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特許異議申立

2024-700682

遠心分離機

審判番号
2024-700682
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-016991
登録番号
7492927
請求日
2024年07月19日
審決日
2025年01月29日
公報発行日
2025年03月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社クボタ
  • 【権利者代理人】弁理士法人森本国際特許事務所
  • 【権利者】株式会社広島メタル&マシナリー
  • 【権利者代理人】弁理士法人森本国際特許事務所
  • 【異議申立人】岩部 英臣
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 河本 充雄
  • 審判官 後藤 政博
分類
P1651.113-Y (B04B) / P1651.121-Y (B04B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7492927号発明「遠心分離機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7492927号の請求項1~4に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7492927号の請求項1~4に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、令和3年2月5日に出願され、令和6年5月22日にその特許権の設定登録がされ、同年同月30日に特許掲載公報が発行された。 その後、その請求項1~4に係る特許に対し、令和6年7月19日に特許異議申立人 岩部 英臣(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされ、同年8月19日に手続補正書(方式)が提出されたものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明4」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 回転軸心廻りに回転するボウルと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一端側に設けた分離液排出口と、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの他端側に設けた脱水ケーキ排出口と、前記ボウルと同回転軸心廻りに回転するスクリューコンベアを備え、 前記ボウルは、内周面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル分離部と、前記ボウル分離部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内周面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、 前記スクリューコンベアは、内胴と内胴外周に螺旋状に設けた羽根を有し、 前記内胴は、前記ボウル分離部に対応して外周面が前記内胴の回転軸心方向に伸びる内胴分離部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外周面がテーパー状に狭まる内胴排出部を有し、 前記ボウル排出部の内周面と前記内胴排出部の外周面の間に隙間排出部を有し、 前記ボウルが前記隙間排出部に臨む位置に保守用開孔を有し、前記保守用開孔を塞ぐプラグを着脱自在に設けたことを特徴とする遠心分離機。 【請求項2】 前記内胴は、前記内胴分離部から前記内胴排出部に向けて外周面がテーパー状に広がる内胴圧縮部を有することを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。 【請求項3】 前記保守用開孔および前記プラグは、前記ボウルの周方向の複数個所に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離機。 【請求項4】 前記保守用開孔および前記プラグは、前記ボウル分離部と前記ボウル排出部の境の近傍に位置することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の遠心分離機。」 第3 申立理由の概要 申立人は、証拠として甲第1号証~甲第4号証(以下、「甲1」~「甲4」という。)