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特許拒絶査定不服審判

2024-004328

光源装置及び投写型映像表示装置

審判番号
2024-004328
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-546828
請求日
2024年03月12日
審決日
2025年05月26日
公報発行日
2025年08月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】パナソニックホールディングス株式会社
  • 【請求人代理人】岡部 博史
  • 【請求人代理人】中谷 剣一
審判長/審判官
  • 審判長 岡田 吉美
  • 審判官 南川 泰裕
  • 審判官 谷垣 圭二
分類
P18 .121-Z (G03B) / P18 .575-Z (G03B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第158条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-546828「光源装置及び投写型映像表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月19日国際公開、WO2020/054397〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)8月27日を国際出願日とする日本語特許出願であって(優先権主張 平成30年9月10日(以下「優先日」という。))、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和5年 5月25日付け:拒絶理由通知書 同年 7月28日 :意見書、手続補正書の提出 同年 9月 6日付け:拒絶理由通知書(最後) 同年11月13日 :意見書、手続補正書の提出 同年12月 6日付け:補正の却下の決定 同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月12日 :原査定の謄本の送達) 令和6年 3月12日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年3月12日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年3月12日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和6年3月12日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年7月28日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「 【請求項1】 第1の発光装置と第2の発光装置とを含む複数の発光装置を備えた光源装置であって、 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 基板と、 前記基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズと、をそれぞれ備え、 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 発光領域及び非発光領域をそれぞれ含み、第1の方向及び前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に形成される光を出射する出射面を有し、 前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記出射面に垂直な第3の方向にそれぞれ所定距離を有して互いに平行になるように配置され、 前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群を構成する、 光源装置。」 (2) 本件補正後 「 【請求項1】 第1の発光装置と第2の発光装置とを含む複数の発光装置を備えた光源装置であって、 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 基板と、 前記基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズと、をそれぞれ備え、 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される出射面を有し、前記出射面は、光を出射する矩形状の発光領域と、前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域とをそれぞれ含み、 前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記出射面に垂直な第3の方向において、所定距離を有して互いに平行になるように配置され、 前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群を構成し、 前記第3の方向に沿って見たときに、前記第1の発光装置の前記非発光領域と前記第2の発光装置の前記非発光領域とが、それぞれの前記矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置され、前記第1の発光装置の前記発光領域と前記第2の発光装置の前記発光領域とが、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に配置される、 光源装置。」 2 補正の目的 (1) 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項について、次のアからエの限定をするものである。 ア 「第1の発光装置」及び「第2の発光装置」が有する「第1の方向及び前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に形成される光を出射する出射面」について、第1の方向に「沿った外縁」と、第2の方向に「沿った外縁とにより画定」されるものに限定すること。 イ 前記アの「出射面」の「発光領域」について、「光を出射する矩形状の」ものに限定すること。 ウ 前記アの「出射面」の「非発光領域」について、「前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された」ものに限定すること。 エ 前記イの「発光領域」と前記ウの「非発光領域」の配置関係について、「前記第3の方向に沿って見たときに、前記第1の発光装置の前記非発光領域と前記第2の発光装置の前記非発光領域とが、それぞれの前記矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置され、前記第1の発光装置の前記発光領域と前記第2の発光装置の前記発光領域とが、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に配置され」ることに限定すること。 (2) そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (3) したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成X(X1)と構成Aから構成Eまでに分説する。また、参考図として、本願の【図1】、【図4】及び【図5】に部材名を記入したものを掲載する。 <本件補正発明の分説> X1 第1の発光装置と第2の発光装置とを含む複数の発光装置を備えた光源装置であって、 A 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 基板と、 前記基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズと、をそれぞれ備え、 B 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される出射面を有し、前記出射面は、光を出射する矩形状の発光領域と、前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域とをそれぞれ含み、 C 前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記出射面に垂直な第3の方向において、所定距離を有して互いに平行になるように配置され、 D 前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群を構成し、 E 前記第3の方向に沿って見たときに、前記第1の発光装置の前記非発光領域と前記第2の発光装置の前記非発光領域とが、それぞれの前記矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置され、前記第1の発光装置の前記発光領域と前記第2の発光装置の前記発光領域とが、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に配置される、 X 光源装置。 <参考図> 【図1】 [図:0001425350000001.jpg] 【図4】 【図5】 [図:0001425350000002.jpg] イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本開示は、例えば、投写型映像表示装置の光源として使用される光源装置、並びに、そのような光源装置を備えた投写型映像表示装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、ディジタルマイクロミラーデバイス(DMD)及び液晶パネルなどのような光変調素子を備えた投写型映像表示装置のための光源として、発光ダイオード及び半導体レーザ素子などの長寿命の固体発光素子を備えたさまざまな光源装置が開示されている。 【0003】 特許文献1は、小型化のために、基板と、複数の半導体レーザ素子と、複数のレンズを含むレンズアレイとを一体化した発光装置を開示している。 …(中略)… 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】特許第6188132号公報 (当審注:当該公報の発明の内容からして、番号に誤記があると考えられるところ、後記(3)アにおいて引用文献7として引用する特開2016-219779号公報に対応する「特許第6288132号公報」の誤記であると考えられる。) 