特許異議申立
2024-700528
欠陥分類装置、欠陥分類方法及びプログラム
- 審判番号
- 2024-700528
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-163685
- 登録番号
- 7393313
- 請求日
- 2024年06月04日
- 審決日
- 2025年02月07日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】タカノ株式会社
- 【権利者代理人】木村 満
- 【権利者代理人】森川 泰司
- 【権利者代理人】宮脇 良平
- 【権利者代理人】渡邉 幸男
- 【権利者代理人】榊原 靖
- 【権利者代理人】鳴村 英幸
- 【権利者】株式会社神戸製鋼所
- 【権利者代理人】木村 満
- 【権利者代理人】森川 泰司
- 【権利者代理人】宮脇 良平
- 【権利者代理人】渡邉 幸男
- 【権利者代理人】榊原 靖
- 【権利者代理人】鳴村 英幸
- 【異議申立人】秋山 重夫
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 宣博
- 審判官 樫本 剛
- 審判官 圓道 浩史
- 分類
- P1651.113-YAA(G06T) / P1651.121-YAA(G06T)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7393313号発明「欠陥分類装置、欠陥分類方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7393313号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9〕、10、11について訂正することを認める。
特許第7393313号の請求項3~11に係る特許を維持する。
特許第7393313号の請求項1、2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7393313号(以下「本件特許」という。)の請求項1~11に係る特許についての出願は、令和2年9月29日に出願され、令和5年11月28日にその特許権の設定登録がされ、同年12月6日に特許掲載公報が発行された。
その後、令和6年6月4日に特許異議申立人秋山重夫(以下「申立人」という。)により本件特許の全請求項(請求項1~11)に対して特許異議の申立てがされた。
さらにその後の経緯は次のとおりである。
令和6年 8月 5日付け 取消理由通知書
同年10月 2日 訂正請求書、意見書の提出(特許権者)
同年12月11日 意見書の提出(申立人)
第2 訂正の適否についての判断
1 請求の趣旨、訂正の内容
(1)請求の趣旨
令和6年10月2日に特許権者により行われた、願書に添付した特許請求の範囲の訂正(以下「本件訂正」という。)の請求の趣旨は、特許第7393313号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~11について訂正することを求める、というものである。
(2)訂正の内容
本件訂正の内容(以下「訂正事項」という。)は次のとおりである。なお、下線部は訂正箇所である。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、請求項2に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部と、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部と、ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部と、複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部と、ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部と、を備え、前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類し、前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、欠陥分類装置。」
に訂正する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に
「請求項1から3のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「請求項3に記載の欠陥分類装置。」
に訂正する。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に
「前記学習済みモデルは、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥が、予め定められた複数の種別のそれぞれに該当する確からしさを示すスコアを出力し、前記第1の分類部は、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を、前記複数の種別のうちの、前記学習済みモデルから出力されたスコアが最も高い種別に分類し、前記第2の分類部は、前記複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部により分類された前記種別及び該種別に該当する確からしさを示す前記スコアを加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する、請求項1から4のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部と、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部と、ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部と、複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部と、を備え、前記学習済みモデルは、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥が、予め定められた複数の種別のそれぞれに該当する確からしさを示すスコアを出力し、前記第1の分類部は、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を、前記複数の種別のうちの、前記学習済みモデルから出力されたスコアが最も高い種別に分類し、前記第2の分類部は、前記複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部により分類された前記種別及び該種別に該当する確からしさを示す前記スコアを加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する、欠陥分類装置。」
に訂正する。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に
「請求項1から5のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「請求項3から5のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
に訂正する。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に
「請求項1から6のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「請求項3から6のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
に訂正する。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に
「請求項1から7のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「請求項3から7のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
に訂正する。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に
「請求項1から8のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
と記載されているのを、
「請求項3から8のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。」
に訂正する。
コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10に
「複数のグループのうちの、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量に前記第1の分類ステップでの分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥を分類する第2の分類ステップと、を含む、欠陥分類方法。」
と記載されているのを、
