特許異議申立
2017-701113
遠心分離機
- 審判番号
- 2017-701113
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2013-027198
- 登録番号
- 特許第6230240号(P6230240)
- 請求日
- 2017年11月24日
- 審決日
- 2018年10月31日
- 公報発行日
- 2019年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社クボタ
- 【権利者代理人】特許業務法人森本国際特許事務所
- 【異議申立人】小海 善史
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 賢一
- 審判官 橋本 憲一郎
- 審判官 菊地 則義
- 分類
- P1651.121-YAA(B04B) / P1651.851-YAA(B04B) / P1651.853-YAA(B04B) / P1651.857-YAA(B04B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6230240号発明「遠心分離機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6230240号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕について訂正することを認める。
特許第6230240号の請求項2、3に係る特許を維持する。
特許第6230240号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6230240号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成25年2月15日の出願であって、平成29年10月27日にその特許権の設定登録がされ、平成29年11月15日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、平成29年11月24日付けで特許異議申立人小海善史(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成30年6月25日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年8月24日付けで意見書の提出及び訂正請求がされ、平成30年10月3日付けで、申立人から意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所である。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に、
「鍔部は、カバー部材の内周縁に掛かるように張り出すことを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。」
とあるのを、
「回転軸心周りに回転して処理対象汚泥を遠心力で分離水と脱水ケーキに固液分離するボウルと、ボウルの回転軸心方向の一端側の端部壁に設けた分離水排出口と、ボウルの回転軸心方向の他端側に設けた脱水ケーキ排出口と、ボウル内で前記回転軸心回りに回転してボウルの内周面上で脱水ケーキを脱水ケーキ排出口に向けて移送するスクリューコンベアと、ボウルを覆って配置するハウジングを備え、
ボウルの前記端部壁の外面とハウジングの内面との間にカバー部材を設け、カバー部材とハウジングの内面との間に分離水排水空間を形成し、カバー部材がボウルの前記端部壁の外面における分離水排出口からボウル径方向の外側域を分離水排水空間から隔て、
ボウルの半径方向における位置を調整することにより、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレートを、各分離水排出口の開口の一部を覆って配置し、
ダムプレートは、前記分離水が越流する越流縁に、前記分離水の越流方向である前記回転軸心方向前方に張り出す鍔部を有し、
鍔部は、カバー部材の内周縁に掛かるように張り出すことを特徴とする遠心分離機。」
に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に、「ことを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離機。」とあるのを、「ことを特徴とする請求項2に記載の遠心分離機。」と訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の段落【0017】に「ボウル内の上限水位を設定するダムプレート」とあるのを、「ボウルの半径方向における位置を調整することにより、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレート」と訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の段落【0017】に「回転軸心方向前方に張り出す鍔部を有する」とあるのを、「回転軸心方向前方に張り出す鍔部を有し、
鍔部は、カバー部材の内周縁に掛かるように張り出す」と訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落【0019】に「本発明の遠心分離機において、鍔部は、カバー部材の内周縁に掛かるように張り出すことを特徴とする。」とあるのを、削除する。
