特許拒絶査定不服審判
2024-006248
複数のプラズマユニットを有する処理チャンバ
- 審判番号
- 2024-006248
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-529565外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年04月12日
- 審決日
- 2025年06月20日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】園田・小林弁理士法人
- 分類
- P18 .113-WZ (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-529565「複数のプラズマユニットを有する処理チャンバ」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 6月 3日国際公開、WO2021/108294、令和 5年 1月31日国内公表、特表2023-503578〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2020年(令和2年)11月23日(パリ条約よる優先権主張外国庁受理2019年11月27日 (US)米国、2020年 1月13日 (US)米国、2020年11月23日 (US)米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和 5年 7月 7日付け:拒絶理由通知書
同年10月10日 :意見書、手続補正書の提出
同年12月 1日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。)
令和 6年 4月12日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年10月25日 :上申書の提出
令和 7年 1月10日付け:拒絶理由通知書(以下、「当審拒絶理由」という。)
同年 4月21日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~14に係る発明は、令和7年4月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載した事項により特定されるものであり、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「 【請求項1】
処理チャンバであって、
内部空間を画定する、リッド及び側壁と、
前記内部空間の中に設けられ、基板を支持するように構成されたペデスタルと、
前記ペデスタル内に設けられた第1の電極と、
前記内部空間の中で、前記第1の電極の上方に設けられ、接地されたイオンフィルタと、
前記内部空間の中で、前記イオンフィルタの上方に設けられた、第2の電極又は誘導結合されたプラズマ(ICP)コイルと、
前記第1の電極に接続された第1の高周波(RF)発生器と、
前記第2の電極又は前記誘導結合されたプラズマ(ICP)コイルに接続された第2の高周波(RF)発生器と、
を備え、
前記第1の電極と前記イオンフィルタにより、前記基板を露出するダイレクトプラズマが生成され、前記第2の電極又は前記誘導結合されたプラズマ(ICP)コイルと前記イオンフィルタにより、前記基板を露出するリモートプラズマが生成され、それぞれのプラズマは、互いに独立して生成されることができる、処理チャンバ。」
第3 原査定の概要
原査定(令和5年12月1日付け拒絶査定)の拒絶の理由の概要は、次のとおりのものである。
理由1(新規性)
この出願の請求項1~12、14、15、17~19に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
また、この出願の請求項12、13、15~20に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2(進歩性)
この出願の請求項1~12、14、15、17~19に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、当業者という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、この出願の請求項12、13、15~20に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
引用文献1.特表2014-531753号公報
引用文献2.特表2014-532988号公報
第4 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由(令和 7年 1月10日付け)の概要は次のとおりである。
理由1(明確性)
本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由2(実施可能要件)
本件出願は、発明の詳細な説明の記載について、下記の点で特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
記
●理由1(明確性)について
(1)請求項1
請求項1に係る発明に、「リモートプラズマユニット」及び「ダイレクトプラズマユニット」として、どのようなものが含まれ、どのようなものが含まれないのか、一義的に把握することができない。
請求項2~20も、同様である。
●理由2(実施可能要件)について