「複数のグループのうちの、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量に前記第1の分類ステップでの分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥を分類する第2の分類ステップと、ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類ステップでの前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定ステップと、を含み、前記第2の分類ステップでは、前記分類条件設定ステップで設定された分類条件に従って、前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥を分類し、前記分類条件設定ステップでは、前記分類条件として、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量と前記第1の分類ステップでの前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量と前記第1の分類ステップでの前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、欠陥分類方法。」
に訂正する。
サ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項11に
「複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部、として機能させる、プログラム。」
と記載されているのを、
「複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部、ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部、として機能させ、前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類し、前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、プログラム。」
に訂正する。
2 一群の請求項について
訂正前の請求項2~9は、それぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用し、請求項1の訂正に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~9に対応する訂正後の請求項1~9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
そして、訂正事項1~9は、一群の請求項〔1~9〕についてするものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。
3 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項1及び2を引用する請求項3の記載を当該請求項1及び2を引用しないものに改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(4)訂正事項4、6~9について
訂正事項4、6~9は、それぞれ請求項4、6~9における引用請求項から請求項1及び2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(5)訂正事項5について
訂正事項5は、請求項5における引用請求項から請求項2~4を削除するとともに、請求項1を引用する請求項5の記載を当該請求項1を引用しないものに改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(6)訂正事項10について
訂正事項10は、訂正前の請求項10の欠陥分類方法について「ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類ステップでの前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定ステップ」をさらに含むものとするとともに、前記第2の分類ステップにおける分類について「前記分類条件設定ステップで設定された分類条件に従って」行われるものとし、かつ、前記分類条件設定ステップの内容を「前記分類条件設定ステップでは、前記分類条件として、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量と前記第1の分類ステップでの前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量と前記第1の分類ステップでの前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する」と特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
願書に添付した特許請求の範囲の請求項2には、「ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部、を更に備え、前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する」と記載され、同請求項3には、「前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、」と記載されているから、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。
訂正事項10は、上記のとおり特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張や変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。
(7)訂正事項11について
訂正事項11は、訂正前の請求項11のプログラムについて、コンピュータをさらに「ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部」として機能させるものとするとともに、前記第2の分類部における分類について「前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って」行われるものとし、かつ、前記分類条件設定部の内容を「前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、」と特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
願書に添付した特許請求の範囲の請求項2には、「ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部、を更に備え、前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する」と記載され、同請求項3には、「前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、」と記載されているから、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。
訂正事項11は、上記のとおり特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張や変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 訂正の適否についてのまとめ
以上のとおり、訂正事項1~11に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
したがって、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9〕、10、11について訂正することを認める。
第3 本件訂正後の発明
本件訂正請求により訂正された請求項1~11に係る発明(以下「本件訂正発明1」~「本件訂正発明11」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~11に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
〔本件訂正発明1〕【請求項1】(削除)
〔本件訂正発明2〕【請求項2】(削除)
〔本件訂正発明3〕【請求項3】
検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部と、
ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部と、
複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部と、
ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部と、を備え、
前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類し、
前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、
欠陥分類装置。
〔本件訂正発明4〕【請求項4】
ユーザから受け付けた操作に従って、前記学習済みモデルを設定するモデル設定部、を更に備え、
前記第1の分類部は、前記モデル設定部により設定された前記学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する、
請求項3に記載の欠陥分類装置。
〔本件訂正発明5〕【請求項5】
検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部と、
ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部と、
複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部と、を備え、
