商標拒絶査定不服審判
2022-019265
アイデイエムエス、エイアイデイエムエス、アイドムズ、アイドムス、アイ、エイアイ、デイエムエス
- 審判番号
- 2022-019265
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-004145
- 請求日
- 2022年11月30日
- 審決日
- 2023年09月22日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】麗臺科技股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-4145拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年1月17日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年6月24日付け:拒絶理由通知書
令和4年7月8日 :意見書の提出
令和4年11月2日付け:拒絶査定
令和4年11月30日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類「コンピュータプログラム(ダウンロード可能なソフトウェア),コンピュータプログラム(記憶されたもの),コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),監視用コンピュータプログラム,コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),ダウンロード可能なコンピュータアプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),ダウンロード可能なコンピュータソフトウエア,コンピュータファームウェア,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータプログラム開発用コンピュータプログラム」を指定商品として登録出願されたものである。
3 引用商標
(1)原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(2)のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(2)国際登録第1131200号商標(以下「引用商標」という。)
商標の構成:DMS
国際商標登録出願日:2012年(平成24年)7月17日
設定登録日:平成26年(2014年)5月2日
指定商品:第9類「Process control system for paper and paperboard manufacturing, namely, computer hardware and software for monitoring and controlling steam system operating parameters in the dryer section of paper and paperboard manufacturing presses.」
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類否
(ア)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、左側に丸みを帯びた山波の曲線を描き、その中央に立方体及び右側上部に円をそれぞれ配してなる図形(以下「図形部分」という。)とその右側に「DMS」の欧文字(以下「文字部分」という。)を書した構成からなるところ、図形部分と文字部分とは、横一連に表されているものの、それぞれ重なり合うことなく、色彩(濃淡)を異にし、独立して表されているものであることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものである。
そして、本願商標の構成中の図形部分は、その構成態様からして、特定の事物を表したものとは認められず、特定の意味合いを想起させるものとも認められない。
また、その構成中の文字部分は、「DMS」の文字が様々なIT関連の用語の略語として辞書類に掲載されているとしても(甲1~甲5)、本願商標の指定商品との関係から、直ちに特定の略語を想起させるとはいえないものであり、さらに、これに接する需要者が特定の略語又は特定の意味合いを表したものとして認識するというべき事情も見いだせない。
そうすると、本願商標の構成中の図形部分と文字部分との間には、観念上のつながりはなく、また、両者を常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせないことから、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
以上のことからすれば、本願商標は、その構成中の図形部分と文字部分が、それぞれ独立して自他商品の出所識別標識の機能を有しているといえ、その構成中から文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。
したがって、本願商標は、その構成中の「DMS」の文字部分に相応して、「ディエムエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
(イ)引用商標
引用商標は、「DMS」の欧文字を横書きしてなるところ、これより「ディエムエス」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じないものといえる。
(ウ)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、両者は「ディエムエス」の称呼を共通にするものであるから、称呼上同一のものである。
また、外観について比較すると、両者は全体の外観においては相違するものの、本願商標の要部である「DMS」の文字部分と引用商標とは、欧文字のつづりを同じくするものであるから、外観上近似した印象を与えるものといえる。
そして、本願商標及び引用商標は、いずれも、特定の観念を有しないものであるから、観念において比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼を共通にするものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願商標の指定商品である第9類「コンピュータプログラム(ダウンロード可能なソフトウェア),コンピュータプログラム(記憶されたもの),コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),監視用コンピュータプログラム,コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),ダウンロード可能なコンピュータアプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),ダウンロード可能なコンピュータソフトウエア,コンピュータファームウェア,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータプログラム開発用コンピュータプログラム」は、引用商標の指定商品である第9類「Process control system for paper and paperboard manufacturing, namely, computer hardware and software for monitoring and controlling steam system operating parameters in the dryer section of paper and paperboard manufacturing presses.」と同一又は類似の商品である。
ウ 小括
上記ア及びイによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、「DMS」の文字は、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、様々な略語として、認識される場合があることから、当該文字部分は、識別力は弱い旨主張する。
しかしながら、上記(1)ア(ア)のとおり、「DMS」の文字は、本願商標の指定商品との関係から、直ちに特定の略語を想起させるとはいえないものであり、さらに、これに接する需要者が特定の略語又は特定の意味合いを表したものとして認識するというべき事情も見いだせないことからすると、本願商標の構成中の「DMS」の文字部分について、自他商品の識別力が弱いものではないとみるのが相当である。
イ 請求人は、既に登録されている自身の登録商標(登録第6477958号)を図案化したものについて、権利保護を求める意図で本願商標の出願を行ったものであり、上記略語としての使用例及び登録例とあいまって、本願商標は「AiDMS」の欧文字に照応し、「エーアイディーエムエス」の一連の称呼が生じる旨主張する。
しかしながら、たとえ請求人が「AiDMS」の文字を表現する意図を有しており、図形部分が「Ai」の文字をデザイン化して創作したものであるとしても、本願商標の当該図形部分の構成態様からして、これを「Ai」の文字を表したもの一見して理解することは困難というほかなく、むしろ特定の事物を認識させない図形とみるのが相当である。
ウ 請求人は、本願商標の指定商品の分野において「DMS」の文字を含む商標が複数併存している登録例を挙げ、本願商標と引用商標とは明確に区別することができる旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、商標の構成要素が全て欧文字として明確に認識できるものであるなど、本願商標とは構成態様等において相違し、事案を異にするものであり、かつ、商標の類否判断においては、過去の登録例に拘束されることなく、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、本願商標と引用商標とを対比することにより、個別具体的に判断されるべきであるから、これらの登録例の存在が上記判断を左右するものではない。
エ 以上アないしウのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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