を提出し、以下の理由により、請求項1~4に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 1 申立理由1(新規性) 本件発明1、2、4は、甲1に記載された発明であり、本件発明1、4は、甲2に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、2、4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 2 申立理由2(進歩性) 本件発明1~4は、甲1に記載された発明及び甲3に記載された事項に基いて、又は、本件発明1、3、4は、甲2に記載された発明及び甲3に記載された事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 [証拠方法] 甲1:特開2012-187570号公報 甲2:韓国登録特許第10-0977196号公報 甲3:実公昭62-29068号公報 甲4:特開昭55-22397号公報 第4 甲号証の記載及び甲号証に記載された発明 1 甲1(特開2012-187570号公報) (1)甲1には、以下の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。以下、同様である。)。 「【発明を実施するための形態】 【0021】 以下、本発明に係る遠心脱水装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、本実施形態に係る直胴型遠心脱水装置1を示し、図2はその要部の拡大概略図である。本実施形態の直胴型遠心脱水装置1は、直胴円筒型のボウル10と該ボウル内に配置され相対速度差を有して同方向に回転するスクリューコンベア20、ボウル10及びスクリューコンベア20の両端部に突出形成された中空軸35、40、スクリューコンベアの前端に設けられた脱水ケーキ排出室50、後端部に設けられた分離液排出室60を備えている。そして、ボウル10、その内部に装着されたスクリューコンベア20、脱水ケーキ排出室50、分離液排出室60がケーシング19内に収納されている。 【0022】 ボウル10は、横型円筒の直胴形をなし、ボウル前端が脱水ケーキ排出室壁11をなし、ボウル後端が分離液の排出口13が形成されたボウル後端壁12をなしている。分離液の排出口13は、ボウル後端壁12に多数の小孔を同心状に隔設するのが望ましいが、これに限らず適宜形成することが可能である。 ボウル後端壁12の中央部から外側に突出形成された上流側の中空軸401がベースフレーム80に設けられた軸受95に回転自在に軸受され、且つボウル前端壁である脱水壁排出室壁11の中央部から外側に突出形成された下流側の中空軸402が軸受部90に回転可能に軸受されている。中空軸401の外周にプーリ71が設けられ、図示しない駆動源としてのモータに伝動されボウル10が回転駆動される。中空軸402の先端部は変速装置70に連結されていると共に、中空軸402の内部を貫通して回転自在に設けられたスクリューコンベア駆動軸23が変速装置70に連結され、中空軸402の回転力は変速装置70を介してスクリーコンベア駆動軸23に伝達され、スクリューコンベア20がボウル10と同方向に相対速度差を持って回転駆動される。 そして、上流側の中空軸401の中心部を貫通して、外周部が後述する凝集剤供給管となっている二重管構造の処理液供給管41が貫通して、処理液と凝集剤をスクリューコンベアの回転胴21の内部まで供給できるようになっている。 【0023】 ボウル内に配設されたスクリューコンベア20は、内部が中空の回転胴21の外周に螺旋翼22が巻装されてなり、前述のように駆動装置によりボウル10と所要の速度差をもって同方向に回動されるようになっている。回転胴21は、図1及び図2に示すように、外周面が円筒のストレート部24とテーパー部25とから形成されている。ストレート部24は、図2に示すように、回転胴の上流側端部から延びてさらに脱水ケーキ供給口27から回転胴の下流側寄りに距離L1の位置まで伸び、テーパー部25は、回転胴の下流側寄りに脱水ケーキ14の排出通路の入口まで傾斜角αでボウルの内周壁に向かって傾斜して、軸方向距離L2の範囲に形成されている。前記テーパー部25は、従来のストレート構造の回転胴を脱水ケーキ排出側に向けて大径に傾斜するテーパー構造とすることにより、脱水ケーキ排出方向に脱水ケーキが搬送されるにしたがって圧搾力が増大され、排出される脱水ケーキの含水率が低下することに着目して形成されたものである。 ・・・ 【0025】 前記テーパー部25の下流端、即ちボウル内周壁と最も接近し高遠心力が作用する位置には、該位置から内側に向けて傾斜する逆テーパー面28が形成され、後述するボウル側逆テーパー面との間で脱水ケーキの排出経路となる絞り通路52を形成する。図示の実施形態では、逆テーパー面28を形成する部材を回転胴21と別部材の円板部材で形成しているが、回転胴21と一体に形成してもよい。回転胴と別部材で形成することによって、処理液の性状等に応じて絞り通路の形状や断面積を調整できるという利点がある。 【0026】 一方、ボウル10の内周面の下流端部近傍には、前記回転胴側の逆テーパー面28と対向して、ボウル側絞り通路部材18が調整可能に取り付けられている。該ボウル側絞り通路部材18も本実施形態ではボウルと別体に形成されているが、ボウルと一体に形成しても良い。回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52を形成する。 【0027】 したがって、脱水ケーキの排出経路52の入口53、即ち排出経路のボウルの開口部は、ボウル10の周壁内面15に接して設けられ、一方、ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54は半径方向への高さを有している。