2 訂正要件の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について、
訂正事項2は、請求項2を独立した形に書き下して請求項1との引用関係を解消した上で、さらに、訂正前の請求項1に記載された「ボウル内の上限水位を設定するダムプレート」を、「ボウルの半径方向における位置を調整することにより、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレート」と限定するものであるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そして、願書に添付された明細書の段落【0028】には、「各分離水排出口112には、図2に示すようにダムプレート(堰板)112aが各分離水排出口の開口の一部を覆って、かつボウル106の半径方向に一調整可能に装着されている。ダムプレート112aは、図3に示すように、越流縁に流れ方向前方に張り出す鍔部112bを有しており、ボウル106の半径方向における位置を調整することにより、ボウル106における分離水Wの上限水位となる分離水排出口112での堰高さを設定する。」と記載されているから、訂正事項2の「ボウルの半径方向における位置を調整することにより、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレート」と限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項3において選択的に引用している請求項の一部を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項4~6について
訂正事項4~6は、訂正事項1~3に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載を整合させるための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)一群の請求項について
訂正前の請求項2及び3は、訂正前の請求項1を引用するものであるから、訂正事項1~3に係る特許請求の範囲の訂正は、一群の請求項1~3について請求されたものである。また、訂正事項4~6に係る明細書の訂正は、この一群の請求項全てについて請求されたものである。
3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項~第6項までの規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
上記「第2 訂正の適否についての判断」のとおり訂正を認めたので、訂正後の請求項2及び3に係る発明(以下、「本件発明2」及び「本件発明3」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものである(下線部は訂正箇所である。)。
【請求項2】
回転軸心周りに回転して処理対象汚泥を遠心力で分離水と脱水ケーキに固液分離するボウルと、ボウルの回転軸心方向の一端側の端部壁に設けた分離水排出口と、ボウルの回転軸心方向の他端側に設けた脱水ケーキ排出口と、ボウル内で前記回転軸心回りに回転してボウルの内周面上で脱水ケーキを脱水ケーキ排出口に向けて移送するスクリューコンベアと、ボウルを覆って配置するハウジングを備え、
ボウルの前記端部壁の外面とハウジングの内面との間にカバー部材を設け、カバー部材とハウジングの内面との間に分離水排水空間を形成し、カバー部材がボウルの前記端部壁の外面における分離水排出口からボウル径方向の外側域を分離水排水空間から隔て、
ボウルの半径方向における位置を調整することにより、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレートを、各分離水排出口の開口の一部を覆って配置し、
ダムプレートは、前記分離水が越流する越流縁に、前記分離水の越流方向である前記回転軸心方向前方に張り出す鍔部を有し、
鍔部は、カバー部材の内周縁に掛かるように張り出すことを特徴とする遠心分離機。
【請求項3】
カバー部材は、ボウルの外周面上にまで延び広がっていることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離機。
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
訂正前の請求項1~3に係る特許に対して、当審が平成30年6月25日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
取消理由
訂正前の請求項1~3に係る発明は、甲第3号証に記載された発明、並びに、甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、訂正前の請求項1~3に係る特許は取り消すべきものである。
甲各号証一覧
甲第1号証:特開平11-197547号公報
甲第2号証:米国特許出願公開第2004/0072668号明細書
甲第3号証:特開2009-136790号公報
2 甲各号証等の記載事項