【特許文献2】特開2014-209184号公報 …(中略)… 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 特許文献1に開示されるような発光装置は、光を出射する出射面の領域のすべてが発光に寄与するわけではなく、出射面において発光領域及び非発光領域を有する。複数の小型の発光装置を配列して高輝度の光源装置を構成する場合、各発光装置からの合計の光束のサイズは非発光領域の分だけ余分に増大し、従って、光源装置のサイズも増大するという問題がある。従って、複数の発光装置からの光を空間的な無駄なく高効率に合成することが求められる。 【0007】 本開示の目的は、互いに一体化された基板、複数の発光素子、及び複数のレンズをそれぞれ備える複数の発光装置を備えた光源装置であって、複数の発光装置からの光を空間的な無駄なく高効率に合成することができる光源装置を提供することにある。」 「【0021】 図2に示すように、発光装置1は、光を出射する出射面において、発光領域(すなわち、レンズ53が配列された領域)と、非発光領域(すなわち、筐体54のハッチングされた領域)とを有する。発光領域は、出射面において実質的に光が出射する領域であり、それぞれのレンズ53が配列された領域である。非発光領域は、出射面において実質的に光が出射されない領域であり、レンズ53が配列されていない領域である。発光装置1の出射面において、非発光領域は、発光領域の外周に隣接して配置されている。図2および図3の例では、非発光領域は、例えば、発光領域の外周全体を囲むように配置されている。また、発光領域および非発光領域はともに概ね矩形状の領域となっており、発光装置1の出射面の外縁は、例えば、非発光領域により画定されている。」 「 [図:0001425350000003.jpg] 」 「【0024】 図2の例では、非発光領域は、発光装置1の出射面の60%を占め、発光領域は、発光装置1の出射面の40%のみである。非発光領域は発光領域の約1.5倍の面積を有する。前述のように、複数の発光装置を配列して高輝度の光源装置を構成する場合、各発光装置からの合計の光束のサイズは非発光領域の分だけ余分に増大し、従って、光源装置のサイズも増大する。従って、本実施形態では、複数の発光装置1~4からの光を空間的な無駄なく高効率に合成するための光源装置100の構成について説明する。 【0025】 図4は、図1の発光装置1及び2の配置を示す図である。図4は、発光装置1及び2の各辺が互いに平行であり、発光装置2が、発光装置1の対角線の延長線上に位置する場合を示す。発光装置1及び2は、発光装置1の出射面と発光装置2の出射面とが所定距離を有して互いに平行になるように配置されている。すなわち、発光装置1の出射面と発光装置2の出射面とは、出射面に垂直な方向(すなわち、図1のZ方向)に離間しながら互いに平行に配置されている。さらに、発光装置1および2の光の出射方向(すなわち、各発光装置1及び2の出射面に垂直な方向(図1のZ方向))に沿って見たときにおける各発光装置1及び2の発光領域の間の距離d1が、各発光装置1及び2の出射面が同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置される。また、各発光装置1及び2は、各発光装置1及び2の光の出射方向に沿って見たときに、一方の発光装置の発光領域を他方の発光装置によって覆うことなく、各発光装置1及び2の発光領域の間の距離d1を最小化するように配置されてもよい。このように発光装置1及び2を配置することにより、各発光装置1及び2の光の出射方向に沿って見たときに、少なくとも互いの非発光領域の一部を重ね合わせることができる。これにより、非発光領域に起因する空間的な無駄を削減して発光領域を互いに近接させ、発光装置1及び2からの光束を互いに近接させることができる。従って、発光装置群11から出射される合計の光束のサイズを小さくし、また、光源装置100のサイズを小さくすることができる。」 「 [図:0001425350000004.jpg] 」 「【0026】 図5は、図1の発光装置3及び4の配置を示す図である。図5は、発光装置3及び4の各辺が互いに平行であり、発光装置4が、発光装置3の対角線の延長線上に位置する場合を示す。発光装置3及び4は、発光装置3の出射面と発光装置4の出射面とが所定距離を有して互いに平行になるように配置されている。すなわち、発光装置3の出射面と発光装置4の出射面とは、出射面に垂直な方向(すなわち、図1のX方向)に離間しながら互いに平行に配置されている。さらに、発光装置3および4の光の出射方向(すなわち、各発光装置3及び4の出射面に垂直な方向(図1のX方向))に沿って見たときにおける各発光装置3及び4の発光領域の間の距離d2が、各発光装置3及び4の出射面が同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置される。また、各発光装置3及び4は、各発光装置3及び4の光の出射方向に沿って見たときに、一方の発光装置の発光領域を他方の発光装置によって覆うことなく、各発光装置3及び4の発光領域の間の距離d2を最小化するように配置されてもよい。このように発光装置3及び4を配置することにより、各発光装置3及び4の光の出射方向に沿って見たときに、少なくとも互いの非発光領域の一部を重ね合わせることができる。これにより、非発光領域に起因する空間的な無駄を削減して発光領域を互いに近接させ、発光装置3及び4からの光束を互いに近接させることができる。従って、発光装置群12から出射される合計の光束のサイズを小さくし、また、光源装置100のサイズを小さくすることができる。」 「 [図:0001425350000005.jpg] 」 「【0046】 [1-4.効果等] 第1の実施形態によれば、光源装置100は、複数の発光装置1~4を備える。各発光装置1~4は、基板51と、基板51上に配列された複数の発光素子52及び複数のレンズ53とをそれぞれ備える。各発光装置1~4は、光を出射する出射面において、発光領域及び非発光領域をそれぞれ有する。複数の発光装置1~4のうちの少なくとも2つの発光装置1~4は、各発光装置1~4の出射面が所定距離を有して互いに平行になるように、かつ、少なくとも2つの発光装置1~4の光の出射方向に沿って見たときにおける各発光装置1~4の発光領域の間の距離が、各発光装置1~4の出射面が同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群11,12を構成する。 【0047】 これにより、複数の発光装置からの光を空間的な無駄なく高効率に合成することができる。」 (2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1に記載された事項 令和5年5月25日付け拒絶理由通知書の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特開2017-194494号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記ウの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 (ア) 【0001】~【0005】 「【技術分野】 【0001】 本発明は、光源装置、照明装置及びプロジェクターに関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、プロジェクターにおいて、高輝度且つ高出力な光が得られるレーザー光源が用いられている。例えば、下記特許文献1には、偏光子及び偏光プリズムを用いて4つの光源ユニットから射出した光を合成するプロジェクターが開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2011-158502号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記プロジェクターにおいては、互いの太さが同じ2本の光線束を合成しており、互いの太さが異なる2本の光線束を効率良く合成することについては想定されていなかった。そのため、互いの太さが異なる2本の光線束を合成する際、合成光線束の太さの拡大を低減しつつ、効率的に合成することが可能な新たな技術の提供が望まれている。 【0005】 本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、合成光線束の太さの拡大を低減しつつ、該合成光線束を効率的に生成できる、光源装置を提供することを目的の一つとする。本発明の一つの態様は、上記の光源装置を備え、小型の照明装置を提供することを目的の一つとする。本発明の一つの態様は、上記の照明装置を備え、小型のプロジェクターを提供することを目的の一つとする。」 (イ) 【0016】~【0017】 「【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。 なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。 【0017】 プロジェクターの一実施形態について説明する。本実施形態のプロジェクターは、スクリーン(被投射面)上にカラー映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクターは、赤色光、緑色光、青色光の各色光に対応した3つの液晶光変調装置を備えている。プロジェクターは、照明装置の光源として、高輝度・高出力な光が得られる半導体レーザーを備えている。」 (ウ) 【0018】~【0028】、図1 「【0018】 (第1実施形態) 図1は、本実施形態に係るプロジェクターの光学系を示す概略図である。 プロジェクター1は、図1に示すように、照明装置2と、色分離光学系3と、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学系6と、を概略備えている。」 「【図1】 [図:0001425350000006.jpg] 」 「【0019】 本実施形態において、照明装置2は白色の照明光WLを色分離光学系3に向けて射出する。 