特許訂正審判
2024-390068
生体分子を含む高濃縮液体製剤の調製のためのプロセス
- 審判番号
- 2024-390068
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2019-508243
- 登録番号
- 7114567
- 請求日
- 2024年07月05日
- 審決日
- 2024年09月17日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【請求人代理人】弁理士法人 津国
- 審判長/審判官
- 審判長 中村 浩
- 審判官 北田 祐介
- 審判官 小暮 道明
- 分類
- P141 .852-Y (C07K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第184条の19、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7114567号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7114567号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7114567号に係る出願(特願2019-508243号)は、平成29年8月11日(パリ条約による優先権主張2016年 8月17日 欧州特許庁(EP))を国際出願日として出願されたものであって、その請求項1~29に係る発明について令和 4年 7月29日に特許権の設定登録がなされた。
これについて、令和 6年 7月 5日に本件訂正審判が請求された。
第2 請求の趣旨および訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第7114567号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
明細書の段落[0163]に記載された「図2A」を「図1A」に訂正する。
(2)訂正事項2
明細書の段落[0166]に記載された「図2A」を「図1A」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の明細書の段落[0163]において参照する図面を「図2A」から「図1A」に訂正するものである。訂正前の図面には「図2A」は存在しないから、「図2A」との記載が何らかの誤りであることは明らかである。
一方、訂正前の明細書の段落[0162]、[0163]及び図1には以下の記載がある。(下線は当審が付した。)
「[0162]
本発明の好ましい実施形態において、工程(b)の第1の透析濾過(DF1)を、その後の工程(c)を実施する前に数回繰り返してもよい。すなわち、液体媒体Bの交換は、図1Aに見られるように、媒体サイクルの形態において多くの回数にわたり実施してもよい。このように、液体媒体Bの交換は、x回の媒体サイクルで実施してもよく、それにより好ましくはx=2~10、より好ましくはx=2~8、最も好ましくはx=2~6である。
[0163]
換言すると、x=2の場合、工程(b)を2回繰り返し、図2Aのサイクルは2回通過し、任意のサイクルについて、同じ液体媒体Bを各々のサイクルで透析濾過媒体として加える。原則として、サイクル数は通常、使用する液体媒体Bのイオン強度(又は濃度)の減少に伴い増加する。可能なサイクル数はまた、損傷を伴わずにサイクル数を許容しなければならない、使用する生体分子の種類にも依存する。」
「
[図:0001419286000001.jpg]
」
ここで、「換言」とは、「ことばをかえて言うこと。言いかえること。」(広辞苑)を意味するから、段落[0163]の記載は、前の段落[0162]の記載を別の言葉で言いかえているものと認められる。
そして、段落[0162]を見ると、図1Aを参照しつつ、本願発明の工程(b)の第1の透析濾過(DF1)の繰り返し回数について記載されているので、段落[0163]の記載が、段落[0162]の記載をうけて、段落[0162]で参照されている「図1A」を用いて、工程(b)の第1の透析濾過(DF1)の繰り返し数を説明していることは、その文脈からみて明らかである。
そうすると、訂正前の図面に「図2A」が存在しないこと、及び、段落[0163]の記載が段落[0162]の記載を受けて「図1A」を用いた説明をしていることは明らかであることから、訂正前の明細書の段落[0163]に記載の「図2A」は、正しくは「図1A」と解すべきである。
訂正事項2は、訂正前の明細書の段落[0166]において参照する図面を「図2A」から「図1A」に訂正するものである。訂正前の図面には「図2A」は存在しないから、「図2A」との記載が何らかの誤りであることは明らかである。
一方、訂正前の明細書の段落[0165]、[0166]及び図1には以下の記載がある。(下線は当審が付した。)
「[0165]
本発明のさらに好ましい実施形態において、工程(c)の第2の透析濾過(DF2)は、その後の工程(d)を実施する前に数回繰り返してもよい。すなわち、液体媒体Cの交換は、図1Aに見られるように、媒体サイクルの形態において多くの回数にわたり実施してもよい。このように、液体媒体Cの交換は、y媒体サイクルを伴い実施してもよく、それにより好ましくはy=2~10、より好ましくは、y=2~8、最も好ましくは、y=2~6である。
[0166]
換言すると、y=4の場合、工程(c)を4回繰り返し、図2Aのサイクルを4回通過させ、任意のサイクルについて、同じ液体媒体Cを各々のサイクルで透析濾過媒体として加える。」
「
[図:0001419286000002.jpg]
」
ここで、「換言」とは、「ことばをかえて言うこと。言いかえること。」(広辞苑)を意味するから、段落[0166]の記載は、前の段落[0165]の記載を別の言葉で言いかえているものと認められる。
そして、段落[0165]を見ると、図1Aを参照しつつ、本願発明の工程(c)の第2の透析濾過(DF2)の繰り返し回数について記載されているので、段落[0166]の記載が、段落[0165]の記載をうけて、段落[0165]で参照されている「図1A」を用いて、工程(c)の第2の透析濾過(DF2)の繰り返し数を説明していることは、その文脈からみて明らかである。
そうすると、訂正前の図面に「図2A」が存在しないこと、及び、段落[0166]の記載が段落[0165]の記載を受けて「図1A」を用いた説明をしていること明らかであることから、訂正前の明細書の段落[0166]に記載の「図2A」は、正しくは「図1A」と解すべきである。
したがって、訂正事項1、2は、本来その意であることが本件明細書、特許請求の範囲及び図面の記載から明らかな内容に正すものといえるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
2 国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で述べたとおりの記載が、本件国際出願日における国際出願の明細書、明細書及び図面にも記載されており(国際公開第2018/033482号の46ページ18~30行、47ページ9~18行、図面)、訂正事項1、2は、段落[0163]、[0166]において参照する図面を、誤りである「図2A」から、正しい「図1A」に訂正するものであるから、「国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項1、2は、特許法第184条の19により読み替えて適用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1、2は、明らかな誤記を訂正するものであり、本件発明の内容を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 独立特許要件について
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1、2は、明細書の誤記を訂正するものであるから、それにより、特許請求の範囲の請求項1~29に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができなくなることはなく、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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