特許異議申立
2024-700040
電子小黒板出力システム、判定結果出力方法及びプログラム
- 審判番号
- 2024-700040
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-533911
- 登録番号
- 7320693
- 請求日
- 2024年01月19日
- 審決日
- 2024年04月04日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】スパイダープラス株式会社
- 【異議申立人】小山 みつ子
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 智康
- 審判官 梶尾 誠哉
- 審判官 緑川 隆
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7320693号発明「電子小黒板出力システム、判定結果出力方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7320693号の請求項1~7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7320693号の請求項1~7に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和5年(2023年)3月1日を国際出願日とする出願であって、同年7月26日にその特許権の設定登録がされ、同年8月3日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和6年1月19日に特許異議申立人 小山 みつ子(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
特許第7320693号の請求項1~7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明7」といい、併せて「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
電子小黒板を出力する電子小黒板出力システムであって、
建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材の施工管理項目を作成する作成部と、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準及び施工計画値を設定する設定部と、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得する実測値取得部と、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の施工計画値及び実測値を反映した第1電子小黒板を生成する電子小黒板生成部と、
生成した前記第1電子小黒板を出力する電子小黒板出力部と、
を備える電子小黒板出力システム。
【請求項2】
前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目と、前記施工管理基準を満たしていないと判定した施工管理項目とを、異なる注目度で出力する判定結果出力部、
を更に備える請求項1に記載の電子小黒板出力システム。
【請求項3】
前記施工管理基準を満たしていないと判定した施工管理項目を、一覧にして出力する項目一覧出力部、
を更に備える請求項1に記載の電子小黒板出力システム。
【請求項4】
前記建設現場の図面データを取得する図面データ取得部と、
取得した図面データに重ねるレイヤを生成するレイヤ生成部と、
前記判定部の判定結果に基づいて注目度を変更した、前記工種に対応付けられたアイコン又は図形を、生成した前記レイヤに配置する配置部と、
を更に備える請求項1に記載の電子小黒板出力システム。
【請求項5】
前記電子小黒板生成部は、前記施工管理基準を満たしていないと判定した施工管理項目の施工計画値及び実測値を、前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の施工計画値及び実測値とは異なる注目度で反映した第2電子小黒板を生成し、
前記電子小黒板出力部は、生成した第2電子小黒板を出力する、
請求項1に記載の電子小黒板出力システム。
【請求項6】
電子小黒板を出力するコンピュータが実行する電子小黒板出力方法であって、
建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材の施工管理項目を作成するステップと、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準及び施工計画値を設定するステップと、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得するステップと、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定するステップと、
前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の施工計画値及び実測値を反映した第1電子小黒板を生成するステップと、
生成した前記第1電子小黒板を出力するステップと、
を備える電子小黒板出力方法。
【請求項7】
電子小黒板を出力するコンピュータに、
建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材の施工管理項目を作成するステップ、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準及び施工計画値を設定するステップ、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得するステップ、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定するステップ、
前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の施工計画値及び実測値を反映した第1電子小黒板を生成するステップ、
生成した前記第1電子小黒板を出力するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。」
第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証~甲第11号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲11」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):特開2021-12499号公報
甲第2号証(甲2):特開2002-21327号公報
甲第3号証(甲3):特開2017-107286号公報
甲第4号証(甲4):特開2017-215878号公報
甲第5号証(甲5):特開2017-162175号公報
甲第6号証(甲6):特開2015-118535号公報
甲第7号証(甲7):特許第7129586号公報
甲第8号証(甲8):「使い方 | iPhoneアプリ 工事写真」、[online]、令和2年1月24日、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200124064948/https://www.booth-web.com/app/kojishashin/howto/detail15i.html>
甲第9号証(甲9):「使い方 | iPhoneアプリ 工事写真」、[online]、令和2年1月23日、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200123144607/https://www.booth-web.com/app/kojishashin/howto/detail14i.html>
甲第10号証(甲10):「電子小黒板機能:工事現場の生産性が80%改善-Photoruction(フォトラクション)-建築・土木の生産支援クラウド-」、[online]、令和4年8月9日、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20220809083448/https://www.photoruction.com/features/blackboard>
甲第11号証(甲11):「黒板にすべての施工管理値が表示されない」、[online]、令和3年3月4日、インターネット<URL:https://faq.kentem.jp/app/answers/detail/a_id/877/~/黒板にすべての施工管理値が表示されない>
2 特許異議の申立理由
異議申立人の主張する特許異議の申立ての理由(進歩性欠如)は、概略、本件発明は、甲1~甲11に記載された発明あるいは事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである、というものであり、より具体的には以下のとおりである。
(1) 甲1を主引用例とする進歩性欠如
ア 本件発明1、2、6及び7は、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 本件発明3は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 本件発明4は、甲1に記載された発明、甲3に記載された事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
エ 本件発明5は、甲1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2) 甲4を主引用例とする進歩性欠如
