商標拒絶査定不服審判
2024-001681
デイピイエス、データアンドプロフィットシェアリング、データプロフィットシェアリング
- 審判番号
- 2024-001681
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-149260
- 請求日
- 2024年01月31日
- 審決日
- 2024年05月02日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社スリーダムアライアンス
- 【請求人代理人】弁理士法人IPX
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W0935363738414245) / T18 .262-Z (W0935363738414245) / T18 .263-Z (W0935363738414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-149260拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年12月29日に出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月29日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月 6日 :意見書の提出
令和5年10月26日付け:拒絶査定
令和6年 1月31日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類、第35類ないし第38類、第41類、第42類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(8)のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1321342号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「DPS」の欧文字を横書きしてなるもの
指定商品:第6類、第7類、第9類、第11類、第12類、第17類及び第20類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成29年8月15日に存続期間の更新登録がされた商品)
登録出願日:昭和48年10月16日
設定登録日:昭和53年 2月 1日
書換登録日:平成20年 3月12日
(2)登録第3020153号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「DPS」の欧文字を横書きしてなるもの
指定役務:第35類「郵便による広告物の配布」
登録出願日:平成 4年 9月30日
設定登録日:平成 7年 1月31日
(3)登録第3142663号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「DPS」の欧文字を横書きしてなるもの
指定商品:第9類「圧力検出用検知器」
登録出願日:平成 4年10月27日
設定登録日:平成 8年 4月30日
(4)登録第3185337号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「DPS」の欧文字を横書きしてなるもの
指定役務:第42類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日:平成 4年 9月30日
設定登録日:平成 8年 8月30日
(5)登録第4352041号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成: DPS (標準文字)
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成10年 6月12日
設定登録日:平成12年 1月14日
(6)登録第4696106号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成: DPS (標準文字)
指定役務:第37類「建築一式工事,ガラス工事,建具工事,塗装工事,内装仕上工事」
登録出願日:平成14年10月23日
設定登録日:平成15年 8月 1日
(7)登録第5993575号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成: DPS (標準文字)
指定商品及び指定役務:第24類、第25類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日:平成29年 5月16日
設定登録日:平成29年11月 2日
(8)登録第6197463号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成: DPS (標準文字)
指定役務:第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日:平成30年 5月30日
設定登録日:令和 元年11月15日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、「DPS」の文字と、「Data&Profit Sharing」の文字とを、上下二段に横書きしてなるものであるところ、上段の文字は下段の文字の2倍以上の大きさで表されているものであって、また、これらはそれぞれ重なり合うことなく明らかに分離して配置され、かつ、異なる書体で表されているものであるから、視覚上、分離して看取されるものである。
そして、本願商標の構成文字全体より生じる「ディーピーエスデータアンドプロフィットシェアリング」の称呼は、相当程度冗長であるといえる。
また、本願商標構成中の「DPS」の文字は、「disintegrations per second」の略語(放射能の単位)などとして、辞書類に掲載されている語ではあるものの(出典:「ランダムハウス英和大辞典【DVD版】 第2版」株式会社小学館)、それらの意味を有する語として、また、他に何らかの特定の意味を有する語として、一般に知られているというべき事情や、本願の指定商品又は指定役務との関係においてもっぱら特定の意味に理解されるというべき事情は見当たらないことから、特定の意味合いを理解させない造語として認識されるものというのが相当である。
同様に、本願商標構成中の「Data&Profit Sharing」の文字についても、そのうち「Data」の文字が「データ、(基礎)資料」などを、「Profit」の文字が「利益」などを、それぞれ意味する語であって、また、「Sharing」の文字が「(人に)分ける」などを意味する「Share」の動名詞であるとしても(出典:同上)、それらを「&」の記号を介して結合した「Data&Profit Sharing」の文字よりは、各文字の語義を結合した漠然とした意味合いを想起させるにとどまり、具体的な意味合いが看取されるとはいえないものである。
さらに、「DPS」の文字が「Data&Profit Sharing」の略称として親しまれているといった事情も見いだせない。
そうすると、本願商標構成中、上段の「DPS」の文字が下段の「Data&Profit Sharing」の文字中の各英単語の頭文字であると理解されることがあるとしても、これらの文字全体が特定の観念を生じる等の事情も認められないことから、これらが観念的に結合しているともいえないものである。
