特許異議申立
2024-700961
ベルト管理システム
- 審判番号
- 2024-700961
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-122554
- 登録番号
- 7461324
- 請求日
- 2024年10月02日
- 審決日
- 2025年01月22日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】三ツ星ベルト株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人ATEN
- 【異議申立人】佐藤 雅彦
- 審判長/審判官
- 審判長 梶尾 誠哉
- 審判官 緑川 隆
- 審判官 伏本 正典
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q) / P1651.537-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7461324号発明「ベルト管理システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7461324号の請求項1~9に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7461324号(以下「本件特許」という。)の請求項1~9に係る特許についての出願は、令和3年(2021年)7月27日(国内優先権主張 令和2年7月27日)に出願され、令和6年(2024年)3月26日にその特許権の設定登録がされ、同年4月3日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、同年10月2日に特許異議申立人 佐藤 雅彦(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~9に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明9」といい、併せて「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバと、を備えた、ベルト管理システムであって、
前記端末装置は、
ベルトに埋設されたRFID(Radio Frequency Identification)用タグに記憶された、識別情報を読み取る読取部と、
前記ベルトの管理情報を表示する表示部と、
前記読取部で読み取った前記識別情報及び要求された前記ベルトの管理情報の種類を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部と、を備え、
前記管理サーバは、
複数のベルトに対応する前記識別情報と、多種類の、前記ベルトの管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部と、
前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の種類に対応する、前記記憶部に記憶された前記ベルトの管理情報を、前記端末装置に送信する、サーバ側制御部と、を備えている、ベルト管理システム。
【請求項2】
前記サーバ側制御部は、前記端末装置の前記端末側制御部から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の更新指令に基づき、前記記憶部の、前記識別情報に対応する、前記ベルトの管理情報を更新する、請求項1に記載のベルト管理システム。
【請求項3】
前記ベルトの管理情報は、前記ベルトのメンテナンス情報を含む、請求項2に記載のベルト管理システム。
【請求項4】
前記ベルトの管理情報は、前記ベルトの仕様書、検査成績書、SDS、及び、前記ベルトの取扱説明書の少なくとも1つを含む、請求項1~3の何れかに記載のベルト管理システム。
【請求項5】
前記ベルトの管理情報は、交換時期に関する情報を含み、
前記サーバ側制御部は、前記端末装置の前記端末側制御部から送信された、前記識別情報と、前記ベルトの販売日又は使用開始日に基づき、前記記憶部の、前記識別情報に対応する、前記ベルトの交換時期を書き込む、請求項1~4の何れかに記載のベルト管理システム。
【請求項6】
前記ベルトの管理情報は、前記ベルトの修理・購入に必要な情報を含み、
前記端末装置の前記端末側制御部は、前記ベルトの修理・購入に必要な情報に基づき、発注指令を送信可能であり、
前記管理サーバの前記サーバ側制御部は、前記端末装置の前記端末側制御部から送信された、前記識別情報及び前記発注指令に基づき、前記記憶部に、前記識別情報に対応する受注履歴として記憶する、請求項1に記載のベルト管理システム。
【請求項7】
前記ベルトは、有端状のベルト帯を接合して無端状にした輪形状をしており、
前記RFID用タグは、前記ベルトの接合部付近に埋設されている、請求項1~6の何れかに記載のベルト管理システム。
【請求項8】
前記読取部は、前記ベルトの周回動作により搬送物を搬送するために使用された状態で、周回動作する前記ベルトから所定距離離れた場所に設置されている、請求項1~7の何れかに記載のベルト管理システム。
【請求項9】
端末装置と、当該端末装置に接続される管理サーバと、を備えた、ベルト管理システムであって、
前記端末装置は、
ベルトに埋設されたRFID(Radio Frequency Identification)用タグに記憶された、識別情報を読み取る読取部と、
前記ベルトの管理情報を表示する表示部と、
前記読取部で読み取った前記識別情報及び要求された前記ベルトの管理情報の種類を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部と、を備え、
前記管理サーバは、
複数のベルトに対応する前記識別情報と、多種類の、前記ベルトの管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部と、
前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の種類に対応する、前記記憶部に記憶された前記ベルトの管理情報を、前記端末装置に送信する、サーバ側制御部と、を備えている、ベルト管理システム。」
第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証~甲第10号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲10」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):特開2019-28874号公報
甲第2号証(甲2):特開2017-41193号公報
甲第3号証(甲3):国際公開第2017/183182号
甲第4号証(甲4):特開2017-102615号公報
甲第5号証(甲5):特表2017-531825号公報
甲第6号証(甲6):特開2017-49650号公報
甲第7号証(甲7):特開2016-196351号公報
甲第8号証(甲8):特許第6242014号公報
甲第9号証(甲9):特表2001-508743号公報
甲第10号証(甲10):特表2002-503802号公報
2 特許異議の申立理由
異議申立人の主張は、概略、以下のとおりである。
(1) 申立理由1(進歩性)
ア 本件特許発明1~4、8、9は、甲1~甲3に記載された発明の少なくとも1つと、甲4~7の記載事項とに基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
イ 本件特許発明5、6は、甲1~甲3に記載された発明の少なくとも1つと、甲4~8の記載事項とに基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
ウ 本件特許発明7は、甲1~甲3に記載された発明の少なくとも1つと、甲4~7、9、10の記載事項とに基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(2) 申立理由2(サポート要件)
本件特許発明7は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載したものではないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(3) 申立理由3(明確性)
本件特許発明1~9は、明確ではないから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
第4 異議申立人の提出した証拠の記載
1 甲1について
甲1には、以下の記載がある。
「【請求項1】
ゴム製品を点検する作業員が所持する携帯端末と、上記携帯端末とネットワーク通信可能な情報管理サーバーとを備えるゴム製品の点検情報管理システムであって、
上記情報管理サーバーが、
複数の点検項目情報を蓄積するデータベースを有し、
上記ゴム製品の管理番号を含む管理識別情報を登録する管理識別情報登録手段と、
上記管理識別情報に基づき、上記データベースの点検項目情報から上記ゴム製品の個別点検リストを決定する個別点検リスト決定手段と、
上記個別点検リストを上記携帯端末に送信する個別点検リスト送信手段と
を備える点検情報管理システム。
【請求項2】
上記管理識別情報が、上記ゴム製品を使用する顧客情報を含む請求項1に記載の点検情報管理システム。
【請求項3】
上記情報管理サーバーが、
上記個別点検リストを送信した携帯端末から上記ゴム製品の管理番号と共に点検結果情報を受信する点検結果情報受信手段と、
上記点検結果情報受信手段により受信した点検結果情報を顧客別に集計する点検結果情報集計手段とを備える請求項2に記載の点検情報管理システム。」
「【請求項6】
上記データベースが、少なくとも1の点検項目に対し複数の異なる作業手順情報を蓄積し、
上記個別点検リスト決定手段が、上記複数の作業手順のうちの1つを選択する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の点検情報管理システム。
【請求項7】
ゴム製品を点検する作業員が所持する携帯端末と、上記携帯端末とネットワーク通信可能な情報管理サーバーとを用いるゴム製品の点検情報管理方法であって、
上記情報管理サーバーが、
複数の点検項目情報を蓄積するデータベースを有し、
上記ゴム製品の管理番号を含む管理識別情報を登録する管理識別情報登録ステップと、
上記管理識別情報に基づき、上記データベースの点検項目情報から上記ゴム製品の個別点検リストを決定する個別点検リスト決定ステップと、
上記個別点検リストを上記携帯端末に送信する個別点検リスト送信ステップと
を備える点検情報管理方法。
【請求項8】
ゴム製品を点検する作業員が所持する携帯端末と、上記携帯端末とネットワーク通信可能な情報管理サーバーとを用いるゴム製品の点検情報管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
上記情報管理サーバーが、複数の点検項目情報を蓄積するデータベースを有し、
上記情報管理サーバーを
上記ゴム製品の管理番号を含む管理識別情報を登録する管理識別情報登録手段と、
上記管理識別情報に基づき、上記データベースの点検項目情報から上記ゴム製品の個別点検リストを決定する個別点検リスト決定手段と、
上記個別点検リストを上記携帯端末に送信する個別点検リスト送信手段と
して機能させるためのプログラム。」
「【0001】
本発明は、点検情報管理システム、点検情報管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルト、ライニング材、ゴム堰といったゴム製品は、使用を続けると、摩耗や傷等により徐々に劣化し、寿命に至る。このため、ゴム製品は一定以上の劣化が進むと補修や交換を必要とする。この補修や交換の要否を確認するため、特に大型のゴム製品で定期的な点検が行われている。」
「【0007】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、点検精度の低下を抑止しつつ、ゴム製品を効率良く点検でき、かつ補修や交換の要否を的確に判断できる点検情報管理システム、点検情報管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。」
「【0011】
・・・なお、顧客情報とは、例えば顧客名のみを指すものではなく、ゴム製品が適用される設備名称、設備の仕様、設備の使用環境、又はこれらの組合せであってもよい。」
「【0023】
〔点検情報管理システム〕
図1に示す点検情報管理システムは、ゴム製品を点検する作業員が所持する携帯端末1と、上記携帯端末1とネットワーク通信可能な情報管理サーバー2とを備えるゴム製品の点検情報管理システムである。当該点検情報管理システムが管理するゴム製品としては、特に限定されないが、例えばコンベヤベルト、ライニング材、ゴム堰、ゴム製の床材等を挙げることができる。当該点検情報管理システムは、中でも寿命に至る要因の種類が多いコンベヤベルトに特に好適に用いることができる。
【0024】
<携帯端末>
携帯端末1は、記憶手段11と、表示手段12と、入力手段13と、通信手段14とを主に備える。
【0025】
携帯端末1としては、例えば公知のスマートフォン、ノートパッド、ノートブックパソコン等を用いることができる。これらの端末では、記憶手段11は、例えば固定ディスク、リムーバルディスク、半導体メモリ等で構成される。表示手段12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、入力手段13は、キーボードや液晶ディスプレイの表面に貼付されたタッチセンサ等のマンマシーンインターフェイルや、カメラ等の撮像装置などで構成される。通信手段14としては無線LAN(WiFi)等が用いられる。また、携帯端末1は例えばCPUで構成される演算処理部(不図示)を有し、記憶手段11、表示手段12、入力手段13、及び通信手段14は、この演算処理部により制御され、その制御プログラムは、通常、記憶手段11に格納されている。
【0026】
<情報管理サーバー>
情報管理サーバー2は、携帯端末1とネットワーク通信可能に構成される。情報管理サーバー2は、データベース20と、記憶手段21と、管理識別情報登録手段22と、個別点検リスト決定手段23と、個別点検リスト送信手段24と、点検結果情報受信手段25と、点検結果情報集計手段26と、寿命予測解析手段27と、個別点検リスト修正手段28とを主に備える。
【0027】
情報管理サーバー2としては、CPUで構成される演算処理部を有するコンピュータ、例えば公知のパーソナルコンピュータやワークステーション等を用いることができる。このようなコンピュータを用いる場合、情報管理サーバー2のデータベース20は、例えば固定ディスク、リムーバルディスク、半導体メモリ等に格納される。情報管理サーバー2の記憶手段21は、例えば固定ディスク、リムーバルディスク、半導体メモリ等で構成される。個別点検リスト送信手段24及び点検結果情報受信手段25には、コンピュータが有する無線LAN(WiFi)等を用いた機器(通信手段)により行われる。また、管理識別情報登録手段22、個別点検リスト決定手段23、個別点検リスト送信手段24、点検結果情報受信手段25、点検結果情報集計手段26、寿命予測解析手段27、及び個別点検リスト修正手段28は、プログラムにより演算処理部を各手段として機能させることで実現される。当該プログラムは、通常、記憶手段21に格納されている。
【0028】
(データベース)
データベース20は、複数の点検項目情報を蓄積する。上記点検項目情報は、点検項目と、その作業手順情報とを含む。
【0029】
点検項目とは、ゴム製品が寿命に至る要因となり得るため必要となる点検の種類を指す。例えばコンベヤベルトを例にとり説明すると、点検項目としては、本体ベルトの摩耗、カット傷、剥離、欠損、硬化、膨潤等を挙げることができる。さらにその発生位置等により、例えば運搬面の摩耗、スカート位置の摩耗、接合面の剥離や摩耗といったようにさらに細分化してもよい。
【0030】
作業手順情報とは、上述の各点検項目に対して行うべき作業内容を指す。1つの点検項目に対して1つの作業手順情報を蓄積してもよいが、複数の作業手順情報を蓄積してもよい。・・・
【0031】
(記憶手段)
記憶手段21は、上述のように当該プログラムを格納する。また、記憶手段21は、必要に応じて情報管理サーバー2の演算処理部が実行するプログラムの処理に必要となるデータ等を記憶する。
【0032】
(管理識別情報登録手段)
管理識別情報登録手段22は、ゴム製品の管理番号及び顧客情報を含む管理識別情報を登録する。この管理番号により点検対象のゴム製品を特定できる。また、顧客情報によりゴム製品を使用する顧客を特定できる。」
「【0034】
この管理識別情報は、記憶手段21にデータとして格納される。管理番号と顧客情報とは、セットで登録してもよいが、それぞれ別に登録してもよい。管理番号と顧客情報とを別に登録する場合は、例えば記憶手段21に格納される管理番号データにポインタを設け、このポインタにより管理番号に対応する顧客情報を紐付けする。このように管理番号と顧客情報とを別に登録することで、複数のゴム製品を使用する顧客に対しても顧客情報を一元管理できるので、管理識別情報のデータ管理が容易となる。顧客情報を紐付けて管理する場合、既に管理識別情報として顧客情報が登録されている場合は、新たに登録を行う必要はなく、登録済みの顧客情報を活用する。
