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特許異議申立

2024-700311

無人販売システムの決済方法

審判番号
2024-700311
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-107604
登録番号
7372022
請求日
2024年04月03日
審決日
2024年06月28日
公報発行日
2024年08月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】アサヒ飲料株式会社
  • 【権利者代理人】大上 寛
  • 【異議申立人】岩田 裕美
審判長/審判官
  • 審判長 山澤 宏
  • 審判官 北元 健太
  • 審判官 富澤 哲生
分類
P1651.121-Y (G07F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7372022号発明「無人販売システムの決済方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7372022号の請求項1-16に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7372022号(以下「本件特許」という。)の請求項1-16に係る特許についての出願は、令和5年6月29日に出願され、同年10月23日にその特許権の設定登録がされ、同年10月31日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、特許異議申立人 岩田裕美(以下「申立人」という。)は、令和6年4月3日に特許異議の申立てを行った。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1-16に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」-「本件特許発明16」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1-16に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「 【請求項1】 自動販売機の筐体に設けた外扉を開けずに、用紙補充が可能な印刷手段を備えた自動販売機の決済方法であって、 決済手段として、 自動販売機に投入された硬貨を用いた決済の処理手段、自動販売機に投入された紙幣を用いた決済の処理手段、電子マネーカードを用いた決済の処理手段、クレジットカードを用いた決済の処理手段、スマートフォンのアプリ決済の処理手段、スマートフォンとの通信機能を利用した決済手段、デビットカードによる決済の処理手段、画像コードによる決済の処理手段、電子的機能を有する決裁手段、決済許可カードよる決済手段、決済許可コインによる決済手段のいずれか1種又は2種以上の決済手段を用いるものであり、 前記自動販売機は、 ユーザーが選択できる複数の選択候補を提示する提示手段と、 複数の選択候補のうちの一つを選択するための少なくとも一つの選択手段と、 選択手段で選択された選択候補の代金を決済するための前記決済手段と、 物品を収容するとともに当該物品が選択された場合に物品を払い出すための払出手段と、 選択候補が印刷物である場合に印刷物を印刷するための印刷手段と、 少なくとも用紙に印刷する印刷情報を含む情報を取得する機能を有する情報取得手段と、 選択手段と、決済手段と、払出手段と、情報取得手段とに接続される制御手段と、を有し、 提示手段と、選択手段と、決済手段と、払出手段と、印刷手段と、情報取得手段と、制御手段と、が一つの自動販売機に備えられるものであり、 印刷手段は、自動販売機の筐体に設けた外扉の前面に設けられ、 印刷手段の用紙は、前記外扉を閉じたまま補充可能に構成され、 前記印刷手段から印刷された印刷物が、決済手段により決済が完了した結果物としての証票であり、かつ、役務の提供及び/又は商品との交換のための証票である、 ことを特徴とする、自動販売機の決済方法。 【請求項2】 前記提示手段は、選択候補として物品、及び/又は、印刷物の内容を提示可能であり、 前記選択手段は、複数の選択候補のうちの一つをそれぞれ選択するためのものである、 ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項3】 印刷手段に対する印刷指示は、制御手段から無線及び/又は有線により送信可能とする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項4】 印刷手段への給電は、自動販売機からの給電である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項5】 印刷手段が情報取得手段の機能を備える、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項6】 情報取得手段は、少なくとも、印刷情報を、通信及び/又は記録媒体を介して取得可能とする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項7】 情報取得手段は、少なくとも、決済情報及び/又は関連付情報を、通信又は記録媒体を介して取得可能とし、 決済情報は、各選択候補の代金であり、 関連付情報は、各選択手段と各選択候補とを関連付けるための情報である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項8】 印刷手段は、印字部と、用紙を収容し供給するための用紙供給部を有し、 印刷手段は、用紙補充時に用紙供給部での用紙補充を可能とする機能を有する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項9】 