以上のことからすれば、本願商標について、その構成文字すべてを常に一体不可分のものとして認識しなければならない理由は見いだせないものであって、その構成中、大きく表わされた「DPS」の文字部分に注目し、これをもって取引に資することも決して少なくないものというのが相当であるから、「DPS」の文字部分のみを分離抽出し、これが本願商標の自他商品役務の識別標識を表示する要部であるとして、この部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、その要部たる「DPS」の文字部分(以下「本願要部」という。)に相応した「ディーピーエス」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じないものというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、いずれも「DPS」の文字を一列に横書きしたもの、又は、同文字を標準文字で表してなるものであって、その文字よりは、上記アと同様に、特定の意味合いは理解されないものというのが相当である。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「ディーピーエス」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じないものというのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては明らかに相違するものであるが、本願要部と引用商標との比較においては、「DPS」のつづり字からなる点を共通にし、書体は異なるもののいずれもごく一般的な書体の範ちゅうで表されているものであることからすると、相当程度近似した印象を与えるものといえる。
そして、称呼においては、「ディーピーエス」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念が生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては相違があるものの、本願要部と引用商標の対比においては相当程度近似するものであり、また、称呼を共通にし、観念は比較することができないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品又は指定役務の類否について
(ア)本願の指定商品中、第9類「ヘッドセット,業務用テレビゲーム機用プログラム」は、引用商標1の指定商品中、第9類「業務用テレビゲーム機」と類似する商品である。
(イ)本願の指定役務中、第35類「商品の生産・販売事業の管理に関する指導及び助言,広告業,インターネットその他の通信ネットワーク上に於ける広告スペースの提供,マーケティング」は、引用商標2の指定役務「郵便による広告物の配布」と同一又は類似する役務である。
(ウ)本願の指定商品中、第9類「測定機械器具」は、引用商標3の指定商品「圧力検出用検知器」と同一又は類似する商品である。
(エ)本願の指定役務中、第35類「コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,ウェブサイトの作成又は保守,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析,情報技術・情報技術の構築及びインフラストラクチャー並びにコンピュータシステムの統合に関する助言及び情報の提供,コンピュータシステムとネットワークの環境設定,電子計算機システム監査,コンピュータを用いて行うデータ処理,電子データの収集・解析・分析又は保存」は、引用商標4の指定役務中、第42類「電子計算機・同関連機器を用いて行う情報処理」と類似する役務である。
(オ)本願の指定商品中、第9類「バッテリー,自動車用バッテリー,理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,太陽電池,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,コンピュータ用メモリー,ヘッドセット,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」は、引用商標5の指定商品中、第9類「理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似する商品である。
(カ)本願の指定役務中、第37類「遠隔制御装置の設置工事・保守及び修理,コンピュータシステムの設置工事,コンピュータシステム用ハードウェアの設置工事,工業用機械の設置工事,機械の設置工事に関する情報の提供,機械器具設置工事,コンピュータネットワーク用装置及び情報技術用装置の設置工事・保守及び修理,建設工事」は、引用商標6の指定役務「建築一式工事,ガラス工事,建具工事,塗装工事,内装仕上工事」と同一又は類似する役務である。
(キ)本願の指定役務中、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,文字情報の提供,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供」は、引用商標7の指定役務中、第41類「演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,映画の上映・制作又は配給,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与」と同一又は類似する役務である。
(ク)本願の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」は、引用商標8の指定役務中、第41類「小型無人機に関する知識及び技能の教授,小型無人機に関するセミナーの企画・運営・開催,小型無人機に関する書籍の制作,小型無人機に関する教育研修のための施設の提供,小型無人機に関する興行の企画・運営または開催」と同一又は類似する役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品又は指定役務は、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、過去の審決例や、引用商標に係る商標の併存登録例、その他の商標登録例を挙げて、本願商標と引用商標についても、それらと同様に非類似の商標と判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる登録例・審決例と本願とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該登録例・審決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
そして、上記(1)アのとおり、本願商標の構成中、上段の文字と下段の文字は、文字の大きさが相違すること、分離した配置であること、かつ、異なる書体で表されていること、さらに観念的なつながりもないことから、本願商標全体を常に一体不可分のものとして認識しなければならないものということはできない。そうすれば、本願要部である「DPB」の文字部分と引用商標を比較することは許されるといえるから、本願商標と引用商標とは上記(1)のとおり、類似の商標であるというべきである。
イ 請求人は、現代のネット社会では、電話による注文よりもインターネットによる注文の方が圧倒的に多いため、外観の差異が重要視されるべきできである旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記(1)のとおりであるし、また、上記(1)ウのとおり、本願要部と引用商標とは、外観上も相当程度近似した印象を与えるものであることからすれば、仮に、商標の類否を判断するに当たり、外観上の差異をやや重視したとしても、本願商標と引用商標とが類似の商標であるということに変わりはないというべきである。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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