【0035】
(個別点検リスト決定手段)
個別点検リスト決定手段23は、管理識別情報登録手段22により登録された管理識別情報に基づき、上記データベース20の点検項目情報からゴム製品の個別点検リストを決定する。具体的には、個別点検リスト決定手段23では、点検対象のゴム製品の管理番号を基に、このゴム製品に対応する顧客情報を参照して顧客を特定する。そして、後述する点検結果集計手段26により顧客別に集計された点検結果情報から上記点検対象のゴム製品の寿命に至る主要因を特定する。特定された主要因を基に点検項目の優先順位及び複数の作業手順のうちの1つを選択する。このようにしてゴム製品の個別点検リストを決定できる。」
「【0038】
(個別点検リスト送信手段)
個別点検リスト送信手段24は、個別点検リストを携帯端末1に送信する。送信された個別点検リストは、携帯端末1の通信手段14を用いて携帯端末1に受信され、例えば携帯端末1の記憶手段11に記憶される。また、この個別点検リストは、作業員が点検を行う際に、表示手段12により携帯端末1に表示される。
【0039】
(点検結果情報受信手段)
点検結果情報受信手段25は、携帯端末1からゴム製品の管理番号と共に点検結果情報を受信する。具体的には、上記個別点検リストに従って作業員がゴム製品を点検を完了すると、携帯端末1は通信手段14によってゴム製品の管理番号、点検日時と共に点検結果情報を情報管理サーバー2に送信する。情報管理サーバー2の点検結果情報受信手段25は、この情報を受け取る。
【0040】
(点検結果情報集計手段)
点検結果情報集計手段26は、点検結果情報受信手段25により受信した点検結果情報を顧客別に集計する。点検結果情報受信手段25によりゴム製品の管理番号を取得しているので、管理識別情報を参照することで、点検結果情報集計手段26は、顧客を特定できる。従って、点検結果情報集計手段26は、顧客別に点検結果情報を集計できる。
【0041】
上記顧客別の点検結果情報は、管理番号毎に格納される。この管理番号毎に格納された点検結果情報は、後述する寿命予測解析手段27で参照される。」
「【0048】
〔点検情報管理方法〕
次に、点検情報管理方法について図2を用いて説明する。当該点検情報管理方法は、ゴム製品を点検する作業員が所持する携帯端末1と、上記携帯端末1とネットワーク通信可能な情報管理サーバー2とを用いるゴム製品の点検情報管理方法である。上記情報管理サーバー2は、複数の点検項目情報を蓄積するデータベース20を有している。当該点検情報管理方法は、図1に示す点検情報管理システムを用いて行うことができる。」
「【0050】
(識別情報管理ステップ)
識別情報管理ステップ(STEP1)では、ゴム製品の管理番号を含む管理識別情報及び顧客情報を登録する。このステップは、管理識別情報登録手段22により行われる。このステップは、ゴム製品の点検を行う前、例えばゴム製品が顧客に納入された時点で行われる準備ステップである。
【0051】
このステップでは、少なくとも点検対象のゴム製品を識別するための管理番号の登録が行われ、対応する顧客情報を特定する。顧客情報が他のゴム製品で登録済みである場合は、その情報を参照するように紐付けすればよいが、新規顧客である場合は、顧客情報の登録が合わせて行われる。また、対象とするゴム製品が例えば新製品等であって、必要な点検項目情報がデータベース20に蓄積されていない場合は、データベース20の点検項目情報の更新が行われる。
【0052】
さらに、必要に応じて、点検結果情報を集計するための管理番号のグループ化処理や、 点検結果情報の初期値としてのゴム製品を設置した時の数値の登録等を行う。
【0053】
(個別点検リスト決定ステップ)
個別点検リスト決定ステップ(STEP2)では、識別情報管理ステップ(STEP1)で登録した管理識別情報に基づき、上記データベース20の点検項目情報からゴム製品の個別点検リストを決定する。このステップは、個別点検リスト決定手段23により行われる。このステップは、例えば図2に示すように作業員が点検作業を行う際に携帯端末1から管理番号を情報管理サーバー2へネットワーク通信を介して送信することで開始することができる。あるいは、識別情報管理ステップを行った際に、続けてこの個別点検リスト決定ステップを行い、後述する個別点検リスト送信ステップにより点検を行う携帯端末1に予め点検リストを送信しておいてもよい。
【0054】
(個別点検リスト送信ステップ)
個別点検リスト送信ステップ(STEP3)では、個別点検リストを携帯端末1に送信する。このステップは、個別点検リスト送信手段24により行われる。
【0055】
この個別点検リストにより、ゴム製品を点検する作業員はゴム製品の点検作業を行うことができる。
【0056】
(点検ステップ)
点検ステップ(STEP4)では、個別点検リストに従って作業員がゴム製品の点検作業を行う。このステップは、携帯端末1を用いて行われる。
【0057】
作業員は、携帯端末1上で、個別点検リスト送信ステップで受信した個別点検リストを表示手段12に表示する。この個別点検リストは図3に示すように点検項目と優先順位及び具体的な作業手順を含み、これらが表示手段12により表示されるので、作業員は上記個別点検リストに従って効率的に点検作業を行うことができる。
【0058】
点検作業の結果は、入力手段13により携帯端末1に入力され、記憶手段11に記録される。この点検結果情報は、例えばベルト厚み等の数値情報、表面の傷の様子等のスケッチや写真の画像データなどを指す。上記画像データは携帯端末1の演算処理部により画像処理することで、傷の数、大きさ等の数値データに変換されてもよい。なお、このデータ変換は後述する点検結果情報受信ステップで画像データを情報管理サーバー2で受信した後に、情報管理サーバー2で実施してもよい。
【0059】
(点検結果情報受信ステップ)
点検結果情報受信ステップ(STEP5)では、携帯端末1から上記ゴム製品の管理番号と共に点検結果情報を受信する。このステップは、点検結果情報受信手段25により行われる。
【0060】
(点検結果情報集計ステップ)
点検結果情報集計ステップ(STEP6)では、点検結果情報受信ステップで受信した点検結果情報を顧客別に集計する。このステップは、点検結果情報集計手段26により行われる。このステップにより過去の点検結果情報に新たな点検結果情報を加えることで、点検結果情報が充実させる。これにより、ゴム製品の寿命に至る主要因を顧客別にさらに的確に把握することができるようになる。」
「【0064】
(個別点検リスト修正ステップ)
個別点検リスト修正ステップ(STEP8)では、上記寿命予測解析ステップでの予測値に基づき個別点検リストを修正する。このステップは、個別点検リスト修正手段28により行われる。
【0065】
修正された個別点検リスト(修正個別点検リスト)は、例えば情報管理サーバー2が有する通信手段により携帯端末1に送信され、携帯端末1に格納されている個別点検リストが更新される。この更新された個別点検リストは、次回の点検に用いられる。
【0066】
〔利点〕
当該点検情報管理システム及び当該点検情報管理方法は、管理識別情報に基づきゴム製品の個別点検リストを決定する個別点検リストを決定するので、当該点検情報管理システム及び当該点検情報管理方法を用いることで、点検リストをゴム製品の管理識別情報に応じて変更することができる。・・・」
「【0070】
上記実施形態では、管理識別情報が顧客情報を含む場合について説明したが、顧客情報を含むことは必須の構成要件ではない。管理識別情報が顧客情報を含まない場合でも、例えば管理番号により決まるゴム製品の品番等により個別点検リストを構成することができる。」
「
[図:0001420350000001.jpg]
」
「
[図:0001420350000002.jpg]
」
2 甲2について
(1) 甲2の記載
甲2には、以下の記載がある(下線は当審において加筆した。以下同じ。)。
「【請求項1】
点検現場において作業者が身につけることができ、入力された点検結果を点検記録データとして記憶部に保存する携帯端末装置と、
該携帯端末装置からの信号を作業者に対し音声情報として出力する音声出力装置、又は前記携帯端末装置からの信号を作業者に対し視覚情報として出力する表示部若しくは画像表示装置、のうち少なくとも一つを備え、
前記記憶部、又は前記携帯端末装置と通信可能に構成されたサーバの少なくとも一方に、点検に必要な点検箇所及び点検項目の情報が点検簿データとして格納されたデータ格納部を備え、
点検箇所における点検作業にあたり、前記携帯端末装置に入力された点検箇所の識別情報に基づいて前記データ格納部を参照し、前記識別情報に対応した点検項目の情報を、音声情報又は画像情報の少なくとも一方として作業者に対し出力するよう構成したことを特徴とする搬送設備のメンテナンス管理システム。
【請求項2】
点検箇所における点検作業にあたり、前記識別情報に対応した点検項目の情報から、点検完了状態となっていない点検項目の情報を作業者に対して順次出力し、続いて作業者から入力された点検結果を、前記点検項目と結びつけた点検記録データとして前記記憶部に保存すると共に前記点検項目を点検完了状態とするよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の搬送設備のメンテナンス管理システム。」
「【請求項4】
点検工程の開始にあたり、前記携帯端末装置に入力された対象機種の指定情報に基づいて前記データ格納部を参照し、
前記指定情報に対応した点検箇所の情報を音声情報又は画像情報の少なくとも一方として作業者に対し出力するよう構成したことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の搬送設備のメンテナンス管理システム。
【請求項5】
識別子から識別情報を取得して前記携帯端末装置に入力する読取部又は読取装置の少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の搬送設備のメンテナンス管理システム。」
「【請求項9】
点検現場において入力された点検結果を点検記録データとして記憶部に保存する携帯端末装置に、点検箇所の識別情報を入力するステップと、
入力された前記点検箇所の識別情報に基づき、点検に必要な点検箇所及び点検項目がデータとして格納されたデータ格納部を参照し、前記点検箇所の識別情報に対応した点検項目の情報を読み込むステップと、
読み込んだ前記点検項目の情報を音声情報又は画像情報の少なくとも一方として作業者に対し出力するステップと
を有することを特徴とする搬送設備のメンテナンス管理方法。」
「【請求項12】
前記点検箇所の識別情報は、点検箇所に付された識別子から読み取られて前記端末装置に入力されることを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の搬送設備のメンテナンス管理方法。」
「【請求項14】
点検工程の開始にあたり、前記携帯端末装置に対象機種の指定情報を入力するステップと、
前記指定情報に対応した点検箇所の情報を音声情報又は画像情報の少なくとも一方として作業者に対し出力するステップと
を有することを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載の搬送設備のメンテナンス管理方法。」
「【0001】
本発明は、搬送設備における点検作業を補助し、管理するためのメンテナンス管理システム及びメンテナンス管理方法に関する。」
「【0008】
上記したようなクレーンやアンローダ、コンベヤ等といった大型の搬送設備では、点検箇所が高所や、多数の機械が隣接して配置されて足場の悪い狭小地に位置していることがままある。そのような場所で点検作業を行う際、両手が塞がっていると作業者にとっては不便であるばかりか、不測の事態に咄嗟に対応できないなど危険が生じることも考えられる。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、点検作業の利便性を向上して能率化を図りつつ、点検作業の安全性を向上し得る搬送設備のメンテナンス管理システム及びメンテナンス管理方法を提供しようとするものである。」
「【0025】
本発明の搬送設備のメンテナンス管理システム及びメンテナンス管理方法によれば、点検作業の利便性を向上して能率化を図りつつ、点検作業の安全性を向上し得るという優れた効果を奏し得る。」
「【0029】
図1に示す第一実施例のメンテナンス管理システムは、点検記録データを保存して一括管理するサーバ1と、作業者が点検の現場において身につけた状態で点検作業を実行できる携帯端末装置2を備えてなる。
【0030】
携帯端末装置2は、例えば作業者の腕部等に装着するウェアラブル端末であっても良いし、作業者の腰部のベルト等に収納可能な大きさのタッチパネル式のタブレット端末であっても良い。その他、携帯端末装置2としては種々の型式のものを用い得る。
【0031】
携帯端末装置2は、図1に示す如く、サーバ1とデータ通信を行う外部通信部3、各種の情報処理を行う情報処理部4、データの記憶を行う記憶部5、点検箇所に付されたタグやバーコード等の識別子6から識別情報の読み取りを行う読取部7、作業者が携帯端末装置2の操作や点検結果の入力を行うための操作部8、作業者に対し文字情報や画像等を表示する表示部9、スピーカ等の外部機器に音声信号を出力する音声出力部10、マイクロフォン等の外部機器からの音声信号が入力される音声入力部11、該音声入力部11に入力された音声信号を情報処理可能なデータに変換する音声認識部12を備えてなる。外部通信部3は、サーバ1と無線通信を行う型式のものでも良いし、有線で接続して通信を行う型式のものでも良く、また、両者を併用する型式のものでも良い。記憶部5は、点検に必要な点検箇所及び点検項目の情報を点検簿データとして格納したデータ格納部5aを備えている。読取部7は、RFタグ等のICタグと通信して識別情報を取得する通信装置として構成されていても良いし、バーコードを読み取るバーコードスキャナや、二次元コードを読み取り可能なカメラ装置として構成されていても良い。その他、識別子6の種類に合わせた各種の型式のものを使用し得る。操作部8と表示部9は、本第一実施例の場合、携帯端末装置2の表面部に備えたタッチパネル13として一体的に構成されている。」
「【0033】
図2は本発明の実施による搬送設備のメンテナンス管理システムの形態の別の一例(第二実施例)を示すもので、基本的な構成は図1に示した上記第一実施例と同様である。第一実施例との違いは、識別子6の読み取りを行う機能を携帯端末装置2に備えた読取部7(図1参照)ではなく、携帯端末装置2の外部に接続した読取装置17として備えた点と、携帯端末装置2の外部機器として画像表示装置18を備え、該画像表示装置18を作業者の頭部に装着して必要な文字情報や画像を表示するヘッドマウントディスプレイとして構成した点である。読取装置17は、上記第一実施例の読取部7(図1参照)と同様、識別子6の種類に合わせて各種の型式のものを使用し得る。・・・
【0034】
図3は本発明の実施による搬送設備のメンテナンス管理システムの形態のさらに別の一例(第三実施例)を示すもので、基本的な構成は図1、図2に示した上記第一、第二実施例と同様である。本第三実施例では、携帯端末装置2本体を作業者の頭部に装着可能なヘッドマウント型端末として構成している。言い換えれば、表示部9がヘッドマウントディスプレイ18として、携帯端末装置2全体が音声入出力装置(ヘッドセット)14として機能するようになっている。これに伴い、本第三実施例では読取部7(図1参照)あるいは読取装置17(図2参照)を廃し、識別情報は操作部8を介して作業者が手入力で入力するか、マイクロフォン16から音声入力部11を介して音声により入力するようにしている。ただし、例えば図2に示す第二実施例のように、外部に読取装置17を接続して識別子6から識別情報を読み取るようにしても勿論良い。また、本第三実施例では、携帯端末装置2の記憶部5ではなく、サーバ1にデータ格納部1aを備えるようにしている。このように、データ格納部についてはサーバ1又は携帯端末装置2の記憶部5のうちいずれに設置しても良く、上記第一、第二実施例においても、記憶部5ではなくサーバ1にデータ格納部1aを備えるようにしても良い。ただし、例えば外部通信部3が有線でのみサーバ1とデータ通信を行うようになっているなど、点検現場において携帯端末装置2とサーバ1の間でデータ通信をすることができない構成となっている場合には、データ格納部はサーバ1ではなく、携帯端末装置2の記憶部5に備えた構成とする必要がある。
【0035】
図4は上記したような携帯端末装置2及び音声入出力装置(ヘッドセット)14、読取装置17を備えてなるマン-マシン・インターフェイスの外観を示したもので、ここでは一例として、図2に示した第二実施例の装置構成を図示している。作業者は、頭部にスピーカ15とマイクロフォン16及びヘッドマウントディスプレイ18を備えたヘッドセット14を装着し、腰部のベルト20はタッチパネル式のタブレット型の携帯端末装置2を収納できるようになっている。ヘッドセット14と携帯端末装置2との間では無線通信により信号をやりとりするようになっているが、有線で接続しても良い。また、携帯端末装置2は、二点鎖線で示す如く、例えば腕に装着するウェアラブル端末として構成されていても良い。」
「【0039】
