審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2024-700143

水栓装置

審判番号
2024-700143
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-218222
登録番号
7329322
請求日
2024年02月16日
審決日
2025年05月12日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社LIXIL
  • 【権利者代理人】弁理士法人グランダム特許事務所
  • 【異議申立人】齊藤 恵美子
審判長/審判官
  • 審判長 有家 秀郎
  • 審判官 太田 恒明
  • 審判官 蔵野 いづみ
分類
P1651.851-ZAA(E03C) / P1651.121-ZAA(E03C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

結論

結 論 特許第7329322号の特許請求の範囲を、令和6年12月26日提出の訂正請求書に添付され、令和7年2月21日提出の手続補正書により補正された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 特許第7329322号の請求項1ないし7に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7329322号(以下「本件特許」という。)に係る特許についての出願は、平成30年11月21日に出願され、令和5年8月9日にその特許権の設定登録がされ、同月18日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和6年 2月16日 特許異議申立人齊藤恵美子(以下「申立人」 という。)による請求項1~7に係る特許に 対する特許異議の申立て 同年 5月28日付け 取消理由通知 同年 7月30日 意見書及び訂正請求書の提出(特許権者) 同年 9月 5日 意見書の提出(申立人) 同年10月24日付け 取消理由通知(決定の予告) 同年12月26日 意見書及び訂正請求書の提出(特許権者) 令和7年 2月 4日付け 訂正拒絶理由通知 同月21日 意見書及び手続補正書の提出(特許権者) 同年 4月10日 意見書の提出(申立人) なお、令和6年12月26日に訂正の請求がされたので、同年7月30日にされた先の訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和6年12月26日提出の訂正請求書による訂正の趣旨は、「特許第7329322号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正することを求める。」というものであり、その内容は以下のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、「前記被取付け部に取り付けられる前記基部と、前記基部から延び、先端側に前記吐水口を有する前記吐出管と、を備え、」と記載されているのを、「前記被取付け部に取り付けられる前記基部と、前記基部から延び、先端側に前記吐水口を有する前記吐出管と、前記本体部の内部において、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも前記浄水カートリッジ側に配置され、前記原水供給路を開閉する開閉弁と、を備え、」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~請求項3、請求項5~請求項7も同様に訂正する。)。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1において、「前記基部は、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホース、を内部に配置しており、」と記載されているのを、「前記基部の内部に配置した流路は、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯側流路、及び前記給水ホースのみであり、」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~請求項3、請求項5~請求項7も同様に訂正する。)。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5において、「前記開閉弁は、固定弁と、前記固定弁に摺動自在に接した板状の可動弁と、を有している請求項4に記載の水栓装置。」と記載されているのを、「前記開閉弁は、固定弁と、前記固定弁に摺動自在に接した板状の可動弁と、を有している請求項1から3のいずれかに記載の水栓装置。」と訂正する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7において、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記湯水混合弁からの混合水流出路と前記浄水カートリッジからの浄水流出路が合流して前記二次側流路に繋がる合流部が配置されている請求項1から6のいずれかに記載の水栓装置。」と記載されているのを、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記湯水混合弁からの混合水流出路と前記浄水カートリッジからの浄水流出路が合流して前記二次側流路に繋がる合流部が配置されている請求項1から3、5及び6のいずれかに記載の水栓装置。」と訂正する。 (6) 一群の請求項について 訂正前の請求項1~7について、請求項2~7は、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~7に対応する訂正後の請求項1~7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 2 訂正拒絶理由通知について 令和7年2月4日付け訂正拒絶理由通知の概要は以下のとおりである。 (1) 訂正事項4について検討すると、訂正前の請求項5は、訂正前の請求項1または2のいずれかに記載される構成を有し、かつ、訂正前の請求項3において付加される構成、及び、訂正前の請求項4において付加される構成の両方を有するものであったところ、訂正後の請求項5は、「請求項1から3のいずれか」を引用するものとなり、選択肢の数が増加するとともに、訂正後の請求項1または2のいずれかを直接的に引用し、訂正後の請求項3を引用しないものも含むものとなり、訂正前の請求項5は、訂正前後でその実質的な内容に変更のない請求項3において付加される構成を必須としていたのに対し、訂正後の請求項5は、請求項3において付加される構成を有さないものも含むものとなった。 また、訂正前の請求項5は、訂正前の請求項4において付加された「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記原水供給路を開閉する開閉弁が配置されている」という構成を必須としていたところ、訂正後の請求項5は、訂正事項1により訂正された請求項1における「前記本体部の内部において、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも前記浄水カートリッジ側に配置され、前記原水供給路を開閉する開閉弁と、」という記載を考慮しても、「原水供給路を開閉する開閉弁」の位置を「湯水混合弁」と「浄水カートリッジ」との「間」と特定しているとはいえないから、その点でも、訂正前の請求項5を限定したとはいえない。 そのため、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものにも、請求項間の引用関係の解消を目的とするものにも該当せず、また、誤記の訂正や明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当しないことは明らかであるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号~第4号に規定するいずれを目的とするものにも該当しない。 (2) また、訂正後の請求項5は、訂正前の請求項5に特定されていた構成の一部が削除されたものも含むものとなるから、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当し、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合しない。 (3) 以上のとおり、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号~第4号に規定するいずれを目的とするものにも該当せず、また、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合しないから、訂正事項4に係る訂正は認められない。 (4) 上記(1)~(3)のとおり、一群の請求項1~7についてする訂正事項1~5のうち、訂正事項4を認めることができないから、訂正事項1~3及び訂正事項5についても、認めることができない。 3 手続補正書について (1) 令和7年2月21日に提出された手続補正書による、本件訂正請求に係る訂正請求書の補正の内容は以下のとおりである。 ア 「7.請求の理由(2)訂正事項」において「ウ 訂正事項3」、「エ 訂正事項4」、「オ 訂正事項5」を削除する。これら削除に伴い、「カ 訂正前後の請求項の対応表」を削除する。 イ 「7.請求の理由(3)訂正の理由 イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」において「(ウ)訂正事項3」、「(エ)訂正事項4」、「(オ)訂正事項5」を削除する。 ウ 「訂正特許請求の範囲」を添付のとおり補正する。 (2) 上記(1)の各補正は、いずれも訂正請求書に記載された各訂正事項を補正することなく、一部の訂正事項を削除するものであって、訂正請求の要旨を変更するものではないから、当該補正は認められる。 4 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無、及び独立特許要件 上記3のとおり、令和7年2月21日に提出された手続補正書による補正は認められたから、上記補正後の令和6年12月26日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、上記1(1)及び(2)の訂正事項1及び訂正事項2のとおりとなる。 以下、本件訂正の適否について判断する。 本件訂正は、訂正事項1及び訂正事項2からなるところ、訂正事項1及び訂正事項2は、いずれも請求項1に係る訂正で関連するので、まとめて検討する。 (1) 訂正の目的 訂正事項1及び訂正事項2は、訂正前の請求項1の記載に係る「水栓装置」について、「前記本体部の内部において、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも前記浄水カートリッジ側に配置され、前記原水供給路を開閉する開閉弁と、を」備えることを特定して限定するとともに、この記載よりも後の記載である、訂正前の請求項1の「前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路」の記載を「前記湯側流路」に、同じく訂正前の請求項1の「前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホース」の記載を「前記給水ホース」に、それぞれ訂正することにより重複する記載を省略し、さらに、「前記基部の内部に配置した流路は、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯側流路、及び前記給水ホースのみであり、」との記載によって、基部の内部に配置した流路は、一次側流路、二次側流路、湯側流路、及び給水ホースのみであることを限定するものであるから、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2) 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 上記(1)で説示したとおり、訂正事項1及び訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (3) 新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「本件明細書等」という。)の段落【0021】、【0024】、【0025】、【0029】、【0030】、図2、図3及び図6の記載からみて、訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正は、本件明細書等に記載した事項のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 よって、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 (4) 独立特許要件について 本件訂正においては、訂正前の全ての請求項1~7について特許異議申立てがされているので、訂正事項1及び訂正事項2により特許請求の範囲の減縮がされていても、訂正の適否の要件として、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 5 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項~第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、令和6年12月26日提出の訂正請求書に添付され、令和7年2月21日提出の手続補正書により補正された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の特許発明 上記第2のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~7に係る発明は、令和6年12月26日提出の訂正請求書に添付され、令和7年2月21日提出の手続補正書により補正された本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、それぞれ請求項番号により「本件発明1」等という。また、「A1」等は、当審で付した。以下「A」等を付した事項を「特定事項A1」等という。)。 「【請求項1】 A1 湯水混合弁と、 A2 浄水カートリッジと、 A3 1つの基部と、 A4 前記基部の上側に接続し、湯水混合弁、及び浄水カートリッジを収容する本体部と、 A5 前記本体部の外周面の上側から延びる吐出管と、 A6 前記湯水混合弁及び前記浄水カートリッジに水を供給する一次側流路と、 A7 前記湯水混合弁から流出した混合水及び前記浄水カートリッジから流出した浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する二次側流路と、を備え、 A8 前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記一次側流路と前記二次側流路が配置され、 A9 被取付け部に取り付けられた状態において、前記湯水混合弁及び前記浄水カートリッジは、水平方向に並んで配置され、 A10 前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に配置され、水供給路、及び原水供給路を有する前記一次側流路は、前記湯水混合弁へ延びる前記水供給路と、前記浄水カートリッジへ延びる前記原水供給路とに分岐し、 A11 前記水供給路は、水平方向に延びて前記湯水混合弁に接続し、 A12 前記原水供給路は、水平方向に延びて前記浄水カートリッジに接続し、 A13 前記被取付け部に取り付けられる前記基部と、 A14 前記基部から延び、先端側に前記吐水口を有する前記吐出管と、 A15 前記本体部の内部において、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも前記浄水カートリッジ側に配置され、前記原水供給路を開閉する開閉弁と、を備え、 A16 前記基部の内部に配置した流路は、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯側流路、及び前記給水ホースのみであり、 A17 前記給水ホースは、前記基部から、前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジの間を通って、前記吐水口を有する前記吐出管に繋がり、 A18 前記吐出管は、内部に前記給水ホースを摺動自在に有し、前記吐水口を前記給水ホースと共に引出し自在に保持している水栓装置。 