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特許無効審判

2023-800084

電気検査の対象物と接触方式により接点を形成するための電気接点素子、並びに当該接触配列

審判番号
2023-800084
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2009-114152外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
4932871
請求日
2023年12月27日
審決日
2025年10月01日
公報発行日
2026年05月29日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1113.121-YAA(H01R)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
行政事件訴訟法46条特許法135条特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第134条の2第3項、特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第1項、特許法第29条、特許法第135条、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第4932871号発明「電気検査の対象物と接触方式により接点を形成するための電気接点素子、並びに当該接触配列」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
特許第4932871号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~32〕について訂正することを認める。
特許第4932871号の請求項1~3、7~14、17~21、24、26~32に係る特許を維持する。
特許第4932871号の請求項4~6、15~16、22~23、25に係る特許についての無効審判の請求を却下する。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由

目次 ▾ 23項目
理 由

第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨

1 請求の趣旨

「特許第4932871号の特許請求の範囲の請求項1乃至32に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求める。

2 答弁の趣旨

答弁書の「答弁の趣旨」の記載及び答弁書において訂正特許請求の範囲に記載された発明を前提とした主張をしていることから、次のとおりのものと認める。

(1)訂正を認める。

(2)本件無効審判の請求は成り立たない。

(3)審判費用は請求人の負担とする。

第2 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

2009年(平成21年)5月11日:出願(パリ条約による優先権主張 2008年(平成20年)5月9日 ドイツ連邦共和国(DE))

平成24年 2月24日:特許権の設定登録(特許第4932871号 請求項数32)
令和 5年12月27日:本件無効審判の請求
令和 6年 3月11日:審判請求書を補正する手続補正書の提出
令和 6年 9月 9日:答弁書、訂正請求書の提出
令和 6年12月 2日:訂正請求書を補正する手続補正書の提出
令和 7年 1月21日:弁駁書の提出
令和 7年 8月29日付け:書面審理通知(職権)

前記弁駁書において、請求人が、前記訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲に記載の発明にて審決が確定するのであれば、訂正特許請求の範囲に記載の発明が無効にされるべきか否かについて争わないとしたため、職権により書面審理によるものとした。

第3 訂正請求について

1 訂正請求の趣旨

「特許第4932871号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1から32について訂正する」ことを求める。

2 訂正の内容

(1)本件訂正前後の特許請求の範囲の記載

令和6年12月2日提出の手続補正書により補正された同年9月9日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許掲載公報に記載された次のアの特許請求の範囲の記載を、前記訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲に記載された次のイに訂正するものである。

ア 本件訂正前の特許請求の範囲

【請求項1】

電気的な接触に利用される二つの端部領域(2),(3)と、前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域(4)とを有する接触体(6)を備え、電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子(1)であって、

前記接触体(6)は、一つの一体型接触体であり、

前記中間領域(4)が実質的に長方形の断面を有しており、その長手方向に沿って積層される複数の層板(12)で構成され、

隣接する前記複数の層板(12)が、少なくとも一つの縦長のスリット(13)により、互いから切り離されている、又は互いに離間している

ことを特徴とする、接点素子。

【請求項2】

前記積層された中間領域(4)が、前記中間領域の長手方向に延びる少なくとも二つの層板(12)を有することを特徴とする、請求項1に記載の接点素子。

【請求項3】

少なくとも一つの接触ゾーン(16、17)の領域に一つの接触用インサートを有している、一つの多分割型接触体(6)を有することを特徴とする、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項4】

ある一定の長さLと、ある一定の幅Bと、ある一定の厚さDを有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項5】

前記接点素子(1)の長さLが、その幅Bよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項6】

前記接点素子(1)の幅Bが、その厚さDよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項7】

実質的にコンタクトストリップ(11)として構成されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項8】

前記各層板(12)がいずれも、ある一定の長さlと、ある一定の幅bと、ある一定の奥行きtとを有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項9】

任意の層板(12)の長さlが、その幅bよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項10】

任意の層板(12)の幅bが、その奥行きtよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項11】

その断面が実質的に長方形に構成されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項12】

前記各層板(12)の内の少なくともいずれか一つの断面が、実質的に長方形に構成されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項13】

その厚さDにより、前記各層板(12)の内の少なくともいずれか一つの幅bが形成されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項14】