(1)甲第3号証の記載事項及び甲第3号証に記載された発明
ア 甲第3号証の記載事項
甲第3号証には以下の記載がある(なお、下線は当審が付与したものであり、「・・・」は記載の省略を表す。以下同様。)。
(ア)「【請求項1】
対向する両端部に重質分排出口と軽質分排出口を有する回転筒状体であり、内部に供給された被処理液中の固形物を遠心力の作用により沈降物と浮遊物とに分けるためのボウルと、前記ボウルに内挿されたスクリューコンベアと、を有し、
前記沈降物をスクリューコンベアで重質分排出口に移送して脱水し排出すると共に、前記浮遊物を含む被処理液を軽質分排出口から溢流させて、固形物を重質分と軽質分とに分離するための横型遠心分離装置であって、
前記ボウルの端側壁部を貫通する軽質分排出口内に、ボウルの回転軸側に向かって傾斜した溢流案内傾斜面を有するダム形成部材を設けたことを特徴とする横型遠心分離装置。」
(イ)「【0004】
ここで、デカンタは固液分離に使用される遠心分離装置であるが、廃プラスチックを重質分と軽質分に分離する装置としての適用可能性が注目されている。」
(ウ)「【0007】
さらに従来のデカンタにおいては、例えば図7に示すように、排出口15に堰16を設けてプール部13の液深を調節することが行なわれているが(例えば、特許文献1参照)、この場合、堰16のエッジ部に固形分が引っ掛かって益々滞積し易くなる。」
(エ)「【0009】
・・・本発明の目的には、横型遠心分離装置を用いて固形物を重質分と軽質分とに分離するにあたり、プール部から溢流する固形分を含む液を速やかに排出して、排出口に固形分が滞積するのを防止することが一例として挙げられる。」
(オ)「【0021】
本実施形態による横型遠心分離装置は、例えば図1に示すように、下方に重質分出口21と軽質分出口22を有するケーシング2の内部に、回転筒状体をなすボウル3と、スクリューコンベア4と、固形物を含む被処理液を供給するための供給ノズル5が設けられている。」
(カ)「【0022】
ボウル3の胴部は、一端側が円筒状に形成され、他端側がコニカル状に形成されている。そして一端側の開口部は、本明細書においてフロントハブ31と称する円形部材によって塞がれている。」
(キ)「【0023】
フロントハブ31には、軽質分を含むスラリー状の液が溢流して排出される軽質分排出口35が形成されている。軽質分排出口35は、フロントハブ31を厚み方向に貫通する円形状の開口部であって、例えば図2に示すように、ボウル3の回転軸を中心とした同心円上に等間隔で複数形成されている。」
(ク)「【0024】
さらに、前記フロントハブ31に形成された軽質分排出口35内には、ボウル3の回転軸側に向かって傾斜した溢流案内傾斜面61を有するダム形成部材6が設けられている。ダム形成部材6について詳しくは、例えば図3に示すように、その外径R1(例えば354mm)が軽質分排出口35の内径と略一致する円柱部材を斜めに切り欠いて形成された溢流案内傾斜面61を有する傾斜部材が、フランジ部62と一体成形された構成である。そしてフランジ部62にはボルト挿入穴63が形成されており、固定手段としてのボルトによってフロントハブ31に外側から脱着可能に固定されている。」
(ケ)「【0025】
前記ダム形成部材6の長さL2は例えばフロントハブ31の厚みと同じに設定されており、長さL3は溢流案内傾斜面61がフロントハブ31の端面より外側に延出する長さに設定されている。すなわち、ダム形成部材6を軽質分排出口35内に嵌合した際に、溢流案内傾斜面61が、少なくとも軽質分排出口35の入口端から出口端に跨りさらにフロントハブ31の端面より外側に延出するように設定されている。このように、延出部を設けることによって、フロントハブ31に排出液が直接触れることによる動力消費を防止することができるという利点がある。この利点をさらに確実なものとするため、延出部の端面下方を切り欠いて庇(ひさし)64を形成するのが好ましい。」
(コ)「【0028】
・・・例えば固形物に廃プラスチックを適用する場合、予め15mm程度に廃プラスチックを破砕し、例えば水などの被処理液(例えば循環水の混合された液である)と混合しておく。」
(サ)「【0030】
・・・軽質分を含む液は、図4に模式的に示すように、ダム形成部材6の溢流案内傾斜面61に案内されて速やかに排出される。」
(シ)「【0032】
さらに上述の実施形態によれば、脱着可能なダム形成部材6としたことにより、例えば固液分離に用いられる既存の横型遠心分離装置を大幅に改造することなく、当該装置を廃プラスチックの選別装置として適用可能にすることができる。」
イ 甲第3号証に記載された発明
上記ア(ア)、(イ)、(オ)~(シ)の記載から、甲第3号証には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
「回転筒状体であり、内部に供給された水中の固形物を遠心力の作用により沈降物と浮遊物とに分けるためのボウルと、ボウルの端側壁部であるフロントハブを貫通する軽質分排出口と、軽質分排出口と対向する端部に設けられた重質分排出口と、ボウルに内挿され、前記沈降物を重質分排出口に移送して脱水し排出するスクリューコンベアと、内部にボウルが設けられたケーシングを備え、前記フロントハブを貫通する軽質分排出口内に、溢流案内傾斜面により前記浮遊物を含む水を案内し排出するダム形成部材を嵌合し、ダム形成部材は、フロントハブより外側に延出するように形成されているとともに、延出部の端面下方を切り欠いて庇(ひさし)を形成することにより、フロントハブに排出水が直接触れることによる動力消費を防止することができる、固液分離にも使用可能な横型遠心分離装置。」