【請求項2】 B1 前記湯水混合弁を収容する第一収容部と、 B2 前記浄水カートリッジを収容する第二収容部と、を備え、 B3 前記第一収容部及び前記第二収容部は、水平方向に延びる円柱形状の両端面を開口して形成されている 請求項1に記載の水栓装置。 【請求項3】 C 前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記一次側流路が分岐して前記湯水混合弁への水供給路と前記浄水カートリッジへの原水供給路に繋がる分岐部が配置されている 請求項1または2のいずれかに記載の水栓装置。 【請求項4】 D 前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記原水供給路を開閉する開閉弁が配置されている 請求項3に記載の水栓装置。 【請求項5】 E 前記開閉弁は、固定弁と、前記固定弁に摺動自在に接した板状の可動弁と、を有している 請求項4に記載の水栓装置。 【請求項6】 F 被取付け部に取り付けられた状態において、前記可動弁は、面内方向が垂直である 請求項5に記載の水栓装置。 【請求項7】 G 前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記湯水混合弁からの混合水流出路と前記浄水カートリッジからの浄水流出路が合流して前記二次側流路に繋がる合流部が配置されている 請求項1から6のいずれかに記載の水栓装置。」 第4 取消理由の概要及び特許異議申立理由の概要 1 取消理由の概要 当審において、本件訂正前の(令和6年7月30日提出の訂正請求書により訂正された)請求項1~7に係る特許に対して、令和6年10月24日付け取消理由通知(決定の予告)により特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 取消理由(進歩性) 請求項1~7に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 引用文献 甲第1号証:特開2012-36611号公報 甲第2号証:中国実用新案第205654914号明細書 甲第3号証:中国特許出願公開第105626900号明細書 甲第4号証:特開平4-210287号公報 甲第6号証:特開平5-203071号公報 (以下、甲第1号証等を「甲1」等という。) 2 特許異議申立理由の概要 特許異議申立理由の概要は、上記1に示した取消理由の概要と、概略同様である。 なお、周知技術を示す文献として、次の甲第5号証も提出されている。 甲第5号証:特開2001-303634号公報 第5 証拠について 事案に鑑み、先の取消理由通知(決定の予告)において引用した甲1~甲4及び甲6についてみる。 1 甲1について (1) 記載事項 甲1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 「【図面の簡単な説明】 【0022】 ・・・ 【図12】前記コア部の内部に形成された流路を説明するための図であって、コア部を斜め左上から見た透視図である。 【図13】前記コア部の内部に形成された流路を説明するための図であって、コア部を斜め左下から見た透視図である。 ・・・」 「【0024】 湯水混合水栓1は、栓本体2と、栓本体2の上部に取り付けられたホルダ3と、栓本体2の右端部に設けられた湯水バルブ4と、栓本体2の左端部に設けられた浄水バルブ5と、ホルダ3の先端に配置されたノズル6とを主要な構成としている。 栓本体2は、軸方向を水平にして左右に延びる円筒状の金属製のコア部10と、このコア部10の下部における左右方向ほぼ中央に連結固定された中空筒状の金属製の脚部11とから構成されており、脚部11が例えば流し台の上に設置される。前述したホルダ3はコア部10の上部に取り付けられ、湯水バルブ4はコア部10の右端部に設けられ、浄水バルブ5はコア部10の左端部に設けられている。 ・・・ 【0026】 コア部10の下面には、左右方向の中央で且つ前後方向の中央に、脚部11が螺合される有底の脚取付穴12が形成されており、コア部10の上面には、脚取付穴12よりも若干左寄りで前後方向の中央に、ホルダ3が挿入される有底のホルダ取付穴13が形成されている。 【0027】 コア部10には、ホルダ取付穴13から脚取付穴12に上下方向に貫通するシャワーホース挿通孔14が設けられている。シャワーホース挿通孔14の軸中心は、図6に示すようにホルダ取付穴13の軸中心と同軸上に配置されており、図7に示すように脚取付穴12の軸中心よりも左寄りに配置されている。 【0028】 コア部10には、脚取付穴12の底面における右半分の領域に開口する4つの通路がそれぞれ軸線を上下方向に延ばし、シャワーホース挿通孔14と干渉しないように配置されて設けられている。この4つの通路とは、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18であり、平面視では、シャワーホース挿通孔14の外周に沿って配置されていて、前方側から後方側へ順番に、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18と配置されている。すなわち、給水路15と給湯路18との間に浄水器給水路16と湯水混合吐出路17が配置されている。」 「【0029】 また、図10に示すように、コア部10の右端部には、湯水バルブ4が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されており、図8に示すように、バルブ取付穴20の底部には、湯入口ポート21と第1水入口ポート22と湯水混合出口ポート23が設けられている。湯水混合出口ポート23はバルブ取付穴20の中央やや斜め下後寄りに配置されており、湯入口ポート21は湯水混合出口ポート23の若干斜め上前寄りに配置されており、第1水入口ポート22は、上下方向において湯水混合出口ポート23と湯入口ポート21の間で、これらポート21,23よりも前方側に配置されている。なお、これは、図16に示される従来の湯水混合水栓100における湯入口ポート116、水入口ポート117、湯水混合出口ポート115の相互の位置関係を維持しつつ、右側面視において反時計回り方向に約40度回転した位置に対応する。 【0030】 そして、図12、図13の透視図に示すように、湯入口ポート21はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路24を介して給湯路18に接続され、第1水入口ポート22はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路25を介して給水路15に接続され、湯水混合出口ポート23はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路26を介して湯水混合吐出路17に接続されている。なお、これら直線路24,25,26は、互いに干渉せず、且つ、シャワーホース挿通孔14とも干渉しないように配置されている。このように、直線路24,25,26を介して接続すると、最短距離で接続することができるとともに、ドリルなどを用いた切削加工により直線路24,25,26を形成することができるので、加工が容易になる。 【0031】 バルブ取付穴20には湯水バルブ4が螺着され、湯水バルブ4によって、湯入口ポート21と第1水入口ポート22の一方または両方を湯水混合出口ポート23に連通可能および遮断可能とされている。湯水バルブ4の構造は従来の周知のものと同じであるので説明を省略し、湯水バルブ4を機能的に説明すると、以下の通りである。」 「【0034】 一方、コア部10の左端部には、図9に示すように、浄水バルブ5が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されており、バルブ取付穴30の底部には、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が形成されている。図9、図12、図13に示すように、第2水入口ポート31は、バルブ取付穴30のほぼ中央に設けられており、浄水器給水ポート32はバルブ取付穴30の周囲に沿って環状に設けられている。そして、第2水入口ポート31はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路33を介して前述した直線路25に接続されている。すなわち、第2水入口ポート31は直線路33,25を介して水供給路15に接続されている。浄水器給水ポート32はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路34を介して浄水器給水路16に接続されている。なお、これら直線路33,34は、互いに干渉せず、且つ、コア部10内に形成された前述した他の総ての通路およびシャワーホース挿通孔14と干渉しないように配置されている。 【0035】 バルブ取付穴30には浄水バルブ5が螺着され、浄水バルブ5によって第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が連通・遮断される。 浄水バルブ5の操作部5aは前後方向に回動可能になっていて、操作部5aの突起部5bを図1に示すように上方に向けた状態において、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32とが連通されて浄水バルブ5は開弁となり、この状態から前方に90度回転して、突起部5bを図2、および図4において実線で示すように前方に向けると、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32とは遮断されて浄水バルブ5は閉弁となる。」 「【0036】 コア部10の脚取付穴12には脚部11が螺着され固定され、ホルダ取付穴13には、逆Jの字状をなす中空筒状のホルダ3が左右に回動可能に取り付けられている。そして、ホルダ3内には図14に示すようにシャワーホース40が移動可能に挿通されていて、シャワーホース40の先端に連結されたノズル6がホルダ3の先端に着脱可能に取り付けられており、このノズル6をホルダ3から外し、シャワーホース40をホルダ3から引き出して使用することができるようになっている。また、ノズル6は、吐水形態をストレートとシャワーに切り換えることができるように構成されている。 【0037】 このように構成された湯水混合水栓1は、水、湯、湯水混合水、浄水の経路を模式的に示した図14のように、給水路15をフレキシブルホース50、バルブ51等を介して建物の水配管52に接続し、給湯路18をフレキシブルホース53、バルブ54等を介して建物の湯配管55に接続し、浄水器給水路16を流し台下に設置された浄水器70の原水入口71にホース56等を介して接続し、湯水混合吐出路17を連結パイプ57等を介してシャワーホース40に接続し、浄水器70の浄水出口72をホース58、ジョイント59等を介して連結パイプ57に接続して使用される。」 「【0038】 この湯水混合水栓1の使い方は従来のものと同じである。 まず、浄水器70を通さずに水または湯または湯水混合水を吐水する場合には、浄水バルブ5を閉弁して、湯水バルブ4だけを開弁し、所望する吐水温度に応じて操作レバー4aを前後方向へ回動する。浄水バルブ5を閉弁すると、浄水バルブ5によって第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が遮断されるので、建物の水配管52から供給された水は浄水器70には供給されなくなる。 【0039】 そして、操作レバー4aを図3におけるB位置まで前方に回動すると、湯水バルブ4によって湯入口ポート21が閉塞されて第1水入口ポート22と湯水混合出口ポート23が連通するので、建物の水配管52から供給された水が、第1水入口ポート22から湯水混合出口ポート23に流れ、さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水される。 【0040】 また、操作レバー4aを図3におけるA位置まで後方に回動すると、湯水バルブ4によって第1水入口ポート22が閉塞されて湯入口ポート21と湯水混合出口ポート23が連通するので、建物の湯配管55から供給された湯が、湯入口ポート21から湯水混合出口ポート23に流れ、さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水される。 【0041】 また、操作レバー4aを図3におけるA位置とB位置の間の任意の位置に停止すると、湯水バルブ4によって第1水入口ポート22と湯入口ポート21の両方が湯水混合出口ポート23に連通するので、建物の水配管52から供給された水と建物の湯配管55から供給された湯が混合されて湯水混合出口ポート23へと流れ込み、さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水される。 【0042】 一方、浄水器70で浄化した水を吐水する場合には、湯水バルブ4を閉弁して、浄水バルブ5だけを開弁する。湯水バルブ4を閉弁すると、湯入口ポート21および第1水入口ポート22と、湯水混合出口ポート23とが遮断されるので、浄水器70を通らない水、および湯が連結パイプ57に流入することはない。その状態において浄水バルブ5を開弁すると、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32とが連通するので、建物の水配管52から供給された水が、第2水入口ポート31から浄水器給水ポート32に流れ、さらに直線路34、浄水器給水路16、ホース56を通って浄水器70に供給され、浄水器70によって浄化された浄水が、ホース58、ジョイント59、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水される。 【0043】 このように構成された湯水混合水栓1では、コア部10の脚取付穴12において、湯水バルブ4が装着されるコア部10の右側端部とシャワーホース挿通孔14との間に、シャワーホース挿通孔14の外周に沿って、給湯路18と給水路15と湯水混合吐出路17と浄水器給水路16が配置されているので、建物において正面右側に水配管52が配管され、正面左側に湯配管55が配管されていても、給水路15をフレキシブルホース50で建物の水配管52に接続し、給湯路18をフレキシブルホース53で建物の湯配管55に接続する際に、フレキシブルホース50,53を交差させないで配管することができ、作業性が極めてよい。 特に、湯水混合吐出路17と浄水器給水路16を間に挟んで前方に給水路15、後方に給湯路18が配置されているので、給湯路18と給水路15とを前後方向に離れて配置することができる。」 「【図1】 [図:0001426801000001.jpg] 」 「【図12】 [図:0001426801000002.jpg] 」 「【図13】 [図:0001426801000003.jpg] 」 「【図14】 [図:0001426801000004.jpg] 」 (2) 認定事項 ア 認定事項1 図1の記載から、「脚部11」は「1つ」であること、「設置状態において、コア部10が水平であること」、及び「ホルダ3」が「コア部10」の上面から延出していることが見て取れる(以下「認定事項1」という。)。 イ 認定事項2 【0024】には、「軸方向を水平にして左右に延びる円筒状の金属製のコア部10」と、【0034】には、「コア部10の左端部には、・・・浄水バルブ5が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されており、バルブ取付穴30の底部には、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が形成され」と記載されている。 また、図12、図13から「第2水入口ポート31」と「浄水器給水ポート32」が形成される部材は、「コア部10」の軸線と垂直に配置されることが見て取れる。 