【0020】 色分離光学系3は、照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7aおよび第2のダイクロイックミラー7bと、第1の全反射ミラー8a、第2の全反射ミラー8bおよび第3の全反射ミラー8cと、第1のリレーレンズ9aおよび第2のリレーレンズ9bと、を概略備えている。 …(中略)… 【0024】 光変調装置4Rは、赤色光LRを通過させる間に、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色光LRに対応した画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを通過させる間に、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色光LGに対応した画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを通過させる間に、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色光LBに対応した画像光を形成する。 …(中略)… 【0027】 合成光学系5は、赤色光LR,緑色光LG,青色光LBに対応した各画像光を合成し、合成された画像光を投射光学系6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられている。 【0028】 投射光学系6は、投射レンズ群から構成されている。投射光学系6は、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。」 (エ) 【0029】~【0034】、図2 「【0029】 (照明装置) 次に、上記照明装置2の構成について説明する。 図2は照明装置2の構成を示す図である。 図2に示すように、照明装置2は、照明光としての照明光WLを色分離光学系3に向けて射出する。照明装置2は、光源装置11と、均一照明光学系13とを含む。」 「【図2】 [図:0001425350000007.jpg] 」 「【0030】 図2に示すように、光源装置11は、第1光源部20Aと、第1のホモジナイザー光学系22と、第2光源部20Bと、導光部21と、第2のホモジナイザー光学系24と、光合成素子14と、第1の位相差板15と、偏光分離素子23と、第1の集光光学系26と、蛍光体ホイール27と、第2の位相差板28と、第2の集光光学系29と、拡散反射素子30とを備える。 【0031】 第2光源部20Bと、第2のホモジナイザー光学系24と、光合成素子14と、第1の位相差板15と、偏光分離素子23と、第2の位相差板28と、第1の集光光学系26と、拡散反射素子30とは、光軸ax1上に順次並んで配置されている。蛍光体ホイール27と、第2の集光光学系29と、偏光分離素子23とは、光軸ax2上に順次並んで配置されている。光軸ax1と光軸ax2とは、同一面内にあり、互いに直交する。 【0032】 また、第1光源部20Aと、第1のホモジナイザー光学系22と、光合成素子14とは、光軸ax1と直交する光軸ax3上に順次並んで配置されている。光軸ax3は光軸ax2と平行、且つ、光軸ax1,ax2とは同一面内にある。 以下、図面において、XYZ座標系を用いることもある。図2において、X方向は光軸ax1と平行であり、Y方向は光軸ax2と平行であり、Z方向はX方向及びY方向にそれぞれ直交する方向である。 【0033】 第1光源部20Aは、1つの光源ユニット120から構成される。光源ユニット120は、複数の光線BLからなる光線束Kを射出する。光線束Kは特許請求の範囲の「第1の光線束」に対応する。 【0034】 第2光源部20Bは、4つの光源ユニット121~124から構成され、各光源ユニット121~124から射出された光線束K1~K4からなる光線束KAを射出する。図2では、光線束Kと光線束KAの光路をわかりやすくするために、光線束Kと光線束KAを光軸ax1からずらして描いてある。同じ理由で、光線束K1を光線束K2からずらし、光線束K3を光線束K4からずらして描いてある。 光源ユニット121は複数の光線BL1からなる光線束K1を射出し、光源ユニット122は複数の光線BL2からなる光線束K2を射出し、光源ユニット123は複数の光線BL3からなる光線束K3を射出し、光源ユニット124は複数の光線BL4からなる光線束K4を射出する。」 (オ) 【0036】~【0048】、図3 「【0036】 図3は合成光線束KGの光軸ax1と垂直な断面図である。 光線束K1は、複数の光線BL1の集合からなるが、光線束K1の断面を模式的に矩形で示した。本明細書において、複数の光線BL1の集合を包含する領域が光線束K1の断面に相当する。光線束K2~K4の断面も模式的に矩形で示した。しかし、断面の形状は矩形に限られない。 光線束KAは光線束K1~K4の集合からなるが、光線束KAの断面を模式的に矩形で示した。具体的には本明細書において、光線束KAの断面は、光線束K1~K4各々の最も外側の外形線を結ぶ領域に相当する。従って、本実施形態のように光線束K1~K4の間に隙間がある場合、光線束KAの断面は該隙間を含む。本実施形態においては、光線束KAは光線束Kよりも太い。光線束KAは特許請求の範囲の「第2の光線束」に対応する。」 「【図3】 [図:0001425350000008.jpg] 」 「【0037】 光源ユニット120と、光源ユニット121~124とは、同じ構成を備えており、光線束Kと光線束KAとは波長が同じである。ただし、光線束Kの偏光方向は、光線束KAの偏光方向とは異なっている。光源ユニット120は、後述する光合成素子14が備えている光機能性膜14aに対してS偏光として入射する光線束Kを射出する。光源ユニット121~124各々は、光機能性膜14aに対してP偏光として入射する光線束K1~K4を射出する。つまり、光線束KAは、光機能性膜14aに対してP偏光として入射する。 【0038】 第1光源部20Aから射出された光線束Kは、第1のホモジナイザー光学系22を透過して光合成素子14に入射する。第1のホモジナイザー光学系22は、第1光源部20Aと光合成素子14との間の光線束Kの光路上に設けられている。第1のホモジナイザー光学系22は、特許請求の範囲の「第1の光均一化素子」に相当する。 第1のホモジナイザー光学系22は、例えばレンズアレイ22aとレンズアレイ22bとから構成されている。レンズアレイ22aは複数の小レンズ22amを含み、レンズアレイ22bは複数の小レンズ22bmを含む。詳細については後述するが、第1のホモジナイザー光学系22は第1の集光光学系26と協働して、拡散反射素子30における照度分布を均一化させる。 【0039】 第2光源部20Bから射出された光線束KAは、第2のホモジナイザー光学系24を透過して光合成素子14に入射する。第2のホモジナイザー光学系24は、第2光源部20Bと光合成素子14との間の光線束KAの光路上に設けられている。第2のホモジナイザー光学系24は、特許請求の範囲の「第2の光均一化素子」に相当する。 第2のホモジナイザー光学系24は、例えばレンズアレイ24aとレンズアレイ24bとから構成されている。レンズアレイ24aは複数の小レンズ24amを含み、レンズアレイ24bは複数の小レンズ24bmを含む。詳細については後述するが、第2のホモジナイザー光学系24は第2の集光光学系29と協働して、蛍光体ホイール27の蛍光体層33における照度分布を均一化させる。 …(中略)… 【0041】 光合成素子14は、光線束Kと、光線束KAとを合成することで合成光線束KGを生成し、偏光分離素子23に向けて射出する。光合成素子14は、不図示の保持部材によって保持されている。保持部材は各光線束K1~K4が入射しない位置に配置するのが望ましい。例えば、保持部材として、Z方向に延びる支柱を光線束K2と光線束K4との間の隙間に配置すればよい(図3参照)。この構成によれば、各光線束K1~K4のうち保持部材に入射する成分を少なくすることができるので、光線束KAの損失を低減できる。 【0042】 光合成素子14は、光軸ax1,ax3とそれぞれ45度の角度をなすように配置されている。光合成素子14は、光機能性膜14aと、透明基板14bとを備える。本実施形態において、光機能性膜14aは偏光分離膜から構成され、透明基板14bに支持されている。 【0043】 光機能性膜14aは、透明基板14bの一部の領域に設けられている。具体的に、光機能性膜14aは、光線束Kが光線束KAと交わっている領域において、少なくとも光線束Kが入射するように選択的に設けられている。 …(中略)… 【0045】 本実施形態において、光線束Kは、光機能性膜14aに対してS偏光として入射するため、光機能性膜14aにより第1の位相差板15に向けて反射される。一方、光線束KAは、光機能性膜14aに対してP偏光として入射するため、光機能性膜14aを透過して第1の位相差板15に向かう。光線束KAのうち光機能性膜14aに入射しない成分は、光合成素子14の透明基板14bを透過して第1の位相差板15に向かう。 …(中略)… 【0048】 合成光線束KGは第1の位相差板15に入射する。第1の位相差板15は1/2波長板から構成される。光機能性膜14aの光入射面および偏光分離素子23の光入射面はZ方向と平行である。そのため、第1の位相差板15を透過した光線束Kは偏光分離素子23に対してP偏光として入射し、第1の位相差板15を透過した光線束KAは偏光分離素子23に対してS偏光として入射する。」 (カ) 【0071】~【0092】、図5、図7 「【0071】 図5は光源ユニット120の構成を示す斜視図である。 図5に示すように、光源ユニット120は、複数の発光部40と、該複数の発光部40を支持する放熱器120Hと、を含む。放熱器120Hは、発光部40を冷却するヒートシンクである。放熱器120Hは、本体部60Aおよび支持部材60Bを含む。これら本体部60Aおよび支持部材60Bは、例えば、アルミや銅といった放熱性に優れた金属材料から構成される。」 「【図5】 [図:0001425350000009.jpg] 」 「【0072】 本体部60Aは、Z方向における寸法がX方向における寸法よりも大きい板状部材である。複数の支持部材60Bは、本体部60Aの側面60A1の中央部に取り付けられている。各支持部材60Bは、側面60A1のZ方向において、各々の間隔を均等とするように配置されている。すなわち、複数の発光部40は、対応する放熱器120Hの本体部60Aの略中央部に設けられている。 【0073】 各支持部材60Bは板状の部材であって、上面60B1と下面60B2とを有する。