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特許異議申立

2024-700282

遊技機

審判番号
2024-700282
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-117741
登録番号
7404312
請求日
2024年03月28日
審決日
2024年09月25日
公報発行日
2024年10月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社三共
  • 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人平木国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 長井 真一
  • 審判官 澤田 真治
  • 審判官 眞壁 隆一
分類
P1651.1 -Y (A63F) / P1651.536-Y (A63F) / P1651.537-Y (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項、特許法第36条第6項第1号、特許法第2条第1項、特許法第36条第4項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7404312号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7404312号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7404312号の請求項1に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和3年7月16日に出願した特願2021-117741であって、令和5年12月15日にその特許権の設定登録がされ、同年12月25日に特許掲載公報が発行された。 その後、その特許に対し、令和6年3月28日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされた。 第2 特許異議の申立てについて 1 本件特許発明 本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(なお、A等の符号は、当審にて分説するために付した。分説された本件特許発明の発明特定事項を、符号に基づき「特定事項A」等という。以下同様。)。 「【請求項1】 A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 演出を実行可能な演出実行手段を備え、 C 前記演出実行手段は、 D 有利状態に制御される旨の第1結果と、有利状態に制御されない旨の第2結果と、を報知可能な特定演出と、 E 前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出と、 F 前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出と、を実行可能であり、 G 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様と、を含み、 H 前記報知後演出として、第1報知後演出と、第2報知後演出と、を含み、 I 前記演出実行手段は、 J 前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 K 前記第1報知後演出又は前記第2報知後演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であり、 L 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、 M ことを特徴とする遊技機。」 2 特許異議申立ての理由の概要 申立人は、特許異議申立書(以下「異議申立書」という。)において、本件特許に対し、次の理由を申し立てている。 (1)申立ての理由1(特許法第29条第1項柱書)、理由2(同法第36条第4項第1号)、理由4(同法第36条第6項第2号) 本件特許発明は、自然法則を利用していないもの、技術的思想でないものであるから、特許法第2条第1項に規定する「発明」に該当するものではなく、本件特許は、特許法第29条第1項柱書の規定に違反してなされたものである。 また、本件特許発明は、発明の詳細な説明に、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 さらに、本件特許発明は、明確ではない。 よって、本件特許は、同法第113条第2号又は第4号の規定に該当し、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきである。 (2)申立ての理由3(特許法第36条第6項第1号) 本件特許発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。 よって、本件特許は、同法第113条第4号の規定に該当し、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 申立ての理由1(特許法第29条第1項柱書) (1)特許法第29条第1項柱書にいう「発明」の該当性について 特許法第29条第1項柱書(以下「同法29条1項柱書」と略す。)は「産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。」と定め、その前提となる「発明」については同法第2条第1項(以下「同法2条1項」と略す。)が「この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と定めている。 そうすると、本件特許発明が、ア 産業上利用できる発明ではない場合、イ 自然法則を利用した発明でない場合、ウ 技術的思想の創作となる発明でない場合、エ 技術的思想の創作のうち高度なものでない場合、のいずれかに該当するときは、同法29条1項柱書にいう「発明」に該当しないことになるところ、上記第2の2(1)によれば、申立人は、前記イ又はウの場合に該当することを理由に、本件特許発明は、同法29条1項柱書にいう「発明」に該当しないという旨申し立てているから、以下、この点について検討する。 請求項に記載された特許を受けようとする発明が、同法2条1項に規定する「発明」といえるか否かは、それが、特許請求の範囲の記載や願書に添付した明細書の記載及び図面に開示された、「特許を受けようとする発明」が前提とする技術的課題、その課題を解決するための技術的手段の構成及びその構成から導かれる効果等の技術的意義に照らし、全体として「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かによって判断すべきものである(知財高裁令和2年6月18日判決、令和元年(行ケ)第10110号参照)。 そして、本件特許発明が、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関するものであることからみて、そこにおいて生じる一定の技術的課題を解決しようとしたものであり、それが全体として一定の技術的意義を有するのであれば、同発明は自然法則を利用した発明であり、かつ技術的思想の創作となる発明であると解することができる(知財高裁平成21年6月16日判決、平成20年(行ケ)第10279号参照)。 そこで、以下において、本件特許発明の技術的課題及び技術的意義の観点から、本件特許発明の発明該当性について検討する。 (2)本件特許発明の技術的課題について 本件特許発明が解決しようとする技術的課題は、本件特許の明細書に以下のとおり記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 リーチ中に実行される連打演出や隠しボタンの予告を実行する演出が開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照) ・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 リーチ演出中に表示物の態様を変化させて、期待度を示唆する演出を実行するものにおいて改良の余地があった。 【0005】 本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、リーチ演出中に所定表示が第2表示態様まで変化しているときは、有利状態に制御されやすい第2報知後演出が実行される割合が高いので、遊技者の興趣を向上させることを目的とする。」 以上によれば、本件特許発明は、遊技機において「リーチ中に実行される連打演出や隠しボタンの予告を実行する演出」(【0002】)という背景技術を前提として、「リーチ演出中に表示物の態様を変化させて、期待度を示唆する演出を実行するものにおいて改良の余地があった」(【0004】)ところ、「リーチ演出中に所定表示が第2表示態様まで変化」する際に「遊技者の興趣を向上させる」(【0005】)という課題、より詳細には、「特定演出中に所定表示が第2表示態様まで変化している」という特定の条件下において、「第2結果報知後に、なかなか見ることのできない第2報知後演出が実行される」ことによって「遊技者の興趣を向上させる」(【0847】)という技術的課題を解決しようとするものである。 (3)本件特許発明の技術的意義について 本件特許の明細書において、上記(2)の技術的課題を解決するための特定事項が【0006】に記載され、その技術的意義については【0921】、【0936】、【図10-14】及び【図10-27】を含め、次のように記載されている。 