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特許拒絶査定不服審判

2024-004178

便器用衛生製品

審判番号
2024-004178
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-114724
請求日
2024年03月08日
審決日
2026年01月26日
公報発行日
2026年04月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】小林製薬株式会社
  • 【請求人代理人】田中 順也
審判長/審判官
  • 審判長 澤田 真治
  • 審判官 石川 信也
  • 審判官 土屋 真理子
分類
P18 .121-WZ (A47K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-114724「便器用衛生製品」拒絶査定不服審判事件〔令和4年9月8日出願公開、特開2022-132515〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年3月10日に出願した特願2017-45946号の一部を令和4年7月19日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和 5年 5月15日付け:拒絶理由通知書 同年 7月19日 :意見書及び手続請求書の提出 同年 8月15日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 同年10月18日 :意見書の提出 同年11月29日付け:拒絶査定 令和 6年 3月 8日 :審判請求書及び手続請求書の提出 令和 7年 3月27日付け:拒絶理由通知書 同年 5月30日 :意見書及び手続請求書の提出 同年 6月30日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 同年 8月25日 :意見書及び手続請求書の提出 第2 令和7年8月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年8月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 【請求項1】 開閉可能な便蓋を有する便器に使用される便器用衛生製品であって、 薬剤成分を放出させる薬剤組成物を含み、 前記薬剤成分が、25℃における蒸気圧が1×10-7Pa以上である揮散性薬剤成分であり、 前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有し、且つ前記揮散性薬剤成分が、アリルイソチオシアネートであり、 前記薬剤組成物は、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であり、 前記薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容されている、 前記開閉可能な便蓋のボウル部側に設置される、便器用衛生製品。 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和7年5月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 【請求項1】 開閉可能な便蓋を有する便器に使用される便器用衛生製品であって、 薬剤成分を放出させる薬剤組成物を含み、 前記薬剤成分が、25℃における蒸気圧が1×10-7Pa以上である揮散性薬剤成分であり、 前記揮散性薬剤成分が、アリルイソチオシアネート、及びオゾンよりなる群から選択される少なくとも1種であり、 前記薬剤組成物は、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であり、 前記開閉可能な便蓋のボウル部側に設置される、便器用衛生製品。 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「薬剤組成物」について、本件補正前の請求項1に記載された発明においては、「前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有」するとは特定されておらず、また、「薬剤組成物」が放出する「揮散性薬剤成分」について、「アリルイソチオシアネート、及びオゾンよりなる群から選択される少なくとも1種であ」るとされており、「薬剤組成物」の「収容」の態様については特定されなかったものを、「前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有」するものと特定するとともに、その選択肢の一つであった「オゾン」を削除して「アリルイソチオシアネート」に限定して「前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有し、且つ前記揮散性薬剤成分が、アリルイソチオシアネートであり、」とし、さらに、「薬剤組成物」の「収容」の態様について、「前記薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容されている」ものに特定して限定するものである。そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また、「前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有」すること及び「薬剤組成物」の「収容」の態様について、本願明細書の段落【0055】には、「揮散性薬剤成分を含む薬剤組成物を使用する場合であれば、当該薬剤組成物を収容する容器の一態様として、薬剤組成物を収容する収容部と、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルム(揮散性薬剤成分透過性フィルム)からなる放出部を有する容器が挙げられる。」と記載されており、本件補正は、新たな技術的事項を導入するものでない。 そこで、本件補正発明が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献 本補正の却下の決定では、以下の文献に言及する。 引用文献1 特開2009-127385号公報(拒絶理由で引用した引用文献) 引用文献2 特表2016-510227号公報(周知技術を示す文献) 引用文献3 特表2012-523303号公報(周知技術を示す文献) ア 引用文献1 (ア)記載事項 令和7年6月30日付け拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書に記載された拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-127385号公報(平成21年6月11日出願公開、以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。 a 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 便器本体内の便器ボウルの上面に便座及び便蓋がそれぞれ開閉自在に配置された洋式の便器を備え、便器の一部に揮発性抗菌剤を収容して保持するホルダを設けると共に便器ボウル内に臨んで揮発性抗菌剤から揮発した抗菌成分を放出する放出口を設け、該放出口を介して揮発した抗菌成分をボウル内空間に拡散可能としたことを特徴とする便器装置。 ・・・ 【請求項4】 前記揮発性抗菌剤入りのホルダを便蓋に設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の便器装置。」 b 「【0014】 図1は、請求項1に対応する実施形態であり、便器装置1は、便器本体3内の便器ボウル4の上面に便座5及び便蓋6がそれぞれ開閉自在に配置された洋式の便器2と、便器本体3の一部に設置される揮発性抗菌剤7とを備えている。便器本体3の上面後部には、給水用タンク20や局部洗浄装置等が設置されており、給水タンクからの水は便器ボウル4の上部外周のリム通水部を通って便器ボウル4の内部に吐出されるものであり、この吐出された水により排泄された汚物や汚水をサイホン作用を利用してトラップ部を経て排出管へと排出される。なお本発明でいう便器2とは、便器本体3と便座5と便蓋6まで含むものとする。 【0015】 上記便器本体3の一部には揮発性抗菌剤7を収容して保持するホルダ8を設置している。図1の例では局部洗浄装置を内蔵する機能ハウジング11内にホルダ8を設置している。また、便器ボウル4内に臨んで放出口(図示せず)が設けられており、揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7aを放出口を介してボウル内空間9に拡散させるようにしている。 【0016】 なお、放出口の形態は特に問わず、例えば便器ボウル4の喫水面よりも上方部に開口したもの、或いは、揮発性抗菌剤7から便器ボウル4内にノズルを伸ばしてその先端を放出口とするもの等、適宜に設計変更自在であり、要は便器ボウル4内に臨んで開放されているものであればよい。 【0017】 揮発性抗菌剤7としては、液体であって常温で蒸発や昇華しやすい抗菌剤、例えば、アリルイソチオシアネートやフィトンチッド(植物精油)のような揮発性抗菌性化合物が使用される。それ以外に、例えばイソチアン酸化合物、ヒノキチオール、タケ抽出オイル、シソ抽出オイル、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。 【0018】 しかして、ホルダ8内に収容保持された揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7aは放出口から便器ボウル4内に放出されて、便蓋6の閉止により形成されるボウル内空間9に揮発した抗菌成分7aが拡散して充満するようになる。これにより、便器ボウル4内での細菌やカビの増殖を抑制できる結果、微生物に起因する汚れ、ぬめり、臭気の発生を抑えることができる。さらに抗菌成分7aをボウル内空間9に長くとどめておくことで、細菌やカビの増殖をより効率的に抑制でき、便器2の清潔性を高く維持するセルフクリーニング効果が得られる。