印刷手段は、印字部と、用紙を収容し供給するための用紙供給部を有し、 印刷手段は、用紙補充時に用紙供給部を開放して用紙補充を可能とするために開閉するカバーを有する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項10】 印刷手段は、印字部と、用紙を収容し供給するための用紙供給部を有し、 印刷手段は、用紙補充時に用紙供給部を開放して用紙補充を可能とするために開閉するカバーを有し、カバーは用紙補充時に下方向から、上方向に開けられる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項11】 印刷手段は、印字部と、用紙を収容し供給するための用紙供給部を有し、 印刷手段は、用紙補充時に用紙供給部を開放して用紙補充を可能とするために開閉するカバーを有し、カバーは用紙補充時に上方向から、下方向に開けられる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項12】 印刷手段は、印字部と、用紙を収容し供給するための用紙供給部を有し、 印刷手段は、用紙補充時に用紙供給部を開放して用紙補充を可能とするために開閉するカバーを有し、カバーは用紙補充時に水平方向に開けられる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項13】 印刷手段は、印字部と、用紙を収容し供給するための用紙供給部を有し、 印刷手段は、用紙補充時に用紙供給部を開放して用紙補充を可能とするために開閉するカバーを有し、カバーは用紙補充時にスライド方式で開けられる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項14】 印刷手段に供給する用紙がロール形状である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項15】 自動販売機は屋内に設置される、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。 【請求項16】 印刷手段は、印刷手段のカバーの開閉を規制する施錠機能、及び/又は、カバー内への浸水を防止する防水機能を有する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の決済方法。」 第3 申立理由の概要 1 申立理由(進歩性欠如) 申立人は、主たる証拠として甲第2号証及び従たる証拠として甲第3-4号証を提出し、本件特許発明1-16は、甲第2号証に記載された主引用発明、甲第3号証に記載された副引用発明1、甲第4号証に記載された副引用発明2及び周知技術に基づいて、本件特許についての出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1-16に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって取り消すべきものである旨主張する。 2 証拠 甲第1号証 特許第7372022号公報(本件特許の特許掲載公報) 甲第2号証 特開2015-5073号公報 甲第3号証 特開2001-307220号公報 甲第4号証 特開平2-21395号公報 第4 甲第2-4号証の記載 1 甲第2号証の記載事項及び甲2発明 (1)甲第2号証 甲第2号証には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。 ア 「【0025】 [第1実施形態] 図1は、本発明の好適な一実施形態に係る募金装置が装着された自動販売機を示す図、図2は、募金装置の前面の拡大図、図3は、募金装置と募金装置が装着される自動販売機の構成を示す機能ブロック図、図4は、既設の自動販売機と本実施形態の接続部との接続を示した図である。 【0026】 先ず、図1を参照して、自動販売機40の外観について説明する。自動販売機40の前面には、本実施形態の募金装置10が装着される広告スペース42、商品展示室43、商品展示室43に展示される商品見本44、各商品の価格表示45、商品選択部としての複数の商品選択ボタン72a、硬貨を投入する硬貨入金口61a、紙幣を挿入する紙幣入金口62a、入金された金額や釣銭等を表示する金額表示部71、釣銭等を返却させる返却レバー63a、釣銭等が返却される返金口63b、商品が搬出される搬出口46、外部機器と情報の送受信を行う通信部76、盲蓋64等が備えられる。また、自動販売機40の内部には、商品の冷却加温をする冷凍加温機構、商品を保管する複数のコラム、商品の販売時に商品を搬出口46に搬出する搬出ユニット等が備えられている。 【0027】 次に、図3を参照して、自動販売機40の構成と機能を説明する。自動販売機40は、自動販売機の制御部としての販売制御部51、貨幣選別部60、金額表示部71、商品選択部72、リモコン73、冷却加温機構74、搬出ユニット75、通信部76を備える。なお、この図では募金装置10が装着されており、販売制御部51及び貨幣選別部60は、募金装置10の接続部20に接続されているが、募金装置10が装着されていない状態では、破線で示すように販売制御部51と貨幣選別部60は直接接続される。 【0028】 貨幣選別部60は、硬貨選別部61、紙幣選別部62、釣銭機構63を備え、硬貨や紙幣が投入されると、それらの種別を識別し、投入された金額を電気的な信号で、接続部20を介して販売制御部51に送信する。そして、商品が販売された後は、販売制御部51から接続部20を介しての命令に応じて、販売した金額を徴収し、必要に応じて釣銭を返却する。 【0029】 販売制御部51は、CPU及び制御プログラム等から実現されるもので、自動販売機40の動作に必要な各種処理を単独で、又は接続された他の機器と協働して行う。