特許異議申立
2024-700006
判定結果出力システム、判定結果出力方法及びプログラム
- 審判番号
- 2024-700006
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-533910
- 登録番号
- 7316483
- 請求日
- 2024年01月05日
- 審決日
- 2024年04月04日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】スパイダープラス株式会社
- 【異議申立人】小山 みつ子
- 審判長/審判官
- 審判長 伏本 正典
- 審判官 緑川 隆
- 審判官 梶尾 誠哉
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7316483号発明「判定結果出力システム、判定結果出力方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7316483号の請求項1-8に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7316483号の請求項1-8に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和5年(2023年)3月1日を国際出願日として出願され、同年5年7月19日にその特許権の設定登録がされ、同年7月27日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和6年1月5日に特許異議申立人 小山 みつ子(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
特許第7316483号の請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明8」といい、併せて「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
建設現場における施工管理項目の合否の判定結果を出力する判定結果出力システムであって、
建設現場の各エリアに対応する工種に対して、施工管理項目を作成する施工管理項目作成部と、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定する設定部と、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得する実測値取得部と、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部と、
判定結果を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力する全体一覧出力部と、
を備える判定結果出力システム。
【請求項2】
前記施工管理基準を満たしていると判定した施工管理項目と、前記施工管理基準を満たしていないと判定した施工管理項目とを、異なる注目度で出力する判定結果出力部、
を更に備える請求項1に記載の判定結果出力システム。
【請求項3】
前記施工管理基準を満たしていないと判定した施工管理項目を、一覧にして出力する項目一覧出力部、
を更に備える請求項1に記載の判定結果出力システム。
【請求項4】
判定結果に基づいて、前記工種の施工進捗を作成する施工進捗作成部と、
作成した前記施工進捗を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力する施工進捗一覧出力部と、
を更に備える請求項1に記載の判定結果出力システム。
【請求項5】
前記建設現場の図面データを取得する図面データ取得部と、
取得した図面データに重ねるレイヤを生成する生成部と、
前記判定部の判定結果に基づいて注目度を変更した、前記工種に対応付けられたアイコン又は図形を、生成した前記レイヤに配置する配置部と、
を更に備える請求項1に記載の判定結果出力システム。
【請求項6】
前記施工管理項目の全項目が、前記施工管理基準を満たすまでの進捗率を出力する進捗率出力部、
を更に備える請求項1に記載の判定結果出力システム。
【請求項7】
建設現場における施工管理項目の合否の判定結果を出力するコンピュータが実行する判定結果出力方法であって、
建設現場の各エリアに対応する工種に対して、施工管理項目を作成するステップと、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定するステップと、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得するステップと、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定するステップと、
判定結果を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力するステップと、
を備える判定結果出力方法。
【請求項8】
建設現場における施工管理項目の合否の判定結果を出力するコンピュータに、
建設現場の各エリアに対応する工種に対して、施工管理項目を作成するステップ、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定するステップ、
前記施工管理項目の各項目の実測値を取得するステップ、
取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定するステップ、
判定結果を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。」
第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証~甲第6号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲6」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):特開2002-21327号公報
甲第2号証(甲2):特開2015-11519号公報
甲第3号証(甲3):特開2017-162175号公報
甲第4号証(甲4):特開2017-107286号公報
甲第5号証(甲5):特開2015-118535号公報
甲第6号証(甲6):特許7129586号公報
2 特許異議の申立理由
異議申立人の主張する特許異議の申立ての理由(進歩性欠如)は、概略、本件発明は、甲1~甲6に記載された発明あるいは事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである、というものであり、より具体的には以下のとおりである。
(1)本件発明1、3、4、6、7及び8は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件発明2は、甲1に記載された発明、甲2に記載された事項及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)本件発明5は、甲1に記載された発明、甲2に記載された事項、甲4に記載された事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 異議申立人の提出した証拠の記載
1 甲1について
(1)甲1の記載
甲1には、以下の記載がある(下線は当審において加筆した。丸数字は半角括弧付き数字で示す。以下同じ。)。
「【請求項1】 ネットワークを介して施工検査情報をやり取りする施工検査システムであって、
前記ネットワーク上に設けられ、所定様式で建築物の検査結果を検査項目毎に記入するための検査シートを予め保存する第1保存手段と、
前記第1保存手段上の前記検査シートを読み出して、前記建築物の工程毎の検査結果と該検査結果に応じた所定の指摘情報とを前記建築物の部位毎に前記検査シートに記入して所定の記憶手段に保存する第2保存手段と、
前記保存された前記検査シートにアクセスし、前記記入された前記所定の指摘情報に応じた処理結果を前記検査シートに記入し、該処理結果が記入された検査シートを前記所定の記憶手段上に上書き保存する第3保存手段と備え、