さらに、便蓋6を閉止することでボウル内空間9に面した便蓋6の裏面や便座5表面の抗菌効果も同時に得られる。」 c 「【0022】 図4は、請求項4に対応する実施形態であり、揮発性抗菌剤7を収容すると共に揮発する抗菌成分7aの吐出口8aを有するホルダ8を便蓋6に設置した場合の一例を示している。他の構成は図1或いは図2の実施形態と同様であり、対応する部位には同一符号を付しておく。本例では、ホルダ8を便蓋6に対して着脱可能としている。ここでは、便蓋6の裏面にリップ14a付き固定用部材14を取り付け、ホルダ8に上記リップ14aに掛止される固定用突起15を突設させている。しかして、ホルダ8を便蓋6に設けた固定用部材14に対してスライド取り付け式でワンタッチで固定できると共に取り外しも容易に行なうことができる。しかもホルダ8の設置に際して、便器本体3よりも便蓋6の方が空間的な制約が少ないため設置が容易となり、そのうえ便器本体3を改造する必要がないため、既製の便器への対応が容易となる。さらに図3で述べた便蓋自動開閉機構10と併用する場合においては、便器本体3側に便蓋自動開閉機構10を設置するスペースが増える分だけ、便蓋6へのホルダ8の装着は特に有効となる。」 (イ)引用発明 請求項1を引用する請求項4(上記(ア)a)及びその実施形態としての段落【0022】の「図4は、請求項4に対応する実施形態であり、揮発性抗菌剤7を収容すると共に揮発する抗菌成分7aの吐出口8aを有するホルダ8を便蓋6に設置した場合の一例を示している。他の構成は図1或いは図2の実施形態と同様であり・・・」(上記(ア)c)に着目すると、上記(ア)より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 便器本体3内の便器ボウル4の上面に便蓋6が開閉自在に配置された便器2の便蓋6に設置した揮発性抗菌剤7を収容すると共に揮発する抗菌成分7aの吐出口8aを有するホルダ8であって、(【0014】【0022】)、 揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7aを放出口を介してボウル内空間9に拡散させるようにしており、(【0015】) 揮発性抗菌剤7としては、液体であって常温で蒸発や昇華しやすい抗菌剤、例えば、アリルイソチオシアネートのような揮発性抗菌性化合物が使用され、(【0017】) ホルダ8内に収容保持された揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7aは放出口から便器ボウル4内に放出されて、便蓋6の閉止により形成されるボウル内空間9に揮発した抗菌成分7aが拡散して充満する、(【0018】) 揮発性抗菌剤7を収容すると共に揮発する抗菌成分7aの吐出口8aを有するホルダ8。(【0022】) イ 引用文献2(特表2016-510227号公報) (ア)記載事項 新たに提示する本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特表2016-510227号公報(平成28年4月7日公表、以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 a 「【0001】 本発明は、揮発性流体を連続的な方式で大気に送達するための装置に関する。より具体的には、本発明は、長期間にわたって、漏れなく、揮発性流体を大気に連続的に送達するための、蒸気透過性膜を有する、低コストの使い捨て携帯装置に関する。」 b 「【0008】 本発明の別の実施形態によると、揮発性流体を送達するための装置が提供され、該装置は、x軸と、y軸と、z軸と、を含み、該装置は、揮発性流体を収容するためのリザーバをさらに含む。装置はまた、該リザーバに封着される第1シーラント層と、該第1シーラント層に封着されるバリア層と、該バリア層に封着される構造層と、所望により、該構造層に封着される第2シーラント層と、を含む、多層半硬質シートを含み、該多層半硬質シートは、上側切り込みと、下側切り込みと、を含む区別用刻み目線をさらに含み、該上側切り込みは、該構造層の少なくとも約50%を横断する深さを該z軸に沿って有し、該下側切り込みは、該第1シーラント層の少なくとも約50%を横断する。装置はまた、該半硬質シートに熱融着される蒸気透過性膜を含む。」 c 「【0012】 本発明の装置は、芳香剤、空気清浄剤、防臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、薬剤、消毒剤、清浄薬、気分向上剤(mood enhancers)、及びアロマテラピー助剤を提供する目的、又は大気若しくは環境を調節、改良、ないしは別の方法で変えるように作用する流体を使用する任意の他の目的のために好適である。 【0013】 図1及び2を参照すると、本発明の一実施形態に従って装置10が示されている。装置10は、可撓性シート20と、刻み目線40を有する半硬質シート30と、蒸気透過性膜50と、を含む。半硬質シート30は、装置の周縁に沿って可撓性シート20に封着される第1側面33を有し、閉止パウチ、つまりリザーバ60を形成する。