57と連結ピン58と連結ピン61が距離L1の間隔で固定され、及び前記駆動レバー55の前記支軸101より後側の上面に、前記本体ケース1の正面側から順に、上側が可動刃に連結される連結ピン59と連結ピン60と連結ピン66が距離L1の間隔で固定されており、 前記可動刃駆動構造D1は1つのみ設けられ、」と、 本件特許発明1の 「前記オシレータは、往復動可能な可動台と、前記可動台に立設固定されて上端部が前記内刃に着脱可能に取付けられたアーム部とを有し、前記アーム部は、前記本体の正面側から順に、第1腕と第2腕と第3腕が所定間隔で腕支持部の真上に配されており、前記腕支持部の真下にアーム取付部が配されており、前記可動台に前記アーム取付部が立設固定されており、 前記オシレータは、前記本体の正面寄りに配設される第1オシレータと前記本体の背面寄りに配設される第2オシレータとからなり、」とを対比すると、 両者は「前記オシレータは、前記本体の正面側から順に、第1腕と第2腕と第3腕が所定間隔で配されたものが2組固定されて」いる点に限り一致する。 オ 甲1発明の「固定刃22」は本件特許発明1の「第1外刃」に相当し、以下同様に「固定刃26」は「第2外刃」に、「可動刃23」は「第1内刃」に、「可動刃27」は「第2内刃」にそれぞれ相当する。 そして、甲1発明の「メイン刃16、20、18、21」は本件特許発明1の「カット刃」に相当し、甲1発明の「センタ刃17」及び「サブ刃19」はいずれも本件特許発明1の「トリマ刃」に相当する。 カ 甲1発明の「連結ピン58の中心軸線」は本件特許発明1の「第1中心線」に相当し、同様に「連結ピン60の中心軸線」は「第2中心線」に相当する。 次に、甲1発明の 「前記可動刃駆動構造D1が有する前記駆動レバー55の前記支軸101より前側における前記連結ピン58の中心軸線上に可動刃23、27、23のうちの可動刃27が取付けられており、前記連結ピン58の中心軸線を基準として3つの可動刃23、27、23が前後に距離L1の間隔で配置されており、かつ、前記可動刃駆動構造D1が有する前記駆動レバー55の前記支軸101より後側における前記連結ピン60の中心軸線上に可動刃23、27、23のうちの可動刃27が取付けられており、前記連結ピン58の中心軸線と平行な前記連結ピン60の中心軸線を基準として3つの可動刃23、27、23が前後に距離L1の間隔で配置されている」と、 本件特許発明1の 「前記第1オシレータにおける前記アーム取付部と前記腕支持部と前記第2腕とを通る第1中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であり、かつ、前記第2オシレータにおける前記アーム取付部と前記腕支持部と前記第2腕とを通る第2中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線と平行な前記第2中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であること」とを対比すると、 両者は、「前記オシレータにおける前側の第1中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であり、前記オシレータにおける後側の第2中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第2中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置である」という点に限り、一致する。 また、甲1発明の「電気かみそり」は本件特許発明1の「往復式電気かみそり」に相当する。 (2)本件特許発明1と甲1発明の一致点 本件特許発明1と甲1発明とは、次の点で一致する。 外刃と、前記外刃の内面に摺接しつつ左右に往復動する内刃と、 前記内刃の昇降動作に追従可能に前記外刃が取付けられた外刃保持枠と、前記外刃保持枠が取付けられた刃枠と、前記刃枠が取付けられた本体と、 前記本体に内蔵されたモータと、前記モータの駆動力によって前記内刃を往復動させるオシレータとを備え、 前記オシレータは、前記本体の正面側から順に、第1腕と第2腕と第3腕が所定間隔で配されたものが2組固定されており、 前記本体の上面側に前記外刃が配されており、前記外刃は、4つの第1外刃と当該第1外刃と異なる形状の2つの第2外刃とからなり、前記内刃は、前記第1外刃と対応する第1内刃と前記第2外刃と対応する第2内刃とからなり、前記第1外刃と前記第1内刃とでカット刃が構成されており、前記第2外刃と前記第2内刃とでトリマ刃が構成されており、前記トリマ刃が前記カット刃に隣接して配されており、 前記オシレータにおける前側の第1中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であり、前記オシレータにおける後側の第2中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第2中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置である 往復式電気かみそり。 (3)本件特許発明1と甲1発明の相違点 ア 相違点1 本件特許発明1のオシレータが「本体の正面寄りに配設される第1オシレータ」と「本体の背面寄りに配設される第2オシレータ」とからなるのに対して、甲1発明のオシレータは1つのみである点。 イ 相違点2 オシレータにおいて、本体の正面側から順に第1腕と第2腕と第3腕が所定間隔で配されていることについて、本件特許発明1は、「往復動可能な可動台」に、「第1腕と第2腕と第3腕が真上に配された腕支持部の真下にアーム取付部が配されたアーム部が立設固定されている」のに対して、甲1発明は、「支軸101でシーソー揺動できるように軸支した駆動レバー55の上面」に配される点。 ウ 相違点3 前記オシレータにおける、前側の第1中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第1中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であり、前記オシレータにおける後側の第2中心線上に前記第2内刃のうちの1つが取付けられており、前記第2中心線を基準として3つの前記内刃が前後に対称配置であることについて、上記相違点1のオシレータの数の相違により、本件特許発明1は、前側の第1中心線が、本体の正面寄りに配設される第1オシレータにおける第2腕を通る第1中心線であり、後側の第2中心線が、本体の背面寄りに配設される第2オシレータにおける第2腕を通る第2中心線であるのに対して、甲1発明は、1つのオシレータにおいて、前側の第1中心線が、駆動レバー55の支軸101より前側における第2腕(連結ピン58)の中心軸線であり、後側の第2中心線が、駆動レバー55の支軸101より後側における第2腕(連結ピン60)の中心軸線である点。 (4)相違点の検討 ア 相違点2について 事案に鑑み、相違点2から検討する。 本件特許発明1の第1腕と第2腕と第3腕は、往復動可能な可動台に腕支持部とアーム取付部を介して配されていることから、第1オシレータに取り付けられた3つの内刃は、いずれも左右方向に可動台と同じ往復動、すなわち、ストローク、速度、及び位置が揃った往復動を行うものであり、第2オシレータにおいても、取り付けられた3つの内刃は、左右方向に可動台と同じ往復動を行う点で同様である。 これに対して、甲1発明の連結ピン(第1腕と第2腕と第3腕)は、支軸101でシーソー揺動できるように軸支した駆動レバー55に立設固定されていることから、甲1の段落0031(実施例1に関する記載であるが、図19の別実施例5も同様の機序で作用することが明らかである。)に記載されているとおり、各可動刃のストロークが異なり、左右方向における位置、速度、あるいはトルクも異なる。 ここで、甲1発明は、甲1の段落0032にも説明されているように、段落0031に記載された各可動刃の往復動の態様の差違を用いて効率よくひげ切断を行うものであるから、相違点2に関し、甲1発明の構成を、可動刃の往復動の態様に差違のない本件特許発明1の構成に置き換える動機が存在しない。 また、甲1の段落0033において、電気かみそりの肌当りが悪いことについて説明されているが、その改善のために肌当り突部を設けるという手段を甲1の課題(段落0005)解決のための手段としており、この可動刃の往復動の態様を変更しようとはしていないから、この説明もやはり上記の動機になるとはいえない。 そして、上記第4の2~6における甲2~6記載の技術的事項についてみると、いずれも相違点2について開示するものではなく、また、甲1発明においてこのような動機が存在することを示唆するものでもないから、甲1発明に適用して相違点2に係る本件特許発明1に想到することが、当業者にとって容易であるとはいえない。 イ 特許異議申立書の主張について 次に、特許異議申立書(以下、単に「申立書」という。)