前記検査シートを前記所定の記憶手段上で共有して更新していくことを特徴とする施工検査システム。
【請求項2】 請求項1に記載の施工検査システムにおいて、
前記第2保存手段は、前記所定の指摘情報が与えられた前記建築物の所定部位の画像情報を前記検査シートとともに保存する手段を備え、
前記第3保存手段は、前記記入された前記所定の指摘情報および前記画像情報に従って処理された前記所定部位の画像情報を前記検査シートとともに保存する手段を備えることを特徴とする施工検査システム。
【請求項3】 請求項1または2に記載の施工検査システムにおいて、
前記所定の記憶手段は前記ネットワーク上で前記第2および第3保存手段に対応して独立して設けられており、
前記第2保存手段によりアクセスして得た施工検査情報および保存した施工検査情報を保存する第4保存手段と、
前記第3保存手段によりアクセスして得た施工検査情報および保存した施工検査情報を保存する第5保存手段とをさらに備えることを特徴とする施工検査システム。
【請求項4】 請求項1に記載の施工検査システムにおいて、
前記検査結果、前記所定の指摘情報、および前記処理結果の少なくとも1つが記入された前記検査シートを前記第2または第3の保存手段から読み出して、前記建築物毎に編集して保存する手段をさらに備えることを特徴とする施工検査システム。」
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は施工検査システム、施工検査情報表示装置、および建築物の施工検査方法に関し、特に、コンピュータネットワークにおいて検査データをやり取りする施工検査システム、当該システムに用いられる施工検査情報表示装置、および当該システムを用いた建築物の施工検査方法に関する。」
「【0008】そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、上記3者がコンピュータネットワーク上で検査データを共有することで施工検査作業の容易化と迅速化、効率化を実現することのできる施工検査システム、当該システムに用いられる施工検査情報表示装置、および当該システムを用いた建築物の施工検査方法を提供することである。」
「【0015】
【作用】上記構成によれば、ネットワーク上の所定保存領域に保存された検査シートに第2および第3保存手段がアクセスし、所定様式で建築物の検査結果を検査項目毎に記入して更新していくことで、建築物の工程毎の施工検査情報をネットワーク上で共有化することができる。
【0016】また、第2保存手段によりアクセスして得た施工検査情報および保存した施工検査情報と第3保存手段によりアクセスして得た施工検査情報および保存した施工検査情報は所定様式で検査シートに記入され、保存され共有化される。
【0017】また、検査結果、所定の指摘情報、および処理結果等が記入された検査シートを建築物毎に編集して保存することができる。」
「【0019】(第1実施形態)図1は第1実施形態のインフラ構造を示す構成図である。 図1において、110は施工管理(工務店)側のクライアントマシン、120は検査/審査(住宅販売業者)側のクライアントマシンであり、それぞれネットワーク140に接続されている。130は共有ファイルサーバであり、施工管理側クライアントマシン110と検査/審査側クライアントマシン120がネットワーク140を介してアクセスし、共有ファイルを互いに参照して更新することができる。ネットワーク140としては専用回線が好ましいが、インターネットを利用することもできる。」
「【0022】住宅販売業者の検査担当者は建築現場に出かけ、邸毎、ビル毎に所定の検査仕様にしたがって工程毎に建築物の検査を行なう。建築工程は、概略的には、例えば(1)着工→(2)基礎配筋(生コン打設)→(3)躯体完成→(4)屋根及び防水→(5)内部木工→(6)内・外装仕上げ→(7)完成、の七工程からなっている。
【0023】検査担当者は、デジタルカメラ122、携帯型パーソナルコンピュータ124、およびPHS125を携行して建築現場で検査を行ない、後に詳述する通りに写真を含む検査結果の情報を検査/審査側クライアントマシン120に送信する。情報送信は公衆回線142を介してインターネットサービスプロバイダ141に接続することでEメールを利用して行われ、携帯電話を通信端末として利用することもできるが、画像伝送を行なうことから、通信速度の点でPHS125の利用が便利である。
【0024】携帯型パーソナルコンピュータ124は、CPU、主記憶装置としてのROM、補助記憶装置としてのHDD、FDD、CPUの作業エリアおよび一時的なデータ記憶領域としてのRAM、外部とのデータのやり取りに用いられる通信I/F、入力装置としてのキー入力部およびポインティングデバイス、画像表示装置としての液晶表示パネルを備えた周知の構成であり、上記各コンピュータ装置と同様に上記Windows(商標)上でMicrosoftExcel(商標)等が稼動できるものとし、例えばサブノートパソコンを用いることができる。」
「【0030】以下、(2)の基礎配筋工程が終了した場合を一例として、検査、合否判定、不具合部位改善指示、改善作業、再判定等を行ない、所定の判定基準が満たされたときに合格証を発行する手順について詳細に説明する。
【0031】図2は上記手順を示すシーケンス図であり、施工管理(工務店)側での作業手順、共有ファイルサーバ130を介して行われる施工管理側クライアントマシン110と検査/審査側クライアントマシン120との通信手順、および検査/審査(住宅販売業者)側での作業手順を表す。施工管理側と検査/審査側との通信は、携帯端末(携帯型パーソナルコンピュータ114と124)間で行うこともできる。
【0032】まず施工管理側では、現時点でどの工程が終了したかの工程確認を行ない、確認された工程情報aを検査/審査側にEメールで送信する。以下、各コンピュータ間の通信には、同様にEメールが用いられる。工程情報aを受け取った検査/審査側では、図3に示す所定様式の検査シートに従い、検査者が所定の判定基準に基づいて当該工程について検査を行う。
【0033】図3に示す基礎品質検査結果用の検査シート13はスプレッドシートアプリケーションを用いて作成され、施工管理側クライアントマシン110に前もって保存されているとする。このスプレッドシートアプリケーションは、図3には示されてはいないが、写真等の画像を貼り込むことができる(後述の図8参照)。
【0034】1~7に示す各欄には、入力メニュー8に従って入力された発注者の邸名、工程情報aに従った工程名、施工管理側の工事課名、工事店(工務店)名、担当者名、および基礎チーム名、並びに住宅販売業者側の検査員(検査者)名がそれぞれ記入される。検査日9は自動入力される。
【0035】20は検査結果情報を検査項目毎に入力する検査結果記入欄であり、検査者が22で示す部位No.の各部位について23で示すチェック項目を検査し、検査結果入力メニュー21を用いて所定の判定基準と配点基準に基づき項目毎に数値を設定入力すると、判定欄24に合否判定が○/×で入力される。不合格(×)の検査項目については該当部位の写真が別途添付され、写真No.欄26にその写真番号が入力される。25は改善確認欄であり、不合格部位の改善結果が確認されたときに、改善判定結果を入力する欄である。
【0036】27は改善指示欄であり、ここには、検査/審査側から施工管理側への改善指示情報が入力される。28は要改善部位の部位No.を入力する部位No.入力欄であり、当該要改善部位の具体的な不具合内容を不具合指摘事項欄29に、具体的な改善方法を改善方法欄30に入力して施工管理側に指摘する。写真No.欄31には当該要改善部位の写真番号が入力される。32は要改善部位No.入力欄であり、部位No.入力欄28の不具合部位についての指摘事項と同様の例が別のシートにある場合、この欄32にその部位No.が入力される。改善報告発送期限33は自動入力される。
【0037】14は、施工管理側の担当者が改善報告時にサインする欄である。16は、検査/審査側で最終的に合格判定したときに検査者および審査者が検印を入力する欄である。15には施工管理側から検査/審査側へ改善報告した日付が、17には検査/審査側から施工管理側に合否通知した日付が入力される。ポイント欄18には評価点数が入力される。