図5、図6は本発明のメンテナンス管理システムによる点検工程を示したフローチャートである。点検の手順は上記第一実施例~第三実施例のいずれに関してもほぼ同様であるので、ここでは共通のものとしてまとめて説明する。
【0040】
点検が必要な点検箇所や点検項目は、点検の対象である搬送設備の種類(例えばクレーンであるか、アンローダであるか、コンベヤであるか)によって異なり、また、同じ種類の搬送設備であってもその機種によって異なるので、点検工程の開始にあたり、これを最初に指定する必要がある。そこで、まずステップS1として(図5参照)、点検の対象とする機種を指定する。機種の指定は、例えば、表示部9やヘッドマウントディスプレイ18に選択肢として表示された機種の中から、作業者が対象機種を選択することによって行う。あるいは、機種の品番などの指定情報を操作部8から手入力することもできるし、作業者が指定情報を読み上げることでマイクロフォン16から音声入力部11を介して携帯端末装置2に入力することもできる。また、識別子6(図1、図2参照)を読み取り可能な読取部7(図1参照)又は読取装置17(図2参照)を備えている場合には、点検対象の所定位置あるいは点検用のリスト等に付されたバーコードや二次元コード、ICタグ等から、対象機種の指定情報を取得して携帯端末装置2に入力するようにしても良い。
【0041】
続いて、ステップS2として、点検種別を指定する。必要な点検項目は、日常点検か、月例点検か、年次点検かによっても異なるので、これを携帯端末装置2に入力する。入力にあたっては、上記ステップS1と同様、表示部9やヘッドマウントディスプレイ18に選択肢として表示された点検種別の中から作業者が選択するようにしても良いし、操作部8を介した手入力でも、音声入力部11を介した音声入力でも良い。また、読取部7や読取装置17により識別子6から取得しても良い。尚、上記ステップS1とステップS2は、順序を逆にしても良いし、同時に実行しても良い。
【0042】
点検機種及び点検種別が指定されると、携帯端末装置2の情報処理部4は、ステップS3として、サーバ1(図3参照)又は記憶部5(図1、図2参照)のデータ格納部1a又は5aを参照する。データ格納部1a又は5aには、点検対象となる機種及び点検種別毎に、一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報が登録された点検簿データが格納されている。点検箇所とは、点検対象である運搬設備を構成する各機器や機械類のうち、その回の点検工程において点検が必要とされている箇所であり、例えば、点検対象がクレーンであれば巻上機や巻上モータ、配電盤等である。
【0043】
情報処理部4は、データ格納部1a又は5aに格納された点検簿データから、指定された点検機種と点検種別に合致する点検箇所の情報を読み込む。読み込まれた情報は、対象の機種について、今回の点検で点検すべき点検箇所の一覧を含んでいる。そして、情報処理部4は、今回の点検で点検すべき全点検箇所のうち、未点検の点検箇所(点検完了状態となっていない点検箇所)をリストアップし、表示部9又はヘッドマウントディスプレイ18(図2参照)に一覧表として画像表示する。尚、このステップS3において、情報処理部4は、対象の機種における点検簿データのうち、点検箇所の一覧のみをデータ格納部1a又は5aから読み込むようにしても良いし、各点検箇所における点検項目の情報もこの時点で同時に取得しておいても良い。
【0044】
このように、点検工程の開始にあたり、作業者は、必要な点検箇所の情報を取得するために携帯端末装置2に対象機種及び点検種別の識別情報を入力するだけで良い。多くの種類の点検簿の中から必要なものを探し出して持参する必要がないので、点検工程の省力化を図ることができる。」
「【0046】
点検箇所に到着すると、作業者は、ステップS5として、各点検箇所に割り振られた識別情報を携帯端末装置2に入力する。識別情報は、例えば、作業者が目視で判別できるよう番号や文字列が点検箇所に掲示された形でも良いし、バーコードや二次元コード、ICタグ等の識別子6の形で点検箇所に取り付けられていても良い。また、バーコードやICタグの近傍に作業者に目視できるよう番号や文字列を表示するなど、複数の方式を併用しても良い。」
「【0048】
識別情報がバーコードや二次元コード、ICタグ等の識別子6の形で備えられている場合には、識別子6の種類に対応した読取部7(図1参照)又は読取装置17(図2参照)で識別情報を読み取る。このようにICタグ等の識別子6を用いた場合には、識別情報の入力を短時間で極めて簡便に効率良く行うことができる。また、読取部7や読取装置17に対応したバーコードや二次元コードやICタグ等の識別子6と、作業者が目視可能な番号や文字列が併用されている場合には、例えば、読取部7や読取装置17による識別情報の読み取りが上手く行かない時に限り、作業者が手入力や音声入力で識別情報を携帯端末装置2に入力するといったことも可能である。
【0049】
点検箇所に対応した識別情報が入力されると、携帯端末装置2の情報処理部4は、ステップS6として、その点検箇所において必要な全ての点検項目の情報を読み込む。点検項目の情報は、上記ステップS3において取得したものをここで再度読み込んでも良いし、この時点でデータ格納部1a又は5aを再び参照し、点検簿データから点検箇所に対応した点検項目の情報を読み込むようにしても良い。
【0050】
このように、作業者は、その点検箇所において必要な点検項目の情報を、携帯端末装置2に点検箇所の識別情報を入力するだけで取得することができ、点検簿の中から必要な点検項目を自力で探し出すといった労力は必要ない。
【0051】
次に、ステップS7として(図6参照)、その点検箇所における未点検の点検項目(点検完了状態となっていない点検項目)のうち少なくとも一項目が、文字や画像による視覚情報として表示部9又はヘッドマウントディスプレイ18に表示される。同時に、音声出力部10からは同じ未点検の点検項目が音声情報として出力される。尚、ここでは、未点検の点検項目の名称と同時に、その点検項目にかかる点検作業に必要な手順等を、携帯端末装置2の表示部9やヘッドマウントディスプレイ18、音声出力装置15から視覚情報又は音声情報として出力するようにしても良い。作業者は、未点検の点検項目の情報が出力された時点で、読取装置17や携帯端末装置2を収納する。尚、携帯端末装置2が腕部や頭部等に装着されたウェアラブル端末である場合には、携帯端末装置2を改めて収納する必要はない。
【0052】
作業者は、ステップS7において出力された視覚情報又は音声情報を参照しながら、ステップS8として点検作業を実施し、携帯端末装置2に点検結果を入力する。・・・」
「【0054】
情報処理部4は、上記ステップS8で入力された点検結果、及び、必要に応じて上記ステップS9で得た画像を、点検項目と結びつけた点検記録データとして記憶部5に保存する。・・・」
「【0058】
・・・さらに、ステップS10において、入力した点検結果が点検項目と結びつけられた点検記録データとして保存されるため、記録先を誤る心配もない。」
「【0062】
ステップS3~S12を繰り返した後、その点検対象について全ての点検箇所が点検完了状態となったことがステップS13で確認されたら、ステップS14に進み、全ての点検箇所が点検完了状態となったことを視覚情報又は音声情報として作業者に通知する。同時に、情報処理部4は、記憶部5に記録されたその点検対象についての点検記録データをサーバ1に転送し、サーバ1でその点検記録データを保存管理する。・・・」
「【図1】
[図:0001420350000003.jpg]
」
「【図3】
[図:0001420350000004.jpg]
」
「
[図:0001420350000005.jpg]
」
以上の記載によれば、甲2には、以下の事項が記載されている。
ア 【0008】、【0009】によれば、甲2のメンテナンス管理システムは、クレーンやアンローダ、コンベヤ等の大型の搬送設備において、点検作業の利便性を向上して能率化を図りつつ、点検作業の安全性を向上し得る搬送設備のメンテナンス管理システムである。
イ 【0029】、【0031】によれば、メンテナンス管理システムは、点検記録データを保存して一括管理するサーバ1と、作業者が点検の現場において身につけた状態で点検作業を実行できる携帯端末装置2を備えてなり、
携帯端末装置2は、サーバ1とデータ通信を行う外部通信部3、各種の情報処理を行う情報処理部4、点検箇所に付されたタグやバーコード等の識別子6から識別情報の読み取りを行う読取部7、作業者に対し文字情報や画像等を表示する表示部9を備えてなり、読取部7は、RFタグ等のICタグと通信して識別情報を取得する通信装置として構成されている。
ウ 【0034】によれば、サーバ1は、データ格納部1aを備えている。
エ 【0039】、【0040】によれば、メンテナンス管理システムによる点検工程は、点検の対象とする機種を指定し、識別子6を読み取り可能な読取部7を備えている場合には、点検対象の所定位置あるいは点検用のリスト等に付されたICタグから、対象機種の指定情報を取得して携帯端末装置2に入力する。
オ 【0041】によれば、必要な点検項目は、日常点検か、月例点検か、年次点検かによっても異なるので、点検種別を指定し、これを携帯端末装置2に入力する。
カ 【0042】によれば、点検機種及び点検種別が指定されると、携帯端末装置2の情報処理部4は、サーバ1のデータ格納部1aを参照し、データ格納部1aには、点検対象となる機種及び点検種別毎に、一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報が登録された点検簿データが格納されている。
キ 【0043】によれば、情報処理部4は、データ格納部1aに格納された点検簿データから、指定された点検機種と点検種別に合致する点検箇所の情報を読み込み、読み込まれた情報は、対象の機種について、今回の点検で点検すべき点検箇所の一覧を含んでいる。そして、情報処理部4は、今回の点検で点検すべき全点検箇所のうち、未点検の点検箇所をリストアップし、表示部9に一覧表として画像表示する。
ク 【0046】、【0049】、【0051】によれば、作業者は、点検箇所に到着すると、各点検箇所に割り振られた識別情報を携帯端末装置2に入力し、点検箇所に対応した識別情報が入力されると、携帯端末装置2の情報処理部4は、その点検箇所において必要な全ての点検項目の情報を読み込み、その点検箇所における未点検の点検項目のうち少なくとも一項目が、文字や画像による視覚情報として表示部9に表示される。
(2) 甲2発明
上記(1)によれば、甲2には次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。(括弧内は、上記(1)の引用元を示す。)
[甲2発明]
クレーンやアンローダ、コンベヤ等の大型の搬送設備において、点検作業の利便性を向上して能率化を図りつつ、点検作業の安全性を向上し得る搬送設備のメンテナンス管理システムであって、(ア)
メンテナンス管理システムは、点検記録データを保存して一括管理するサーバ1と、作業者が点検の現場において身につけた状態で点検作業を実行できる携帯端末装置2を備えてなり、(イ)
携帯端末装置2は、サーバ1とデータ通信を行う外部通信部3、各種の情報処理を行う情報処理部4、点検箇所に付されたタグやバーコード等の識別子6から識別情報の読み取りを行う読取部7、作業者に対し文字情報や画像等を表示する表示部9を備えてなり、読取部7は、RFタグ等のICタグと通信して識別情報を取得する通信装置として構成されており、 (イ)
サーバ1は、データ格納部1aを備え、(ウ)
メンテナンス管理システムによる点検工程は、点検の対象とする機種を指定し、識別子6を読み取り可能な読取部7を備えている場合には、点検対象の所定位置あるいは点検用のリスト等に付されたICタグから、対象機種の指定情報を取得して携帯端末装置2に入力し、(エ)
必要な点検項目は、日常点検か、月例点検か、年次点検かによっても異なるので、点検種別を指定し、これを携帯端末装置2に入力し、(オ)
点検機種及び点検種別が指定されると、携帯端末装置2の情報処理部4は、サーバ1のデータ格納部1aを参照し、データ格納部1aには、点検対象となる機種及び点検種別毎に、一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報が登録された点検簿データが格納されており、(カ)
情報処理部4は、データ格納部1aに格納された点検簿データから、指定された点検機種と点検種別に合致する点検箇所の情報を読み込み、読み込まれた情報は、対象の機種について、今回の点検で点検すべき点検箇所の一覧を含んでおり、今回の点検で点検すべき全点検箇所のうち、未点検の点検箇所をリストアップし、表示部9に一覧表として画像表示し、(キ)
作業者は、点検箇所に到着すると、各点検箇所に割り振られた識別情報を携帯端末装置2に入力し、点検箇所に対応した識別情報が入力されると、携帯端末装置2の情報処理部4は、その点検箇所において必要な全ての点検項目の情報を読み込み、その点検箇所における未点検の点検項目のうち少なくとも一項目が、文字や画像による視覚情報として表示部9に表示される、(ク)
メンテナンス管理システム。
3 甲3について
甲3には、以下の記載がある。
「[0001] 本発明は、装置に組み込まれている組込部品のメンテナンス情報管理に関する。」
「[0006] 本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、装置又は設備に組み込まれている組込部品のトレーサビリティを向上させるメンテナンスシステム、メンテナンス装置、メンテナンス方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。」
「[0013] 本開示の一実施形態による場合、装置又は設備に組み込まれている組込部品のトレーサビリティが向上し、組込部品の調達、交換等メンテナンスが迅速化される。」
「[0016] 図1は、本開示のメンテナンスシステム100の概要を示す説明図である。図1中の符号F1,F2は工場を示し、符号A1,A2,A3、A4は、工場F1,F2に設置されている装置を示している。装置A1(例えば耐久試験装置)は、部品C1(例えばコンベアチェーン)及び部品C2(例えば直線作動機)を含む。装置A2は、部品C3(例えばドライブチェーン)を含む。装置A3(例えば搬送装置)は、部品C4(例えばタイミングプーリ)を含み、装置A4は部品C5(例えばケーブルベヤ(登録商標))を含んでいる。」
「[0018] 本開示のメンテナンスシステム100の概要は、工場F1、F2の担当者(ユーザ)が、装置A1~A4の供給者である装置メーカー(又は商社)MC1,MC2の仲介を必須とせずに部品C1~C5のメンテナンスサービスを享受することを可能とするシステムである。このために本開示のメンテナンスシステム100は、端末装置1、サーバ装置2、ネットワーク3及び識別体4を含む。
[0019] 端末装置1は、ユーザが携帯所持することが可能な携帯型通信装置である。また端末装置1は、ネットワーク3を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。端末装置1は、例えばタブレット端末、又はスマートフォンなど、カメラ機能(撮像部)を有する汎用の装置であることが好ましい。
[0020] サーバ装置2は、部品メーカーCMにて管理されるサーバコンピュータである。サーバ装置2はWebサーバ機能を有し、ネットワーク3に通信接続されており、端末装置1へのWebページを提供することが可能である。
[0021] ネットワーク3は、インターネット等の公衆網31と、次世代又は次々世代高速携帯通信規格等の規格に基づく無線通信を実現する通信キャリアのネットワーク32及び基地局33とを含む。端末装置1は、所定のセキュリティの下、基地局33及びネットワーク32経由により、公衆網31に接続されているサーバ装置2と通信接続が可能である。
[0022] 識別体4は、二次元バーコードが印刷されたシールシートである。
[0023] 本開示のメンテナンスシステム100は、識別体4の二次元バーコードを端末装置1のカメラ機能にて撮像するという操作により、識別体4が貼付されている装置A1~A4の部品C1~C5のメンテナンスに係る情報を端末装置1が直接的に得ることを可能とする。
[0024] ・・・部品C1のみについてメンテナンスを受ける場合、それを識別する情報が必要となるが、部品C1はチェーンであるからそのもの自体に識別シール等を貼付することが困難である。本開示のメンテナンスシステム100を適用し、部品C1を含む装置A1の筐体外面に、部品C1用の識別体41が貼付されることで、上述したように端末装置1にて部品C1の情報を得ることができる。なお部品C1,C2用の識別体41は、部品メーカーCMから装置メーカーMC1への部品C1,C2の出荷時に登録票と共に同梱され、更に、装置メーカーMC1により部品C1,C2が組み込まれた装置A1が工場F1に設置される際に共に工場F1に納品される。これにより工場F1の担当者は、識別体41を手軽に利用することができる。・・・」
「[0027] (実施の形態1)
図2は、実施の形態1における端末装置1の内部構成を示すブロック図である。端末装置1は、制御部10、一時記憶部11、記憶部12、表示部13、操作部14、撮像部15、入力部16、通信部17及びGPS受信部18を備える。