弾性材料から成ることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項15】

前記各層板(12)が、除荷されている非接触状態、及び/又は、負荷されている接触状態にあるときには、少なくとも一つの円弧(20)を描く円弧形状(21)を有することを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項16】

前記円弧形状(21)の前記少なくとも一つの円弧(20)が、接点素子(1)の長さL及び接点素子(1)の幅Bにより定義される一つの面内に位置することを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項17】

任意の層板(12)の断面積及び/又は断面形状が、その長手方向に沿って異なることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項18】

前記各層板(12)の断面積及び/又は断面形状が互いに異なることを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項19】

一方の端部領域、特に被検物側の端部領域(2)が、接点素子(1)の幅Bに関して、その中心線からずれたところに位置する一つの第1の接触ゾーン(16)を有することを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項20】

他方の端部領域(3)が、接点素子(1)の幅Bに関して、その中心線上に位置する一つの第2の接触ゾーン(17)を有することを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項21】

前記第1及び/又は第2の接触ゾーン(16、17)が、一つ乃至は各一つの、二つの辺部から先細りする接点尖端(18、19)を有することを特徴とする、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項22】

二つの長辺(7、8)を有しており、その内の一方がクランク状に屈曲しており、前記一方の端部領域(2)の側方へのオフセットを構成することを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項23】

前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部(15)が形成されることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項24】

一つの電気絶縁コーティング及び/又は一つの接触用コーティングが施されている、少なくとも一つの部分を有することを特徴とする、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項25】

前記両端部領域(2、3)の内の少なくとも一方が、前記円弧形状(21)の前記円弧(20)が延びる向きとは逆向きに延びる一つの湾曲部及び/又は傾斜部を有することを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項26】

前記両端部領域(2、3)の内の少なくとも一方が、特に前記中心線からずれたところに位置する方の端部領域(2)が、実質的に長方形の断面を有することを特徴とする、請求項1乃至25のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項27】

前記各層板(12)が、異なる長さl及び/又は異なる円弧形状を有することを特徴とする、請求項1乃至26のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項28】

電気的な接触配列であって、請求項1乃至27のいずれか一項又は複数に記載の少なくとも一つの接点素子(1)と、一つの接点素子ブラケット(23)とを有しており、前記接点素子ブラケット(23)が、前記接点素子(1)用の互いに離間して配置される少なくとも二つのガイド(24)を有しており、その内の少なくとも一つが、前記接点素子(1)により貫通されるようになっている一つのガイド孔(26)を有している、接触配列。

【請求項29】

前記各ガイド孔(26)の内の少なくとも一つが、実質的に長方形の断面を有することを特徴とする、請求項28に記載の接触配列。

【請求項30】

前記長方形の断面を有するガイド孔(26)が四つのガイド孔壁面を有しており、その内、一つの第1のガイド孔壁面(28)が、一つの第2のガイド孔壁面(29)と対向していることを特徴とする、請求項28又は29に記載の接触配列。

【請求項31】

前記接点素子(1)が、除荷されている非接触状態にあるときには、前記接点素子(1)の前記両長辺(8、7)の内の一方が、前記第1のガイド孔壁面(28)の一つの地点に当接し、かつ前記接点素子(1)の両長辺(8、7)の内の他方が、前記第2のガイド孔壁面(29)の一つの地点に当接するように、前記ガイド孔(26)の内部に保持されること、またその際には前記両地点が、軸方向にある一定の距離を有することを特徴とする、請求項28乃至30のいずれか一項に記載の接触配列。

【請求項32】

前記接点素子(1)が、負荷された接触状態にあるときには、その前の前記除荷状態にあったときには前記第1のガイド孔壁面(28)の前記地点に当接していた方の前記接点素子(1)の長辺(8、7)が、今では前記第1のガイド孔壁面(28)の一つの別の地点に当接し、かつそれまでは前記第2のガイド孔壁面(29)の前記地点に当接していた方の長辺(7、8)が、今では前記第2のガイド孔壁面(29)の一つの別の地点に当接するように、前記ガイド孔(26)の内部に保持されることを特徴とする、請求項28乃至31のいずれか一項に記載の接触配列。

イ 本件訂正後の特許請求の範囲(下線は、訂正箇所を示すため、被請求人が付したものである。)

【請求項1】

電気的な接触に利用される二つの端部領域(2),(3)と、前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域(4)とを有する接触体(6)を備え、電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子(1)であって、