また、販売制御部51は、さらにその内部に金銭処理部52、集計部53、メモリ54を備える。 【0030】 金銭処理部52は、貨幣選別部60から接続部20を介して貨幣が投入された電気的な信号を受信すると、投入された金額と商品の価格とを比較する。そして、投入された金額が商品の価格以上であるときは、商品選択部72を構成する複数の商品選択ボタン72aを点灯させる等して、商品の購入が可能なことを購入者に知らせ、商品の購入を促す。そして、商品が販売された後は、接続部20を介して貨幣選別部60に販売した金額を徴収させる。 【0031】 集計部53は、商品毎の売上高等を集計し、メモリ54と協働して記憶する。また、メモリ54は、半導体記憶装置等からなり、制御プログラム、各種設定された商品の価格、及び自動販売機40の動作に必要なその他のデータを記憶する。 【0032】 金額表示部71は、複数の7セグメントLEDディスプレイを備え、貨幣選別部60に投入された貨幣の金額、又は釣銭を表示する。 【0033】 商品選択部72は、商品の種類毎に設けられた複数の商品選択ボタン72aを備え、購入者が所望の商品選択ボタン72aを操作することで、当該商品が選択されたことを販売制御部51に知らせ、当該商品を販売する。また、既に述べたように、商品選択ボタン72aに内蔵されたランプを点灯することで商品が販売可能であることを購入者に知らせ、また、商品が売り切れのときは、売り切れランプを点灯し、その旨を購入者に知らせる。 【0034】 リモコン73は、販売制御部51を介して商品の価格、商品の保管温度等の自動販売機40に係る各種の設定を行うとともに、冷却加温機構74、搬出ユニット75、貨幣選別部60等の各部の手動操作を行うことができる。 【0035】 冷却加温機構74は、冷凍機、加温機、温度センサ等を備え、販売制御部51から制御されることにより、コラムに保管された商品を設定された温度に保つ。 【0036】 搬出ユニット75は、貨幣選別部60に貨幣が投入された後、商品選択部72が操作されたとき、すなわち、商品が販売されたときに、該当する商品が保管されているコラムから、必要な数(通常は1本)の商品を、搬出口46に搬出する。 【0037】 通信部76は、メモリ54に記憶された売上金額等の販売情報等のデータを、赤外線通信等で自動販売機40の自販機管理者等が操作する携帯端末と送受信する。 【0038】 次に、図1及び図2を参照して、本実施形態の募金装置10の外観を説明する。図1に示すように、募金装置10は、飲料等を販売する自動販売機40の前面扉41の広告スペース42に装着されている。この広告スペース42には、通常、5~10cm程度の奥行きを有する空間があり、該空間に広告パネル、照明装置等が設けられている。募金装置10は、これらの広告パネル、照明装置等を撤去した後の空間に装着されるものである。装着する際の固定方法としては、広告パネルや照明装置等が固定されていたブラケット等を利用し、ボルト、ナット等を用いて固定することができる。 【0039】 なお、広告スペース42の寸法は、自動販売機40の種類により異なる場合があるが、募金装置10を、広告スペース42が小さい自動販売機用に製作しておき、広告スペース42が大きい自動販売機には、募金装置10の周囲にスペーサ等を設けることで、様々な自動販売機に対応させることができる。 【0040】 また、図2に示すように、募金装置10の前面部は、募金額等を表示する表示部21、音声データ等を出力する音声出力部としてのスピーカ22a、募金額を選択する募金額選択部としての募金額選択ボタン23a、募金先を選択する募金先選択部としての募金先選択ボタン24a、募金するか否かを最終的に確認する募金確認部としての決定ボタン25a及びキャンセルボタン25b、領収書を発行する領収書発行部としての領収書発行ボタン26a及び領収書発行口26b、募金額先毎の募金額等を自動販売機の自販機管理者等が操作する携帯端末と送受信する通信部27を備える。 【0041】 なお、本実施形態の募金装置10では、自動販売機40の前面扉41の広告スペース42に埋設させ、前面部のみが露出されているが、例えば、募金装置10に箱状の筐体を採用し、自動販売機40の前面扉41の空きスペースや側面等に、ネジ止め、両面テープ、磁石等を用いて設置することもできる。 【0042】 次に、図3、図4を参照して、本実施形態の募金装置10の構成と機能を説明する。募金装置10は、募金装置の制御部としての募金制御部11、接続部20、表示部21、音声出力部22、募金額選択部23、募金先選択部24、募金確認部25、領収書発行部26、通信部27、リモコン28を備える。 【0043】 募金制御部11は、CPU及び制御プログラム等から実現されるもので、募金装置10の動作に必要な各種処理を単独で、又は接続された他の機器と協働して行う。また、募金制御部11は、さらにその内部に金銭処理部12、集計部13、メモリ14等を備える。 【0044】 金銭処理部12は、貨幣選別部60に募金額選択部23で設定されている金額以上の貨幣が投入されたとき募金額選択部23を操作可能とし、募金額選択部23が操作されたとき操作された募金額選択部23に対応した金額を募金額として貨幣選別部60に徴収させる。 【0045】 集計部13は、募金先毎の募金額を集計し、メモリ14と協働して記憶する。また、メモリ14は、半導体記憶装置等からなり、制御プログラム、各種設定された募金額等、音声出力用データ、募金装置10の動作に必要な一時的なその他のデータを記憶する。 【0046】 接続部20は、図4(A)(B)にも示すように、募金制御部11と電気配線で接続された、メス形接点を有するコネクタC1と、オス形接点を有するコネクタC2とを備える。そして、コネクタC1が貨幣選別部60と電気配線で接続されたオス形接点を有するコネクタC3と接続され、さらに、コネクタC2が自動販売機40の販売制御部51と電気配線で接続されたメス形接点を有するメス形コネクタC4と接続される。