前記学習済みモデルは、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥が、予め定められた複数の種別のそれぞれに該当する確からしさを示すスコアを出力し、
前記第1の分類部は、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を、前記複数の種別のうちの、前記学習済みモデルから出力されたスコアが最も高い種別に分類し、
前記第2の分類部は、前記複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部により分類された前記種別及び該種別に該当する確からしさを示す前記スコアを加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する、
欠陥分類装置。
〔本件訂正発明6〕【請求項6】
前記特徴量計算部は、前記特徴量として、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥のサイズと面積と真円度と明るさとのうちの少なくとも1つを計算する、
請求項3から5のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。
〔本件訂正発明7〕【請求項7】
学習用の欠陥画像と該欠陥画像に示される欠陥の種別との関係を前記ディープラーニングにより学習することにより、前記学習済みモデルを生成する学習部、を更に備え、
前記第1の分類部は、前記学習部により生成された前記学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する、
請求項3から6のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。
〔本件訂正発明8〕【請求項8】
前記第2の分類部による分類結果に基づいて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の合否を判定する合否判定部、を更に備える、
請求項3から7のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。
〔本件訂正発明9〕【請求項9】
前記第1の分類部は、前記学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を、予め定められた複数の種別のうちのいずれかの種別に分類し、
前記第2の分類部は、前記第1の分類部により分類された前記種別に対して設定された基準値と、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と、の比較により、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する、
請求項3から8のいずれか1項に記載の欠陥分類装置。
〔本件訂正発明10〕【請求項10】
検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出ステップと、
前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算ステップと、
ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥を分類する第1の分類ステップと、
複数のグループのうちの、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量に前記第1の分類ステップでの分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥を分類する第2の分類ステップと、
ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類ステップでの前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定ステップと、を含み、
前記第2の分類ステップでは、前記分類条件設定ステップで設定された分類条件に従って、前記欠陥検出ステップで検出された前記欠陥を分類し、
前記分類条件設定ステップでは、前記分類条件として、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量と前記第1の分類ステップでの前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算ステップで計算された前記特徴量と前記第1の分類ステップでの前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、
欠陥分類方法。
〔本件訂正発明11〕【請求項11】
コンピュータを、
検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部、
前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部、
ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部、
複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部、
ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部、として機能させ、
前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類し、
前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、
プログラム。
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
令和6年8月5日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
本件訂正前の請求項1、6、7、10、11に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明であり、本件発明8、9は、甲第1号証に記載された発明である。そうすると、本件発明1、6~11は特許法第29条第1項第3号に該当するから、本件発明1、6~11に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
また、本件発明1、6、7、10、11は、甲第1号証に記載された発明(以下「甲1発明」という。)及び甲第2号証に記載された発明(以下「甲2発明」という。)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明2は、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明4は、甲1発明及び甲第3号証に記載された技術(以下「甲3技術」という。)、又は甲2発明及び甲3技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明8、9は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。そうすると、本件発明1、2、4、6~11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
〔申立人により提出された証拠〕
甲第1号証:特開2020-85774号公報
甲第2号証:特開2017-54239号公報
甲第3号証:特開2012-181209号公報
なお、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由において、上記甲第1発明又は甲2発明に対する新規性、及び、甲1発明又は甲2発明を主発明とした場合の進歩性の他に申し立てている特許異議申立理由はない。
第5 甲号証について
1 甲第1号証について
(1)記載事項
甲第1号証には次の記載がある。なお、以降の下線は、当審において強調する箇所に付されたものである。
「【0011】
以下、管ガラス検査方法、学習方法及び管ガラス検査装置の一実施形態を図1~図7に従って説明する。
図1に示すように、管ガラス検査装置1は、管ガラス2(図2等参照)の品質の良否を1次判定する第1検査部3と、第1検査部3で不良品と判定された管ガラス2の品質の良否を2次判定する第2検査部4とを備える。第1検査部3は、管ガラス2を撮像して得られる被検画像Dhをルールベースの画像処理アルゴリズムPで識別することにより、管ガラス2の品質の良否を判定する。第2検査部4は、第1検査部3で不良品と判定された管ガラス2を、機械学習を通じて再判定する。機械学習は、例えば深層学習(ディープラーニング)であることが好ましい。
【0012】
第1検査部3は、管ガラス2を撮影する撮像部5と、撮像部5によって取得された撮像データDaを画像処理する画像処理部6と、画像処理部6によって取得された被検画像Dhをルールベースの画像処理アルゴリズムPによって識別して管ガラス2の品質の良否を判定する1次判定部7とを備える。
【0013】
図2(a),(b)に示すように、撮像部5は、ワークである管ガラス2に光を照射するバックライト8と、バックライト8により照射された管ガラス2の画像を検出するカメラ9とを備える。カメラ9は、例えばラインセンサ10からなる。撮像部5は、ワークである管ガラス2を管軸La中心に回転させながら管ガラス2をラインセンサ10によって撮像することにより、管ガラス2を展開した被検画像Dhを取得する。
【0014】