【0038】図2に戻って説明すると、検査者は検査員名9を記入し、建築現場での検査結果に基づいて検査結果記入欄20に記入する。すなわち、前述の通りに合否判定を○/×で判定欄24に記入し、写真No.欄26に不具合箇所の写真番号を記入する。図4の例では部位No.14と15に不具合があり、ここに×が記入される。両部位については、後述の通り図5(a)および(b)に示す写真を撮影する。この写真番号を例えば51および52として写真No.欄26に記入する。
【0039】また、検査者は改善指示欄27の部位No.入力欄28に不具合部位の番号14と15を記入し、不具合指摘事項欄29にそれぞれ該当する事項を記入して指摘する。ここで例えば部位No.14は、図5(a)の写真51の通り使用する部材50の径に誤りがある。そこで、正しい径(22ミリ)のものに交換するように改善方法欄30に具体的な改善方法を記入して指摘する。また部位No.15は、図5(b)の写真52の通り、L字状の部材55の設置位置が斜めで誤っている。そこで、正しい位置に設置するように改善方法欄30に具体的な改善方法を記入して指摘する。」
「【0042】検査者が上記のようにして検査結果(検査シートおよび画像情報)を得ると、これら検査結果情報を一時検査/審査側クライアントマシン120に記憶させる。これら検査結果情報は、携帯型パーソナルコンピュータ124を用いて検査/審査側クライアントマシン120に送信することもできる。
【0043】熟練した審査者は、これらの検査結果情報を参照し、検査者による検査結果が妥当なものかを審査する。このとき、検査/審査側クライアントマシン120(または携帯型パーソナルコンピュータ124)の表示装置の画面上で検査シート13および画像情報(写真51,52)を同時に表示して行ってもよいし、プリンタ121でプリント用紙126に印刷して行ってもよい。不適当な検査結果があれば、審査者は検査シート13の記載を変更する。一般的には、改善方法欄30に記載された改善方法の記載変更がしばしば行われる。
【0044】このようにして審査が終了し、熟練した審査者によって妥当であることが確認された検査結果情報bは、Eメールを用いて検査/審査側クライアントマシン120から共有ファイルサーバ130に送信され、ここに共有ファイルとして記憶され、共有化されたファイルbはさらに共有ファイルサーバ130から施工管理側クライアントマシン110へと送信される。前述した通りに携帯型パーソナルコンピュータ124を用いれば、建築現場において、検査、審査、および共有ファイルサーバ130への検査結果情報の送信、さらには施工管理側クライアントマシン110への送信を行うことができる。
【0045】施工管理側は受け取った検査結果情報を保存し、これを確認すると、検査シート13および写真51,52を参照し、要改善個所の合格判定を得るために改善作業を行なった後、改善後の写真を撮影する。」
「【0047】このような改善を行った後に施工管理側は、図7に示す通り検査シート13の改善指示欄27の写真No.欄31に写真番号61,62を記入し、サイン欄14に担当者等のサインを記入する。そして、改善報告日付15を記入する。」
「【0052】このように、検査/審査側では判定と改善指示を、施工管理側では改善作業と改善報告を行って一旦共有ファイルサーバ130に送信し、ここに記憶された共有ファイルを両者クライアントが互いに参照することで更新していく。検査/審査側は、図2において、再改善結果を参照して全ての項目について合格判定した場合に合格証を作成する。合格証が作成されるまで、b,c,b´,c´…のやり取りが繰り返し行われる。再改善の回数は改善作業の出来しだいであるため、図2にはその回数を明記していない。また、一回の改善で全ての不合格項目について合格判定されれば、b´とc´のやり取りは勿論不用である。
【0053】図9は、検査シート13の検印入力欄16に審査合格を示す検印が記入された合格証を示している。ここで、不具合部位No.14と15が改善されたとして審査者が対応する改善確認欄25に○を記入し、全て合格となったために合格日付17が記入され、検査者検印16aが検査者により記入され審査者検印16bが審査者により記入された検査シート13を、合格証dとしてEメールを用いて検査/審査側クライアントマシン120から共有ファイルサーバ130に送信し、ここで共有ファイルが合格証dで再度上書きされて記憶され、上書きされた合格証dはさらに共有ファイルサーバ130から施工管理側クライアントマシン110へと送信される。施工管理側は受け取った合格証dを保存する。」「【0055】このとき、双方が検査結果情報を上書きするときに検査シート上に記入する文字色等を一定の約束にしたがって取り決めておけば、後で検査履歴を参照するときに解りやすいものとすることができる。また、検査履歴を集計・分析して、図10に示すような集計表や、図11に示すような指導履歴表を編集して作成することもできる。これら集計表や指導履歴表、および上記施工検査情報をプリンタ111を用いてプリント用紙116に出力することで、必要な応じて住宅等の発注者、あるいは関係行政機関等の第3者検査機関等に提示する資料の作成も容易になる。ここで、作成した集計表を邸名等でソートして邸(または集合住宅、ビル)毎の検査履歴(検査結果、指摘事項、改善結果等)を作成しておくと、検索しやすく、より有用なデータを得ることができる。」
「
[図:0001410248000001.jpg]
」
「
[図:0001410248000002.jpg]
」
「
[図:0001410248000003.jpg]
」
「
[図:0001410248000004.jpg]
」
「
[図:0001410248000005.jpg]
」
(2)甲1発明
上記(1)によれば、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
[甲1発明]
「コンピュータネットワークにおいて検査データをやり取りする施工検査システムであって(【0001】)、
施工管理側クライアントマシン110と検査/審査側クライアントマシン120がネットワーク140を介して共有ファイルサーバ130にアクセスし、共有ファイルを互いに参照して更新することができ(【0019】)、
住宅販売業者の検査担当者は建築現場に出かけ、邸毎、ビル毎に所定の検査仕様にしたがって工程毎に建築物の検査を行ない、建築工程は、概略的には、例えば(1)着工→(2)基礎配筋(生コン打設)→(3)躯体完成→(4)屋根及び防水→(5)内部木工→(6)内・外装仕上げ→(7)完成、の七工程からなっており(【0022】)、
(2)の基礎配筋工程が終了した場合における一例として、検査、合否判定、不具合部位改善指示、改善作業、再判定等を行ない、所定の判定基準が満たされたときに合格証を発行する手順では(【0030】)、
施工管理側クライアントマシン110と検査/審査側クライアントマシン120とが通信し(【0031】)、
工程情報aを受け取った検査/審査側は、所定様式の検査シートに従い、検査者が所定の判定基準に基づいて当該工程について検査を行い、ここで、前記検査シート13はスプレッドシートアプリケーションを用いて作成され、施工管理側クライアントマシン110に前もって保存されており(【0032】-【0033】)、
前記検査シートの各欄1~7には、入力メニュー8に従って入力された発注者の邸名、工程情報aに従った工程名等がそれぞれ記入され(【0034】、図3)、
検査結果情報を検査項目毎に入力する検査結果記入欄20には、部位No.の各部位として、「地業」、「杭」、「ベース部」、「立上り部」、「スリーブ」、「型枠」についてチェック項目23が設けられており、検査者が部位No.の各部位についてチェック項目23を検査し、検査結果入力メニュー21を用いて所定の判定基準と配点基準に基づき項目毎に数値を設定入力すると、判定欄24に合否判定が○/×で入力され(【0035】、図3)、
改善指示欄27には、検査/審査側から施工管理側への改善指示情報が入力され、具体的な不具合内容が不具合指摘事項欄29に、具体的な改善方法が改善方法欄30に入力され(【0036】、図3)、
検査者は、建築現場での検査結果に基づいて検査結果記入欄20に記入し(【0038】)、