上面60B1及び下面60B2の平面形状は略矩形状であって、X方向に長辺を有し、Y方向に短辺を有している。上面60B1はXY平面と平行であり、水平面となっている。 【0074】 本実施形態において、複数の発光部40は、それぞれ半導体レーザーから構成される。 複数の発光部40は、支持部材60Bの上面60B1に一次元的に実装されている。各発光部40は青色(発光強度のピーク:440nm~460nm(例えば、445nm))の光ビームからなる光線BLを射出する。 【0075】 光源ユニット120は、複数の光線BLを含む光線束Kを射出する。図5では、便宜上、最下段の支持部材60B上に配置される発光部40から射出される光線BLのみを図示するが、光線束Kとは全ての支持部材60B上に配置された発光部40から射出された光線BLを含む。 …(中略)… 【0081】 図7はコリメート光学系61の概略構成を示す斜視図である。 図7に示すように、コリメート光学系61は、第1のシリンドリカルレンズアレイ50と、第2のシリンドリカルレンズアレイ55とを含む。」 「【図7】 [図:0001425350000010.jpg] 」 「(前略) 【0091】 このように本実施形態によれば、光源ユニット120は、複数の発光部40から射出した光線BLを2つのシリンドリカルレンズを含むコリメート光学系61によって平行光に変換することで光線束Kを生成する。 【0092】 同様に、光源ユニット120と同一構成を有する光源ユニット121~124各々は、複数の発光部40を備えている。光源部20Bは、各々が光源ユニット121~124に対応する、第1の放熱器121H、第2の放熱器122H、第3の放熱器123H及び第4の放熱器124Hを含む。第1の放熱器121Hは、第1の光源ユニット121を冷却するヒートシンクであり、第2の放熱器122Hは、第2の光源ユニット122を冷却するヒートシンクであり、第3の放熱器123Hは、第3の光源ユニット123を冷却するヒートシンクであり、第4の放熱器124Hは、第4の光源ユニット124を冷却するヒートシンクである。複数の発光部40から射出した光線はコリメート光学系61によって平行光に変換される。」 (キ) 【0102】~【0110】、図8 「【0102】 図8は-X方向から視た、第2光源部20B及び導光部21の位置関係を示す図である。 図8に示すように、光源ユニット121及び光源ユニット122は、Z方向において、光線束K1,K2の高さを互いに異ならせるように配置されている。 光線束K1は、導光部21を経由せず、-X方向に沿って射出される。光線束K2は、光線束K1の下方に配置された第1反射ミラー21Aにより-X方向に向けて反射される。これにより、光線束K2は、Y方向において略光線束K1と略同じ位置であって、Z方向において光線束K1の下方に配置される。」 「【図8】 [図:0001425350000011.jpg] 」 「【0103】 光源ユニット123及び光源ユニット124は、Z方向において、光線束K3,K4の高さを互いに異ならせるように配置される。 光源ユニット123は、Y方向において光源ユニット122に向き合うように配置され、Z方向において光源ユニット122の上方に配置される。光源ユニット123において、光線束K3のZ方向における位置は、光線束K1のZ方向における位置と略同一である。光線束K3は、第2反射ミラー21Bにより-X方向に向けて反射される。これにより、光線束K3は、Y方向において略光線束K1と隣り合う位置であって、Z方向において光線束K1と略同じ高さに位置する。 【0104】 光源ユニット124は、Y軸に沿った方向において光源ユニット123の隣に配置され、Z軸に沿った方向において光源ユニット123と異なる高さに配置される。光源ユニット124において、光線束K4のZ方向の位置は、光線束K3のZ方向の位置よりも低い。光線束K4は、第3反射ミラー21Cにより-Y方向に向けて反射された後、第4反射ミラー21Dにより-X方向に向けて反射される。 これにより、光線束K4は、Y軸に沿った方向において略光線束K3と略同じ位置であって、Z軸に沿った方向において光線束K3の下方に位置する。また、光線束K4は、Y軸に沿った方向において光線束K2と隣り合う位置であって、Z軸に沿った方向において光線束K2と略同じ高さに位置する。 【0105】 以上のようにして、光線束K1~K4から光線束KAが生成される。本実施形態において、導光部21は反射のみを用いて光線束KAを生成するため、各光線束K1~K4の偏光状態を乱さない。そのため、光線束KAは光機能性膜14aに対するP偏光から構成されたものとなる。よって、光線束KAは上述のように光機能性膜14aを良好に透過することができる。 【0106】 本実施形態において、光源ユニット121が備える複数の発光部40は、放熱器121Hの本体部(図示略)の略中央に設けられている。光源ユニット124が備える複数の発光部40は、放熱器124Hの本体部(図示略)の略中央に設けられている。例えば、放熱器121H及び放熱器124Hの長辺方向をY方向に沿わせるように、光源ユニット121及び光源ユニット124を配置すると、これら光源ユニット121及び光源ユニット124を挟んで配置される光源ユニット122及び光源ユニット123間の距離を大きくとる必要が生じる。そのため、第2光源部20BにおけるY方向のサイズが大きくなることで、光源装置11及び該光源装置11を含む照明装置2が大型化してしまう。 【0107】 本実施形態では、放熱器121H及び放熱器124Hの短辺方向をY方向に沿わせるように、光源ユニット121及び光源ユニット124を配置している。すなわち、放熱器121H及び放熱器124Hにおいて、Z方向におけるサイズがY方向におけるサイズよりも大きい。 【0108】 これにより、隣り合う放熱器同士の接触を回避しつつ、各放熱器121H,124Hのサイズをできるだけ大きくできる。よって、光源ユニット121及び光源ユニット124の放熱性能を損なうことなく、両方のユニット同士を近づけて配置することで光源装置11を小型化できる。また、光源装置11を含む照明装置2自体の小型化を実現できる。 【0109】 以上述べたように、本実施形態の光合成素子14によれば、少なくとも光線束Kが入射するように光機能性膜14aが選択的に配置されているので、光線束KAのうち光機能性膜14aに入射する成分の割合を低減できる。よって、光機能性膜14aに入射することによって生じる光線束KAのロスが低減されるので、光線束K及び光線束KAを効率的に合成して合成光線束KGを生成することができる。 また、本実施形態の光源装置11によれば、合成光線束KGの太さの拡大を低減しつつ、該合成光線束KGを効率的に生成することができる。 【0110】 本実施形態によれば、合成光線束KGの太さの拡大を低減しつつ、該合成光線束KGを効率的に生成する光源装置11を実現できる。よって、本実施形態のプロジェクター1は、上記光源装置11を備えるので、小型化が可能である。」 (ク) 【0124】~【0125】 「【0124】 なお、本発明の一実施形態を例示して説明したが、本発明は上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。 【0125】 例えば、上記実施形態では、光線束KAの断面において、光線束K1~K4は互いに分離されていたが、必ずしも分離されている必要は無い。光線束K1~K4の合成手段によっては、光線束K1~K4が部分的に互いに重なっていてもよいし、完全に互いに重なっていてもよい。」 イ 図面から読み取れる事項の認定 (ア) 【0072】、【0074】、【0092】~【0094】の記載を踏まえて図5及び図8を見ると、次の事項(以下「認定事項1」という。)が看取できる。 <認定事項1> 光源ユニット121及び光源ユニット124は、Y方向に沿った外縁と、Y方向と垂直な方向であるZ方向に沿った外縁によって形成され、Y方向及びZ方向と垂直な方向である-X方向に光線を射出する複数の発光部40を実装する支持部材60Bが取り付けられた放熱器120Hの本体部60Aの側面60A1を有しており、側面60A1は、矩形状の光線束K1、K4に対応した複数の発光部40が設けられている矩形状の領域と、複数の発光部40が設けられている領域の外周を囲むように側面60A1の外縁に沿って配置された複数の発光部40が設けられていない矩形枠状の領域を含んでいること。 (イ) 図2及び図5から、次の事項(以下「認定事項2」という。)が看取できる。 <認定事項2> 光源ユニット121における側面60A1は、光源ユニット124における側面60A1と、X方向に沿った方向において同じ位置になるようにしつつ、Y方向に沿った方向に並べて配置されていること。 (ウ) 図5及び図8から、次の事項(以下「認定事項3」という。)が看取できる。ここで、参考図として、図8に対して光源ユニット121及び124における側面60A1の領域を示す破線枠等を加筆したものを掲載する。 <認定事項3> 光源ユニット121における側面60A1と、光源ユニット124における側面60A1とは、Z方向において、順に、光源ユニット124の側面60A1のみが配置されている領域(下記参考図中の「A」を参照)、光源ユニット124及び光源ユニット121の側面60A1の両方が配置されている領域(下記参考図中の「B」を参照)、光源ユニット121の側面60A1のみが配置されている領域(下記参考図中の「A’」を参照)が存在するように、Z方向にずれて配置されていること。 <参考図> [図:0001425350000012.jpg] ウ 引用発明の認定 前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、第1実施形態(【図2】)に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「第1光源部20Aと、第1のホモジナイザー光学系22と、第2光源部20Bと、導光部21と、第2のホモジナイザー光学系24と、光合成素子14と、第1の位相差板15と、偏光分離素子23と、第1の集光光学系26と、蛍光体ホイール27と、第2の位相差板28と、第2の集光光学系29と、拡散反射素子30とを備える光源装置11であって、(【0030】) 第1光源部20Aは、1つの光源ユニット120から構成され、光源ユニット120は、複数の光線BLからなる光線束Kを射出するものであり、(【0033】) 第2光源部20Bは、4つの光源ユニット121~124から構成され、各光源ユニット121~124から射出された光線束K1~K4からなる光線束KAを射出するものであり、(【0034】) 第1光源部20Aから射出された光線束Kは、第1のホモジナイザー光学系22を透過して光合成素子14に入射し、(【0038】) 第2光源部20Bから射出された光線束KAは、第2のホモジナイザー光学系24を透過して光合成素子14に入射し、(【0039】) 光合成素子14は、光線束Kと、光線束KAとを合成することで合成光線束KGを生成し、偏光分離素子23に向けて射出するものであり、(【0041】) 光合成素子14は、光機能性膜14aと、透明基板14bとを備え、(【0042】) 光機能性膜14aは、透明基板14bの一部の領域に設けられており、(【0043】) 光線束Kは、光機能性膜14aに対してS偏光として入射するため、光機能性膜14aにより第1の位相差板15に向けて反射され、一方、光線束KAは、光機能性膜14aに対してP偏光として入射するため、光機能性膜14aを透過して第1の位相差板15に向かい、光線束KAのうち光機能性膜14aに入射しない成分は、光合成素子14の透明基板14bを透過して第1の位相差板15に向かい、(【0045】) 光源ユニット120と同一構成を有する光源ユニット121~124各々は、複数の発光部40を備え、光源部20Bは、各々が光源ユニット121~124に対応する、第1の放熱器121H、第2の放熱器122H、第3の放熱器123H及び第4の放熱器124Hを含んでおり、複数の発光部40から射出した光線はコリメート光学系61によって平行光に変換され、(【0092】) 複数の発光部40は、それぞれ半導体レーザーから構成され、(【0074】) コリメート光学系61は、2つのシリンドリカルレンズを含むものであり、(【0091】) 放熱器121H及び放熱器124Hの短辺方向をY方向に沿わせるように、光源ユニット121及び光源ユニット124を配置しており、両方のユニット同士を近づけて配置することで光源装置11を小型化でき、光源装置11を含む照明装置2の小型化を実現できるものであり、(【0107】、【0108】) 光源ユニット121及び光源ユニット124は、Y方向に沿った外縁と、Y方向と垂直な方向であるZ方向に沿った外縁によって形成され、Y方向及びZ方向と垂直な方向である-X方向に光線を射出する複数の発光部40を実装する支持部材60Bが取り付けられた放熱器120Hの本体部60Aの側面60A1を有しており、側面60A1は、矩形状の光線束K1、K4に対応した複数の発光部40が設けられている矩形状の領域と、複数の発光部40が設けられている領域の外周を囲むように側面60A1の外縁に沿って配置された複数の発光部40が設けられていない矩形枠状の領域を含んでおり、(認定事項1) 光源ユニット121における側面60A1は、光源ユニット124における側面60A1と、X方向に沿った方向において同じ位置になるようにしつつ、Y方向に沿った方向に並べて配置されており、(認定事項2) 光源ユニット121における側面60A1と、光源ユニット124における側面60A1とは、Z方向において、順に、光源ユニット124の側面60A1のみが配置されている領域、光源ユニット124及び光源ユニット121の側面60A1の両方が配置されている領域、光源ユニット121の側面60A1のみが配置されている領域が存在するように、Z方向にずれて配置されている、(認定事項3) 光源装置11。」 (3) 引用文献2、4、7の記載事項並びに周知技術1及び2の認定 ア 引用文献7に記載された事項及び周知技術1の認定 (ア) 引用文献7に記載された事項 当審において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2016-219779号公報(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 「【技術分野】 【0001】 本開示は発光装置に関する。 【背景技術】 【0002】 複数の光源から出射した光をコリメートレンズアレイによりコリメートする光源装置が知られている(特許文献1参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2014-102367号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記従来の光源装置では、コリメートレンズアレイを構成する各レンズ要素が、各レンズ要素に入射するレーザ光の断面形状に応じて、複数の曲率を有している。このため、コリメートレンズアレイが所定の向きから僅かに回転して実装されるだけで、光源とレンズ要素の位置関係に大きなずれが生じ、コリメートレンズアレイから出射する光の強度分布が変化してしまう虞がある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記の課題は、例えば、次の手段により解決することができる。基体と、行列状に複数のレンズ部を有するレンズアレイと、前記基体上に配置された複数の半導体レーザ素子と、を備えた発光装置であって、前記複数の半導体レーザ素子はレーザ光をそれぞれ出射し、各レーザ光は行方向より列方向に幅が広くなるビーム形状を前記複数のレンズ部の各光入射面において有し、前記複数のレンズ部は、個々のレンズ部の最大外径と列方向の頂点間距離とのいずれよりも小さい行方向の頂点間距離を有するとともに、行方向と列方向とにおいて同じ曲率を有することを特徴とする発光装置。 【発明の効果】 【0006】 上記の発光装置によれば、レンズアレイが所定の向きから僅かに回転して実装された場合であっても、光源とレンズ部の位置関係に大きなずれが生じにくく、レンズアレイから出射する光の強度分布が変化しにくい発光装置を提供することができる。」 「【発明を実施するための形態】 【0008】 [実施形態1に係る発光装置] 図1Aは実施形態1に係る発光装置の模式的平面図である。また、図1Bは図1A中のA-A断面図であり、図1Cは図1A中のB-B断面図であり、図1Dは図1A中のC-C断面図である。図1Aにおいては、理解を容易にするため、最も左上のレンズ部下方に配置される半導体レーザ素子30等を透過的に示している。図1Aから図1Dに示すように、実施形態1に係る発光装置1は、基体10と、行列状に複数のレンズ部22を有するレンズアレイ20と、基体10上に配置された複数の半導体レーザ素子30と、を備えた発光装置であって、複数の半導体レーザ素子30はレーザ光をそれぞれ出射し、各レーザ光は行方向より列方向に幅が広くなるビーム形状を複数のレンズ部22の各光入射面LAにおいて有し、複数のレンズ部22は、個々のレンズ部22の最大外径Eと列方向の頂点間距離PYとのいずれよりも小さい行方向の頂点間距離PXを有するとともに、行方向と列方向とにおいて同じ曲率を有する発光装置である。以下、順に説明する。」 「【図1A】 [図:0001425350000013.jpg] 」 「【図1B】 [図:0001425350000014.jpg] 」 「【図1C】 [図:0001425350000015.jpg] 」 「【0017】 複数のレンズ部22は、特に限定されないが、好ましくは半導体レーザ素子30から入射するレーザ光を平行化(コリメート)できる形状を有することが好ましい。例えば、複数のレンズ部22は、それぞれ、少なくとも一部が非球面状曲面(例:光入射面LAが平面で光出射面LBが非球面状曲面)からなるものであることが好ましい。このようにすれば、半導体レーザ素子30からのレーザ光を光の強度分布を変化させずに平行化させることができる。」 (イ) 周知技術1の認定 前記(ア)に摘記した引用文献7の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術2」という。) <周知技術1> 「半導体レーザー光源装置として、基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズを備えたものを用いること。」 イ 引用文献2及び4に記載された事項及び周知技術2の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 令和5年5月25日付け拒絶理由通知書の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特表2012-533767号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明はディジタル立体像投射機、特に偏向固体レーザ光源を用いるディジタル立体像投射機及び方法の改良に関する。」 「【0041】 図5に、別々の固体光源アレイ44,44’に発したビーム同士を結合させアレイを実質的に大規模化する形態の照明光結合器を示す。図6に示したのはその斜視外観である。この形態では、ミラー46を幾つか挿入することでアレイ44の光軸に対しアレイ44’の光軸を揃えている。これにより、レンズ50に光を送るアレイを実質的に大規模化できるが、熱的及び間隔的な制約が課され固体光源アレイ集積個数が制限されることも自明である。」 「【図5】 [図:0001425350000016.jpg] 」 「【0042】 図5及び図6に示した形態は、その偏向状態が異なる複数通りの偏向光を扱える形態に変形することができる。図7A及び図7Bにその構成を、図8にその作動タイミングを示す。図8から読み取れるように、個々の変調アセンブリ40r,40g,40b内では、二組の偏向レーザ光源アレイを用い発生させた光を、図4に示す共通のSLM40に送る際、生成すべき左目像及び右目像に対応しその偏向状態を直交二状態間で高速交番させる。ここで偏向レーザ光源アレイとして使用されているのは偏向固体レーザ光源アレイ44a,44bである。アレイ44a・44b間で光の偏向状態が直交することとなるよう、そのうち一方には図7A及び図7Bの如く半波長板64が設けられている。照明サイクルのうち図7Aの如くアレイ44aが作動する半サイクルでは、発生した偏向光が偏向ビームスプリッタ62で反射される。同照明サイクルのうち図7Bの如くアレイ44bが作動する他の半サイクルでは、発生した偏向光が偏向状態回転を経てスプリッタ62を透過する。これらの偏向光に係るビームは次いでレンズ50へと送られる。非立体像投射時には、より明るい像が生じるよう両アレイ44a,44bからの光を併用してもよいし、個別レーザ光源の寿命がバランスするよう半分のパワーで作動させてもよい。」 