図1に戻り、1次判定部7は、被検画像Dhをルールベースの画像処理アルゴリズムPによって処理することで、管ガラス2の品質の良否を1次判定する。ルールベースの画像処理アルゴリズムPによる良否判定は、画像上に写る被検画像Dhの欠陥部分のパラメータ(例えば、欠陥の線の細さ、面積、個数、欠陥の繋がりなど)を閾値Rと比較する判定となっている。よって、欠陥部分のパラメータが閾値R未満となれば、管ガラス2が良品と判定され、欠陥部分のパラメータが閾値R以上となれば、管ガラス2が不良品と判定される。1次判定部7は、不良品と判定された管ガラス2の被検画像Dh、すなわち再検査被検画像Dh1を第2検査部4に出力する。
【0015】
第2検査部4は、第1検査部3から取得した再検査被検画像Dh1(被検画像Dh)において欠陥が写っている箇所を抽出する欠陥抽出部11と、欠陥抽出部11によって抽出された欠陥箇所を切り出す欠陥切出部12とを備える。第2検査部4は、欠陥切出部12によって切り出された欠陥箇所の画像を学習モデルMによって識別することにより欠陥を分類する2次判定部13と、1次判定で不良と判定された管ガラス2の品質の良否を2次判定部13の分類結果を利用して再判定する再判定部14とを備える。
【0016】
2次判定部13は、第1検査部3による検査工程で不良品と判定された管ガラス2に対し、学習モデルMによる識別を通じて、不良品の欠陥の種類を分類する。本例の欠陥の種類は、例えば打痕、肌荒れ、カケ、キズである。本例の学習モデルMは、不良品である管ガラス2の画像群を機械学習(本例は深層学習:ディープラーニング)することによって生成されている。
【0017】
再判定部14は、欠陥が分類された不良品(管ガラス2)の再検査被検画像Dh1に対し、欠陥の種類ごとに、ルールベースの画像処理アルゴリズムPで使用する閾値Rを設定し、その閾値Rで管ガラス2の不良品の識別を行うことにより、管ガラス2の品質の良否を再検査する。本例の場合、閾値Rは、例えば欠陥の重要度に応じて閾値Rの大小が設定されている。本例の閾値Rは、例えば肌荒れ判定用が高く設定され、キズやカケ等の判定用が低く設定されている。
【0018】
次に、図3~図7を用いて、本実施形態の管ガラス検査装置1の作用及び効果について説明する。
ステップ101において、第1検査部3の撮像部5は、管ガラス2の画像を撮像し、その撮像データDaを、画像処理部6に出力する(撮像工程)。
【0019】
ステップ102において、第1検査部3の画像処理部6は、撮像データDaを画像処理することにより、管ガラス2の画像を管軸La直交方向に展開した被検画像Dhを取得する(撮像工程)。
【0020】
ステップ103において、第1検査部3の1次判定部7は、画像処理部6によって抽出された被検画像Dhを、ルールベースの画像処理アルゴリズムPによって識別することにより、管ガラス2の品質の良否を判定する1次判定を実行する(第1検査工程)。本例の場合、1次判定部7は、ルールベースの画像処理アルゴリズムPに則って被検画像Dhを用いて閾値Rにより判定を実行し、管ガラス2の品質の良否を確認する。第1判定で使用する閾値Rは、どのような欠陥種類にも対応できるように厳しめの値に設定されている。
【0021】
ステップ104において、1次判定部7は、1次判定が成立したか否かを判定する。1次判定が成立すればステップ105に移行し、1次判定が成立しなければステップ106に移行する。なお、1次判定が成立しない場合、1次判定部7は、1次判定が成立しなかった管ガラス2の被検画像Dh、すなわち再検査被検画像Dh1を第2検査部4に出力する。
【0022】
ステップ105において、1次判定部7は、このときに検査した管ガラス2を「良品」と判定する。これにより、いま検査中の管ガラス2は、出荷可能な製品として搬送される。
【0023】
ステップ106において、第2検査部4の欠陥抽出部11は、第1検査部3から取得した再検査被検画像Dh1から、画像に写り込む欠陥箇所を抽出する。ステップ107において、第2検査部4の欠陥切出部12は、欠陥箇所が抽出された再検査被検画像Dh1から、欠陥画像Dh1’を切り出す。再検査被検画像Dh1から欠陥画像Dh1’を切り出すことにより、欠陥箇所及びその付近の拡大画像が得られる。
【0024】
ステップ108において、第2検査部4の2次判定部13は、欠陥切出部12から入力した欠陥画像Dh1’を学習モデルMによって識別することにより、欠陥画像Dh1’に写る欠陥を分類する。学習モデルMによる分類は、機械学習の一種である深層学習(ディープラーニング)である。
【0025】
図4に、管ガラス2に生じ得る欠陥の種類を図示する。欠陥は、図4(a)に示す「打痕」、図4(b)に示す「肌荒れ」、図4(c)に示す「カケ」、図4 (d)に示す「キズ」などがある。打痕は、管ガラス2の表面に形成されてしまう大きな欠損であり、1つでもあるとよくない。肌荒れは、管ガラス2の端面においてエッチングを施した加工面に生じ易い。カケは、管ガラス2の一部分が欠損した箇所であり、管ガラス2の切断面に生じ易い。キズは、管ガラス2の表面に付いた細長い溝のようなものである。2次判定部13は、1つの管ガラス2に対し、発生している欠陥の種類と、各欠陥の個数とを判別することができる。また、これ以外の欠陥として、図示はしないが「汚れ」もある。
【0026】
図3に戻り、ステップ109において、再判定部14は、2次判定部13による欠陥の分類結果を基に、ルールベースの画像処理アルゴリズムPを用いて、1次判定で不良品と判定された管ガラス2の品質の良否を、再度判定する。このとき、ルールベースの画像処理アルゴリズムPを使用した再判定を行うにあたり、欠陥種類の応じた閾値Rが適宜選択されて、再判定が実行される。
【0027】
ステップ110において、再判定部14は、閾値Rを欠陥種類に応じて設定したルールベースの画像処理アルゴリズムPでの再判定が成立したか否かを判定する。再判定が成立した場合には、ステップ105に移行する。これにより、1次判定では不良品と判定された管ガラス2が、最終的には「良品」として判定される。よって、出荷しても問題ない程度の品質の管ガラス2の品質の良否判定にあたり、これまでの判定では不良品として判定されたものが、良品の判定結果を得ることができるようになる。
【0028】
一方、再判定が成立しない場合には、ステップ111に移行する。これにより、管ガラス2が「不良品」と最終判定される。よって、1次判定及び2次判定の両方が成立しない大きな欠陥がある管ガラス2を、市場に出荷しないようにすることができるようになる。」
「【0049】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。・・・」
「【0051】
・再判定の処理は、例えば1次判定部7が実施してもよい。
・再判定は、検査員が実施に見て確認する目視を含んでもよい。
・学習モデルMは、深層学習(ディープラーニング)により生成されることに限定されず、種々の機械学習方式が適用可能である。」
(2)甲1発明
上記(1)から、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。なお、各構成の末尾括弧内に、対応する記載箇所を付した。
〔甲1発明〕
管ガラス2の品質の良否を1次判定する第1検査部3と、第1検査部3で不良品と判定された管ガラス2の品質の良否を2次判定する第2検査部4とを備える管ガラス検査装置1であって、(【0011】)
第1検査部3は、管ガラス2を撮影する撮像部5と、撮像部5によって取得された撮像データDaを画像処理する画像処理部6と、画像処理部6によって取得された被検画像Dhをルールベースの画像処理アルゴリズムPによって識別して管ガラス2の品質の良否を判定する1次判定部7とを備え、(【0012】)
ルールベースの画像処理アルゴリズムPによる良否判定は、画像上に写る被検画像Dhの欠陥部分のパラメータ(例えば、欠陥の線の細さ、面積、個数、欠陥の繋がりなど)を閾値Rと比較する判定となっており、欠陥部分のパラメータが閾値R未満となれば、管ガラス2が良品と判定され、欠陥部分のパラメータが閾値R以上となれば、管ガラス2が不良品と判定されるものであり、(【0014】)
第2検査部4は、第1検査部3から取得した再検査被検画像Dh1(被検画像Dh)において欠陥が写っている箇所を抽出する欠陥抽出部11と、欠陥抽出部11によって抽出された欠陥箇所を切り出す欠陥切出部12と、欠陥切出部12によって切り出された欠陥箇所の画像を学習モデルMによって識別することにより欠陥を分類する2次判定部13と、1次判定で不良と判定された管ガラス2の品質の良否を2次判定部13の分類結果を利用して再判定する再判定部14とを備え、(【0015】)
2次判定部13は、第1検査部3による検査工程で不良品と判定された管ガラス2に対し、学習モデルMによる識別を通じて、不良品の欠陥の種類を分類するものであり、学習モデルMは、不良品である管ガラス2の画像群を機械学習(深層学習:ディープラーニング)することによって生成されており、(【0016】)
再判定部14は、欠陥が分類された不良品(管ガラス2)の再検査被検画像Dh1に対し、欠陥の種類ごとに、ルールベースの画像処理アルゴリズムPで使用する閾値Rを設定し、その閾値Rで管ガラス2の不良品の識別を行うことにより、管ガラス2の品質の良否を再検査するものであり、(【0017】)
再判定部14は、2次判定部13による欠陥の分類結果を基に、ルールベースの画像処理アルゴリズムPを用いて、1次判定で不良品と判定された管ガラス2の品質の良否を、再度判定するものである、(【0026】)
管ガラス検査装置1。
2 甲第2号証について
(1)記載事項
甲第2号証には次の記載がある。
「【0020】
検査・分類装置1は、撮像装置2、欠陥検出部41、および、コンピュータ5を備える。撮像装置2は、基板9上の検査対象領域を撮像する。欠陥検出部41は、検査対象領域の画像データを処理しつつ欠陥を検出する。コンピュータ5は、欠陥検出部41において欠陥が検出された場合に欠陥が属すべき欠陥クラスへと欠陥を分類する。コンピュータ5は、検査・分類装置1の全体動作の制御、および、欠陥の分類に利用される分類器の構築も行う。撮像装置2は基板9の製造ラインに組み込まれ、検査・分類装置1はいわゆるインライン型のシステムとなっている。検査・分類装置1は、欠陥検査装置に自動欠陥分類の機能を付加した装置と捉えることもできる。」