検査者は、不具合指摘事項欄29にそれぞれ該当する事項を記入し、ここで例えば部位No.14について、部材50の径に誤りがある場合、不具合指摘事項欄29に「継手筋の径22ミリを使用するところを径16ミリを使用している。」と記入し、改善方法欄30に具体的な改善方法を記入し(【0039】、図9)、
検査者が検査結果(検査シート等)を得ると、検査結果情報を一時検査/審査側クライアントマシン120に記憶させ(【0042】)、
審査者は、これらの検査結果情報を参照し、検査者による検査結果が妥当なものかを審査し、妥当であることが確認された検査結果情報は、施工管理側クライアントマシン110へと送信され(【0043】-【0044】)、
検査/審査側は、再改善結果を参照して全ての項目について合格判定した場合に合格証を作成し、ここで、検査シート13の検印入力欄16に審査合格を示す検印が記入されたものが合格証であり、検査者検印16aが検査者により記入され審査者検印16bが審査者により記入された検査シート13を、合格証として検査/審査側クライアントマシン120から施工管理側クライアントマシン110へと送信する(【0052】-【0053】)、
施工検査システムシステム」
2 甲2について
甲2には、以下の記載がある。
「【0001】
本発明は、携帯端末、検査結果入力方法および検査結果入力プログラムならびに検査結果表示システムに関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法では、検査現場にて不具合の内容を紙に記入しなければならず、検査現場での手作業によって記入する手間が発生し、作業性が良くないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、検査現場にて速やかに不具合の内容を入力できるようにする技術を提供することである。」
「【0017】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態における検査結果表示システムの構成例の概要を示す図である。
【0018】
図1において、検査結果表示システムは例えば、携帯端末100と、事務所端末300と、これら携帯端末100、事務所端末300とネットワークを介して接続されるサーバ200とを有する。」
「【0021】
サーバ200は、部屋ごとの図面を表示するための画像データを、マンション名と部屋番号と対応付けて記憶する。そして、携帯端末100は、指定された図面の画像データをサーバ200からダウンロードする。そして、携帯端末100の表示部101は、ダウンロードした画像データに基づき、図面を表示する。不具合を発見した検査員は、携帯端末100の表示部101に表示された図面をタッチ操作することで不具合位置を入力する。また、検査員は表示部101をタッチ操作することで、不具合の内容を構成する各要素を入力する。その後、携帯端末100は、不具合位置の座標と不具合位置ごとの不具合の内容とをサーバ200に送信する。
【0022】
サーバ200は、携帯端末100から送信された、不具合位置の座標と不具合位置ごとの不具合の内容と部屋番号と業者名と図面とを対応付けて検査結果記憶部201に記憶する。
【0023】
事務所端末300は、サーバ200へ不具合位置ごとの不具合の内容の送信を要求する。その後、サーバ200は、図面に不具合位置を示すとともに不具合の内容を表示する画像データを事務所端末300へ送信し、事務所端末300は、受信した画像データに基づき、検査結果を表示部301に表示する。」
「【0025】
<検査結果記憶部>
図29は、図1の検査結果表示システムにおける検査結果記憶部201が記憶するテーブルの構成例を示す図である。
【0026】
図29に示す検査結果記憶部201が記憶するテーブルは、[部屋の種別]、[指摘場所]、[指摘内容] などの要素の組合せからなる不具合の内容と[部屋番号]、[不具合位置の座標]、[番号の座標]、[図面]、[業者名]、[日付]とを対応付けて記憶する。[部屋番号]は部屋番号を示す。[不具合位置の座標]は、部屋や現場の図面の左上の座標を基準(0,0)とした場合の、不具合位置の座標(x座標,y座標)を示す。[番号の座標]は、部屋や現場の図面の左上の座標を基準(0,0)とした場合の、不具合位置を識別するための番号の座標(x座標,y座標)を示す。[図面]は、部屋番号の部屋の図面を表示するための画像データである。[部屋の種別]は、「洋室」「キッチン」など、部屋の種別を示す。[指摘場所]は、「床」「天井」など、不具合が指摘された場所を示す。[指摘内容]は、「汚れ」「傷」など、指摘された不具合の内容を示す。[業者名]は、業者の名称を示す。[日付]は、サーバ200がデータを記憶した日付を示す。
【0027】
なお、図26に示すように、検査結果記憶部201が記憶するテーブルは、[部屋の種別]、[指摘場所]、[指摘内容] などの要素の組合せからなる不具合の内容と[部屋番号]、[画像データ]、[業者名]、[日付]とを対応付けて記憶するようにしても良い。[部屋番号]は部屋番号を示す。[画像データ]は、不具合位置が示された図面を表示するための画像データである。つまり、この画像データに基づいて表示される画像は、図面とともに、図面における不具合位置を示す。[部屋の種別]は、「洋室」「キッチン」など、部屋の種別を示す。[指摘場所]は、「床」「天井」など、不具合が指摘された場所を示す。[指摘内容]は、「汚れ」「傷」など、指摘された不具合の内容を示す。[業者名]は、業者の名称を示す。[日付]は、該当する部屋番号の検査が終了し、不具合の内容の入力を完了した日付を示す。なお、データ管理画面(後述、図27)に表示される検査結果送信ボタンがタッチ操作を受け付けた日付としても良い。また、サーバ200がデータを記憶した日付を示すようにしてもよい。」
「【0061】
また、全件ボタン410がタッチ操作を受け付けた場合、表示部101は、図25の指摘内容確認画面を表示する。図25の例では、表示部101は、第1表示領域102に今までに入力を受け付けたすべての不具合位置408の番号407と、これら番号407から不具合位置408まで伸びる直線とを表示する。また、表示部101は、第2表示領域103に第1表示領域102に表示されている番号407と不具合の内容とを対応付けた指摘内容確認リスト1001を表示する。
【0062】
また、図面401が、部屋の間取り図であることに替えて、図31に示すように、現場平面図である図面3001を携帯端末100の表示部101に表示されるようにしても良い。その場合、番号3007ごとに番号3007と不具合の内容とを対応付けた指摘内容確認リスト3101を表示する。」
「【0068】
<ダウンロードデータ選択画面>
図28は、図1の携帯端末100におけるダウンロードデータ選択画面の例を示す図である。
【0069】
図28において、表示部101が表示するダウンロードデータ選択画面には、全基本データボタン2801と、検査基本データボタン2802と、図面データボタン2803と、検査進捗ボタン2804とが表示される。
【0070】
検査基本データボタン2802がタッチ操作を受け付けると、携帯端末100は、不具合の内容を構成する各要素の内容や、部屋番号などの情報をサーバ200からダウンロードする。
【0071】
図面データボタン2803がタッチ操作を受け付けると、携帯端末100は、サーバ200から各図面401の画像データをダウンロードする。
【0072】
検査進捗ボタン2804がタッチ操作を受け付けると、携帯端末100は、サーバ200から、部屋番号ごとに部屋が検査済みか、検査済みでないか、是正済みであるかを示すデータをダウンロードする。
【0073】
全基本データボタン2801がタッチ操作を受け付けると、表示部101は、帯端末100は、不具合の内容を構成する各要素の内容や、部屋番号などの情報、各図面401、部屋番号ごとに部屋が検査済みか、検査済みでないか、是正済みであるかを示すデータをダウンロードする。」
「【0089】
また、S1809にて、携帯端末100は、番号407と不具合位置408とこの番号407から不具合位置408まで伸びる直線とが示された図面401を表示するための画像データと、入力を受け付けた不具合位置408ごとの不具合の内容とを、部屋番号とともにサーバ200へ送信し、その後、サーバ200は、受信した部屋番号と画像データと不具合位置408ごとの不具合の内容とを対応付けて検査結果記憶部201のテーブル(前述、図26)に記憶し、事務所端末300は、サーバ200に検査結果の送信を要求し、その後、サーバ200から受信した検査結果を表示部301に表示するようにしてもよい。」