以上のことから、甲1には、「第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が形成されるバルブ取付穴30の底部は、コア部10の軸線と垂直に配置される」ことが記載されていると認められる(以下「認定事項2」という。)。 ウ 認定事項3 【0030】には、「そして、図12、図13の透視図に示すように、湯入口ポート21はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路24を介して給湯路18に接続され、第1水入口ポート22はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路25を介して給水路15に接続され、湯水混合出口ポート23はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路26を介して湯水混合吐出路17に接続されている」と、【0034】には、「第2水入口ポート31はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路33を介して前述した直線路25に接続されている。すなわち、第2水入口ポート31は直線路33,25を介して水供給路15に接続されている。浄水器給水ポート32はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路34を介して浄水器給水路16に接続されている」と、それぞれ記載されている。 そして、これらの記載を踏まえ、図12及び図13を見ると、「直線路25」は、「給水路15」との接続部において、左右に分岐し、一方の端部において「第1水入口ポート22」に接続し、他方の端部において「直線路33」に接続し、さらに「第2水入口ポート31」に接続していることが見て取れる。 以上のことから、甲1には、「給水路15は、直線路25に接続し、直線路25は給水路15との接続部において分岐し、分岐した直線路25は一方の端部において第1水入口ポート22に接続し、他方の端部において直線路33に接続し、直線路33は第2水入口ポート31に接続するものである」ことが記載されていると認められる(以下「認定事項3」という。)。 エ 認定事項4 【0022】には、「【図12】・・・コア部を斜め左上から見た透視図である。【図13】・・・コア部を斜め左下から見た透視図である。」と、【0024】には、「軸方向を水平にして左右に延びる円筒状の金属製のコア部10」と、それぞれ記載されている。 これらの記載を踏まえると、図12、図13から「下方から延びる給水路15は、左右に延びるコア部10内に延在する直線路25及び直線路33により、右端の湯水バルブ4及び左端の浄水バルブ5へと水を供給する」ことが見て取れる(以下「認定事項4」という。)。 オ 認定事項5 図14の記載から、「脚部11は、その内部に給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、連結パイプ57からシャワーホース40に至る部材を配置していること」が見て取れる(以下「認定事項5」という。)。 カ 認定事項6 図14の記載から、「ホース58は、ジョイント59において連結パイプ57に接続されていること」が見て取れる(以下「認定事項6」という。)。 (3) 甲1に記載された発明 上記(1)及び(2)からみて、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 なお、上記(1)には、符号15の部材名として「給水路15」及び「水供給路15」が混在しているが、以下いずれも「給水路15」として認定する。 (甲1発明) 「栓本体2と、栓本体2の上部に取り付けられたホルダ3と、栓本体2の右端部に設けられた湯水バルブ4と、栓本体2の左端部に設けられた浄水バルブ5と、ホルダ3の先端に配置されたノズル6とを主要な構成としている湯水混合水栓1であって、 栓本体2は、設置状態において軸方向を水平にして左右に延びる円筒状の金属製のコア部10と、このコア部10の下部における左右方向ほぼ中央に連結固定された中空筒状の金属製の1つの脚部11とから構成されており、脚部11が流し台の上に設置され、ホルダ3はコア部10の上面から延出するように取り付けられ、湯水バルブ4はコア部10の右端部に設けられ、浄水バルブ5はコア部10の左端部に設けられ(【0024】、認定事項1)、 コア部10の下面には、左右方向の中央で且つ前後方向の中央に、脚部11が螺合される有底の脚取付穴12が形成されており、コア部10の上面には、脚取付穴12よりも若干左寄りで前後方向の中央に、ホルダ3が挿入される有底のホルダ取付穴13が形成され(【0026】)、 コア部10には、ホルダ取付穴13から脚取付穴12に上下方向に貫通するシャワーホース挿通孔14が設けられ(【0027】)、 さらに、コア部10には、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18の4つの通路がそれぞれ軸線を上下方向に延ばし、シャワーホース挿通孔14と干渉しないように配置されて設けられ(【0028】)、 コア部10の右端部には、湯水バルブ4が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されており、バルブ取付穴20の底部には、湯入口ポート21と第1水入口ポート22と湯水混合出口ポート23が設けられ(【0029】)、 湯入口ポート21はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路24を介して給湯路18に接続され、第1水入口ポート22はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路25を介して給水路15に接続され、湯水混合出口ポート23はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路26を介して湯水混合吐出路17に接続され(【0030】)、 バルブ取付穴20には湯水バルブ4が螺着され、湯水バルブ4によって、湯入口ポート21と第1水入口ポート22の一方または両方を湯水混合出口ポート23に連通可能および遮断可能とされ(【0031】)、 コア部10の左端部には、浄水バルブ5が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されており、バルブ取付穴30の底部は、コア部10の軸線と垂直に配置され、バルブ取付穴30の底部には、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が形成され、 第2水入口ポート31はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路33を介して直線路25に接続、すなわち、直線路33,25を介して給水路15に接続され、 浄水器給水ポート32はコア部10の内部に直線状に設けられた直線路34を介して浄水器給水路16に接続され(認定事項2、【0034】)、 バルブ取付穴30には浄水バルブ5が螺着され、浄水バルブ5によって第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32が連通・遮断され(【0035】)、 給水路15は、直線路25に接続し、直線路25は給水路15との接続部において分岐し、分岐した直線路25は一方の端部において第1水入口ポート22に接続し、他方の端部において直線路33に接続し、直線路33は第2水入口ポート31に接続するものであり(認定事項3)、 下方から延びる給水路15は、左右に延びるコア部10内に延在する直線路25及び直線路33により、右端の湯水バルブ4及び左端の浄水バルブ5へと水を供給し(認定事項4)、 コア部10の脚取付穴12には脚部11が螺着され固定され、ホルダ取付穴13には、逆Jの字状をなす中空筒状のホルダ3が左右に回動可能に取り付けられ、ホルダ3内にはシャワーホース40が移動可能に挿通されていて、シャワーホース40の先端に連結されたノズル6がホルダ3の先端に着脱可能に取り付けられており、このノズル6をホルダ3から外し、シャワーホース40をホルダ3から引き出して使用することができるようになっており(【0036】)、 給水路15をフレキシブルホース50、バルブ51等を介して建物の水配管52に接続し、給湯路18をフレキシブルホース53、バルブ54等を介して建物の湯配管55に接続し、浄水器給水路16を流し台下に設置された浄水器70の原水入口71にホース56等を介して接続し、湯水混合吐出路17を連結パイプ57等を介してシャワーホース40に接続し、浄水器70の浄水出口72をホース58、ジョイント59等を介して連結パイプ57に接続して使用され(【0037】)、 脚部11は、その内部に給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、連結パイプ57からシャワーホース40に至る部材を配置し(認定事項5)、 浄水器70を通さずに水または湯または湯水混合水を吐水する場合には、浄水バルブ5を閉弁して、湯水バルブ4だけを開弁し、所望する吐水温度に応じて操作レバー4aを前後方向へ回動し(【0038】)、 操作レバー4aを回動し、湯水バルブ4によって湯入口ポート21が閉塞されて第1水入口ポート22と湯水混合出口ポート23が連通すると、建物の水配管52から供給された水が、第1水入口ポート22から湯水混合出口ポート23に流れ、さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され(【0039】)、 操作レバー4aを回動し、湯水バルブ4によって第1水入口ポート22が閉塞されて湯入口ポート21と湯水混合出口ポート23が連通すると、建物の湯配管55から供給された湯が、湯入口ポート21から湯水混合出口ポート23に流れ、さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され(【0040】)、 操作レバー4aを任意の位置に停止し、湯水バルブ4によって第1水入口ポート22と湯入口ポート21の両方が湯水混合出口ポート23に連通すると、建物の水配管52から供給された水と建物の湯配管55から供給された湯が混合されて湯水混合出口ポート23へと流れ込み、さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され(【0041】)、 浄水器70で浄化した水を吐水する場合には、湯水バルブ4を閉弁して、浄水バルブ5だけを開弁すると、第2水入口ポート31と浄水器給水ポート32とが連通するので、建物の水配管52から供給された水が、第2水入口ポート31から浄水器給水ポート32に流れ、さらに直線路34、浄水器給水路16、ホース56を通って浄水器70に供給され、浄水器70によって浄化された浄水が、ホース58、ジョイント59、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され(【0042】)、 ホース58は、ジョイント59において連結パイプ57に接続され(認定事項6)、 コア部10の脚取付穴12において、湯水バルブ4が装着されるコア部10の右側端部とシャワーホース挿通孔14との間に、シャワーホース挿通孔14の外周に沿って、給湯路18と給水路15と湯水混合吐出路17と浄水器給水路16が配置されている(【0043】)、 湯水混合水栓1(【0024】)。」 2 甲2について (1) 記載事項 甲2には、次の事項が記載されている(日本語訳は申立人が提出した翻訳文を採用した。甲3も同様。)。 「 [図:0001426801000005.jpg] [図:0001426801000006.jpg] 」 (日本語訳: 【0021】 図1~6を参照されたい。本実用新案が公開した台所・洗面所用多機能蛇口であり、弁体10を含み、弁体10上に給水端と、出水端とを設け、給水端に冷、熱給水孔11、12を設け、出水端に混合出水孔13を設け、弁体10内に給水混合キャビティ14を設け、冷、熱給水孔11、12は、それぞれ冷、熱給水通路15、16を介して給水混合キャビティ14と連通し、混合出水孔13は、混合出水通路17を介して給水混合キャビティ14と連通し、給水混合キャビティ14内に、冷、熱給水通路15、16及び混合出水通路17と給水混合キャビティ14との連通を制御する調節弁コア(1)18、を設け、弁体10上の一側に冷給水調節キャビティ19を設け、冷給水調節キャビティ19内に冷給水通路15と連通する冷水通路20を設け、弁体10上の他側に冷給水濾過キャビティ21を設け、冷給水濾過キャビティ21内に冷給水調節キャビティ19と連通する通水通路22を設け、冷給水調節キャビティ19内に、冷水通路15、通水通路22と冷給水調節キャビティ19との連通を制御する調節弁コア(2)23を設け、出水端に冷水出水孔24を設け、冷水出水孔24は、冷出水通路25を介して冷給水濾過キャビティ21と連通する。 【0022】 冷給水濾過キャビティ21内から通過する水を比較的きれいにするため、冷給水濾過キャビティ21内に濾過コア26を設け、冷水通路20から冷給水濾過キャビティ21に入る水は、濾過コア26を経た後、冷出水通路25に入る。出水端に出水キャビティ27を設け、混合出水孔13及び冷水出水孔24は、それぞれ出水キャビティ27内に設けられる。冷水出水孔24は、出水キャビティ27のキャビティ底部中ほどに設けられ、混合出水孔13は、出水キャビティ27のキャビティ底部の出水キャビティ27側壁寄りの側に設けられ、冷出水通路25と混合出水通路17との間に0度超90度未満の夾角を形成する。ここで、濾過コア26内の給水から出水への方向に、順にトルマリン、麦飯石、塩素除去ボールを設け、冷水給水通路中から入る水は、順に濾過コア26内のトルマリン、麦飯石、塩素除去ボールにより濾過された後、さらに冷出水通路に入る。 【0023】 出水端に、出水キャビティ27と連通する出水管28を密封取付し、出水管28の給水端を出水キャビティ27内と混合水出水孔13との間に挿入して、密封接続する。出水管28は、内管29と、外管30とを含み、外管30は、内管29上を覆い、且つ外管30の内壁と内管29の外壁との間に空隙を残し、外管30の出水端の内壁と内管29の出水端の外壁との間は、環状の通水プレート31により固定接続され、通水プレート31上にいくつかの通水孔を設け、外管30が出水キャビティ27内に設けられた給水端の内壁と内管29の給水端の外壁との間は、接続プレート32により固定接続され、接続プレート32上又は外管30が出水キャビティ27内に設けられた給水端の側壁上に通水孔33を設ける。 【0024】 動作する場合、混合水が必要なときは、調節弁コア(1)を制御することにより冷熱水を制御してそれぞれ給水し、給水混合キャビティを介して混合出水通路から流出させ、外管と内管との間の間隙を通って流出させ、冷水が必要なときは、調節弁コア(2)を調節制御することにより、冷水を冷給水通路から冷給水調節キャビティに入れ、その後、冷給水調節キャビティから通水通路を介して冷給水濾過キャビティ内に入れ、冷出水通路から内管内に流出させて、流して使用する。本製品は、2つの制御方式及び2つの出水方式を統合し、本製品の使用可能性を有効に高めた。) 図1 「 [図:0001426801000007.jpg] 」 図2 「 [図:0001426801000008.jpg] 」 図3 「 [図:0001426801000009.jpg] 」 図4 「 [図:0001426801000010.jpg] 」 図5 「 [図:0001426801000011.jpg] 」 (2) 認定事項 図1から、「弁体10」は、正面視十字形状で、上方部、下方部、右方部、左方部に相当する部位を備えることが見て取れる。 そして、【0021】の「弁体10内に給水混合キャビティ14を設け、冷、熱給水孔11、12は、それぞれ冷、熱給水通路15、16を介して給水混合キャビティ14と連通し、混合出水孔13は、混合出水通路17を介して給水混合キャビティ14と連通し、給水混合キャビティ14内に、冷、熱給水通路15、16及び混合出水通路17と給水混合キャビティ14との連通を制御する調節弁コア(1)18、を設け、・・・弁体10上の他側に冷給水濾過キャビティ21を設け、冷給水濾過キャビティ21内に冷給水調節キャビティ19と連通する通水通路22を設け、冷給水調節キャビティ19内に、冷水通路15、通水通路22と冷給水調節キャビティ19との連通を制御する調節弁コア(2)23を設け、出水端に冷水出水孔24を設け、冷水出水孔24は、冷出水通路25を介して冷給水濾過キャビティ21と連通する」の記載を踏まえ、図3を見ると、甲2には、「弁体10は、正面視十字形状であり、右方部の端部に給水混合キャビティ14を、左方部の端部に冷給水濾過キャビティ21を、備えている」ことが記載されていると認められる(以下「認定事項7」という。)