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特許訂正審判

2025-390115

乾癬性関節炎に罹患している対象者の治療方法

審判番号
2025-390115
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2021-561000
登録番号
7628962
請求日
2025年08月22日
審決日
2025年11月25日
公報発行日
2026年03月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】サン ファーマシューティカル インダストリーズ リミテッド
  • 【請求人代理人】小野 誠
  • 【請求人代理人】金山 賢教
  • 【請求人代理人】坪倉 道明
  • 【請求人代理人】安藤 健司
  • 【請求人代理人】岩瀬 吉和
  • 【請求人代理人】城山 康文
審判長/審判官
  • 審判長 吉田 佳代子
  • 審判官 松波 由美子
  • 審判官 福山 則明
分類
P141 .852-Y (A61K) / P141 .853-Y (A61K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条、特許法第184条の19
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7628962号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第7628962号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~15〕、〔16~17〕、〔18~19〕、〔20~21〕、〔22~38〕、〔39~41〕、42、43について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7628962号(以下「本件特許」という。)についての出願(特願2021-561000号)は、2020年(令和2年)4月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理:2019年4月15日、2020年1月31日 いずれも(IN)インド)を国際出願日とするものであって、令和7年2月3日に特許権の設定登録(請求項の数43)がなされ、その後、令和7年8月22日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7628962号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~43について訂正することを認める、との審決を求める、というものである。 2 訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1における、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 前記抗体hum13B8-bが、 (i) 配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に、抗体hum13B8-bを投与することを含み;そしてここで、 前記患者が、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与され、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与される、 医薬組成物。」との記載を、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 前記抗体hum13B8-bが、 (i) 配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に、抗体hum13B8-bを投与することを含み;そしてここで、 前記患者が、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与され、その後少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与される、 医薬組成物。」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~15も同様に訂正する)。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項16における、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bが、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み; そしてここで、前記治療が、圧痛関節数および腫脹関節数のベースライン値から少なくとも20%の改善をもたらす、 医薬組成物。」との記載を、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bが、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み; そしてここで、前記治療が、圧痛関節数および腫脹関節数のベースライン値から少なくとも20%の改善をもたらす、 医薬組成物。」に訂正する(請求項16の記載を直接的に引用する請求項17も同様に訂正する)。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項18における、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bが、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み; そしてここで、前記治療が、圧痛関節数および腫脹関節数のベースライン値から少なくとも50%の改善をもたらす、 医薬組成物。」との記載を、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bが、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み; そしてここで、前記治療が、圧痛関節数および腫脹関節数のベースライン値から少なくとも50%の改善をもたらす、 医薬組成物。」に訂正する(請求項18の記載を直接的に引用する請求項19も同様に訂正する)。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項20における、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bが、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み; そしてここで、前記治療が、圧痛関節数および腫脹関節数のベースライン値から少なくとも70%の改善をもたらす、 医薬組成物。」との記載を、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含む、乾癬性関節炎を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bが、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、それを必要とする患者に0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み; そしてここで、前記治療が、圧痛関節数および腫脹関節数のベースライン値から少なくとも70%の改善をもたらす、 医薬組成物。」に訂正する(請求項20の記載を直接的に引用する請求項21も同様に訂正する)。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項22における、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に抗体hum13B8-bの初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に抗体hum13B8-bの後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 24週目または52週目で、ACR20奏効値が少なくとも約40%であることが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」との記載を、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に抗体hum13B8-bの初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に抗体hum13B8-bの後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 24週目または52週目で、ACR20奏効値が少なくとも約40%であることが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」に訂正する(請求項22の記載を直接的又は間接的に引用する請求項23~24及び請求項31~38も同様に訂正する)。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項25における、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 24週目または52週目でACR50奏効値が少なくとも約20%であることが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」との記載を、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 24週目または52週目でACR50奏効値が少なくとも約20%であることが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」に訂正する(請求項25の記載を直接的又は間接的に引用する請求項26~27及び請求項31~38も同様に訂正する)。