特許訂正審判
2024-390099
L718及び/又はL792変異型治療抵抗性EGFR阻害剤
- 審判番号
- 2024-390099
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-530234
- 登録番号
- 7303303
- 請求日
- 2024年08月30日
- 審決日
- 2024年12月05日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】大鵬薬品工業 株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 藤原 浩子
- 審判官 池上 京子
- 審判官 井上 千弥子
- 分類
- P141 .852-Y (A61K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7303303号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7303303号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7303303号(以下、「本件特許」という。)は、2019年12月27日(優先権主張 2018年12月28日)を国際出願日とする特願2021-530234号の請求項1~9に係る発明について、令和5年6月26日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和6年8月30日に本件訂正審判の請求がされ、同年9月26日付けで手続補正指令書(方式)が通知され、同年10月7日に手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、「特許第7303303号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、特許権全体に対して請求するものである。
2 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。
<訂正事項>
請求項1の「エクソン2の」とあるのを「エクソン20の」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件特許の設定登録時の請求項1には、「エクソン2のL792X変異」「を有するEGFR」と記載されているところ、この記載は、L792X変異、すなわち、コドン792がコードするロイシンが任意のアミノ酸に置換した点変異は、EGFRのエクソン2の領域に存在することを意味する。
しかしながら、EGFRのエクソン20が、コドン762~コドン823の領域であることは技術常識であるから(要すれば、The Lancet Oncol 2012;13:e23-31のFigure 1参照)、コドン792における点変異である「L792X」は、エクソン20の領域に存在するものである。
そうすると、上記「エクソン2のL792X変異」との記載は、技術的に不適切であり、誤記であることは明らかである。
そして、本件特許の設定登録時の請求項6~9、明細書【0011】、【0035】、【0043】、【0046】等には、「エクソン20のL792X変異」と記載されているものの、「エクソン2のL792X変異」という記載は、他のいずれの箇所にも存在しない。
そうすると、本件特許の設定登録時の請求項1の「エクソン2の」という記載は、「エクソン20の」の誤記であることは明らかである。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
2 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に最初に添付した明細書の【0011】には、以下のとおり訂正後の請求項1と同じ記載が存在する。
「項1.
(S)-N-(4-アミノ-6-メチル-5-(キノリン-3-イル)-8,9-ジヒドロピリミド[5,4-b]インドリジン-8-イル)アクリルアミド(以下、「化合物A」とも称する)又はその塩を含有する、エクソン18のL718X変異及びエクソン20のL792X変異からなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するEGFRを発現している悪性腫瘍患者を治療するための抗腫瘍剤。[Xは任意のアミノ酸残基を示す。]」
したがって、本件訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
本件訂正は、「エクソン2の」という誤記を、「エクソン20の」という正しい記載に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 独立特許要件について
本件訂正は、上記1で述べたとおり、誤記を訂正するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項に規定される要件に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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