前記接触体(6)は、一つの一体型接触体であり、

前記中間領域(4)が実質的に長方形の断面を有しており、その長手方向に沿って積層される複数の層板(12)で構成され、

隣接する前記複数の層板(12)が、少なくとも一つの縦長のスリット(13)により、互いから切り離されている、又は互いに離間しており、

前記電気接点素子(1)は、ある一定の長さLと、ある一定の幅Bと、ある一定の厚さDを有し、

前記電気接点素子(1)の長さLが、その幅Bよりも大きく、

前記電気接点素子(1)の幅Bが、その厚さDよりも大きく、

前記各層板(12)が、除荷されている非接触状態、及び/又は、負荷されている接触状態にあるときには、少なくとも一つの円弧(20)を描く円弧形状(21)を有し、

前記円弧形状(21)の前記少なくとも一つの円弧(20)が、接点素子(1)の長さL及び接点素子(1)の幅Bにより定義される一つの面内に位置し、

前記電気接点素子(1)は、二つの長辺(7、8)を有し、その内の一方がクランク状に屈曲しており、それにより前記一方の端部領域(2)の側方へのオフセットを構成し、前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部(15)が形成され、

前記側方へのオフセットを有する前記端部領域(2)が、前記円弧形状(21)の前記円弧(20)が延びる向きとは逆向きに延びる一つの湾曲部及び/又は傾斜部を有する

ことを特徴とする、接点素子。

【請求項2】

前記積層された中間領域(4)が、前記中間領域の長手方向に延びる少なくとも二つの層板(12)を有することを特徴とする、請求項1に記載の接点素子。

【請求項3】

少なくとも一つの接触ゾーン(16、17)の領域に一つの接触用インサートを有している、一つの多分割型接触体(6)を有することを特徴とする、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項4】

(削除)

【請求項5】

(削除)

【請求項6】

(削除)

【請求項7】

実質的にコンタクトストリップ(11)として構成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項8】

前記各層板(12)がいずれも、ある一定の長さlと、ある一定の幅bと、ある一定の奥行きtとを有することを特徴とする、請求項1乃至3、および7のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項9】

任意の層板(12)の長さlが、その幅bよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至3、7および8のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項10】

任意の層板(12)の幅bが、その奥行きtよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至3、および7乃至9のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項11】

その断面が実質的に長方形に構成されることを特徴とする、請求項1乃至3、および7乃至10のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項12】

前記各層板(12)の内の少なくともいずれか一つの断面が、実質的に長方形に構成されることを特徴とする、請求項1乃至3、および7乃至11のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項13】

その厚さDにより、前記各層板(12)の内の少なくともいずれか一つの幅bが形成されることを特徴とする、請求項1乃至3、および7乃至12のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項14】

弾性材料から成ることを特徴とする、請求項1乃至3、および7乃至13のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項15】

(削除)

【請求項16】

(削除)

【請求項17】

任意の層板(12)の断面積及び/又は断面形状が、その長手方向に沿って異なることを特徴とする、請求項1乃至3、および7乃至14のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項18】

前記各層板(12)の断面積及び/又は断面形状が互いに異なることを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、および17のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項19】

一方の端部領域、特に被検物側の端部領域(2)が、接点素子(1)の幅Bに関して、その中心線からずれたところに位置する一つの第1の接触ゾーン(16)を有することを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、17、および18のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項20】

他方の端部領域(3)が、接点素子(1)の幅Bに関して、その中心線上に位置する一つの第2の接触ゾーン(17)を有することを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、および17乃至19のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項21】

前記第1及び/又は第2の接触ゾーン(16、17)が、一つ乃至は各一つの、二つの辺部から先細りする接点尖端(18、19)を有することを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、および17乃至20のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項22】

(削除)

【請求項23】

(削除)

【請求項24】

一つの電気絶縁コーティング及び/又は一つの接触用コーティングが施されている、少なくとも一つの部分を有することを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、および17乃至21のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項25】

(削除)

【請求項26】

前記両端部領域(2、3)の内の少なくとも一方が、特に前記中心線からずれたところに位置する方の端部領域(2)が、実質的に長方形の断面を有することを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、17乃至21、および24のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項27】

前記各層板(12)が、異なる長さl及び/又は異なる円弧形状を有することを特徴とする、請求項1乃至3、7乃至14、17乃至21、24、および26のいずれか一項に記載の接点素子。