(2)参考資料1の記載事項
申立人が意見書に添付して提出した参考資料1(国際公開第2013/017223号)には、以下の記載がある。
ア 「A rotating machine according to claim 1 , characterized by slots (19) being provided in said liquid phase discharge port member (14, 22) to adjust said liquid phase discharge port member (14, 22) in radial direction. 」(請求項8)
(申立人による訳:当該の液体相排出ポート部材(14,22)に、この液体相排出ポート部材(14,22)を半径方向に調整するためのスロット(19)が配備されていることを特徴とする請求項1の回転機械。)
イ 「Further there can be seen slots 19 in flange 20 which allow to adjust the liquid phase discharge member 14 to a specific level in the bowl. 」(第5頁第13~15行)
(申立人による訳:更に、フランジ20には、液体相排出部材14をボウル内の特定の水準に調整することを可能とするスロット19が見て取れる。)
(3)参考資料2の記載事項
申立人が意見書に添付して提出した参考資料2(米国特許第6860845号明細書)には、以下の記載がある。
ア 「Specifically, the end plate 92 includes four generally rectangular shaped openings 94 , and slotted plates 96 partially cover the openings 94 . The locations of the slotted plates 96 can be adjusted as required to a selected pool depth for withdrawing the second liquid phase component 18 (water). 」(第6欄第28~33行)
(申立人による訳:具体的には、エンドプレート92は、4つの概ね矩形の開口94を含み、溝付きプレート96は開口94を部分的に覆う。溝付きプレート96の位置は、第2の液相成分18(水)を抜き出すために選択されたプール深さに必要に応じて調整することができる。)
3 対比・判断
本件発明2と甲3発明を対比する。甲3発明における「水中の固形物」、「ボウル」、「フロントハブ」、「スクリューコンベア」、「ケーシング」及び「横型遠心分離装置」は、それぞれ、本件発明2における「処理対象」、「ボウル」、「端部壁」、「スクリューコンベア」、「ハウジング」及び「遠心分離機」に相当する。
そして、甲3発明における「浮遊物を含む水」は遠心力で分離された水であることから、本件発明2における「分離水」に相当するといえ、また、甲3発明における「軽質分排出口」は本件発明2における「分離水排出口」に相当する。
また、甲3発明における「沈降物」は遠心力による脱水物という点で本件発明2における「脱水ケーキ」と共通する。
また、甲3発明における「ダム形成部材」は、浮遊物を含む被処理液を案内し排出する部材であることから、ボウル内の上限水位を設定する機能を有すると認められるとともに、軽質分排出口内に嵌合されるものであるから軽質分排出口の開口の一部を覆って配置されているといえる。してみれば、甲3発明における「ダム形成部材」は、本件発明2における「ダムプレート」に相当する。
さらに、甲3発明における「ダム形成部材」は「溢流案内傾斜面により前記浮遊物を含む被処理液を案内し排出する」部材であることから、「ダム形成部材」に形成されている「ボウルの端側壁面より外側に延出するように形成されている」部分及び「庇(ひさし)」は、浮遊物を含む被処理液が越流する越流縁に形成されていると認められる。してみれば、甲3発明における「ボウルの端側壁面より外側に延出するように形成されている」部分及び「庇(ひさし)」は、本件発明2における「分離水の越流方向である前記回転軸心方向前方に張り出す鍔部」に相当する。
以上のことから、本件発明2と甲3発明との一致点及び相違点は、次のとおりと認められる。
(一致点)
「回転軸心周りに回転して処理対象を遠心力で分離水と脱水物に分離するボウルと、ボウルの回転軸心方向の一端側の端部壁に設けた分離水排出口と、ボウルの回転軸心方向の他端側に設けた脱水物排出口と、ボウル内で前記回転軸心回りに回転してボウルの内周面上で脱水物を脱水物排出口に向けて移送するスクリューコンベアと、ボウルを覆って配置するハウジングを備え、ボウル内の上限水位を設定するダムプレートを、各分離水排出口の開口の一部を覆って配置し、ダムプレートは、前記分離水が越流する越流縁に、前記分離水の越流方向である前記回転軸心方向前方に張り出す鍔部を有する遠心分離機。」である点。
(相違点1)