装置10のこの封着された周縁は、本明細書において「縁部」15と呼ばれ、約5mmの幅であってよい。図2には1つのリザーバ60が示されているが、可撓性シート20及び半硬質シート30を使用して複数のパウチを封鎖することにより形成された、複数のリザーバが設けられてもよい。半硬質シート30は、第2側面39の縁部15に沿って蒸気透過性膜50に封着される。半硬質シート30は、リザーバ60内に揮発性流体を収容して、揮発性流体が、装置10の作動前に蒸気透過性膜50と接触しないようにする。半硬質シート30は区別用刻み目線40を有して、装置10の作動時に形成される開口部の境界を誘導する。作動されると、蒸気透過性膜50は、装置10から揮発性流体を連続的に揮散させる。揮発性流体の連続的な揮散は、漏れることなく、20日まで、30日まで、60日まで、90日まで、120日まで、又は30日~90日の任意の期間を含むがこれらに限定されない任意の好適な期間であってよい。 【0014】 用語「揮発性流体」は、本明細書で使用するとき、室温及び大気圧でエネルギー源を必要とすることなく揮発可能である材料を指す。揮発性流体は、全体的に単一の揮発性流体を含む組成物であってよい。揮発性流体はまた、全体的に揮発性流体混合物(すなわち、この混合物は2種類以上の揮発性成分を有する)を含む組成物であってよい。さらに、組成物の成分物質の全てが揮発性である必要はない。液体又はエマルションを含む、任意の量又は形態の、任意の適した揮発性流体が使用され得る。 【0015】 本明細書での使用に好適な揮発性流体は、したがって担体物質(例えば、水、溶媒など)など不揮発性構成成分も有してよい。揮発性流体が本明細書において「送達される」、「揮散される」と記載されるとき、これは、その揮発性成分の揮発を指しており、その非揮発性成分が揮散される必要はないこともまた理解されるべきである。 ・・・ 【0039】 蒸気透過性膜 蒸気透過性膜50は、蒸気透過性膜50が装置10の外側にあり、大気に露出されるように、第2シーラント層38の第2側面39の縁部15に封着される。蒸気透過性膜は、揮発性蒸気が装置10から流出できるようにしつつ、揮発性流体が装置10から漏れないようにするであろう。蒸気透過性膜50は、半硬質シート30が破れたときに装置10の屈曲に耐えるために十分に可撓性である。蒸気透過性膜50はまた、流体が蒸気透過性膜50から自由に流出しないようにし、したがって、漏れの問題に対処する。」 (イ)引用文献2記載の技術事項 上記(ア)より、引用文献2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 (引用文献2記載の技術事項) 芳香剤、空気清浄剤、防臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、薬剤、消毒剤、清浄薬、気分向上剤(mood enhancers)、及びアロマテラピー助剤を提供する目的、又は大気若しくは環境を調節、改良、ないしは別の方法で変えるように作用する流体を使用する任意の他の目的のために好適である装置であって(【0012】)、 揮発性流体を連続的な方式で大気に送達するための装置(【0001】)を、 担体物質(水など)を有する揮発性流体を収容するためのリザーバと揮発性蒸気が装置10から流出できるようにしつつ、揮発性流体が装置10から漏れないようにし、漏れの問題に対処する蒸気透過性膜50を含む(【0008】、【0015】、【0039】)ものとすること。 ウ 引用文献3(特表2012-523303号公報) (ア)記載事項 新たに提示する本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特表2012-523303号公報(平成24年10月4日公表、以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。 a 「【0010】 本発明は、大気に揮発性材料を送達するための装置に関する。装置は、揮発性材料を大気に送達するための様々な用途での使用のために構成され得るということが想到される。 ・・・ 【0017】 本発明の装置は、芳香剤、空気清浄剤、防臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、医薬物質、消毒剤、清浄薬、気分向上剤(mood enhancers)、及びアロマテラピー助剤を提供する目的、又は大気又は環境を調節、改良、ないしは別の方法で変えるように作用する物質を使用するいずれかの他の目的のために好適である。本発明を詳細に説明する目的のために、しかし本発明の範囲を限定することを意図せず、本発明は、香料の原料を含有する液体を送達するためのエアフレッシュニングシステムにおいて記載される。 【0018】 図1を参照すると、本発明による装置10が示されている。装置10は、送達エンジン100及びハウジング200を含む。 【0019】 送達エンジン 図2を参照して、送達エンジン100は、幅、長さ、及び深さを、x軸、y軸、及びz軸に沿ってそれぞれ有する。送達エンジン100が小型及び/又は携帯可能であるような幅、長さ、及び深さになされてもよい。