本願明細書の翻訳文には、「リモートプラズマユニット」及び「ダイレクトプラズマユニット」について、明確かつ十分に記載されているとはいえないから、本願明細書の翻訳文の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1~20に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。
●原査定の理由について
理由1により請求項1~20に係る発明を明確に把握できないため、原査定の理由(新規性、進歩性)の判断については留保する。
第5 当審拒絶理由についての検討
本願発明は、「リモートプラズマユニット」及び「ダイレクトプラズマユニット」との発明特定事項を有していない。
したがって、当審拒絶理由は解消した。
第6 原査定の理由についての検討
1 引用文献の記載及び引用発明
(1) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1には、次の記載がある。(下線は、引用箇所を示すために当審において付加した。)
「【0059】
図5は、本発明の一実施形態に従って、半導体ウエハ処理装置を示す。装置は、上側プレート500A、下側プレート500B、および、壁500Cによって形成されたチャンバ500を備える。一実施形態において、壁500Cは、連続的な円筒形の壁500Cを形成する。他の実施形態において、壁500Cは、チャンバ500の内部空洞500Dがチャンバ500の外側の外部環境から隔離されうる限りは、他の構成を有してもよい。様々な実施形態において、チャンバ500の上側プレート500A、下側プレート500B、および、壁500Cは、電気および熱の良好な伝導体であると共に、内部空洞500Dがウエハ処理中に暴露される処理ガスと化学的に適合する金属から形成されてよい。例えば、様々な実施形態において、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属が、チャンバ500の構成要素を形成するために用いられてよい。
・・・
【0061】
デュアルプラズマ処理装置が、チャンバ500の内部空洞500D内に配置される。デュアルプラズマ処理装置は、上側プラズマ生成空間503を備えた上側プラズマチャンバ512を備える。デュアルプラズマ処理装置は、さらに、下側プラズマ生成空間509を備えた下側プラズマチャンバ514を備える。上側および下側プラズマチャンバ512および514は、ガス分配ユニット515によって物理的かつ流体的に接続されており、ガス分配ユニット515は、上側および下側プラズマ生成空間503および509を分離するように配置されている。
【0062】
上側プラズマチャンバ512は、上側プラズマチャンバ512の周囲を囲むよう規定されると共に上側プレート500Aに結合された外部構造部材504によって部分的には形成される。上側プラズマチャンバ512は、さらに、外部構造部材504内の上側プラズマ生成空間503の上方に配置されたシャワーヘッド電極501を備える。
【0063】
動作中、高周波(RF)電力が、RF電源505からシャワーヘッド電極501に送られる。一実施形態において、RF電源505は、複数の周波数のRF電力を供給するよう規定されている。一実施形態において、RF電源505の周波数は、5kHzから500MHzの範囲内に設定される。別の実施形態において、RF電源505の周波数は、400kHzから60MHzの範囲内に設定される。
・・・
【0066】
ガス分配ユニット515は、RF帰還路電極、プラズマ処理ガスマニホルド、流体流バッフルプレート、および、イオンフィルタとして機能することを理解されたい。様々な実施形態において、ガス分配ユニット515は、電気および熱の良好な伝導体であると共に、上側および下側プラズマ生成空間503および509内で実行される処理と化学的に適合する金属、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、シリコン、炭化シリコン、酸化シリコン、酸化イットリウム、または、さらされるプラズマ処理に適切なプラズマ耐性、導電性、および、熱伝導性を提供する基本的に任意のその他の材料、から形成されてよい。
・・・
【0070】
チャック507が、チャンバ500の内部空洞500D内で下側プラズマ生成空間509の下方に配置されている。一実施形態において、チャック507は、チャンバ500の壁500Cから片持ちされている。一実施形態において、チャック507は、静電チャックであり、RF電力を下側プラズマ生成空間509に送るための電極を提供する。チャック507は、下側プラズマ生成空間509に露出させて、基板513(すなわち、ウエハ513)を保持するように規定される。一実施形態において、ウエハエッジリング549が、チャック507上の基板513保持領域の周囲に配置されている。様々な実施形態において、ウエハエッジリングは、石英またはシリコンで形成される。また、一実施形態において、導体548が、ウエハエッジリング549の下に配置され、ウエハエッジリング549を通してDCバイアスを駆動するように接続されている。
・・・
【0072】
チャック507は、さらに、RF電源511から下側プラズマ生成空間509にRF電力を供給するよう規定されており、その結果、チャック507は、下側プラズマ生成空間509のための電極として機能する。下側プラズマチャンバのRF電源511は、上側プラズマチャンバのRF電源505と分離され、独立していることを理解されたい。したがって、上側および下側プラズマ生成空間503および509に供給されるRF電力は、別個に独立して制御されうる。
・・・
【0074】