「
[図:0001410248000006.jpg]
」
「
[図:0001410248000007.jpg]
」
3 甲3について
甲3には、以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、工作物又は建築設備である判定対象物の確認申請に関する申請情報を用いて、前記判定対象物が建築基準に適合するか否かを判定する建築基準適合判定装置、方法及びプログラムに関する。」
「【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、複雑な判定プロセスを介して得られた判定結果を、ユーザに対して効果的に提示可能な建築基準適合判定装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。」
「【0021】
<建築基準適合判定装置10の電気的なブロック図>
図1は、この実施形態に係る建築基準適合判定装置10の電気的なブロック図である。建築基準適合判定装置10は、確認申請された判定対象物(ここでは、建築基準法で定義される建築物、工作物又は建築設備)が建築基準に適合するか否かを判定するコンピュータであり、具体的には、制御部12と、通信I/F14と、入力部16と、表示部18と、記憶部20とを含んで構成される。」
「【0040】
図4に示すように、第2欄62、72、第3欄63、73、及び第5欄65、75の内容が更新される。ユーザとしての有資格者は、判定表示欄60(具体的には、第3欄63)を視認することで、「申請者等の一致性」の1次判定がOK(適合)であり、「法53条」の1次判定がNG(不適合)であると把握できる。ユーザは、判定表示欄70(具体的には、第3欄73)を視認することで、「法42条」の1次判定がOKであり、「法43条」の1次判定がNGであると把握できる。
【0041】
なお、第3欄63、73(第5欄65、75)の描画内容から理解されるように、判定結果(OK/NG)に応じて表示形態が異なっている点に留意する。具体的には、未だOKの判定結果が得られていない判定項目を強調表示することで、ユーザに対してその存在を報知できる。」
「
[図:0001410248000008.jpg]
」
4 甲4について
甲4には、以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、検査支援装置に関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予め設定された検査位置のみで検査が行われると問題となることがある。例えば、検査位置と異なる位置で不備が検出された場合に問題となる。この場合、予め設定された設定検査位置のみでなく、設定検査位置と異なる検査位置でも検査が行われることが望まれる。従来は、検査位置がデータ生成装置により設定され、検査支援装置では設定することができないため、設定検査位置と異なる位置で検査を行いたいときは、データ生成装置による追加の検査位置の設定を待つ必要があり、利便性の点で向上の余地がある。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。」
「【0029】
A.実施形態:
A-1.検査システム10の構成:
図1は、本実施形態における検査システム10の構成を示すブロック図である。検査システム10は、建築物や土木構造物等の構造物の検査を支援するためのものであり、データ生成装置100と、複数の検査支援装置200と、図面データ保管サーバ300と、検査システム用データ保管サーバ400と、を備える。各装置やサーバは、ネットワークNWを介して互いに接続されている。データ生成装置100は、例えばパーソナルコンピュータ等である。検査支援装置200は、例えばタブレット型端末やスマートフォン等である。図1には、3つの検査支援装置200が示されているが、検査システム10に含まれる検査支援装置200の数は、2つまたは4つ以上でもよい。」
「【0034】
図2は、検査システム用データD100のファイル構造を示す説明図である。検査システム用データD100は、システムデータD101と個別現場データD102とを含む。システムデータD101は、個別現場データD102を管理するためのデータであり、検査対象となる全ての構造物に共通に用いられる。システムデータD101は、例えば梁アイコンAG、柱アイコンAC(図4参照)またはこれらの色違いアイコン(図10参照)を含む複数種類のアイコンを表示するためのアイコン画像データD201を含む。
【0035】
個別現場データD102は、構造物の建設現場毎に設定されるデータである。個別現場データD102は、例えば配筋検査や鉄骨ボルト検査等、構造物に対して実施される検査の種類毎に設定される複数の検査種類別データD202を含む。各検査種類別データD202は、図面データD301と、地図情報データD302とを含む。地図情報データD302は、構造物の位置データD401と属性データD402とが互いに関連付けられたデータであり、例えばShape形式のデータである。具体的には、地図情報データD302は、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む。
【0036】
位置データD401は、構造物の各位置に対する図面上の座標を示すデータであり、具体的には、図面データD301に含まれる座標データが流用される。位置データD401は、座標情報の一例である。属性データD402は、構造物の各位置の属性を示すデータであり、具体的には、IDデータD501と、アイコンデータD502と、通芯データD503と、通芯識別データD504と、検査データD506と、画像データD507と、断面図データD508とを含む。属性データD402は、属性情報の一例である。
【0037】
IDデータD501は、属性データD402の識別番号を示すデータである。アイコンデータD502は、検査支援装置200の表示部240にアイコンを表示するためのデータであり、システムデータD101に含まれるアイコン画像データD201により表示可能な複数種類のアイコンから、特定の形態や特定の表示色等を有する特定の種類のアイコンを選出するデータである。通芯データD503は、検査支援装置200の表示部240に構造物の通芯を表示するためのデータである。通芯識別データD504は、通芯を識別する通芯識別子を表示するためのデータである。検査データD506は、データ生成装置100において構造物上に予め設定された検査位置(以下、「設定検査位置」という)や検査支援装置200において構造物上の任意の位置を指定して設定される検査位置(以下、「指定検査位置」という)における検査内容および検査結果を示すデータである。画像データD507は、画像および画像を縮小したサムネイル画像を示すデータであり、例えば検査支援装置200の撮影部250によって生成される。断面図データD508は、構造物を構成する各構成部材の断面図(図6参照)を示すデータである。断面図には、例えば構造物が鉄筋コンクリート造の建築物である場合における梁や柱の断面図が含まれる。識別番号、アイコン、通芯、通芯識別子、検査内容、検査結果、画像、サムネイル画像、および断面図は、属性の一例であり、検査内容と断面図とは、検査内容の一例である。」
「【0041】
(1)支援準備処理
支援準備処理は、データ生成装置100(図1)により実施される。データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから検査システム用データD100の生成指示を受け付けると、通信部130を介して図面データ保管サーバ300から検査対象となる構造物の図面データD301を取得し、図面データD301を用いて地図情報データD302を生成することにより、検査種類別データD202を生成する。
【0042】