ア 本件発明1、6及び7は、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 本件発明2は、甲4に記載された発明及び甲5に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 本件発明3は、甲4に記載された発明及び甲2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
エ 本件発明4は、甲4に記載された発明、甲3に記載された事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
オ 本件発明5は、甲4に記載された発明、甲5に記載された事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 異議申立人の提出した証拠の記載
1 甲1について
(1) 甲1の記載
甲1には、以下の記載がある(下線は当審において加筆した。以下同じ。)。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験実施者が実施した試験の試験結果を試験管理者に報告する試験結果報告方法であって、
前記試験実施者の試験者端末が、データの入力を行う入力モードと、画像の撮像を行う撮像モードと、を有しており、
前記試験者端末の前記入力モードの画面に、前記試験結果の測定データを入力するための入力欄と、前記入力欄に対応したアイコンを表示する表示ステップと、
前記入力欄に前記測定データの入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力モードにおいて前記アイコンがタップ操作されることにより、前記撮像モードに切り替えを行なうモード切替ステップと、
前記撮像モードにて前記試験結果を示す試験結果画像の画像データを生成する撮像ステップと、
前記入力ステップで入力された前記測定データを、前記撮像ステップで生成された前記画像データとともに前記試験管理者の管理者端末に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項2】
請求項1に記載の試験結果報告方法であって、
前記入力欄に前記測定データが入力されることによって、前記入力モードから前記撮像モードへの切り替えが可能になり、
前記撮像ステップでは、前記入力ステップで入力された前記測定データを画面に表示しながら前記画像データの生成を行う、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の試験結果報告方法であって、
前記表示ステップにおいて、前記入力モードの画面に、予め登録された前記試験の許容値をさらに表示する、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の試験結果報告方法であって、
前記管理者端末が受信した前記測定データ及び前記画像データを前記管理者が確認することによって、前記試験管理者による前記試験結果の合否の判定を受け付ける承認ステップを有する、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の試験結果報告方法であって、
前記試験は複数の試験項目について行われ、
前記表示ステップでは、前記試験項目ごとに前記入力欄及び前記アイコンを表示し、
前記送信ステップでは、各試験項目の前記試験結果に対して、それぞれ、前記測定データと前記画像データをともに前記管理者端末に送信する、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の試験結果報告方法であって、
前記試験は複数の試験項目について行われ、
各試験項目の前記試験結果画像が、それぞれ、対応する前記アイコンに取り込まれる、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の試験結果報告方法であって、
前記試験は複数の試験項目について行われ、
複数の前記測定データを含む黒板画像を生成する黒板画像生成ステップと、
前記撮像モードにて、前記黒板画像と複数の前記試験項目の試験結果を示す全景画像とを合成した合成画像データを生成する合成画像生成ステップと、
をさらに有し、
前記送信ステップでは、前記合成画像データも前記管理者端末に送信する、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の試験結果報告方法であって、
前記試験は複数の試験項目について行われ、
前記管理者端末が受信した前記測定データ及び前記画像データを、前記管理者が確認することによって、前記試験管理者による前記試験結果の合否の判定を受け付ける承認ステップを有し、
各試験項目の前記測定データと前記画像データのうちの少なくとも1つが不良である場合、合格の判定が行われない、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れかに記載の試験結果報告方法であって、
前記測定データ及び前記画像データは、クラウドサーバーを介して前記試験者端末から前記管理者端末に送信される、
ことを特徴とする試験結果報告方法。
【請求項10】
試験実施者が実施した試験の試験結果を試験管理者に報告する試験結果報告システムであって、
前記試験実施者の試験者端末と、
前記試験管理者の管理者端末と、
を備え、
前記試験者端末は、
通信回線を介してデータの通信を行う通信部と、
画面を表示する表示部と、
画像を撮像する撮像部と、
データの入力を行う入力モードと、前記撮像部により撮像を行う撮像モードとを切り替える制御部と、
を有し、
前記表示部は、前記入力モードの前記画面に、前記試験の測定データを入力するための入力欄と、前記入力欄に対応したアイコンを表示し、
前記制御部は、前記入力モードにおいて前記アイコンがタップ操作されると、前記撮像モードに切り替えを行い、
前記通信部は、前記入力モードにて入力された前記測定データを、前記撮像モードにて撮像された前記試験結果を示す試験結果画像の画像データとともに送信し、
前記管理者端末は、前記通信回線を介して、前記測定データと前記画像データを受信する、
ことを特徴とする試験結果報告システム。」
「【0001】
本発明は、試験結果報告方法及び試験結果報告システムに関する。」
「【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、試験場所とは離れた場所(例えば打設場所)で試験結果を確実かつ迅速に確認、承認できるようにすることにある。」
「【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、試験場所とは離れた場所で試験結果を確実かつ迅速に確認、承認することができる。」
「【0022】
本実施形態の試験結果報告システムは、端末装置10と、管理装置20と、端末装置30を有している。端末装置10と管理装置20と端末装置30は、それぞれ、通信ネットワーク100(通信回線に相当)に接続されており、互いに通信可能になっている。通信ネットワーク100は、例えば、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、無線通信網、携帯電話回線網などにより構築される、インターネット、LAN(Local Area Network)、VAN(Value Added Network)などである。
【0023】
<端末装置10>
端末装置10(試験者端末に相当)は、コンクリート試験の実施者(試験実施者に相当、以下、試験者ともいう)の端末であり、試験者によって操作される。なお、本実施形態の端末装置10は、携帯することが可能なスマート端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末など)である。端末装置10は、図2に示すように、通信部11、制御部12、記憶部13、入力部14、表示部15、撮影部16、及び、通知部17を備えている。
【0024】
通信部11は、通信ネットワーク100を介して、データの送受信などを行う。本実施形態の通信部11は無線による通信の機能を備えており、通信ネットワーク100との間の通信(データの送受信)は無線によって行う。但し、無線には限られず有線で通信してもよい。
【0025】
制御部12は、記憶部13に記憶されたプログラムに基づいて、端末装置10の各部の動作を制御する。なお、本実施形態では端末装置10と、後述の端末装置30には同じ製品が用いられている。このため、制御部12に、受入試験制御部12Aと、受入承認制御部12Bが設けられている(端末装置30の制御部32も同様)。そして、ユーザーのログインアカウントに応じて受入試験制御部12Aと受入承認制御部12Bの少なくとも何れかが動作するようになっている。具体的には、試験者の権限であれば、受入試験制御部12Aのみ、係員の権限であれば、受入試験制御部12A及び受入承認制御部12Bが利用可能となる。例えば、本実施形態では、端末装置10には試験者又は係員のアカウントでログインが行われ、端末装置20には係員のアカウントでログインが行われる。これにより、試験者のアカウントでログインした際には、制御部12は、受入試験制御部12Aのみが動作し、受入承認制御部12Bは動作しない(承認できない)。」
「【0031】
<管理装置20>
管理装置20は、サーバー(例えばコンピュータサーバー)で実現することができる。なお、本実施形態の管理装置20は、WEB上に存在するクラウドサーバーであり、ユーザーが通信ネットワーク100を介して利用することができる。このようなクラウドサーバーを用いると、サーバー本体や周辺機器、棚、サーバールームなどを用意する必要が無いため初期導入コストを抑えることができる。また、場所を問わずにサービスを利用することができる(現場においても利用可)。管理装置20は、通信部21、情報送信部22、試験結果更新部23、及び、記録部24を備えて構成されおり、端末装置10や端末装置30からのリクエスト(要求)に対する各種処理など、システムの各種制御、情報処理を実行する。