このように、接続部20は貨幣選別部60を募金装置10と自動販売機40とで共有させる機能を有する。なお、オス形接点とメス形接点が入れ替わっても接続部20の機能に何ら問題はない。また、コネクタC3及びC4は、自動販売機40に元々設けられていたものであり、本実施形態の募金装置10が装着されていないときは、コネクタC3とコネクタC4が接続される。 【0047】 接続させる方法としては、図4(A)に示すように、貨幣選別部60からのコネクタC3を、募金制御部11からのコネクタC1に接続した上で、コネクタC1側で電気配線を並列に分岐させたコネクタC2を設け、コネクタC2と販売制御部51からのコネクタC4を接続し、貨幣選別部60に募金制御部11と販売制御部51とを並列に接続させる方法がある。 【0048】 また、他の方法として、図4(B)に示すように、予め、募金制御部11内にCPUと制御プログラム等で擬似的な販売制御部である架空販売制御部51aと、擬似的な貨幣選別部である架空貨幣選別部60aを構成しておく。そして、貨幣選別部60からのコネクタC3を、コネクタC1を介して架空販売制御部51aに接続する。さらに、販売制御部51からのコネクタC4を、コネクタC2を介して架空貨幣選別部60aに接続する方法がある。 【0049】 後者の方法の場合、架空販売制御部51aは販売制御部51と同様の電気信号の送受信を行い、架空貨幣選別部60aは貨幣選別部60と同様の電気信号の送受信を行うものである。例えば、貨幣選別部60に500円が投入されると、架空販売制御部51aが貨幣選別部60からの信号を受信する。そして、架空貨幣選別部60aから販売制御部51に500円が投入された旨の信号が送信され、自動販売機40での商品の販売が可能となる。また、係る状態で、120円の商品が販売された場合、販売制御部51から架空貨幣選別部60aに対して120円を徴収する旨の信号が送信される。すると、架空販売制御部51aは、貨幣選別部60に対して120円を徴収する旨の信号を送信する。さらに、この場合、380円の釣銭が発生するため、該釣銭情報が架空販売制御部51a、架空貨幣選別部60aを介して販売制御部51に送信される。なお、架空販売制御部51a及び架空貨幣選別部60aは、募金制御部11内の金銭処理部12や集計部13、メモリ14等とも、必要に応じて信号の送受信をしていることはいうまでもない。 【0050】 表示部21は、複数の7セグメントLEDディスプレイを備え、貨幣選別部60に投入された金額や募金額選択部23により選択された募金額等を表示させることができる。また、表示部21として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等、他の表示デバイスを採用することもできる。表示部21に、液晶ディスプレー等を採用したときは、例えば、募金を呼びかける広告コンテンツを表示させることもできる。 【0051】 音声出力部22は、スピーカ22aを備え、募金を呼びかける音声メッセージを流すことや、募金装置10の操作方法を説明すること、及び募金された後のお礼メッセージを発すること等をすることができる。 【0052】 募金額選択部23は、それぞれ異なる金額が設定された複数の募金額選択ボタン23aを備える。それぞれの金額は、例えば、10円、100円、全額というように設定され、10円及び100円ボタンは複数回操作されることで、設定金額に操作回数を乗じた募金額が選択される。また、全額ボタンが操作されたときは、貨幣選別部60に投入された貨幣、又は釣銭の全てが募金額として選択される。 【0053】 募金先選択部24は、それぞれ異なる募金先に設定された複数の募金先選択ボタン24aを備える。募金者は、任意の募金先選択ボタン24aを操作することにより、希望する募金先に募金をすることができる。なお、複数の募金先選択ボタン24aが操作された場合、最後に操作された募金先選択ボタン24aのみが有効となる。 【0054】 募金確認部25は、決定ボタン25aとキャンセルボタン25bとを備え、募金額選択部23と募金先選択部24とで募金額と募金先が選択された後、募金を本当にしてもよいかの確認をすることができる。募金者が、募金をしてもよいと判断したときは、決定ボタン25aを操作することで選択された募金額が貨幣選別部60により徴収される。一方、募金を取りやめたいと考えたときは、キャンセルボタン25bを操作することで、これまでの操作により選択された募金額と募金先がキャンセルされる。 【0055】 領収書発行部26は、ロール紙収納部、プリンタ、カッター、領収書発行ボタン26aを備え、募金がなされた前後に、募金者が領収書発行ボタン26aを操作することにより、募金をした証明として領収書を発行する。なお、このとき、音声出力部22等で領収書の発行の案内をすることもできる。 【0056】 通信部27は、赤外線送受信機を備え、集計部13によって募金先毎に募金された募金額のデータを、自動販売機40の自販機管理者が操作する携帯端末等に送信することができる。また、赤外線送受信機に限られず、無線LANや有線による接続であってもよい。 【0057】 リモコン28は、募金選択部の金額設定、募金先の設定等に使用される。なお、設定を変更するとき以外は必須の構成ではなく、募金装置10の装着スペースを節約するため、通常は取り外しておくこともできる。」 イ 「【図1】 [図:0001413369000001.jpg] 」 ウ 「【図2】 [図:0001413369000002.jpg] 」 エ 「【図3】 [図:0001413369000003.jpg] 」 オ 「【図4】 [図:0001413369000004.jpg] 」 カ 上記エから、販売制御部51は、商品選択部72及び搬出ユニット75と接続され、接続部20を介して貨幣選別部60と接続され、募金制御部11及び接続部20を介してリモコン28と接続されていることが見て取れる。 