具体的には、データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから入力される内容に従って、地図情報データD302を生成する。構造物では、構造物を構成する構成部材上に検査の必要な設定検査位置が予め設定されており、各設定検査位置の検査内容が予め設定されている。ユーザは、図面データD301に基づき表示部150に表示された図面上の設定検査位置の座標を読み取り、設定検査位置の座標を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから設定検査位置の位置データD401を生成する。また、ユーザは、各設定検査位置の検査内容を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから設定検査位置の属性データD402を生成する。具体的には、制御部110は、データが入力される順番に基づいてIDデータD501を生成し、設定検査位置に表示させるアイコンの種類を指定するデータからアイコンデータD502を生成し、検査内容を指定するデータから検査データD506を生成し、検査対象となる構成部材である対象構成部材の断面図を示すデータから断面図データD508を生成する。なお、検査内容を指定する複数種類のデータが予め記憶部120に記憶されている場合には、記憶部120に記憶された複数種類のデータから1のデータを選択することで、検査データD506が生成されてもよい。」
「【0045】
データ生成装置100の制御部110は、生成した位置データD401と属性データD402とを関連付ける対応関係データD403を生成し、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む地図情報データD302を生成する。制御部110は、地図情報データD302を生成すると、図面データ保管サーバ300から取得した図面データD301と、生成した地図情報データD302とを含む検査種類別データを生成する。制御部110は、現場(つまり、構造物)毎、構造物のフロア毎、および、各現場において実施される検査種類毎に検査種類別データD202を生成し、個別現場データD102を生成する。制御部110は、通信部130を介して生成した個別現場データD102を検査システム用データ保管サーバ400に送信して保管させる。」
「【0052】
梁アイコンAGおよび柱アイコンACには、対象構造部材の種類を示す「柱」、「梁」等の表示が含まれ、対応する設定検査位置の検査結果により表示色が変化する。例えば、対応する設定検査位置の検査結果が「未確認」であると、表示色は黄色となり、対応する対応する設定検査位置の検査結果が「合格」であると、表示色は青色となり、対応する設定検査位置の検査結果が「不合格」であると、表示色は赤色となり、対応する設定検査位置の検査結果が「確認」であると、表示色は緑色となる。なお、図4では、全ての設定検査位置の検査結果が「未確認」であり、全ての梁アイコンAGおよび柱アイコンACが黄色に表示されている。」
「【0056】
検査項目表示領域HCは、検査内容の一例である検査項目を表示する領域であり、具体的には、検査種類に応じた検査項目を表示する項目表示欄HC1と、各検査項目が検査されたか否かを示す検査確認欄HC2と、検査した内容を記載可能な検査内容記載欄HC3と、表示部240に表示されていない検査項目を表示させるためのスクロールバーHC4と、を表示する領域である。検査内容は、他の種類の属性の別例である。検査確認欄HC2には、対応する検査項目が未検査であることを示す「未」表示領域と、対応する検査項目が検査済であることを示す「確」表示領域(図7参照)とを含み、各検査項目に対して「未」表示領域と「確」表示領域のいずれか一方の表示領域が表示状態となる。検査者は、表示部240の検査確認欄HC2をスワイプすることで、表示状態の表示領域を切り替えることができる。」
「【0059】
図7は、1回目の検査が実施された後の検査画面HSを示す。1回目の検査では、検査項目表示領域HCに表示された全ての検査項目に対して検査が行われる。その結果、検査確認欄HC2では、全ての検査項目に対して「確」表示領域が表示状態となり、必要に応じて検査内容記載欄HC3に検査した内容が記載される。本実施形態では、1回目の検査において、「継手」の検査項目において不備が検出されたものとする。そのため、表示部240を介した操作に応じて検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2には、「不合格」が入力され、これに伴って、アイコン表示欄HK1におけるアイコンの表示色が赤色に変化する。具体的には、検査支援装置200の制御部210は、選択検査位置KL1に関連付けられた属性データD402のアイコンデータD502を更新し、選択検査位置KL1に表示されるアイコンの表示色を切り替える。」
「【0067】
検査者は、不備を検出すると、現在位置マークAZに基づいて図面30上の検査位置KL2をロングタップ(指定)する。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介して図面30上の検査位置KL2(以下、「指定検査位置KL2」という)へのロングタップを受け付けたことに応じて、表示部240に指定検査位置KL2におけるデータ生成画面HMを表示させる。図11は、指定検査位置KL2におけるデータ生成画面HMの一例を示す説明図である。データ生成画面HMは、図5に示す検査画面HSと同様に、ヘッダ領域HUと、部材表示領域HBと、検査結果表示領域HKと、検査項目表示領域HCと、画像取得領域HPと、機能表示領域HDと、を含む。データ生成画面HMの各領域と検査画面HSにおける同名の各領域との違いは、部材表示領域HBでは、対象構造部材およびその種別が不明であることから、対象構造部材の種類を示す識別子と、対象構造部材の種別を示す符号とが表示されない。検査結果表示領域HKでは、アイコン表示欄HK1に対象構造部材の種類を示す「柱」、「梁」等の表示が含まれないアイコンが表示される。検査項目表示領域HCでは、検査内容の一例である検査項目として、不備の検出された構造部材を特定する検査部材の項目や不備が検出された検査項目である対象項目等を含む。また、機能表示領域HDでは、施工資料が不明であることから、施工資料表示アイコンHD3が表示されない。
【0068】
検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介してデータ生成画面HMへの入力を受け付ける。本実施形態では、検査者が指定検査位置KL2に対応するデータ生成画面HMへの入力を受け付けるまでに、図面30上の指定検査位置KL2に相当する構造物上の位置において、床スラブの継手の不備を検出したものとする。そのため、検査者は、データ生成画面HMの検査項目表示領域HCにおいて、検査部材に「床」を入力する。具体的には、検査者は、検査項目表示領域HCの検査部材に対応する検査確認欄HC2の表示領域を「未」から「確」に切り替え、検査部材に対応する検査内容記載欄HC3に関連付けられたマルチウインドウから「床」を選択する。これにより、アイコン表示欄HK1に表示されるアイコンが、「床」の表示が含まれたアイコンに更新される。つまり、指定検査位置KL2におけるアイコンは、「柱」、「梁」等の表示が含まれる設定検査位置におけるアイコンに比べて、形態が異なる。同様に、検査者は、データ生成画面HMの検査項目表示領域HCにおいて、対象項目に「継手」を入力し、必要に応じて指示および備考の各項目を入力する。また、検査者は、不備を表す画像を取得し、これにより、画像取得領域HPに不備を表す画像のサムネイル画像が表示される。さらに、検査者は、検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2に「不合格」を入力する。これにより、アイコン表示欄HK1に表示されるアイコンの表示色が赤色に変化する。」
「【0072】
データ生成装置100の制御部110は、検査支援装置200から指定検査位置KL2における地図情報データD302を受信すると、予め記憶されていた地図情報データD302を更新する。図17は、表示部150に表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。上述したように、データ生成装置100の制御部110は、GIS表示機能を有しており、制御部110は、表示部150に図面30を表示させるとともに、地図情報データD302に基づいて、例えば設定検査位置KL1に梁アイコンAGや柱アイコンAC等の属性を表示させ、指定検査位置KL2にアイコンAY1等の属性を表示させる。図17では、データ生成装置100は、図面表示画面HFに図面30の一部が拡大されて表示された状態において、アイコンAY1等を表示させている。」