【0032】
通信部21は、通信ネットワーク100を介して、端末装置10や端末装置30と通信可能に接続されている。そして、通信部21は、通信ネットワーク100を介して、端末装置10や端末装置30とデータの送受信を行う。
【0033】
情報送信部22は、受け入れ検査の処理の際に、端末装置10や端末装置30に必要なデータ(情報)を記録部24から読み出して送信する。
【0034】
試験結果更新部23は、受け入れ試験の試験結果を受け取り、記録部24の打設箇所データDBの試験結果を更新する。
【0035】
記録部24は、各種の情報を記録する部位である。本実施形態の記録部24は、図2に示すようにユーザーデータDB、プロジェクトデータDB、ユーザープロジェクトデータDB、打設箇所データDB等を備えている。
【0036】
ユーザーデータDBは、ユーザーに関する情報を記録するデータベースであり、ユーザーID、プロジェクトIDが含まれている。ユーザーIDは、現場管理者(係員)や試験者などのユーザーを識別するためのデータであり、システム権限データは、ユーザーのシステム管理者機能の付与に対応した権限を示すデータであり、プロジェクトIDは、ユーザーが担当する仕事内容を識別するためのデータである。このユーザーID、プロジェクトIDは、それぞれ関連付けられている。
【0037】
プロジェクトデータDBは、例えば建物の建設などのプロジェクトに関する情報を記録するデータベースであり、プロジェクトID、プロジェクト情報、プロジェクト管理データが含まれる。プロジェクト情報には、例えば工事名称、現場名称、施工者、試験所名(試験業者名)などの情報が含まれる。
【0038】
ユーザープロジェクトデータDBには、ユーザーID、プロジェクトID、プロジェクト権限が含まれている。プロジェクト権限は、プロジェクト内でのユーザーの権限であり、ユーザーID、プロジェクトID、プロジェクト権限はそれぞれ関連付けられて格納されている。ユーザーのログインによりユーザーIDが指定され、ログインするプロジェクトが指定されると、そのユーザーIDとプロジェクトIDに応じたプロジェクト権限データが特定される。例えば、本実施形態の場合、試験者のアカウント(試験者のユーザーID)でログインすると、承認(試験結果の承認)の権限が得られない。一方、係員のアカウント(係員のユーザーID)でログインすると、プロジェクト権限データに基づいて、承認を行うことが可能になる。
【0039】
打設箇所データDBは、打設箇所(例えば、建物における階、梁、柱など)に関するデータを記録するデータベースであり、打設箇所を示す打設箇所ID、プロジェクトID、打設箇所情報などが含まれている。
【0040】
打設箇所情報には、打設箇所名や打設予定日、使用するコンクリートの種類などが含まれる。また、記録部24には、各試験項目に対応する基準値や基準範囲(許容値)などの情報がコンクリートの種類毎に別途記録されている(図2の試験基準データ)。そして、例えば、プロジェクト情報に登録された打設箇所のうち何れかが選択されると、打設箇所データDBの打設箇所情報からその打設箇所に使用するコンクリートの種類が特定される。そして、そのコンクリートの種類に対応した各試験項目の基準値などの情報が試験基準データから読み出される。」
「【0047】
端末装置10の受入試験制御部12Aは、選択された打設箇所の情報に基づき、図5に示すような試験結果入力画面15Aを表示部15に表示させる(図4のS1071:表示ステップに相当)。これにより端末装置10は、試験結果入力モード(入力モードに相当)となる。この試験結果入力画面15Aでは、スランプや空気量などの試験項目ごとに対して、試験結果の入力欄151と、カメラ等のアイコン152(カメラ以外(目盛等)が示されている項目は画像取り込済み)が対応して表示されている。さらに、許容値のある項目には許容値欄153も表示されている。
【0048】
許容値は、管理装置20の記録部24に格納された基準範囲データ(図2の試験基準データ)と打設するコンクリート種類とを照合することにより、プロジェクトデータの打設箇所毎に適切な範囲が設定されている。すなわち、打設箇所データには建物における階、梁、柱などの場所に対して使用するコンクリート種類が関連付けられており、コンクリート種類に対して各試験の許容値が予め設定されている。端末装置10は、管理装置20の記録部24からプロジェクトデータを受信する際に、打設箇所に対して予め定められた許容値も受信する。なお、これには限らず、例えば、コンクリート種類と基準範囲データを受信して、端末装置10で許容値を算出してもよい。そして、表示部15は、試験結果入力画面にこの許容値も表示する。このように許容値を表示することで、試験結果が良好であるか否かがわかりやすくなる。
【0049】
図5の試験結果入力画面15Aが表示されることで、受入試験制御部12Aは、試験者から測定データの入力を受け付ける(入力ステップに相当)。図5の入力欄151には試験体の試験結果(実測値)が試験者によって入力される。例えば、試験者が入力欄151をタップ操作すると入力可能な状態となり、試験にて得られた測定値が試験者によって入力される。例えば、図5のスランプ試験の入力欄151には試験結果が20cmであることが入力されている。なお、入力された値が許容値を外れていると、通知部17が許容値から外れていることを示す通知を行うようにしてもよい。例えば、入力欄151の枠及び入力した試験結果(実測値)の文字が赤く表示されるように、注意喚起を行うようにしてもよい。」
「【0053】
備考欄の入力後、試験者が図5の「受入試験状況写真を撮影」の欄をタップ操作すると、受入試験制御部12Aは、図7に示す黒板確認画面15C(黒板画像に相当)を生成し、表示部15に表示させる(S1073)。黒板確認画面15Cには、工事名や施工者、打設箇所、コンクリートの種類(呼び名)、各測定値(測定データ)、備考情報などの情報が転記される。また備考には自由入力欄が用意され、任意の文字を入力する事ができる。
【0054】
これらの入力が終わると、試験者は、図7の「次へ」の欄をタップ操作する。これにより、受入試験制御部12Aは、図5の試験結果入力画面15A(試験結果入力モード)から、撮像モードへの切り替えを行い、図8に示すような受入試験状況写真の撮影画面15Dを表示させる(S1074)。この画面内の一部には、黒板確認画面15Cで設定した黒板(黒板画像)が表示されている。また、他の部位には試験に用いた各計測機器等の全景(全景画像に相当)が撮影対象として表示されている。そして、試験者が画面内の撮影ボタン(灰色の丸印で示す部位)をタップ操作することで、各計測機器等の全景(全景画像)に、黒板(黒板画像)を合成した受入試験状況写真の画像データ(合成画像データに相当)を生成する(合成画像生成ステップに相当)。なお、一般的なコンクリートの受入試験では、係員が試験に立ち会うとともに、試験の内容や測定値を記録した黒板と、試験結果(計器等)と一緒に写真を撮影している。本実施形態では、端末装置10で受入試験状況写真を生成することにより、係員が立ち会うことなく、これらのデータを記録することができ、より確実に試験結果を確認することができる。」
「【0057】
端末装置30の通信部31が受入試験終了通知を受信すると(S110)、端末装置30の制御部32は、通知部37によって通知を行わせる。例えばスピーカーから音(通知音)を発生させる。
【0058】
現場の係員(管理者)が、この通知に気付き、端末装置30に係員のアカウントでログインすると、端末装置30の制御部32は、このログインを検出し(S111)、管理装置20にデータ(受入試験情報)の送信をリクエスト(要求)する。
【0059】
このリクエストによって、管理装置20は、プロジェクトデータ及び試験結果(受入試験情報)を端末装置30に送信する(S112)。
【0060】
端末装置30は、管理装置20からプロジェクトデータ及び試験結果を受信し(S113)、プロジェクトデータの情報に基づき制御部32の受入承認制御部32Bを動作させ受入承認処理を実行する(S114)。」
「【0062】
端末装置30の通信部31が管理装置20からプロジェクトデータ、及び、試験結果を受信すると、制御部32(具体的には受入承認制御部32B)は、受信したデータに基づき図10のような試験結果確認画面35Aを表示部35に表示させる(S1141)。この試験結果確認画面35Aは、図5(試験結果入力画面15A)と対応しており、試験項目ごとに測定データとアイコン(画像)と許容値が表示されている。その際、許容値を外れた測定データについては、例えば、文字を赤く表示し注意喚起を行うようにしてもよい。また、備考欄や受入試験状況写真が表示されている。
【0063】
係員が、この画面のアイコン(例えば、空気量の項目のアイコン)をタップ操作することにより、受入承認制御部32Bは、図12に示す計器写真確認画面35Bを表示部35に表示させる(S1142)。計器写真確認画面35Bには試験項目のアイコンに対応する計器の値(メータや目盛など)を示す写真と、測定値(測定データ)と、許容値が表示されており、また、OK(良)とNG(不良)の判定欄が表示されている。
【0064】
係員がこの画面で、計器の値(写真)と測定値の欄と許容値を確認し、問題なければOKの欄をタップ操作する。一方、問題があればNGの欄をタップ操作する。これにより図11の画面(試験結果確認画面35A)に戻る。次の試験項目についても同様に確認を行う。なお、測定値が許容値から外れていると自動的にNGとなるようにしてもよい。また、通知部37が、NGであることを通知するようにしてもよい。」
「【0070】