[0028] 制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を用いる。制御部10は、記憶部12に記憶されているメンテナンスアプリプログラム1Pを含む各コンピュータプログラムを読み出して実行する。
[0029] 記憶部12は、フラッシュメモリを用いる。記憶部12は、制御部10が読み出すメンテナンスアプリプログラム1Pを含むコンピュータプログラムを記憶している。・・・一時記憶部11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAMを用いる。一時記憶部11は、制御部10の処理によって生成される情報を一時的に記憶する。
[0030] 表示部13は、タッチパネル内蔵型液晶ディスプレイを用いる。制御部10は、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づき、表示部13へテキスト及びアイコン等の画像を含む各種アプリ操作画面を表示させる。・・・操作部14は、表示部13のディスプレイに内蔵されるタッチパネル及び端末装置1の筐体に設けられるボタン群を用いる。操作部14は、タッチパネルにてユーザによる接触及び接触箇所の位置情報を制御部10へ通知する。また、操作部14は、ボタンの押下及び押下時間等の情報を制御部10へ通知する。」
「[0032] 入力部16は、外部から有線通信により情報を入力する入力インタフェースである。例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いる。入力部16は例えば記録媒体6から情報を読み取る読取装置と接続し、記録媒体6に記憶してあるメンテナンスアプリプログラム6Pを入力することが可能である。・・・
[0033] 通信部17は、高速携帯通信規格による基地局33との無線通信を実現する。なおWi-Fi によりアクセスポイント経由にて公衆網31に通信接続が可能な構成としてもよい。・・・」
「[0035] 図3は、実施の形態1におけるサーバ装置2の内部構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部20、一時記憶部21、記憶部22、通信部23及び読取部24を備える。
[0036] 部御部20はCPUを用い、記憶部22に記憶されているサーバプログラム2Pに基づき各構成部を制御する。記憶部22はハードディスクを用い、サーバプログラム2Pのほか、提供するメンテナンス情報220を記憶している。一時記憶部21は、制御部20の処理によって生成される情報を一時的に記憶する。
[0037] 通信部23は、ネットワーク3に接続されているEthernet(登録商標)又は光通信用のネットワークカードを用い、ネットワーク3を介して外部装置との通信を実現する。」
「[0039] 図4は、実施の形態1における識別体4の概要図である。図4は、識別体4の一面(表面)を示し、識別体4は上述したようにシールシートであり、一面に二次元バーコードが印刷されている。二次元バーコードは複数の識別体41~44を相互に識別する固有の識別情報を含んでいる。・・・
[0040] このように構成されるメンテナンスシステム100にて実施される処理について、[1:情報登録]及び[2:情報提供]の工程に分けて説明する。
[0041] [1:情報登録]
メンテナンスシステム100はまず、識別体4の装置A1~A4への貼付と、部品C1~C5の設置に関する情報をサーバ装置2への登録手続きとを必要とする。識別体4の貼付及び部品C1~C5の情報登録は、工場F1,F2の担当者若しくは部品メーカーCMの保守担当者、又は両方によって手続きが行なわれる。
[0042] 工場F1,F2の担当者によって貼付及び情報登録の手続きが行なわれる場合、装置A1~A4の設置時に共に納品されるべき識別体4及び登録票が用いられる。図5は、実施の形態1における登録票の内容例を示す説明図である。・・・図5に示すように登録票には、共に同梱される登録用の識別体4(装置A1~A4に貼付するものと同一のもの)の貼付け部分が含まれている。また登録票には、登録日の記入欄、及び、部品C1~C5を含む装置A1~A4が設置された工場F1,F2を識別するための情報(会社名、事業所名、工場名等で識別可能)の記入欄が含まれている。また登録票には、工場F1,F2の担当者への連絡先の情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス等)の記入欄、装置A1~A4を識別する情報(装置名、装置番号、装置製作社名)の記入欄が含まれている。更に登録票には、設置される装置A1~A4に組み込まれている部品C1~C5の情報(製品(部品)名、形番、数量、図番、及び導入年月)の記入欄が、部品の種類の数に応じて含まれている。
[0043] 図5に示したような登録票が例えば郵便にて部品メーカーCMに届いた場合、又はメールフォームにより電子メールが部品メーカーCMへ届いた場合、オペレータにより各記入欄に対応する項目について入力処理が行なわれる。・・・」
「[0044] オペレータ又は保守担当者による入力処理により、部品C1~C5のメンテナンス情報が構築される。図6は、サーバ装置2にて実施される構築処理手順の一例を示すフローチャートである。
[0045] サーバ装置2の制御部20は、登録用の識別体4から識別情報を取得する(ステップS101)。・・・
[0046] 制御部20は、会社名、事業所名、工場名、ユーザコード等の工場F1,F2、即ち顧客を識別する情報を受け付ける(ステップS102)。制御部20は、これらの顧客を識別する情報を基に既存の顧客情報DB(図7参照)を参照して対応する顧客情報を抽出し、抽出された顧客情報を識別情報に対応付ける(ステップS103)。・・・
[0047] 制御部20は、部品C1~C5が含まれる装置A1~A4の装置名、装置番号、又は装置製作社名等の情報の入力を受け付ける(ステップS104)。制御部20は、これらの情報を基に装置情報DB(図7参照)を参照して対応する他社の装置情報を抽出し、抽出された装置情報を識別情報に対応付ける(ステップS105)。
[0048] 更に制御部20は、部品C1~C5の製品(部品)名、又は形番等の情報の入力を受け付ける(ステップS106)。制御部20は、これらの情報を基に生産管理情報DB及び製品情報DB(図7参照)を参照して対応する製品情報(製品(部品)名、形番、図面、ロット情報、生産年月日等)を抽出し、抽出された製品情報を識別情報に対応付ける(ステップS107)。このとき制御部20は、装置の情報及び製品(部品)の情報等から受注管理システムのDBにおける各注文との対応付けも行なうとよい。
[0049] 制御部20は、設置された装置A1~A4に含まれる部品C1~C5の個別の情報(数量、導入年月、設置位置の情報等)の入力を受け付け(ステップS108)、識別情報に対応付ける(ステップS109)。制御部20は、識別情報をキーとする上述の各種対応関係をメンテナンス情報220として記憶し(ステップS110)、処理を終了する。
[0050] 図7は、実施の形態1にて構築されるメンテナンス情報220の概要を示す説明図である。図7に示すように、二次元バーコード又は無線タグに対応する識別情報に対応付けて、設置された装置A1~A4に含まれる部品C1~C5の個別の情報(数量、年月日、設置位置等)がレコードに含まれている。またレコードには、部品C1~C5の部品名、形番、更に出荷日等が含まれていることで、部品C1~C5の生産管理情報、製品情報、受注管理情報との紐づけがされており、部品C1~C5がいつどこで製造されどこへ出荷されたかの情報を追跡することが可能である。更にレコードには、組み込まれている装置A1~A4の設置場所の情報(顧客情報)、即ち適用先における現状の情報が対応付けられている。
[0051] このようにサーバ装置2側でメンテナンス情報220が構築されることで、部品C1~C5の個別の情報のみならず、部品C1~C5の製造時の生産管理に関する情報との対応付け、図面等の情報が可能となる。これにより部品C1~C5のトレーサビリティが向上し、部品に関する多様な情報が部品メーカーCM側で一本化される。・・・
[0052] [2:情報提供]
図7に示したようなメンテナンス情報220に基づき、ユーザは各種メンテナンス情報の提供及びメンテナンスサービスを享受することが可能である。ユーザが端末装置1に記憶されるメンテナンスアプリプログラム1Pを起動させた場合、表示部13に表示されるアプリ操作画面へユーザアカウント情報(ユーザアカウント及びログインパスワード)の入力が促される。ユーザがユーザアカウント情報を入力し、サーバ装置2側でユーザアカウント情報に基づく認証に成功すると、部品C1~C5に関する種々のメンテナンス情報をメンテナンスアプリプログラム1Pに基づき閲覧することが可能となる。この際、端末装置1及びサーバ装置2間で以下のような処理が実行される。
[0053] 図8は、実施の形態1におけるメンテナンスシステム100にて実施される情報提供に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
[0054] まず端末装置1の制御部10は、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づき、撮像部15により識別体4を撮像する操作を促すメッセージを表示する。このとき例えば制御部10は、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づき識別体4を撮像するためのボタンを表示部13に表示させる。ユーザが表示されているボタンをタップすると操作部14にてこれを検知し、制御部10は撮像部15を起動させ(ステップS201)、撮像部15のモニタ画像を表示部13に表示させる。ユーザは、識別体4がモニタ画像内に写るように端末装置1を移動させる。制御部10は、モニタ画像から二次元バーコードの所定のシンボルを探索し、二次元バーコードに合うようにピント調節を自動的に行ない、前記所定のシンボルを検知すると自動的に二次元バーコードから識別情報を取得する(ステップS202)。・・・
[0055] 制御部10は、取得した識別情報をサーバ装置2から提供されるWebページへのURLに付加し、識別情報が付加されたURLによりWebページの送信依頼を送信する(ステップS203)。・・・
[0056] サーバ装置2にて端末装置1からの識別情報が付加されたWebページの送信依頼が受信された場合(ステップS301)、制御部20は、付加されている識別情報により記憶部22のメンテナンス情報220から対応するメンテナンス情報を抽出する(ステップS302)。制御部20は、付加されている識別情報に対応するメンテナンス情報を含むWebページ(図8ではメンテナンスページ)を端末装置1へ送信する(ステップS303)。・・・
[0057] 端末装置1では送信されたメンテナンス情報のWebページを受信し、これに基づき表示部13にメンテナンス情報を表示させる(ステップS204)。
[0058] 図9は、端末装置1にて表示されるメンテナンス情報の内容例を示す説明図である。図9は、スマートフォンである端末装置1の表示部13に表示される際のメンテナンス情報の表示画面300のレイアウトを示している。・・・
[0059] 図9に示すように、端末装置1にて表示されるメンテナンス情報は、識別体4の二次元バーコードから取得された識別情報(例えば「#12345」)が含まれている。なお図9に示す例は、図7のメンテナンス情報200の内容例に対応しており、例えば、装置A1に付されている識別体41を撮影した場合に得られる部品C1,C2のメンテナンス情報を示しているとする。
[0060] 端末装置1にて表示されるメンテナンス情報には、識別体41が付されている装置A1が設置されている場所の情報(顧客名「yy会社」及び工場F1の名称「xx工場」)が含まれる。・・・
[0061] メンテナンス情報には更に、部品C1が組み込まれている装置A1の情報(装置名「耐久試験装置」、装置メーカーMC1の名称「(株)wyw」、及び担当者の名前「zz」)が含まれている。・・・
[0062] メンテナンス情報には更に、装置A1に組み込まれている部品C1,C2の情報が含まれている。なお図9において表示されるメンテナンス情報に含まれる部品C2の情報は、部品C1の情報と同様であるから、表示される内容の詳細を省略している。部品C1の情報として「品名」、及び「形番」が表示されている。・・・
[0063] 表示されているメンテナンス情報における部品C1の情報には、対応付けられている「図番」が含まれ、「図番」には「図面pdf」のリンクが含まれている。「図面pdf」のリンクが選択された場合は、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づきpdfビューアが起動し、「図番(図面番号)」にて取得可能な図面画像が表示される。」
「[0065] 表示されているメンテナンス情報における部品C1の情報には、工場F1に設置された装置A1に組み込まれている部品C1に対して個別に登録された情報、即ち、出荷日、取付日、使用開始日が含まれている。・・・また、前回交換年月日(図9では空欄)、次回交換年月日が同様に表示されている。次回交換年月日は、サーバ装置2にて製品情報DBにて紐付けられている製品(部品C1)の平均運転時間から導出された年月日である。なお次回交換年月日は、使用環境によって異なるので保守担当者によって登録される諸条件に基づき他システムにて自動的に算出されるようにしてもよい。また、次回交換年月日は、予め製品毎に定めて製品情報DBに記憶してある耐用期間(例えば5年)を、使用開始日に加えた年月日として算出されるようにしてもよい。
[0066] このようにして、ユーザは端末装置1にてメンテナンスアプリプログラム1Pを起動させ、装置A1の外面に付されている識別体41を撮像するという操作により、装置A1に含まれている部品C1及び部品C2のメンテナンス情報を直接的に知ることが可能になる。またサーバ装置2にて、その時点で構築されているメンテナンス情報220に基づく情報が送信されるので、最新の適切な情報が得られる。交換が必要になると推測される時期も、部品メーカーCMからの情報に基づき導出された適切な情報が提供される。
[0067] 図9に示す例では更に、各部品C1についてサポート依頼ボタン(アイコン)301、見積依頼ボタン(アイコン)302が表示されている。・・・
[0068] 端末装置1の制御部10は、図9に示したようにメンテナンス情報を表示した際に、操作部14にてサポート依頼ボタン301のタップを検知したか否かを判断する(ステップS205)。サポート依頼ボタン301のタップを検知したと判断された場合(S205:YES)、制御部10はサポート画面をサーバ装置2から取得して表示し、サポート画面にて部品C1を組み込んだ装置A1についての専用窓口へのアクセスを受け付ける(ステップS206)。・・・制御部10は、サポート画面にて受け付けたアクセスに基づきサポート依頼内容をサーバ装置2へ送信する(ステップS207)。サポート依頼内容には、部品C1及び部品C1が組み込まれている装置A1の情報を識別する情報が含まれるとよい。
[0069] これに対しサーバ装置2では、通信部23によりサポート依頼内容を受信して受け付ける(ステップS304)。具体的に制御部20は、サポート依頼内容を受信した場合、サポート依頼内容に含まれる部品C1、装置A1を識別する情報に基づき、メンテナンス情報220を参照して、対応付けられている顧客情報を抽出する。これにより制御部20は、専用窓口にて、サポート依頼元の工場F1、担当者、担当者の連絡先、サポート対象の装置A1及び部品C1を識別することができる。専用窓口が電話受付である場合以外では、サーバ装置2の制御部20は、サポート依頼内容に含まれるサポート内容と共に、サポート依頼対象の部品C1、装置A1等の対応するメンテナンス情報を含む電子メールを部品メーカーCMの保守担当者宛てに自動的に送信するとよい。・・・
[0070] サポート依頼に応じて工場F1の現場での点検が実施された場合は、部品メーカーCMの保守担当者により、工場F1の担当者(顧客)への説明がされた上で、点検の実施結果が識別情報及びに対応付けてメンテナンス情報220に記憶されるとよい。これにより更に次の点検時に前回の点検結果として容易に参照することが可能となる。
[0071] ・・・見積依頼ボタン302のタップを検知したと判断された場合(S208:YES)、制御部10は、部品C1の数量等を受け付け、部品C1及び装置A1を識別する情報を含む見積依頼をサーバ装置2宛てに送信する(ステップS209)。・・・
[0072] これに対しサーバ装置2では、通信部23により見積依頼を受信して受け付け、発行手続きを実行する(ステップS305)。ステップS305において具体的に制御部20は、見積依頼を受信した場合、見積依頼に含まれる部品C1及び装置A1を識別する情報に基づき、メンテナンス情報220を参照して、対応付けられている顧客情報を抽出する。これにより制御部20は、抽出された顧客情報に基づき見積依頼元の工場F1、担当者、担当者の連絡先、サポート対象の装置A1及び部品C1を識別することができる。制御部20は、見積依頼に含まれる部品C1の情報及び数量と共に、顧客情報を受注管理システムに送信し、受注管理システムにおいて部品C1の単価を製品情報DBから抽出して顧客情報に基づき見積の発行手続きを実施する。なおこのとき発行された見積の内容は端末装置1の表示部13にて視認可能なようにサーバ装置2から端末装置1へ送信され、端末装置1にて表示されるとよい。」