「
[図:0001410248000009.jpg]
」
5 甲5について
甲5には、以下の記載がある。
「【0042】
これら図面をベースに各検査記録はxyz軸上にピン単位で割り付けられる。ピンには、前述のように、記録日時、コメント、タグなどピンと対応した固有のプロパティ情報が設定されるようになっている。これらを活用し、各ピンの座標軸を統合した集合体から、ユーザが、任意の時間軸、任意のxy座標、などを指定することで検索できるようにする。そのために、統合処理装置4では、異なる縮尺の図面間でのピンの結合と、ラスタデータを扱う場合、スキャニング時に生じる図面のずれの補正などの処理とを行なう。」
「【0057】
そして、このようにしてベース図面と座標軸を一致させた割り当て図面に設定されたピンのxy座標と、割り当て図面およびベース図面の縮尺とに基づき、ベース図面の、割り当て図面と重なる領域に対して、割り当て図面に設定されたピンを割り付ける。
以上によって、縮尺の異なるベース図面および割り当て図面間で、ピンのプロパティ情報がリンクされたことになる。そして、このように、通り芯が一致するように位置調整されたベース図面および割り当て図面を統合図面として、統合図面データベース5に格納する。」
「【0086】
図14及び図15は、統合図面の一例を示したものである。
図14は、1階平面詳細図をベース図面とし、1階平面詳細図に対して記録がなされた図面を割り当て図面として統合したものであって、図16~図19を割り当て図面として統合したものである。図16は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、仕上げ検査(自主検査)の結果をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図17は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、仕上げ検査(自主検査)の結果を受けて修正した内容をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図18は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、完成検査(設計指摘事項)の結果をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図19は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、完成検査(設計指摘事項)の結果を受けて修正した内容をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。」
6 甲6について
甲6には、以下の記載がある。
「【請求項1】
BIMデータを提供するBIMデータ提供システムであって、
建設に関する、図面データ、複数のエリアデータ及び複数の部材データを含む第1BIMデータを取得する取得部と、
取得した前記第1BIMデータに基づいて、前記複数のエリアデータを一のグループにまとめた第1データ及び前記複数の部材データを一のグループにまとめた第2データを作成する作成部と、
取得した前記第1BIMデータに基づいて、前記図面データ上に重ねて配置するレイヤデータを生成する生成部と、
生成した前記レイヤデータに、前記第1データ及び前記第2データを配置する配置部と、
配置した前記第1データ及び前記第2データに対して、建設施工の進捗入力を受け付ける第1受付部と、
配置した前記第2データに対して、部材の変更入力を受け付ける第2受付部と、
前記レイヤデータに配置した前記第1データに、受け付けた前記進捗入力を反映し、前記レイヤデータに配置した前記第2データに、受け付けた前記進捗入力及び前記変更入力を反映する反映部と、
受け付けた前記進捗入力及び前記変更入力を反映した前記レイヤデータを、第2BIMデータに変換する変換部と、
変換した前記第2BIMデータを提供する提供部と、
を備えるBIMデータ提供システム。」
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
ア 甲1発明の「建築工程」は、「例えば(1)着工→(2)基礎配筋(生コン打設)→(3)躯体完成→(4)屋根及び防水→(5)内部木工→(6)内・外装仕上げ→(7)完成」であり、各工程における工事の種類に対応するものといえるところ、本件発明1の「工種」について、本件明細書には、「工種は、工事の種別を表し、例えば、電気設備工事、給排水衛生設備工事、エレベータ工事、トイレ工事である。」(【0025】)と記載されていることから、甲1発明の「建築工程」は、本件発明1の「工種」に相当する。
イ 甲1発明において、「検査担当者」は、「建築現場に出かけ」、「検査シート13」の「チェック項目23を検査」するものである。そうすると、甲1発明の「チェック項目23」は、建築現場(建設現場)における施工管理項目ということができる。また、甲1発明の「検査シート」は「チェック項目」を含んだものであり、スプレッドシートアプリケーションを用いて作成されるものであるから、甲1発明の「施工検査システム」が、「検査シート」の「チェック項目」を作成する作成部を備えることは明らかである。
そうすると、甲1発明の当該作成部は、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種に対して、施工管理項目を作成する施工管理項目作成部」と、「施工管理項目を作成する施工管理項目作成部」で共通する。
ウ 甲1発明の「検査シート」は、「検査結果入力メニュー21を用いて所定の判定基準と配点基準に基づきチェック項目毎に数値を設定入力すると、判定欄24に合否判定が〇/×で入力され」るのであるから、甲1発明の「施工検査システム」が、「チェック項目」の各項目に設定入力された数値の合否を判定するための基準を設定する設定部、設定入力される数値を取得する取得部、各項目に設定入力された数値が基準を満たしているか否かを判定する判定部、判定結果を出力する出力部を備えることは明らかである。
また、上記イで示したように、「チェック項目」は、「施工管理項目」といえるものであるから、「数値の合否を判定するための基準」は、「施工管理基準」であるといえる。
また、本件発明1の「実測値」について、本件明細書をみると、「実測値は、使用された部材等を実際に測定した結果である。例えば、「長さ」の項目の実測値が、「10cm」であり、「部品点数」の項目の実測値が、「23個」である。」(【0037】)と記載されていることから、本件発明1の「実測値」は、「数値」の一種であるといえる。
そうすると、甲1発明の当該設定部、当該取得部、当該判定部、当該出力部は、本件発明の「作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定する設定部」、「前記施工管理項目の各項目の実測値を取得する実測値取得部」、「取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部」、「判定結果を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力する全体一覧出力部」と、「作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理のための基準を設定する設定部」、「前記施工管理項目の各項目の数値を取得する取得部」、「取得した前記数値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部」、「判定結果を出力する出力部」で共通する。
エ 上記イで示したように、甲1発明の「検査シート」の「チェック項目23」は、建築現場(建設現場)における施工管理項目ということができ、上記ウで示したように、甲1発明の「施工検査システム」は、設定部、取得部、判定部、出力部により、「検査シート」の「チェック項目」の合否を判定し、判定結果を出力するものである。