キ 上記アの段落【0028】等の記載から、甲第2号証は、販売した金額を徴収する方法を開示するものといえる。 (2)甲2発明 上記(1)から、甲第2号証には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 「前面に商品展示室43が備えられ、 自動販売機の制御部としての販売制御部51、貨幣選別部60、商品選択部72、搬出ユニット75を備え、販売制御部51及び貨幣選別部60は、募金装置10の接続部20に接続され、 貨幣選別部60は、硬貨や紙幣が投入されると、投入された金額を販売制御部51に送信し、商品が販売された後は、販売制御部51から接続部20を介しての命令に応じて、販売した金額を徴収し、 販売制御部51は、自動販売機40の動作に必要な各種処理を単独で、又は接続された他の機器と協働して行い、販売制御部51は、金銭処理部52を備え、 金銭処理部52は、貨幣選別部60から貨幣が投入された電気的な信号を受信すると、投入された金額と商品の価格とを比較し、投入された金額が商品の価格以上であるときは、商品選択部72を構成する複数の商品選択ボタン72aを点灯させ、商品の購入が可能なことを購入者に知らせ、商品が販売された後は、貨幣選別部60に販売した金額を徴収させ、 商品選択部72は、商品の種類毎に設けられた複数の商品選択ボタン72aを備え、購入者が所望の商品選択ボタン72aを操作することで、当該商品が選択されたことを販売制御部51に知らせ、 搬出ユニット75は、商品が販売されたときに、該当する商品が保管されているコラムから、商品を、搬出口46に搬出し、 募金装置10に箱状の筐体を採用し、自動販売機40の前面扉41の空きスペースに設置し、 募金装置10は、募金制御部11、接続部20、募金先選択部24、募金確認部25、領収書発行部26、リモコン28を備え、 募金先選択部24は、それぞれ異なる募金先に設定された複数の募金先選択ボタン24aを備え、募金者は、任意の募金先選択ボタン24aを操作することにより、希望する募金先に募金をすることができ、 募金確認部25は、決定ボタン25aを備え、募金先選択部24で募金先が選択された後、募金者が、決定ボタン25aを操作することで選択された募金額が貨幣選別部60により徴収され、 領収書発行部26は、ロール紙収納部、プリンタを備え、募金をした証明として領収書を発行し、 リモコン28は、募金選択部の募金先の設定等に使用され、 販売制御部51は、商品選択部72及び搬出ユニット75と接続され、接続部20を介して貨幣選別部60と接続され、募金制御部11及び接続部20を介してリモコン28と接続されている、 自動販売機40の販売した金額を徴収する方法。」 2 甲第3-4号証の記載事項 (1)甲第3号証 甲第3号証には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0008】図1は本発明の自動販売機のシステムの実施例を説明するための概要説明図である。 【0009】本発明は缶入飲料水、煙草等の自動販売機1に関するものであり、更に詳細には、従来の自動販売機1にインターネットと接続可能とするコンピュータ2を組込みインターネットの情報を販売する自動販売機のシステムに関するものであり、請求項1に記載の自動販売機のシステムは、商品を内蔵してコイン又は紙幣で代金を決済する決済手段を有した自動販売機1と、該自動販売機1にインターネットと接続可能に組込んだコンピュータ2と、該コンピュータ2を操作する操作パネル3と、該操作パネル3で操作して情報を表示させるディスプレー4と、該ディスプレー4に表示させた情報に基づいて料金決済を行うカードリーダ5とを備えたものである。 【0010】更に、請求項2に記載の自動販売機のシステムは、請求項1に記載の自動販売機のシステムにおいて、前記自動販売機1にディスプレー4に表示させた情報に基づいてプリントアウトするプリンター6を備えたものである。 【0011】即ち、本発明の自動販売機のシステムは、従来から汎用されている自動販売機1を用いて改良できるもので、単に内蔵されている商品を販売するだけでなく、インターネットに登録されている情報も併せて販売するものである。 【0012】そして、函状の自動販売機1の内側にインターネットと接続可能なコンピュータ2を組込むものであるが、その場所は、上方又は下方の適宜な空所、或いは、空所がない場合は、販売商品を若干少なくして空所を設ければ良いものであり、インターネットとの接続は電話回線を介した有線、又は、移動電話等の通信網を介した無線で行うものである。 【0013】次に、コンピュータ2を操作する操作パネル3はデスクトップ式のキーボードのような押圧釦を備えたものでも、タッチ式のタッチパネルのようなものでもコンピュータ2が操作できるものなら構わないものである。 【0014】次いで、ディスプレー4は液晶式のものでもブラウン管式のものでも構わないもので有るが、自動販売機1に取り付けるスペースの関係から液晶式のものが好適なものである。 【0015】そして、カードリーダー5は、クレジットカード、デビットカード、プリペードカードやキャッシュカード等の各種のカードによる代金決済を行えるものであり、カードを挿入することで現金に替わる決済をするものである。 【0016】更に、プリンター6は操作パネル3を操作してディスプレー4に表示させたチケット、切符等の情報の予約や代金決済の証明をするために必要事項をプリントアウトするものである。 【0017】本発明の自動販売機のシステムは、汎用されている自動販売機1の機能を持たせつつインターネットから情報を取り出して、その情報の取り出し料金、及び、情報の為の代金決済を自動販売機1に行わせるものである。 【0018】つまり、自動販売機1で販売されている商品を購入する場合は、コイン挿入口1aからコインを、又は、紙幣挿入口1bから紙幣を入れて、或いは、カードリーダ5にカードを挿入させて指定の商品の指定釦を押圧することにより、従来と同様に下方の商品取出口1cから取り出すものである。 