係員は、この受入試験結果却下画面35Eに、送信者と連絡事項を記入する。ここでは連絡事項が必須となっており、承認不可である理由(例えば、許容値から外れている、写真がピンボケである等)を記入する。記入後、係員が送信の欄をタップ操作すると、通信部31は受入試験却下通知を送信する(図3のS118)。受入試験却下通知は、まず管理装置20へと送られ、管理装置20は受入試験却下通知を端末装置10に送信する(S119)。そして、端末装置10の通信部11は受入試験却下通知を受信し、表示部15は、受入試験却下通知とともに、例えば再試験の実施あるいは写真の再撮影が必要であることを表示する(S120)。」
[図:0001410250000001.jpg]
[図:0001410250000002.jpg]
[図:0001410250000003.jpg]
[図:0001410250000004.jpg]
ア 上記【0022】によれば、試験結果報告システムは、端末装置10、管理装置20及び端末装置30を有している。
イ 上記【0031】によれば、管理装置20は、サーバーで実現され、試験結果更新部23や記録部24を備えて構成されている。
ウ 上記【0034】によれば、試験結果更新部23は、受け入れ試験の試験結果を受け取り、記録部24の打設箇所データDBの試験結果を更新するものである。また、上記【0035】によれば、記録部24は、プロジェクトデータDBや打設箇所データDB等を備えている。
エ 上記【0039】によれば、打設箇所データDBは、打設箇所(例えば、建物における階、梁、柱など)に関するデータを記録するデータベースであって、打設箇所を示す打設箇所ID、プロジェクトID、打設箇所情報などが含まれている。また、上記【0040】によれば、打設箇所情報には、打設箇所名や打設予定日、使用するコンクリートの種類などが含まれており、記録部24には、各試験項目に対応する基準値や基準範囲(許容値)などの情報が、コンクリートの種類毎に、試験基準データとして別途記録されており、プロジェクト情報に登録された打設箇所のうち何れかが選択されると、打設箇所データDBの打設箇所情報からその打設箇所に使用するコンクリートの種類が特定され、そのコンクリートの種類に対応した各試験項目の基準値などの情報が試験基準データから読み出されるものである。
オ 上記【0048】によれば、端末装置10は、管理装置20の記録部24からプロジェクトデータを受信する際に、打設箇所に対して予め定められた許容値、すなわち、コンクリート種類に対しての各試験の許容値も受信する。また、上記【0047】によれば、試験(試験項目)は、スランプや空気量などである。
カ 上記【0049】によれば、端末装置10は、試験体の試験結果(実測値)が試験者によって入力され、入力された値が許容値を外れていると、通知部17が許容値から外れていることを示す通知を行う。
キ 上記【0053】によれば、試験者が、「受入試験状況写真を撮影」の欄をタップ操作すると、黒板確認画面15C(黒板画像に相当)を生成し、表示部15に表示させ、黒板確認画面15Cには、工事名や施工者、打設箇所、コンクリートの種類(呼び名)、各測定値(測定データ)、備考情報などの情報が転記される。また、上記【0054】によれば、試験者が、「次へ」の欄をタップ操作すると、画面内の一部に、黒板確認画面15Cで設定した黒板(黒板画像)が表示された受入試験状況写真の撮影画面15Dを表示させる。
(2) 甲1発明
上記(1)によれば、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
[甲1発明]
端末装置10、管理装置20及び端末装置30を有する試験結果報告システムにおいて、
管理装置20は、サーバーで実現され、試験結果更新部23や記録部24を備えて構成されており、
試験結果更新部23は、受け入れ試験の試験結果を受け取り、記録部24の打設箇所データDBの試験結果を更新するものであって、記録部24は、プロジェクトデータDBや打設箇所データDB等を備えるものであり、
打設箇所データDBは、打設箇所(例えば、建物における階、梁、柱など)に関するデータを記録するデータベースであって、打設箇所を示す打設箇所ID、プロジェクトID、打設箇所情報などが含まれており、
打設箇所情報には、打設箇所名や打設予定日、使用するコンクリートの種類などが含まれており、記録部24には、各試験項目に対応する基準値や基準範囲(許容値)などの情報が、コンクリートの種類毎に、試験基準データとして別途記録されており、プロジェクト情報に登録された打設箇所のうち何れかが選択されると、打設箇所データDBの打設箇所情報からその打設箇所に使用するコンクリートの種類が特定され、そのコンクリートの種類に対応した各試験項目の基準値などの情報が試験基準データから読み出されるものであって、
端末装置10は、管理装置20の記録部24からプロジェクトデータを受信する際に、打設箇所に対して予め定められた許容値、すなわち、コンクリート種類に対してのスランプや空気量などの各試験の許容値も受信し、
試験体の試験結果(実測値)が試験者によって入力され、入力された値が許容値を外れていると、通知部17が許容値から外れていることを示す通知を行い、
試験者が、「受入試験状況写真を撮影」の欄をタップ操作すると、黒板確認画面15C(黒板画像に相当)を生成し、表示部15に表示させ、黒板確認画面15Cには、工事名や施工者、打設箇所、コンクリートの種類(呼び名)、各測定値(測定データ)、備考情報などの情報が転記され、
試験者が、「次へ」の欄をタップ操作すると、画面内の一部に、黒板確認画面15Cで設定した黒板(黒板画像)が表示された受入試験状況写真の撮影画面15Dを表示させる、
試験結果報告システム。
2 甲2について
甲2には、以下の記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は施工検査システム、施工検査情報表示装置、および建築物の施工検査方法に関し、特に、コンピュータネットワークにおいて検査データをやり取りする施工検査システム、当該システムに用いられる施工検査情報表示装置、および当該システムを用いた建築物の施工検査方法に関する。」
「【0008】そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、上記3者がコンピュータネットワーク上で検査データを共有することで施工検査作業の容易化と迅速化、効率化を実現することのできる施工検査システム、当該システムに用いられる施工検査情報表示装置、および当該システムを用いた建築物の施工検査方法を提供することである。」
「【0015】
【作用】上記構成によれば、ネットワーク上の所定保存領域に保存された検査シートに第2および第3保存手段がアクセスし、所定様式で建築物の検査結果を検査項目毎に記入して更新していくことで、建築物の工程毎の施工検査情報をネットワーク上で共有化することができる。
【0016】また、第2保存手段によりアクセスして得た施工検査情報および保存した施工検査情報と第3保存手段によりアクセスして得た施工検査情報および保存した施工検査情報は所定様式で検査シートに記入され、保存され共有化される。
【0017】また、検査結果、所定の指摘情報、および処理結果等が記入された検査シートを建築物毎に編集して保存することができる。」
「【0039】また、検査者は改善指示欄27の部位No.入力欄28に不具合部位の番号14と15を記入し、不具合指摘事項欄29にそれぞれ該当する事項を記入して指摘する。ここで例えば部位No.14は、図5(a)の写真51の通り使用する部材50の径に誤りがある。そこで、正しい径(22ミリ)のものに交換するように改善方法欄30に具体的な改善方法を記入して指摘する。また部位No.15は、図5(b)の写真52の通り、L字状の部材55の設置位置が斜めで誤っている。そこで、正しい位置に設置するように改善方法欄30に具体的な改善方法を記入して指摘する。」
[図:0001410250000005.jpg]
3 甲3について
甲3には、以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、検査支援装置に関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予め設定された検査位置のみで検査が行われると問題となることがある。例えば、検査位置と異なる位置で不備が検出された場合に問題となる。この場合、予め設定された設定検査位置のみでなく、設定検査位置と異なる検査位置でも検査が行われることが望まれる。従来は、検査位置がデータ生成装置により設定され、検査支援装置では設定することができないため、設定検査位置と異なる位置で検査を行いたいときは、データ生成装置による追加の検査位置の設定を待つ必要があり、利便性の点で向上の余地がある。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。」
「【0029】
A.実施形態:
A-1.検査システム10の構成:
図1は、本実施形態における検査システム10の構成を示すブロック図である。検査システム10は、建築物や土木構造物等の構造物の検査を支援するためのものであり、データ生成装置100と、複数の検査支援装置200と、図面データ保管サーバ300と、検査システム用データ保管サーバ400と、を備える。各装置やサーバは、ネットワークNWを介して互いに接続されている。データ生成装置100は、例えばパーソナルコンピュータ等である。検査支援装置200は、例えばタブレット型端末やスマートフォン等である。図1には、3つの検査支援装置200が示されているが、検査システム10に含まれる検査支援装置200の数は、2つまたは4つ以上でもよい。」
「【0034】
図2は、検査システム用データD100のファイル構造を示す説明図である。検査システム用データD100は、システムデータD101と個別現場データD102とを含む。システムデータD101は、個別現場データD102を管理するためのデータであり、検査対象となる全ての構造物に共通に用いられる。システムデータD101は、例えば梁アイコンAG、柱アイコンAC(図4参照)またはこれらの色違いアイコン(図10参照)を含む複数種類のアイコンを表示するためのアイコン画像データD201を含む。