【請求項28】

電気的な接触配列であって、請求項1乃至3、7乃至14、17乃至21、24、26、および27のいずれか一項又は複数に記載の少なくとも一つの接点素子(1)と、一つの接点素子ブラケット(23)とを有しており、前記接点素子ブラケット(23)が、前記接点素子(1)用の互いに離間して配置される少なくとも二つのガイド(24)を有しており、その内の少なくとも一つが、前記接点素子(1)により貫通されるようになっている一つのガイド孔(26)を有している、接触配列。

【請求項29】

前記各ガイド孔(26)の内の少なくとも一つが、実質的に長方形の断面を有することを特徴とする、請求項28に記載の接触配置。

【請求項30】

前記長方形の断面を有するガイド孔(26)が四つのガイド孔壁面を有しており、その内、一つの第1のガイド孔壁面(28)が、一つの第2のガイド孔壁面(29)と対向していることを特徴とする、請求項28又は29に記載の接触配置。

【請求項31】

前記接点素子(1)が、除荷されている非接触状態にあるときには、前記接点素子(1)の前記両長辺(8、7)の内の一方が、前記第1のガイド孔壁面(28)の一つの地点に当接し、かつ前記接点素子(1)の両長辺(8、7)の内の他方が、前記第2のガイド孔壁面(29)の一つの地点に当接するように、前記ガイド孔(26)の内部に保持されること、またその際には前記両地点が、軸方向にある一定の距離を有することを特徴とする、請求項28乃至30のいずれか一項に記載の接触配列。

【請求項32】

前記接点素子(1)が、負荷された接触状態にあるときには、その前の前記除荷状態にあったときには前記第1のガイド孔壁面(28)の前記地点に当接していた方の前記接点素子(1)の長辺(8、7)が、今では前記第1のガイド孔壁面(28)の一つの別の地点に当接し、かつそれまでは前記第2のガイド孔壁面(29)の前記地点に当接していた方の長辺(7、8)が、今では前記第2のガイド孔壁面(29)の一つの別の地点に当接するように、前記ガイド孔(26)の内部に保持されることを特徴とする、請求項28乃至31のいずれか一項に記載の接触配列。

(3)本件訂正の内容

特許請求の範囲の請求項1に

「電気的な接触に利用される二つの端部領域(2),(3)と、前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域(4)とを有する接触体(6)を備え、電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子(1)であって、
前記接触体(6)は、一つの一体型接触体であり、
前記中間領域(4)が実質的に長方形の断面を有しており、その長手方向に沿って積層される複数の層板(12)で構成され、
隣接する前記複数の層板(12)が、少なくとも一つの縦長のスリット(13)により、互いから切り離されている、又は互いに離間している
ことを特徴とする、接点素子。」と記載されているのを
「電気的な接触に利用される二つの端部領域(2), (3)と、前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域(4)とを有する接触体(6)を備え、電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子(1)であって、
前記接触体(6)は、一つの一体型接触体であり、
前記中間領域(4)が実質的に長方形の断面を有しており、その長手方向に沿って積層される複数の層板(12)で構成され、
隣接する前記複数の層板(12)が、少なくとも一つの縦長のスリット(13)により、互いから切り離されている、又は互いに離間しており、
続きを表示(全12行)
前記電気接点素子(1)は、ある一定の長さLと、ある一定の幅Bと、ある一定の厚さDを有し、
前記電気接点素子(1)の長さLが、その幅Bよりも大きく、
前記電気接点素子(1)の幅Bが、その厚さDよりも大きく、
前記各層板(12)が、除荷されている非接触状態、及び/又は、負荷されている接触状態にあるときには、少なくとも一つの円弧(20)を描く円弧形状(21)を有し、
前記円弧形状(21)の前記少なくとも一つの円弧(20)が、接点素子(1)の長さL及び接点素子(1)の幅Bにより定義される一つの面内に位置し、
前記電気接点素子(1)は、二つの長辺(7、8)を有し、その内の一方がクランク状に屈曲しており、それにより前記一方の端部領域(2)の側方へのオフセットを構成し、前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部(15)が形成され、
前記側方へのオフセットを有する前記端部領域(2)が、前記円弧形状(21)の前記円弧(20)が延びる向きとは逆向きに延びる一つの湾曲部及び/又は傾斜部を有する
ことを特徴とする、接点素子。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2~32も同様に訂正するものである)