そうすると、甲1発明の「施工検査システム」は、後述の相違点に係る構成を除き、本件発明1の「建設現場における施工管理項目の合否の判定結果を出力する判定結果出力システム」に相当する。
オ 上記ア~エより、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
建築現場における施工管理項目の合否の判定結果を出力する判定結果出力システムであって、
施工管理項目を作成する施工管理項目作成部と、
作成した前記施工管理項目の各項目に対して、施工管理基準を設定する設定部と、
前記施工管理項目の各項目の数値を取得する取得部と、
取得した前記数値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する判定部と、
判定結果を出力する出力部と、
を備える判定結果出力システム。」
[相違点]
[相違点1]
本件発明1の「施工管理項目」は、「建設現場の各エリアに対応する工種」に対して作成するのに対し、甲1発明の「施工管理項目(チェック項目)」は、建築現場(発注者の邸名)の工種(工程名)に対して作成するものの、「建設現場の各エリアに対応する工種」に対して作成するものではない点。
[相違点2]
本件発明1は、「前記施工管理項目の各項目の実測値を取得」し、「取得した前記実測値が、設定した前記施工管理基準を満たしているか否かを判定する」ものであるのに対し、甲1発明は、検査結果入力メニュー21を用いて設定入力される所定の判定基準と配点基準に基づく「数値」を取得し、判定するものであり、「実測値」を取得し、判定するものでない点。
[相違点3]
本件発明1は、「判定結果を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力する」のに対し、甲1発明は、判定結果(合否判定)を判定欄24に○/×で出力するものの、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力するものではない点。
(2)判断
ア 検討
事案に鑑み、相違点1及び相違点3について検討する。
甲1発明は、コンピュータネットワーク上で検査データを共有することで施工検査作業の容易化と迅速化、効率化を実現することを課題としたものであって(第4の1(1)【0008】)、建築現場(発注者の邸名)の工種(工程名)に対して作成された「チェック項目」を含む検査シートを共有することで、課題の解決を図るものであるところ、「建設現場(全体)の各エリア」や「各エリアに対応する工種」について何ら想定するものではない。
そして、他に甲1に記載された事項をみても、相違点1及び相違点3の構成は記載も示唆もされておらず、甲1発明において、「建設現場の各エリアに対応する工種に対して、施工管理項目」を作成するように変更すること、及び、「判定結果を、建設現場全体の各エリアの一覧にして出力する」ように変更することの必要性も動機付けもないから、甲1発明において、相違点1の構成及び相違点3の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
また、異議申立人の進歩性欠如の主張に係る甲2~甲6に記載された事項(上記第4の2~6)のいずれの記載事項も、相違点1の技術事項及び相違点3の技術事項を開示するものではない。
そうすると、甲1発明に、甲2~甲6に記載された事項を組み合わせることができたとしても、本件発明1の構成には至らないし、ほかに相違点1に係る構成及び相違点3に係る構成が周知技術であったということもできないから、甲1発明において、相違点1の構成及び相違点3の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、甲2~甲6に記載された事項を含めて検討しても、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
イ 異議申立人の主張について
(ア)相違点1に対し、異議申立人は、甲1に記載された「各部位の検査項目」は、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種に対して作成された施工管理項目」に相当するから、両者は、「建設現場の各エリアに対応する工種に対して、作成された施工管理項目」を用いる点で一致する旨主張する(異議申立書 13頁中段、30頁上段~中段)。
しかしながら、上記(2)アで示したように、甲1には、「建設現場の各エリア」や「各エリアに対応する工種」について何ら想定するものではないところ、甲1に記載されたいずれの構成が、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種」に一致するのか、その根拠を示していないから、上記相違点1に係る構成が一致点である旨の主張の前提を欠いている。
そして、本件発明1の「建設現場の各エリアに対応する工種に対して作成された施工管理項目」が、甲1発明との一致点ではなく、相違点(相違点1)であり、甲1発明において、相違点1の構成を採用することが、当業者であっても容易に想到し得るものではないことは、上記(2)アのとおりである。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
(イ)相違点3に対し、異議申立人は、甲1に記載された「部位毎の検査項目の判定結果一覧を出力する」構成について、「検査シート」の「部位」を「エリア」に置き換えて、各エリアの検査項目の判定結果の一覧を出力するものとすることは、当業者が容易になし得ることであり、仮に、「部位」を「エリア」に置き換えることが容易でないとしても、甲2に記載された「不具合の内容と部屋番号とを対応付けて一覧表示すること」が本件発明1の「判定結果を、各エリアの一覧にして出力すること」に相当し、甲1発明に甲2の記載事項を適用することは、当業者が容易に想到し得ることである旨主張する(異議申立書 13頁中段、31頁中段~下段)。
しかしながら、本件発明1の「エリア」は、本件明細書には、「エリアは、建設現場における階層や場所を表すものである。」(【0025】)と記載されているように、一階、二階といった「建設現場における階層や場所」を表すものであるのに対し、甲1発明の「部位」は、「地業」、「杭」、「ベース部」、「立上り部」、「スリーブ」、「型枠」であり、「建設現場における階層や場所」を表すものではないから、甲1に記載された「部位」を「エリア」に置き換える必要性も動機付けもなく、「検査シート」の「部位」を「エリア」に置き換えて、各エリアの検査項目の判定結果の一覧を出力するものとすることは、当業者であっても容易になし得ることではない。
また、甲1発明が、建設現場の各エリアについて判定を行うことを何ら想定していないものであるから、甲2の記載事項を適用する必要性も動機付けもなく、甲1発明に甲2の記載事項を適用することは、当業者であっても容易に想到し得ることではない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
2 本件発明7及び8について
本件発明7及び8は、本件発明1の「判定結果出力システム」の発明について、それぞれカテゴリの異なる「判定結果出力方法」及び「プログラム」の発明として特定したものである。
そうすると、本件発明7及び8は、それぞれ甲1から認定される「方法」及び「プログラム」の発明と対比すると、少なくとも、上記1(1)オの相違点1~相違点3と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記1(2)と同様、本件発明7及び8は、甲1発明、甲2~甲6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本件発明2-6について
本件発明2-6は、本件発明1を限定した発明であるから、上記1(2)のとおり、本件発明1が、甲1発明、甲2~甲6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、同様に、本件発明2-6も当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700006