商標拒絶査定不服審判
2022-000272
クールトローチ
- 審判番号
- 2022-000272
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-147668
- 請求日
- 2022年01月07日
- 審決日
- 2023年12月20日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】大鵬薬品工業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W030530) / T18 .272-Z (W030530)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-147668拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年11月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 5月12日付け:拒絶理由通知書
令和3年 6月28日 :意見書の提出
令和3年10月 5日付け:拒絶査定
令和4年 1月 7日 :審判請求書の提出
令和4年 6月22日 :上申書の提出
2 本願商標
本願商標は、「クールトローチ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,小片状の口臭消臭剤,口臭消臭スプレー,身体の衛生用口臭消臭剤,せっけん類,洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),歯磨き,洗口液,口内洗浄剤(医療用のものを除く。),化粧品,身体用防臭剤,香料,香料用ミント,薫料,薫香,芳香剤」、第5類「薬剤,医療用試験紙,口腔用剤,医療用口腔洗浄液,殺菌剤,消毒剤,衛生用殺菌消毒剤,鎮咳きょ痰剤,医療用歯磨き,医療用せっけん,抗菌せっけん,医療用あめ,医療用チューインガム,薬用メントール,医薬用ミント,サプリメント,食餌療法用食品」及び第30類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),あめ,息をさわやかにするチューインガム(菓子),息をさわやかにするミント(菓子)」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「クールトローチ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「クール」の文字は、「涼しくさわやかなさま。清涼。」の意味を、「トローチ」の文字は、「口中に含んで徐々に溶かし口腔粘膜から吸収させる錠剤。口中錠。舌下錠。」の意味をそれぞれ有する語として一般に認識されているものであり、本願商標は全体として「清涼感のあるトローチ」程の意味合いを容易に看取させるものである。
そして、本願指定商品を取り扱う業界においては、清涼感をうたったトローチの商品が一般に取り扱われている実情が認められることから、本願商標を、その指定商品中、「トローチ剤」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが「清涼感のある商品」であることを認識するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「クールトローチ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「クール」の文字は、「涼しくさわやかなさま。清涼。」の意味を、「トローチ」の文字は、「口中に含んで徐々に溶かし口腔粘膜から吸収させる錠剤。」の意味をそれぞれ有する語として一般に認識されているものであり(出典は、いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)、本願商標は、全体として、「清涼感のある、口中に含んで徐々に溶かし口腔粘膜から吸収させる錠剤(トローチ)」程の意味合いを容易に看取させるものである。
そして、原審提示の情報のほか、別掲のインターネット情報が示すとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、清涼感をうたった商品が一般に取り扱われている実情が認められる上、それが清涼感のある商品であることを表すために、「クール」の文字が使用されていることがうかがえる。
そうすると、本願商標をその指定商品中、「トローチ剤」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「清涼感のある、口中に含んで徐々に溶かし口腔粘膜から吸収させる錠剤(トローチ)」であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は一体不可分の造語であって、仮に「クール」と「トローチ」の文字とに分離して認識されるとしても、その構成中「クール」の文字は、多義的な意味合いを有することから、一義的に「清涼感のあるトローチ」の意味合いを認識させるものではなく、またそのような意味合いを暗示させるとしても、特定の商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものではない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、清涼感をうたった商品が一般に取り扱われている実情にあり、その商品の概要説明の際、清涼感のある商品であることを表すために「クール」の文字が使用されていることがうかがえることよりすれば、「クール」の文字を含む本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、清涼感のある商品であることを認識させ、商品の品質を普通に用いられる方法で表したものと理解させるにとどまるものといわざるを得ない。
イ 請求人は、ごくわずかな「クールトローチ」の使用例があった場合にも、これが一般的に使用されていると認めるべきではないところ、原審提示の「クールトローチ」の使用例に係る商品は、現在取り扱われていない蓋然性が極めて高いものであり、本願の指定商品を取り扱う業界においても、「クールトローチ」の文字が「清涼感のある商品」の意味合いで普通に使用されている事実は存在しない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号判決)、たとえ、「クールトローチ」の文字が、請求人以外の者によって現実に使用されていないとしても、その構成文字から生じる意味及び別掲の事実によれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表すものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
ウ 請求人は、本願商標の指定商品分野において、「クール」の文字を含む商標や「クール」と同程度の識別力の語を含む商標が自他商品識別力を認められ登録となっている旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様や指定商品・指定役務が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ 請求人は、上申書において、本願商標は、実際の取引において、自他商品識別標識として機能している旨主張し、参考資料21ないし42を提出した。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標は、その構成文字から生じる意味及び別掲の事実から、商品の品質を普通に用いられる方法で表すものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そして、提出された資料によれば、請求人が本願商標を使用したと主張する商品は、「PITAS」及び「ピタス」の文字を冠したトローチ剤(以下、「「ピタス」トローチ」という。)のシリーズ商品のうち、ミント風味の商品として2022年3月に販売が開始されたものであり、同商品において、本願商標は、常に「PITAS」及び「ピタス」の文字とともに使用されていることがうかがえる。
そうすると、上記商品の販売期間は決して長いとはいえず、また、上記使用の状況からは、本願商標が、それのみで自他商品識別標識として機能しているとは認められず、本願商標について、具体的な使用事実に基づいて使用状況を把握し、その周知性の程度などを客観的に推し量ることができないから、本願商標がその指定商品との関係において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認めることもできない。
オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-000272