「【0022】
欠陥検出部41では、基板9の撮像画像と、当該撮像画像と同じ領域(正常な領域)を示す参照画像とを比較することにより差分画像(典型的には、両画像の差の絶対値を示す画像)が得られ、当該差分画像に基づいて、異常部分である欠陥が検出される。そして、欠陥部分の多値画像である欠陥画像が生成される。欠陥検出部41では、他の手法により欠陥が検出されてよい。」
「【0026】
コンピュータ5は、分類部32および分類器構築部33を有する。分類部32および分類器構築部33により、画像を分類する画像分類装置が実現される。分類部32は、欠陥が検出された場合にニューラルネットワーク、決定木、判別分析等を利用して当該欠陥を自動的に分類する。分類部32は、対象画像記憶部321および分類制御部322を有し、分類制御部322は、特徴量算出部323および複数の分類器324を有する。分類器構築部33は、分類部32における複数の分類器324を構築する。分類器構築部33は、教師データ記憶部331および学習部335を有する。これらの構成が実現する機能の詳細については後述する。なお、これらの機能は専用の電気回路により構築されてもよく、部分的に専用の電気回路が利用されてもよい。」
「【0028】
分類器324の構築の際には、事前準備として、欠陥検出部41にて検出された多数の欠陥画像が、教師データ記憶部331に記憶される。欠陥画像は、例えば、基板上のレジストによるパターンの欠陥を示す。続いて、ユーザにより、各欠陥画像が示す欠陥に対して、複数の属性項目についての教示が行われる。ここで、欠陥の属性項目とは、欠陥の色、欠陥の種類、欠陥の存在領域、欠陥のサイズ、欠陥表面の質感等であり、欠陥の性質や特徴に関する評価項目(評価の観点)である。例えば、欠陥の色では、白または黒等の属性があり、欠陥の種類では、異物、(レジストパターンの)不良、気泡等の属性がある。また、欠陥の存在領域では、下層パターンの密集部、平坦部、エッジ部等の属性があり、欠陥のサイズでは、大、中、小等の属性がある。欠陥表面の質感では、ざらざら、滑らか等の属性がある。教示すべき複数の属性項目(以下、「設定属性項目」という。)は、入力部56を介したユーザの入力により定められる。複数の設定属性項目は、好ましくは互いに独立しており、この場合、任意の2つの設定属性項目において、各特徴量についての高い相関性がない。設定属性項目は、予め定められていてもよい。」
「【0032】
続いて、分類器構築部33により、複数の設定属性項目に関する分類をそれぞれ行う複数の分類器324が個別に構築される(ステップS12)。ここで、各分類器324は、当該分類器324に対応付けられた設定属性項目のみに着目して画像を分類するものである。各分類器324の構築では、教師データセット81に含まれる画像から当該分類器324において利用される特徴量が特徴量算出部323により取得される。
【0033】
例えば、欠陥の種類に関する分類を行う分類器324では、欠陥領域の面積、周囲長、重心位置等の幾何学的特徴量(ここでは、複数の特徴量の集合である特徴量ベクトル)が利用される。したがって、各教師データセット81に含まれるマスク画像73が示す欠陥領域に基づいて幾何学的特徴量が取得される。そして、学習部335が、全ての教師データセット81における欠陥の種類の教示情報、および、当該幾何学的特徴量を用いて、上記分類器324を学習させることにより、欠陥の種類に関する分類を行う分類器324が構築される。当該分類器324では、後述の分類動作において、異物、不良、気泡のいずれかの分類結果を出力することが可能である。
【0034】
また、欠陥の存在領域に関する分類を行う分類器324では、画像中の画素値の変化に着目した、濃度ヒストグラム、自己相関関数値、空間周波数、差分統計量、濃度共起行列、高次局所自己相関、ランレングス行列、フラクタル特徴等のテクスチャ的特徴量が利用される。具体的には、各教師データセット81に含まれる参照画像72の全体からテクスチャ的特徴量が取得される。そして、学習部335が、全ての教師データセット81における欠陥の存在領域の教示情報、および、参照画像72から導かれる当該テクスチャ的特徴量を用いて、上記分類器324を学習させることにより、欠陥の存在領域に関する分類を行う分類器324が構築される。当該分類器324では、後述の分類動作において、密集部、平坦部、エッジ部のいずれかの分類結果を出力することが可能である。
【0035】
検査・分類装置1では、K個(Kは2以上の整数)の設定属性項目が設定される場合、K個の分類器324が構築される。各分類器324において利用される特徴量の種類、および、特徴量の算出領域は予め決定される。分類部32に含まれる複数の分類器324の構築は、分類部32自体の構築と捉えることができる。後述するように、欠陥画像の欠陥クラスは、複数の設定属性項目における複数の属性の組合せ(積集合)にて表される。したがって、k番目(kは1以上K以下の整数)の分類器324の設定属性項目に対して、nk個(nkは2以上の整数)の属性(ラベル)が定められる場合、表現可能な欠陥クラスの最大個数は、ΠKnk個となる。
【0036】
各分類器324にて利用される幾何学的特徴量およびテクスチャ的特徴量は一例に過ぎず、分類器324の学習(および後述の分類)において、他の種類の特徴量が用いられてよい。各分類器324において利用される特徴量は、単一の値のみを有するもの(単一の特徴量)であってもよく、この場合に、当該分類器324の学習により、if-thenルールの条件(閾値)が決定されてもよい。単一の特徴量により区別可能な属性項目は限定されるため、通常は、少なくとも1つの設定属性項目に関する分類器324では、複数の特徴量(特徴量ベクトル)が利用される。なお、分類器324を構築する方法(学習アルゴリズム)または機構としては、例えば、最近傍法、決定木法、線形判別法、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン(SVM)等が採用可能であり、当該方法または機構は分類器324(設定属性項目)毎に相違してよい。
【0037】
図6は、分類部32による欠陥画像の分類の流れを示す図である。既述のように、検査・分類装置1では、撮像装置2により基板9が撮像され、撮像画像が欠陥検出部41に入力される。欠陥検出部41では、検査対象領域の欠陥検査が行われ、欠陥が検出されると、欠陥部分の多値画像である欠陥画像が生成されて分類部32に出力される。既述のように、欠陥検出部41では、欠陥画像に加えて、参照画像、差分画像およびマスク画像も生成され(図5Aおよび図5B参照)、これらの画像の集合のデータ(以下、「画像セットデータ」という。)82が、対象画像記憶部321に記憶されて準備される(ステップS21)。画像セットデータ82に含まれる欠陥画像は、分類部32における分類対象(欠陥)を示す画像であるため、以下、「対象画像」という。
【0038】
続いて、複数の分類器324により、対象画像に対する複数の設定属性項目における分類結果が個別に取得される(ステップS22)。各分類器324による分類では、当該分類器324の構築動作と同様に、画像セットデータ82に含まれる画像から当該分類器324において利用される特徴量が特徴量算出部323により取得される。
【0039】
例えば、欠陥の種類に関する分類を行う分類器324については、画像セットデータ82に含まれるマスク画像が示す欠陥領域に基づいて幾何学的特徴量が取得される。そして、幾何学的特徴量が当該分類器324に入力されることにより、対象画像の欠陥の種類として、異物、不良、気泡のいずれかの分類結果が出力される。また、欠陥の存在領域に関する分類を行う分類器324については、画像セットデータ82に含まれる参照画像(すなわち、対象画像に対応する参照画像)の全体からテクスチャ的特徴量が取得される。そして、テクスチャ的特徴量が当該分類器324に入力されることにより、対象画像の欠陥の存在領域として、密集部、平坦部、エッジ部のいずれかの分類結果が出力される。
【0040】
分類制御部322では、分類器構築部33により構築された全ての分類器324による分類結果の組合せが、対象画像の欠陥クラス(最終分類結果)として扱われる。ここでは、密集部∩異物、平坦部∩異物、エッジ部∩異物、密集部∩不良、平坦部∩不良、エッジ部∩不良、密集部∩気泡、平坦部∩気泡、および、エッジ部∩気泡の9個の欠陥クラスが存在する。以上のようにして、対象画像が、複数の設定属性項目における複数の属性の組合せにて表される(絞り込まれる)1つの欠陥クラスに分類される。検査・分類装置1では、欠陥検出部41にて欠陥が検出される毎に上記ステップS21,S22の動作がリアルタイムにて行われ、多数の対象画像の自動分類が高速に行われる。」
(2)甲2発明
上記(1)から、甲第2号証には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。なお、各構成の末尾括弧内に、対応する記載箇所を付した。
〔甲2発明〕
撮像装置2、欠陥検出部41、および、コンピュータ5を備える検査・分類装置1であって、(【0020】)
欠陥検出部41では、基板9の撮像画像と、当該撮像画像と同じ領域(正常な領域)を示す参照画像とを比較することにより差分画像(典型的には、両画像の差の絶対値を示す画像)が得られ、当該差分画像に基づいて、異常部分である欠陥が検出され、(【0022】)
コンピュータ5は、分類部32および分類器構築部33を有し、(【0026】)
分類部32は、欠陥が検出された場合にニューラルネットワーク等を利用して当該欠陥を自動的に分類するものであり、(【0026】)