【0035】
個別現場データD102は、構造物の建設現場毎に設定されるデータである。個別現場データD102は、例えば配筋検査や鉄骨ボルト検査等、構造物に対して実施される検査の種類毎に設定される複数の検査種類別データD202を含む。各検査種類別データD202は、図面データD301と、地図情報データD302とを含む。地図情報データD302は、構造物の位置データD401と属性データD402とが互いに関連付けられたデータであり、例えばShape形式のデータである。具体的には、地図情報データD302は、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む。
【0036】
位置データD401は、構造物の各位置に対する図面上の座標を示すデータであり、具体的には、図面データD301に含まれる座標データが流用される。位置データD401は、座標情報の一例である。属性データD402は、構造物の各位置の属性を示すデータであり、具体的には、IDデータD501と、アイコンデータD502と、通芯データD503と、通芯識別データD504と、検査データD506と、画像データD507と、断面図データD508とを含む。属性データD402は、属性情報の一例である。
【0037】
IDデータD501は、属性データD402の識別番号を示すデータである。アイコンデータD502は、検査支援装置200の表示部240にアイコンを表示するためのデータであり、システムデータD101に含まれるアイコン画像データD201により表示可能な複数種類のアイコンから、特定の形態や特定の表示色等を有する特定の種類のアイコンを選出するデータである。通芯データD503は、検査支援装置200の表示部240に構造物の通芯を表示するためのデータである。通芯識別データD504は、通芯を識別する通芯識別子を表示するためのデータである。検査データD506は、データ生成装置100において構造物上に予め設定された検査位置(以下、「設定検査位置」という)や検査支援装置200において構造物上の任意の位置を指定して設定される検査位置(以下、「指定検査位置」という)における検査内容および検査結果を示すデータである。画像データD507は、画像および画像を縮小したサムネイル画像を示すデータであり、例えば検査支援装置200の撮影部250によって生成される。断面図データD508は、構造物を構成する各構成部材の断面図(図6参照)を示すデータである。断面図には、例えば構造物が鉄筋コンクリート造の建築物である場合における梁や柱の断面図が含まれる。識別番号、アイコン、通芯、通芯識別子、検査内容、検査結果、画像、サムネイル画像、および断面図は、属性の一例であり、検査内容と断面図とは、検査内容の一例である。」
「【0041】
(1)支援準備処理
支援準備処理は、データ生成装置100(図1)により実施される。データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから検査システム用データD100の生成指示を受け付けると、通信部130を介して図面データ保管サーバ300から検査対象となる構造物の図面データD301を取得し、図面データD301を用いて地図情報データD302を生成することにより、検査種類別データD202を生成する。
【0042】
具体的には、データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから入力される内容に従って、地図情報データD302を生成する。構造物では、構造物を構成する構成部材上に検査の必要な設定検査位置が予め設定されており、各設定検査位置の検査内容が予め設定されている。ユーザは、図面データD301に基づき表示部150に表示された図面上の設定検査位置の座標を読み取り、設定検査位置の座標を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから設定検査位置の位置データD401を生成する。また、ユーザは、各設定検査位置の検査内容を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから設定検査位置の属性データD402を生成する。具体的には、制御部110は、データが入力される順番に基づいてIDデータD501を生成し、設定検査位置に表示させるアイコンの種類を指定するデータからアイコンデータD502を生成し、検査内容を指定するデータから検査データD506を生成し、検査対象となる構成部材である対象構成部材の断面図を示すデータから断面図データD508を生成する。なお、検査内容を指定する複数種類のデータが予め記憶部120に記憶されている場合には、記憶部120に記憶された複数種類のデータから1のデータを選択することで、検査データD506が生成されてもよい。」
「【0052】
梁アイコンAGおよび柱アイコンACには、対象構造部材の種類を示す「柱」、「梁」等の表示が含まれ、対応する設定検査位置の検査結果により表示色が変化する。例えば、対応する設定検査位置の検査結果が「未確認」であると、表示色は黄色となり、対応する対応する設定検査位置の検査結果が「合格」であると、表示色は青色となり、対応する設定検査位置の検査結果が「不合格」であると、表示色は赤色となり、対応する設定検査位置の検査結果が「確認」であると、表示色は緑色となる。なお、図4では、全ての設定検査位置の検査結果が「未確認」であり、全ての梁アイコンAGおよび柱アイコンACが黄色に表示されている。」
[図:0001410250000006.jpg]
4 甲4について
甲4には、以下の記載がある。
「【請求項1】
工事に関する工事情報を管理する工事情報管理システムであって、
工事を担当する工事担当者によって操作される工事担当者用端末と、
前記工事担当者用端末を介して入力された工事情報を収集すると共に蓄積する工事情報管理装置と、を備え、
前記工事担当者用端末は、
工事現場を撮影する撮影部と、
前記工事情報の入力を受け付ける入力部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記入力部で受け付けられた前記工事情報に含まれる施工情報が表示された仮想表示板画像を作成する表示板画像作成処理部と、
前記撮影部によって撮影された写真画像に前記仮想表示板画像を組み込んだ工事写真を作成する工事写真作成処理部と、
前記施工情報および前記工事写真を前記工事情報管理装置に送信する工事情報送信処理部と、を備えており、
前記工事情報管理装置は、
前記施工情報および前記工事写真を蓄積する記憶部を備える、
ことを特徴とする工事情報管理システム。
【請求項2】
前記工事情報管理装置は、他の制御部を備え、
前記他の制御部は、
前記工事担当者用端末から収集した前記施工情報から前記工事の施工状況を判定し、判定した施工状況に基づいて前記工事担当者用端末に対して予定または警告を通知する通知部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の工事情報管理システム。」
「【技術分野】
【0001】
本発明は、工事情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場における管理業務の1つとして、工事写真(証拠写真)の撮影作業がある。国(又は地方公共団体)等から発注される公共工事の場合、工事写真の提出が求められており、工事過程毎の工事写真が必要となる。一枚の工事写真には、工事現場に加えて工事用の黒板が含まれる。工事用の黒板には、工事現場の内容(例えば「工事名」,「工事場所」等)や測量結果がチョークやペン等で記入される。これにより、工事の発注者は、撮影された工事写真を見ることで、工事現場の内容や様子を一目で確認することができる。
【0003】
従来より、仮想の黒板(以下、「黒板画像」と呼ぶ)をコンピュータ上で作成し、撮影した写真に黒板画像を重ねることで工事写真を作成する技術が開発されている(特許文献1参照)。この技術によれば、工事担当者は、黒板を撮影現場まで持ち運ばなくてよいので、工事写真を撮影する作業の負担が軽減される。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術は、工事写真の撮影を行う際に、表示画面に黒板画像のテンプレートを表示した上で手元に資料を用意して工事現場の内容に関する情報をコンピュータに入力しなければならなかった。その為、工事担当者によっては未だに工事写真を撮影する作業に負担を感じることがあった。
【0006】
このような観点から、本発明は、工事担当者の管理業務の更なる負担軽減を実現することができる工事情報管理システムを提供する。」
「【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、工事担当者の管理業務の更なる負担軽減を実現することができる。」
「【0015】
≪実施形態に係る工事情報管理システムの構成について≫
<システムの全体構成>
図1を参照して、実施形態に係る工事情報管理システム1の構成について説明する。
工事情報管理システム1は、工事に関する様々な情報(以下、「工事情報」と称する)を管理するシステムである。ここでの管理には、例えば、ユーザの操作によって工事情報を蓄積すると共に、蓄積している工事情報をユーザの要求に応じて提供することが含まれる。つまり、工事情報管理システム1は、工事情報を蓄積する機能と、工事情報を提供する機能とを有する。ユーザは、例えば、工事の担当者や発注者などの工事関係者である。
【0016】
工事情報管理システム1は、図1に示すように、工事現場で工事担当者によって使用される工事担当者用端末2,・・と、現場事務所に設置される工事情報管理装置3と、発注者や施工業者の店社によって使用される関係者用端末4,・・とを備えて構成される。