「【図7】 [図:0001425350000017.jpg] 」 (イ) 引用文献4に記載された事項 令和5年5月25日付け拒絶理由通知書の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特表2009-524844号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、第2世代のデジタル・シネマ用のマルチ・ビーム走査デジタル投影ビデオ・モータであって、赤・緑・青(RGB)のビデオ信号(たとえば超高精細)をたとえばワイド・スクリーン上に投影するために、ビームを構造化する装置(たとえばマトリックス、円、スパイラル、円花窓、ヘリコイドの形状など)を補った、画素をつくる1つまたは複数のビームを生成する装置内で、たとえば光源として低/中パワーのレーザを使用するビデオ・モータに関する。」 「【0009】 光源モジュール 図面を参照して、光源モジュール装置は、斜視図(図1)および断面図(図2)において、カニューレ(1)内部の(光ビーム(2)を生成する)と光源、(ボール・ジョイント装置(4)の支持として用いられるたとえば六角形状の)ボックス(3)とを含み、ボックス(3)には、3つの調整装置(5)、(6)、および(7)が備わっており、これらは伝搬軸(8)に垂直に配置されている。ボール・ジョイント装置(4)は、たとえば、カニューレ端部(1)において、ヘッドまたは球状のコネクタの中央部に穴を開けてビームが通過(2)できるようにしたものを、わずかに大きい部分的に球状の空洞(やはり中央部に穴が開いていてビームが通過(2)できるようになっている)の中に入れて、実現する。これらの調整装置(5)、(6)、および(7)のそれぞれによって、カニューレの背後で並進運動が生じ、そしてこの動きが組み合わさって、2軸の動きがカニューレ(1)に対して生じる。この2軸の回転運動がカニューレ(1)に渡される結果、光ビーム(2)伝搬軸(8)が変更される。」 「 [図:0001425350000018.jpg] 」 「【0025】 静的または動的な調整を実現するために、潜望鏡のミラーおよび/またはフィルタの組を、ネジ/マイクロ・ジャック/圧電性物質のタイプの補正装置または任意の他の制御された動的な補正装置上に搭載する。 【0026】 たとえば異なる光回転ディスクのセクタのアドレスを単純に実現することを、一方でセクタ間のスペースを低減して行なうために、特定の数の光源によって電力供給される潜望鏡を用いる。異なる光源を組み立てることが、構成(たとえば階段(図18))に応じて可能である。ここでは、各光源モジュール(94)の位置が、異なるビーム間のスペースを小さくするためのステップを含む支持体(95)上にあり、その結果、光源モジュールの組のサイズについて高さで得をする。また他の代替案(図19)も存在する。ここでは、別の幾何学的形状(たとえば場所をずらした行(96)、「V字」形状(97)、または「逆V字」形状(98))に応じて光源モジュールを挿入することで、光源モジュール・ブロックの深さを減らしている。」 「【図18】 [図:0001425350000019.jpg] 」 「【図19】 [図:0001425350000020.jpg] 」 「【0027】 光源ブロックには、十分な組み込みが技術的に可能ならば、光源モジュール、カラー・ビーム発生器、またはマルチ・ビーム・デジタル・ビデオ・プロジェクタ・マトリックス・ヘッドを備え付ける。」 (ウ) 周知技術2の認定 前記(ア)及び(イ)に摘記した引用文献2及び4の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術2」という。) <周知技術2> 「投影装置の光源装置において、光源装置を構成する複数の光源ユニットにおける光出射面を、当該光出射面に垂直な方向において所定距離を有して互いに平行になり、かつ、光源ユニットの出射面に垂直な方向に沿って見たときに複数の光源ユニットの非発光領域が互いに重なるように配置することで、光源ユニットの光出射面に垂直な方向に沿って見たときの複数の光源ユニットの発光領域の間の距離が短くなるように配置すること。」 (4) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア) 構成X1の観点 引用発明における「光源ユニット121」及び「光源ユニット」「124」は、それぞれ、本件補正発明における「第1の発光装置」及び「第2の発光装置」に相当する。 したがって、「第1の発光装置と第2の発光装置とを含む複数の発光装置を備えた光源装置」の発明である本件補正発明と、「4つの光源ユニット121~124から構成され[る]」「第2光源部20B」「を備える光源装置11」の発明である引用発明は、「第1の発光装置と第2の発光装置とを含む複数の発光装置を備えた光源装置」の発明である点において一致する。 (イ) 構成Aの観点 a 構成Aは、「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、基板と、前記基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズと、をそれぞれ備え[る]」ことである。 b(a) 引用発明における「光源ユニット121」及び「光源ユニット」「124」は、それぞれ、本件補正発明における「第1の発光装置」及び「第2の発光装置」に相当する(前記(ア)参照)。 (b) 引用発明における「複数の発光部40」は、本件補正発明における「複数の発光素子」に相当する。 (c) 引用発明における「複数の発光部40を実装する支持部材60Bが取り付けられた放熱器120Hの本体部60A」は、本件補正発明における「複数の発光素子」が「配列された」「基板」と、「複数の発光素子を支持する部材」である点で共通する。 (d) 前記(a)~(c)から、引用発明における「光源ユニット121及び光源ユニット124」が「複数の発光部40を実装する支持部材60Bが取り付けられた放熱器120Hの本体部60Aを備え[る]」ことは、本件補正発明において、「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、基板と、前記基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズと、をそれぞれ備え[る]」ことと、「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、複数の発光素子を支持する部材と、前記部材上に配列された複数の発光素子とをそれぞれ備え[る]」点で共通する。 c 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明の構成Aの観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成Aの観点における一致点 「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、複数の発光素子を支持する部材と、前記部材上に配列された複数の発光素子とをそれぞれ備え[る]」点。 (b) 構成Aの観点における相違点 本件補正発明においては、発光素子を支持する部材が「基板」であって、「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置」が、「複数のレンズ」を備えるのに対して、 引用発明においては、発光素子を支持する部材が「放熱器120Hの本体部60A」であって、「光源ユニット121及び光源ユニット124」とは別の部材である「コリメート光学系61」が、「2つのシリンドリカルレンズ」を備えている点。 (ウ) 構成Bの観点 a 構成Bは、「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される出射面を有し、前記出射面は、光を出射する矩形状の発光領域と、前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域とをそれぞれ含[む]」ことである。 b(a) 引用発明における「光源ユニット121及び光源ユニット124」の「放熱器120Hの本体部60Aの側面60A1」は、「光線を射出する複数の発光部40を実装する支持部材60Bが取り付けられた」面であるから、本件補正発明における「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装」が「有[する]」「出射面」に相当する。 (b) 引用発明において、「側面60A1」が「Y方向に沿った外縁と、Y方向と垂直な方向であるZ方向に沿った外縁によって形成され[る]」ことは、本件補正発明において、「出射面」が「第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される」ことに相当する。 (c) 前記(a)及び(b)から、引用発明は、本件補正発明の「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される出射面を有し」に相当する構成を備えるといえる。 c(a) 引用発明における「複数の発光部40が設けられている矩形状の領域」及び「複数の発光部40が設けられている領域の外周を囲むように側面60A1の外縁に沿って配置された複数の発光部40が設けられていない矩形枠状の領域」は、それぞれ、本件補正発明における「矩形状の発光領域」及び「発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域」に相当する。 (b) 前記(a)から、本件補正発明において、「側面60A1は、矩形状の光線束K1、K4に対応した複数の発光部40が設けられている矩形状の領域と、複数の発光部40が設けられている領域の外周を囲むように側面60A1の外縁に沿って配置された複数の発光部40が設けられていない矩形枠状の領域を含んで[いる]」ことは、本件補正発明において、「前記出射面は、光を出射する矩形状の発光領域と、前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域とをそれぞれ含[む]」ことに相当する。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される出射面を有し、前記出射面は、光を出射する矩形状の発光領域と、前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域とをそれぞれ含[む]」点。 (エ) 構成Cの観点 a 構成Cは、「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記出射面に垂直な第3の方向において、所定距離を有して互いに平行になるように配置され[る]」ことである。 b 引用発明における「光源ユニット121における側面60A1」及び「光源ユニット124における側面60A1」は、前記(イ)b(a)及び(ウ)b(a)を踏まえると、それぞれ、本件補正発明における「前記第1の発光装置の前記出射面」及び「前記第2の発光装置の前記出射面」に相当する。 c(a) 引用発明において、「Z方向」は「Y方向と垂直な方向」であり、「-X方向」は「Y方向及びZ方向と垂直な方向」である。 (b) そうすると、引用発明における「側面60A1」が「Y方向及びZ方向に沿った外縁によって形成され[る]」こと(前記(ウ)b(a)及び(b)参照)も踏まえると、引用発明における「Y方向」、「Z方向」及び「X方向」は、本件補正発明における「第1の方向」、「第2の方向」及び「出射面に垂直な第3の方向」に相当する。 d 引用発明において、「光源ユニット121における側面60A1」及び「光源ユニット124における側面60A1」が「Y方向に沿った方向に並べて配置されて」「Z方向にずれて配置されている」ことは、前記b及びcも踏まえると、本件補正発明において、「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向」「において、所定距離を有して」「配置され[る]」ことに相当する。 e 前記b~dから、引用発明において「光源ユニット121における側面60A1は、光源ユニット124における側面60A1と、」「X方向に沿った方向において同じ位置になるようにしつつ、Y方向に沿った方向に並べて配置されており」「Z方向にずれて配置されている」ことは、本件補正発明において「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向及び前記出射面に垂直な第3の方向において、所定距離を有して互いに平行になるように配置され[る]」ことと、「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向において、所定距離を有して配置され、前記出射面に垂直な第3の方向において所定の態様で配置され[る]」点で共通する。 f したがって、本件補正発明と引用発明の構成Cの観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成Cの観点における一致点 「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向において、所定距離を有して配置され、前記出射面に垂直な第3の方向において所定の態様で配置され[る]」点。 (b) 構成Cの観点における相違点 「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面」の「出射面に垂直な第3の方向」における「配置」の「態様」について、 本件補正発明においては、「所定距離を有して互いに平行になるよう」な態様であるのに対して、 引用発明においては、「同じ位置」となる態様である点。 (オ) 構成D及び構成Eの観点 a 構成Dは、「前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群を構成[する]」ことであり、 構成Eは、「前記第3の方向に沿って見たときに、前記第1の発光装置の前記非発光領域と前記第2の発光装置の前記非発光領域とが、それぞれの前記矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置され、前記第1の発光装置の前記発光領域と前記第2の発光装置の前記発光領域とが、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に配置される」ことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成D及び構成Eに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明においては、 「前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群を構成し、 前記第3の方向に沿って見たときに、前記第1の発光装置の前記非発光領域と前記第2の発光装置の前記非発光領域とが、それぞれの前記矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置され、前記第1の発光装置の前記発光領域と前記第2の発光装置の前記発光領域とが、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に配置される」のに対して、 引用発明においては、 「光源ユニット121における側面60A1は、光源ユニット124における側面60A1と、X方向に沿った方向において同じ位置になるようにしつつ、Y方向に沿った方向に並べて配置され」、 「Z方向において、順に、光源ユニット121の側面60A1のみが配置されている領域、光源ユニット121及び光源ユニット124の側面60A1の両方が配置されている領域、光源ユニット124の側面60A1のみが配置されている領域が存在するように、Z方向にずれて配置されて」おり、本件補正発明の上記構成D及び構成Eに係る構成に相当する構成を備えていない点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。 (ア) 一致点 「第1の発光装置と第2の発光装置とを含む複数の発光装置を備えた光源装置であって、 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 複数の発光素子を支持する部材と、前記部材上に配列された複数の発光素子と、をそれぞれ備え、 前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置は、 第1の方向に沿った外縁と、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿った外縁とにより画定される出射面を有し、前記出射面は、光を出射する矩形状の発光領域と、前記発光領域の外周を囲むように前記出射面の前記外縁に沿って配置された矩形枠状の非発光領域とをそれぞれ含み、 前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが、前記第1の方向、前記第2の方向において、所定距離を有して配置され、前記出射面に垂直な第3の方向において所定の態様で配置される、 光源装置」の発明である点。 (イ) 相違点 a 相違点1(構成A) 本件補正発明においては、発光素子を支持する部材が「基板」であって、「前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置」が、「複数のレンズ」を備えるのに対して、 引用発明においては、発光素子を支持する部材が「放熱器120Hの本体部60A」であって、「光源ユニット121及び光源ユニット124」とは別の部材である「コリメート光学系61」が、「2つのシリンドリカルレンズ」を備えている点。 b 相違点2(構成C~E) (a) 部分相違点2-1(構成C) 「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面」の「出射面に垂直な第3の方向」における「配置」の「態様」について、 本件補正発明においては、「所定距離を有して互いに平行になるよう」な態様であるのに対して、 引用発明においては、「同じ位置」となる態様である点。 (b) 部分相違点2-2(構成D) 本件補正発明においては、「前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置された発光装置群を構成し[ている]」のに対して、 引用発明においては、「光源ユニット121における側面60A1は、光源ユニット124における側面60A1と、X方向に沿った方向において同じ位置になるようにしつつ、Y方向に沿った方向に並べて配置され」、「Z方向において、順に、光源ユニット121の側面60A1のみが配置されている領域、光源ユニット121及び光源ユニット124の側面60A1の両方が配置されている領域、光源ユニット124の側面60A1のみが配置されている領域が存在するように、Z方向にずれて配置されて」おり、本件補正発明の上記構成に相当する構成を備えていない点。 (c) 部分相違点2-3(構成E) 本件補正発明においては、「前記第3の方向に沿って見たときに、前記第1の発光装置の前記非発光領域と前記第2の発光装置の前記非発光領域とが、それぞれの前記矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置され、前記第1の発光装置の前記発光領域と前記第2の発光装置の前記発光領域とが、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に配置される」のに対して、 引用発明においては、部分相違点2-2に記載した構成を備えており、本件補正発明の上記構成に相当する構成を備えていない点。 (5) 判断 ア 相違点1について (ア) 前記(3)ア(イ)において周知技術1として示したとおり、「半導体レーザー光源装置として、基板上に配列された複数の発光素子及び複数のレンズを備えたものを用いること」は周知技術である。 (イ) 引用発明における「半導体レーザーから構成され[る]」「複数の発光部40」を備えた「光源ユニット121及び光源ユニット124」について、どのような構成のものとするかは当業者が適宜決定すべきことであるから、引用発明において、周知技術1を採用して相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者にとって自明な設計変更にすぎない。 