「【0006】 上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、演出を実行可能な演出実行手段を備え、 前記演出実行手段は、 有利状態に制御される旨の第1結果と、有利状態に制御されない旨の第2結果と、を報知可能な特定演出と、 前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出と、 前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出と、を実行可能であり、 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様と、を含み、 前記報知後演出として、第1報知後演出と、第2報知後演出と、を含み、 前記演出実行手段は、 前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 前記第1報知後演出又は前記第2報知後演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であり、 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、 ことを特徴とする。 上記目的を達成するため、他の遊技機は、 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、 有利状態に制御される旨の第1結果(例えば、図10-15等に示すバトルリーチの演出例において674SKY001の味方キャラクタ(夢夢)が、674SKY002の敵キャラクタ(ボインゴ)に勝利すること)と、有利状態に制御されない旨の第2結果(例えば、図10-15等に示すバトルリーチの演出例において674SKY001の味方キャラクタ(夢夢)が674SKY002の敵キャラクタ(ボインゴ)に敗北すること)と、を報知可能な特定演出を実行する特定演出実行手段(例えば、SPリーチ(バトルリーチまたはスーパーリーチ)を実行する演出制御用CPU120)と、 前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出を実行する報知後演出実行手段(例えば、674SKY032(a)の洞窟発見演出や、674SKY032(b)のリム出現演出を実行可能な演出制御用CPU120)と、 前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出(例えば、SPリーチ中に674SKY006(a)のメータが目盛りが段々と溜まっていく演出を実行可能な演出制御用CPU120)を実行可能な変化演出実行手段と、を備え、 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様(例えば、図10-24(C)に示すメータが7つ溜まっている状態)と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様(例えば、図10-27(C)に示すメータが14つ溜まっている状態)と、を含み、 前記報知後演出として、第1報知後演出(例えば、674SKY032(a)の洞窟発見演出)と、第2報知後演出(例えば、674SKY032(b)のリム出現演出)と、を含み、 前記報知後演出実行手段は、前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、(例えば、図10-24(C)に示すメータが7つ溜まっているときよりも、図10-27(C)に示すメータが14つ溜まっているときのほうが、はずれ結果表示後に、図10-14に示すように洞窟発見演出よりもリム出現演出を実行割合が高くなっていること) ことを特徴とする。」 「【0921】 (特徴部675SKYに関する説明) 次に、本実施の形態における特徴部675SKYのパチンコ機1について図10-24~図10-31にもとづいて説明する。特徴部675SKYの実施の形態における図10-24は、674SKY001のキャラクタと674SKY002のキャラクタのバトルリ-チが行われ、バトルリーチ中にメータ674SKY006(a)が、遊技者の動作(この場合にはボタン連打)が演出用ボタンに対して行われることによって表示態様を変化させていく演出が実行されていることを示している。なお、本実施の形態においてメータ674SKY006(a)(以下、「メータ」と称する)は遊技者の動作によって態様が変化していくものを示しているが、このようなものによらず例えば遊技者の動作に関連せず、演出上自動でメータ674SKY006(a)を変化させるような演出としてもよい。図10-24ではメータの目盛りが7つ溜まっている状態を示しており、ここでは最終的にキャラクタ674SKY001がキャラクタ674SKY002に負け「656」のはずれ結果が報知されているかたちでバトルリーチを一旦終えている。次いで図10-25は、図10-24の続きを示しており、バトルリーチにおけるはずれ結果が表示された後、アイキャッチ画像が表示され、飾り図柄が揺れている状態で、すなわち変動がまだ停止していないことを表している。本実施の形態においては、メータの目盛りが7つまで上がっている状態であれば、バトルリーチにおいてはずれ結果が表示された場合であってもバトルリーチ後に洞窟発見演出やリム出現演出(それぞれ請求項における報知後演出に相当)が実行されることが確定している状況となる。なお、洞窟発見演出が実行され場合にはこの洞窟発見演出が実行される直前においては、洞窟発見演出が実行されるか否かを煽る演出を実行するようになっている。図10-25(C)に示すように洞窟発見演出の演出画像の一部と通常変動中における演出画像の一部とを同一表示領域上に並べて表示し、いずれの画像が最終的に表示領域の全域に表示されるか煽る演出態様にて実行される。またリム出現演出が実行される場合には、洞窟発見演出のような煽り演出は特徴部675SKYの実施形態においては実行されないように構成されており、図10-28に示すように通常変動中の画面においてはずれ結果を構成する飾り図柄を表示しているときに、図柄の頭上にリムというキャラクタが出現する演出態様となっている。図10-24においてはメータの目盛りが7つまで上がっていることが示されているので、続きの図10-25に示すように洞窟発見演出が実行されるかを煽る演出を実行した後に洞窟発見演出が実行されている。図10-26は図10-25の続きであり、洞窟発見演出の演出態様について示したものである。洞窟発見演出においては大当りする場合とはずれとなる場合とを、宝箱の中身によって示唆する演出であり、宝箱の中身が宝であることが表示され、さらに「大当り」の文字が表示されたことによって当該変動が大当りであることを示し、宝箱の中身が宝でなくさらに「残念」の文字が表示されたことによって当該変動がはずれであることを示すといったことを表している。図10-27、10-28、10-29については(A)~(D)までは図10-24と同じような演出の流れであるが、大きく異なるのは、メータの目盛りが14つまで溜まっており、アイキャッチ画像の表示を経て、通常変動中の画面へ復帰後に実行される救済演出が異なっているところである。図10-14に示すようにメータの目盛りがどこまで溜まっているかにによって実行される救済演出(洞窟発見演出またはリム出現演出)の割合が異なるようになっている。図10-27においては前述したとおりメータの目盛りが14まで溜まっているので、図10-14に照らし合わせると、救済演出としてリム出現演出が最も実行されやすい状態であることを示している状況である。また、図10-28においては(C)、(D)に示すようにはずれの飾り図柄が仮停止しているときに、飾り図柄の上方へ視点が移動し、武器を持ったリムが出現する様子が示されている。その後の演出例を示す図10-29においては、出現したリムによって仮停止しているはずれ結果の飾り図柄が破壊され、当り結果の飾り図柄が表示されなおし、当りに制御されることを報知している様子が示されている。図10-30、図10-31は、バトルリーチ中に遊技者の動作があるにもかかわらずメータが変化しないが、洞窟発見演出が実行される様子を示す説明図である。図10-14に示すように、本実施の形態においては、メータの目盛りが全く溜まらない、つまりはゼロである場合には洞窟発見演出か、リム出現演出が実行されることが確定的となっている。そのため本来メータが溜まらずに遊技者が落胆するような状況を、興趣が低下しないようにすることができる。」 「【0933】 本実施例の形態においてバトルリーチ中において画像としてメータ(請求項における「所定表示」に相当)を表示し、目盛りを溜めていく演出態様としているが、これに限らず大当りに制御される期待度が視覚的にわかるように見せることができれば必ずしもメータである必要はなく、画面内(例えば表示領域の四辺の縁部分など)にエフェクト画像を表示しエフェクト画像の色をボタン押下に応じて段階的に変化させたり、遊技機の枠や盤面に設けられたLEDの発光色が青→緑→赤などにボタン押下に応じて順次変化してゆくなど、段階的に期待度が変化しているわかる概念の演出であればよい。」 「【0936】 図10-28(C)、図10-28(D)では、図10-28(B)の続きを示しており、まず「656」の飾り図柄の上方へ視点が移動する態様の映像が再生され、空が映し出され、銃器を持ったキャラクタが出現する。これはリム出現演出であり本実施の形態における洞窟発見演出とは異なる演出態様の救済演出の一つである。