「[0074] このようにして、装置A1~A4に組み込まれている部品C1~C5の情報について、装置A1~A4のユーザは、部品メーカーCMが管理するサーバ装置2によって直接的なメンテナンスサービスを受けることができる。組み込まれている部品C1~C5の最新で適切なメンテナンス情報の閲覧のみならず、ユーザは、サポート依頼、見積依頼等もメンテナンス情報と共に表示されるボタンのタップで容易に実行することが可能となる。」
「[0078] (変形例)
図10は、変形例における識別体4の概要図である。変形例において識別体4は、二次元バーコード印刷層、中間層、及び粘着層の複数層構造を有する。そして図10に示すように、二次元バーコード印刷層と中間層との間に、無線タグ(例えばRFIDタグ)のICチップ及びアンテナを構成する導体49を樹脂層に形成したタグ層を含む。タグ層のICチップには、一面に印刷されている二次元バーコードの識別情報と対応する識別情報が記憶されている。この識別情報は、ICチップに情報を記憶する際に、上述の発行システムにて同一の識別情報となるように制御されるか、又はICチップに記憶される識別情報と、二次元バーコードの識別情報との対応関係が前記発行システムにて記憶される。なお無線タグを含む識別体4の形態はシールシートに限らず、チップ状であってもよい。
[0079] そして変形例における端末装置1は、識別体4に含まれる無線タグから情報を読み取ることが可能な無線タグリーダーと接続しているか、又は内蔵する構成とする。端末装置1は撮像部15を有さなくともよい。この場合端末装置1の制御部10は、図8のフローチャートに示した処理手順の内、ステップS202において、無線タグリーダーを起動して識別体4から情報を取得する。その後の処理は撮像部15が備えられている構成の場合と同様である。
[0080] このように識別体4がICタグを内蔵し、端末装置1がタグリーダーの機能を有する構成により、装置A1~A4自体がアクセス困難な場所に設置されている場合であっても、装置A1~A4に含まれる部品C1~C5のメンテナンス情報を取得することが可能となる。・・・
[0081] なお識別体4は、夫々を識別する情報を端末装置1から取得できるようにした構成であれば、二次元バーコードが印刷されているシールシートの形態、又は上述のICタグを内蔵する形態のいずれであってもよく。更には、無線タグのみであってもよい。二次元バーコードが印刷されていない無線タグのみの構成とした場合、端末装置1は、タグリーダーの機能は有するが、カメラ機能を有さないリーダー端末としてもよい。なお識別体4から無線通信により識別情報を取得させるための構成は、識別体4にRFID等のICタグを使用するのみならず、識別体4からBluetooth(登録商標)、Wi-Fi などの無線通信によって情報を取得できるようにしたものであってもよい。・・・
[0082] (実施の形態2)
実施の形態2においては、部品C1~C5の交換時期をサーバ装置2側から通知するサービスを実現する。・・・」
「[0096] ステップS45にて閾値以下であると判断された場合(S45:NO)、制御部20は、ステップS43にて特定されたチェーンピッチと、ステップS44で取得した使用前の寸法に基づき、交換が必要となる時期を予測する(ステップS47)。そして制御部20は、処理を図13のフローチャートのステップS308へ戻す。この場合、制御部20はメンテナンス情報220における次回交換年月日を、予測によって得られたものに更新するとよい。」
「[0105] (実施の形態3)
実施の形態1では、[1:情報登録]において、工場F1,F2の担当者による識別体4の貼付、及びその識別体4に対応する登録票の送付に基づき、部品メーカーCMのオペレータ又は保守担当者による入力処理にてメンテナンス情報220が構築された(図6参照)。実施の形態3ではその後、装置A1~A4に識別体4が貼付された後に、端末装置1を用いてメンテナンス情報220を更新する。」
「[0107] 図16は、実施の形態3における部品の納品の流れを示す説明図である。図16に示すように、実施の形態3においては、装置A1に新たに部品C6(例えばスプロケット)が追加(交換)される場合の部品C6の納品の流れを示している。部品C6には、部品C6自体を識別する識別体45が付与され、同梱されている。このとき識別体45には、初期設置段階のような登録票の添付を不要とする。
[0108] 識別体45は、識別体4の1つであって二次元バーコードが印刷されたシールシートである。部品C6の識別体45の二次元バーコードが含む固有の識別情報は、出荷時に部品名、形番、数量、更に出荷日等と予め対応付けられて受注管理情報DBに記録されているとする。したがって識別体45の二次元バーコードが含む識別情報により、製品情報DB、生産管理情報DB等のレコードを参照することで、部品C6がいつどこで製造され出荷されたかの情報を追跡することが可能である。
[0109] なお実施の形態3におけるメンテナンスシステム100の構成は、実施の形態1及び2と共通であり、上述した部品用の識別体45と以下に示す情報登録処理とが追加される。
[0110] 図17は、実施の形態3における端末装置1にて表示される画面の一例を示す説明図である。・・・」
「[0112] 図18は、実施の形態3にて実施される情報登録に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。・・・
[0113] 制御部10は、部品登録ボタン305のタップを検知したと判断された場合、制御部10は撮像部15を起動させ(ステップS701)、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づき識別体4を撮像するためのボタン及びモニタ画像を表示部13に表示させる。・・・制御部10は、モニタ画像から二次元バーコードの所定のシンボルを探索し、二次元バーコードに合うようにピント調節を自動的に行ない、前記所定のシンボルを検知すると自動的に二次元バーコードから既に貼付されている識別体41~44の識別情報(親)を取得する(ステップS703)。
[0114] 次に制御部10は再度、撮像部15を起動させ(ステップS704)、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づき識別体4を撮像するためのボタン及びモニタ画像を表示部13に表示させる。・・・制御部10は、二次元バーコードの所定のシンボルを検知すると自動的に二次元バーコードから識別体45の識別情報(子)を取得する(ステップS706)。
[0115] 制御部10は、取得した識別情報(親)及び識別情報(子)をサーバ装置2へ情報登録依頼として送信する(ステップS707)。
[0116] ・・・制御部20は、識別情報(親)に対応するメンテナンス情報に、識別情報(子)に対応付けて記憶されている受注管理情報DBにおけるレコードから、個別の情報(品番、数量、出荷日)を抽出して紐付ける(ステップS803)。更に制御部20は、識別情報(子)に対応する製品情報DB及び生産管理情報DBから他の個別の情報(品番、ロット数、生産年月日等)の情報を抽出してもよい。制御部20は、抽出した情報を識別情報(親)に対応付けてメンテナンス情報220を更新し(ステップS804)、処理を終了する。
[0117] 図19は、実施の形態3にて更新されるメンテナンス情報220の概要を示す説明図である。図19のメンテナンス情報220の内容例は、図7に示した初期的なメンテナンス情報220に対する変更を示している。具体的には、部品C6のレコードが追加されている。・・・」
「[図1]
[図:0001420350000006.jpg]
」
「[図2]
[図:0001420350000007.jpg]
」
「[図3]
[図:0001420350000008.jpg]
」
「[図4]
[図:0001420350000009.jpg]
」
「[図5]
[図:0001420350000010.jpg]
」
「[図6]
[図:0001420350000011.jpg]
」
「[図7]
[図:0001420350000012.jpg]
」
「[図8]
[図:0001420350000013.jpg]
」
「[図9]
[図:0001420350000014.jpg]
」
「[図10]
[図:0001420350000015.jpg]
」
「[図16]
[図:0001420350000016.jpg]
」
「[図17]
[図:0001420350000017.jpg]
」
「[図18]
[図:0001420350000018.jpg]
」
「[図19]
[図:0001420350000019.jpg]
」
4 甲4について
甲4には、以下の記載がある。
「【0001】
本発明は、ICタグ、ICタグ収容体及びICタグ付きゴム製品の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック、紙等のベースシート上に、電波通信用のアンテナパターンとICチップとを搭載したインレイと呼ばれるICタグが様々な分野で利用されている。例えば、このインレイは、樹脂で封止したものを物品に取り付けたり、物品に埋め込んだりすることで、当該物品を管理するのに使用されている。」
「【0005】
ところで、上記のようなICタグは、種々の用途に用いられる。例えば、上記のようなICタグは、ベルト、ホース、チューブ、マット、衣服等の屈曲を繰り返しやすい製品に取り付けられて使用される場合がある。また、上記のようなICタグを製品に固定する際には、圧力を付与した上で、ICタグを製品に取り付ける場合がある。」
「【0035】
§1 構成例
[ICタグ]
まず、図1を用いて、本実施形態に係るICタグ1の構成例を説明する。図1は、本実施形態に係るICタグ1の一例を模式的に例示する断面図である。図1に例示されるように、本実施形態に係るICタグ1は、ICチップ11及びアンテナ12を備えるインレイ10と、このインレイ10のICチップ11を覆うように取り付けられた一対の補強部材(21、22)と、インレイ10及び一対の補強部材(21、22)を覆うように配置されたシート状のカバー部材(31、32)と、を備えている。これにより、ICタグ1は、物品に取り付け可能に構成されている。以下、各構成要素について説明する。」
「【0037】
図2に例示されるように、本実施形態に係るインレイ10は、メモリ機能を有するICチップ11と、導体性材料で形成されたアンテナ12と、を備え、ICチップ11とアンテナ12とは電気的に接続されている。ICチップ11は、例えば、商品を識別するための個体識別情報等のデータを保持する公知の集積回路である。また、アンテナ12は、例えば、ダイポールアンテナ等の公知のアンテナ形状を有し、外部の読取装置(以下、「リーダ」とも記載する)からの電磁波を受信したり、当該リーダへ電磁波を送信したりする。ICチップ11は、アンテナ12を介して、リーダとの間で無線により非接触でデータの送受信を行う。」
「【0043】
以上のようなインレイ10は、例えば、UHF帯の電波を利用して、ICチップ11に格納された情報を送信したり、ICチップ11への情報を受信したりする。なお、インレイ10の大きさは、後述するゴム製品等の用途に応じて適宜設定されてよく、特に限定されなくてもよい。・・・」
「【0060】
<使用方法>
以上のような構成を有するICタグ1は、接着剤、粘着剤、両面テープ、縫い付け等の様々な方法で、物品に取り付けることができる。ICタグ1は、例えば、ベルト、ホース、チューブ、マット、衣類等の比較的屈曲しやすい製品に取り付けられてもよい。ICタグ1は、RFID(radio frequency identifier)により、これらの製品を管理するために利用することができる。
【0061】
また、ICタグ1は、例えば、衣類のポケット等を利用して、上記の方法によらずに、 そのまま製品内に配置されてもよい。更に、ICタグ1は、後述するように、被覆部材内に収容して物品に取り付けられてもよいし、被覆部材と共にゴム製品に一体成形されてもよい。ICタグ1は、様々な製品に取り付けることができる。」
「【0072】
以上のとおり、本実施形態に係るICタグ1は、屈曲に対して高い耐久性を有する。そのため、本実施形態に係るICタグ1は、ベルト、ホース、チューブ、マット、衣類等の比較的屈曲しやすい製品に取り付けるICタグとしての利用に適しており、特に有利である。」
「【0083】
[ゴム製品への取付]
次に、図10~図13を更に用いて、上記ICタグ収容体100をゴム製品5に取り付けることで作製可能なICタグ付きゴム製品について説明する。図10~図13はそれぞれ、上記ICタグ収容体100をゴム製品5に取り付ける態様を模式的に例示する断面図である。
【0084】
上記ICタグ収容体100と一体化させるゴム製品5としては、例えば、マット、ベルト等のシート状製品、タイヤ、タイミングベルト、免震材、ジョイント、チューブ、ホース等の少なくとも一部がゴム材料で形成されたものが挙げられる。当該ゴム製品5は、本発明の「被取付部材」に相当する。・・・」
5 甲5について
甲5には、以下の記載がある。
「【0002】
本主題は、電子識別を提供するラベルに関する。このラベルは、加硫等の加熱処理の実施に先立って、ゴム系製品に付与されるか、又はこれに組み込まれ得る。本主題は、また、このようなラベルを含むゴム系製品に関する。さらに、本主題は、この製品の種々の作成方法と、このようなラベル及び製品の使用方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
製品の在庫管理、並びに流通及び製造のモニタリングには、通常、関心対象製品の識別を提供することが含まれる。識別子又は製品と関連付け可能な他の情報を含むラベルを製品に付与することは、多くの分野において一般的に採られる方法である。」
「【0013】
実施形態の詳細な説明
本主題は、例えば、ラベルに組み込まれた無線周波数識別(RFID)装置等、電子識別の提供を含む、種々のタイヤ追跡ラベルを提供する。ラベルは、様々な加硫プロセスに関連付けられた圧力及び温度に耐えるように構成される。本主題は、タイヤ追跡ラベルを含むタイヤ及びその他のゴム系製品も提供する。また、本主題は、上述のラベルを含むタイヤ及びその他のゴム系製品の形成方法を提供する。さらに、本主題は、上述のラベルを有する1つ以上のタイヤ又はその他のゴム系製品を識別及び/又は追跡する方法を提供する。これらの態様及びその他の態様をすべて、本明細書中で説明する。
【0014】
本主題のラベルは、1つ以上の表層又は表面基材の層と、任意で表層上に配された1つ以上の下地層と、1つ以上の接着層と、1つ以上のRFIDチップ又は部品と、任意で1つ以上の剥離ライナとを備える。本主題は、これらの構成要素の種々の組み合わせを含み、構成要素の特定の積層又は配置を利用するが、それらをすべて本明細書中でより詳細に説明する。
【0015】
このラベルは、タイヤ内側側壁及び/又はタイヤ外側側壁等、ゴム系製品の1つ以上の表面に付与することができる。このラベルは、ラベルが視野から全体的又は部分的に隠れるように、ゴム系部品に埋め込まれるか、又は組み込まれることも可能である。本主題は、タイヤの製造、流通、及び/又は在庫管理において幅広い適用が見出されるが、ゴムサスペンション部品、ゴムクッション、ゴム減衰部品、及びその他のゴム系製品等、他のゴム系製品とともに利用することもできる。従って、これらのラベルは、本明細書中、「タイヤ追跡ラベル」と総称するが、本主題はタイヤとの使用に限定されるものでなく、代わりに、広範に亘る他の製品と、特に加硫されたゴム系製品とともに利用可能であることが理解されるであろう。」
「【0027】
・・・
RFID部品
本主題のラベルは、1つ以上のRFID部品及び/又は装置を備える。典型的なRFID装置は、通常、RF信号の無線送信及び/又は受信を行うアンテナと、それに対して動作可能に接続されるアナログ及び/又はデジタル電子機器とを含む。いわゆるアクティブRFID装置又はセミパッシブRFID装置は、バッテリ又はその他の好適な電源も含んでよい。一般的に、電子機器は、集積回路(IC)又はマイクロチップ又はその他好適な電子回路を介して実装され、例えば、通信電子機器、データメモリ、制御論理等を含んでもよい。動作中、IC又はマイクロチップは、情報の記憶及び/又は処理を行い、RF信号の変調及び/又は復調を行い、その他の特定の機能を任意で実施するように機能する。通常、RFID装置は、例えば、RFID装置が貼付された個々の製品、包装、在庫等を一意に識別するのに十分な情報を保持及び通信することができる。
【0028】
一般的に、RFIDリーダ又は基地局を使用して、RFID装置から通信されるデータ又は情報(例えば、識別コード等)を無線で取得する。通常、RFID装置は、識別コード又はその他の識別子を記憶、発信、又は提示を行うように構成される。・・・」
「【0042】
・・・
その他のゴム系製品
前述の通り、本主題のラベルは、タイヤに追加して、又はタイヤの代わりに、広範に亘るその他のゴム製品又はゴム系製品とともに使用することができる。他のゴム系製品の非限定的な例として、サスペンション部品、クッション、靴底、ホース、ホッケー用パック、コンベヤベルト、音楽用マウスピース、ボーリングボール等が挙げられる。「ゴム製品」及び「ゴム系製品」という用語は、本明細書中、相互に入れ替え可能に使用される。
方法
ラベル貼付