【0019】そして、インターネットを使用するにはコイン挿入口1aからコインを、又は、紙幣挿入口1bから紙幣を入れて、或いは、カードリーダ5にカードを挿入させて、操作パネル3を操作することにより、インターネットの有する情報をディスプレー4に表示させるものであり、例えば、インターネット上で販売されている希望商品を指定することにより、代金決済されるものであり、希望商品は後送等の手段によって届けられるものである。 【0020】更には、インターネット上に広告を情報として持たせ、自動販売機1が使用されていないときは、広告の媒体としてディスプレー4を使用することも可能なものである。」 イ 「【図1】 [図:0001413369000005.jpg] 」 (2)甲第4号証 甲第4号証には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 第2頁右下欄第1行-第3頁右下欄第4行 「(へ)実施例 図面に従って本発明の実施例を説明すると、第1図は実施例としての自動販売機の要部構成を説明するブロック図、第2図は同自動販売機の前面接客部の要部構成を説明する斜視図である。 第1図において、(1)は販売制御部であり、第2図に示す自動販売機(2)の前面に配設された硬貨投入口(3)及び紙幣投入口(4)に連通した貨幣処理装置(5)からの貨幣種類毎の貨幣信号に基づき投入金額を演算し、第2図に示す金額表示部(6)に該投入金額を表示させるとともに、販売制御部(1)に設けられた商品データ記憶部(1a)に記憶された各商品種類毎の販売価格と前記投入金額とを比較し、販売可能な商品を決定する。 (7)は商品選択装置であり、第2図に示す宅配メニュー釦(8)と直販メニュー釦(9)とより構成され、前記販売制御部(1)に商品選択信号を出力する。 (10)はカード処理装置であり、第2図に示すカード投入口(11)より投入されたカードに記憶されたIDコードを読み取り、前記販売制御部(1)にIDコード信号を出力し、該IDコード信号を入力した前記販売制御部(1)は前記販売制御部(1)に設けられた顧客データ記憶部(1b)にあらかじめ入力されたIDコードデータと前記カード処理装置(10)により読み取られたIDコードとを前記販売制御部(1)に設けられた照合手段としての照合部(1c)により照合させる。該照合部(1c)はIDコードがIDコード入力手段としてのテンキー(12)により入力された場合もIDコードの照合を行い、更に該テンキー(12)により入力されたIDコードの照合結果が良と判定された後、前記テンキー(12)により暗照コードが入力されるが、前記顧客データ記憶部(1b)に各IDコードに対応した暗照コードも入力されており、前記照合部(1c)はIDコードと暗照コードとの照合も行う。 (13)は指定手段であり、商品を第2図に示す商品取出口(14)へと商品収納部(図示せず)より送出させ商品の受け渡しを行う直販と、自動販売機(2)の管理者が注文データに基づいて発注者室へ商品を届けることにより商品の受け渡しを行う宅配とを選択するための第2図に示す直販釦(15)及び宅配釦(16)とより構成される。 (17)は商品搬出機構であり、前記販売制御部(1)からの商品搬出信号に基づき、前記商品収納部(図示せず)の商品を前記商品取出口(14)へと搬出する。 (18)は表示部であり、第2図に示す前記金額表示部(6)、商品番号表示部(19)、商品数量表示部(20)及び宅配時間表示部(21)より構成きれ、前記販売制御部(1)の指令により各種販売情報を表示する。 (22)は音声合成ユニットであり、前記販売制御部(1)から指令に基づき、前記自動販売機(2)の利用者に音声により第2図に示すスピーカ一部(23)を介して前記自動販売機(2)の操作に必要な情報を伝達する。(24)はプリンターであり、前記販売制御部(1)に記憶された販売情報を出力し、第2図に示すシート取出口(25)に販売情報を印字したシートを送出する。 (26)は通信手段であり、前記販売制御部(1)に設けられた販売データ記憶部(1d)に記憶された注文データ及び直販データを前記自動販売機(1)の管理を行う管理センターに配置されたCPU(図示せず)に通信する。尚前記販売制御部(1)に設けられた判定手段としての判定部(1e)は、商品選択装置(7)への操作を前記照合部(lc)によるIDコードの照合結果、前記指定手段(13)への直販又は宅配の指定及び前記商品データ記憶部(1a)に記憶された商品データに基づき直販又は宅配の判定を行う。以上が第1図に示すブロック図の構成の説明である。 また第2図に示す前記自動販売機(2)の前面にはサンプル商品(27)…(27)を展示した展示部(28)が設けられている。そして該サンプル商品(27)…(27)毎に商品番号、商品名称及び商品価格を表示したラベル(28)…(28)が対応して展示されている。その他商品及びシートの搬出を各々報知する商品搬出ランプ(29)及びシート搬出ランプ(30)、注文の終了を入力する注文終了釦(31)、投入した貨幣を返却させる返却レバー(32)、注文の取り消しを入力する取り消し釦(33)、硬貨返却口(34)が各々前記自動販売機(2)の前面に配設されている。」 イ 「第1図 [図:0001413369000006.jpg] 」 ウ 「第2図 [図:0001413369000007.jpg] 」 第5 当審の判断 1 本件特許発明1について (1)対比 本件特許発明1と甲2発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 甲2発明の「自動販売機40」は、本件特許発明1の「自動販売機」に相当する。 甲2発明の「自動販売機40の前面扉41」は、本件特許発明1の「自動販売機の筐体に設けた外扉」に相当する。 