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項28における、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 24週目または52週目で、ACR70奏効値が少なくとも10%であることが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」との記載を、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 24週目または52週目で、ACR70奏効値が少なくとも10%であることが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」に訂正する(請求項28の記載を直接的又は間接的に引用する請求項29~38も同様に訂正する)。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項39における、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 52週目の乾癬の面積・重症度指数がベースライン値から少なくとも75%改善することが、前記抗IL-23p19抗体の有効性を示す、 組成物。」との記載を、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 52週目の乾癬の面積・重症度指数がベースライン値から少なくとも75%改善することが、前記抗IL-23p19抗体の有効性を示す、 組成物。」に訂正する(請求項39の記載を直接的に引用する請求項40~41も同様に訂正する)。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項42における、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 52週目でベースライン値からDAS28-CRPスコアが低下することが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」との記載を、 「乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 前記組成物は、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含む、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 52週目でベースライン値からDAS28-CRPスコアが低下することが、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」に訂正する。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項43における、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを患者に投与することを含む、乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bは、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 52週目に最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される、疾患活動性の統計的に有意な改善が、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」との記載を、 「抗IL-23p19抗体hum13B8-bを患者に投与することを含む、乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23p19抗体の有効性を決定する方法に用いるための組成物であって、 ここで、前記抗体hum13B8-bは、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、 (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドとを含み; ここで、前記方法は、患者に、0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72週間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み;そしてここで、 52週目に最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される、疾患活動性の統計的に有意な改善が、前記抗体の有効性を示す、 組成物。」に訂正する。 第3 当審の判断 以下、下線は当審が付したものであり、「・・・」は省略を示すものである。 1 一群の請求項について (1) 訂正前の請求項2~15は、訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1により記載が訂正される訂正前の請求項1に連動して訂正されるから、訂正前の請求項1~15は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。 (2) 訂正前の請求項17は、訂正前の請求項16を直接的に引用する関係にあり、訂正事項2により記載が訂正される訂正前の請求項16に連動して訂正されるから、訂正前の請求項16~17は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。 (3) 訂正前の請求項19は、訂正前の請求項18を直接的に引用する関係にあり、訂正事項3により記載が訂正される訂正前の請求項18に連動して訂正されるから、訂正前の請求項18~19は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。 (4) 訂正前の請求項21は、訂正前の請求項20を直接的に引用する関係にあり、訂正事項4により記載が訂正される訂正前の請求項20に連動して訂正されるから、訂正前の請求項20~21は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。 (5) 訂正前の請求項23~24、31~38は、訂正前の請求項22を直接的又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項5により記載が訂正される訂正前の請求項22に連動して訂正されるから、訂正前の請求項22~24、31~38は、「一群の請求項ア」を構成する。 訂正前の請求項26~27、31~38は、訂正前の請求項25を直接的又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項6により記載が訂正される訂正前の請求項25に連動して訂正されるから、訂正前の請求項25~27、31~38は、「一群の請求項イ」を構成する。 訂正前の請求項29~38は、訂正前の請求項28を直接的又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項7により記載が訂正される訂正前の請求項28に連動して訂正されるから、訂正前の請求項28~38は、「一群の請求項ウ」を構成する。 そして、共通する請求項31~38を有する「一群の請求項ア」~「一群の請求項ウ」は一つの「一群の請求項」を構成するものであるから、訂正前の請求項22~38は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。 (6) 訂正前の請求項40~41は、訂正前の請求項39を直接的に引用する関係にあり、訂正事項8により記載が訂正される訂正前の請求項39に連動して訂正されるから、訂正前の請求項39~41は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。 (7) よって、本件訂正に係る請求項1~41についての訂正は、特許法126条3項の規定に基づき一群の請求項ごとに請求されたものである。 2 訂正事項1について (1) 訂正の内容について 訂正事項1は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項1(以下「訂正前の請求項1」という。)における「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与され、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与される」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものである。 (2) 訂正の目的について ア 誤記の訂正 (ア) 特許法126条1項ただし書2号にいう「誤記の訂正」とは、本来その意であることが、特許請求の範囲、明細書又は図面などから明らかな内容の字句、語句に正すことをいい、訂正前の請求項1の記載が当然に訂正後の請求項1の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものをいうと解される。 (イ) 訂正事項1における「少なくとも24週間、最大72時間にわたり」との記載において、「にわたり」とは、その間を「通じて」の意であるから、当該記載が、「期間」を意味することは日本語として明らかであるところ、訂正前の請求項1に係る発明は、抗IL-23p19抗体hum13B8-bの初回用量の皮下投与の後、「12週間毎」という「後続用量」によって継続される治療期間について、上限及び下限を特定するものであり、その下限が「少なくとも24週間」と特定するものである。 しかしながら、当該治療期間の上限となる「72時間」は、下限となる「24週間」よりも明らかに短い期間である。 また、「12週間毎」という「後続用量」の投与頻度からみて、その治療期間の上限及び下限は、当然に12週間の整数倍の期間になるべきところ、「72時間」は、12週間の整数倍ではない一方で、「72週間」は12週間の6倍である。 