一実施形態において、RF電源511は、RF電力および複数の周波数を供給するよう規定されている。例えば、RF電源511は、2MHz、27MHz、および、60MHzの周波数のRF電力を供給するよう規定されてよい。上側および下側プラズマチャンバ512および514のためのRF電源505および511の各々は、RF電力の伝達を可能にするための自身の整合回路網を通して、それぞれ、シャワーヘッド電極501およびチャック507に接続されている。上述のように、一実施形態において、ガス分配ユニット515は、上側および下側プラズマ生成空間503および509の両方のためのRF電力帰還路における基準接地電極として機能する。
・・・
【0084】
図6は、本発明の一実施形態に従って、上側プラズマ501と下側プラズマ503とを含む図5のチャンバ500を示す。上側および下側プラズマチャンバ512および514の独立制御は、特にイオン束に対するラジカル束および中性子束の独立制御に関して、ウエハ処理レシピに幅広い可能性を提供することを理解されたい。以下で、2例のウエハ処理を提供する。ただし、本明細書に開示するウエハ処理の例は、例示に過ぎず、本明細書に開示されたデュアルプラズマ処理チャンバ500の利用に対するいかなる限定を示すものでもないことを理解されたい。」
「【図5】
[図:0001429541000001.jpg]
」
(2) 引用文献1に記載された発明
ア 引用文献1の【0061】及び【0070】の記載を考慮すると、上記(1)の図5から、上側プラズマ生成空間503と下側プラズマ生成空間509を分離するように配置されている「ガス分配ユニット515」が、チャンバ500の内部空洞500D内で下側プラズマ生成空間509の下方に配置されている「チャック507」の上方に配置されていることが見て取れる。
イ 上記(1)及び上記アによれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。(括弧内は、引用文献1の記載箇所、又は、根拠個所を示す。以下同じ。)
「上側プレート500A、下側プレート500B、および、壁500Cによって形成されたチャンバ500であって(【0059】)、
チャンバ500の内部空洞500D内にデュアルプラズマ処理装置が配置され(【0061】)、
デュアルプラズマ処理装置は、上側プラズマ生成空間503を備えた上側プラズマチャンバ512と、下側プラズマ生成空間509を備えた下側プラズマチャンバ514を備え(【0061】)、
ガス分配ユニット515は、上側および下側プラズマ生成空間503および509を分離するように配置され(【0061】)、
上側プラズマチャンバ512は、シャワーヘッド電極501を備え(【0062】)、
動作中、高周波(RF)電力が、RF電源505からシャワーヘッド電極501に送られ(【0063】)、
ガス分配ユニット515は、イオンフィルタとして機能し(【0066】)、
チャック507は、チャンバ500の内部空洞500D内に配置され、RF電力を下側プラズマ生成空間509に送るための電極を提供するとともに、下側プラズマ生成空間509に露出させて、基板513(すなわち、ウエハ513)を保持するように規定され(【0070】)、
ガス分配ユニット515が、チャック507の上方に配置されており(上記ア)、
チャック507は、RF電源511から下側プラズマ生成空間509にRF電力を供給するよう規定され(【0072】)、
下側プラズマチャンバのRF電源511は、上側プラズマチャンバのRF電源505と分離され、独立しており(【0072】)、
上側および下側プラズマチャンバ512および514のためのRF電源505および511の各々は、それぞれ、シャワーヘッド電極501およびチャック507に接続され(【0074】)、
ガス分配ユニット515は、上側および下側プラズマ生成空間503および509の両方のためのRF電力帰還路における基準接地電極として機能し(【0074】)、
上側および下側プラズマチャンバ512および514の独立制御は、イオン束に対するラジカル束および中性子束の独立制御に関して、ウエハ処理レシピに幅広い可能性を提供する(【0084】)、
チャンバ500。」
2 対比
(1) 引用発明の「上側プレート500A」及び「壁500C」は、「内部空洞500D」を有する「チャンバ500」を形成するものである。
したがって、引用発明の「内部空洞500D」は、本願発明の「内部空間」に相当し、引用発明の「上側プレート500A」は、本願発明の「リッド」に相当し、引用発明の「壁500C」は、本願発明の「側壁」に相当する。
(2) 引用発明の「基板513(すなわち、ウエハ513)」は、本願発明の「基板」に相当する。
(3) 引用発明の「チャック507」は、「チャンバ500の内部空洞500D内に配置され、RF電力を下側プラズマ生成空間509に送るための電極を提供するとともに、下側プラズマ生成空間509に露出させて、基板513(すなわち、ウエハ513)を保持するように規定され」るものであるから、本願発明の「前記内部空間の中に設けられ、基板を支持するように構成されたペデスタル」及び「前記ペデスタル内に設けられた第1の電極」に相当する。
(4) 引用発明の「ガス分配ユニット515」は、「チャック507の上方に配置」されているものである。
また、引用発明の「ガス分配ユニット515」は、「イオンフィルタとして機能」するとともに、「上側および下側プラズマ生成空間503および509の両方のためのRF電力帰還路における基準接地電極として機能」するものである。
したがって、上記(3)を踏まえると、引用発明の「ガス分配ユニット515」は、本願発明の「前記内部空間の中で、前記第1の電極の上方に設けられ、接地されたイオンフィルタ」に相当する。
(5) 引用発明の「ガス分配ユニット515」は、「上側および下側プラズマ生成空間503および509を分離するように配置され」るものであり、引用発明の「シャワーヘッド電極501」は、「上側プラズマ生成空間503」が備えるものである。