分類部32は、対象画像記憶部321および分類制御部322を有し、分類制御部322は、特徴量算出部323および複数の分類器324を有し、(【0026】)
分類器324の構築の際には、ユーザにより、各欠陥画像が示す欠陥に対して、複数の属性項目についての教示が行われ、ここで、欠陥の属性項目とは、欠陥の色、欠陥の種類、欠陥の存在領域、欠陥のサイズ、欠陥表面の質感等であり、教示すべき複数の属性項目(以下、「設定属性項目」という。)は、入力部56を介したユーザの入力により定められ、(【0028】)
分類器構築部33は、教師データ記憶部331および学習部335を有し、(【0026】)
分類器構築部33により、複数の設定属性項目に関する分類をそれぞれ行う複数の分類器324が個別に構築され、(【0032】)
例えば、欠陥の種類に関する分類を行う分類器324では、欠陥領域の面積、周囲長、重心位置等の幾何学的特徴量が取得され、学習部335が、全ての教師データセット81における欠陥の種類の教示情報、および、当該幾何学的特徴量を用いて、上記分類器324を学習させることにより、欠陥の種類に関する分類を行う分類器324が構築され、(【0033】)
各分類器324において利用される特徴量の種類、および、特徴量の算出領域は予め決定され、欠陥画像の欠陥クラスは、複数の設定属性項目における複数の属性の組合せ(積集合)にて表され、(【0035】)
各分類器324において利用される特徴量は、単一の値のみを有するもの(単一の特徴量)であってもよく、この場合に、当該分類器324の学習により、if-thenルールの条件(閾値)が決定されてもよく、少なくとも1つの設定属性項目に関する分類器324では、複数の特徴量(特徴量ベクトル)が利用され、分類器324を構築する方法(学習アルゴリズム)または機構としては、ニューラルネットワーク等が採用可能であり、(【0036】)
分類部32による欠陥画像の分類の流れは、(【0037】)
撮像装置2により基板9が撮像され、撮像画像が欠陥検出部41に入力され、欠陥検出部41では、検査対象領域の欠陥検査が行われ、欠陥が検出されると、欠陥部分の多値画像である欠陥画像が生成されて分類部32に出力され、欠陥画像等の集合のデータ(以下、「画像セットデータ」という。)82が、対象画像記憶部321に記憶されて準備され、(【0037】)
続いて、複数の分類器324により、対象画像(画像セットデータ82に含まれる欠陥画像)に対する複数の設定属性項目における分類結果が個別に取得され、各分類器324による分類では、当該分類器324の構築動作と同様に、画像セットデータ82に含まれる画像から当該分類器324において利用される特徴量が特徴量算出部323により取得され、(【0038】、【0037】)
分類制御部322では、分類器構築部33により構築された全ての分類器324による分類結果の組合せが、対象画像の欠陥クラス(最終分類結果)として扱われる(【0040】)
というものである、
検査・分類装置1。
3 甲第3号証について
(1)記載事項
甲第3号証には、次の記載がある。
「【0026】
分類器402は、変換後の特徴量を入力し、予め設定された分類条件に基づいて欠陥分類を行い、欠陥クラス情報を出力する。分類器402としては、教示型の分類器であればなんでもよい。例えば、最近傍法、最小距離法、部分空間法、決定木法、ファジーボーティング法、フレキシブルナイブベイズ法、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン(SVM)などによるものが考えられる。複数の分類器を実装しておき、選択使用可能なようにしておくとよい。分類器の種類によって学習に必要なパラメータが異なるので、それに応じた入力が可能なようにしておく。分類条件として設定するものも分類器の種類によって異なるため、対応するフォーマットを準備しておく。」
「【0077】
次に、欠陥分類部110が図7に示すように複数の分類器をツリー状につなげた構成である場合の分類条件設定部111における動作について、図16を用いて説明する。
【0078】
分類の優先順位の指定は、図9に示すGUIを用いて、階層的分類コードと階層別目標を設定するものとする。初めに、大分類コードに従って分類する分類器の分類条件を設定する。図7の分類器402hに相当するものである。
【0079】
教示された特徴量データを用い、欠陥クラスを大分類コードに付け替えた上で、分類器の学習を行う。分類器選択およびパラメータ設定を網羅的あるいはランダムに行い、リーブワンアウト法で評価して、最も良い結果となるものを選ぶとよい。選択した分類器およびパラメータを用い全教示データによる学習を行い、分類条件を設定する。
【0080】
次に、各大分類コードについて以下を実施する。注目する大分類に2個以上の中分類コードが含まれる場合、中分類コードに従って分類する分類器を最初の分類器の下につなぎ、分類条件の設定を行う。最初の分類器によって注目する大分類に分類される教示データを抽出し、欠陥クラスを中分類コードに付け替えた上で分類器の学習を行う。注目する大分類に、中分類コードが1個しか含まれない場合、含まれる欠陥クラスの数により処理が異なる。欠陥クラスが1個の場合、注目する大分類と判定されたものは、その欠陥クラスであると判定する。欠陥クラスが2個以上の場合、それらを分類する分類器を最初の分類器の下につなぎ、分類条件を設定する。最初の分類器によって注目する大分類に分類される教示データを抽出し、分類器の学習を行う。最初の分類器の下につながる分類器は最大で大分類コードの数である。
【0081】
次に、各中分類コードについて、以下を実施する。注目する中分類に2個以上の欠陥クラスが含まれる場合、それらを分類する分類器を2段目の分類器の下につなぎ、分類条件の設定を行う。最初と2段目の分類器によって注目する中分類に分類される教示データを抽出し、分類器の学習を行う。注目する中分類に欠陥クラスが1個しか含まれない場合、注目する中分類と判定されるものはその欠陥クラスと判定する。
【0082】
図12に示す結果表示ウィンドウ1201を表示し、登録ボタン1206押下により、分類器の接続関係と個々の分類器の分類条件を登録して終了、終了ボタン1207押下により、何もしないで終了する。
【0083】
本発明の欠陥分類方法および装置は、本実施例における装置構成に限定するものではない。
例えば、検出系13を暗視野式あるいはSEM式とした場合にも同様の構成として、分類条件設定が可能である。また、暗視野光学系において、異なる角度から検出する検出光学系を設け、2センサまたはそれ以上で画像検出し、それぞれに欠陥検出、画像切り出し、特徴抽出して得られる特徴量データを、併せて用いて欠陥分類する構成としてもよい。2回またはそれ以上の検査を異なる光学条件で行い、検出された欠陥の座標突合せを行った上で、得られる特徴量データを併せて欠陥分類する構成としてもよい。あるいは、それぞれの検査条件で得られた特徴量データを用いて個別に分類条件を設定する構成としてもよい。
【0084】
検査実行時には、検査条件に対応する分類条件に従って分類を行い、欠陥クラスとともにその信頼度、例えばその欠陥クラスのピュリティなど(分類条件設定時に算出しておく)の情報を付加しておき、検出された各欠陥について、複数の検査で付加された欠陥クラスの多数決あるいは信頼度重み付多数決で欠陥クラスを決定する構成とする。」
「【図7】
[図:0001422438000001.jpg]
」
「【図16】
[図:0001422438000002.jpg]
」
第6 当審の判断
1 特許法第29条第1項(新規性)について
(1)甲1発明に対する新規性について
(1-1)本件訂正発明3について
本件訂正発明3と甲1発明を対比する。
甲1発明の「再検査被検画像Dh1(被検画像Dh)において欠陥が写っている箇所を抽出する欠陥抽出部11」は、本件訂正発明3の「検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部」に相当する。
甲1発明の「2次判定部13」は、上記欠陥抽出部11によって抽出された欠陥箇所の画像を、機械学習(深層学習:ディープラーニング)によって生成された学習モデルMによって識別することにより欠陥を分類するものであるから、本件訂正発明3の「ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部」に相当する。
甲1発明の「再判定部14」は、上記2次判定部13の分類結果を利用して「欠陥の種類ごとに、ルールベースの画像処理アルゴリズムPで使用する閾値Rを設定し、その閾値Rで管ガラス2の不良品の識別を行う」という再判定を行うものであり、当該分類結果は、上記欠陥抽出部11によって抽出された欠陥(本件訂正発明3の「前記欠陥検出部により検出された前記欠陥」に相当。)箇所の画像のものであるから、欠陥の種類ごとに設定される閾値Rを用いて行われる不良品の識別も、上記欠陥抽出部11によって抽出された欠陥(「前記欠陥検出部により検出された前記欠陥」)を対象として行われることは明らかである。
そして、前記「再判定部14」で用いられるルールベースの画像処理アルゴリズムPは、画像上に写る被検画像Dhの欠陥部分のパラメータ(例えば、欠陥の線の細さ、面積、個数、欠陥の繋がりなど)(本件訂正発明3の「欠陥の特徴量」に相当。)を閾値Rと比較するものであるから、再判定部14には、本件訂正発明3の「前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部」に相当する構成が実質的に備わっているといえる。