「小型」又は「携帯可能」とは、送達エンジン100は、ポケット、財布等内で便利に、かつ快適に運ぶことができるということを意味する。送達エンジン100は、使い捨て、1回限りの使用品目として、又は揮発性材料で補充されるものとして作製され得る。 【0020】 送達エンジン100は、送達エンジン100の外周囲を画定するリップ102を含むことができ、揮発性材料、並びに収集ボウル112を含むためのリザーバ110を囲み得る。送達エンジン100は、リザーバ110に固定される破裂可能な基材120と、この破裂可能な基材120に隣接して位置決めされる破裂要素130と、リップ102に固定され、破裂可能な基材120、リザーバ110、及び収集ボウル112を包囲する微多孔膜140と、を含んでもよい。 ・・・ 【0022】 リザーバ 送達エンジン100は、揮発性材料を保持するためのリザーバ110を含み得る。リザーバ110は、x軸、y軸、及びz軸に沿ってそれぞれ幅、長さ、及び深さを有してもよい。リザーバ110は、長さに対するその幅の比率が、約2:1~4:1、あるいは1.5:1~2.5:1であるという点において、細長くてもよい。リザーバ110は、約45mm~約55mm、あるいは約51mmの幅、約15mm~約30mm、あるいは約23mmまでの長さ、約5mm~約15mmまでの、あるいは約11mmの深さを有してもよい。リザーバ110の寸法は、それが、揮発性材料を含有する、約2mL~約50mLの液体を保持するようなものであってもよい。あるいは、リザーバ110は、揮発性材料を含有する、約2mL~約30mL、あるいは約2mL~約10mL、あるいは約2mL~約8mL、あるいは約4mL~約6mL、あるいは約2mL、あるいは約6mLの液体を保持してもよい。」 b 「【0038】 膜 送達エンジン100は微多孔膜140を含む。微多孔膜140は、蒸発透過性であり、液体を吸い上げることができ、更に、液体が自由に膜140の外に流れるのを防止し、したがって漏れの問題を解決する。従来のポリマーが拡散速度に依存するのに対して、微多孔膜140は、揮発性材料の拡散が液体芳香剤の蒸発によって制御されるのを可能にする。」 c 「【0126】 揮発性材料 本発明の方法は、揮発性材料を連続的な方式で大気に送達する。用語「揮発性材料」は、本明細書で使用するとき、室温及び大気圧でエネルギー源を必要とすることなく揮発可能である材料を指す。揮発性材料は、全体的に単一の揮発性材料から構成される組成物であってもよい。揮発性材料はまた、全体的に揮発性材料混合物から構成される組成物でもよい(すなわち、この混合物は2つ以上の揮発性成分を有する)。更に、組成物の成分物質の全てが揮発性である必要はない。液体、又はエマルションを含む、任意の量若しくは形体の、任意の適した揮発性材料が使用され得る。 【0127】 本明細書で使用するために好適な液体は、したがって担体物質(例えば、水、溶媒など)のような不揮発性構成成分も有してもよい。液体が本明細書において「送達される」、「揮散される」、又は「放出される」と記載されるとき、これは、その揮発性成分の揮発を指しており、及びその非揮発性成分が揮散される必要はないこともまた理解されるべきである。」 (イ)引用文献3記載の技術事項 上記(ア)より、引用文献3には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 (引用文献3記載の技術事項) 芳香剤、空気清浄剤、防臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、医薬物質、消毒剤、清浄薬、気分向上剤(mood enhancers)、及びアロマテラピー助剤を提供する目的、又は大気又は環境を調節、改良、ないしは別の方法で変えるように作用する物質を使用するいずれかの他の目的のために好適である装置(【0017】)であって、 大気に揮発性材料を送達するための装置(【0010】)を、 揮発性材料を含有し、担体物質(水など)を有する液体を保持するリザーバ110と、(【0022】、【0127】) 蒸発透過性であり、揮発性材料を拡散し、液体が自由に膜140の外に流れるのを防止し、したがって漏れの問題を解決する微多孔膜140(【0038】)を含むものとすること。 エ 周知技術 上記イ及びウより、以下の事項は周知技術(以下、単に「周知技術」という。)であると認められる。 消毒剤、清浄薬等の大気若しくは環境を調節、改良、ないしは別の方法で変えるための揮発性材料を、水を含む、液体とし、該液体を収容する収容部と、蒸発透過性の膜を有する容器に収容し、膜によって漏れに対処すること。 (3)引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「便蓋6が開閉自在に配置された便器2」は、本件補正発明の「開閉可能な便蓋を有する便器」に相当する。 イ 上記アの対比を踏まえると、引用発明の「便蓋6が開閉自在に配置された便器2」に設置され、「揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7a」を「放出」して「ボウル内空間9に拡散させる」、「揮発性抗菌剤7」及びこれを収容する「ホルダ8」は、本件補正発明の「開閉可能な便蓋を有する便器に使用される便器用衛生製品」に相当する。 