工事担当者用端末2および関係者用端末4は、例えば、PC(Personal Computer)であってよく、工事担当者用端末2は、特に持ち運び可能なタブレット型のPCやノート型のPCなどである。工事情報管理装置3は、工事情報を管理するサービスを工事担当者や発注者等に対して提供するアプリケーションサーバである。工事情報管理装置3は、工事担当者用端末2,・・にLAN(Local Area Network)を介して接続されており、また、関係者用端末4にインターネットを介して接続されている。
【0017】
<工事情報の説明>
工事情報管理システム1で管理される工事情報は、例えば、(1)施工に関する施工情報、(2)工事に関連する書類に関する書類情報、(3)現場運営に関する現場情報を含む情報である。本実施形態では、工事としてトンネル工事を想定することにし、工事情報もトンネル工事に関連した情報として説明を行う。なお、ここで説明する工事情報は、あくまでも一例であって、工事情報の内容は説明するものに限定されない。また、ここでの区分は例示であって、ある区分に属する情報が他の区分に属する場合もある。
【0018】
(1)施工情報は、例えば、(1-1)出来形情報、(1-2)品質情報、(1-3)写真情報、(1-4)歩掛情報、(1-5)計測情報、(1-6)設計情報などである。施工情報の一部は、工事発注者に提供される情報である。以下では、工事発注者に提供するために特に管理が必要な情報を「施工管理情報」と呼ぶことにする。工事発注者に提供する情報であるか否かは、システム設計時に予め決められていればよい。なお、施工情報の全てが施工管理情報であってもよい。」
「【0022】
(1-5)計測情報は、計測や観察によって得られる情報であって、例えば、工事の進捗(掘削,インバート,覆工)、切羽観察(切羽の三次元測量データを含む)、トンネルの内空や周辺の変形量、トンネル支保の変形量などに関する情報を含んだものである。
(1-6)設計情報は、工事の設計に関する情報であって、例えば、トンネル線形・断面、地形データ、地層データ、支保パターン及び支保数量(吹付け量,ロックボルト本数,鋼製支保工規格)、設置位置・形状などに関する情報を含んだものである。また、設計情報は、出来形・品質管理測点、覆工コンクリート打設割り、コンクリート配合一覧、工事担当者(職員・監督員・技術員を含む)一覧、使用材料の仕様、トンネルの3D構造モデルなどに関する情報を含んだものであってよい。」
「【0028】
続いて、出来形情報取得部21aは、工事写真の撮影が必要であるか否かの選択を受け付け、工事写真の撮影が必要であるか否かの判定を行う(ステップS13)。なお、出来形情報取得部21aは、情報の種別と工事写真の撮影が必要であるか否かの情報とを予めテーブルとして保有しておき、ステップS11で選択された種別に基づいて工事写真の撮影が必要であるか否かの判定を行ってもよい。工事写真の撮影が必要でないと判定した場合(ステップS13で“No”)に、出来形情報取得部21aは処理をステップS16に進めて、入力された計測値を記憶部14に格納させる(ステップS16)。そして、処理を終了する。一方、工事写真の撮影が必要であると判定した場合(ステップS13で“Yes”)に、出来形情報取得部21aは、種別の情報や計測値の情報に基づいて黒板画像を作成する(ステップS14)。出来形情報取得部21aは、例えば、情報の種別と黒板画像のテンプレートとを予め対応付けておき、取得した情報の種別から選択される黒板画像のテンプレートに所定項目を埋めた黒板画像を作成する。
【0029】
続いて、工事担当者によって工事写真の撮影が開始されると、出来形情報取得部21aは、撮影部12によって撮影される写真画像に黒板画像を組み込んだ工事写真(画像データ)を入出力部11に表示させ、撮影の操作によって当該工事写真の撮影を行う(ステップS15)。ここで、写真画像に黒板画像を組み込むことには、写真画像に黒板画像を重ね合わせることや、写真画像の一部を切り抜いて黒板画像をはめ込むことなどの、写真画像と黒板画像とを一体にすることを広く含むものである。工事写真の撮影に関する説明の詳細は後記する。次に、出来形情報取得部21aは、入力された計測値および撮影した工事写真を記憶部14に格納させる(ステップS16)。そして、処理を終了する。」
「【0038】
通知部43は、工事担当者用端末2から収集した工事情報(特に、施工情報)に基づいてトンネル工事の施工状況(例えば、進捗状況や施工の異常など)を判定する。なお、通知部43が施工状況を判定する時期は特に限定されず、例えば、記憶部34に工事情報を格納する前の時点であってもよいし、記憶部34に工事情報を格納した後の所定の時点であってもよい。そして、通知部43は、判定した施工状況に基づいて、工事担当者用端末2に対して施工に関する予定や警告を通知する。
例えば、通知部43は、コンクリート強度試験日、箱抜き掘削日、測定毎の出来形・品質管理を行うタイミングなどの予定を通知し、また、異常変位、異常品質・異常出来形、異常材料消費、地山の悪化などの警告を通知する。」
「【0054】
出来形情報入力画面320は、入力項目領域321と、戻るボタン322と、終了ボタン323と、結果へ移動ボタン324とを含んで構成されている。
入力項目領域321は、種別画像表示領域321aと、複数の入力項目欄321bとで構成されている。種別画像表示領域321aには、出来形の種別に対応した画像が表示される。入力項目欄321bには、測定した実際の値が工事担当者によって入力される。
戻るボタン322は、出来形情報入力画面310に処理を戻すためのボタンである。
終了ボタン323は、出来形情報の入力処理を終了するためのボタンである。
結果へ移動ボタン324は、入力された結果を画面として表示するためのボタンである。結果へ移動ボタン324が選択されると、出来形情報取得部21aは、出来形情報入力結果画面330(図12参照)を入出力部11に表示させる。
【0055】
出来形情報入力結果画面330は、第1の入力結果表示領域331と、第2の入力結果表示領域332と、戻るボタン333と、終了ボタン334と、保存ボタン335と、電子黒板ボタン336とを含んで構成されている。
第1の入力結果表示領域331には、出来形情報入力画面310を介して入力された情報が表示される。
第2の入力結果表示領域332には、出来形情報入力画面320を介して入力された情報が表示される。
戻るボタン333は、出来形情報入力画面320に処理を戻すためのボタンである。
終了ボタン334は、出来形情報の入力処理を終了するためのボタンである。
保存ボタン335は、入力結果表示領域331,332に表示される情報を記憶部14(図2参照)内に保存するためのボタンである。
電子黒板ボタン336は、入力された結果から電子黒板(黒板画像)の作成を開始するためのボタンである。電子黒板ボタン336が選択されると、出来形情報取得部21aは、電子黒板確認画面340(図13参照)を入出力部11に表示させる。
【0056】
電子黒板確認画面340は、電子黒板表示領域341と、入力項目欄342~344と、戻るボタン345と、撮影画面ボタン346とを含んで構成されている。
電子黒板表示領域341には、図10ないし図12の画面から入力された情報に基づいて作成された電子黒板(黒板画像)が表示される。
入力項目欄342では、工事写真の撮影日が選択される。
入力項目欄343では、工事写真の撮影の立合者が選択される。
入力項目欄344では、測定を行った箇所が選択される。
戻るボタン345は、出来形情報入力結果画面330に処理を戻すためのボタンである。
撮影画面ボタン346は、工事写真の撮影を開始するためのボタンである。撮影画面ボタン346が選択されると、出来形情報取得部21aは、黒板付撮影画面350(図14参照)を入出力部11に表示させる。黒板付撮影画面350は、撮影部12(図2参照)によって撮影された写真画像が表示される表示画面の一部に黒板画像を組み込んで表示させたものである。なお、黒板画像を表示させる位置や黒板画像の大きさは特に限定されず、工事担当者によって任意に設定できるようにするのがよい。」
「【0061】
<書類情報に関連する処理の説明>
メインメニュー画面200(図9参照)の図面情報処理ボタン221が選択されると、書類情報処理部22は、定期的に工事情報管理装置3より取得し、記憶部14に蓄積した設計図の一覧表を入出力部11に表示する。工事担当者によって、一覧表から特定の設計図が選択された場合に、書類情報処理部22は、選択された設計図のファイルを定期的に工事情報管理装置3より取得し、記憶部14に蓄積した中より取得し、入出力部11に表示する。また、情報の取得は工事情報管理装置3より直接取得する方法であってもよい。」
[図:0001410250000007.jpg]
[図:0001410250000008.jpg]
[図:0001410250000009.jpg]
5 甲5について
甲5には、以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、工作物又は建築設備である判定対象物の確認申請に関する申請情報を用いて、前記判定対象物が建築基準に適合するか否かを判定する建築基準適合判定装置、方法及びプログラムに関する。」
「【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、複雑な判定プロセスを介して得られた判定結果を、ユーザに対して効果的に提示可能な建築基準適合判定装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。」
「【0021】
<建築基準適合判定装置10の電気的なブロック図>