甲1発明の「再判定部14」は、2次判定部13(第1の分類部)で分類された欠陥の種類(前記第1の分類部による分類結果)ごとに、ルールベースの画像処理アルゴリズムPで使用する閾値Rを設定し、欠陥部分のパラメータ(前記特徴量計算部により計算された前記特徴量)が閾値R未満となれば、管ガラス2が良品と判定され、欠陥部分のパラメータが閾値R以上となれば、管ガラス2が不良品と判定されるものであり、欠陥の種類ごとに良品又は不良品と判定されるから、当該欠陥の種類ごとに判定される良品及び不良品は、本件訂正発明3の「複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループ」に相当するといえる。そうすると、前記再判定部14には、本件訂正発明3の「複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部」に相当する構成が実質的に備わっているといえる。
本件訂正発明3は、
「 ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部」「を備え、
前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類し、
前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、」
との構成を備えるのに対し、甲1発明は当該構成を備えていない点(以下「相違点1」という。)で、両者は相違する。
甲1発明の「管ガラス検査装置1」は、欠陥の種類ごとに良品又は不良品と判定、すなわち分類するものであるから、本件訂正発明3の「欠陥分類装置」に相当する。
以上から、本件訂正発明3は、甲1発明との間に相違点1を有するものであるから、甲第1号証に記載された発明ではない。
(1-2)本件訂正発明4について
本件訂正発明4は、本件訂正発明3の発明特定事項を全て含む発明であり、甲1発明との間に少なくとも相違点1を有するものであるから、甲第1号証に記載された発明ではない。
(1-3)本件訂正発明5について
本件訂正発明5と甲1発明を対比する。
本件訂正発明5における
「 検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部と、
ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部と、
複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部と、を備え、」
「 欠陥分類装置」
は、本件訂正発明3と共通の構成であり、当該構成については、上記(1-1)に示したとおり、甲1発明が備えるものである。
本件訂正発明5は、
「 前記学習済みモデルは、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥が、予め定められた複数の種別のそれぞれに該当する確からしさを示すスコアを出力し、
前記第1の分類部は、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を、前記複数の種別のうちの、前記学習済みモデルから出力されたスコアが最も高い種別に分類し、
前記第2の分類部は、前記複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部により分類された前記種別及び該種別に該当する確からしさを示す前記スコアを加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する」
との構成を備えるのに対し、甲1発明は当該構成を備えていない点(以下「相違点2」という。)で、両者は相違する。
以上から、本件訂正発明5は、甲1発明との間に相違点2を有するものであるから、甲第1号証に記載された発明ではない。
(1-4)本件訂正発明6~9について
本件訂正発明6~9は、本件訂正発明3の全ての発明特定事項又は本件訂正発明5の全ての発明特定事項を含む発明であり、甲1発明との間に少なくとも相違点1又は相違点2を有するものであるから、甲第1号証に記載された発明ではない。
(1-5)本件訂正発明10、11について
本件訂正発明10及び11は、本件訂正発明3をそれぞれ方法及びプログラムの発明としたものであり、上記(1-1)と同様の理由により、甲第1号証に記載された発明ではない。
(2)甲2発明に対する新規性について
(2-1)本件訂正発明3について
本件訂正発明3と甲2発明を対比する。
甲2発明の「欠陥検出部41」は、基板9の撮像画像における欠陥を検出するものであり、本件訂正発明3の「検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部」に相当する。
甲2発明の「特徴量算出部323」は、画像セットデータ82に含まれる欠陥画像から分類器324において利用される特徴量を取得するものであり、本件訂正発明3の「前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部」に相当する。
甲2発明は、複数の分類器324により、対象画像に対する複数の設定属性項目における分類結果が個別に取得されるものである。ここで、各分類器324において利用される特徴量は、単一の値のみを有するものであってもよく、この場合に、当該分類器324の学習により、if-thenルールの条件(閾値)が決定されてもよいとされており、また、少なくとも1つの設定属性項目に関する分類器324では、複数の特徴量が利用され、分類器324を構築する方法(学習アルゴリズム)または機構としては、ニューラルネットワーク等が採用可能であるとされている。
ニューラルネットワークの学習方法としてディープラーニングは一般的なものであるから、前記ニューラルネットワークにより構築された少なくとも1つの設定属性項目に関する分類器324は、本件訂正発明3の「ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部」に相当する。
甲2発明は、上記複数の分類器324が、上記ニューラルネットワークにより構築された少なくとも1つの設定属性項目に関する分類器324(ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部)、及び、上記単一の値のみを有する特徴量について閾値を条件とするif-thenルールにより構築された分類器324を含んでもよいものであり、分類制御部322が、全ての分類器324による分類結果の組合せを、対象画像の欠陥クラス(最終分類結果)として扱うものである。
当該構成における前記対象画像の欠陥クラス(最終分類結果)は、上記「単一の値のみを有する特徴量について閾値を条件とするif-thenルールにより構築された分類器324」により、単一の値のみを有する特徴量が閾値と比較された結果が、上記「ニューラルネットワークにより構築された少なくとも1つの設定属性項目に関する分類器324」(ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部)の分類結果と組み合わされたものであり、本件訂正発明3の「複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループ」に相当する。
そうすると、甲2発明の上記「単一の値のみを有する特徴量について閾値を条件とするif-thenルールにより構築された分類器324」及び「分類制御部322」は、本件訂正発明3の「複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部」に相当するものといえる。
本件訂正発明3は、
「ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部」「を備え、
前記第2の分類部は、前記分類条件設定部により設定された分類条件に従って、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類し、
前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する、」
との構成を備えるのに対し、甲2発明は当該構成を備えていない点(以下「相違点3」という。)で、両者は相違する。
甲2発明の「検査・分類装置1」は、欠陥を分類するものであり、本件訂正発明3の「欠陥分類装置」に相当する。
以上から、本件訂正発明3は、甲2発明との間に相違点3を有するものであるから、甲第2号証に記載された発明ではない。
(2-2)本件訂正発明4について
本件訂正発明4は、本件訂正発明3の発明特定事項を全て含む発明であり、甲2発明との間に少なくとも相違点3を有するものであるから、甲第2号証に記載された発明ではない。
(2-3)本件訂正発明5について
本件訂正発明5と甲2発明を対比する。
本件訂正発明5における
「 検査対象が撮像された撮像画像から欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部により検出された前記欠陥の特徴量を計算する特徴量計算部と、
ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部と、
複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部と、を備え、」
「 欠陥分類装置」
は、本件訂正発明3と共通の構成であり、当該構成については、上記(2-1)に示したとおり、甲2発明が備えるものである。
本件訂正発明5は、
「 前記学習済みモデルは、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥が、予め定められた複数の種別のそれぞれに該当する確からしさを示すスコアを出力し、
前記第1の分類部は、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を、前記複数の種別のうちの、前記学習済みモデルから出力されたスコアが最も高い種別に分類し、