。 (3) 甲2に記載された事項 上記(1)及び(2)からみて、甲2には次の事項(以下「甲2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 (甲2記載事項) 「弁体10を含み、 弁体10は、正面視十字形状であり、右方部の端部に給水混合キャビティ14を、左方部の端部に冷給水濾過キャビティ21を、備え(【0021】、認定事項7)、 冷、熱給水孔11、12は、それぞれ冷、熱給水通路15、16を介して給水混合キャビティ14と連通し、混合出水孔13は、混合出水通路17を介して給水混合キャビティ14と連通し、給水混合キャビティ14内に、冷、熱給水通路15、16及び混合出水通路17と給水混合キャビティ14との連通を制御する調節弁コア(1)18、を設け(【0021】)、 冷給水濾過キャビティ21内から通過する水を比較的きれいにするため、冷給水濾過キャビティ21内に濾過コア26を設け(【0022】)、 混合水が必要なときは、調節弁コア(1)を制御することにより冷熱水を制御してそれぞれ給水し、給水混合キャビティを介して混合出水通路から流出させ、 冷水が必要なときは、冷水を冷給水通路から冷給水調節キャビティに入れ、その後、冷給水調節キャビティから通水通路を介して冷給水濾過キャビティ内に入れ、冷出水通路から内管内に流出させて、流して使用する(【0024】) 台所・洗面所用多機能蛇口(【0021】、図1~5)。」 3 甲3について (1) 記載事項 甲3には、次の事項が記載されている。 「 [図:0001426801000012.jpg] [図:0001426801000013.jpg] 」 (日本語訳: 【0022】 以下では、図面を結び付けて、本発明についてさらに説明する。 実施例1:二又水道管単一出水式濾過水蛇口。図1~図4を参照されたい。該二又水道管単一出水式濾過水蛇口は、横コア式単一管濾過水蛇口であり、蛇口本体11と、濾過コア12と、混水弁13と、直接飲用水弁14と、出水管15とを含み、前記蛇口本体11側面に弁ポート111、112を設け、それぞれ混水弁13及び直接飲用水弁14を接続し、蛇口本体11は、混水弁ポート111向かい面に濾過ポート113を設け、濾過コア12を接続するために用い、前記濾過コア12は、横向きに配置され、横向き濾過流路を形成し、蛇口本体11頂端出口114に出水管15を接続し、蛇口本体11内混水流路と濾過流路及び出水流路とは、三方構造を形成し、濾過水流路の合流口箇所にチェック弁16を設けて、濾過水を単一方向に通過させ、出水流路に入れる。上記合流口箇所とは、濾過水流路の出口箇所を指す。蛇口本体11の混水弁と直接飲用水弁のポートは、夾角90度で配置される。本発明蛇口本体11の底端は、給水端115であり、蛇口本体11の底端は、台座かさ上げ管を接続し、蛇口本体給水端に冷水入口と、熱水入口とを設け、そのうち冷水は、蛇口本体11内に向かって分岐水路を形成し、それぞれ混水弁端及び直接飲用水弁端に向かって延伸する。本発明濾過コア12は、外カバーと、その内部のエレメントとを含み、外カバーとエレメントとの間及びエレメント内に横向き濾過水路を形成し、濾過コア12が結合する蛇口本体ポート113の中心に還流孔カラム1131を設け、還流孔カラム内貫通孔は、出水流路及び混水流路に連通し、還流孔カラム内貫通孔は、階段孔になり、チェック弁16を取り付け、還流孔カラム一側に冷水口1132を設ける。本発明出水管15は、単一管式自在曲管であり、すなわち、出水管内には1本の出水水路しかなく、出水管は、回転可能に蛇口本体11上に取り付けられ、該出水管15は、蛇口本体11内出水流路と連通し、単一出水端末を形成する。 【0023】 本発明は、冷熱水と濾過水とで二又水道管を形成し、同一蛇口上に統合され、二又水道管は、同一出水管を共用し、濾過水流路出口箇所にチェック弁を設ける。その目的は、冷熱混合水がエレメント内に入るのを防止することであり、構想が合理的で、工法が簡単で、生産コストが低い等の特長を有し、一般消費者向きである。) 図1 「 [図:0001426801000014.jpg] 」 図2 「 [図:0001426801000015.jpg] 」 図3 「 [図:0001426801000016.jpg] 」 (2) 甲3に記載された事項 上記(1)からみて、甲3には次の事項(以下「甲3記載事項」という。)が記載されていると認められる。 (甲3記載事項) 「蛇口本体11と、濾過コア12と、混水弁13を含み、 前記蛇口本体11側面に弁ポート111を設け、混水弁13を接続し、 蛇口本体11は、混水弁ポート111向かい面に濾過ポート113を設け、濾過コア12を接続するために用い、前記濾過コア12は、横向きに配置され、外カバーと、その内部のエレメントとを含み、外カバーとエレメントとの間及びエレメント内に横向き濾過水路を形成し(【0022】)、 冷熱水と濾過水とで二又水道管を形成し、同一蛇口上に統合される(【0023】) 二又水道管単一出水式濾過水蛇口(【0022】、図1~3)。」 4 甲4について (1) 記載事項 甲4には、次の事項が記載されている(なお、【0014】、【0017】、【0018】は、甲4の8頁に記載された、平成4年3月9日手続補正書により補正された内容であり、【図3】は、甲4の9頁に記載された、平成4年3月9日手続補正書により補正された内容である。)。 「【0009】【発明の効果】本発明は以上の様に構成したので、次ぎに記載する効果を奏する。請求項1の水処理器付水栓は、水栓本体の内部に水処理器を着脱可能に備えているので、吐水口下部の作業空間や水栓本体が設置されるカウンターの下部空間を有効に利用できると共に、水処理器の交換やメンテナンスを簡単に行うことができる。請求項2の水処理器付水栓は、請求項1のものと同様に水栓周りの空間の有効利用と、水処理器の交換やメンテナンスを簡単に行える利点を有すると共に、切換弁を切換えることにより、水処理器を通過させた浄水と、普通の給水とを選択して吐水することが出来る。」 「【0012】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本願請求項1に対応する水処理器付水栓の実施例であり、カウンターAの上面に設置して固定される水栓本体1の内部にスパウト8に連絡する水路1a、1bと、浄水器カートリッジ2を内装するカートリッジ室3を形成してある。尚、水処理器を構成する浄水器カートリッジ2は微細な中空糸からなる浄化材を充填してなり、小型で不純物の除去や制菌作用に優れたものを用いている。上記した水栓本体1の一側には開閉用ハンドル4が水平に設けられ、水栓本体1内に向けて伸びるハンドル4の主軸4a先端に開閉弁5の弁体5aを設け、弁座5bに対して離接自在に支持してある。」 「【0014】上記したように構成した水処理器付水栓は、水栓本体1の内部に小型な浄水器カートリッジ2を着脱可能に具備している。従って、従来のものと比較すると、スパウト8下部の作業空間や水栓本体1が設置されるカウンターAの下部空間が水処理器によって占順されることが無くなり、それらの空間を有効に利用することができる。また、上記した浄水器カートリッジ2においては、その浄化機能が約半年間にわたって発揮される。従って、浄化効果を維持する為には水処理器カートリッジ2を半年毎に交換する必要があるが、上記した水処理器付水栓は水栓本体1の蓋体6を開けて小型な浄水器カートリッジ2を入れ換えるだけで良いので、不慣れな者でも浄水器カートリッジ2の交換やメンテナンス作業を簡単に行うことができる。」 「【0017】尚、水路11bとllcとはスパウト17の吐水口まで仕切られた状態で形成され、各々、別な吐水口に連絡されている。従って、水路11bを流れて吐水される浄水に、水路11cを流れて吐水される通常の給水に含まれる不純物や雑菌が混入する不合理を解決することができる。上記した様に構成した水処理器付水栓は、図1にて示したものと同様に、水栓周りの空間の有効利用と、浄水器カートリッジの交換やメンテナンスを簡単に行える利点を有する。また、これと同時に、ハンドル14の回動操作により切換弁15を切換えることで、浄水器カートリッジ2を通過させた浄化水と普通の給水とを選択して吐水し、流量調節することができる。さらに、浄水に通常給水の不純物や雑菌が混入することもないので衛生的である。図3は請求項5に対応する水処理器付水栓の実施例である。この水処理器付水栓は、カウンターAの上面に設置して固定される縦長形状の水栓本体21の内部に、給水管22aから給水を受ける水路21a及び切替開閉弁25からの給水を浄化水カートリッジ2に送る水路21b、混合水を吐水口28aに供給する混合水路21cを形成すると共に、同水栓本体21の一側部に摺動式の切換開閉弁25を操作するハンドルレバー24を設け、他側部には浄水器カートリッジ室2を内装するカートリッジ室23が形成してある。 【0018】そして、上記した水処理器付水栓は、水栓本体21内に給水管22aと共に給湯管22bが導入され、これらから供給される給水と給湯とを切換開閉弁25で所望温度に混合した後、混合水路21cを通過させて水栓本体21の下部周面より延出するスパウト28aから吐水する。また、この水処理器付水栓は、上記切換開閉弁25を切換操作することで、給水管22aから供給される給水のみを水路21bに接続される浄水器カートリッジ2内を通して浄化し、水栓本体21の上部に設けた浄水専用スパウト28bから吐水させる。給水管22aと給湯管22bとはカウンターAの下面に貫通する水栓本体21の下部から本体内部に導入され、給水管22aは水路の21aに、また、給湯管22bは水路21aと平行して形成される湯路21dに各々連絡している。そして、上記水路21aは水栓本体21内を上部に向けて伸び、接合壁面27に開口する給水通孔27aに連絡し、また、湯路21dは上記接合壁面27の給湯通孔27bに連絡しである。尚、本実施例の水処理器付水栓は、上記した給水管22aと給湯管22bの2本を配管するだけで施工時の配管を簡単に済ませることができる。 【0019】上記した接合壁面27には水栓本体21の上部に水平状態で組み込まれる摺動式の切換開閉弁25の端面がつき合わされている。切換開閉弁25は、図3乃至図9にて示す様に略円盤形の固定盤31と可動盤32とを外筒30に内装させた状態で摺動自在に重ね合わせ、上記回動盤32をハンドルレバー24の操作で摺動させることにより、湯と水との混合、浄水用の水路21bと混合水路21cとの選択切換え、及び流量調節を行う。図5にて示す様に、固定盤31はセラミックスからなる円盤であり、可動盤32との摺動面には前記した水栓本体21の接合壁面27の給水通口27a、給湯通口27bと各々に連通する水流入口31aと湯流入口31b、さらに混合水流出口31c、給水流出口31dが所定の配置で開口させてある。そして、混合水流出口31cは前記した接合壁面27に開口させた通口27cと接合して混合水路21cに連絡し、また、給水流出口31dは通口27dを通して浄化水専用の水路21bに連絡する。」 「【図3】 [図:0001426801000017.jpg] 」 「【図5】 [図:0001426801000018.jpg] 」 (2) 甲4に記載された事項 上記(1)からみて、甲4には次の事項(以下「甲4記載事項」という。)が記載されていると認められる。 (甲4記載事項) 「水栓本体1の内部に小型な浄水器カートリッジ2を着脱可能に具備している水処理器付水栓であって(【0014】)、 カウンターAの上面に設置して固定される縦長形状の水栓本体21の内部に、給水管22aから給水を受ける水路21a及び切替開閉弁25からの給水を浄化水(当審注:「浄水器」の誤記と認める。)カートリッジ2に送る水路21b、混合水を吐水口28aに供給する混合水路21cを形成すると共に、同水栓本体21の一側部に摺動式の切換開閉弁25を操作するハンドルレバー24を設け、他側部には浄水器カートリッジ室2を内装するカートリッジ室23が形成してあり(【0017】)、 水栓本体21内に給水管22aと共に給湯管22bが導入され、これらから供給される給水と給湯とを切換開閉弁25で所望温度に混合した後、混合水路21cを通過させて水栓本体21の下部周面より延出するスパウト28aから吐水させ、 切換開閉弁25を切換操作することで、給水管22aから供給される給水のみを水路21bに接続される浄水器カートリッジ2内を通して浄化し、水栓本体21の上部に設けた浄水専用スパウト28bから吐水させ(【0018】)、 切換開閉弁25は、略円盤形の固定盤31と可動盤32とを外筒30に内装させた状態で摺動自在に重ね合わせ、上記回動盤32をハンドルレバー24の操作で摺動させることにより、湯と水との混合、浄水用の水路21bと混合水路21cとの選択切換え、及び流量調節を行う(【0019】) 水処理器付水栓(【0017】、図3、図5)。」 5 甲6について (1) 記載事項 甲6には、次の事項が記載されている。 「【0007】 【実施例】以下、本発明に係る浄水器付き湯水混合水栓(以下「発明混合水栓」という)を図面に示す実施例に基づいて説明する。 【0008】(第1実施例)図1乃至図4は、本発明混合水栓の第1実施例を示すものである。本実施例の本発明混合水栓10は、流し台のカウンター9等に取り付けた横長の湯水混合水栓本体11と、湯水混合水栓本体11へ着脱可能に取り付けた浄水器12と、湯水混合水栓本体11の内部に形成されたバイパス通路13とを備えている。 【0009】該湯水混合水栓本体11は、配管からなる給水路15及び給湯路16を接続した湯水混合用操作弁17が本体ケース23に内蔵されている。該湯水混合用操作弁17は、固定板18と可動板19を水密に重ね合わせたデスク式であり、操作ハンドル20の操作で可動板19が移動するのに伴い、水と湯の混合割合の調節及び混合湯水の吐水量の調節並びに浄水用水の流出量の調節を行うものである。 【0010】該固定板18には、図2及び図4に示す如く、可動板19が重なり合う面に4個の開口部が開設されている。これら開口部は、吐水管21に通じる混合湯水流出口18aと、給水路15に通じる水流入口18bと、給湯路16に通じる湯流入口18cと、バイパス通路13に通じる浄水用流出口18dとからなる。」 (2) 甲6に記載された事項 上記(1)からみて、甲6には次の事項(以下「甲6記載事項」という。)が記載されていると認められる。 (甲6記載事項) 「流し台のカウンター9等に取り付けた横長の湯水混合水栓本体11と、湯水混合水栓本体11へ着脱可能に取り付けた浄水器12と、湯水混合水栓本体11の内部に形成されたバイパス通路13とを備え(【0007】)、 該湯水混合水栓本体11は、配管からなる給水路15及び給湯路16を接続した湯水混合用操作弁17が本体ケース23に内蔵されており、 該湯水混合用操作弁17は、固定板18と可動板19を水密に重ね合わせたデスク式であり、操作ハンドル20の操作で可動板19が移動するのに伴い、水と湯の混合割合の調節及び混合湯水の吐水量の調節並びに浄水用水の流出量の調節を行うものであり(【0009】)、 該固定板18には、可動板19が重なり合う面に4個の開口部が開設され、これら開口部は、吐水管21に通じる混合湯水流出口18aと、給水路15に通じる水流入口18bと、給湯路16に通じる湯流入口18cと、バイパス通路13に通じる浄水用流出口18dとからなる(【0010】) 浄水器付き湯水混合水栓(【0007】)。」 第6 当審の判断 1 対比・判断 (1) 本件発明1 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 特定事項A1 甲1発明の「湯水バルブ4」は、本件発明1の「湯水混合弁」に相当する。 よって、甲1発明は、本件発明1の特定事項A1を備える。 イ 特定事項A2 甲1発明の「浄水バルブ5」は、本件発明1の「浄水カートリッジ」と、浄水機能に係る部材である点で共通する。 よって、本件発明1の特定事項A2と甲1発明は、「浄水機能に係る部材」を備える点で共通する。 