さらに、請求項1を引用する請求項15は「前記後続用量が、少なくとも72週間まで、12週間毎に投与される」と特定されている。 (ウ) そうすると、訂正前の請求項1における「72時間」との記載が「72週間」の誤記であることは明らかである。 したがって、訂正前の請求項1における「72時間」との記載は誤記であり、これを「72週間」とする訂正は、本来その意であることが、特許請求の範囲の記載から明らかな内容の字句、語句に正すものであり、かつ訂正前の請求項1の記載は当然に訂正後の請求項1の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものである。 (エ) よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものである。 イ 明瞭でない記載の釈明 (ア) 特許法126条1項ただし書3号にいう「明瞭でない記載の釈明」とは、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面中の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載等、明細書、特許請求の範囲又は図面に生じている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにすることをいうと解される。 (イ) 前記ア(イ)で説示したとおり、訂正前の請求項1において特定される「72時間」との記載は、「後続用量」によって継続される「治療期間」の下限である「24週間」より短く、「12週間毎」という「後続用量」の投与頻度の整数倍となっていないことからみて、本件特許の特許請求の範囲中の他の記載との関係において明らかに不合理を生じている。 (ウ) また、本件特許明細書をみても、治療期間の上限について「72時間」との記載はなく、本件特許明細書の【0028】には「一部の実施形態では、抗IL-23p19抗体hum13B8-bまたはその抗原結合断片が、・・・72週間の治療期間にわたって・・・投与される。」と記載され、本件特許明細書全体を通じて、「72」との数値に関してのみならず、その他の治療期間及び投与頻度に関しても、全て「週間」を単位として記載されており、「時間」を単位とした記載は見当たらない。 (エ) 一方、本件特許明細書【0028】及び特許請求の範囲の請求項15の記載を根拠として、治療期間の上限が「72週間」であるとすれば、治療期間の下限である「24週間」や、投与頻度の「12週間毎」との記載とも整合し、本件特許の明細書、特許請求の範囲中の他の記載との関係において生じていた不合理は是正される。 (オ) したがって、訂正前の請求項1に記載された「72時間」との記載を、「72週間」に訂正することは、明細書又は特許請求の範囲中の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものである。 (カ) よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 ウ 以上のとおりであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について ア 誤記の訂正を目的とする訂正の場合 本件特許は外国語特許出願に係るものであるから、誤記の訂正を目的とする訂正を行う場合には、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下「本件国際出願当初明細書等」という。)の範囲内においてしなければならない(特許法126条5項)。 訂正事項1について検討すると、本件国際出願当初明細書等の[0033]には「In some embodiments, the anti-IL-23p19 antibody hum13B8-b・・・is administered・・・over a seventy-two week treatment period・・・.」と、請求項16には「The method according to claim 1, wherein the treatment comprises administration of the subsequent dose at every 12 weeks at least up to 72 weeks.」と、請求項16が引用する請求項1には「A method of treating psoriatic arthritis comprising administering an anti-IL-23p19 antibody hum13B8-b to a patient in need thereof, wherein the patient is subcutaneously administered a first dose of the antibody on week O and a subsequent dose at every 12 weeks thereafter; and wherein the antibody hum13B8-b comprises: (i) a light chain polypeptide comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 1; and (ii) a heavy chain polypeptide comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 2.」との記載があり、抗IL-23p19抗体hum13B8-bを72週間にわたって投与することが記載されているから、訂正事項1に係る訂正は、本件国際出願当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえ、特許法184条の19の規定によって読み替えて適用する特許法126条5項の規定に適合するものである。 イ 明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正の場合 前記(2)イ(ウ)及び(エ)で説示したとおり、訂正事項1は、本件特許明細書の【0028】及び特許請求の範囲の請求項15において明示された記載であるから、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法126条5項の規定に適合する。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記(2)で説示したとおり、訂正事項1に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲中の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項1~15に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項1は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 3 訂正事項2について (1) 訂正の内容について 訂正事項2は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項16(以下「訂正前の請求項16」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項2の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項2の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項2に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項16~17に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項2は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 4 訂正事項3について (1) 訂正の内容について 訂正事項3は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項18(以下「訂正前の請求項18」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項3の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項3の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項3に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項18~19に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項3は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 5 訂正事項4について (1) 訂正の内容について 訂正事項4は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項20(以下「訂正前の請求項20」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項4の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示した理由と同様に、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項4の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項4に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項20~21に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項4は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 6 訂正事項5について (1) 訂正の内容について 訂正事項5は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項22(以下「訂正前の請求項22」という。)