図1は、この実施形態に係る建築基準適合判定装置10の電気的なブロック図である。建築基準適合判定装置10は、確認申請された判定対象物(ここでは、建築基準法で定義される建築物、工作物又は建築設備)が建築基準に適合するか否かを判定するコンピュータであり、具体的には、制御部12と、通信I/F14と、入力部16と、表示部18と、記憶部20とを含んで構成される。」
「【0040】
図4に示すように、第2欄62、72、第3欄63、73、及び第5欄65、75の内容が更新される。ユーザとしての有資格者は、判定表示欄60(具体的には、第3欄63)を視認することで、「申請者等の一致性」の1次判定がOK(適合)であり、「法53条」の1次判定がNG(不適合)であると把握できる。ユーザは、判定表示欄70(具体的には、第3欄73)を視認することで、「法42条」の1次判定がOKであり、「法43条」の1次判定がNGであると把握できる。
【0041】
なお、第3欄63、73(第5欄65、75)の描画内容から理解されるように、判定結果(OK/NG)に応じて表示形態が異なっている点に留意する。具体的には、未だOKの判定結果が得られていない判定項目を強調表示することで、ユーザに対してその存在を報知できる。」
[図:0001410250000010.jpg]
6 甲6について
甲6には、以下の記載がある。
「【0042】
これら図面をベースに各検査記録はxyz軸上にピン単位で割り付けられる。ピンには、前述のように、記録日時、コメント、タグなどピンと対応した固有のプロパティ情報が設定されるようになっている。これらを活用し、各ピンの座標軸を統合した集合体から、ユーザが、任意の時間軸、任意のxy座標、などを指定することで検索できるようにする。そのために、統合処理装置4では、異なる縮尺の図面間でのピンの結合と、ラスタデータを扱う場合、スキャニング時に生じる図面のずれの補正などの処理とを行なう。」
「【0057】
そして、このようにしてベース図面と座標軸を一致させた割り当て図面に設定されたピンのxy座標と、割り当て図面およびベース図面の縮尺とに基づき、ベース図面の、割り当て図面と重なる領域に対して、割り当て図面に設定されたピンを割り付ける。
以上によって、縮尺の異なるベース図面および割り当て図面間で、ピンのプロパティ情報がリンクされたことになる。そして、このように、通り芯が一致するように位置調整されたベース図面および割り当て図面を統合図面として、統合図面データベース5に格納する。」
「【0086】
図14及び図15は、統合図面の一例を示したものである。
図14は、1階平面詳細図をベース図面とし、1階平面詳細図に対して記録がなされた図面を割り当て図面として統合したものであって、図16~図19を割り当て図面として統合したものである。図16は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、仕上げ検査(自主検査)の結果をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図17は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、仕上げ検査(自主検査)の結果を受けて修正した内容をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図18は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、完成検査(設計指摘事項)の結果をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図19は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、完成検査(設計指摘事項)の結果を受けて修正した内容をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。」
7 甲7について
甲7には、以下の記載がある。
「【請求項1】
BIMデータを提供するBIMデータ提供システムであって、
建設に関する、図面データ、複数のエリアデータ及び複数の部材データを含む第1BIMデータを取得する取得部と、
取得した前記第1BIMデータに基づいて、前記複数のエリアデータを一のグループにまとめた第1データ及び前記複数の部材データを一のグループにまとめた第2データを作成する作成部と、
取得した前記第1BIMデータに基づいて、前記図面データ上に重ねて配置するレイヤデータを生成する生成部と、
生成した前記レイヤデータに、前記第1データ及び前記第2データを配置する配置部と、
配置した前記第1データ及び前記第2データに対して、建設施工の進捗入力を受け付ける第1受付部と、
配置した前記第2データに対して、部材の変更入力を受け付ける第2受付部と、
前記レイヤデータに配置した前記第1データに、受け付けた前記進捗入力を反映し、前記レイヤデータに配置した前記第2データに、受け付けた前記進捗入力及び前記変更入力を反映する反映部と、
受け付けた前記進捗入力及び前記変更入力を反映した前記レイヤデータを、第2BIMデータに変換する変換部と、
変換した前記第2BIMデータを提供する提供部と、
を備えるBIMデータ提供システム。」
8 甲8について
甲8の「3/4」頁の下段には、以下の記載がある。
[図:0001410250000011.jpg]
9 甲9について
甲9の「3/4」頁の上段には、以下の記載がある。
[図:0001410250000012.jpg]
10 甲10について
甲10の「3/6」頁の上段には、以下の記載がある。
[図:0001410250000013.jpg]
11 甲11について
甲11には、以下の記載がある。
[図:0001410250000014.jpg]
第5 当審の判断
1 甲1を主引用例とする進歩性欠如
(1) 本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
(ア) 甲1発明の「端末装置10、管理装置20及び端末装置30を有する試験結果報告システム」は、「端末装置10」の「画面内の一部に、黒板確認画面15Cで設定した黒板(黒板画像)が表示された受入試験状況写真の撮影画面15Dを表示させる」ものであるところ、「黒板(黒板画像)」は、「端末装置10」の「画面内の一部」に表示されるから、「電子小黒板」であるといえる。
そうすると、甲1発明は、「電子小黒板」を出力するものであるということができるから、甲1発明の「試験結果報告システム」は、後述の相違点に係る構成を除き、本件発明1の「電子小黒板を出力する電子小黒板出力システム」に相当する。
(イ) 甲1発明の「コンクリートの種類に対応した各試験項目」において、それぞれの「試験項目」は、「コンクリート」という「部材」に対しての「施工管理項目」であるといえる。
そして、甲1発明の「端末装置10」は、「管理装置20」から「コンクリート種類に対してのスランプや空気量などの各試験の許容値」を受信し、「試験者によって入力」された「試験結果(実測値)」が「許容値を外れていると、通知部17が許容値から外れていることを示す通知」を行っているから、その前提として、「端末装置10」は、予め、各試験の「試験結果(実測値)」に対応する「施工管理項目」(試験項目)を作成しているということができる。
そうすると、甲1発明は、「コンクリート」という「部材」に対しての「施工管理項目」(試験項目)を作成する作成部を備えているといえるから、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材の施工管理項目を作成する作成部」と、「部材の施工管理項目を作成する作成部」で共通する。
(ウ) 本件発明1の「施工管理基準」は、本件明細書(【0032】)をみると、「施工管理基準は、施工管理項目の各項目の基準値である。例えば、「部材A」の「長さ」の項目に対する施工管理基準が、「9~11cm」であり、・・・」と記載されているから、ある程度の幅を持った値を含むものであるといえる。
一方、甲1発明は、上記(イ)のとおり、「管理装置20」から「コンクリート種類に対してのスランプや空気量などの各試験の許容値」を受信しているところ、当該「許容値」も、ある程度の幅を持った値である。
そうすると、甲1発明の「許容値」は、本件発明1の「施工管理基準」に相当する。
そして、甲1発明は、「コンクリート」という「部材」に対しての「施工管理項目」(試験項目)を作成しているところ、上記「許容値」は、「施工管理項目」(試験項目)に対して設定されており、その設定をするための設定部を備えているということができるから、甲1発明の当該設定部は、本件発明1の「作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準及び施工計画値を設定する設定部」と、「作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定する設定部」で共通する。
(エ) 甲1発明は、「試験体の試験結果(実測値)が試験者によって入力」されるものであるから、「試験結果(実測値)」を取得する取得部を備えているといえ、当該取得部は、本件発明1の「前記施工管理項目の各項目の実測値を取得する実測値取得部」に相当する。
(オ) 甲1発明は、「試験体の試験結果(実測値)が試験者によって入力され、入力された値が許容値を外れていると、通知部17が許容値から外れていることを示す通知」を行うものであるから、「試験結果(実測値)」が、「許容値」を満たしているか否かを判定する判定部を備えているということができる。
そうすると、当該判定部は、本件発明1の「取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部」に相当する。
(カ) 甲1発明の「黒板(黒板画像)」は、上記(ア)のとおり、「電子小黒板」であるといえるところ、「各測定値(測定データ)」の情報が転記されているから、当該「電子小黒板」は、「実測値を反映した第1電子小黒板」ということができ、甲1発明は、当該「第1電子小黒板」を生成する電子小黒板生成部を備えているといえる。