ウ 特定事項A3 甲1発明の「1つの脚部11」は、本件発明1の特定事項A3の「1つの基部」に相当する。 よって、甲1発明は、本件発明1の特定事項A3を備える。 エ 特定事項A4 甲1発明の「脚部11」は、「コア部10の下部における左右方向ほぼ中央に連結固定され」ているから、甲1発明の「コア部10」は、「脚部11」の上側に接続しているといえ、本件発明1の「前記基部の上側に接続」「する本体部」に相当する。 また、甲1発明の「コア部10」は「軸方向を水平にして左右に延びる円筒状」であり、その「右端部には、湯水バルブ4(本件発明1の「湯水混合弁」に相当。)が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されて」いるものであるから、「湯水バルブ4」は、「有底のバルブ取付穴20」の底部から、「円筒状」の「コア部10」の最右端部に至る部分の間において「螺着され」、収容されるといえる。 よって、甲1発明の「コア部10」は、本件発明1の「湯水混合弁」「を収容する本体部」に相当する。 同様に、甲1発明の「コア部10」は、その「左端部には、浄水バルブ5(本件発明1の「浄水カートリッジ」と、「浄水機能に係る部材」である点で共通。)が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されて」いるものであるから、「浄水バルブ5」は、「有底のバルブ取付穴30」の底部から、「円筒状」の「コア部10」の最左端部に至る部分の間において「螺合され」、収容されるといえる。 よって、甲1発明の「コア部10」は、本件発明1の「浄水カートリッジを収容する本体部」と、「浄水機能に係る部材を収容する本体部」である点で共通する。 以上のことから、本件発明1の特定事項A4と甲1発明は、「前記基部の上側に接続し、湯水混合弁、及び」浄水機能に係る部材「を収容する本体部」を備える点で共通する。 オ 特定事項A5 甲1発明の「ホルダ3」は、「コア部10の上面から延出している」から、本件発明1の「前記本体部の外周面の上側から伸びる吐出管」に相当する。 よって、甲1発明は、本件発明1の特定事項A5を備える。 カ 特定事項A6 甲1発明は、「コア部10の右端部には、湯水バルブ4(湯水混合弁)が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されており、バルブ取付穴20の底部には」、「第1水入口ポート22」「が設けられ」、「第1水入口ポート22は」「給水路15に接続され」、「給水路15を」「建物の水配管52に接続し」、「湯水バルブ4によって湯入口ポート21が閉塞されて第1水入口ポート22と湯水混合出口ポート23が連通すると、建物の水配管52から供給された水が、第1水入口ポート22から湯水混合出口ポート23に流れ」るものであるから、甲1発明の「給水路15」は、本件発明1の「前記湯水混合弁」「に水を供給する」「流路」に相当する。 また、甲1発明は、「コア部10の左端部には、浄水バルブ5(浄水機能に係る部材)が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されており、」「バルブ取付穴30の底部には、第2水入口ポート31」「が形成され」、「第2水入口ポート31は」「給水路15に接続され」、「給水路15を」「建物の水配管52に接続し」、「湯水バルブ4を閉弁して、浄水バルブ5だけを開弁すると」、「建物の水配管52から供給された水が、第2水入口ポート31から浄水器給水ポート32に流れ」るものであるから、甲1発明の「給水路15」は、本件発明1の「前記浄水カートリッジに水を供給する」「流路」と、浄水機能に係る部材に水を供給する流路である点で共通する。 以上のことから、本件発明1の特定事項A6と甲1発明は、「前記湯水混合弁及び」浄水機能に係る部材「に水を供給する」第1の「流路」を備える点で共通する。 キ 特定事項A7 甲1発明の「ホルダ3(本件発明1の「吐出管」に相当。)の先端に着脱可能に取り付けられ」、「湯水バルブ4」を経て「混合され」が「水と」「湯」、及び、「浄水」を「吐水」する「ノズル6」は、本件発明1の「吐水口」に相当する。 甲1発明は、「コア部10の右端部には、湯水バルブ4が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されており、バルブ取付穴20の底部には、湯入口ポート21と第1水入口ポート22と湯水混合出口ポート23が設けられ」、「湯水混合出口ポート23は」「湯水混合吐出路17に接続され」、「湯水バルブ4によって第1水入口ポート22と湯入口ポート21の両方が湯水混合出口ポート23に連通すると、建物の水配管52から供給された水と建物の湯配管55から供給された湯が混合されて湯水混合出口ポート23へと流れ込み」、「湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され」るものであるから、甲1発明の「湯水混合吐出路17」及び「連結パイプ57」は、本件発明1の「前記湯水混合弁から流出した混合水」「を前記吐出管の吐水口へ吐出する」「流路」に相当する。 また、甲1発明は、「浄水器70によって浄化された浄水が、ホース58、ジョイント59、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され」るものであるから、甲1発明の「ホース58、ジョイント59、連結パイプ57」は、本件発明1の「浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する」「流路」に相当する。 以上のことから、本件発明1の「二次側流路」と甲1発明の「連結パイプ57」は、「前記湯水混合弁から流出した混合水及び」「浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する」第2の「流路」である点で共通し、本件発明1の特定事項A7と甲1発明は、「前記湯水混合弁から流出した混合水及び」「浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する」第2の「流路」を備える点で共通する。 ク 特定事項A8 甲1発明は、「湯水バルブ4はコア部10の右端部に設けられ、浄水バルブ5はコア部10の左端部に設けられ」、「コア部10には、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18の4つの通路が」「設けられ」ることから、甲1発明において、「湯水バルブ4(湯水混合弁)」と「浄水バルブ15(浄水機能に係る部材)」の間に、「給水路15(本件発明1の「一次側流路」と「第1の流路」である点で共通。)」が配置されているといえる。 よって、本件発明1の特定事項A8と甲1発明は、「前記湯水混合弁と」浄水機能に係る部材「との間に、」第1の「流路」が配置されている点で共通する。 ケ 特定事項A9 甲1発明の「脚部11が流し台の上に設置され」た状態は、本件発明1の「被取付け部に取り付けられた状態」に相当する。 そして、甲1発明の「コア部10」は「軸方向を水平にして左右に延びる」ものであり、その「コア部10の下部に」「連結固定された」「脚部11が流し台の上に設置され」、「湯水バルブ4はコア部10の右端部に設けられ、浄水バルブ5はコア部10の左端部に設けられ」ることから、甲1発明の「湯水バルブ4(湯水混合弁)」と「浄水バルブ5(浄水機能に係る部材)」は、「脚部11が流し台の上に設置され」た状態において、水平方向に並んで配置されているといえる。 よって、本件発明1の特定事項A9と甲1発明は、「被取付け部に取り付けられた状態において、前記湯水混合弁及び」浄水機能に係る部材「は、水平方向に並んで配置され」る点で共通する。 コ 特定事項A10 上記クより、甲1発明は、本件発明1と、「前記湯水混合弁と」浄水機能に係る部材「との間に、」第1の「流路」が配置される点で共通する。 甲1発明において、「給水路15は、直線路25に接続し、直線路25は給水路15との接続部において分岐し、分岐した直線路25は一方の端部において第1水入口ポート22に接続し、他方の端部において直線路33に接続し、直線路33は第2水入口ポート31に接続するもの」である。 ここで、上記カにおける検討を踏まえると、甲1発明の「第1水入口ポート22」は、「湯水バルブ4」に通じるものであり、「第2水入口ポート31」は、「浄水バルブ5」に通じるものであるから、甲1発明の「給水路15」は、「湯水バルブ4」へ延びる部分と、「浄水バルブ5」に延びる部分に分岐しているといえる。 そして、甲1発明の「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「一方の端部において第1水入口ポート22に接続」し「湯水バルブ4」に通じる部分は、本件発明1の「前記湯水混合弁へ延びる」「水供給路」に相当する。 同様に、甲1発明の「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「他方の端部において直線路33に接続」するまでの部分、及び「第2水入口ポート31に接続」して「浄水バルブ5」に通じる「直線路33」は、本件発明1の「原水供給路」に相当する。 よって、本件発明1の特定事項A10と甲1発明は、「前記湯水混合弁と」浄水機能に係る部材「との間に配置され、水供給路、及び原水供給路を有する」第1の「流路は、前記湯水混合弁へ延びる前記水供給路と、」浄水機能に係る部材「へ延びる前記原水供給路とに分岐」する点で共通する。 サ 特定事項A11 上記コにおける検討を踏まえると、甲1発明の「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「一方の端部において第1水入口ポート22に接続」し「湯水バルブ4」に通じる部分は、本件発明1の「前記湯水混合弁に接続」する「水供給路」に相当する。 よって、本件発明1の特定事項A11と甲1発明は、「前記水供給路は」、「前記湯水混合弁に接続」する点で共通する。 シ 特定事項A12 上記コにおける検討を踏まえると、甲1発明の「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「他方の端部において直線路33に接続」するまでの部分、及び「第2水入口ポート31に接続」して「浄水バルブ5」に通じる「直線路33」は、本件発明1の「原水供給路」と、浄水機能に係る部材「に接続」する「原水供給路」である点で共通する。 よって、本件発明1の特定事項A12と甲1発明は、「前記原水供給路は」、浄水機能に係る部材「に接続」する点で共通する。 ス 特定事項A13 甲1発明の「流し台の上に設置され」た「脚部11」は、本件発明1の「前記被取付け部に取り付けられる前記基部」に相当する。 よって、甲1発明は、本件発明1の特定事項A13を備える。 セ 特定事項A14 上記ウ、オ及びキより、甲1発明の「脚部11」、「ホルダ3」及び「ノズル6」は、本件発明1の「基部」、「吐出管」及び「吐水口」に、それぞれ相当する。 甲1発明は、「脚部11が螺合される有底の脚取付穴12」及び「ホルダ3が挿入される有底のホルダ取付穴13」は、いずれも「コア部10」の「前後方向の中央に」、「形成され」るものであり、「コア部10には、ホルダ取付穴13から脚取付穴12に上下方向に貫通するシャワーホース挿通孔14が設けられ」、「ホルダ3内にはシャワーホース40が移動可能に挿通され」るとともに、「中空筒状の」「脚部11」内においてもシャワーホース40が移動可能に挿通されることは明らかであるから、甲1発明の「ホルダ3」は、「脚部11」から「延び」ているといえる。 そして、甲1発明の「ホルダ3」の「先端に」「ノズル6が」「着脱可能に取り付けられ」ていることは、本件発明1の「前記吐出管」の「先端側に前記吐水口を有する」ことに相当する。 よって、甲1発明は、本件発明1の特定事項A14を備える。 ソ 特定事項A15 (ア) 上記カより、甲1発明の「給水路15」は、本件発明1の「一次側流路」と「第1の流路」である点で共通するものであり、上記キより、甲1発明の「連結パイプ57」は、本件発明1の「二次側流路」と「第2の流路」である点で共通するものである。 また、甲1発明は、「コア部10の右端部には、湯水バルブ4(「湯水混合弁」)が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されており、バルブ取付穴20の底部には、湯入口ポート21」「が設けられ」、「湯入口ポート21は」「給湯路18に接続され」、「給湯路18を」「建物の湯配管55に接続し」、「湯水バルブ4によって第1水入口ポート22が閉塞されて湯入口ポート21と湯水混合出口ポート23が連通すると、建物の湯配管55から供給された湯が、湯入口ポート21から湯水混合出口ポート23に流れ」るものであるから、甲1発明の「給湯路18」は、本件発明1の「前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路」に相当する。 さらに、甲1発明の「湯水混合水栓1」は、「湯水混合吐出路17」または「ジョイント59」から、「連結パイプ57(第2の流路)、シャワーホース40を順に通って、ノズル6(吐水口)から吐水され」るものであるから、甲1発明の「連結パイプ57」及び「シャワーホース40」は、いずれも本件発明1の「給水ホース」に相当する。 (イ) 上記コより、甲1発明の「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「他方の端部において直線路33に接続」するまでの部分、及び「第2水入口ポート31に接続」して「浄水バルブ5」に通じる「直線路33」は、本件発明1の「原水供給路」に相当する。 そして、甲1発明において、「コア部10の左端部には、浄水バルブ5が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されており」、「バルブ取付穴30の底部には、第2水入口ポート31」「が形成され」、「浄水バルブ5によって第2水入口ポート31」「が連通・遮断され」るから、甲1発明の「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」は、本件発明1の「前記原水供給路を開閉する開閉弁」に相当する。 (ウ) 甲1発明の「コア部10(上記エより、本件発明1の「本体部」に相当。)」には、「給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18の4つの通路がそれぞれ軸線を上下方向に延ばし」て「設けられ」、また、上記イより、「浄水バルブ5」は、本件発明1の「浄水カートリッジ」と、浄水機能に係る部材である点で共通する。 そして、上記(イ)を踏まえると、甲1発明の「第2水入口ポート31に接続」して「浄水バルブ5」に通じる「直線路33」は、「第2水入口ポート31」を挟んで「浄水バルブ5」の反対側に存在するといえる。 (エ) 以上のことから、本件発明1の特定事項A15と甲1発明は、「前記本体部」「において」、第1の流路、「前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び」第2の流路「と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも」浄水機能に係る部材「側に配置され、前記原水供給路を開閉する開閉弁と、を備え」る点で共通する。 タ 特定事項A16 甲1発明の「脚部11(上記ウより、本件発明1の「基部」に相当。)」は、「その内部に給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、連結パイプ57からシャワーホース40に至る部材を配置し」ている。 してみると、甲1発明の「脚部11」の内部に配置した流路は、「給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、連結パイプ57からシャワーホース40に至る部材」であるといえる。 そして、上記カより、甲1発明の「給水路15」は、本件発明1の「一次側流路」と「第1の流路」である点で共通する。 また、上記ソより、甲1発明の「給湯路18」は、本件発明1の「前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路」に相当し、甲1発明の「連結パイプ57」及び「シャワーホース40」は、いずれも本件発明1の「給水ホース」に相当する。 