洞窟発見演出とは違い、リム出現演出は発生した時点で大当りとなることは確定する演出である。遊技者的には、救済演出が実行される場合にはどちらかと言えばリム出現演出が発生することを望む形で遊技を行う事となり、いずれの救済演出が実行されるかに注目させることができる。ここでリム出現演出において登場するキャラクタ「リム」は、この他の予告演出や、バトルリーチの実行中において登場した場合であっても大当りに制御される期待度が他のキャラクタが表示される場合よりも高い位置づけのキャラクタである。本実施の形態における遊技機には様々な味方キャラクタが予告演出やスーパーリーチ等において登場するような演出構成となっているが、このように特定のキャラクタを非常に期待度の高い位置づけとすることにより、遊技者に「リムが表示されたら期待度が高い」と、一定の演出ルールを認識させることができ、商品としての価値を高めることができる。」 「 [図:0001415314000001.jpg] 」 「 [図:0001415314000002.jpg] 」 以上によれば、本件特許発明は、 「G 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様と、を含み、 H 前記報知後演出として、第1報知後演出と、第2報知後演出と、を含み、 I 前記演出実行手段は、 J 前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 K 前記第1報知後演出又は前記第2報知後演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であ」るという特定事項を前提とすることで、【0933】に記載の「バトルリーチ中において画像としてメータ」「を表示し、目盛りを溜めていく演出態様とし」、「大当りに制御される期待度が視覚的にわかるように見せることができ」、「段階的に期待度が変化している」ことが「わかる」という効果を得つつ、 「L 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い」という技術的手段を採用することで、【0921】に記載の「メータの目盛りが14まで溜まっている」ときは「救済演出としてリム出現演出が最も実行されやすい状態であることを示している状況であ」り、【0936】に記載の「洞窟発見演出とは違い、リム出現演出は発生した時点で大当りとなることは確定する演出である」ことから「遊技者的には、救済演出が実行される場合にはどちらかと言えばリム出現演出が発生することを望む形で遊技を行う事となり、いずれの救済演出が実行されるかに注目させることができる」という効果が得られるという技術的意義を有するといえる。 (4)本件特許発明の「発明」該当性について 本件特許発明は上記第2の1に記載したとおり、「遊技機」という機器に関する発明であり、「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能」(特定事項A)であって、「演出を実行可能な演出実行手段を備え」(特定事項B)るものである。 そして、上記(2)で説示したとおり、本件特許発明は、遊技機において「リーチ中に実行される連打演出や隠しボタンの予告を実行する演出」(【0002】)という背景技術を前提として、「リーチ演出中に表示物の態様を変化させて、期待度を示唆する演出を実行するものにおいて改良の余地があった」(【0004】)ことから、「リーチ演出中に所定表示が第2表示態様まで変化」させる際に「遊技者の興趣を向上させる」(【0005】)という課題、より詳細には、「特定演出中に所定表示が第2表示態様まで変化している」という特定の条件下においては、「第2結果報知後に、なかなか見ることのできない第2報知後演出が実行される」ことによって「遊技者の興趣を向上させる」(【0847】)という技術的課題を解決しようとするものであって、上記(3)で説示したとおり、特定事項G~Lに係る技術的手段を採用することで、全体として、「バトルリーチ中において画像としてメータ」「を表示し、目盛りを溜めていく演出態様とし」、「大当りに制御される期待度が視覚的にわかるように見せることができ」、「段階的に期待度が変化している」ことが「わかる」という効果(【0933】)、及び、「メータの目盛りが14まで溜まっている」ときは「救済演出としてリム出現演出が最も実行されやすい状態であることを示している状況であ」り、「洞窟発見演出とは違い、リム出現演出は発生した時点で大当りとなることは確定する演出である」ことから「遊技者的には、救済演出が実行される場合にはどちらかと言えばリム出現演出が発生することを望む形で遊技を行う事となり、いずれの救済演出が実行されるかに注目させることができる」という効果(【0921】、【0936】)が得られるという技術的意義を有するものである。 したがって、本件特許発明は特許法第2条第1項でいう「発明」に該当し、本件特許は同法第29条第1項柱書に違反してなされたものとはいえない。 (5)申立人の主張 申立人は、異議申立書の「(4-1)理由1(発明該当性要件)、理由2(実施可能要件)及び理由4(明確性要件)について イ)検討」において、 「各構成要件B)、C)、D)、E)及びF)に規定されるこれら演出の態様は、この技術分野における当業者の技術常識に照らして推察すると、コンピュータを用いた制御装置のソフトウェア手段によるものと推認される。しかし、前記請求項1の記載は、内在的にコンピュータを備えることが推認されるだけであって、ハードウエア手段とソフトウエア手段との有機的な連携や協働は見いだせない。それ故、同記載は、何を何処にどの様に表示するのか不明瞭なものであり、かつ、それらのことについては発明の詳細な説明にも明瞭に説明されていない。そして、一般に、「『ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されている』」とは、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働することによって、使用目的に応じた特有の情報処理装置又はその動作方法が構築されることをいう。」としているコンピュータソフトウェア関連発明の発明該当性要件やその実施可能要件を判断する特許庁、裁判所等において確立した手法に照らしてみれば、上記の請求項1の記載は、いずれの要件をも満たしていないものである。また、それらの構成要件は、本件特許の明細書の段落【0004】、【0005】、【0847】等の記載から、「遊技者の興趣を向上させる」ことを最終的な目的と理解される本件特許に係る発明は、人間の心理に影響を及ぼすことを発明の効果として期待しているものであって、そのような効果を期待することは、自然法則に基づくものではなく、人間の精神活動に基くものであるか、人間の精神活動を前提とした人為的取決めに基づくものに他ならない。当然、その結果として、発明の効果も人間の精神活動の状況如何によって左右されてしまうものである。」(異議申立書4頁11行~5頁14行) と主張する。 しかしながら、上記(4)の検討を踏まえると、コンピュータソフトウェア関連発明の観点、すなわち、特許・実用新案審査ハンドブック「付属書B」「「特許・実用新案審査基準」の特定技術分野への適用例」「第1章 コンピュータソフトウエア関連発明」に照らすまでもなく、本件特許発明は自然法則を利用した発明であり、かつ技術的思想の創作となる発明である。 よって、申立人の上記主張は妥当ではなく採用することができない。 (6)小括 以上により、本件特許発明は、特許法第29条第1項柱書に違反してなされたものではないから同法第113条第2号の規定には該当せず、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきものではない。 2 申立ての理由2(特許法第36条第4項第1号)及び申立ての理由4(同条第6項第2号) (1)申立ての理由の概要 申立ての理由2(実施可能要件)及び理由4(明確性要件)の概要は、1)本件特許発明が解決すべき課題は、本件特許明細書の記載によれば、「リーチ演出中に所定表示が第2表示態様まで変化しているときは、有利状態に制御されやすい第2報知後演出が実行される割合が高いので、遊技者の興趣を向上させることを目的とする」とされているから、そのような目的を解決する手段が請求項1に特定されなければならないところ、請求項1には、「演出実行手段」が、特定の機能を「実行可能」であると特定されているだけで、実行する場合としない場合のそれぞれの条件は不明であり、また、各機能が実行されない場合をも含むにもかかわらず、なぜ前記目的を達成することができるのか、2)請求項1の「演出実行手段」における「特定演出」及び「報知後演出」のいずれについても「報知可能」と特定されているところ、報知する場合としない場合のそれぞれの条件は不明であり、また、各演出が報知されない場合をも含むにもかかわらず、なぜ前記目的を達成することができるのか、について、発明の詳細な説明及び図面の記載をもってしても当業者が想定することができず、請求項1に係る発明を理解及び実施することが困難である(異議申立書5頁15行~35行)というものである。 (2)判断基準 上記(1)のとおり、実施可能要件に係る理由と明確性に係る理由は、いずれも請求項1において「実行可能」、「報知可能」と特定されていることに起因するところ、各記載要件に係る判断基準は、次のとおりである。 