3 一群の請求項について

本件訂正前の請求項1~32について、請求項2~32がそれぞれ請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあって、本件訂正によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。

したがって、本件訂正は、特許法第134条の2第3項に規定する一群の請求項である請求項〔1~32〕について請求をするものである。

4 訂正の適否についての判断

(1)訂正事項1について

ア 訂正の目的

訂正事項1に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項1における電気接点素子について

「前記電気接点素子(1)は、ある一定の長さLと、ある一定の幅Bと、ある一定の厚さDを有し、
前記電気接点素子(1)の長さLが、その幅Bよりも大きく、
前記電気接点素子(1)の幅Bが、その厚さDよりも大きく、
前記各層板(12)が、除荷されている非接触状態、及び/又は、負荷されている接触状態にあるときには、少なくとも一つの円弧(20)を描く円弧形状(21)を有し、
前記円弧形状(21)の前記少なくとも一つの円弧(20)が、接点素子(1)の長さL及び接点素子(1)の幅Bにより定義される一つの面内に位置し、
前記電気接点素子(1)は、二つの長辺(7、8)を有し、その内の一方がクランク状に屈曲しており、それにより前記一方の端部領域(2)の側方へのオフセットを構成し、前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部(15)が形成され、
前記側方へのオフセットを有する前記端部領域(2)が、前記円弧形状(21)の前記円弧(20)が延びる向きとは逆向きに延びる一つの湾曲部及び/又は傾斜部を有する」ことをさらに特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項1に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項1における電気接点素子について、概念的により下位のものに限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

本件訂正前の特許請求の範囲には、

「【請求項4】
ある一定の長さLと、ある一定の幅Bと、ある一定の厚さDを有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項5】
前記接点素子(1)の長さLが、その幅Bよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項6】
前記接点素子(1)の幅Bが、その厚さDよりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項15】
前記各層板(12)が、除荷されている非接触状態、及び/又は、負荷されている接触状態にあるときには、少なくとも一つの円弧(20)を描く円弧形状(21)を有することを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項16】
前記円弧形状(21)の前記少なくとも一つの円弧(20)が、接点素子(1)の長さL及び接点素子(1)の幅Bにより定義される一つの面内に位置することを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項22】
二つの長辺(7、8)を有しており、その内の一方がクランク状に屈曲しており、前記一方の端部領域(2)の側方へのオフセットを構成することを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項23】
前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部(15)が形成されることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の接点素子。」、
「【請求項25】
前記両端部領域(2、3)の内の少なくとも一方が、前記円弧形状(21)の前記円弧(20)が延びる向きとは逆向きに延びる一つの湾曲部及び/又は傾斜部を有することを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の接点素子。」と記載されている。

そうすると、訂正事項1に係る本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(2)訂正事項2について

ア 訂正の目的

訂正事項2に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項2に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項4を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項2に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項4を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(3)訂正事項3について

ア 訂正の目的

訂正事項3に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項3に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項5を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項3に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項5を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(4)訂正事項4について

ア 訂正の目的

訂正事項4に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項4に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項6を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項4に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項6を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(5)訂正事項5について

ア 訂正の目的

訂正事項5に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項7において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項5に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項7において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項5に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項7において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(6)訂正事項6について

ア 訂正の目的

訂正事項6に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項8において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項6に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項8において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項6に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項8において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(7)訂正事項7について

ア 訂正の目的

訂正事項7に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項9において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項7に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項9において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項7に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項9において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(8)訂正事項8について

ア 訂正の目的

訂正事項8に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項10において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項8に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項10において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項8に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項10において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(9)訂正事項9について

ア 訂正の目的

訂正事項9に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項11において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項9に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項11において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項9に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項11において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(10)訂正事項10について

ア 訂正の目的

訂正事項10に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項12において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項10に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項12において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項10に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項12において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(11)訂正事項11について

ア 訂正の目的

訂正事項11に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項13において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項11に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項13において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項11に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項13において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(12)訂正事項12について

ア 訂正の目的

訂正事項12に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項14において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項12に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項14において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項12に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項14において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(13)訂正事項13について

ア 訂正の目的

訂正事項13に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項15を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項13に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項15を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項13に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項15を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(14)訂正事項14について