ウ 引用発明の「抗菌成分7a」は、本件補正発明の「薬剤成分」に相当し、引用発明の「抗菌成分7a」を「放出」する「揮発性抗菌剤7」を構成する組成物は、本件補正発明の「薬剤成分を放出させる薬剤組成物」に相当する。 エ 引用発明において「揮発性抗菌性化合物」として「アリルイソチオシアネート」を選択したものは、本件補正発明の「前記薬剤成分が、25℃における蒸気圧が1×10-7Pa以上である揮散性薬剤成分であ」ることに相当する。また、上記ウの対比を踏まえると、本件補正発明の「前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有し、前記揮散性薬剤成分が、アリルイソチオシアネートであ」ることにも相当する。 オ 引用発明の「揮発性抗菌剤7を収容する」「ホルダ8」の揮発性抗菌剤7を収容する部分は、本件補正発明の「当該薬剤組成物を収容する収容部」に相当する。 カ 本件補正発明の「前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部」と引用発明の「揮発する抗菌成分7aの吐出口8a」とは、当該薬剤組成物から薬剤成分を容器外に放出するための「前記揮散性薬剤成分」の「放出部」の点で共通する。 キ 上記ウ、オ及びカの対比を踏まえると、本件補正発明の「前記薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容されている」ことと、引用発明の「揮発性抗菌剤7を収容する」、「揮発する抗菌成分7aの吐出口8aを有するホルダ8」が「揮発性抗菌剤7を収容する」ものであることとは、「前記薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分の放出部を有する容器に収容されている」点で共通する。 ク 引用発明において、「ホルダ8」を「揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7aを放出口を介してボウル内空間9に拡散させるように」「便蓋6に設置し」ていることは、揮発性抗菌剤7から揮発した抗菌成分7aをボウル内空間9に拡散させていることから、便蓋のボウル部側に設置されることは自明であり、本件補正発明の「開閉可能な便蓋のボウル部側に設置される」ことに相当する。 ケ 上記ア~クより、本件補正発明と引用発明とは、以下の一致点、相違点を有する。 (一致点) 開閉可能な便蓋を有する便器に使用される便器用衛生製品であって、 薬剤成分を放出させる薬剤組成物を含み、 前記薬剤成分が、25℃における蒸気圧が1×10-7Pa以上である揮散性薬剤成分であり、 前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有し、且つ前記揮散性薬剤成分が、アリルイソチオシアネートであり、 前記薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分の放出部を有する容器に収容されている、 前記開閉可能な便蓋のボウル部側に設置される、便器用衛生製品。 (相違点1) 本件補正発明は、「前記薬剤組成物は、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であ」るのに対し、引用発明は、「水を含有」するか不明であり、薬剤組成物が「液状、ゲル状、又はペースト状であ」るかも不明である点。 (相違点2) 本件補正発明は、容器の有する放出部が「前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる」ものと特定されているのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。 (4)判断 上記相違点1及び2について、あわせて検討する。 ア 周知技術の「揮発性材料」を、「水を含む、液体とし」たことは、相違点1に係る本件補正発明の「前記薬剤組成物は、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であ」ることに相当する。 イ 周知技術の「容器」が「有」する「蒸発透過性の膜」は、当該「膜」によって「揮散性薬剤成分が透過可能」とされることは明らかであるから、「前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルム」に相当する。 ウ 上記ア及びイの対比を踏まえると、周知技術が「揮発性材料を、水を含む、液体」とし、「容器」の「収容部」に収容し、当該「容器」が「蒸発透過性の膜」を有することは、相違点1及び2に係る本件補正発明の、「前記薬剤組成物は、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であ」り、容器の有する放出部が「前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる」ものであることに相当する。 