そして、甲1発明は、「コア部10の下面に」「脚部11が螺合される有底の脚取付穴12が形成され」、「コア部10には、ホルダ取付穴13から脚取付穴12に上下方向に貫通するシャワーホース挿通孔14が設けられ」ることから、「脚取付穴12」に「螺合される」「中空筒状の」「脚部11」の内部に「シャワーホース40」が配置されることは明らかである。 以上のことから、本件発明1の特定事項A16と甲1発明は、「前記基部の内部に配置した流路は」、第1の流路、「前記湯側流路、及び前記給水ホース」である点で共通する。 チ 特定事項A17 甲1発明の「コア部10」は、その「下面には」、「脚取付穴12が形成されており」、その「上面には」、「ホルダ3(吐出管)が挿入される有底のホルダ取付穴13が形成され」、「ホルダ取付穴13から脚取付穴12に上下方向に貫通するシャワーホース挿通孔14が設けられ」るものであり、さらに、「コア部10の脚取付穴12には脚部11が螺着され固定され、ホルダ取付穴13には」、「ホルダ3が左右に回動可能に取り付けられ、ホルダ3内にはシャワーホース40が移動可能に挿通されていて、シャワーホース40の先端に連結されたノズル6がホルダ3の先端に着脱可能に取り付けられて」いるものである。 また、甲1発明の「コア部10」は、その「右端部には、湯水バルブ4(湯水混合弁)が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成されており」、その「左端部には、浄水バルブ5(浄水機能に係る部材)が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されて」いるものである。 そして、甲1発明において「シャワーホース40(給水ホース)」が「シャワーホース挿通孔14」に挿通されることは明らかであるから、甲1発明の「シャワーホース40」は、「脚部11」から、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」の間を通って、「ノズル6」が取り付けられている「ホルダ3」に繋がっているといえる。 以上のことから、本件発明1の特定事項A17と甲1発明は、「前記給水ホースは、前記基部から、前記湯水混合弁と」浄水機能に係る部材「の間を通って、前記吐水口を有する前記吐出管に繋が」る点で共通する。 ツ 特定事項A18 甲1発明の「ホルダ3(吐出管)内にはシャワーホース40(給水ホース)が移動可能に挿通されてい」ることは、本件発明1の「前記吐出管は、内部に前記給水ホースを摺動自在に有」することに相当する。 そして、甲1発明は「シャワーホース40の先端に連結されたノズル6がホルダ3の先端に着脱可能に取り付けられており、このノズル6をホルダ3から外し、シャワーホース40をホルダ3から引き出して使用することができる」ものであり、「ノズル6」を「シャワーホース40」と共に引き出して使用するものであるから、甲1発明は、本件発明1の「前記吐水口を前記給水ホースと共に引出し自在に保持」する構成を備える。 また、甲1発明の「湯水混合水栓1」は、本件発明1の「水栓装置」に相当する。 よって、甲1発明は、本件発明1の特定事項A18を備える。 テ 一致点・相違点 上記ア~ツからみて、本件発明1と甲1発明は、 「A1 湯水混合弁と、 A2’浄水機能に係る部材と、 A3 1つの基部と、 A4’前記基部の上側に接続し、湯水混合弁、及び浄水機能に係る部材を収容する本体部と、 A5 前記本体部の外周面の上側から延びる吐出管と、 A6’前記湯水混合弁及び浄水機能に係る部材に水を供給する第1の流路と、 A7’前記湯水混合弁から流出した混合水及び浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する第2の流路と、を備え、 A8’前記湯水混合弁と浄水機能に係る部材との間に、第1の流路が配置され、 A9’被取付け部に取り付けられた状態において、前記湯水混合弁及び浄水機能に係る部材は、水平方向に並んで配置され、 A10’前記湯水混合弁と浄水機能に係る部材との間に配置され、水供給路、及び原水供給路を有する第1の流路は、前記湯水混合弁へ延びる前記水供給路と、浄水機能に係る部材へ延びる前記原水供給路とに分岐し、 A11’前記水供給路は、前記湯水混合弁に接続し、 A12’前記原水供給路は、浄水機能に係る部材に接続し、 A13 前記被取付け部に取り付けられる前記基部と、 A14 前記基部から延び、先端側に前記吐水口を有する前記吐出管と、 A15’前記本体部において、第1の流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び第2の流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも浄水機能に係る部材側に配置され、前記原水供給路を開閉する開閉弁と、を備え、 A16’前記基部の内部に配置した流路は、第1の流路、前記湯側流路、及び前記給水ホースであり、 A17’前記給水ホースは、前記基部から、前記湯水混合弁と浄水機能に係る部材の間を通って、前記吐水口を有する前記吐出管に繋がり、 A18 前記吐出管は、内部に前記給水ホースを摺動自在に有し、前記吐水口を前記給水ホースと共に引出し自在に保持している水栓装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1-1] 特定事項A2、A4 本件発明1は、「浄水カートリッジ」を備え、「浄水カートリッジを収容する本体部」を備えているのに対し、 甲1発明は、「浄水バルブ5」を備え、「浄水バルブ5」が収容される「コア部10」を備えている点。 [相違点1-2] 特定事項A6 「一次側流路」が「水を供給する」対象が、 本件発明1では、「前記湯水混合弁及び前記浄水カートリッジ」であるのに対し、 甲1発明では、「湯水バルブ4」及び「浄水バルブ5」である点。 [相違点1-3] 特定事項A7 「二次側流路」が「前記吐出管の吐水口へ吐出する」「浄水」が、 本件発明1では、「浄水カートリッジから流出した浄水」であるのに対し、 甲1発明では、「流し台下に設置された」「浄水器70によって浄化された浄水」である点。 [相違点1-4] 特定事項A8 本件発明1では、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記一次側流路と前記二次側流路が配置され」ているのに対し、 甲1発明では、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」との間に、「給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18」が配置されている点。 [相違点1-5] 特定事項A9 「被取付け部に取り付けられた状態において」、「水平方向に並んで配置され」るのが、 本件発明1では、「前記湯水混合弁及び前記浄水カートリッジ」であるのに対し、 甲1発明では、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」である点。 [相違点1-6] 特定事項A10 本件発明1では、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に配置され、水供給路、及び原水供給路を有する前記一次側流路は、前記湯水混合弁へ延びる前記水供給路と、前記浄水カートリッジへ延びる前記原水供給路とに分岐」するのに対し、 甲1発明では、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」との間に配置される「給水路15」は、「湯水バルブ4」に通じる部分と、「浄水バルブ5」に通じる部分に分岐する点、 すなわち、「原水供給路」が、本件発明1では、「浄水カートリッジ」へ延びるのに対し、甲1発明では、「浄水バルブ5」へ延びる点。 [相違点1-7] 特定事項A11 「前記湯水混合弁に接続」する「前記水供給路」が、 本件発明1では、「水平方向に延びて」いるのに対し、 甲1発明では、水平方向に延びているのか不明である点。 [相違点1-8] 特定事項A12 「前記原水供給路」が、 本件発明1では、「水平方向に延びて前記浄水カートリッジに接続」しているのに対し、 甲1発明では、水平方向に延びているのか不明であり、さらに、「浄水バルブ5」に接続する点。 [相違点1-9] 特定事項A15 「前記原水供給路を開閉する開閉弁」を、 本件発明1では、「前記本体部の内部において、前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯水混合弁に湯を供給する湯側流路、及び前記二次側流路と前記吐水口とを繋ぐ給水ホースの夫々よりも前記浄水カートリッジ側に配置」しているのに対し、 甲1発明では、「コア部10の左端部には、浄水バルブ5が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されており」、「バルブ取付穴30の底部には、第2水入口ポート31」「が形成され」、「浄水バルブ5によって第2水入口ポート31」「が連通・遮断され」ているが、「第2水入口ポート31」と「浄水バルブ5」を、「コア部10」内に備えているか不明であり、さらに「コア部10には、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18の4つの通路」が設けられている点。 [相違点1-10] 特定事項A16 「基部の内部に配置した流路」は、 本件発明1では、「前記一次側流路、前記二次側流路、前記湯側流路、及び前記給水ホースのみであ」るのに対し、 甲1発明では、「給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、連結パイプ57からシャワーホース40に至る部材」を配置している点。 [相違点1-11] 特定事項A17 本件発明1では、前記給水ホースは、前記基部から、前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジの間を通っているのに対し、 甲1発明では、「シャワーホース40」は、「脚部11」から、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」の間を通っている点。 ト 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1(特定事項A2、A4)について 浄水機能を有する混合水栓の分野において、「水平方向に延び、両端に開口部を有する本体部を有する混合水栓において、本体部の一方の開口部に湯水混合機能を備え、他方の開口部に浄水カートリッジを収容して浄水機能を備えること」は、周知技術である(以下「周知技術1」という。必要があれば、上記「第5 2(3)」の甲2記載事項、上記「第5 3(2)の甲3記載事項、及び上記「第5 4(2)」の甲4記載事項等を参照されたい。)。 甲1発明も周知技術1もいずれも浄水機能を有する混合水栓である点で共通するから、甲1発明において、水平方向に延びる本体部の端部に設けた開口部に浄水カートリッジを収容する周知技術1を適用し、甲1発明の「軸方向を水平にして左右に延びる円筒状の」「コア部10」の端部に周知技術1の「浄水カートリッジ」を収容するようにして、上記相違点1-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (イ) 相違点1-2(特定事項A6)について 甲1発明の「給水路15」から接続される「第2水入口ポート31」と、「浄水器70」に通じる「浄水器給水ポート32」とを「浄水バルブ5」によって「連通・遮断」し、「浄水器給水ポート32」から「流れ」た「水が」、「浄水器70によって浄化され」「浄水」となることから、甲1発明の「浄水器70」が、周知技術1の「浄水カートリッジ」による浄水機能を担うことは明らかである。 してみると、甲1発明において「コア部10」の端部に周知技術1の「浄水カートリッジ」を設ける際に、「給水路15」に対して、水の流れを「連通・遮断」する機能を有する「浄水バルブ5」を介して「浄水カートリッジ」に水を供給することは明らかであり、そうすると、周知技術1を適用した甲1発明の「給水路15」は、「湯水バルブ4(湯水混合弁)」と「浄水カートリッジ」に水を供給するものとなり、本件発明1の「前記湯水混合弁及び前記浄水カートリッジに水を供給する一次側流路」に相当する。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (ウ) 相違点1-3(特定事項A7)について 上記(ア)、(イ)を踏まえ、甲1発明に周知技術1の「浄水カートリッジ」を適用すると、甲1発明の「浄水器70」の浄水機能が「給水路15」に対して「浄水バルブ5」を介して水を供給する「浄水バルブ5」の左側に「浄水カートリッジ」を配置し、「浄水カートリッジ」により浄水された水を「浄水バルブ5」を介して「コア部10」内へと戻すことになるところ、「浄水バルブ5」を介して「コア部10」内へと戻る浄化された水を、「コア部10」の内部において「湯水混合吐出路17」に合流させることが可能であることは明らかである。 そうすると、周知技術1を適用した甲1発明の「湯水混合吐出路17」は、「前記浄水カートリッジから流出した浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する」「流路」となり、さらに、上記キより、「湯水混合吐出路17」は、「前記湯水混合弁から流出した混合水」「を前記吐出管の吐水口へ吐出する」「流路」でもあるから、甲1発明の「湯水混合吐出路17」は、本件発明1の「前記湯水混合弁から流出した混合水及び前記浄水カートリッジから流出した浄水を前記吐出管の吐水口へ吐出する二次側流路」に相当する。 以上のことから、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (エ) 相違点1-4(特定事項A8)について 上記(イ)及び(ウ)より、周知技術1を適用した甲1発明の「給水路15」及び「湯水混合吐出路17」は、本件発明1の「一次側流路」及び「二次側流路」に、それぞれ相当する。 そして、甲1発明の「給水路15」及び「湯水混合吐出路17」は、いずれも「コア部10」に設けられているから、周知技術1を適用した甲1発明において、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」との間に配置されることは明らかである。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-4に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (オ) 相違点1-5(特定事項A9)について 上記ケより、甲1発明において、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」は、「脚部11が流し台の上に設置され」た状態において、水平方向に並んで配置されていることから、周知技術1を適用した甲1発明において、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」が、「脚部11が流し台の上に設置され」た状態において、水平方向に並んで配置されることは明らかである。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-5に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (カ) 相違点1-6(特定事項A10)について 上記(エ)より、周知技術1を適用した甲1発明の「給水路15」は、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」との間に配置され、「直線路33(原水供給路)」は、「浄水カートリッジ」に延びるものとなる。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-6に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (キ) 相違点1-7(特定事項A11)について 甲1発明の「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「一方の端部において第1水入口ポート22に接続」し「湯水バルブ4」に通じる部分(水供給路)は、下方から延びる「給水路15」からの水を、左右に延びる「コア部10」内で、右端の「湯水バルブ4」へと供給すればよいのであるから、「軸方向を水平にして左右に延びる」「コア部10」の内部で右端へと水を供給するうえで、「直線路25」のうちの本件発明1の「水供給路」に相当する部分を水平方向に配置することは設計事項である。 