本件発明2は、「ボウルの前記端部壁の外面とハウジングの内面との間にカバー部材を設け、カバー部材とハウジングの内面との間に分離水排水空間を形成し、カバー部材がボウルの前記端部壁の外面における分離水排出口からボウル径方向の外側域を分離水排水空間から隔て」、また、ダムプレートの鍔部は「カバー部材の内周縁に掛かるように張り出す」のに対して、甲3発明はそのような構成を有しない点。
(相違点2)
本件発明2は、処理対象を「汚泥」とし、脱水物として「脱水ケーキ」を「固液」分離するのに対して、甲3発明は処理対象を「水中の固形物」とし、脱水物として「沈降物」(重質分)を分離する点。
(相違点3)
本件発明2における「ダムプレート」は、ボウルの半径方向における位置を調整することで分離水排出口での堰高さを設定できるのに対し、甲3発明の「ダム形成部材」は、位置調整機能を有しない点。
事案に鑑み、まず、相違点3について検討する。
甲3発明の「ダム形成部材」は、上記2(1)ア(ク)に記載されているように、その外径が軽質分排出口の内径と略一致する円柱部材を斜めに切り欠いて形成された傾斜部材と、フランジ部とが一体成形された構成を有し、同(キ)及び同(ケ)に記載されているように、円形状の軽質分排出口に嵌合するように取り付けられるものである。そのため、甲3発明におけるダム形成部材は、その傾斜部材がフロントハブに形成された軽質分排出口と嵌合する位置にのみ取り付けられるものであり、その位置を調整することはできない。
ここで、申立人は、平成30年10月3日付けの意見書において、訂正により新たに生じた相違点「ボウルの半径方向における位置を調整することにより、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレート」については、参考資料1及び参考資料2に記載されているとおり周知の技術であり、当該周知の技術の適用の動機付けがあることから、本件発明2及び3は、依然として、甲第1号証~甲第3号証に記載の発明により進歩性を有さず、取り消されるべきものである旨主張している。しかし、甲3発明における「ダム形成部材」を、申立人が主張するような位置調整可能なダムプレートに変更することは、前記2(1)ア(ウ)及び(エ)の記載より甲3発明の目的に反し、阻害要因がある。
したがって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、甲3発明、甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項、並びに、本件特許に係る出願の出願日前における周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明3は、本件発明2を引用し、本件発明2の発明特定事項を全て有する発明であるから、本件発明2と同様に、甲3発明、甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項、並びに、本件特許に係る出願の出願日前における周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 小括
よって、取消理由通知に記載した取消理由によっては、訂正後の請求項2及び3に係る特許を取り消すことはできない。
第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 申立理由の概要
申立人は、甲第1号証を主たる証拠として、訂正前の本件請求項1~3に係る発明は、甲第1~3号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、訂正前の請求項1~3に係る特許は取り消すべきものである旨主張している。
2 甲各号証等の記載事項
(1)甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明
ア 甲第1号証の記載事項
甲第1号証には以下の記載がある。
(ア)「【請求項1】 高速回転されるボウル内に、該ボウルと相対速度差をもって回転されるスクリューコンベアを収容し、スクリューコンベアの一端側より汚泥を供給して固液分離し、他端側から濃縮汚泥等を、一端側から分離水を排出するようにした遠心分離機において、ボウルの端板に開設した分離水の排出孔に対応して、分離水の排出水位を設定するせき縁を有するせき板部と、排出孔よりの分離水の排出流を端板の外周方向に指向させる変流板部とよりなるせき部材を取り付けるとともに、そのせき部材の外方の端板面に、せき部材により変流した分離水と衝当する羽根板を突設したことを特徴とする、横型遠心分離機における分離水の排出装置。」
(イ)「【0003】・・・分離水Cは、ボウル2の後端に設けた端板10に設けられた複数個の円形の排出口11より流出するようになっており、そして、この排出口11にはせき板15を取り付けて水面の位置(分離水のオーバーフロー位置)を設定できるようにしてある。」
(ウ)「【0009】本発明装置の設けられる遠心分離機は、すでに説明したように(図8参照)、ケーシング1の中に、ボウル2と中空の回転胴4の外周にスクリュー5を有するスクリューコンベア3が、ボウル2と僅かな相対速度差をもって回転されるように収容されている。そして、汚泥aは、回転胴4の一端より突設された中空軸6より挿通された供給管7よりボウル2と回転胴4との間の環状空間8の前後中央部に放出され、遠心力により分離された濃縮汚泥等bはスクリュー5により円錐状の先端部に送られて汚泥等排出口9より排出され、分離水cはボウル2の後端より排出されるようになっている。」