甲2発明の「領収書発行部26」は、「ロール紙収納部、プリンタを備え」るものであり、ロール紙が交換により補充可能であること及びプリンタが印刷を行うものであることは技術常識であるから、本件特許発明1の「用紙補充が可能な印刷手段」に相当する。 甲2発明における「募金装置10」を「自動販売機40の前面扉41の空きスペースに設置」することは、「募金装置10」が「領収書発行部26」「を備え」ることに鑑みれば、「領収書発行部26」を「自動販売機40の前面扉41の空きスペースに設置」することを含むから、本件特許発明1における「自動販売機」に「用紙補充が可能な印刷手段を備え」ることに相当する。 してみれば、甲2発明における「自動販売機40の販売した金額を徴収する方法」は、本件特許発明1の「自動販売機の決済方法」と、「自動販売機」が「自動販売機の筐体に設けた外扉」及び「用紙補充が可能な印刷手段」を備える点で共通する。 イ 甲2発明における「硬貨や紙幣が投入されると」「商品が販売された後」に「販売した金額を徴収」する「貨幣選別部60」は、本件特許発明1における「自動販売機に投入された硬貨を用いた決済の処理手段、自動販売機に投入された紙幣を用いた決済の処理手段」「のいずれか1種又は2種以上の決済手段を用いる」「決済手段」に相当する。 ウ 甲2発明の「商品展示室43」は、本件特許発明1の「ユーザーが選択できる複数の選択候補を提示する提示手段」に相当する。 エ 甲2発明の「商品選択部72」は、「商品の種類毎に設けられた複数の商品選択ボタン72aを備え、購入者が所望の商品選択ボタン72aを操作することで、当該商品が選択され」るようにしたものであるから、複数の選択候補のうちの一つを選択するための手段であるといえる。 甲2発明の「募金先選択部24」は、「それぞれ異なる募金先に設定された複数の募金先選択ボタン24aを備え、募金者は、任意の募金先選択ボタン24aを操作することにより、希望する募金先に募金をすることができ」るものであるから、複数の選択候補のうちの一つを選択するための手段であるといえる。 したがって、甲2発明における「商品選択部72」及び「募金先選択部24」からなる手段は、本件特許発明1の「複数の選択候補のうちの一つを選択するための少なくとも一つの選択手段」に相当する。 オ 甲2発明の「貨幣選別部60」は、「商品選択部72を構成する複数の商品選択ボタン72aを点灯させ、商品の購入が可能なことを購入者に知らせ、商品が販売された後」に「販売した金額を徴収」するものであるから、上記イ及びエを踏まえると、本件特許発明1の「選択手段で選択された選択候補の代金を決済するための前記決済手段」に相当する。 カ 甲2発明の「商品が保管されているコラム」は、本件特許発明1における「物品を収容」する手段に相当する。 甲2発明における「商品が販売されたとき」は、本件特許発明1における「物品が選択された場合」に相当する。 甲2発明における「商品を、搬出口46に搬出」することは、本件特許発明1における「物品を払い出す」ことに相当する。 したがって、甲2発明における「商品が保管されているコラム」及び「搬出ユニット75」からなる手段は、本件特許発明1の「物品を収容するとともに当該物品が選択された場合に物品を払い出すための払出手段」に相当する。 キ 甲2発明の「領収書発行部26」は、上記アを踏まえると、本件特許発明1の「印刷物を印刷するための印刷手段」に相当する。 してみれば、甲2発明の「領収書発行部26」は、「募金をした証明として領収書を発行」するものであり、「募金先選択部24」の「募金先選択ボタン24aを操作することにより、希望する募金先に募金をすることができ」ること及び上記エを踏まえると、本件特許発明1の「選択候補が印刷物である場合に印刷物を印刷するための印刷手段」と、「選択候補」が印刷を要する物「である場合に印刷物を印刷するための印刷手段」である点で共通する。 ク 甲2発明の「リモコン28」は、「募金選択部の募金先の設定等に使用され」るものであり、設定に使用される情報を取得しているといえるから、本件特許発明1の「少なくとも用紙に印刷する印刷情報を含む情報を取得する機能を有する情報取得手段」と、「情報を取得する機能を有する情報取得手段」である点で共通する。 ケ 甲2発明の「販売制御部51」は、「商品選択部72及び搬出ユニット75と接続され、接続部20を介して貨幣選別部60と接続され、募金制御部11及び接続部20を介してリモコン28と接続されている」から、上記イ、エ-カ及びクを踏まえると、本件特許発明1の「選択手段と、決済手段と、払出手段と、情報取得手段とに接続される制御手段」に相当する。 コ 上記イ-ケを踏まえると、甲2発明における「自動販売機40」が、「商品展示室43が備えられ」、「販売制御部51、貨幣選別部60、商品選択部72、搬出ユニット75を備え」、「募金先選択部24、」「領収書発行部26、リモコン28を備え」る「募金装置10」を「前面扉41の空きスペースに設置」したものであることは、本件特許発明1における「提示手段と、選択手段と、決済手段と、払出手段と、印刷手段と、情報取得手段と、制御手段と、が一つの自動販売機に備えられる」ことに相当する。 サ 上記ア及びキを踏まえると、甲2発明における「募金装置10」を「自動販売機40の前面扉41の空きスペースに設置」することは、本件特許発明1における「印刷手段は、自動販売機の筐体に設けた外扉の前面に設けられ、印刷手段の用紙は、前記外扉を閉じたまま補充可能に構成され」ることと、「印刷手段は、自動販売機の筐体に設けた外扉の前面に設けられ、印刷手段の用紙は、」「補充可能に構成され」る点で共通する。 シ 上記キを踏まえると、甲2発明における「領収書発行部26」が「募金をした証明として領収書を発行」することは、本件特許発明1における「前記印刷手段から印刷された印刷物が、決済手段により決済が完了した結果物としての証票であり、かつ、役務の提供及び/又は商品との交換のための証票である」ことと、「前記印刷手段から印刷された印刷物が」「決済が完了した結果物としての証票であ」る点で共通する。 (2)一致点及び相違点 上記(1)から、本件特許発明1と甲2発明との間には、次のアのとおりの一致点及び次のイ-オのとおりの相違点があるといえる。 ア 一致点 「自動販売機の筐体に設けた外扉と、用紙補充が可能な印刷手段を備えた自動販売機の決済方法であって、 決済手段として、 自動販売機に投入された硬貨を用いた決済の処理手段、自動販売機に投入された紙幣を用いた決済の処理手段のいずれか1種又は2種以上の決済手段を用いるものであり、 前記自動販売機は、 ユーザーが選択できる複数の選択候補を提示する提示手段と、 複数の選択候補のうちの一つを選択するための少なくとも一つの選択手段と、 選択手段で選択された選択候補の代金を決済するための前記決済手段と、 物品を収容するとともに当該物品が選択された場合に物品を払い出すための払出手段と、 選択候補が印刷を要する物である場合に印刷物を印刷するための印刷手段と、 情報を取得する機能を有する情報取得手段と、 選択手段と、決済手段と、払出手段と、情報取得手段とに接続される制御手段と、を有し、 提示手段と、選択手段と、決済手段と、払出手段と、印刷手段と、情報取得手段と、制御手段と、が一つの自動販売機に備えられるものであり、 印刷手段は、自動販売機の筐体に設けた外扉の前面に設けられ、 印刷手段の用紙は、補充可能に構成され、 前記印刷手段から印刷された印刷物が、決済が完了した結果物としての証票である、 ことを特徴とする、自動販売機の決済方法。」 イ 相違点1 本件特許発明1では、自動販売機の筐体に設けた外扉を閉じたまま開けずに印刷手段の用紙を補充可能であるのに対し、甲2発明では、自動販売機40の前面扉41を閉じたまま開けずにロール紙を補充可能であることが特定されていない点。 ウ 相違点2 本件特許発明1では、印刷手段が印刷物を印刷するのが、選択候補が印刷物である場合であるのに対し、甲2発明では、領収書発行部26が領収書を発行するのが、募金先を選択した場合である点。 エ 相違点3 本件特許発明1では、情報取得手段が少なくとも用紙に印刷する印刷情報を含む情報を取得するのに対し、甲2発明では、リモコン28が領収書に印刷する情報を含む情報を取得することが特定されていない点。 オ 相違点4 本件特許発明1では、印刷手段から印刷された印刷物が、代金を決済するための決済手段により決済が完了した結果物としての証票であるのに対し、甲2発明では、領収書発行部26が発行した領収書が、募金をした証明であって代金の決済が完了した結果物としての証票ではない点。 カ 相違点5 本件特許発明1では、印刷手段から印刷された印刷物が、役務の提供及び/又は商品との交換のための証票であるのに対し、甲2発明では、領収書発行部26が発行した領収書が、役務の提供及び/又は商品との交換のための証票ではない点。 (3)判断 事案に鑑みて、相違点2及び4について先に判断する。 ア 甲第3号証には、上記第4 2(1)に摘記したとおり、インターネット上で販売されている希望商品を指定することにより代金決済する自動販売機のシステムにおいて、自動販売機1が備えるプリンター6が、チケット、切符等の情報の予約や代金決済の証明をするために必要事項をプリントアウトすることが記載されており、指定した希望商品がチケット、切符等の印刷物である場合にその代金決済の証明をするための必要事項を印刷物として印刷することが記載されていると認められる。 イ しかしながら、甲2発明が「既設の自動販売機に着脱可能とし、自動販売機の交換をせずとも自動販売機に募金機能を付加し、また、必要に応じて自動販売機から募金機能のみを撤去することができる募金装置を提供すること」を課題とする(甲第2号証段落【0009】)のに対し、甲第3号証に記載の発明は「自動販売機に付加価値を付けて利潤を上げる自動販売機のシステムを提供する」ことを課題とする(甲第3号証段落【0006】)ものであって、両者の課題は自動販売機に機能を付加する点で共通するにとどまり、機能の付加に当たって解決しようとする具体的な課題において共通するものではないから、甲2発明に甲第3号証に記載の発明を適用する動機付けがあるとはいえない。 ウ さらに、甲第3号証に記載の発明は、チケット、切符等の代金決済の証明をするための必要事項を自動販売機1が備えるプリンター6がプリントアウトするものであるから、仮に甲2発明に甲第3号証に記載の発明を適用したとしても、自動販売機40に設置された募金装置10が備える領収書発行部26にチケット、切符等の代金決済の証明をするための必要事項のプリントアウトを行わせる構成には至らない。 エ したがって、甲第3号証の記載を踏まえても、相違点2及び4に係る構成は、当業者が容易に想到し得たものでない。 オ そして、以上の点は、甲第4号証の記載や、何らかの周知技術によって左右されるものではない。 カ よって、相違点1,3及び5について判断するまでもなく、本件特許発明1は、当業者であっても、甲2発明、甲第3-4号証に記載の発明及び周知技術に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 2 本件特許発明2-16について 本件特許発明2-16は、いずれも本件特許発明1を減縮したものであり、本件特許発明1と同一の構成を備えるものであるから、本件特許発明1と同じ理由により、当業者であっても、甲2発明、甲第3-4号証に記載の発明及び周知技術に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1-16に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1-16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700311

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