において、「0週目に抗体hum13B8-bの初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に抗体hum13B8-bの後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項5の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項5の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項5に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項5に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項22~24、31~38に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項5は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 7 訂正事項6について (1) 訂正の内容について 訂正事項6は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項25(以下「訂正前の請求項25」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項6の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項6に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項6の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項6に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項6に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項6に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項25~27、31~38に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項6は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 8 訂正事項7について (1) 訂正の内容について 訂正事項7は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項28(以下「訂正前の請求項28」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、前記初回用量の後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項7の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示した理由と同様の理由から、訂正事項7に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項7の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項7に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項7に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項7に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項28~38に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項7に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項7は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 9 訂正事項8について (1) 訂正の内容について 訂正事項8は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項39(以下「訂正前の請求項39」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項8の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項8に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項8の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項8に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項8に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項8に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項39~41に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項8に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項8は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 10 訂正事項9について (1) 訂正の内容について 訂正事項9は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項42(以下「訂正前の請求項42」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項9の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項9に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項9の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項9に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項9に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項9に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項42に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項9に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項9は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 11 訂正事項10について (1) 訂正の内容について 訂正事項10は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項43(以下「訂正前の請求項43」という。)において、「0週目に前記抗体の初回用量を皮下投与し、その後、少なくとも24週間、最大72時間にわたり12週間毎に後続用量を皮下投与することを含み」との記載のうち、「72時間」を「72週間」と訂正するものであるから、訂正事項1と同じ内容であるといえる。 (2) 訂正の目的について 上記(1)のとおり、訂正事項10の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項10に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正及び同3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3) 新規事項の追加について 前記(1)のとおり、訂正事項10の訂正の内容は、訂正事項1と同じ内容である。 したがって、前記2(3)ア及びイで説示したと同様に、訂正事項10に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 前記2(2)で説示したと同様に、訂正事項10に係る訂正は、本来その意であることが、明らかな内容の字句、語句に正すものであり、また、明細書又は特許請求の範囲の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、本件訂正の前後において特許請求の範囲が実質的に変更されるものではない。 したがって、訂正事項10に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でなく、特許法126条6項の規定に適合する。 (5) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 上記(4)で説示したとおり、本件訂正の前後において特許請求の範囲に実質的な変更はないから、訂正後の請求項43に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は見いだせない。 したがって、訂正事項10に係る訂正は、特許法126条7項に規定の独立特許要件を満たすものである。 (6) 小括 以上のとおりであるから、訂正事項10は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-390115

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