ア 訂正の目的

訂正事項14に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項16を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項14に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項16を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項14に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項16を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(15)訂正事項15について

ア 訂正の目的

訂正事項15に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項17において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項15に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項17において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項15に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項17において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(16)訂正事項16について

ア 訂正の目的

訂正事項16に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項18において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項16に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項18において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項16に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項18において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(17)訂正事項17について

ア 訂正の目的

訂正事項17に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項19において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項17に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項19において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項17に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項19において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(18)訂正事項18について

ア 訂正の目的

訂正事項18に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項20において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項18に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項20において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項18に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項20において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(19)訂正事項19について

ア 訂正の目的

訂正事項19に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項21において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項19に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項21において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項19に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項21において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(20)訂正事項20について

ア 訂正の目的

訂正事項20に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項22を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項20に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項22を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項20に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項22を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(21)訂正事項21について

ア 訂正の目的

訂正事項21に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項23を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項21に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項23を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項21に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項23を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(22)訂正事項22について

ア 訂正の目的

訂正事項22に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項24において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項22に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項24において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項22に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項24において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(23)訂正事項23について

ア 訂正の目的

訂正事項23に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項25を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項23に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項25を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項23に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項25を削除するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(24)訂正事項24について

ア 訂正の目的

訂正事項24に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項26において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項24に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項26において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項24に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項26において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(25)訂正事項25について

ア 訂正の目的

訂正事項25に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項27において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項25に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項27において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項25に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項27において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(26)訂正事項26について

ア 訂正の目的

訂正事項26に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項28において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か

訂正事項26に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項28において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 新規事項の追加の有無

訂正事項26に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項28において、引用している請求項の引用請求項数を削減するものであり、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものである。

(27)独立特許要件について

本件特許無効審判の請求は、全ての請求項を対象としているので、本件訂正に関して、特許法第134条の2第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(28)請求人の主張について

請求人は、弁駁書において、「令和6年9月9日付け訂正請求書に添付された特許請求の範囲に記載の発明(以下、「訂正発明」という。)にて審決が確定するのであれば、請求人は本無効審判において訂正発明に係る特許が無効にされるべきか否かについて争わない。」としており、訂正要件について争っていない。

5 小括

以上のとおりであるから、本件訂正事項1~26は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第9項で準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するから、本件訂正を認める。

第4 本件発明

前記第2のとおり本件訂正の請求による請求項1~32についての訂正は認められるから、本件特許の請求項1~32に係る発明(以下、各請求項に係る発明を「本件発明1」などという。)は、それぞれ、訂正特許請求の範囲の請求項1~32に記載された事項(上記第3の2(1)イ)により特定されるとおりのものである。

第5 請求人の主張及び証拠方法

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1 請求人の主張の概要

本件訂正前の本件特許の請求項1~32に係る発明は、以下のとおり、甲第1~8号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

(1)無効理由1

本件訂正前の請求項1、2、4、5、8~16、18~24、26、27に係る発明は、甲1号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項1、2、4~11、23、29、30に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲2号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項3、11、17に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲3号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項11、24に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲4号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項17、21、24、28~30に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲5号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項23に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲6号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項25に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲7号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

本件訂正前の請求項28、31、32に係る発明は、甲1号証記載の発明及び甲8号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

(2)無効理由2

本件訂正前の請求項1~4、8、27に係る発明は、甲3号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許を受けることができない。

2 証拠方法

請求人は、証拠方法として、審判請求書に甲第1号証~甲第8号証を添付して提出した。(以下、甲第1号証~甲第8号証をそれぞれ「甲1」~「甲8」という。)

甲第1号証:米国特許出願公開第2006/0170440号明細書
甲第2号証:米国特許出願公開第2005/0110506号明細書
甲第3号証:米国特許出願公開第2006/0238209号明細書
甲第4号証:特開昭49-91582号公報
甲第5号証:特開2000-214182号公報
甲第6号証:特開昭52-155388号公報
甲第7号証:米国特許出願公開第2002/0113612号明細書
甲第8号証:米国特許第6529021号明細書