そうすると、甲1発明の当該電子小黒板生成部と、本件発明1の「前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の施工計画値及び実測値を反映した第1電子小黒板を生成する電子小黒板生成部」は、「前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の実測値を反映した第1電子小黒板を生成する電子小黒板生成部」で共通する。
(キ) 甲1発明は、「黒板(黒板画像)が表示された受入試験状況写真の撮影画面15Dを表示させる」から、「黒板(黒板画像)」、すなわち、「電子小黒板」を表示(出力)するものである。
そうすると、甲1発明は、当該「電子小黒板」を出力する電子小黒板出力部を備えているといえるから、当該電子小黒板出力は、本件発明1の「生成した前記第1電子小黒板を出力する電子小黒板出力部」に相当する。
以上によれば、本件発明1と甲1発明は、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
電子小黒板を出力する電子小黒板出力システムであって、
部材の施工管理項目を作成する作成部と、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定する設定部と、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得する実測値取得部と、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目の実測値を反映した第1電子小黒板を生成する電子小黒板生成部と、
生成した前記第1電子小黒板を出力する電子小黒板出力部と、
を備える電子小黒板出力システム。
[相違点]
[相違点1]
「作成部」が作成する「施工管理項目」について、本件発明1は、「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材」の「施工管理項目」であるのに対し、甲1発明は、「部材」(コンクリート)の「施工管理項目」であるものの、「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材」の「施工管理項目」ではない点。
[相違点2]
本件発明1は、「設定部」が「施工計画値」を設定し、「電子小黒板生成部」が「施工計画値」を反映した第1電子小黒板を生成するのに対し、甲1発明は、「設定部」が「施工計画値」を設定するものではなく、「電子小黒板生成部」が「施工計画値」を反映した第1電子小黒板を生成するものでもない点。
イ 判断
(ア) 検討
上記相違点1について検討するに、甲1に記載された事項は、上記第4の1のとおりであるところ、甲1発明は、「試験場所とは離れた場所(例えば打設場所)で試験結果を確実かつ迅速に確認、承認できるようにすること」を目的とするものであって(第4の1(1)【0006】)、専ら「試験場所」と「打設場所」との関係を課題とするものであり、「建設現場の各エリア」や「各エリアに対応する工種」について何ら想定するものではない。
また、本件発明1の「工種」について、本件明細書をみると、「工種は、工事の種別を表し、例えば、電気設備工事、給排水衛生設備工事、エレベーター工事、トイレ工事である。・・・」(【0026】)と記載されているように、本件発明1では、複数の工事が存在することを前提とするものであり、工事の種別(工種)ごとに「必要な各部材」があるものと認められる。一方、甲1には、工事について、「工事名称」(【0037】)及び「工事名」(【0053】)と記載されているのみであって、工事の種別について、どのような工事を想定しているのか不明であるから、甲1は、本件発明1のように、複数の工事が存在することを具体的に開示するものではなく、「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材」があることを開示するものでもない。
そして、他に甲1に記載された事項をみても、相違点1の構成は記載も示唆もされておらず、甲1発明において、「各エリアに対応する工種に必要な各部材」の「施工管理項目」を作成するように変更することの必要性も動機付けもないから、甲1発明において、相違点1の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
また、異議申立人の進歩性欠如の主張に係る甲2~甲11に記載された事項は、上記第4の2~11のとおりであるところ、いずれの記載事項も、相違点1の構成を開示するものではない。
そうすると、甲1発明に、甲2~甲11に記載された事項を組み合わせることができたとしても、本件発明1の構成には至らないし、他に相違点1に係る構成が周知技術であったということもできないから、甲1発明において、相違点1の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、甲2~甲11に記載された事項を含めて検討しても、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(イ) 異議申立人の主張について
これに対し、異議申立人は、甲1に記載された「コンクリートの受入試験の試験項目毎に試験結果の入力欄を表示すること」は、本件発明1の「工種に必要な各部材の施工管理項目を作成すること」に相当するから、両者は、「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材の施工管理項目を作成」する点で一致する、すなわち、上記相違点1に係る構成は一致点である、旨主張する(特許異議申立書19頁中段、41頁下段及び42頁上段)。
しかしながら、異議申立人は、甲1に記載された「コンクリート」が、本件発明1の「部材」に一致することは主張していると解されるものの、甲1に記載されたいずれの構成が、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種」に一致するのか、その根拠を示していないから、上記相違点1に係る構成が一致点である旨の主張の前提を欠いている。
そして、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材」の「施工管理項目」についての構成が、甲1発明との一致点ではなく、相違点(相違点1)であり、甲1発明において、相違点1の構成を採用することが、当業者であっても容易に想到し得るものではないことは、上記(ア)のとおりである。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
(2) 本件発明2~5について
本件発明2~5は、本件発明1を限定した発明であるから、甲1発明と対比すると、少なくとも、上記(1)アの[相違点]を有するところ、本件発明1が上記(1)イのとおり、甲1発明及び甲2~甲11に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本件発明2~5も甲1発明及び甲2~甲11に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(3) 本件発明6及び7について
本件発明6及び7は、本件発明1の「電子小黒板出力システム」の発明について、それぞれカテゴリの異なる「電子小黒板出力方法」及び「コンピュータ読み取り可能なプログラム」の発明として特定したものである。
そうすると、本件発明6及び7は、それぞれ甲1から認定される「電子小黒板出力方法」及び「コンピュータ読み取り可能なプログラム」の発明と対比すると、上記(1)アの[相違点]と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記(1)イと同様、本件発明6及び7は、甲1から認定される発明及び甲2~11に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 甲4を主引用例とする進歩性欠如
(1) 本件発明1について
上記1(1)イ(ア)のとおり、甲4には、本件発明1に係る上記[相違点]の相違点1の構成は開示されていないし、甲1~甲3及び甲5~甲11をみても、当該構成は開示されていない。
なお、甲4には、工事について、「本実施形態では、工事としてトンネル工事を想定することにし、工事情報もトンネル工事に関連した情報として説明を行う。」(【0017】)と記載されており、工事の種別について、トンネル工事のように、1つの工事しか想定されていないから、上記1(1)イ(ア)と同様、甲4は、本件発明1のように、複数の工事が存在することを具体的に開示するものではなく、「建設現場の各エリアに対応する工種に必要な各部材」があることを開示するものでもない。
したがって、本件発明1は、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、甲1~甲3及び甲5~甲11に記載された事項を含めて検討しても、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2) 本件発明2~7について
上記(1)のとおり、本件発明1が、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、甲1~甲3及び甲5~甲11に記載された事項を含めて検討しても、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、上記1(2)及び(3)と同様、本件発明2~7も、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、甲1~甲3及び甲5~甲11に記載された事項を含めて検討しても、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700040