エ 周知技術によれば、「水を含有し、かつ液状」の揮発性材料が容器から漏れることを抑制しつつ、揮散性薬剤成分を透過させることができるから、引用発明において、上記周知技術を採用し、薬剤組成物が「液状、ゲル状、又はペースト状であ」り、容器の有する放出部が「前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる」ものとして、相違点1及び2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (5)審判請求人の主張について ア 審判請求人の主張 審判請求人は、令和7年8月25日提出の意見書(以下、単に「意見書」という。)5.イにおいて、本願の請求項1に係る発明と引用発明1の相違点を 「相違点1:本願の請求項1に係る発明は、「前記薬剤組成物は、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であ」るのに対し、引用発明1は、「水を含有」するか不明であり、薬剤組成物が「液状、ゲル状、又はペースト状であ」るかも不明である点。 相違点2:本願の請求項1に係る発明は、「薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容されている」のに対し、引用発明1は、揮発性抗菌剤を収容するホルダの吐出口が透過性フィルムで構成されることが特定されていない点。」とした上で、相違点1及び2が当業者が容易に想到できるものではないことについて、5.ウにおいて、概略以下の主張をする。 (ア)引用文献1には、揮発性抗菌剤7を、水を含み、液状、ゲル状、又はペースト状に成型することについては開示も示唆もなく、更に、引用文献1には、揮発性抗菌剤7を収容する容器として、開口構造の吐出口8aを有するホルダ8が記載されているに過ぎず、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器については開示も示唆もないことから、引用文献1の開示内容からは、引用発明1を、便蓋に設置される揮散性薬剤組成物の形態と容器を一般的とはいえない構成に変更すること、即ち、揮発性抗菌剤7を、水を含む液状、ゲル状、又はペースト状に変更し、且つホルダ8を揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に変更することが動機付けられることにはならない。 一方、引用文献2~4には、振動が生じる部位に設置する揮散性薬剤組成物については一切開示しておらず、便蓋に設置される揮散性薬剤組成物に求められる製剤処方を示唆するものではなく、更に、引用文献2~4には、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器についても一切記載されていないことから、引用文献2~4を参酌したとしても、引用発明1において、揮発性抗菌剤7を、水を含み、液状、ゲル状、又はペースト状に成型し、且つホルダ8を揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に置換することが動機付けられることにはならない。 (イ)本願の請求項1に係る発明では、揮散性薬剤組成物の形態と容器を便蓋に設置する場合には一般的とはいえない構成、即ち、水を含む液状、ゲル状、又はペースト状である揮散性薬剤組成物を、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容するという構成を採用することにより、便器のボウル部の表面全面、リム部(裏面部を含む)、及びリム部の内部(通水部)にまでアリルイソチオシアネートが行き渡り、より一層効果的に便器を衛生的な状態にすることが可能になっている。また、本願の請求項1に係る発明では、水を含む液状、ゲル状、又はペースト状である揮散性薬剤組成物を採用していても、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器を使用することにより、便蓋の開閉時の振動による悪影響を排することができる。 イ 主張の検討 (ア)上記ア(ア)について 上記(4)の判断では、本件補正発明と引用発明との相違点として、薬剤組成物の組成(「水を含有」する点)及び形状(「液状、ゲル状、又はペースト状であ」る点)を相違点1とし、容器の有する放出部が「前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる」点を相違点2とした上で、薬剤組成物の組成及び形状を、水を含有し、かつ液状、ゲル状、又はペースト状であ」るものとすることは周知技術であると判断しているものである。そして、引用発明に周知技術を組み合わせることについては、上記(4)エのとおり判断しているのであるから、引用文献1及び引用文献2~4に揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器の記載やその採用の動機付けがないことについての主張は、上記(4)の判断を左右するものではない。 