前記第2の分類部は、前記複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部により分類された前記種別及び該種別に該当する確からしさを示す前記スコアを加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する」
との構成を備えるのに対し、甲2発明は当該構成を備えていない点(以下「相違点4」という。)で、両者は相違する。
以上から、本件訂正発明5は、甲2発明との間に相違点4を有するものであるから、甲第2号証に記載された発明ではない。
(2-4)本件訂正発明6~9について
本件訂正発明6~9は、本件訂正発明3の全ての発明特定事項又は本件訂正発明5の全ての発明特定事項を含む発明であり、甲2発明との間に少なくとも相違点3又は相違点4を有するものであるから、甲第2号証に記載された発明ではない。
(2-5)本件訂正発明10、11について
本件訂正発明10及び11は、本件訂正発明3をそれぞれ方法及びプログラムの発明としたものであり、上記(2-1)と同様の理由により、甲第2号証に記載された発明ではない。
2 特許法第29条第2項(進歩性)について
(1)甲1発明を主発明とした場合の進歩性について
(1-1)本件訂正発明3について
上記相違点1について検討する。
相違点1に係る本件訂正発明3の構成(「ユーザから受け付けた操作に従って、前記第2の分類部による前記欠陥の分類条件を設定する分類条件設定部を備え、前記分類条件設定部は、前記分類条件として、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果との両方に基づいて前記欠陥を分類するか、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類するか、を設定する」こと)は、甲第1号証~甲第3号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
なお、申立人は、特許異議申立書及び令和6年12月11日付け意見書において甲第1号証の【0051】には、「・再判定の処理は、例えば1次判定部7が実施してもよい。・再判定は、検査員が実施に見て確認する目視を含んでもよい。」との記載があり、「前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類する」ことが開示されている旨主張している。
しかしながら、甲1発明の再判定部14は、2次判定部13(第1の分類部)による欠陥の分類結果を基に、ルールベースの画像処理アルゴリズムPを用いて、1次判定で不良品と判定された管ガラス2の品質の良否を、再度判定するものであり、上記「・再判定の処理は、例えば1次判定部7が実施してもよい。」との記載は、再判定部14によるルールベースの画像処理アルゴリズムPを用いた再判定の処理を、同じくルールベースの画像処理アルゴリズムPを用いて判定する1次判定部7が実施してもよいことを示しているにすぎず、当該再度判定する処理内容自体は甲1発明のものと同じであるから、「前記特徴量計算部により計算された前記特徴量と前記第1の分類部による前記分類結果とのうちのいずれか一方のみに基づいて前記欠陥を分類する」ことは開示されていない。
また、「・再判定は、検査員が実施に(合議体において「実際に」の誤記と認めた。)見て確認する目視を含んでもよい。」との記載は、含むという用語の意味からして、ルールベースの画像処理アルゴリズムPを用いた再判定においてさらに目視による判定を行ってもよいと解することが相当である。
よって、申立人による上記主張は採用することができない。
以上から、本件訂正発明3は、甲1発明等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(1-2)本件訂正発明4について
本件訂正発明4は、本件訂正発明3の発明特定事項を全て含む発明であるから、上記(1-1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(1-3)本件訂正発明5について
上記相違点2について検討する。
甲第3号証の【0077】、【0084】、図7、図16には、欠陥分類部が複数の分類器をツリー状につなげた構成である場合の分類条件設定部における動作に関し、検査実行時には、検査条件に対応する分類条件に従って分類を行い、欠陥クラスとともにその信頼度、例えばその欠陥クラスのピュリティなど(分類条件設定時に算出しておく)の情報を付加しておき、検出された各欠陥について、複数の検査で付加された欠陥クラスの多数決あるいは信頼度重み付多数決で欠陥クラスを決定する技術(以下「甲3技術」という。)が記載されている。
しかしながら、甲3技術における信頼度は、欠陥分類部において欠陥クラスを信頼度重み付多数決により決定するために用いられるものであり、甲1発明に適用し得たとしても、2次判定部13(ディープラーニングにより学習された学習済みモデルを用いて、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第1の分類部)における分類結果を決定するためのスコアとして用いられるにとどまり、スコア自体で分類されないから、甲1発明の再判定部14(複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部)における欠陥のグループに対応する組み合わせの要素を構成するものにはならない。
また、相違点3に係る本件訂正発明5の構成は、甲第2号証において記載も示唆もされていない。
以上から、本件訂正発明5は、甲1発明及び甲3技術等から当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(1-4)本件訂正発明6~9について
本件訂正発明6~9は、本件訂正発明3の全ての発明特定事項又は本件訂正発明5の全ての発明特定事項を含む発明であるから、上記(1-1)又は(1-3)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(1-5)本件訂正発明10、11について
本件訂正発明10及び11は、本件訂正発明3をそれぞれ方法及びプログラムの発明としたものであり、上記(1-1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)甲2発明を主発明とした場合の進歩性について
(2-1)本件訂正発明3について
上記相違点3について検討する。
上記相違点3に係る本件訂正発明3の構成は、上記相違点1に係る本件訂正発明3の構成と同じであり、当該構成は上記(1-1)に示したとおり甲第1号証~甲第3号証のいずれにも記載も示唆もされていないから、本件訂正発明3は、甲2発明等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2-2)本件訂正発明4について
本件訂正発明4は、本件訂正発明3の発明特定事項を全て含む発明であるから、上記(2-1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2-3)本件訂正発明5について
上記相違点4について検討する。
甲2発明は、複数の設定属性項目(欠陥の色、欠陥の種類、欠陥の存在領域、欠陥のサイズ、欠陥表面の質感等)に関する分類をそれぞれ行う複数の分類器324が個別に構築されているものであり、甲3技術のように複数の分類器402の多数決により欠陥クラスを決定するものではないから、甲2発明において、信頼度重み付多数決に係る甲3技術を適用する動機付けはないといえる。
また、甲2発明の個別の分類器324における分類結果に、甲3技術の信頼度のみを単に付加し得たとしても、信頼度自体で分類されないから、甲2発明の「単一の値のみを有する特徴量について閾値を条件とするif-thenルールにより構築された分類器324」及び「分類制御部322」(複数のグループのうちの、前記特徴量計算部により計算された前記特徴量に前記第1の分類部による分類結果を加えた組み合わせが該当するグループに、前記欠陥検出部により検出された前記欠陥を分類する第2の分類部)における欠陥のグループに対応する組み合わせの要素を構成するものにはならない。
また、相違点4に係る本件訂正発明5の構成は、甲第1号証において記載も示唆もされていない。
以上から、本件訂正発明5は、甲2発明及び甲3技術等から当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2-4)本件訂正発明6~9について
本件訂正発明6~9は、本件訂正発明3の全ての発明特定事項又は本件訂正発明5の全ての発明特定事項を含む発明であるから、上記(2-1)又は(2-3)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2-5)本件訂正発明10、11について
本件訂正発明10及び11は、本件訂正発明3をそれぞれ方法及びプログラムの発明としたものであり、上記(2-1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第7 むすび
上記第6のとおり、請求項3~11に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に請求項3~11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
上記第2のとおり、本件特許の請求項1、2に係る発明は、訂正により削除された。これにより、本件特許の請求項1、2に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700528