本主題のラベルは、タイヤ等のゴム系製品に貼付される。本明細書で使用される「貼付する」又は「貼付される」という用語は、ラベルの接着層を使用して、ラベルを製品の表面又は領域に取付又は接着することをいう。これらの用語には、ラベルが完成品を見た時に隠れるか、又は少なくとも部分的に隠れるように、製品内にラベルを埋め込むことも含まれる。」
「【0044】
多くの実施形態において、ラベルは、製品に加硫を施すのに先立って製品に貼付される。本明細書に記載の通り、あるバージョンのラベルにおいては、加硫により、結果として、ラベルと製品との間に永続的付着を生じてもよい。
ラベル付き加硫製品の使用方法
本主題は、ゴム系製品を識別する方法も提供する。この方法は、1つ以上のラベルをゴム系製品に貼付することを含む。このラベルは、読取又は質問に際して、一意的な識別子又はその他の情報を提供するように構成されてもよいRFID部品を含む。ラベルがゴム系製品に一旦貼付されると、一意的な識別子が特定の製品と関連付けられる。このラベルは、加硫に先立って、又はある適用においては加硫後に、製品に貼付することができる。
【0045】
1つ以上のラベルを製品に貼付した後、製品は、本明細書において前述した通り、RFIDリーダを使用して識別することができる。製品の識別により、製造又は作成システムにおける製品の追跡、製品の位置のモニタリング、及び在庫管理動作の実施等、広範に亘る適用を実施可能にする。
・・・」
6 甲6について
甲6には、以下の記載がある。
「【0002】
近年、外部からの情報を無線通信によって読み書き可能なICタグが、種々の用途に使用されている。ICタグは、例えば、柔軟性を有する製品に取り付けたり、ベルトのように巻いて使用したり可撓性が要求される用途にも使用されている。可撓性が要求される用途に使用されるICタグとしては、ICチップおよびアンテナを備えたインレットと繊維構成体シートと弾性体シートとが接着されたものなどが挙げられる(例えば、特許文献1)。」
「【0011】
以下、本発明に係るICタグを含むゴム製品(以下、「ICタグ付ゴム製品」と記載することがある)を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るICタグを含むゴム製品の一実施形態を示す説明図であり、図1(A)は、ICタグをゴム製品に一体化させる前の説明図であり、図1(B)は、一体化させた後の説明図である。図1に示すICタグ付ゴム製品4は、ICタグ1の片面に被覆材2が積層された被覆ICタグが、ゴム製品3に取り付けられている。すなわち、ICタグ付ゴム製品4は、被覆材2、ICタグ1およびゴム製品3の順で積層され、一体化された構造を有している。
【0012】
ICタグ1は、メモリ機能を有するICチップ11と導体で形成されたアンテナ12とで構成され、ICチップ11とアンテナ12とは電気的に接続されている。図1(A)および(B)には図示していないが、ICチップ11およびアンテナ12は、例えばフィルムなどの基材に貼り付けられている。なお、本明細書において「ICタグ」は、ICチップおよびアンテナのみで構成され無線通信可能な最小単位である「インレット」も包含する。ICタグ1は、例えば、UHF帯の電波によってICチップ11に格納された情報を送受信する。ICタグ1の大きさは、得られるICタグ付ゴム製品4の用途に応じて適宜設定され、特に限定されない。」
「【0021】
ICタグ1と一体化させるゴム製品3としては、例えば、マットやベルトなどのシート状製品、タイヤ、タイミングベルト、免震材、ジョイント、チューブ、ホースなどが挙げられる。ゴムとしては、例えば上述のゴムが挙げられ、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。」
「
[図:0001420350000020.jpg]
」
7 甲7について
甲7には、以下の記載がある。
「【0001】
本発明は、ベルトコンベアの運転中にそのベルトコンベアのベルトの損傷を探知するベルト探傷装置に関する。」
「【0019】
ベルト探傷装置10は、ベルトコンベア20、撮像装置30、照明装置40、コントロールユニット50及び警報器70を備える。更に、このベルト探傷装置10は、RFID(radio frequency identifier)技術を利用したリーダー80及び複数のRFタグ85を備える。」
「【0026】
・RFタグ85について
ベルト29には、複数のRFタグ85がベルト29の搬送方向に沿って一定間隔で配列されている。好ましくは、これらRFタグ85がベルト29の縁部に設けられている。
【0027】
図2は、ベルト29の断面図である。図2に示すように、RFタグ85はベルト29に埋め込まれている。具体的には、ベルト29の縁部に穴29aが形成され、RFタグ85が穴29aに収容され、その穴29aがゴム弾性体等の充填剤29bによって充填されて、RFタグ85が充填剤29bに埋設されている。従って、RFタグ85の脱落を防止することができるとともに、ずりによるRFタグ85の損傷も防止することができる。更に、RFタグ85がプーリー21~26に直接接触することがなく、RFタグ85はベルト29の走行に悪影響を及ぼさない。
【0028】
RFタグ85にはメモリー、制御回路及び送信機等が内蔵されており、そのメモリーにはRFタグ85ごとに個別に与えられた識別子(識別番号、識別符号等)が格納されている。好ましくは、RFタグ85は、電源を内蔵するとともにその電源の電力を利用して識別子を発信するアクティブ型タグである。そのため、後述のリーダー80とRFタグ85の交信距離が長くなり、リーダー80によるRFタグ85の識別子の読み取りミスを防止することができる。そのため、ベルト29を高速走行させても、RFタグ85とリーダー80との間の交信を行うことができる。
【0029】
・リーダー80について
図1に示すように、リーダー80は、プーリー24よりも下流側且つベルトストッカー27よりも上流側に設けられており、より好ましくは撮像装置30の上流側に配置されている。
【0030】
リーダー80はアンテナ及び制御回路等を有する。そして、リーダー80の近傍をRFタグ85が通過する時に、リーダー80がRFタグ85によって発信された識別子を読み取る。そして、リーダー80が読み取った識別子をコントロールユニット50に転送する。リーダー80とRFタグ85の交信方式は、電波方式又は電磁誘導方式である。なお、RFタグ85が電源を内蔵しないパッシブ方式であってもよいが、その場合にRFタグ85はリーダー80から受信した電磁波をエネルギー源として動作する。」
「
[図:0001420350000021.jpg]
」
「【図3】
[図:0001420350000022.jpg]
」
8 甲8について
甲8には、以下の記載がある。
「【0001】
本発明は、ベルトコンベアのベルトの管理を行うベルト個体管理システム及びその方法に関する。
・・・」
「【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、ベルトの交換時期を明確にし、ベルトの在庫管理を行うことにより、ベルトコンベアのランニングコストを低減するベルト個体管理システム及びその方法を提供することを目的とする。」
「【0018】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態によるベルト個体管理システムの構成例を示す図である。
図1において、管理サーバ1は、インターネットを含む情報通信網Iに接続され、工場や鉱物の採掘場などで用いられているベルトコンベアのベルト(コンベアベルト)の交換時期や在庫管理などの処理を行う。
端末2は、上述した工場や鉱物の採掘場の管理棟などの各ラインに対応した場所に配置され、情報通信網Iを介して管理サーバ1及び後述するデータサーバ3との間におけるデータの送受信を行う。
データサーバ3は、工場や鉱物の採掘場などで用いられているベルトコンベアのベルトの製造及び販売を行う会社(製造販売会社)に設けられており、情報通信網Iを介して管理サーバ1及び端末2との間におけるデータの送受信を行う。
【0019】
また、本実施形態において、例えば、ベルト個体管理システムは、端末2と、データサーバ3と、管理サーバ1とを連携させ、管理サーバ1が端末2及びデータサーバ3に対して効率的にクラウドサービスを提供する。このクラウドサービスは、ベルトの残存寿命(後述)を含む在庫管理を行うアプリケーションの実行基盤を提供するPaaS(Platform as a Service)として構築されている。ここで、管理サーバ1は、1つのサーバで構成しても良いし、ベルトを管理する機能を複合的に処理する複数のサーバで構成しても良い。
【0020】
また、作業者は、端末2から上述したベルト個体管理システムのアプリケーションを実行する場合、端末2から管理サーバ1のオンラインサービスに接続する。そして、端末2は、このオンラインサービスによって起動したアプリケーションの制御により、例えば、表示画面にID(Identification)コード及びパスワード(端末2を識別する識別情報)の入力欄と、この入力欄にIDコード及びパスワードの入力を促す画像を表示する。すなわち、この端末2を識別する識別情報は、各ラインが配置されている工場及び採掘場を識別する情報である。
そして、作業者がIDコード及びパスワードを入力欄に入力すると、端末2は入力されたIDコード及びパスワードを、情報通信網Iを介して管理サーバ1へ送信する。
【0021】
管理サーバ1は、端末2から供給されたIDコード及びパスワードの認証を行い、このIDコード及びパスワードに対応する各テーブル(後述する管理データベース15、費用データベース16、在庫データベース17及び異常データベース18の各々に予め書き込まれて記憶されているテーブル)のデータを用い、IDコード及びパスワードに対応する工場や採掘場などのラインにおけるベルトコンベアのベルトに対する管理を行う。
【0022】
次に、図2は、図1のベルト個体管理システムにおける管理サーバ1の構成例を示すブロック図ある。
この図において、管理サーバ1は、送受信部10、ベルト寿命予測部11、総所有コスト算出部12、ベルト在庫管理部13、異常管理部14、管理データベース15、費用データベース16、在庫データベース17及び異常データベース18を備えている。送受信部10は、情報通信網Iを介して、端末2及びデータサーバ3の各々と後述する各データ及び通知信号(アラーム)の送受信を行う。
以下、上記ベルト寿命予測部11、総所有コスト算出部12、ベルト在庫管理部13、異常管理部14の各々の動作を順次説明する。
【0023】
・・・このベルト残厚データは、ベルト交換のための指標として端末2から前記端末2の識別情報が付加されて供給されるデータである。・・・」
「【0027】
次に、図4A及び図4Bは、管理データベース15に記憶されている、ある工場にあるベルトコンベアのライン毎の管理テーブルと、ライン毎のベルトの使用履歴を示す使用履歴テーブルとの構成を示す図である。この管理テーブルは、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。図4Aは、ある工場にあるベルトコンベアのライン毎の管理テーブルであり、複数のライン各々、例えば、ラインL1、L2及びL3の各々の管理データが予め管理データベース15の管理テーブルの記憶領域に予め書き込まれて記憶されている。ここで、管理データは、ベルト長さ、ベルトメーカ、ベルト品番、搬送対象、ベルト厚さ初期値及び管理限界値などがある。
【0028】
すなわち、ベルト長さは、ラインのベルトコンベアに用いられているベルトの全長(m:メートル)である。ベルトメーカは、ラインのベルトコンベアに用いられているベルトの製造・販売を行うメーカ名(会社名)を示す。ベルト品番は、ベルトの種類を示す製品番号である。搬送対象は、各ラインで搬送する搬送物の種類を示す。ベルト厚さ初期値は、ベルトコンベアを設置した際のベルトの厚さ(取り付け初期の厚さ)を示す。管理限界値は、すでに説明したように、搬送する搬送物の種類やベルトの種類により、従来の経験を加味して、設定された品質上から交換が必要なベルトの厚さを示す。
ここで、ベルト長さ、ベルトメーカ、ベルト品番、搬送対象、ベルト厚さ初期値及び管理限界値の各々のデータは、予め端末2で入力されて、管理データベース15の管理テーブルに予め送受信部10により書き込まれて記憶される。
【0029】
図4Bは、図4Aの各ラインのベルトの使用履歴を示す使用履歴テーブルであり、複数のライン各々、例えばラインL1、L2及びL3の各々の使用履歴データが予め管理データベース15の使用履歴テーブルの記憶領域に予め書き込まれて記憶されている。ここで、使用履歴データは、設置日、最終測定日、経過日数、総輸送量、厚さデータ、摩耗速度、残存寿命、交換予定日などがある。・・・
【0030】
すなわち、設置日は、各ラインのベルトコンベアのベルトを新しいベルトに交換した年月日を示す。最終測定日は、最新のベルト残厚データが供給された年月日を示す。経過日数は、最新の設置日から現在の年月日までの経過日数を示す。・・・交換予定日は、ベルトを交換する予定日であり、厚さデータから管理限界値を減算し、減算結果の差分を摩耗速度で除算し、除算結果を最終測定日に加算した年月日を示す。ここで、ライン名、設置日、最終測定日(今回のベルト残厚データが供給された日)、総輸送量、厚さデータ(前回のベルト最小残厚データ)の各々のデータは、端末2から供給され、管理データベース15の使用履歴テーブルに、送受信部10により書き込まれて記憶される。」
「【0034】
また、ベルト寿命予測部11は、管理データベース15の管理テーブルから管理限界値を読み出し、使用履歴テーブルから摩耗速度を読み出し、最新のベルト最小残厚データから管理限界値を減算し、この減算結果の差分を摩耗速度により除算し、残存寿命を求める。
そして、ベルト寿命予測部11は、残存寿命を最終測定日に加算し、管理限界値を下回る日、すなわち交換予定日を求める。ここで、ベルト寿命予測部11は、求めた残存寿命及び交換予定日の各々を管理データベース15の使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
【0035】
ここで、ベルト寿命予測部11は、求めた残存寿命が、予め管理データベース15に記憶されている基本残存寿命を下回った場合、端末2及びデータサーバ3に対して、ベルトの交換を促す通知を、このラインを識別する情報(いずれの場所においてどのベルトコンベアで用いられているかを示す情報、すなわちIDコード及びパスワード、ライン名など)を付加して送受信部10を介して行う。
・・・」
「【0038】
<総所有コスト算出部12>
・・・次に、図6A及び図6Bは費用データベース16の費用テーブル(後述する稼働テーブル及び使用履歴テーブル)の構成例を示す図である。・・・
図6Aは、工場あるいは採掘現場の各ラインで使用されているベルトコンベアのベルト及びベルトコンベアの稼働に対するコストを示す費用データベース16の稼働テーブルの構成を示す。図6Aにおいて、ライン名は各ラインを示し、会社名はラインのベルトコンベアで使用しているベルトのメーカを示し、設置日はベルトがベルトコンベアに設置された日を示し、資材コストはベルトの価格を示している。また、エンドレス作業費は各ラインにおいてベルトコンベアとしてベルトを環状につないで取り付ける作業費を示している。メンテナンス費は、ベルトコンベアのベルトの補修などのメンテナンスにかかった費用を示している。電気代は、ベルトコンベアを稼働するために使用した電気の代金を示している。
・・・
【0039】
図6Bは、工場あるいは採掘現場の各ラインで使用されているベルトコンベアのベルト及びベルトコンベアの交換履歴を示す費用データベース16の使用履歴テーブルの構成例である。・・・」
「【0042】
<ベルト在庫管理部13>
ベルト在庫管理部13は、端末2から送受信部10を介して供給される在庫データを、在庫データベース17の在庫テーブルに書き込んで記憶させる。この在庫データは、メーカ、品番、ベルト識別情報、残量(在庫量)、品番総残量及び管理残量である。また、在庫テーブルは、管理テーブルと同様に、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。
次に、図7は在庫データベース17の在庫テーブルの構成例を示す図である。この図7において、メーカはベルトの製造販売を行う会社名であり、品番はそのベルトの製品の種類を示す番号であり、ベルト識別情報はそのベルトのロット単位、例えばベルトが巻かれたロール単位で個々のベルトを識別する情報である。・・・
【0043】
図2に戻り、ベルト在庫管理部13は、端末2から送受信部10を介して供給される在庫データを、在庫データベース17の在庫テーブルに書き込むとともに、品番総残量を算出する。ここで、ベルト在庫管理部13は、品番が同様のべルトの残量を全て加算し、加算結果を品番総残量として、在庫データベース17の在庫テーブルの品番に対応させて書き込んで記憶させる。・・・
【0044】
次に、ベルト在庫管理部13は、品番に対応した管理残量を読み出し、新たに求めた品番総残量と比較する。
この比較の結果、ベルト在庫管理部13は、品番総残量が管理残量を下回った場合、端末2及びこのベルトの製造販売を行うメーカのデータサーバ3に対して、ラインを識別する情報を付加して、品番と発注を促す内容とを含む通知を送信する。