(エ)「【0010】・・・ボウル2の後端には、従来機におけるように、スクリューコンベア3の回転胴4の後端と水密に摺接する端板10が設けられ、それに突設した支軸12が、回転胴4の中空軸6に外挿されている。そして、端板10には、その周方向に間隔をおいて複数の円形等の分離水の排出孔11aが開設されており、排出孔11aはケーシング1の一端に設けられた分離水の回収室13内に臨んでいる。」
(オ)「【0011】また、端板10の外面には、排出孔11aに対するせき部材15aが、ボルトなどにより着脱自在に取り付けられている。このせき部材15aは、図3にも示すように、排出孔11aに臨むせき縁19を有する開口18を備え、排出孔11aより十分大きく形成されたせき板部16と、その一端から、分離水の排出方向である前方に、せき板部16と所要の間隔を有して開口18に対向して延びる分離水の変流板部17とにより形成されており、せき縁19を越流した分離水が変流板部17に衝当して、その流れが端板10の外周方向に指向されるようになっている。」
(カ)「【0012】そして、端板10の外周部である、端板10の外周とせき部材15aとの間には、せき部材15aより外周方向に変流した分離水と衝当してそのエネルギーを回収するための羽根板20が、端板10の径方向線に対し傾斜して、端板の外面に間隔をおき起立状に突設されている。」
(キ)「【0013】上記構成の装置によれば、排出孔11aよりせき縁19を越えて排出される分離水は、その軸方向への排出力とボウル2の回転にともなう遠心力によって、図2の矢印で示すように、回転方向斜め前方に向けて高速で排出されるが、その分離水は、せき部材15aに設けられた変流板部17に当たって端板10の外周方向に流れを変え、その先にある羽根板20に衝当し、その力がボウル2にその回転方向と同方向の回転力を付与することになる。したがって、その回転力を付与された分だけボウル2を回転させるための動力が軽減される結果となる。」
(ク)「【0018】なお、上記各せき部材15a,15bは、これを取り付けた際、そのせき縁19が排水孔11a,11bの中にどれだけ突出しているかによって排出水位が決まるので、せき縁19の位置の異なる各種のせき部材15a,15bを着け換えることにより、所望の排出水位に対応させることができる。」
(ケ)「【図8】
」
イ 甲第1号証に記載された発明
上記ア(ウ)及び(ケ)の記載から、甲第1号証に記載された横型遠心分離機において、円筒状のボウルは、その長さ方向を回転軸心として回転するものであり、また、スクリューコンベアは、ボウル8と同一の回転軸心周りに回転するものであると認められる。
そして、上記ア(ア)~(ケ)の記載から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「回転軸心周りに高速回転し、汚泥等を遠心力により濃縮汚泥又は脱水ケーキと分離水に固液分離するボウルと、ボウル内に配置され、前記回転軸心周りに、ボウルと相対速度差をもって回転することにより、前記濃縮汚泥又は脱水ケーキをボウルの先端部に向けて送るスクリューコンベアと、ボウルの先端部に設けられた濃縮汚泥等排出口と、ボウルの後端に設けた端板に設けられた分離水の排出孔と、ボウルを収容するケーシングを備え、前記排出孔には、分離水の排出水位を設定するせき縁を有するせき板部と、排出孔よりの分離水の排出流を端板の外周方向に指向させる変流板部とよりなるせき部材が取り付けられ、端板の外周とせき部材との間に、せき部材により変流した分離水と衝当する羽根板が突設されている、横型遠心分離機。」
(2)甲第2号証の記載事項
甲第2号証には以下の記載がある。
ア 「[0002] In bowl of a decanter centrifuge, solid-liquid separation takes place in a rotating pool that is maintained by a set of semi-circular weirs. The settled solid cake (hereafter referred as heavy phase) is conveyed toward a conical beach at one end of the rotating bowl by a screw conveyor, which rotates at a differential speed compared with the bowl, while the clarified liquid containing unsettled fine solids or the light phase (hereafter simply referred as liquid or liquid phase) overflows the weirs at the large end of the machine opposite the conical beach. 」