従って、入口53から排出経路52内に侵入できる脱水ケーキは堆積層の最も下層部の部分のみに限定されることとなる。一方、出口54は、運転初期において、処理液がこの出口54を溢流しない程度に供給されるもので、ボウル内の液面の初期の高さを定める。この排出経路の出口54が高過ぎると、排出経路52内の脱水ケーキに作用する遠心力がボウル内の脱水ケーキ層に作用する押圧力を相殺することによって、脱水ケーキの排出力を低減してしまうので、必要な範囲でなるべく低いことが望ましい。」 「【図1】 [図:0001420335000001.jpg] 」 (2)甲1に記載された発明 上記(1)の記載によれば、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。(当審注:括弧内は根拠となる甲1の段落番号等である。)。 「直胴円筒型のボウル10と該ボウル内に配置され相対速度差を有して同方向に回転するスクリューコンベア20、ボウル10及びスクリューコンベア20の両端部に突出形成された中空軸35、40、スクリューコンベアの前端に設けられた脱水ケーキ排出室50、後端部に設けられた分離液排出室60を備えている直胴型遠心脱水装置1であって、(【0021】) ボウル10は、横型円筒の直胴形をなし、ボウル前端が脱水ケーキ排出室壁11をなし、ボウル後端が分離液の排出口13が形成されたボウル後端壁12をなし、スクリューコンベア20がボウル10と同方向に相対速度差を持って回転駆動され、(【0022】) ボウル内に配設されたスクリューコンベア20は、内部が中空の回転胴21の外周に螺旋翼22が巻装されてなり、回転胴21は、外周面が円筒のストレート部24とテーパー部25とから形成され、(【0023】) 前記テーパー部25の下流端、即ちボウル内周壁と最も接近し高遠心力が作用する位置には、該位置から内側に向けて傾斜する逆テーパー面28が形成され、ボウル側逆テーパー面との間で脱水ケーキの排出経路となる絞り通路52を形成し、逆テーパー面28を形成する部材を回転胴21と一体に形成してもよく、(【0025】) ボウル10の内周面の下流端部近傍には、前記回転胴側の逆テーパー面28と対向して、ボウル側絞り通路部材18が調整可能に取り付けられ、該ボウル側絞り通路部材18もボウルと一体に形成しても良く、回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52を形成し、(【0026】) ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54は半径方向への高さを有している、(【0027】) 直胴型遠心脱水装置1。」 2 甲2(韓国登録特許第10-0977196号公報) (1)甲2には、以下の記載がある。なお、甲2の記載は、当審の訳文で示す。 「請求項1 スラッジをスラッジ投入管を介して供給後、スクリューコンベアの吐出口から排出して、遠心力により脱離液または分離液と脱水ケーキまたは濃縮液に分別し、上澄み液(脱離液または分離液)は外筒ボウルおよび外筒テーパーボウルの回転により脱離液または分離液吐出口から片側ケーシングに集めた後、脱離液または分離液吐出口から排出し、脱水ケーキまたは濃縮液は、スクリューコンベアで投入されたスラッジを外動デーパーボウル方向に移送した後、脱水ケーキまたは濃縮液吐出口から脱水ケーキまたは濃縮液吐出口へ排出する構成を含む脱水、濃縮用スクリュー式デカンタ型遠心分離機において、 内動スクリューコンベア(512)の内部を軸方向に貫通するスラッジ投入管(501)を通じて供給されたスラッジの流れが一定の経路を持つようにして渦流を防止した後、内動スクリューコンベア(512)を貰通して形成された一つ以上の吐出口(516)に誘導するようにスラッジ移動方向の前部に形成された誘導円板(1)と; 吐出口(516)を過ぎたスラッジの流れを一定方向の経路を持たせて渦流を防止すると同時に増速させるように吐出口(516)入口から一定間隔離隔され、内動スクリューコンベア(512)外周方向に沿って円形に形成された二段加速吐出カバー(2);を含めて構成されたことを特徴とするスクリューコンベアに形成された二段加速吐出カバーを具備したスクリューデカンタ型遠心分離機。」(2ページ2~15行) 「請求項6 請求項1において、 前記二段加速吐出カバー(2)は、内動スクリューコンベア(512)の軸とコンベアの翼の間に設置されるバッフル板(517)の中間下部に設置されることを特徴とするスクリューコンベアに形成された二段加速吐出カバーを備えたスクリューデカンタ型遠心分離機。」(1ページ最下行~2ページ4行) 「[0029]図1は、本発明による二段加速排出カバーが装置されたスクリュー式デカンタ型遠心分離機の一部分断面を示す構成図であり、図2は、本発明による二段加速排出カバーの詳細構造を示す拡大断面図である。図示したように、本発明の構成は、外動ボウル(506)及び外動テーパーボウル(507)と回転差を持って遅い回転数で回転する内動スクリューコンベア(512)の内部を軸方向に貫通するスラッジ投入管(501)を通じて、供給されたスラッジの流れが一定になる。・・・ ・・・ [0035]また、二段加速吐出カバー(2)の設置位置は、内動スクリューコンベア(512)の軸とコンベアの翼の間に設置されるバッフル板(517)の中間下部に溶接等の方法で設置すればよい。