ア 実施可能要件(申立ての理由2) 上記第2の1のとおり、本件特許発明は物の発明であるところ、物の発明について実施可能要件を充足するためには、発明の詳細な説明において、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づき、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、使用することができる程度の記載があることを要する。 イ 明確性(申立ての理由4) 特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 (3)判断 ア 発明の詳細な説明の記載 本件特許の明細書の発明の詳細な説明及び図面には、以下の記載がある。 「【0078】 演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。 【0079】 演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。 【0080】 演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。 【0081】 演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。 【0082】 表示制御部123は、VDP(VideoDisplayProcessor)、CGROM(CharacterGeneratorROM)、VRAM(VideoRAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。 【0083】 表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。」 「【0822】 特徴部674SKY~特徴部678SKYにおける演出面の制御については以下の段落において一括で説明を行う。なお、特徴部674SKY~特徴部678SKYはいずれも一の遊技機におけるそれぞれの特徴部を示したものであり、異なる特徴であっても、ある特徴部を異なる特徴部へ適応可能である。 【0823】 図10-4は図7記載のS76演出制御プロセス処理のフローの中にS160演出モード固定処理を追加したフローチャートである。図10-5のS160演出モード固定処理内にて、遊技者の固定動作(演出ボタンの操作)があった場合(674SKY100)、演出固定フラグをオンにする処理を行う(674SKY101)。遊技者の固定動作がなかった場合に、次に遊技者の固定解除動作(演出ボタンの操作)があるかを判定し(674SKY102)、あった場合は演出モード固定フラグをオフにする処理を行う(674SKY103)。 【0824】 図10-6は、先読予告設定処理(S161)のフローチャートである。先読予告設定処理において、先読予告の実行がありと判定されると、先読予告の種類を決定し、選択された予告の種類が夢夢ステージ移行予告であれば、夢夢ステージ移行フラグをオンにする処理を行う。 【0825】 図10-7(A)は、可変表示開始設定処理(S171)のフローチャートである。SPリーチ変動パターンコマンド(674SKY109)が送信されてきた場合に、アイキャッチ画像決定処理(674SKY110)を実行する。図10-7(B)に示すように、当該変動が当りである場合でありかつ、報知後演出が実行されるときに、図10-13(A)のアイキャッチ画像種別判定テーブルA(674SKY115)からアイキャッチ画像が割合に応じて選択される。当該変動が当りではなく、保留内に当りがある場合に図10-13(B)のアイキャッチ画像種別判定テーブルB(674SKY117)からアイキャッチ画像が割合に応じて選択される。保留内にSPリーチに発展する保留がある場合、アイキャッチ画像種別判定テーブルC(674SKY119)からアイキャッチ画像が割合に応じて選択される。 【0826】 図10-8は、ステージチェンジ決定処理(674SKY111)のフローチャートである。夢夢ステージ移行フラグがオンと判定されている場合(674SKY121)、ターゲット変動が大当りである場合かの判定を行い、ターゲット変動が終了したかの判定を行い、ターゲット変動が終了してから4変動経過したあとに、ステージ移行の抽せんを行う。夢夢ステージ移行フラグがオフの場合は、演出モード固定フラグがオンになっているかを判定し、オフになっているときは、図では省略しているがカウンタを20にセットし、1変動行うごとにカウンタを1ずつ減算して、カウンタ20が0になることで、20変動経過したと判定し20変動経過後にステージ移行の抽せんを行う。 【0827】 本実施例に関して、図9-3の乱数値を引用しているが、変動パターン判定用の乱数MR3においては、乱数1~100の範囲にて判定する。 【0828】 図10-9は、通常状態の低確低B状態において選択される第1特別図柄の変動パターンテーブル表である。図10-9(A)ははずれ用変動パターン判定テーブルAであり、図10-9(B)は図柄10R時短大当り用変動パターンテーブルAであり、図10-9(C)は図柄3R時短大当り用変動パターン判定テーブルAである。 【0829】 図10-10は、通常状態の低確低B状態において選択される第2特別図柄の変動パターンテーブル表である。図10-10(A)ははずれ用変動パターン判定テーブルBであり、通常状態で第2特別が変動したときのはずれ変動パターンと時短状態でV入賞しなかったときの残り保留の変動がはずれであった場合の変動パターンである。図10-10(B)は、はずれ用変動パターン判定テーブルCであり、所定回数の時短状態が終了したあとに実行される残り保留がはずれ変動パターンでありルーレット演出が実行される。図10-10(C)は大当り用変動パターン判定テーブルAであり、通常状態で第2特別が変動したときの大当り変動パターンと時短状態でV入賞しなかったときの残り保留の変動が大当りであった場合の変動パターンであり、確定演出大当り(全員集合演出)を実行する。図10-10(D)は大当り用変動パターン判定テーブルBであり、時短状態終了後の残り保留が大当りである場合は、確定演出大当り(ルーレット演出)が行われる。図10-10(C)図10-10(D)においては同じ変動パターン(確定演出大当り)が送信されることになっているが遊技状態に応じてサブ側でルーレット演出を実行するか、全員集合演出を実行するかを決定する。そうすることにより変動パターンをいくつも用意する必要がなくなるので、データ容量の削減をすることができる。 【0830】 図10-11は、時短状態の低確高B状態において選択される第1特別図柄の変動パターン判定テーブル表である。図10-11(A)は、はずれ用変動パターン判定テーブルDであり、超短縮非リーチA ハズレが選択されるようになっている。図10-11(B)は大当り用変動パターン判定テーブルCから変動パターン超短縮リーチAが選択される。 【0831】 図10-12は、時短状態の低確高B状態において選択される第2特別図柄の変動パターン判定テーブル表である。第2特別図柄の変動がはずれの場合、(A)はずれ用変動パターン判定テーブルEから選択され、第2特別図柄が大当りの場合、図10-12(B)大当り用変動パターン判定テーブルDから選択され、大当りの後に昇格演出が実行される場合、図10-12(C)大当り用変動パターン判定テーブルEから選択される。 【0832】 図10-13は、アイキャッチ画像の種別判定テーブルの表である。図10-13(A)アイキャッチ画像種別判定テーブルAは当該変動の救済演出が実行されるときにはずれ結果表示後に表示されるアイキャッチ画像の実行割合を示したものである。図10-13(B)アイキャッチ画像種別判定テーブルBは当該変動の後に実行される保留内に大当りが記憶されているときに、当該変動のはずれ結果表示後に表示されるアイキャッチ画像の実行割合を示したものである。図10-13(C)アイキャッチ画像種別判定テーブルCは、当該変動の後に実行される保留内にSPリーチが記憶されているときに、当該変動のはずれ結果表示後に表示されるアイキャッチ画像の実行割合を示したものである。 【0833】 図10-14は、メータの目盛りの変動パターンの表である。図10-14(A)は、図10-9(A)のはずれ用変動パターン判定テーブルAのSPリーチA救済Aハズレ、SPリーチB救済Aハズレの変動パターンであるときのメータの目盛りをいくつの状態で表示させるかの変動パターンの割合を示した図である。図10-14(B)は、図10-9(C)の図柄3R時短大当り用変動パターン判定テーブルAのSPリーチA救済A大当り、SPリーチB救済A大当りの変動パターンであるときのメータの目盛りをいくつの状態で表示させるかの変動パターンの割合を示した図である。図10-14(C)は、図10-9(B)の図柄10R時短大当り用変動パターン判定テーブルAのSPリーチA救済B大当り、SPリーチB救済B大当りの変動パターンであるときのメータの目盛りをいくつの状態で表示させるかの変動パターンの割合を示した図で 「【0893】 (特徴部674SKYに関する説明) 次に、本実施の形態における特徴部674のパチンコ機1について図10-15~図10-23にもとづいて説明する。(以下後述するキャラクタ674SKY001のキャラクタ夢夢とロボットが味方のキャラクタであり、味方のキャラクタとはSPリーチにおいて遊技者が勝ってほしいと望むキャラクタのことである。)特徴部674における実施の形態図10-15は674SKY001のキャラクタと674SKY002のキャラクタのバトルリ-チが行われ、674SKY001のキャラクタが負けてはずれた後に、保留記憶を示す保留表示である674SKY040の変動がリ-チ以上の演出を実行することを示唆するアイキャッチ画像674SKY003(a)(第2アイキャッチ画像(無音))を表示し、今回の変動が終了し、次の変動(674SKY040に対応する変動)に移行している様子を示す説明図である。