したがって、引用発明の「シャワーヘッド電極501」は、本願発明の「前記内部空間の中で、前記イオンフィルタの上方に設けられた、第2の電極」に相当する。
(6) 引用発明は、「動作中、高周波(RF)電力が、RF電源505からシャワーヘッド電極501に送られ」、「チャック507は、RF電源511から下側プラズマ生成空間509にRF電力を供給するよう規定され」、「上側および下側プラズマチャンバ512および514のためのRF電源505および511の各々は、それぞれ、シャワーヘッド電極501およびチャック507に接続され」るものである。
したがって、引用発明の「RF電源511」は、本願発明の「前記第1の電極に接続された第1の高周波(RF)発生器」に相当し、引用発明の「RF電源505」は、本願発明の「前記第2の電極」「に接続された第2の高周波(RF)発生器」に相当する。
(7) 引用発明の「チャック507」は、「チャンバ500の内部空洞500D内に配置され、RF電力を下側プラズマ生成空間509に送るための電極を提供するとともに、下側プラズマ生成空間509に露出させて、基板513(すなわち、ウエハ513)を保持するように規定され」るものであり、「ガス分配ユニット515」は、「下側プラズマ生成空間509」「のためのRF電力帰還路における基準接地電極として機能」するものである。
したがって、引用発明において、「チャック507」と「ガス分配ユニット515」により、下側プラズマ生成空間509に生成されるプラズマは、本願発明の「前記基板を露出するダイレクトプラズマ」に相当する。
(8) 引用発明の「シャワーヘッド電極501」は、「動作中、高周波(RF)電力が、RF電源505から」送られるものであり、「ガス分配ユニット515」は、「上側」「プラズマ生成空間」「503」「のためのRF電力帰還路における基準接地電極として機能」するものである。
したがって、引用発明において、「シャワーヘッド電極501」と「ガス分配ユニット515」により、上側プラズマ生成空間503にプラズマが生成されるといえる。
そして、引用発明は、「上側および下側プラズマチャンバ512および514の独立制御は、イオン束に対するラジカル束および中性子束の独立制御に関して、ウエハ処理レシピに幅広い可能性を提供する」ものであるから、上側プラズマチャンバ512を独立制御して、基板513(すなわち、ウエハ513)の処理を行うものであるといえる。
そうすると、引用発明において、上側プラズマ生成空間503に生成されたプラズマは、下側プラズマ生成空間509へ流れ、基板513(すなわち、ウエハ513)の処理を行うといえる。
よって、引用発明において、「シャワーヘッド電極501」と「ガス分配ユニット515」により、上側プラズマ生成空間503に生成されるプラズマは、本願発明の「前記基板を露出するリモートプラズマ」に相当する。
(9) 引用発明は、「下側プラズマチャンバのRF電源511は、上側プラズマチャンバのRF電源505と分離され、独立しており」、「上側および下側プラズマチャンバ512および514の独立制御は、イオン束に対するラジカル束および中性子束の独立制御に関して、ウエハ処理レシピに幅広い可能性を提供する」ものであるから、本願発明の「それぞれのプラズマは、互いに独立して生成されることができる」構成となっているといえる。
(10) 引用発明の「内部空洞500D内にデュアルプラズマ処理装置が配置され」る「チャンバ500」は、本願発明の「処理チャンバ」に相当する。
(11) 以上のとおりであるから、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致しており、相違点はない。
「 処理チャンバであって、
内部空間を画定する、リッド及び側壁と、
前記内部空間の中に設けられ、基板を支持するように構成されたペデスタルと、
前記ペデスタル内に設けられた第1の電極と、
前記内部空間の中で、前記第1の電極の上方に設けられ、接地されたイオンフィルタと、
前記内部空間の中で、前記イオンフィルタの上方に設けられた、第2の電極と、
前記第1の電極に接続された第1の高周波(RF)発生器と、
前記第2の電極に接続された第2の高周波(RF)発生器と、
を備え、
前記第1の電極と前記イオンフィルタにより、前記基板を露出するダイレクトプラズマが生成され、前記第2の電極と前記イオンフィルタにより、前記基板を露出するリモートプラズマが生成され、それぞれのプラズマは、互いに独立して生成されることができる、処理チャンバ。」
3 原査定の理由1(新規性)についての判断
上記2のとおりであり、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
4 審判請求人の主張について
審判請求の理由において審判請求人は、引用文献1は、本願発明の「前記リモートプラズマユニットと前記ダイレクトプラズマユニットは、互いに独立してそれぞれのプラズマを生成することができる」構成を有しておらず、また、引用文献1に基づいて、上記の構成を得ることもできない旨主張する。
しかしながら、上記2(9)のとおり、引用発明は、本願発明の「それぞれのプラズマは、互いに独立して生成されることができる」との構成となっているといえるから、上記の主張は採用できない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当し、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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