また、上述した在庫テーブルはメーカで分類する構成となっているが、ベルトコンベアのライン毎に、メーカ、品番、ベルト識別情報、残量、品番総残量及び管理残量の表を作成しても良い。」
「【0046】
また、上述のベルト識別情報は、各ベルトのロールや梱包材に添付あるいは貼着されたRFID(Radio Frequency IDentification)あるいはバーコードなどに書き込まれている。工場及び採掘現場などの作業者は、定期的にRFIDもしくはバーコードの読み取り機により、在庫品のベルト識別情報を読み取る。・・・
【0047】
<異常管理部14>
異常管理部14は、端末2から送受信部10を介して供給される検出データを、予め設定された閾値(後述する検出閾値)と比較して異常か否かの判定を行い、異常と判定した場合、異常データベース18の異常テーブルに書き込んで記憶させる。この異常データは、検出日、ライン番号、検出位置などである。また、異常テーブルは、管理テーブルと同様に、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。
【0048】
次に、図8A及び図8Bは、異常データベース18に予め書き込まれて記憶されているテーブルの構成例を示す図である。図8Aは、ライン毎に設定された損壊などの異常の有無を判定する検出閾値を示す閾値テーブルである。この図8Aにおいて、ライン番号は、工場あるいは採掘場などに配置されているラインの番号(ラインを識別する情報)であり、検出閾値は、ライン毎に設定されたおり、一定周期で送信されるラインで用いられているベルトの状態を示す検出値と比較する閾値である。
図8Bは、異常と判定されたラインの情報を時系列に示す異常履歴テーブルである。この図8Bにおいて、検出日はラインの異常が検出された年月日を示し、ライン番号はベルトの異常が検出されたライン番号であり、検出位置はベルトの異常が検出された位置を示し、インデックスはベルトの異常の発生した位置を示す画像が記憶された領域を示すアドレスである。」
「
[図:0001420350000023.jpg]
」
「
[図:0001420350000024.jpg]
」
「【図6A】
[図:0001420350000025.jpg]
」
「【図6B】
[図:0001420350000026.jpg]
」
「
[図:0001420350000027.jpg]
」
9 甲9について
甲9には、以下の記載がある。
「本発明は一般的に、コンベヤーベルト識別法の技術に関し、さらに詳しくは伝達ベルトの識別その他のデータに対して応答指令信号を送る埋込み型集積回路トランスポンダーの使用に関する。」(第5頁第4行~第5頁第6行)
「本発明は、ベルトまたはベルト部分の識別に使用するためのコンベヤーベルト構造の内に埋め込まれた集積回路トランスポンダーを有するエンドレスコンベヤーベルトに関する。このトランスポンダーは、外部ソースから発する呼びかけ信号の受け取りによる受動装置である。呼びかけ信号は集積回路トランスポンダーにより整流され、次いでこれがベルトまたはベルト部分を識別するためにデジタル方式でコードされる電気信号を伝達する。各ベルトまたはベルト部分に対して、特有の「デジタル刻印」を使用することができる。
本発明は、コンベヤーベルトまたはベルト部分を識別し、かつ、それを監視するための非接触手段であって、より良好でより有利な結果をもたらしながらも、簡単かつ効果的な手段を提供する。」(第5頁第25行~第6頁第6行)
「本発明によれば、1以上の集積回路トランスポンダー30がコンベヤーベルト10の構造内に埋め込まれる。埋め込んだトランスポンダー30をベルトの作業環境のいくつかの条件から保護し、それと同時にトランスポンダー30に都合よく接近できるようにするには、ベルトの配置を確定することが必要になろう。1以上のトランスポンダー30は、添え継ぎの存在、裂傷検出コイル、刻印部などを示すため、ベルト長に沿って所定の位置に配置すればよい。
・・・図1は、刻印34付近のトップカバー14に配置された埋め込み集積回路トランスポンダー30を示している。かかるトランスポンダー30は、呼びかけ信号に対して刻印34に関するデータを発し得る。
特に図2および3を参照すれば、埋め込んだトランスポンダー30の詳細な構造が記載されている。・・・トランスポンダー30Aは、通常はベルト表面16、20と平行な平面にあるベルト構造に埋め込まれる。
このアンテナ36Aは印刷回路板40Aに取り付けられている。RF-ID集積回路42A、以下ICは、印刷回路板40Aに取り付けられている。・・・
図3に示されている本発明のもう1つの具体例は、トランスポンダー30Bを利用しており、ここでIC基板40Bとアンテナ36Bの双方は、・・・硬質エポキシ材に封入されている。」(第8頁第23行~第9頁第25行)
「発せられたRF信号はこのトランスポンダー30により受信される。トランスポンダー30はこの信号により電源供給され、次ぎにデータの流れを運ぶ返信RF信号を発する。
1つの具体例では、呼びかけ信号は手持ち式読取り機(示さず)を通じて提供される。またこの読取り機は、返信RF信号のための受信機としても働く。別法として、RF読取り機をコンベヤー系に沿ったいくつかの固定位置に配置することも可能であろう。」(第10頁第8行~第10頁第15行)
「図5は、コンベヤーベルト10が添え継ぎ44を含む場合に、トランスポンダー30を配置可能な場所を示している。第1のトランスポンダー30Eは、その添え継ぎ44付近の補強層22中に配置され、第2のトランスポンダー30Fは、トップカバー中の添え継ぎ46付近のトップカバー14と補強層22の間に配置され、第3のトランスポンダー30Gは、滑車カバー18中の添え継ぎ48付近の滑車カバー18と補強層22の間に配置されている。呼びかけ信号に対し、トランスポンダー30の各々は、添え継ぎの設置日や添え継ぎを製造するのに使用した材料の種などのデジタル化データを発することができる。各添え継ぎ44、46および48をマークすることにより、トランスポンダー30の呼びかけ信号は、添え継ぎの迅速な位置決定と識別をもたらし、修復の監視を可能にする。トランスポンダー30は、設置日、用いたベルト材料などの適切なデータをコードすることができる。
図6は、織物で補強された層22を有するコンベヤーベルト10を利用する本発明のもう1つの好ましい具体例を示す。」(第10頁第24行~第11頁第8行)
「図7は、添え継ぎを含む、織物で補強したコンベヤーベルト10における、本発明の好ましい具体例を示す。典型的な添え継ぎにおいて、補強層22の各層における添え継ぎは、ベルト長に沿って互い違いに配置されている。・・・補強層22における添え継ぎ60、62、64は、トップカバー14および滑車カバー18双方に部分に含まれており、これは元のベルトに継がれている。継がれた部分内のトランスポンダー30は、補強層22の添え継ぎ60、62、64の各々の正確な位置を与える。第1のトランスポンダー30Kは、最上層50の添え継ぎ60に近接して
トップカバー14と最上層50の間に配置されいている。第2のトランスポンダー30Lは、中間層52の添え継ぎ62に近接して最上層50と中間層52の間に(または、中間層52と最下層54の間に)配置されている。第3のトランスポンダー30Mは、最下層54の添え継ぎ64に近接して最下層54と滑車カバー18の間に配置されいている。・・・
トランスポンダー30は、ベルトの製造工程中にベルト構造内に埋め込んでもよいし、あるいは、後硬化作業中にベルト層の表面に付加してもよい。」(第11頁第17行~第12頁第5行)
「【図1】
[図:0001420350000028.jpg]
」
「
[図:0001420350000029.jpg]
」
「【図4】
[図:0001420350000030.jpg]
」
「【図5】
[図:0001420350000031.jpg]
」
「【図6】
[図:0001420350000032.jpg]
」
「【図7】
[図:0001420350000033.jpg]
」
10 甲10について
甲10には、以下の記載がある。
「 【0001】
(技術分野)
本発明は、ゴムまたはゴムに類似の合成物質から成るコンベヤベルト、特に強度部材を埋蔵されたコンベヤベルト(鋼線コンベヤベルト、織物コンベヤベルト)の接合を連続的に監視する装置に関する。」
「 【0010】
(実施例)
図1は、鋼線形態の強度部材を埋め込まれた、特に、接合区域においてはスリット系列を形成する追加の総合コードを備えたゴムまたはゴム類似の合成物質から成るコンベヤベルト1を示している。本発明の長さLの接合区域6は、コンベヤベルトの走行方向(矢印方向)において、接合区域始端7と接合区域終端8により区切られている。
【0011】
接続区域始端7と接続区域終端8との直ぐ内側にそれぞれ、コンベヤベルトの背面3と搬送面4との間に延びる側縁帯域5に埋められた少なくとも1個の計測マーク9、10が存在する。計測マークは、大きい温度、圧力、また、湿度、他の機械的、化学的負荷に耐えるように安定している必要がある。計測マークは好適には、電気および/または磁気特性をもつ材料、特に、微細な金属帯または永久磁石の形態の材料から成る。・・・
【0012】
計測マーク9、10は、速度と接合区域の長さとを計測するための計測マーク検出システムIに属する。この計測システムは、速度を計測するための計測区間であるコンベヤベルトの運動方向に見ての距離Uを隔てて置かれた、2個の検出装置11、12を有する。・・・
【0013】
計測マーク検出システムIにおいては、レーザーセンサ技術、磁気感応システム、特に反響センサまたは磁気抵抗センサ、電離放射線等を含むレーダー/マイクロ波、誘導処理、光学的または光電的方法等に基づくセンサが好適に使用されている。
【0014】
コンベヤベルトの走行方向に無関係な同定(identification)システムIIは、接合区域6の外側、接合区域終端8の近傍に位置する計測位置を同定するためのアドレス14を有する。その際、アドレス14と接合区域終端8との間の距離は接合区域長さLよりも小さく、好適には接合区域長さの1/4よりも小さい。アドレスは、特に機械的、光学的、磁気的、電気伝導または放射性の検出に視点をおいたコードである。・・・
【0015】
同定システムIIの他の部分は、アドレス検出装置15と、アドレス検出装置に連結されたアドレス14読み取り装置16とである。」
「 【0018】
図2の実施例においては、計測マーク9、10および関連計測マーク検出システムに関して図1を参照されたい。
【0019】
この実施例においては同定システムIIの構成が全く相違し、トランスポンダー形態のアドレス22を有する。対応するアドレス検出装置は、関連する送受信読み取り装置を備えたアンテナである。アンテナにトランスポンダーのための読み取り装置24が連結されている。この同定システムもまたコンベヤベルトの運動方向に見て左と右に好適に配置されている。・・・」
「
[図:0001420350000034.jpg]
」
第5 当審の判断
1 申立理由1(進歩性)について
(1) 本件特許発明1について
ア 甲2に記載された発明を主引用発明とする場合
(ア) 対比
本件特許発明1と甲2発明を対比する。
a 「端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバと、を備えた、ベルト管理システム」について
甲2発明の「携帯端末装置2」及び「サーバ1」は、本件特許発明1の「端末装置」及び「管理サーバ」に相当する。
また、甲2発明の「携帯端末装置2」は、「サーバ1とデータ通信を行う外部通信部3」を備えているから、「携帯端末装置2」と「サーバ1」は、何らかのネットワークを介して接続されている。
そして、甲2発明の「メンテナンス管理システム」は、本件特許発明1の「ベルト管理システム」と、「管理システム」である点で共通する。
そうすると、甲2発明の「メンテナンス管理システム」と、本件特許発明1の「ベルト管理システム」は、「端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバと、を備えた、管理システム」である点で共通する。
b 「前記端末装置」が備える「ベルトに埋設されたRFID(Radio Frequency Identification)用タグに記憶された、識別情報を読み取る読取部」及び「前記ベルトの管理情報を表示する表示部」について
(a) 甲2発明の「携帯端末装置2」が備える「点検箇所に付されたタグやバーコード等の識別子6から識別情報の読み取りを行う読取部7」は、「RFタグ等のICタグと通信して識別情報を取得する通信装置として構成されて」いる。
そうすると、甲2発明の「読取部7」と本件特許発明1の「ベルトに埋設されたRFID(Radio Frequency Identification)用タグに記憶された、識別情報を読み取る読取部」は、「RFID(Radio Frequency Identification)用タグに記憶された、識別情報を読み取る読取部」である点で共通する。
(b) また、甲2発明は、「サーバ1」の「データ格納部1a」に「点検対象となる機種及び点検種別毎に、一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報が登録された点検簿データ」が格納されており、「携帯端末装置2」の「表示部9」には「データ格納部1aに格納された点検簿データから、指定された点検機種と点検種別に合致する点検箇所の情報を読み込み、読み込まれた情報は、対象の機種について、今回の点検で点検すべき点検箇所の一覧を含んでおり、今回の点検で点検すべき全点検箇所のうち、未点検の点検箇所をリストアップ」して「一覧表として画像表示」されるものであるところ、甲2発明では、点検作業のために「点検機種」、「点検種別」、「点検箇所」及び「点検項目」という情報が管理されているといえ、また、「点検」は「管理」ともいえるから、これらの情報は、「管理情報」ということができる。
そして、甲2発明の「携帯端末装置2」が備える「表示部9」は、上述の「今回の点検で点検すべき全点検箇所のうち、未点検の点検箇所」を表示するものであるから、「管理情報」を表示するものといえる。
そうすると、甲2発明の「表示部9」と、本件特許発明1の「前記ベルトの管理情報を表示する表示部」は、「管理情報を表示する表示部」である点で共通する。
c 「前記端末装置」が備える「前記読取部で読み取った前記識別情報及び要求された前記ベルトの管理情報の種類を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部」について
甲2発明の「携帯端末装置2」が、「端末側制御部」を備えることは明らかである。
そうすると、甲2発明の「端末側制御部」と、本件特許発明1の「前記読取部で読み取った前記識別情報及び要求された前記ベルトの管理情報の種類を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部」は、「端末側制御部」である点で共通する。
d 「前記管理サーバ」が備える「複数のベルトに対応する前記識別情報と、多種類の、前記ベルトの管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部」について
甲2発明の「サーバ1」が備える「データ格納部1a」には、「点検対象となる機種及び点検種別毎に、一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報が登録された点検簿データが格納されており」、複数の「点検対象となる機種」と「一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報」とが対応付けられて記憶されているといえる。
また、「点検対象となる機種」は、「識別情報の読み取りを行う読取部7」により「取得」したものであるから、「識別情報」といえる。
そして、「一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報」は、上記bにおいて示したメンテナンスに関する情報であるから、「管理情報」である。
そうすると、甲2発明の「データ格納部1a」と、本件特許発明1の「複数のベルトに対応する前記識別情報と、多種類の、前記ベルトの管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部」は、「複数の前記識別情報と、前記管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部」である点で共通する。
e 「前記管理サーバ」が備える「前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の種類に対応する、前記記憶部に記憶された前記ベルトの管理情報を、前記端末装置に送信する、サーバ側制御部」について
甲2発明の「サーバ1」が、「サーバ側制御部」を備えることは明らかである。
そうすると、甲2発明の「サーバ側制御部」と、本件特許発明1の「前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の種類に対応する、前記記憶部に記憶された前記ベルトの管理情報を、前記端末装置に送信する、サーバ側制御部」は、「サーバ側制御部」である点で共通する。
f 上記a~eより、本件特許発明1と甲2発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバと、を備えた、管理システムであって、
前記端末装置は、