図10-16は、図10-15からの続きを表しており、674SKY040の保留に対応する変動が開始してから図柄がテンパイ(リーチ状態となること)し、バトルリ-チが実行されている状態を示す説明図である。図10-17は、アイキャッチ画像の表示態様またアイキャッチ画像が表示されるに伴い音が出力されるパタ-ンの例を示す説明図であり詳しくは後述する。図10-18、図10-19は、図10-15、図10-16のバトルリ-チの流れと同じであり、アイキャッチ画像の種類が異なっていることの説明図である。図10-20、図10-21はバトルリ-チが行われている状態で、一度はずれの結果を報知した後に、保留内、当該変動の大当りが確定する音(ボイス、第2音674SKY004(a))ありのアイキャッチ画像674SKY003(b)が表示され大当り状態に制御される手前までのことを示す説明図である。図10-22、図10-23に示すバトルリ-チが行われている状態で、一度はずれの結果を報知した後に、保留内、当該変動の大当りが確定する特殊音(ボイス、第2音674SKY004(b))ありのアイキャッチ画像674SKY003(a)が表示され大当り状態に制御されることを示す説明図である。 【0894】 (図10-9 変動パターン674-A4(1)による変動の演出例について) 図10-15(A)に示すように、通常状態の通常変動中(通常変動中とは、飾り図柄が3つとも高速で変動している状態などを指し、リーチ状態となる前のことを示す)については図示を省略しているが、飾り図柄がリ-チ状態となり、バトルリ-チに発展した状態を表している。図10-15におけるバトルリーチで対戦しているのはキャラクタ674SKY001のキャラクタ(夢夢)対674SKY002の敵キャラクタ(ボインゴ)であるが、リーチの種類によって対戦するキャラクタの組み合わせが異なり、種類に応じて大当りに制御される期待度が異なってもよい。 【0895】 図10-15(B)(C)に示すように、図10-16(A)の続きを表しており、キャラクタ674SKY001とキャラクタ674SKY002が戦っている様子を示している。図10-15(C)において674SKY001のキャラクタが負けた様子を示している。 【0896】 図10-15(D)に示すように、図10-15(C)の続きを表しており、今回のバトルリーチにおいてキャラクタ674SKY001が敗北し、改めて拡大した状態でリーチはずれを示す飾り図柄「656」を画面中央に表示している。なお図示は省略しているが、図10-16(C)の時点で、キャラクタ674SKY001が敗北する表示をした後に、最終停止図柄である「5」が徐々にフェードインしてくる態様にて浮かび上がるようにしてい表示される。なおバトルリーチで敗北し、はずれ結果が表示された時点においては、飾り図柄の態様により変動は停止しているように見えるものの、未だ変動は停止していない(画面中央上側の小図柄は停止しておらず、変動が続いていることを示している)。 【0897】 図10-15(E)に示すように、図10-15(D)の続きを示しており、「656」のはずれ結果を表示した後に、674SKY003(a)のアイキャッチ画像を表示することを示している。バトルリーチにおけるはずれ結果表示後に表示する一枚絵をアイキャッチ画像と称する。アイキャッチ画像は、今回のようなバトルリーチといった飾り図柄がリーチ状態となった後に実行される所謂スーパーリーチなどの通常変動中の画面から一連の映像が再生されるような演出に切り替わった後に、再度通常変動中の画面へ映像を切り替えて戻すときに用いられる画像であり、比較的短時間(例えば、1秒程度の演出時間)の間に表示が終了するものである。アイキャッチ画像は、例えば通常変動中において飾り図柄がリーチ状態となったがバトルリーチなどの所謂スーパーリーチへ発展しない場合など、通常変動から画面が切り替わらないような状況おいては用いられない演出であるが、複数種類のスーパーリーチにおいて共通して用いられるものである。本実施の形態においてアイキャッチ画像は複数種類あるが、図10-15(E)で用いられているアイキャッチ画像は、後述する674SKY003(b)よりも期待度の高いものとなっており、674SKY003(a)が表示されると、当該変動の終了後、保留記憶内にリ-チ以上の演出が実行される可変表示が記憶されていることを示している(今回の場合でいうと、674SKY040の保留がリ-チ以上の演出が実行される)。本実施例においては、図10-15からの続きである図10-16は、674SKY040の保留記憶に対応した変動であり、この変動で大当り結果となることを示しているが、アイキャッチ画像674SKY003(a)が表示された後の変動であるためバトルリーチなどのリーチが実行されることを示すのみであって該アイキャッチ画像を表示したからと言って必ずしも大当りに制御されることが確定的に示唆されているわけではない。しかし次回以降の変動において大当りに制御されることを確定的に示唆するわけではないものの保留内に大当りとなる変動がない場合であってもアイキャッチ画像674SKY003(a)を表示するため、アイキャッチ画像674SKY003(a)を表示する機会(頻度)を向上させることができ、大当りに対する期待感を常に高めることができる。 【0898】 図10-15(F)に示すように、図10-15(E)の続きを示しており、アイキャッチ画像が表示された後に、通常変動中の画面に移行してきた状態であり、この時には各飾り図柄を動作させることによって未だ確定的に飾り図柄が完全に停止していないことを表している。 【0899】 図10-15(G)に示すように、図10-15(F)の続きを示しており、図10-15(A)~図10-15(F)までの変動が停止した状態を表している。 【0900】 (図10-9 変動パターン674-A9(2)による変動の演出例について) 図10-15(H)に示すように、図10-15(G)の続きを示しており、図10-15(G)で変動が停止した後に、次の変動が始まった様子を示している状態である。それに伴い保留表示も移動し、674SKY040保留がアクティブ表示(保留表示と同じ又は類似の画像等が画面中央下部の台座へ移動してきて当該変動に対応した表示となる表示)として移動してきている。すなわち図10-15(H)で実行されている変動は、674SKY040保留の変動表示である。 【0901】 図10-16(A)に示すように、図10-15(H)の続きを示しており、7の飾り図柄が左飾り図柄領域に停止しようとしている様子を表している。 【0902】 図10-16(B)に示すように、図10-16(A)の続きを示しており、7の飾り図柄が左飾り図柄領域に停止した後、右飾り図柄領域に7の飾り図柄が停止し、リ-チ状態となった様子を表している。 【0903】 図10-16(C)に示すように、図10-16(B)の続きを示しており、リ-チ状態となった後バトルリ-チへ移行するために飾り図柄が半透明となり、飾り図柄が画面上部の両端に移動した様子を表している。今回図示は省略されているが、飾り図柄はリーチ状態となった後にしばらくの間、中央の飾図柄が低速で変動する。これを所謂ノーマルリーチと称する。このノーマルリーチにおいてそのまま中央の飾り図柄としてリーチ状態を形成している飾り図柄とは異なる種類の飾り図柄が停止しノーマルリーチはずれのはずれ結果となるか、若しくは低速で変動している状態から高速で変動を開始し、図10-16(C)に示すようにリーチ状態を形成している飾り図柄同士が画面上部の左右へ互いに離間するようにして移動し、スーパーリーチ(本実施例の場合バトルリーチ)へ発展していく。なお、このように飾り図柄が互いに離間して移動していく際には、飾り図柄に付加されているキャラクタ画像などが消去され数字のみを残すようになっている。これにより実行されるスーパーリーチの演出を余計な画像で邪魔することなく、数字のみでリーチとなっていることを示すことができる。またこのように飾り図柄同士を離間させる際には、例えば通常変動中よりも数字のサイズを小さく表示するなど、これから実行されるスーパーリーチの演出効果を妨げないようにしてもよい。 【0904】 図10-16(D)に示すように、図10-16(C)の続きを示しており、バトルリ-チ状態へ移行した様子を表している。図10-16に示すバトルリーチも図10-15に示すバトルリーチと趣旨は同様であり、味方側に位置するキャラクタ(図10-16においてはロボットのキャラクタ)が、敵側に位置するキャラクタ(ボインゴ)に勝利すれば大当りに制御されることを報知し、敗北すればはずれであったことを報知するといったものである。 【0905】 図10-16(E)に示すように、図10-16(D)の続きを示しており、バトルリ -チが行われている様子を表している。 【0906】 図10-16(F)に示すように、図10-16(E)の続きを示しており、味方側のキャラクタが敵のキャラクタを倒し勝利した様子を表している。 【0907】 図10-16(G)に示すように、図10-16(F)の続きを示しており、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、飾り図柄777が揃った状態で表示されている。この時点で図柄確定が行われ、大当り状態となったことを表している。図10-15は前述したとおりバトルリーチにおいてはずれ結果となり、アイキャッチ画像の表示を経て通常変動中の画面へ復帰する態様となっているが、図10-16に示す演出例のようにバトルリーチにおいて当り結果となる場合にはアイキャッチ画像などは表示せずに当該バトルリーチにおいて飾り図柄を完全に停止させるようにしている。