よって、甲1発明において、本件発明1の「水供給路」に相当する部分を「水平方向」に延びるように配置して、上記相違点1-7に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (ク) 相違点1-8(特定事項A12)について 周知技術1を適用した甲1発明において、「直線路33」は、「第2水入口ポート31に接続」して「浄水カートリッジ」に通じるものとなるから、周知技術1を適用した甲1発明の「給水路15」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「他方の端部において直線路33に接続」するまでの部分、及び「第2水入口ポート31に接続」して「浄水カートリッジ」に通じる「直線路33」は、本件発明1の「原水供給路」に相当する。 そして、甲1発明の「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「他方の端部において直線路33に接続」するまでの部分及び「直線路33」は、下方から延びる「給水路15」からの水を、左右に延びる「コア部10」内で、左端の「浄水バルブ5」へと供給すればよいのであるから、「軸方向を水平にして左右に延びる」「コア部10」の内部で左端へと水を供給するうえで、「直線路25」及び「直線路33」のうちの本件発明1の「原水供給路」に相当する部分を水平方向に配置することは設計事項である。 よって、周知技術1を適用した甲1発明において、本件発明1の「原水供給路」に相当する部分を「水平方向」に延びるように配置して、上記相違点1-8に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (ケ) 相違点1-9(特定事項A15)について 上記(ア)、(イ)及び上記ソにおける検討を踏まえると、周知技術1を適用した甲1発明においては、「コア部10」の端部に「浄水カートリッジ」を設ける際に、「給水路15」に対して、水の流れを「連通・遮断」する機能を有する「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」を介して、「コア部10」の端部に収容される「浄水カートリッジ」に水を供給する構成となるところ、周知技術1を適用した甲1発明において、「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」(本件発明1の「開閉弁」に相当。)は、「コア部10」(本件発明1の「本体部」に相当。)の内部に設けられることは明らかである。 そして、上記(イ)より、周知技術1を適用した甲1発明においては、「給水路15」が、本件発明1の「一次側流路」に相当する。 さらに、上記(ウ)より、周知技術1を適用した甲1発明においては、「浄水バルブ5」を介して「コア部10」内に戻る浄化された水を、「コア部10」の内部で合流させるから、「湯水混合吐出路17」が、本件発明1の「二次側流路」に相当する。 そうすると、上記(ウ)においても説示したとおり、周知技術1を適用した甲1発明においては、「給水路15」に対して「浄水バルブ5」を介して水を供給する「浄水バルブ5」の左側に「浄水カートリッジ」を配置することになるのであるから、「コア部10」の内部において、「給水路15(一次側流路)」、「湯水混合吐出路17(二次側流路)」、「給湯路18(湯側流路)」及び「連結パイプ57及びシャワーホース40(給水ホース)」よりも「浄水カートリッジ」側に「浄水バルブ5」及び「第2水入口ポート31」が配置されることは明らかであり、このことは、本件発明1の特定事項A15に相当する。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-9に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (コ) 相違点1-10(特定事項A16)について 上記(ケ)より、周知技術1を適用した甲1発明においては、「給水路15」及び「湯水混合吐出路17」が、本件発明1の「一次側流路」及び「二次側流路」に、それぞれ相当する。 上記タより、甲1発明の「脚部11」は、「その内部に給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、連結パイプ57からシャワーホース40に至る部材を配置し」ているところ、周知技術1を適用した甲1発明においては、「コア部10」内に収容した「浄水カートリッジ」に水を供給する経路は「コア部10」内で足り、「浄水器給水路16」を「脚部11」内に通す必要がなくなる。 さらに、甲1発明は、「湯水バルブ4」から「湯水混合出口ポート23へと流れ」た湯水混合水が、「直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され」る一方、「浄化された浄水が、ホース58、ジョイント59、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され」るものであり、「連結パイプ57」と「ジョイント59」を用いて、湯水混合水と「浄水」を「湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通」る湯水混合水の流路に「コア部10」より下方で合流させるものであるところ、上記(ウ)より、周知技術1を適用した甲1発明においては、「浄水バルブ5」を介して「コア部10」内に戻る浄化された水を、「コア部10」の内部において「湯水混合吐出路17」に合流させることができるから、「連結パイプ57」及び「ジョイント59」を用いて、「コア部10」より下方で「浄水」を湯水混合水の流路に合流させる必要がなくなり、「湯水混合吐出路17」と「ノズル6」とを「シャワーホース40」で繋ぐことが可能となる。 してみると、周知技術1を適用した甲1発明において、「脚部11」の内部には、「給水路15(一次側流路)」、「湯水混合吐出路17(二次側流路)」、「給湯路18(湯側流路)」及び「シャワーホース40(給水ホース)」を配置することとなる。 そして、周知技術1を適用した甲1発明においては、「脚部11」の内部に、「給水路15(一次側流路)」、「湯水混合吐出路17(二次側流路)」、「給湯路18(湯側流路)」及び「シャワーホース40(給水ホース)」を配置することで、「水栓装置」としての機能を果たすことが出来るものであるところ、「脚部11」の内部に、その他の経路を配置せずに、「給水路15(一次側流路)」、「湯水混合吐出路17(二次側流路)」、「給湯路18(湯側流路)」及び「シャワーホース40(給水ホース)」のみを配置するようにすることは、当業者にとって格別困難なこととはいえない。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-10に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (サ) 相違点1-11(特定事項A17)について 甲1発明の「シャワーホース40」は、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」の間を通るものであるところ、周知技術1を適用した甲1発明においては、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」の間を通ることになる。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点1-11に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 ナ 本件発明1の作用効果について 本件発明1の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術1の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ニ 小括 本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 (2) 本件発明2 本件発明2と甲1発明とを対比する。 ア 特定事項B1 上記(1)エより、甲1発明の「コア部10」は「湯水バルブ4」を収容するものであるところ、その収容部は、本件発明2の「前記湯水混合弁を収容する第一収容部」に相当する。 よって、本件発明2は、甲1発明の特定事項B1を備える。 イ 特定事項B2 上記(1)エより、甲1発明の「コア部10」は「浄水バルブ5」を収容するものであるところ、その収容部は、本件発明2の「前記浄水カートリッジを収容する第二収容部」と、浄水機能に係る部材「を収容する」第2の「収容部」である点で共通する。 ウ 特定事項B3 上記(1)エより、甲1発明の「コア部10」は、「軸方向を水平にして左右に延びる円筒状」であり、その「右端部には、湯水バルブ4が螺着される有底のバルブ取付穴20が形成され」、その「左端部には、浄水バルブ5が螺合される有底のバルブ取付穴30が形成されて」いるものであるから、「湯水バルブ4が螺着される」部分及び「浄水バルブ5が螺合される」部分は、それぞれ「軸方向を水平にして左右に延びる円筒状」の右端部及び左端部であるから、それぞれ右端面及び左端面が開口していることは明らかである。 そして、上記イを踏まえると、本件発明2の特定事項B3と甲1発明は、「前記第一収容部及び」第2の「収容部は、水平方向に延びる円柱形状の両端面を開口して形成されている」点で共通する。 エ 一致点・相違点 上記(1)ア~ツ及び上記ア~ウからみて、本件発明2と甲1発明は、上記(1)テに示した一致点・相違点に加え、 「B1 前記湯水混合弁を収容する第一収容部と、 B2’浄水機能に係る部材を収容する第2の収容部と、を備え、 B3’前記第一収容部及び前記第2の収容部は、水平方向に延びる円柱形状の両端面を開口して形成されている 請求項1に記載の水栓装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点2] 特定事項B2、B3 「第二収容部」に関して、 本件発明2では、「前記浄水カートリッジを収容する」のに対し、 甲1発明では、「浄水バルブ5」を収容する点。 オ 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1~相違点1-11については、上記(1)トにて検討したとおりである。 (イ) 相違点2について 上記(1)ト(ア)において検討のとおり、周知技術1を適用した甲1発明は、収容部に「浄水カートリッジ」を収容するものである。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 カ 小括 本件発明2は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 (3) 本件発明3 本件発明3と甲1発明とを対比する。 ア 特定事項C 上記(1)コより、甲1発明において、「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「一方の端部において第1水入口ポート22に接続」し「湯水バルブ4」に通じる部分(本件発明1の「水供給路」に相当。)と、「給水路15(第1の流路)」に「接続」する「直線路25」のうち、「接続部において分岐」し、その「接続部」から「他方の端部において直線路33に接続」するまでの部分、及び「第2水入口ポート31に接続」して「浄水バルブ5」に通じる「直線路33」(本件発明の「原水供給路」に相当。)は、「直線路25」と「給水路15との接続部」において分岐するものである。 そして、甲1発明の「直線路25」は、「コア部10の内部に直線状に設けられた」ものであり、「コア部10」の「右端部には、湯水バルブ4が螺着され」、「左端部には、浄水バルブ5が螺合される」ものであるから、「直線路25」が「分岐」する「直線路25」と「給水路15との接続部」は、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」との間に配置されることは明らかである。 よって、本件発明3の特定事項Cと甲1発明は、「前記湯水混合弁と」浄水機能に係る部材「との間に、」第1の「流路が分岐して前記湯水混合弁への水供給路と」浄水機能に係る部材「への原水供給路に繋がる分岐部が配置されている」点で共通する。 イ 一致点・相違点 上記(1)ア~ツ、上記(2)ア~ウ及び上記アからみて、本件発明3と甲1発明は、上記(1)テ及び上記(2)エに示した一致点・相違点に加え、 「C’ 前記湯水混合弁と浄水機能に係る部材との間に、第1の流路が分岐して前記湯水混合弁への水供給路と浄水機能に係る部材への原水供給路に繋がる分岐部が配置されている 請求項1または2のいずれかに記載の水栓装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点3] 特定事項C 「分岐部」に関して、 本件発明3では、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に」、「配置されている」のに対し、 甲1発明では、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」との間に配置される点。 ウ 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1~相違点1-11については、上記(1)トにて、相違点2については、上記(2)オにて、それぞれ検討したとおりである。 (イ) 相違点3について 上記(1)ト(ウ)より、周知技術1を適用した甲1発明は、「浄水バルブ5」よりも外方(図14において「浄水バルブ5」の左側)に「浄水カートリッジ」を備えるようになる。 そうすると、甲1発明において、「湯水バルブ4」と「浄水バルブ5」との間に配置される本件発明3の「分岐部」に相当する部分は、周知技術1を適用した甲1発明においては、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」との間に配置されるようになり、上記相違点3に係る本件発明3の構成となることは明らかである。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点3に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 エ 小括 本件発明3は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 (4) 本件発明4 本件発明4と甲1発明とを対比する。 ア 特定事項D 上記(1)ソより、甲1発明の「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」は、本件発明4の「開閉弁」に相当する。 よって、本件発明4の特定事項Dと甲1発明は、「前記開閉弁が配置されている」点で共通する。 イ 一致点・相違点 上記(1)ア~ツ、上記(2)ア~ウ、上記(3)ア及び上記アからみて、本件発明4と甲1発明は、上記(1)テ、上記(2)エ及び上記(3)イに示した一致点・相違点に加え、 「D’前記開閉弁が配置されている 請求項3に記載の水栓装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点4] 特定事項D 「開閉弁」に関して、 本件発明4では、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に」、「配置されている」のに対し、 甲1発明では、この点が不明である点。 ウ 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1~相違点1-11については、上記(1)トにて、相違点2については、上記(2)オにて、相違点3については、上記(3)ウにて、それぞれ検討したとおりである。 (イ) 相違点4について 上記(3)ウより、周知技術1を適用した甲1発明は、「浄水バルブ5」よりも外方に「浄水カートリッジ」を備えるものである。 