RFID(Radio Frequency Identification)用タグに記憶された、識別情報を読み取る読取部と、
管理情報を表示する表示部と、
端末側制御部と、を備え、
前記管理サーバは、複数の前記識別情報と、前記管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部と、
サーバ側制御部と、を備えている、管理システム。」
[相違点]
(相違点1)
本件特許発明1は、「管理システム」が「ベルト管理システム」であり、「管理情報」が「ベルトの管理情報」であり、「識別情報」が「ベルトに対応する識別情報」であって、「多種類の、前記ベルトの管理情報」と対応付けられているのに対し、甲2発明は、「管理システム」、「管理情報」及び「識別情報」が「ベルト」に関するものではない点。
(相違点2)
本件特許発明1は、「端末側制御部」が「前記読取部で読み取った前記識別情報及び要求された前記ベルトの管理情報の種類を、前記管理サーバに送信する」ものであって、「サーバ側制御部」が「前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の種類に対応する、前記記憶部に記憶された前記ベルトの管理情報を、前記端末装置に送信する」のに対し、甲2発明の「端末側制御部」及び「サーバ側制御部」は、そのような特定がない点。
(イ) 判断
a 検討
上記(相違点1)と(相違点2)は、いずれも「ベルト」に関する相違点を含むから、両者を併せて検討する。
(a) 甲2発明は、そもそも「クレーンやアンローダ、コンベヤ等の大型の搬送設備において、点検作業の利便性を向上して能率化を図りつつ、点検作業の安全性を向上し得る搬送設備のメンテナンス管理システム」であって、甲2には、「搬送設備」のうちの「コンベヤ」が「ベルトコンベア」であるとの具体的な例示も示唆もないから、甲2発明の「メンテナンス管理システム」を「ベルト」を管理する「ベルト管理システム」に変更する動機付けはない。
そうすると、甲2発明の「管理情報」を「ベルトの管理情報」に変更したり、「識別情報」を「ベルトに対応する識別情報」に変更したり、さらに、「多種類の、前記ベルトの管理情報」と対応付けられているように変更したりすることは、当業者であっても容易に想到し得るものではない(相違点1関係)。
(b) また、甲2発明の「携帯端末装置2」の「情報処理部4」は、「点検機種及び点検種別が指定されると」、「サーバ1のデータ格納部1aを参照し」、「データ格納部1aに格納された点検簿データから、指定された点検機種と点検種別に合致する点検箇所の情報を読み込」むものであって、甲2発明の「サーバ1」の「データ格納部1a」には、「点検対象となる機種及び点検種別毎に、一又は複数箇所存在する点検箇所と、それら各点検箇所毎に一又は複数項存在する必要な点検項目の情報が登録された点検簿データ」が格納されている。
しかしながら、上記(a)のとおり、甲2発明の「管理情報」は、そもそも「ベルトの管理情報」ではないから、甲2発明において、「ベルトの管理情報」を記憶するように変更することは当業者であっても容易に想到し得るものではないし、さらには「端末側制御部」がベルトの管理情報の種類を「管理サーバ」に送信したり、「サーバ側制御部」がベルトの管理情報の種類に対応するベルトの管理情報を「端末装置」に送信したりするように構成することも当業者が容易に想到し得るものではない(相違点2関係)。
(c) そして、(相違点1)及び(相違点2)に係る構成は、甲1、甲3~甲10のいずれにも記載されておらず、本件特許の出願時に周知技術であったということもできないから、甲2発明において、(相違点1)及び(相違点2)に係る構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
b 異議申立人の主張について
異議申立人は、ベルトは搬送設備を構成する備品であるし、甲4~7に記載されているように、「RFIDタグなどのICタグをベルトに埋設し、このICタグが有している識別情報をリーダにより取得して、ベルトの種々の管理を行う」ことは周知技術であるから、甲4~7及び甲1を参照して、甲2発明をベルトに適用することは当業者が容易になし得ることであると主張する(特許異議申立書第82頁)。
しかしながら、仮にベルトが搬送設備を構成する備品であって、本件特許の出願時において、異議申立人が主張するとおりの周知技術が存在していたとしても、上記a(a)のとおり、甲2には、「搬送設備」のうちの「コンベヤ」が「ベルトコンベア」であるとの具体的な例示も示唆もないから、甲2発明において、異議申立人の主張する周知技術を採用する動機付けはなく、当業者にとって、[相違点]に係る構成を採用することが容易に想到し得るものであるということはできない。
よって、異議申立人の主張を採用することはできない。
イ 甲1に記載された発明を主引用発明とする場合
上記ア(イ)a(c)のとおり、甲1には、上記[相違点]に係る構成が記載されていないし、甲2~甲10のいずれにも記載されておらず、他に周知技術であったということもできないから、甲1に記載された発明(以下、「甲1発明」という。)において、[相違点]に係る構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
ウ 甲3に記載された発明を主引用発明とする場合
上記ア(イ)a(c)のとおり、甲3には、上記[相違点]に係る構成が記載されていないし甲1、甲2~甲10のいずれにも記載されておらず、他に周知技術であったということもできないから、甲3に記載された発明(以下、「甲3発明」という。)において、[相違点]に係る構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
(2) 本件特許発明2~9について
ア 本件特許発明2~8は、本件特許発明1を限定した発明であり、甲1発明~甲3発明と対比すると、少なくとも、上記(1)ア(ア)の[相違点]を有するところ、本件特許発明1が上記(1)ア(イ)、上記(1)イ、上記(1)ウのとおり、甲1発明~甲3発明の少なくとも1つと、甲4~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本件特許発明2~8も甲1発明~甲3発明の少なくとも1つと、甲4~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
イ また、本件特許発明9は、本件特許発明1の「当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバ」から、「ネットワークを介して」との事項を削除した発明であるから、上記アと同様に、甲1発明~甲3発明の少なくとも1つと、甲4~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 申立理由2(サポート要件)について
異議申立人は、本件特許発明7は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、サポート要件に適合しない旨主張するから、以下、検討する。
(1) 本件明細書の【発明が解決しようとする課題】における段落【0006】の「本発明は、ベルトのトレーサビリティの向上のために、多種のベルトの管理情報を、搬送ベルトのメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる、ベルト管理システムを提供することを目的としている。」との記載によれば、本件特許発明が解決しようとする課題は、多種のベルトの管理情報を、搬送ベルトのメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる、ベルト管理システムを提供することであると認められる。
(2) また、本件明細書には、【発明を実施するための形態】として、以下の記載がある。
「【0028】
(ベルト管理システム1)
搬送ベルト2のベルト管理システム1は、図1に示すように、管理サーバ10を主体として、各種の端末装置(ユーザー使用のRFID用リーダー30、メーカー使用のPC40、販売元使用のPC50、ユーザー使用のPC60)とインターネット(ネットワーク)を介して接続可能に構成されている。これにより、搬送ベルト2のユーザー、メーカー、販売元は、ベルト管理システム1を利用して管理サーバ10にアクセスすることができる。なお、ベルト管理システム1の利用に関しては、事前登録、パスワード認証等によりアクセス制限をかけて使用することが好ましい。」
「【0057】
そして、RFID用リーダー30が搬送ベルト2に割り当てられた製造ナンバーを取得すると、端末側制御部34がアプリケーションソフトを介して、取得した製造ナンバーに対応するベルトの種類・仕様に関する管理情報を取得するために、製造ナンバー及びベルトの種類・仕様に関する管理情報のリクエストを、管理サーバ10に送信する。
【0058】
管理サーバ10が、RFID用リーダー30から送信された、製造ナンバー及びベルトの種類・仕様に関する管理情報のリクエストを受信したら、制御部11は、記憶部12に格納された、管理情報テーブルを参照して、受信した、製造ナンバーに対応するベルトの種類・仕様に関する管理情報を特定する。本実施形態では、管理情報テーブル(図4)を参照して、製造ナンバーの「202000001」に対応するベルトの種類及び仕様が参照され、ベルトの種類として「平ベルト」、仕様として「NS32U」が特定される。
【0059】
そして、管理サーバ10の制御部11は、特定したベルトの種類・仕様に関する管理情報をRFID用リーダー30に送信する。
【0060】
そして、特定されたベルトの種類・仕様に関する管理情報を受信したRFID用リーダー30(端末側制御部34)は、図3(A)に示すように、ディスプレイ31に、製造ナンバーの「202000001」に対応するベルトの種類(平ベルト)及び仕様(NS32U)を表示する。
【0061】
これにより、上記ベルト管理システム1を使用して、搬送ベルト2の種類・仕様に関する管理情報を、搬送ベルト2のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる。」
(3) 上記(2)のとおり、本件明細書の発明の詳細な説明の記載によれば、上記(1)の課題は、ベルト管理システムにおいて、各種の端末装置が、製造ナンバーを取得すると、製造ナンバー及び取得したいベルトの管理情報の種類に関するリクエストを管理サーバへ送信し、管理サーバが、管理情報テーブルを参照して、リクエストに対応する種類のベルトの管理情報を特定するとともに、特定したベルトの管理情報を端末装置へ送信し、端末装置が、受信したベルトの管理情報を表示することによって、解決できることが理解できる。
一方、本件特許発明1は、ベルト管理システムにおいて、「端末装置」が、「前記ベルトの管理情報を表示する表示部」及び「前記読取部で読み取った前記識別情報及び要求された前記ベルトの管理情報の種類を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部」を備え、「管理サーバ」が、「複数のベルトに対応する前記識別情報と、多種類の、前記ベルトの管理情報とが対応付けられて記憶されている記憶部」及び「前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記ベルトの管理情報の種類に対応する、前記記憶部に記憶された前記ベルトの管理情報を、前記端末装置に送信する、サーバ側制御部」を備えることが特定されている。
そうすると、本件特許発明1は、上記(1)の課題を解決することができることを当業者が認識できる範囲内のものであって、発明の詳細な説明に記載されたものである。
そして、本件特許発明7は、本件特許発明1の構成を全て備えているから、同様に、上記(1)の課題を解決することができることを当業者が認識できる範囲内のものであって、発明の詳細な説明に記載されたものである。
したがって、本件特許発明7は、発明の詳細な説明に記載したものであるから、サポート要件に適合する。
(4) 異議申立人による申立理由2の主張について
異議申立人は、特許異議申立書の第88頁第16行~第88頁最終行において、本件特許発明7の「前記ベルトにおける前記RFID用タグの配置位置を接合部付近に埋設されている」との事項について、その効果として、本件明細書の段落【0020】及び【0118】には、接合部を容易に発見できる旨記載されているが、RFID用タグは本件特許発明7(物の発明)の構成部材ではないので、本件特許発明7にはその効果を得るための手段が反映されておらず、発明の詳細な説明に記載したものではない旨主張している。
しかしながら、そもそも異議申立人の主張する本件明細書の段落【0020】及び【0118】は、【発明が解決しようとする課題】の欄ではないし、【発明の効果】を記載した欄(段落【0025】)でもないから、異議申立人の主張は、上記(3)の本件特許発明がサポート要件に適合するか否かの判断を左右するものではない。
そして、本件特許発明7が、発明の詳細な説明に記載されたものであり、サポート要件に適合することも、上記(3)のとおりである。
したがって、異議申立人の上記主張は採用することができない。
3 申立理由3(明確性)について
(1) 本件特許発明1、9の記載について
異議申立人は、特許異議申立書の第89頁第2行~第89頁第11行において、本件特許発明1、9の「要求された前記ベルトの管理情報の種類を」との記載について、「前記ベルトの管理情報の種類」が何によって「要求された」のかその主体が不明であり、本件明細書の段落【0057】に記載されているように、端末装置が自動的にベルトの種類・仕様に関する管理情報をリクエストすることを意味するのか、段落【0062】~【0067】などに記載されているように、ユーザが端末装置を操作して必要な管理情報の種類をリクエストすることを意味するのか不明であり、また、仮に、端末装置が自動的にベルトの種類・仕様に関する管理情報をリクエストすることを意味するのであれば、どのようにその種類(特定の種類)を選択するのか不明であり、本件特許発明1、9及び本件特許発明1を引用する本件特許発明2~8は不明確である旨主張する。
しかしながら、本件特許発明1、9の「要求された前記ベルトの管理情報の種類」との記載が、何によって「要求された」のかその主体を特定していないとしても、端末装置が自動的に要求するのか、あるいは、ユーザが端末装置を操作して要求するのかのいずれかであると理解することができるから、何ら不明確であるということはない。
そして、このように理解することは、段落【0057】の「RFID用リーダー30が搬送ベルト2に割り当てられた製造ナンバーを取得すると、端末側制御部34がアプリケーションソフトを介して、取得した製造ナンバーに対応するベルトの種類・仕様に関する管理情報を取得するために、製造ナンバー及びベルトの種類・仕様に関する管理情報のリクエストを、管理サーバ10に送信する。」との記載、及び、段落【0063】の「ユーザーが、「取扱説明書」と表示された操作アイコンをタッチした場合、端末側制御部34がアプリケーションソフトを介して、搬送ベルト2の製造ナンバーに対応する取扱説明書に関する管理情報を取得するために、RFID用タグ24から取得した製造ナンバー及び取扱説明書に関する管理情報のリクエストを、管理サーバ10に送信する。」との記載とも整合する。
また、段落【0057】の上記記載を参酌すれば、端末装置が自動的にベルトの種類・仕様に関する管理情報をリクエストするのは、RFID用リーダー30が搬送ベルト2に割り当てられた製造ナンバーを取得することを条件として行われるものであり、種類を選択する処理を伴うものでないことは明らかである。
したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。
(2) 本件特許発明6の記載について
異議申立人は、特許異議申立書の第89頁第12行~第89頁第16行において、本件特許発明6の「前記識別情報及び前記発注指令に基づき、前記記憶部に、前記識別情報に対応する受注履歴として記憶する」との記載について、「前記記憶部」に何を「前記識別情報に対応する受注履歴として記憶する」のか、日本語として不明であり、本件特許発明6は不明確である旨主張する。
しかしながら、本件特許発明6の上記記載は、「前記記憶部」に、「前記識別情報に対応する受注履歴」を「受注履歴として記憶する」ものであることは、日本語として何ら困難なく理解することができる。
そして、このような理解は、本件明細書の段落【0089】の「管理サーバ10は、RFID用リーダー30から送信された、製造ナンバー及び発注指令を受信したら(S24)、制御部11は、購入手続処理を実行する(S25)。具体的には、制御部11は、製造ナンバー及びベルトの購入に関する情報に基づき、記憶部12の管理情報テーブルの受注履歴を、「受注済」に更新する。」との記載、及び、段落【0044】の「受注履歴は、ユーザーから、アプリケーションソフトを介して、ベルトの発注があり、メーカーや販売元で受注した場合に更新される。」との記載とも整合する。
また、「受注履歴」として、段落【0044】に例示された、「ベルトの受注の有無、発注者(住所等の納品先の情報)、受注者(連絡先等)、ベルトの種類、仕様、個数、販売価格、発注日、納期(納品予定日)などの情報」を記憶することも明らかである。
したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700961