の進歩性に関する申立人の主張について検討する。 (ア)申立書3.4.3(1)イの主張 申立書3.4.3(1)イ(第28~29ページ)においては、甲1の実施例1(段落0017~0042)に係る電気かみそりに関して、「可動刃駆動構造はD1及びD2の2つからなり、可動刃駆動構造D1及び可動刃駆動構造D2は、可動刃(内刃)が往復動する方向と直交する方向に並んで配置され、前側のメイン刃(切断刃)16、センター刃(切断刃)17で構成される切断刃群C1が、連結ピン(連結体)57、58により可動刃駆動構造D1の駆動レバー55に固定され、後側のメイン刃(切断刃)18、サブ刃(切断刃)19で構成される切断刃群C2が、連結ピン(連結体)59、60により可動刃駆動構造D2の駆動レバー56に固定されている」ものであることが説明され、甲1の主に別実施例5(段落0049)に基づく甲1発明に対し、この実施例1の構成を採用することは、適宜行うことができる技術的な設計的事項である旨が記載されている。 しかしながら、甲1発明に実施例1の構成を適用して、オシレータ(可動刃駆動構造)の数(相違点1)を本件特許発明1と同じく2つにし得るとしても、第1腕と第2腕と第3腕が固定される可動刃駆動構造D1の駆動レバー55及び可動刃駆動構造D2の駆動レバー56は、それぞれ揺動中心軸68及び揺動中心軸69を中心に揺動可能(段落0028)であり、いずれも「シーソー揺動できるように軸支した駆動レバー」である点で甲1発明と同じであるから、甲1発明に実施例1の構成を適用しても、少なくとも第1オシレータ及び第2オシレータに取り付けられた3つの内刃がそれぞれ可動台と同じ往復動をする相違点2に係る本件特許発明1の構成を充足するものではない。したがって、上記申立書3.4.3(1)イに記載の主張によって、本件特許発明1の進歩性を否定するには到らない。 (イ)申立書3.4.3(1)ウの主張 申立書3.4.3(1)ウ(第29ページ)においては、申立書の3.4.2(5)「甲第2号証ないし甲第4号証に記載された技術常識」(第21~22ページ)によれば、相違点1に係る本件特許発明1の構成要件C1ないし構成要件C3(「前記本体の正面側から順に、第1腕と第2腕と第3腕が所定間隔で腕支持部の真上に配されており、前記腕支持部の真下にアーム取付部が配されており、前記可動台に前記アーム取付部が立設固定されており、」の発明特定事項)は、電気かみそりにおいて技術常識(以下「甲2~4記載の技術常識」という。)である旨が記載されている。 しかしながら、当該構成要件C1ないし構成要件C3が、たとえ技術常識として甲2~4に記載されているとしても、上記のとおり、甲1発明において適用する動機はなく、甲1発明に適用して相違点2に係る本件特許発明1に想到することが、当業者にとって容易であるとはいえない。 したがって、上記申立書3.4.3(1)ウに記載の主張によっても、本件特許発明1の進歩性を否定するには到らない。 (5)本件特許発明1の進歩性についてのまとめ 上記(4)のとおりであるから、相違点1、3について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明、及び甲2~6記載の技術的事項もしくは甲2~4記載の技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本件特許発明2~3の進歩性 本件特許発明2~3は、本件特許発明1に対して、さらに技術的事項を追加したものである。そうすると、上記1に示した理由と同様の理由により、本件特許発明2~3は、甲1発明、及び甲2~6記載の技術的事項もしくは甲2~4記載の技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 小括 したがって、請求項1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-701032

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    共通の審決分類: 121・B26B
  • 2024-700223異議申立 / 2024-05-28 / 維持キッチンナイフ
    共通の審決分類: 121・B26B
  • 2024-700193異議申立 / 2024-05-22 / 維持キッチンナイフ
    共通の審決分類: 121・B26B

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