イ 相違点2について (ア) 引用発明に対する周知技術2の適用について a 前記(3)イ(ウ)において周知技術2として示したとおり、「投影装置の光源装置において、光源装置を構成する複数の光源ユニットにおける光出射面を、当該光出射面に垂直な方向において所定距離を有して互いに平行になり、かつ、光源ユニットの出射面に垂直な方向に沿って見たときに複数の光源ユニットの非発光領域が互いに重なるように配置することで、光源ユニットの光出射面に垂直な方向に沿って見たときの複数の光源ユニットの発光領域の間の距離が短くなるように配置すること」は周知技術である。 b(a) ここで、引用発明は、「光源ユニット121及び光源ユニット124」「のユニット同士を近づけて配置することで光源装置11を小型化でき、光源装置11を含む照明装置2の小型化を実現できるもの」である。 (b) また、前記(2)ア(キ)において摘記した引用文献1の【0106】~【0108】には、前記(a)に示した引用発明の構成によって解決しようとする課題に関して、次のi~iiiの記載がある。 i 「例えば、放熱器121H及び放熱器124Hの長辺方向をY方向に沿わせるように、光源ユニット121及び光源ユニット124を配置すると、これら光源ユニット121及び光源ユニット124を挟んで配置される光源ユニット122及び光源ユニット123間の距離を大きくとる必要が生じる。そのため、第2光源部20BにおけるY方向のサイズが大きくなることで、光源装置11及び該光源装置11を含む照明装置2が大型化してしまう。」(【0106】) ii 「本実施形態では、放熱器121H及び放熱器124Hの短辺方向をY方向に沿わせるように、光源ユニット121及び光源ユニット124を配置している。」(【0107】) iii 「よって、光源ユニット121及び光源ユニット124の放熱性能を損なうことなく、両方のユニット同士を近づけて配置することで光源装置11を小型化できる。また、光源装置11を含む照明装置2自体の小型化を実現できる。」(【0108】) (c) 前記(a)及び(b)から、引用発明は、「光源ユニット121及び光源ユニット124」を配置するY方向の領域の長さを短縮することで、光源ユニット122及び光源ユニット123間の距離を短縮し、光源装置11を含む照明装置2の小型化を実現しようとするものであるといえる。 c したがって、引用発明において、「光源ユニット121及び光源ユニット124」を配置するY方向の領域の長さを短縮するために、前記周知技術2を採用して、光源ユニット121及び光源ユニット124の光出射面を、当該光出射面にX方向において所定距離を有して互いに平行になり、かつ、X方向に沿って見たときに、光源ユニット121及び光源ユニット124の非発光領域がY方向において互いに重なるように配置することで、光源ユニット121及び光源ユニット124の光出射面に垂直な方向であるX方向に沿って見たときの光源ユニット121及び光源ユニット124のY方向における発光領域の間の距離が短くなるように配置するように構成することは、当業者にとっては自明の設計変更にすぎず、当業者であれば容易に想到し得たことである。 (イ) 部分相違点2-1について a 前記(ア)cに関して、引用発明において周知技術2を採用して、「光源ユニット121及び光源ユニット124の光出射面を、当該光出射面にX方向において所定距離を有して互いに平行にな」るようにすることは、本件補正発明において、「前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面」の「出射面に垂直な第3の方向」における「配置」を「所定距離を有して互いに平行になるよう」にすることに相当する。 b したがって、前記(ア)cに示した、引用発明において周知技術2を採用した発明は、部分相違点2-1に係る本件補正発明の構成を備えるといえる。 (ウ) 部分相違点2-2について a 前記(ア)cに関して、引用発明において周知技術2を採用して、「X方向に沿って見たときに、光源ユニット121及び光源ユニット124の非発光領域がY方向において互いに重なるように配置することで、光源ユニット121及び光源ユニット124の光出射面に垂直な方向であるX方向に沿って見たときの光源ユニット121及び光源ユニット124のY方向における発光領域の間の距離が短くなるように配置する」ことは、本件補正発明において、「前記第3の方向に沿って見たときにおける前記第1の発光装置及び前記第2の発光装置における前記発光領域の間の距離が、前記第1の方向及び前記第2の方向において前記第1の発光装置の前記出射面と前記第2の発光装置の前記出射面とが同一平面上にある場合の距離よりも短縮されるように配置」することに相当する。 b したがって、前記(ア)cに示した、引用発明において周知技術2を採用した発明は、部分相違点2-2に係る本件補正発明の構成を備えるといえる。 c また、引用発明において、「光源ユニット121及び光源ユニット124」を配置するY方向及びZ方向の両方向の領域の長さを短縮する観点で、前記周知技術2を採用して、部分相違点2-2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることも、当業者にとっては自明の設計変更にすぎず、当業者にとって格別なことではない。 (エ) 部分相違点2-3について a 引用発明においては、「光源ユニット121における側面60A1と、光源ユニット124における側面60A1とは、Z方向において、順に、光源ユニット124の側面60A1のみが配置されている領域、光源ユニット124及び光源ユニット121の側面60A1の両方が配置されている領域、光源ユニット121の側面60A1のみが配置されている領域が存在するように、Z方向にずれて配置されて」いる。 ここで、上記構成に関する参考図として、前記(2)ア(キ)に示した図5及び前記(2)イ(ウ)に示した参考図の縮小図を再掲する。 <参考図(縮小して再掲)> [図:0001425350000021.jpg] b 前記aに示した引用発明の構成を踏まえると、前記(ア)cに示した、引用発明において周知技術2を採用して「光源ユニット121及び光源ユニット124」を配置するY方向の領域の長さを短縮した発明に、部分相違点2-3に係る本件補正発明の構成を備えさせることは、当業者であれば当然なし得た事項にすぎないといえる。 c また、引用発明において、「光源ユニット121及び光源ユニット124」を配置するY方向及びZ方向の両方向の領域の長さを短縮する観点で、前記周知技術2を採用して、部分相違点2-3に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることも、当業者にとっては自明の設計事項にすぎず、当業者にとって格別なことではない。 (オ) まとめ 前記(ア)~(エ)に検討のとおり、引用発明において、周知技術2を採用して、相違点2(部分相違点2-1~2-3)に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者にとっては自明の設計変更にすぎず、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 総合評価 前記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張内容 請求人は、審判請求書において、引用文献2、4等には、矩形状の出射面を有する第1の発光装置及び第2の発光装置が、矩形状の辺の部分において光軸方向に重なることについて開示されているが、第1の発光装置の非発光領域と第2の発光装置の非発光領域とがそれぞれの矩形枠状の1つの角部分のみにおいて互いに重なるように配置されることについては何ら開示されていないから、引用発明及び引用文献2、4等の開示内容からは、本件補正発明を容易に想到できない旨を主張している。 (イ) 請求人の主張についての検討 請求人の主張は、前記部分相違点2-3に係る構成についてのものであるところ、前記部分相違点2-3に係る構成については、前記(5)イ(エ)において説示したとおり、引用発明及び周知技術2に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 したがって、請求人の主張は、前記ウの結論を左右するものではない。 オ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本願補正発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(5)オのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 令和5年5月25日付けで通知された拒絶の理由の概要 原査定は、令和5年9月6日付けで通知された拒絶理由に基づいてなされたものであるところ、審査段階で通知された拒絶理由には、上記拒絶理由のほかに令和5年5月25日付けで通知されたものがあり(以下「5月25日拒絶理由」という。)、5月25日拒絶理由の概要は次のとおりである。 ここで、審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有するから(特許法158条)、5月25日拒絶理由に対して、請求人(出願人)には意見を述べる機会が既に与えられたといえるため、当審において改めて拒絶理由を通知することはしない。 理由(進歩性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2017-194494号公報(主たる引用文献) 引用文献2.特表2012-533767号公報(周知技術を示す文献) 引用文献3.米国特許出願公開第2009/0122272号明細書(周知技術を示す文献) 引用文献4.特表2009-524844号公報(周知技術を示す文献) 引用文献5.特開2013-161667号公報(周知技術を示す文献) 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等 引用文献1に記載された事項、引用発明、周知技術1及び周知技術2は、前記第2の3(2)ア~ウ、(3)ア(イ)及び(3)イ(ウ)において示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明から、前記第2の2(1)のアからエに示した限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(5)において説示したとおり、引用発明、周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-004328

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