もちろん、下部が内動スクリューコンベア(512)と溶接したり、あるいは内動スクリューコンベア(512)と一体になるように形成することもできる。このように形成することで、強合圧力のスラッジ吐出圧力に対する支持力を持つことになる。」 「 [図:0001420335000002.jpg] 」 (2)甲2に記載された発明 上記(1)の記載によれば、甲2には、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。(当審注:括弧内は根拠となる甲2の段落番号等である。)。 「スラッジをスラッジ投入管を介して供給後、スクリューコンベアの吐出口から排出して、遠心力により脱離液または分離液と脱水ケーキまたは濃縮液に分別し、上澄み液(脱離液または分離液)は外筒ボウルおよび外筒テーパーボウルの回転により脱離液または分離液吐出口から片側ケーシングに集めた後、脱離液または分離液吐出口から排出し、脱水ケーキまたは濃縮液は、スクリューコンベアで投入されたスラッジを外動デーパーボウル方向に移送した後、脱水ケーキまたは濃縮液吐出口から脱水ケーキまたは濃縮液吐出口へ排出する構成を含む脱水、濃縮用スクリュー式デカンタ型遠心分離機において、 内動スクリューコンベア(512)の内部を軸方向に貫通するスラッジ投入管(501)を通じて供給されたスラッジの流れが一定の経路を持つようにして渦流を防止した後、内動スクリューコンベア(512)を貰通して形成された一つ以上の吐出口(516)に誘導するようにスラッジ移動方向の前部に形成された誘導円板(1)と; 吐出口(516)を過ぎたスラッジの流れを一定方向の経路を持たせて渦流を防止すると同時に増速させるように吐出口(516)入口から一定間隔離隔され、内動スクリューコンベア(512)外周方向に沿って円形に形成された二段加速吐出カバー(2);を含めて構成された、スクリューコンベアに形成された二段加速吐出カバーを具備したスクリューデカンタ型遠心分離機であって、(請求項1) 外動ボウル(506)及び外動テーパーボウル(507)と回転差を持って遅い回転数で回転する内動スクリューコンベア(512)を有し、([0029]) 前記二段加速吐出カバー(2)は、内動スクリューコンベア(512)の軸とコンベアの翼の間に設置されるバッフル板(517)の中間下部に設置される、(請求項6、[0035]) スクリュー式デカンタ型遠心分離機。」 3 甲3(実公昭62-29068号公報) 甲3には、以下の記載がある。 「この考案の遠心濃縮機は、第1図に示すように、回転する回転ボール1と、この回転ボール1内に配置され、回転ボール1と所定の回転差をもつて回転するスクリユー2と、このスクリユー2のスクリユー羽根3に設けられたバツフル4と、回転ボール1の一部を構成し取り外すことによつて、ここよりバツフル4の交換、位置調整を行う挿入部5とを有する。(1ページ右欄22行~2ページ左欄5行」 「そして、このバツフル4近傍の回転ボール1には、内周面が円錐状で、かつ外周面が円筒状の肉厚部10が形成されている。また、この肉厚部10には、外方よりボルト9締め等で着脱自在に固定された挿入部5が設けられている。」(2ページ左欄24~28行) 「そして、挿入部5が着脱自在に取り付けられる回転ボール1の肉厚部10は内周面が円錐状で、かつ外周面が円筒状に形成されているのでこの挿入部5は、肉厚部10に容易にかつ確実に取り付けることができる。」(2ページ右欄7~11行) 「さらに、バツフル4はスクリユー胴2aに対して、半径方向のボルト8によつて固定されているので、挿入部5を外した小さな開口からでも極めて容易にバツフル4の着脱が行える。 以上のようにこの考案によれば、回転ボールに設けられた挿入部を外し、バツフルの交換、位置調整を行えるので、被処理液の濃度に対応させて効率的な濃縮処理が行える。さらに、回転ボールに対する挿入部のシールが簡単かつ確実に行える。」(2ページ右欄26~35行) 4 甲4(特開昭55-22397号公報) 甲4には、以下の記載がある。 「本発明は、ボウル(bowl)と螺旋状プレート付コンベアとが共通の軸線のまわりで異なる速度で同一方向に回転し、通常は円錐形となつているボウルの端部の小径の出口から、固形物を放出するようにした流体-固体遠心分離機に関する。」(2ページ右上欄4~8行) 「ブレード53は一条のものとして示したが多条のものとすることもでき、また、その回転によつてボウルの円筒形部14aから沈澱した固形物を円錐形部14bの小径端部に進めるようになされている。」(4ページ右上欄7~12行) 「ボウルの内壁上にある固形物に洗浄水を放出するために、コンベアハブのねじ穴にノズルが取り付けられ、該ノズルは水をジエツト噴射として放出するようになされた出口69′を有している。」(4ページ左下欄下から2行~右下欄3行) 第5 申立理由1(新規性)、申立理由2(進歩性)について 1 甲1発明を主引用発明とした場合 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明において、「スクリューコンベア20がボウル10と同方向に相対速度差を持って回転駆動され」るものであるから、「ボウル10」は、回転軸廻りに回転しているといえる。 