(申立人による訳:デカンタ式遠心分離機のボウルでは、固液分離が一連の半円形状堰によって持続される回転プール内で行われる。沈降した固形ケーキ(以下、重質相と称する)は、ボウルとは回転速度が異なるスクリューコンベアによって回転ボウル一端の円錐ビーチに向かって搬送され、分離された微小な固形物又は軽い相を含む澄んだ液体(以下、単に液体又は液相という)は、円錐ビーチの反対側の機械の大きな端部で堰からオーバーフローする。)
イ 「[0104] FIG. 12A is a sectional view of a conventional centrifuge with a weir plate 288 disposed over an opening 290 in a bowl head 292 to control the location of a pool level 289 . Bowl head 292 is an end wall of a bowl 304 rotatable about a machine axis 293 . As indicated by a first arrow 294 , effluent liquid is discharged into a space 296 between a case wall 298 and bowl head 292 . As indicated by additional arrows 300 , the discharged liquid hits the case wall 298 and bounces back towards the bowl head 292 to be re-accelerated thereby. The discharged liquid also hits an outer cylindrical surface 302 of the bowl 304 and is further reaccelerated. The liquid is drained away along a channel 303 between case wall 298 and a baffle 305 parallel thereto. 」
(申立人による訳:図12Aは、プールレベル289の位置を制御するためにボウルヘッド292の開口部290の上に配置された堰プレート288を備えた従来の遠心分離機の断面図である。ボウルヘッド292は、マシーン軸293の周りで回転可能なボウル304の端壁である。第1の矢印294で示すように、流出液は、ケース壁298とボウルヘッド292との間の空間296に排出される。付加的な矢印300によって示されるように、排出された液体はケース壁298に衝突し、再びボウルヘッド292に向かって跳ね返されることにより再加速される。排出された液体はまた、ボウル304の外側の円筒面302に衝突し、さらに加速される。液体は、ケース壁298とこれに平行なバッフル305との間のチャネル303に沿って排出される。)
ウ 「[0105] FIG. 12B shows a baffle system installed in the centrifuge assembly of FIG. 12A for purposes of conserving energy. An annular baffle 306 is provided alongside and parallel to bowl head 292 to establish, with case wall 298 , a compartment or gutter 308 that catches the liquid effluent as it is discharged through opening 290 . Case wall 298 defines an outer surface or panel of compartment or gutter 308 and may take the form of an outer baffle. The baffle system includes another baffle 310 that in part is cylindrical and functions to shield the flow from contacting the outer cylindrical surface 302 of bowl 304 to prevent reacceleration of the discharged liquid thereby. Baffles 306 and 310 prevent discharged effluent liquid from recontacting any rotating surface. Case wall or outer panel 298 and baffle 306 may be planar or contoured members. 」
(申立人による訳:図12Bは、エネルギー節約を目的として、図12Aの遠心分離機アセンブリに設置されたバッフルシステムを示す図である。環状バッフル306は、ボウルヘッド292に沿って平行に設けられ、ケース壁298と共に、開口290を通って排出される液体流出物を捕捉する区画または溝308を形成する。ケース壁298は、区画または溝308の外面またはパネルを確定し、外側バッフルの形態をとることができる。バッフルシステムは、部分的に円筒形であり、排出された液体の再加速を防止するために、流れがボウル304の外側円筒面302に接触するのを遮蔽するように機能する別のバッフル310を含む。バッフル306および310は、排出された流出液が回転表面に再接触することを防止する。ケース壁または外側パネル298およびバッフル306は、平面または屈曲した部材であってもよい。)