このようにすることで、アイキャッチ画像をいちいち表示することにより演出のテンポが悪くなり、せっかく当り結果を表示したことによる演出効果を妨げてしまう事を防止している。 ・・・ 【0921】 (特徴部675SKYに関する説明) 次に、本実施の形態における特徴部675SKYのパチンコ機1について図10-24~図10-31にもとづいて説明する。特徴部675SKYの実施の形態における図10-24は、674SKY001のキャラクタと674SKY002のキャラクタのバトルリ-チが行われ、バトルリーチ中にメータ674SKY006(a)が、遊技者の動作(この場合にはボタン連打)が演出用ボタンに対して行われることによって表示態様を変化させていく演出が実行されていることを示している。なお、本実施の形態においてメータ674SKY006(a)(以下、「メータ」と称する)は遊技者の動作によって態様が変化していくものを示しているが、このようなものによらず例えば遊技者の動作に関連せず、演出上自動でメータ674SKY006(a)を変化させるような演出としてもよい。図10-24ではメータの目盛りが7つ溜まっている状態を示しており、ここでは最終的にキャラクタ674SKY001がキャラクタ674SKY002に負け「656」のはずれ結果が報知されているかたちでバトルリーチを一旦終えている。次いで図10-25は、図10-24の続きを示しており、バトルリーチにおけるはずれ結果が表示された後、アイキャッチ画像が表示され、飾り図柄が揺れている状態で、すなわち変動がまだ停止していないことを表している。本実施の形態においては、メータの目盛りが7つまで上がっている状態であれば、バトルリーチにおいてはずれ結果が表示された場合であってもバトルリーチ後に洞窟発見演出やリム出現演出(それぞれ請求項における報知後演出に相当)が実行されることが確定している状況となる。なお、洞窟発見演出が実行され場合にはこの洞窟発見演出が実行される直前においては、洞窟発見演出が実行されるか否かを煽る演出を実行するようになっている。図10-25(C)に示すように洞窟発見演出の演出画像の一部と通常変動中における演出画像の一部とを同一表示領域上に並べて表示し、いずれの画像が最終的に表示領域の全域に表示されるか煽る演出態様にて実行される。またリム出現演出が実行される場合には、洞窟発見演出のような煽り演出は特徴部675SKYの実施形態においては実行されないように構成されており、図10-28に示すように通常変動中の画面においてはずれ結果を構成する飾り図柄を表示しているときに、図柄の頭上にリムというキャラクタが出現する演出態様となっている。図10-24においてはメータの目盛りが7つまで上がっていることが示されているので、続きの図10-25に示すように洞窟発見演出が実行されるかを煽る演出を実行した後に洞窟発見演出が実行されている。図10-26は図10-25の続きであり、洞窟発見演出の演出態様について示したものである。洞窟発見演出においては大当りする場合とはずれとなる場合とを、宝箱の中身によって示唆する演出であり、宝箱の中身が宝であることが表示され、さらに「大当り」の文字が表示されたことによって当該変動が大当りであることを示し、宝箱の中身が宝でなくさらに「残念」の文字が表示されたことによって当該変動がはずれであることを示すといったことを表している。図10-27、10-28、10-29については(A)~(D)までは図10-24と同じような演出の流れであるが、大きく異なるのは、メータの目盛りが14つまで溜まっており、アイキャッチ画像の表示を経て、通常変動中の画面へ復帰後に実行される救済演出が異なっているところである。図10-14に示すようにメータの目盛りがどこまで溜まっているかにによって実行される救済演出(洞窟発見演出またはリム出現演出)の割合が異なるようになっている。図10-27においては前述したとおりメータの目盛りが14まで溜まっているので、図10-14に照らし合わせると、救済演出としてリム出現演出が最も実行されやすい状態であることを示している状況である。また、図10-28においては(C)、(D)に示すようにはずれの飾り図柄が仮停止しているときに、飾り図柄の上方へ視点が移動し、武器を持ったリムが出現する様子が示されている。その後の演出例を示す図10-29においては、出現したリムによって仮停止しているはずれ結果の飾り図柄が破壊され、当り結果の飾り図柄が表示されなおし、当りに制御されることを報知している様子が示されている。図10-30、図10-31は、バトルリーチ中に遊技者の動作があるにもかかわらずメータが変化しないが、洞窟発見演出が実行される様子を示す説明図である。図10-14に示すように、本実施の形態においては、メータの目盛りが全く溜まらない、つまりはゼロである場合には洞窟発見演出か、リム出現演出が実行されることが確定的となっている。そのため本来メータが溜まらずに遊技者が落胆するような状況を、興趣が低下しないようにすることができる。」 「【0942】 (特徴部676SKYに関する説明) 特徴部676SKYについて図10-32~図10-34にもとづいて説明する。図10-32に示しているのはバトルリーチの様子であり、これまで説明してきたバトルリーチと演出の流れはおおまかには同様となっている。図10-32に示すバトルリーチにおける演出結果は味方キャラクタ674SKY001が敵キャラクタ674SKY002に敗北するはずれ結果を示すものであり、メータは最終的に14まで溜まることを示している。つまりは、救済演出が実行される可能性が高い状況である。次いで図10-32からの續木の演出例を示す図10-33にはアイキャッチ画像の表示後、通常変動中の画面復帰からの救済演出発生の流れを示している。このとき図10-33で実行される救済演出はリム出現演出となっているが、実行されるまでの過程の演出がこれまでと異なっている。図10-33(C)に示すように、洞窟発見演出が実行されることを示す画像674SKY032(a)と、リム出現演出が実行されることを示す画像674SKY032(b)とが表示領域を二分する形で表示されており、図10-33(D)、図10-33(E)に示すようにそれぞれの画像が表示領域を取り合う様に動作し、いずれの救済演出が実行されるかを示唆する示唆演出を実行しており、この示唆演出においては最終的に図10-32(F)に示すように画像674SKY032(b)が表示領域全域に表示され、リム出現演出が実行されるこおが確定する演出例を示している。なお図示は省略しているが洞窟発見演出が実行されることが確定する場合には、今回とは逆に画像674SKY032(a)が表示領域全域に表示される演出態様となる。」 イ 検討 上記(1)のとおり、申立人は、異議申立書において、本件特許発明における「実行可能」及び「報知可能」との特定事項について、発明の詳細な説明及び図面の記載をもってしても実施することが困難である旨主張しているので、この点について検討する。 (ア)「実行可能」について 「可能」とは、一般的に、「ある物事ができる見込みがあること。ありうること。また、そのさま。」(出典:デジタル大辞泉(小学館))を意味することから、「実行可能」は、実行できる見込みがあること、実行がありうること、実行するさまを意味するといえる。 そして、遊技機の技術分野において、「演出実行手段」が特定の機能を「実行可能」であるとは、「演出実行手段」がある条件を満たせば特定の機能を実行することができるものであること、「演出実行手段」が特定の機能を実行することができるものであること、と理解できることは、技術常識である。 (イ)「報知可能」について 上記(ア)と同様に、「報知可能な特定演出」及び「報知可能な報知後演出」とは、ある条件を満たせば報知することができる「特定演出」及び「報知後演出」であること、報知することができる「特定演出」及び「報知後演出」であること、と理解できることは、遊技機分野において技術常識である。 (ウ)特定事項Bについて 上記アで摘記した【0078】には、「演出制御基板12は、・・・演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出・・・を実行する機能を有する」こと、同【0080】には、「演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理・・・を行う」ことが記載され、「演出実行手段」が演出を実行することができるものであることが発明の詳細な説明に記載されているから、「演出を実行可能な演出実行手段を備え」る点について、当業者に過度の試行錯誤を要するものではなく、この点について発明の詳細な説明及び図面における記載が不足しているものではない。 さらに、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるともいえない。 (エ)特定事項D及びEについて 上記アで摘記した【0893】には、「特徴部674における実施の形態図10-15は674SKY001のキャラクタと674SKY002のキャラクタのバトルリ-チが行われ・・・図10-16は、図10-15からの続きを表しており、674SKY040の保留に対応する変動が開始してから図柄がテンパイ(リーチ状態となること)し、バトルリ-チが実行されている状態を示す説明図である」こと、【0907】には、「味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、飾り図柄777が揃った状態で表示されている。