そうすると、甲1発明の「ボウル10」は、本件発明1の「回転軸心廻りに回転するボウル」に相当する。 (イ)甲1発明において、「ボウル10は、横型円筒の直胴形をなし、ボウル前端が脱水ケーキ排出室壁11をなし、ボウル後端が分離液の排出口13が形成されたボウル後端壁12をなし」ているから、「分離液の排出口13」は、「ボウル10」の上記回転軸の軸心方向で「ボウル10」の「後端」、すなわち、一端側に設けられているといえる。 そうすると、甲1発明の「分離液の排出口13」は、本件発明1の「分離液排出口」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、「前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一端側に設けた分離液排出口」を備えている点で共通する。 (ウ)甲1発明において、「ボウル10の内周面の下流端部近傍には、前記回転胴側の逆テーパー面28と対向して、ボウル側絞り通路部材18が調整可能に取り付けられ、該ボウル側絞り通路部材18もボウルと一体に形成しても良く、回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52を形成し、 ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54は半径方向への高さを有している」ものであるから、「ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54」は、「ボウル10」の上記回転軸の軸心方向で「ボウル10」の他端側に設けられているといえる。 そうすると、甲1発明の「ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54」は、本件発明1の「脱水ケーキ排出口」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、「前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの他端側に設けた脱水ケーキ排出口」を備えている点で共通する。 (エ)甲1発明の「該ボウル内に配置され相対速度差を有して同方向に回転するスクリューコンベア20」は、「ボウル」と同回転軸廻りに回転するものであるといえる。 そうすると、甲1発明の「該ボウル内に配置され相対速度差を有して同方向に回転するスクリューコンベア20」は、本件発明1の「前記ボウルと同回転軸心廻りに回転するスクリューコンベア」に相当する。 (オ)甲1発明の「ボウル10」は、「横型円筒の直胴形をなし」ているから、「ボウル10」の「横型円筒の直胴形をなし」ている部分(以下、「部分A」という。)は、「内周面」が「ボウル10」の上記回転軸心方向に伸びているといえる。 また、甲1発明において、「ボウル10の内周面の下流端部近傍には、前記回転胴側の逆テーパー面28と対向して、ボウル側絞り通路部材18が調整可能に取り付けられ、該ボウル側絞り通路部材18もボウルと一体に形成しても良く、回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52を形成し、 ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54は半径方向への高さを有している」ものであるから、「ボウル10」は、「ボウル10」の「横型円筒の直胴形をなし」ている上記部分Aから「ボウル10の内周面の下流端部近傍」に、「前記回転胴側の逆テーパー面28と対向して」「ボウル側絞り通路部材18」が「ボウルと一体に形成」されており、「回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52」が形成され、当該「脱水ケーキ排出経路」は、「ボウル外への排出口となる」「出口54」を有しているといえる。 以上によれば、甲1発明の「ボウル10」は、「内周面」が「ボウル10」の上記回転軸心方向に伸びる部分Aと、当該部分Aから「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて内周面がテーパ状に挟まる「ボウル側絞り通路部材18」を有しているといえる。 そうすると、甲1発明の『「内周面」が「ボウル10」の上記回転軸心方向に伸びる部分A』、『上記部分Aから「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて内周面がテーパ状に挟まる「ボウル側絞り通路部材18」』は、それぞれ、本件発明1の「内周面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル分離部」、「前記ボウル分離部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内周面がテーパー状に狭まるボウル排出部」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、「前記ボウルは、内周面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル分離部と、前記ボウル分離部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内周面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し」ている点で共通する。 (カ)甲1発明の「スクリューコンベア20」は、「内部が中空の回転胴21の外周に螺旋翼22が巻装されてなり」ものであるから、「回転胴21」と「回転胴21」外周に螺旋状に設けた「螺旋翼22」を有しているといえる。 そうすると、甲1発明の「スクリューコンベア20」、「回転胴21」、「螺旋翼22」は、ぞれぞれ、「スクリューコンベア」「内胴」、「螺旋状に設けた羽根」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、「前記スクリューコンベアは、内胴と内胴外周に螺旋状に設けた羽根を有し」ている点で共通する。 (キ)上記(オ)の検討によれば、甲1発明の「ボウル10」は、「内周面」が「ボウル10」の上記回転軸心方向に伸びる部分Aと、当該部分Aから「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて内周面がテーパ状に挟まる「ボウル側絞り通路部材18」を有しているといえる。 また、甲1発明において、「回転胴21は、外周面が円筒のストレート部24とテーパー部25とから形成され、 前記テーパー部25の下流端、即ちボウル内周壁と最も接近し高遠心力が作用する位置には、該位置から内側に向けて傾斜する逆テーパー面28が形成され、ボウル側逆テーパー面との間で脱水ケーキの排出経路となる絞り通路52を形成し、逆テーパー面28を形成する部材を回転胴21と一体に形成してもよく、 ボウル10の内周面の下流端部近傍には、前記回転胴側の逆テーパー面28と対向して、ボウル側絞り通路部材18が調整可能に取り付けられ、該ボウル側絞り通路部材18もボウルと一体に形成しても良く、回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52を形成し、 ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54は半径方向への高さを有している」ものである。 以上から、甲1発明の「回転胴21」は、「ボウル10」の『「内周面」が「ボウル10」の上記回転軸心方向に伸びる部分A』に対応して、外周面が「回転胴21」の上記回転軸方向に伸びる「ストレート部24」と、『上記部分Aから「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて内周面がテーパ状に挟まる「ボウル側絞り通路部材18」』に対応して、「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて外周面がテーパー状に挟まる「回転胴側絞り通路部材28」を有しているといえる。 そうすると、甲1発明の「ボウル10」の上記『「内周面」が「ボウル10」の上記回転軸心方向に伸びる部分A』に対応して、外周面が「回転胴21」の上記回転軸方向に伸びる「ストレート部24」は、本件発明1の「前記ボウル分離部に対応して外周面が前記内胴の回転軸心方向に伸びる内胴分離部」に相当し、甲1発明の『上記部分Aから「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて内周面がテーパ状に挟まる「ボウル側絞り通路部材18」』に対応して、「脱水ケーキ排出経路の出口54」に向けて外周面がテーパー状に挟まる「回転胴側絞り通路部材28」は、本件発明1の「前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外周面がテーパー状に狭まる内胴排出部」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、「前記内胴は、前記ボウル分離部に対応して外周面が前記内胴の回転軸心方向に伸びる内胴分離部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外周面がテーパー状に狭まる内胴排出部を有し」ている点で共通する。 (ク)甲1発明においては、「回転胴側絞り通路部材28とボウル側絞り通路部材18とによって、下流側に向けて断面積が漸減する断面円錐環状の絞り通路となる脱水ケーキ排出経路52を形成し、 ボウル外への排出口となる脱水ケーキ排出経路の出口54は半径方向への高さを有している」ものであるから、甲1発明は、「回転胴側絞り通路部材28」の内周面と「ボウル側絞り通路部材18」の外周面の間に「脱水ケーキ排出経路52」を有しているといえる。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、「前記ボウル排出部の内周面と前記内胴排出部の外周面の間に隙間排出部を有している」点で共通する。 (ケ)甲1発明の「直胴型遠心脱水装置1」は、本件発明1の「遠心分離機」に相当する。 (コ)以上によれば、本件発明1と甲1発明との一致点、相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「回転軸心廻りに回転するボウルと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一端側に設けた分離液排出口と、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの他端側に設けた脱水ケーキ排出口と、前記ボウルと同回転軸心廻りに回転するスクリューコンベアを備え、 前記ボウルは、内周面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル分離部と、前記ボウル分離部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内周面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、 前記スクリューコンベアは、内胴と内胴外周に螺旋状に設けた羽根を有し、 前記内胴は、前記ボウル分離部に対応して外周面が前記内胴の回転軸心方向に伸びる内胴分離部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外周面がテーパー状に狭まる内胴排出部を有し、 前記ボウル排出部の内周面と前記内胴排出部の外周面の間に隙間排出部を有している遠心分離機。」 <相違点> 相違点1:本件発明1は、「前記ボウルが前記隙間排出部に臨む位置に保守用開孔を有し、前記保守用開孔を塞ぐプラグを着脱自在に設けた」のに対し、甲1発明は、そのような構成を有していない点 イ 相違点についての判断 (ア)相違点1について a 新規性について (a)甲1には、相違点1に係る本件発明1の構成について何ら記載も示唆もされていない。 (b)相違点1について、申立人は、特許異議申立書の7ページ11行~8ページ5行において、以下のとおり主張している。 「以下の図は、甲1の図1の一部における拡大図である。下線部は、申立人が追記したものである。 [図:0001420335000003.jpg] かかる拡大図を参照して、ボウル10の脱水ケーキ排出経路52を臨む位置に、孔Iとこの孔Iを閉塞する閉塞部材Hが看取される。甲1には、孔Iに関する説明がないが、脱水ケーキ排出経路52のような隘路において固形物を洗浄することは甲4に記載されているように一般的に実施されていることであり、孔Iの形成位置も本件特許の図1の保守用開孔に酷似していることから、孔Iは固形物洗浄用の保守開孔と考えざるを得ない。また、孔Iが開いた状態では、適切な固液分離を実施できないため、閉塞部材Hは孔Iを着脱可能に塞ぐプラグと言える。」 (c)しかし、申立人が甲1の上記拡大図において追記している孔I及び孔Iを閉塞する閉塞部材Hについて、甲1の明細書には何ら記載されていないから、甲1の図1において、孔及び孔を閉塞する閉塞部材が看取されるとはいえない。 また、甲4(上記第4 4参照)には、流体-固体遠心分離機において、ボウルの内壁上にある固形物に洗浄水を放出するために、コンベアハブのねじ穴にノズルが取り付けられ、該ノズルは水をジェット噴射として放出するようになされた出口69′を有していることが記載されているが、孔及び孔を閉塞する閉塞部材については記載されていないから、甲4の記載を参酌しても、甲1の図1において、孔及び孔を閉塞する閉塞部材が看取されるとはいえない。 したがって、申立人の上記主張は採用できない。 (d)そして、甲1発明において、相違点1に係る本件発明1の構成を備えることが、本件特許の出願当時において技術常識であったともいえない。 したがって、甲1発明は、相違点1に係る本件発明1の構成を有しているとはいえないから、相違点1は実質的な相違点である。 よって、本件発明1は、甲1発明ではない。 b 進歩性について (a)相違点1に係る本件発明1の「前記ボウルが前記隙間排出部に臨む位置に保守用開孔を有し、前記保守用開孔を塞ぐプラグを着脱自在に設けた」との構成における「保守」について、本件明細書には以下の記載がある。 「【0010】 本発明は上記した課題を解決するものであり、隙間排出部の閉塞解除や清掃等の保守管理を容易に行うことができる遠心分離機を提供することを目的とする。」 「【0030】 ・・・ (保守管理) 隙間排出部180が閉塞した場合等の保守管理時には、プラグ200を外して保守用開孔190を開放する。保守用開孔190は、ボウル106の隙間排出部180に臨む位置にあるので、保守用開孔190を通して隙間排出部180の脱水ケーキの堆積状態を視認し、把握することができる。そして、隙間排出部180に詰まった脱水ケーキを洗い流す洗浄作業を保守用開孔から行うことができ、機体の分解作業等を行うことなく保守管理を実施できる。」 (b)上記(a)記載によれば、本件発明1の「保守」とは、隙間排出部の閉塞解除(開放)及び清掃(洗浄)を意味するものといえる。 そうすると、本件発明1の「保守用開孔」は、隙間排出部の閉塞解除(開放)及び清掃(洗浄)を行うための開孔であるといえる。 一方、甲3(上記第4 3参照)には、回転する回転ボール1と、この回転ボール1内に配置され、回転ボール1と所定の回転差をもつて回転するスクリュー2と、このスクリュー2のスクリュー羽根3に設けられたバッフル4と、バッフル4の交換、位置調整を行う挿入部5とを有する遠心濃縮機において、挿入部5は、回転ボール1の肉厚部10に、外方よりボルト9締め等で着脱自在に固定され、挿入部5を外し、バッフルの交換、位置調整を行うことが記載されている。 