3 対比・判断
本件発明2と甲1発明を対比すると、甲1発明の「汚泥等」、「濃縮汚泥又は脱水ケーキ」、「ボウルの先端部に設けられた濃縮汚泥等排出口」、「ボウルの後端に設けた端板」、「分離水の排出孔」及び「ケーシング」は、それぞれ、本件発明2の「処理対象汚泥」、「脱水ケーキ」、「ボウルの回転軸心方向の他端側に設けた脱水ケーキ排出口」、「ボウルの回転軸心方向の一端側の端部壁」、「分離水排出口」及び「ハウジング」に相当する。
また、甲1発明における「せき部材」は、分離水の排出孔に取り付けられる点、及び、せき板部に設けられたせき縁により分離水の排出水位を設定するものである点で、本件発明2の「ダムプレート」と共通する。
以上のことから、本件発明2と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりと認められる。
(一致点)
「回転軸心周りに回転して処理対象汚泥を遠心力で分離水と脱水ケーキに固液分離するボウルと、ボウルの回転軸心方向の一端側の端部壁に設けた分離水排出口と、ボウルの回転軸心方向の他端側に設けた脱水ケーキ排出口と、ボウル内で前記回転軸心回りに回転してボウルの内周面上で脱水ケーキを脱水ケーキ排出口に向けて移送するスクリューコンベアと、ボウルを覆って配置するハウジングを備え、ボウル内の上限水位となる分離水排出口での堰高さを設定するダムプレートを、各分離水排出口の開口の一部を覆って配置する遠心分離機。」
(相違点1)
本件発明2は、「ボウルの前記端部壁の外面とハウジングの内面との間にカバー部材を設け、カバー部材とハウジングの内面との間に分離水排水空間を形成し、カバー部材がボウルの前記端部壁の外面における分離水排出口からボウル径方向の外側域を分離水排水空間から隔て」、また、「ダムプレートは、前記分離水が越流する越流縁に、前記分離水の越流方向である前記回転軸心方向前方に張り出す鍔部を有し、鍔部は、カバー部材の内周縁に掛かるように張り出す」のに対し、甲1発明はそのような構成を有しない点。
(相違点2)
本件発明2における「ダムプレート」は、ボウルの半径方向における位置を調整可能であるのに対し、甲1発明の「せき部材」は位置調整可能ではなく、せき縁の位置の異なるせき部材を付け替えることにより所望の排出水位を設定するものである点。
相違点1について検討する。申立人は、異議申立書において、「ボウルの前記端部壁の外面とハウジングの内面との間にカバー部材を設け」、「カバー部材とハウジングの内面との間に分離水排水空間を形成し」、「カバー部材がボウルの前記端部壁の外面における分離水排出口からボウル径方向の外側域を分離水排水空間から隔て」ることは、いずれも甲2号証に「バッフル」として記載されている旨を指摘する。
しかし、甲1発明は、ボウルの排出孔から排出され、せき部材により外周方向に変流させられた分離水を、端板に突設された羽根板に衝当させてそのエネルギーを回収するものであり、一方、甲第2号証に記載された遠心分離機は、ボウルから排出された流出液がボウルの端板を含む回転表面に再接触することを防止するためにバッフルを設けたものである。そして、ボウルから排出された分離水を端板に突設された羽根板に衝当させることと、バッフルを設けて分離水の端板への再接触を防止することとは両立し得ないから、甲第2号証に記載された、ボウルの前記端部壁の外面とハウジングの内面との間にカバー部材を設け、カバー部材とハウジングの内面との間に分離水排水空間を形成し、カバー部材がボウルの前記端部壁の外面における分離水排出口からボウル径方向の外側域を分離水排水空間から隔てる構成を、甲1発明において採用することには、阻害要因がある。
したがって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明、並びに、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明3は、本件発明2を引用し、本件発明2の発明特定事項を全て有する発明であるから、本件発明2と同様に、甲1発明、並びに、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 小括
よって、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、訂正後の請求項2及び3に係る特許を取り消すことはできない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項2及び3に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項2及び3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項1に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項1に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2017-701113