商標拒絶査定不服審判
2024-007050
テイエムエスシステム、テイエムエス
- 審判番号
- 2024-007050
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-058743
- 請求日
- 2024年04月25日
- 審決日
- 2024年07月29日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社日研工作所
- 【請求人代理人】弁理士法人アイミー国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W0942) / T18 .262-Z (W0942) / T18 .263-Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 58743拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年5月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月 4日付け:拒絶理由通知書
令和6年 1月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 2月 6日付け:拒絶査定
令和6年 4月25日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品及び指定役務は、原審における上記1の手続補正書により、第9類「プリセッタ・パソコン・マシニングセンタをネットワークによって繋ぐことで構成される切削工具付工具ホルダの工具情報を一括管理するためのコンピュータプログラム,工具情報一括集中管理ソフトウェア,工具データ管理用コンピュータソフトウェア」及び第42類「コンピュータによる金属加工機械器具(これらの部品を含む。)により構成される設備の設計,コンピュータネットワークシステムで使用される金属加工機械器具(これらの部品を含む。)の設計,プリセッタ・パソコン・マシニングセンタをネットワークによって繋ぐことで構成される切削工具付工具ホルダの工具情報を一括管理するためのコンピュータプログラムの提供,プリセッタ・パソコン・マシニングセンタをネットワークによって繋ぐことで構成される切削工具付工具ホルダの工具情報を一括管理するためのコンピュータプログラムの設計・作成又は保守」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(2)のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4432952号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品及び指定役務:第9類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日:平成11年10月28日
設定登録日:平成12年11月17日
(2)登録第5533764号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成: TMS (標準文字)
指定役務:第36類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日:平成23年 8月 3日
設定登録日:平成24年11月 9日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「TMSシステム」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「TMS」の文字は、各種の略語として辞書類に掲載されている事実は認められるものの、一般的に、又は、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において、特定の意味合いを有する語として親しまれているというべき事情は見当たらないことからすれば、該文字は、直ちに特定の意味合いを認識させない造語というのが相当である。
他方、本願商標の構成中の「システム」の文字は、「コンピューターを使った情報処理機構。またその装置。」(出典「大辞泉 第二版」株式会社小学館)などを意味する語であって、上記2のとおり、本願の指定商品及び指定役務が、いずれもコンピューターに関連する商品及び役務であることからすると、それらの商品及び役務との関係においては、該文字は、自他商品役務の識別標識としての機能がないか、又は、同機能が極めて弱いものといえるものであり、かつ、これが「TMS」の文字と観念的に結合しているともいえないものである。
また、本願商標より自然に生じる「ティーエムエスシステム」の称呼は、10音とやや冗長である。
以上のことからすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、本願商標に接する取引者、需要者が、自他商品役務の識別標識としての機能を十分に有する「TMS」の文字部分に着目し、当該文字部分をもって取引に当たることもあるというべきである。
したがって、本願商標よりは、その構成中の「TMS」の文字部分(以下「本願要部」という。)に相応した「ティーエムエス」の称呼も生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、特に「T」の文字が若干図案化された、青色を基調とする「Tms」の文字からなるものである。
そうすると、引用商標1よりは、その構成文字に相応した「ティーエムエス」の称呼が生じ、また、上記アと同様に、特定の観念は生じないものといえる。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、「TMS」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、その構成文字に相応した「ティーエムエス」の称呼が生じ、また、上記アと同様に、特定の観念は生じないものといえる。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては「システム」の片仮名の有無などで相違するものであるが、本願要部と引用商標との比較では、文字の書体や図案化の有無などが異なるのみで、「TMS(Tms)」のつづり字を共通にすることから、外観上、一定程度近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「ティーエムエス」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較することができないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては相違があるものの、本願要部と引用商標との外観の対比においては一定程度近似するものであり、また、称呼を共通にし、観念は比較できないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品又は指定役務の類否について
(ア)本願の指定商品である第9類「プリセッタ・パソコン・マシニングセンタをネットワークによって繋ぐことで構成される切削工具付工具ホルダの工具情報を一括管理するためのコンピュータプログラム,工具情報一括集中管理ソフトウェア,工具データ管理用コンピュータソフトウェア」は、引用商標1の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似する商品である。
(イ)本願の指定役務中、第42類「プリセッタ・パソコン・マシニングセンタをネットワークによって繋ぐことで構成される切削工具付工具ホルダの工具情報を一括管理するためのコンピュータプログラムの提供,プリセッタ・パソコン・マシニングセンタをネットワークによって繋ぐことで構成される切削工具付工具ホルダの工具情報を一括管理するためのコンピュータプログラムの設計・作成又は保守」は、引用商標2の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子商取引の利用者の認証,インターネットを用いて行う検索用エンジンの提供,電子計算機などを用いて行う情報処理,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,インターネット用サーバの記憶装置の記憶領域の貸与,コンピュータサーバの記憶領域の貸与,アプリケーションサービスプロバイダのコンピュータプログラムへのアクセスタイムの賃貸」と同一又は類似する役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標よりは、「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体」ほどの観念が生じる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「TMSシステム」の文字よりなるものであって、上記(1)アのとおり、その構成中の「TMS」の文字部分よりは特定の意味合いが認識されない造語というべきものであるから、本願商標全体としてみる場合においても、これよりは特定の意味合いが認識されるとはいえない。
また、請求人の述べる観念は、本願商標の構成中の「システム」の文字の意味に相応するものであると考えられるところ、同文字は、上記(1)アのとおり、本願の指定商品及び指定役務との関係において、自他商品役務の識別標識としての機能がないか、又は、同機能が極めて弱いものといえるものであるから、この部分より同識別標識としての称呼や観念が生じるとはいえない。
イ 請求人は、引用商標1は、文字及び図形が結合した商標であって、その構成中の「ms」の2文字は明確に認識できるが、先頭に位置する部分は白丸と赤丸を含むものであり、文字なのか図形なのか判然とせず、文字だとしても片仮名の「イ」と考えるが自然である旨主張する。
しかしながら、引用商標1の左側部分は、縦線1本と横線1本を基調とするその形状、及び、それに続くのが「ms」という欧文字であることからすれば、図案化されてはいるものの、明らかに「T」の欧文字であると認識できるものというのが相当であり、また、これが片仮名の「イ」であると認識されるというべき特段の事情は見いだせないものである。
ウ 請求人は、構成中に「システム」の文字を有する登録商標と、構成中に同文字を有しない他の登録商標とが併存している事例を挙げ、本願商標についてもそれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる登録例と本願とは、商標の構成等を異にするものであって、指定商品又は指定役務の分野が異なるものもあることから、当該登録例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
そして、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記(1)のとおりである。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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