しかし、甲3には、隙間排出部の閉塞解除(開放)及び清掃(洗浄)を行うための開孔、すなわち、「保守用開孔」については記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明に甲3に記載された事項を適用しても、相違点1に係る本件発明1の構成は得られない。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 ウ 小括 よって、本件発明1は、甲1発明ではなく、また、甲1発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1の全ての構成を有するものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明2、4は、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではなく、本件発明3は、甲1発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 2 甲2発明を主引用発明とした場合 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲2発明とを対比すると、本件発明1は、「前記ボウルが前記隙間排出部に臨む位置に保守用開孔を有し、前記保守用開孔を塞ぐプラグを着脱自在に設けた」のに対し、甲2発明は、そのような構成を有していない点(以下、「相違点2」という。)で少なくとも相違する。 イ 相違点についての判断 (ア)相違点2について a 新規性について (a)甲2には、相違点2に係る本件発明1の構成について何ら記載も示唆もされていない。 (b)相違点2について、申立人は、特許異議申立書の10ページ4行~下から2行において、以下のとおり主張している。 「以下の図は、甲2の図1の一部における拡大図である。下線部は、申立人が追記したものである。 [図:0001420335000004.jpg] かかる拡大図を参照して、隙間排出部を臨む位置に、孔Iとこの孔Iを閉塞する閉塞部材Hが看取される。甲2には、孔Iに関する説明がないが、隙間排出部の隘路において固形物を洗浄することは甲4に記載されているように一般的に実施されていることであり、孔Iの形成位置も本件特許の図6の保守用開孔に酷似していることから、孔Iは固形物洗浄用の保守開孔と考えざるを得ない。また、孔Iを開いた状態では、適切な固液分離を実施できないため、閉塞部材Hは孔Iを着脱可能に塞ぐプラグと言える。」 (c)しかし、申立人が甲2の上記拡大図において追記している孔I及び孔Iを閉塞する閉塞部材Hについて、甲2の明細書には何ら記載されていないから、甲2の図1において、孔及び孔を閉塞する閉塞部材が看取されるとはいえない。 上記1(1)イ(ア)a(c)で検討したとおり、甲4には、孔及び孔を閉塞する閉塞部材については記載されていないから、甲4の記載を参酌しても、甲2の図1において、孔及び孔を閉塞する閉塞部材が看取されるとはいえない。 したがって、申立人の上記主張は採用できない。 (d)そして、甲2発明において、「前記ボウルが前記隙間排出部に臨む位置に保守用開孔を有し、前記保守用開孔を塞ぐプラグを着脱自在に設けた」こと、すなわち、相違点2に係る本件発明1の構成を備えることが、本件特許の出願当時において技術常識であったともいえない。 したがって、甲2発明は、相違点2に係る本件発明1の構成を有しているとはいえないから、相違点2は実質的な相違点である。 よって、本件発明1は、甲2発明ではない。 b 進歩性について 上記1(1)イ(ア)b(b)で検討したとおり、本件発明1の「保守用開孔」は、隙間排出部の閉塞解除(開放)及び清掃(洗浄)を行うための開孔であり、甲3には、隙間排出部の閉塞解除(開放)及び清掃(洗浄)を行うための開孔、すなわち、「保守用開孔」については記載も示唆もされていない。 そうすると、甲2発明に甲3に記載された事項を適用しても、相違点2に係る本件発明1の構成は得られない。 したがって、本件発明1は、甲2発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 ウ 小括 よって、本件発明1は、甲2発明ではなく、また、甲2発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1の全ての構成を有するものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明4は、甲2発明ではなく、また、甲2発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではなく、本件発明3、4は、甲2発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 3 まとめ 以上から、申立理由1、2には理由がない 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700682

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