この時点で図柄確定が行われ、大当り状態となったことを表している」ことが記載され、【0896】には、「今回のバトルリーチにおいてキャラクタ674SKY001が敗北し、改めて拡大した状態でリーチはずれを示す飾り図柄「656」を画面中央に表示している」ことが記載され、「演出実行手段」が大当り状態となったことを表す飾り図柄777が揃った状態で表示すること、はずれを示す飾り図柄「656」を表示することを実行することができるものであることが発明の詳細な説明に記載されており、大当り状態となったことを表す飾り図柄777が揃った状態で表示されると大当り状態に制御されることが遊技機分野の技術常識から明らかであるから、「前記演出実行手段は、」「有利状態に制御される旨の第1結果と、有利状態に制御されない旨の第2結果と、を報知可能な特定演出と、」「前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出と、」「を実行可能であ」る点について、当業者に過度の試行錯誤を要するものではなく、この点について発明の詳細な説明及び図面における記載が不足しているものではない。 さらに、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるともいえない。 (オ)特定事項Fについて 上記アで摘記した【0921】には、「特徴部675SKYの実施の形態における図10-24は、674SKY001のキャラクタと674SKY002のキャラクタのバトルリ-チが行われ、バトルリーチ中にメータ674SKY006(a)が、遊技者の動作(この場合にはボタン連打)が演出用ボタンに対して行われることによって表示態様を変化させていく演出が実行されていることを示している」ことが記載され、「演出実行手段」がバトルリーチ中にメータ674SKY006(a)が、遊技者の動作が演出用ボタンに対して行われることによって表示態様を変化させていく演出が実行されることが記載されているから、「前記演出実行手段は、」「前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出と、を実行可能であ」る点について、当業者に過度の試行錯誤を要するものではなく、この点について発明の詳細な説明及び図面における記載が不足しているものではない。 さらに、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるともいえない。 (カ)特定事項Kについて 上記アで摘記した【0942】には、「洞窟発見演出が実行されることを示す画像674SKY032(a)と、リム出現演出が実行されることを示す画像674SKY032(b)とが表示領域を二分する形で表示されており、・・・それぞれの画像が表示領域を取り合う様に動作し、いずれの救済演出が実行されるかを示唆する示唆演出を実行しており、この示唆演出においては最終的に・・・画像674SKY032(b)が表示領域全域に表示され、リム出現演出が実行されるこおが確定する演出例を示している」と記載され、「演出実行手段」が洞窟発見演出又はリム出現演出が実行されるかを示唆する示唆演出を実行されることが記載されているから、「前記演出実行手段は、」「前記第1報知後演出又は前記第2報知後演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であ」る点について、当業者に過度の試行錯誤を要するものではなく、この点について発明の詳細な説明及び図面における記載が不足しているものではない。 さらに、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるともいえない。 (キ)上記(ア)~(カ)で検討したとおり、本件特許発明は、発明の詳細な説明に、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、使用することができる程度の記載がある。 さらに、本件特許発明は、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるともいえない。 よって、申立人による申立ての理由2及び申立ての理由4には理由がない。 (4)小括 以上により、本件特許発明は、特許法第36条第4項第1号又は同条第6項第2号に違反してなされたものではないから同法第113条第4号に該当せず、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきものではない。 3 申立ての理由3(特許法第36条第6項第1号) (1)申立ての理由の概要 申立ての理由3(サポート要件)の概要は、本件特許発明の構成要件L(上記「第2の1」を参照)について、内部抽選にて、例えば「あたり」当選し、その遊技において、特定演出が実行され、報知後演出が実行される場合は、第1報知後演出より、第2報知後演出が実行される割合が高いと特定しているのに対し、発明の詳細な説明及び図面には、【図10-14】の記載くらいしか手がかりがないところ、同図とて第1報知後演出と第2報知後演出について、メータ表示の目盛りの値ごとの報知後演出の実行割合を示すだけのものであり、本件特許発明の構成要件Lについて、本件特許の発明の詳細な説明や図面の記載から、当業者であっても導き出すことができない(異議申立書9頁4行~10頁2行)というものである。 (2)判断基準 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か、また、その記載がなくとも、当業者が出願時の技術常識に照らし、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 (3)判断 ア 特許請求の範囲の記載 本件特許の特許請求の範囲の記載は、上記第2の1のとおりである。 イ 発明の詳細な説明の記載 本件特許の発明の詳細な説明には次の記載がある 「【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 リーチ中に実行される連打演出や隠しボタンの予告を実行する演出が開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照) ・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 リーチ演出中に表示物の態様を変化させて、期待度を示唆する演出を実行するものにおいて改良の余地があった。 【0005】 本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、リーチ演出中に所定表示が第2表示態様まで変化しているときは、有利状態に制御されやすい第2報知後演出が実行される割合が高いので、遊技者の興趣を向上させることを目的とする。」 「【0006】 上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、演出を実行可能な演出実行手段を備え、 前記演出実行手段は、 有利状態に制御される旨の第1結果と、有利状態に制御されない旨の第2結果と、を報知可能な特定演出と、 前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出と、 前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出と、を実行可能であり、 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様と、を含み、 前記報知後演出として、第1報知後演出と、第2報知後演出と、を含み、 前記演出実行手段は、 前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 前記第1報知後演出又は前記第2報知後演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であり、 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、 ことを特徴とする。 上記目的を達成するため、他の遊技機は、 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、 有利状態に制御される旨の第1結果(例えば、図10-15等に示すバトルリーチの演出例において674SKY001の味方キャラクタ(夢夢)が、674SKY002の敵キャラクタ(ボインゴ)に勝利すること)と、有利状態に制御されない旨の第2結果(例えば、図10-15等に示すバトルリーチの演出例において674SKY001の味方キャラクタ(夢夢)が674SKY002の敵キャラクタ(ボインゴ)に敗北すること)と、を報知可能な特定演出を実行する特定演出実行手段(例えば、SPリーチ(バトルリーチまたはスーパーリーチ)を実行する演出制御用CPU120)と、 前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出を実行する報知後演出実行手段(例えば、674SKY032(a)の洞窟発見演出や、674SKY032(b)のリム出現演出を実行可能な演出制御用CPU120)と、 前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出(例えば、SPリーチ中に674SKY006(a)のメータが目盛りが段々と溜まっていく演出を実行可能な演出制御用CPU120)を実行可能な変化演出実行手段と、を備え、 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様(例えば、図10-24(C)に示すメータが7つ溜まっている状態)と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様(例えば、図10-27(C)に示すメータが14つ溜まっている状態)と、を含み、 前記報知後演出として、第1報知後演出(例えば、674SKY032(a)の洞窟発見演出)と、第2報知後演出(例えば、674SKY032(b)のリム出現演出)と、を含み、 前記報知後演出実行手段は、前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、(例えば、図10-24(C)に示すメータが7つ溜まっているときよりも、図10-27(C)に示すメータが14つ溜まっているときのほうが、はずれ結果表示後に、図10-14に示すように洞窟発見演出よりもリム出現演出を実行割合が高くなっていること) ことを特徴とする。」 