してみると、甲1発明において、「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」からなる本件発明4の「開閉弁」に相当する部分は、周知技術1を適用した甲1発明においては、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」との間に配置されるようになり、上記相違点4に係る本件発明4の構成となることは明らかである。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することに、上記相違点4に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 エ 小括 本件発明4は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 (5) 本件発明5 本件発明5と甲1発明とを対比する。 ア 特定事項E 上記(1)ソより、甲1発明の「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」は、本件発明5の「開閉弁」に相当する。 よって、本件発明5の特定事項Eと甲1発明は、「開閉弁」を有する点で共通する。 イ 一致点・相違点 上記(1)ア~ツ、上記(2)ア~ウ、上記(3)ア、上記(4)ア及び上記アからみて、本件発明4と甲1発明は、上記(1)テ、上記(2)エ、上記(3)イ及び上記(4)イに示した一致点・相違点に加え、 「E’前記開閉弁、を有している 請求項4に記載の水栓装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点5] 特定事項E 「開閉弁」に関して、 本件発明5では、「固定弁と、前記固定弁に摺動自在に接した板状の可動弁と、を有している」のに対し、 甲1発明では、そのような構成を有しているか不明である点。 ウ 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1~相違点1-11については、上記(1)トにて、相違点2については、上記(2)オにて、相違点3については、上記(3)ウにて、相違点4については、上記(4)ウにて、それぞれ検討したとおりである。 (イ) 相違点5について 混合水栓の分野において、「流路を開閉する弁装置を、固定弁と、固定弁に摺動自在に接した板状の可動弁とから構成すること」は、周知技術である(以下「周知技術2」という。必要があれば、上記「第5 4(2)」の甲4記載事項、及び上記「第5 5(2)」の甲6記載事項等を参照されたい。)。 ここで、甲1発明の「第2水入口ポート31」は、「バルブ取付穴30」に形成されるものであるから、本件発明5の「固定弁」に相当する。 甲1発明と周知技術2は、いずれも混合水栓である点で共通するから、甲1発明の「浄水バルブ5」と「第2水入口ポート31」において、周知技術2を適用して、「浄水バルブ5」に「第2水入口ポート31」が「形成され」た「バルブ取付穴30」に摺動自在に接した板状の可動弁を設けることにより、「浄水バルブ5によって」「第2水入口ポート31」を「連通・遮断され」るようにして、上記相違点5に係る本件発明5の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 エ 小括 本件発明5は、甲第1号証に記載された発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 (6) 本件発明6 本件発明6と甲1発明とを対比する。 ア 一致点・相違点 上記(1)ア~ツ、上記(2)ア~ウ、上記(3)ア、上記(4)ア、上記(5)アからみて、本件発明6と甲1発明は、上記(1)テ、上記(2)エ、上記(3)イ、上記(4)イ及び上記(5)イに示した一致点・相違点に加え、以下の点で相違する。 [相違点6] 特定事項F 本件発明6では、「被取付け部に取り付けられた状態において、前記可動弁は、面内方向が垂直である」のに対し、 甲1発明では、そのような構成を有しているか不明である点。 イ 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1~相違点1-11については、上記(1)トにて、相違点2については、上記(2)オにて、相違点3については、上記(3)ウにて、相違点4については、上記(4)ウにて、相違点5については、上記(5)ウにて、それぞれ検討したとおりである。 (イ) 相違点6について 上記(5)ウより、周知技術2を適用した甲1発明の「浄水バルブ5」は、本件発明6の「可動弁」に相当する部材を有するものである。 そして、甲1発明の「第2水入口ポート31(固定弁)」は、「設置状態において軸方向を水平」とする「コア部10」「の軸線と垂直に配置され」た「バルブ取付穴30の底部」に設けられることから、「設置状態において」面内方向が垂直であるといえる。 そうすると、周知技術2を適用した甲1発明の「浄水バルブ5」の本件発明6の「可動弁」に相当する部材は、「第2水入口ポート31(固定弁)」に「摺動自在に接」するものであるから、「第2水入口ポート31(固定弁)」と同様に「設置状態において」面内方向が垂直であることは明らかである。 以上のことから、甲1発明に周知技術2を適用することにより、上記相違点6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 ウ 小括 本件発明6は、甲第1号証に記載された発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 (7) 本件発明7 本件発明7と甲1発明とを対比する。 ア 特定事項G 甲1発明は、「湯水バルブ4によって」「建物の水配管52から供給された水」や「建物の湯配管55から供給された湯」が「湯水混合出口ポート23に流れ」ると、「さらに直線路26、湯水混合吐出路17、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され」ることから、甲1発明の「湯水混合吐出路17、連結パイプ」は、本件発明7の「混合水流出路」に相当する。 また、甲1発明は、「浄水バルブ5」によって「建物の水配管52から供給された水が、第2水入口ポート31から浄水器給水ポート32に流れ」ると、「さらに直線路34、浄水器給水路16、ホース56を通って浄水器70に供給され、浄水器70によって浄化された浄水が、ホース58、ジョイント59、連結パイプ57、シャワーホース40を順に通って、ノズル6から吐水され」ることから、甲1発明の「ホース58」は、本件発明7の「浄水流出路218」に相当する。 そして、上記(1)キの検討を踏まえると、甲1発明の「連結パイプ」は、本件発明7の「二次側流路」と、第2の「流路」である点で共通する。 そうすると、甲1発明の「ホース58」が「連結パイプ57に接続され」る「ジョイント59」は、本件発明7の「前記二次側流路に繋がる合流部」と、第2の「流路に繋がる合流部」である点で共通する。 以上のことから、本件発明7と甲1発明は、「前記湯水混合弁からの混合水流出路と」「浄水流出路が合流して」第2の「流路に繋がる合流部」を有する点で共通する。 イ 一致点・相違点 上記(1)ア~ツ、上記(2)ア~ウ、上記(3)ア、上記(4)ア、上記(5)ア、上記アからみて、本件発明7と甲1発明は、上記(1)テ、上記(2)エ、上記(3)イ、上記(4)イ、上記(5)イ及び上記(6)アに示した一致点・相違点に加え、以下の点で相違する。 [相違点7] 特定事項F 本件発明7では、「前記湯水混合弁と前記浄水カートリッジとの間に、前記湯水混合弁からの混合水流出路と前記浄水カートリッジからの浄水流出路が合流して前記二次側流路に繋がる合流部が配置されている」のに対し、 甲1発明では、「湯水バルブ4」からの「湯水混合吐出路17、連結パイプ」と、「流し台下に設置された浄水器70」「によって浄化された浄水が」「通」る「ホース58」が「連結パイプ57に接続され」る「ジョイント59」を有するが、「ジョイント59」が配置される箇所が本件発明7の「合流部」と同じ箇所であるか不明である点。 ウ 上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1-1~相違点1-11については、上記(1)トにて、相違点2については、上記(2)オにて、相違点3については、上記(3)ウにて、相違点4については、上記(4)ウにて、相違点5については、上記(5)ウにて、相違点6については、上記(6)イにて、それぞれ検討したとおりである。 (イ) 相違点7について 上記(1)ト(ウ)より、周知技術1を適用した甲1発明は、「浄水カートリッジ」によって「浄化された浄水」を「浄水バルブ5」から直接「コア部10」の内部において「湯水混合吐出路17」に合流させるものである。 そうすると、周知技術1を適用した甲1発明において「浄化された浄水」が「浄水バルブ5」から「コア部10」の内部に戻る箇所は、本件発明7の「前記浄水カートリッジからの浄水流出路」に相当し、周知技術1を適用した甲1発明において「浄化された浄水」を「湯水混合吐出路17」に合流させる箇所は、本件発明7の「前記湯水混合弁からの混合水流出路と前記浄水カートリッジからの浄水流出路が合流して前記二次側流路に繋がる合流部」に相当する。 そして、周知技術1を適用した甲1発明において「浄水された浄水」を「湯水混合吐出路17」に合流させる箇所は「コア部10」の内部にあることから、「湯水バルブ4」と「浄水カートリッジ」との間に配置されることは明らかである。 よって、甲1発明に周知技術1を適用することにより、上記相違点7に係る本件発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 エ 小括 本件発明7は、甲第1号証に記載された発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 2 特許権者の主張について 特許権者は、令和6年12月26日付けの意見書の「イ 甲第1号証との対比」において、以下のとおり主張する。 「甲第1号証に記載された水栓装置は、浄水カートリッジに相当する浄水器70を流し台の下に設置し、本体部に相当するコア部10には、湯水混合弁に相当する湯水バルブ4、及び原水供給路を開閉する開閉弁に相当する浄水バルブ5を収容することが記載されています。このため、この水栓装置は、基部に相当する脚部11に、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、シャワーホース40の5本の流路を通すことが記載されています。 このように、甲第1号証には、浄水器70を流し台の下に設置しているため、本体部に相当するコア部10の内部に浄水器70を配置することについての開示も示唆もなく、詳しくは、コア部10の内部において、給水路15、浄水器給水路16、湯水混合吐出路17、給湯路18、及び、シャワーホース40の夫々よりも浄水器70側に浄水バルブ5を配置することについての開示も示唆もありません。 また、「水平方向に延び、両端に開口部を有する本体部を有する混合水栓において、本体部の一方の開口部に湯水混合機能を備え、他方の開口部に浄水カートリッジを収容して浄水機能を備えること」が周知技術1であるとしても、本体部の内部において、各流路よりも浄水カートリッジ側に開閉弁を配置することは周知技術ではありません。 このため、甲第1号証に記載された発明、及び周知技術1に基づいても、本件発明1の特徴である、本体部の内部において、一次側流路、二次側流路、湯側流路、及び給水ホースの夫々よりも浄水カートリッジ側に開閉弁を配置することによって、本体部の内部において、開閉弁がこれら流路の邪魔にならないようにし、本体部を通った給水ホースを、吐出管の内部を摺動させ、吐水口と共に引き出し自在にしたり、開閉弁と浄水カートリッジと間を近づけて原水供給路を短くして本体部を小型にしたり、浄水カートリッジが本体部の一方の端部に配置されるため、浄水カートリッジの交換を容易にしたりできることに容易に想到することはできません。」 しかしながら、上記1(1)ト(ケ)において検討したように、周知技術1を適用した甲1発明においては、「コア部10」の内部において、「給水路15(一次側流路)」、「湯水混合吐出路17(二次側流路)」、「給湯路18(湯側流路)」及び「連結パイプ57及びシャワーホース40」(給水ホース)」よりも「浄水カートリッジ」側に「浄水バルブ5」及び「第2水入口ポート31」が配置されることは明らかである。 また、上記1(1)ト(コ)において検討したように、周知技術1を適用した甲1発明においては、「コア部10」内に収容した「浄水カートリッジ」に水を供給する経路は「コア部10」内で足り、「浄水器給水路16」を下方に向かって「脚部11」内に通す必要がなくなるから、「脚部11」は、「給水路15(一次側流路)」、「湯水混合吐出路17(二次側流路)」、「給湯路18(湯側流路)」及び「シャワーホース40(給水ホース)」の4本を内部に配置することとなり、「水栓装置」の機能を果たすためにこの4本の経路以外の経路は必要ないところ、この4本「のみ」を配置することに格別の困難性は認められない。 よって、上記主張は採用できない。 3 まとめ 以上のとおり、本件発明1~4に係る特許は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1に基づいて、また、本件発明5~7に係る特許は、甲第1号証に記載された発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件発明1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本件発明1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件発明1~7に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-700143

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決202件(株式会社LIXIL、齊藤 恵美子)
  • 2025-701164異議申立 / 2026-09-11
    同じ当事者: 株式会社LIXIL
  • 2025-700729異議申立 / 2026-03-13 / 訂正認容積層体及び包装袋
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
  • 2024-700417異議申立 / 2026-03-10 / 訂正認容積層体および包装袋
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
  • 2025-700061異議申立 / 2026-02-12 / 請求成立(取消)液体タンク、便器装置、および便座装置
    同じ当事者: 株式会社LIXIL
  • 2025-700204異議申立 / 2026-02-05 / 維持親魚の産卵管理装置
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
同じ論点・分野の審決(審決分類)40件(121・E03C、851・E03C)
  • 2023-700620異議申立 / 2024-11-07 / 訂正認容樹脂製継手および排水配管構造
    共通の審決分類: 121・E03C、851・E03C
  • 2023-701134異議申立 / 2024-07-25 / 訂正認容水栓装置
    共通の審決分類: 121・E03C、851・E03C
  • 2022-700864異議申立 / 2023-09-27 / 訂正認容排水トラップ装置
    共通の審決分類: 121・E03C、851・E03C
  • 2025-700153異議申立 / 2025-11-07 / 訂正認容微細気泡水生成器付き洗面台用水栓キット及び洗面台用水栓装置
    共通の審決分類: 121・E03C
  • 2024-700156異議申立 / 2024-12-05 / 訂正認容自動水栓および自動水栓に用いられる水栓金具
    共通の審決分類: 121・E03C

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存