また、本願明細書において、薬剤組成物の組成は、段落【0022】に「本発明で使用される薬剤組成物は、薬剤成分を放出できる限り、その組成については、特に制限されず、薬剤成分自体を含有している態様(以下、「態様1の薬剤組成物」と表記する)、また、薬剤成分の発生源を含み、薬剤成分を発生できるように設計されている態様(以下、「態様2の薬剤組成物」と表記する)であってもよい。」と記載され、段落【0042】に「その他の成分」について「本発明で使用される薬剤組成物には、前述する成分の他に、水・・・等が含まれていてもよい。」と記載され、段落【0043】に「形状」について「本発明で使用される薬剤組成物の形状については、その組成や薬剤成分の放出方法等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、液状、ゲル状、ペースト状、錠剤状、粉末状、顆粒状等が挙げられる。」と記載され、段落【0055】、【0056】に「揮散性薬剤成分を揮散させて放出させる容器」について、「揮散性薬剤成分を含む薬剤組成物を使用する場合であれば、当該薬剤組成物を収容する容器の一態様として、薬剤組成物を収容する収容部と、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルム(揮散性薬剤成分透過性フィルム)からなる放出部を有する容器が挙げられる。」、「放出部として使用される揮散性薬剤成分透過性フィルムとしては、いわゆる香料透過性フィルムを使用でき、国際公開第98/23304号パンフレット、特開平6-219479号公報、米国特許第5,518,790号明細書等に開示されており、公知である。」と記載されるものである。 なお、「水を含有」することについては、段落【0025】~【0041】の「態様2の薬剤組成物で使用される薬剤成分の好適な例」である「二酸化塩素発生組成物の組成」として「水を含有」することについて、その含有量等について示しているが、本件補正発明は「揮散性薬剤成分」が「アリルイソチオシアネート」であって、「二酸化塩素発生組成物」ではないから、当該段落における水の技術的意義が本件補正発明に直接的に関係するものではない。 以上のとおり、本願明細書の記載を参酌しても、本件補正発明における相違点1及び2に係る構成が、上記周知技術とは異なる格別のものとはいうべき事情はない。 (イ)上記ア(イ)について 周知技術は、蒸発透過性の膜によって、液体の漏れを抑制しつつ揮散性薬剤成分を蒸発させるものであるから、トイレ蓋の裏面においても使用可能である。 また、本件補正発明の「水を含む液状、ゲル状、又はペースト状である揮散性薬剤組成物を、揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容するという構成を採用することにより、便器のボウル部の表面全面、リム部(裏面部を含む)、及びリム部の内部(通水部)にまでアリルイソチオシアネートが行き渡り、より一層効果的に便器を衛生的な状態にすることが可能にな」るとの効果は、引用発明及び周知技術から予測し得る程度のものである。 よって、審判請求人の上記主張を検討しても、上記(4)の判断は左右されない。 (6)まとめ よって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和7年8月25日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、令和7年5月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 当審において通知した最後の拒絶の理由 最後の拒絶の理由である令和7年6月30日付け拒絶理由通知書により通知した拒絶の理由は、以下の理由を含む。 理由(進歩性) この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2~4に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 1.特開2009-127385号公報 2.特開2000-86414号公報 3.特開2007-270100号公報 4.特開2017-25183号公報 3 引用文献 最後の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)アに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明において、揮散性薬剤成分の選択肢として「アリルイソチオシアネート」に加えて「オゾン」が含まれるものであり、また、本件補正発明における「前記薬剤組成物が、前記揮散性薬剤成分を含有」すること及び「薬剤組成物」の「収容」の態様についての「前記薬剤組成物が、当該薬剤組成物を収容する収容部と、前記揮散性薬剤成分が透過可能な透過性フィルムからなる放出部を有する容器に収容されている」との限定事項を削除したものである。 そうすると、揮散性薬剤成分の選択肢として「アリルイソチオシアネート」を選択したものについて、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-004178

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