「【0845】 (特徴部675SKYの第1形態に関する説明) 次に、特徴部675SKYの第1形態に関する遊技機について、図10-24~10-31を参照して説明する。 【0846】 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 有利状態に制御される旨の第1結果と、有利状態に制御されない旨の第2結果と、を報知可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、 前記特定演出において前記第2結果が報知された後に、有利状態に制御されることを報知可能な報知後演出を実行する報知後演出実行手段と、 前記特定演出の実行中に、所定表示の表示態様を段階的に変化させる所定表示変化演出を実行可能な変化演出実行手段と、を備え、 前記所定表示の表示態様は、第1表示態様と、前記第1表示態様よりも高い段階であって該第1表示態様よりも有利状態に制御される期待度が高い第2表示態様と、を含み、 前記報知後演出として、第1報知後演出と、第2報知後演出と、を含み、 前記報知後演出実行手段は、前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、 有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、 ことを特徴としている。 【0847】 このような特徴によれば、特定演出中に所定表示が第2表示態様まで変化していると第2結果報知後に、なかなか見ることのできない第2報知後演出が実行されるので遊技者の興趣を向上させることができる。」 ウ 本件特許発明の課題 第3の1(2)で説示したとおり、本件特許発明は、「リーチ演出中に所定表示が第2表示態様まで変化しているときは、有利状態に制御されやすい第2報知後演出が実行される割合が高いので、遊技者の興趣を向上させる」(【0005】)という課題、より詳細には、「特定演出中に所定表示が第2表示態様まで変化している」という特定の条件下においては、「第2結果報知後に、なかなか見ることのできない第2報知後演出が実行される」ことによって「遊技者の興趣を向上させる」(【0847】)という技術的課題を解決しようとするものである。 エ 本件特許発明について 本件特許発明は、特定事項Lで「有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い」遊技機であって、上記イで摘記した【0006】には、「有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い、(例えば、図10-24(C)に示すメータが7つ溜まっているときよりも、図10-27(C)に示すメータが14つ溜まっているときのほうが、はずれ結果表示後に、図10-14に示すように洞窟発見演出よりもリム出現演出を実行割合が高くなっていること)」ことが記載され、同【0846】には、「有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い」ことが記載されている。 そして、同【0846】、【0847】の記載によれば、「有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合に、前記第1報知後演出が実行される割合よりも、前記第2報知後演出が実行される割合が高い」ことによって「特定演出中に所定表示が第2表示態様まで変化していると第2結果報知後に、なかなか見ることのできない第2報知後演出が実行されるので遊技者の興趣を向上させることができる」ようになり、本件特許発明の課題を解決できると認識することができる。 そうすると、本件特許発明は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明に当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということができ、本件特許発明についてサポート要件の違反はない。 よって、申立人による申立ての理由3には理由がない。 (4)申立人の主張 申立人は、異議申立書の「(4-2)理由3(サポート要件)について イ-3)サポート要件についての検討」において、1)本件特許の請求項1の構成要件L)には、内部抽選にて、例えば「あたり」当選し、その遊技において、特定演出が実行され、報知後演出が実行される場合は、第1報知後演出より、第2報知後演出が実行される割合が高いと特定しているのに対し、発明の詳細な説明及び図面には、【図10-14】しか手がかりがないにもかかわらず、同図の記載は、内部状態別(あたりかはずれか)、報知後演出別(洞窟発見の場合かリム出現の場合)における所定表示(メータ)の目盛りの表示割合であって、同図(A)(B)及び(C)はそれぞれが特定の異なる場面における所定表示(メータ)の目盛りの表示割合を示しただけのものであり、相互に適用される場面が異なる独立した当該表示割合を示すものであり、本件特許の発明の詳細な説明及び図面を見ても、「洞窟発見」演出と「リム」演出との実行割合については何ら記載されていないものであり、前記実行割合に関する解釈が特定されて明確であるものとはいえない、2)請求項1に係る発明の構成要件J)をみると、「前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、」と、異なる割合の関係が記載されているので、さらに前記実行割合に関する解釈を特定するには、当業者といえども窮してしまうこととなり、前記実行割合に関する解釈が特定されて明確であるものとはいえない(異議申立書9頁4行~10頁2行)などと主張する。 しかしながら、上記(3)で説示したとおり、本件特許発明は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明に当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであり、特に、上記1)の主張について、大当り時の変動パターン判定テーブルが【図10-9】に示されていることから、大当り時に洞窟発見演出とリム出現演出との選択割合が算出可能であり、それと【図10-14】のメータ演出の目盛りの変動パターンの表から、当業者が出願時の技術常識に照らせば、特定事項Lは導き出すことは可能である。 さらに、上記2)の主張について、特定事項Jの「前記第1報知後演出よりも、低い割合により前記第2報知後演出を実行し、」については、特定事項Lの「有利状態に制御される可変表示における前記特定演出の実行中に前記所定表示の表示態様が第2表示態様に変化し、該特定演出において前記第2結果が報知された場合」という状況が特定されない一般的な場面での特定事項であるため、遊技機分野の技術常識に照らしても、特定事項Lと何ら不合理なものではない。 よって、申立人の上記主張は妥当ではなく採用することができない。 (5)小括 以上により、本件特許発明は、特許法第36条第6項第1号に違反してなされたものではないから同法第113条第4号に該当せず、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきものではない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した理由によっては、本件特許の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700282

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同じ論点・分野の審決(審決分類)2,187件(1・A63F、536・A63F、537・A63F)
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    共通の審決分類: 1・A63F、536・A63F、537・A63F
  • 2024-700275異議申立 / 2024-10-22 / 維持遊技機
    共通の審決分類: 536・A63F、537・A63F
  • 2023-701118異議申立 / 2024-08-13 / 訂正認容遊技機
    共通の審決分類: 536・A63F、537・A63F
  • 2021-700041異議申立 / 2021-11-11 / 訂正認容サーバシステム
    共通の審決分類: 536・A63F、537・A63F
  • 2020-700148異議申立 / 2020-10-15 / 訂正認容遊技機
    共通の審決分類: 1・A63F、537・A63F

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