第6 被請求人の主張の概要

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1 主張1

(1)本件発明1~2、8~10、12~14、18~20、26、27に係る発明は、甲第1号証記載の発明から当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(2)本件発明1~2、7~8、10、29~30に係る発明は、甲第2号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(3)本件発明3に係る発明は、甲第3号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(4)本件発明11に係る発明は、甲第2号証記載の発明、甲第3号証記載の発明、および甲第4号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(5)本件発明17に係る発明は、甲第3号証記載の発明または甲第5号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(6)本件発明21に係る発明は、甲第5号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(7)本件発明24に係る発明は、甲第4号証記載の発明または甲第5号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(8)本件発明28に係る発明は、甲第1号証記載の発明および甲第5号証記載の発明から当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2 項の規定に違反して特許されたものではない。

(9)本件発明28に係る発明は、甲第1号証記載の発明および甲第8号証記載の発明から当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(10)本件発明29、30に係る発明は、甲第2号証記載の発明または甲第5号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

(11)本件発明31、32に係る発明は、甲第8号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することにより当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

2 主張2

(1)本件発明1~2、8、27に係る発明は、甲第3号証記載の発明から当業者が容易に発明できたものではなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではない。

第7 当審合議体の判断

当審合議体は、以下に示すとおり、無効理由のいずれについても理由がないものと判断する。(本件発明2~32は、本件発明1を引用することから、本件発明1の新規性・進歩性について、判断を示す。)

1 引用発明

(1)甲1

ア 甲1には、以下の記載がある。(括弧内に請求人が提出した甲1訳文を付記する。)

段落【0004】

「A probe card for probing on integrated circuits comprises a plurality of vertical probes. A probe card uses the probes to electrically connect the bumps (pads) of the IC devices to a tester for transmitting test signal. The conventional probes of a probe card have a curved shape, and are made from metal wires through a mechanical machining process. When the probes of a probe card touched the pads (bumps) of the device under test, the curved structure of each probe absorbs the pressure, and therefore the probes are maintained positively contacted on the bumps (pads) of device under test.」

(集積回路上でプローブを行うプローブブカードは、複数の垂直型プローブを備える。プローブカードは、プローブを用いてICデバイスのバンプ(パッド)とテスターとを電気的に接続し、テスト信号を送信する。従来のプローブカードのプローブは湾曲した形状を有し、機械加工により金属ワイヤから製作される。プローブカードのプローブが被試験デバイスのパッド(バンプ)に接触すると、各プローブの湾曲構造が圧力を吸収するため、プローブは被試験デバイスのバンプ(パッド)に確実に接触した状態をそのまま維持できる。)

段落【0030】

「Referring to FIGS. 2-4 and FIG. 1 again, the probes 18 are respectively made from electrically conductive materials, such as nickel, palladium, magnesium, copper, beryllium, cobalt, rhodium or their alloys, each comprising a post-like foot 20, a tip 22, and a middle body portion 24 connected between the post-like foot 20 and the tip 22. The post-like foot 20 can be made having a circular, rectangular, or polygonal cross section. The post-like foot 20 is formed integral with the top surface of the plate-like base 16. The tip 22 has a conical top end, which has a diameter gradually reducing from the bottom side (the side connected to the middle body portion 24) toward the top side (the side remote from the middle body portion 24). The middle body portion 24 can be made having the shape of a round rod or flat plate. The area of the cross section of the middle body portion 24 is smaller than the area of the cross section of the post-like foot 20 and the area of the cross section of the bottom side of the tip 22. The height of the middle body portion 24 is greater than the height of the post-like foot 20. The middle body portion 24 is coaxially formed integral with the top surface of the post-like foot 20. The tip 22 is formed integral with the top end of the middle body portion 24. The conical top end of the tip 22 is adapted for touching at the pad (bumps) of device 26 under test.」

(図2~4及び再度図1を参照すると、プローブ18はそれぞれ、ニッケル、パラジウム、マグネシウム、銅、ベリリウム、コバルト、ロジウム、又はそれらの合金などの導電性材料から作製され、それぞれが柱状足部20、先端部 22、柱状足部20と先端部22との間に接続された中胴部24を備える。柱状足部20は、円形、長方形、又は多角形の断面を有するように作製することができる。柱状足部20は、板状基部16の上面に一体に形成されている。先端部22は、下端側(中胴部24に接続される側)から上端側(中胴部24から遠い側)に向かって漸次縮径する円錐状の上端を有する。中胴部24は、丸棒状や平板状 とすることができる。中胴部24の断面の面積は、柱状足部20の断面の面積と先端部22の底面側の断面の面積より小さい。中胴部24の高さは、柱状足部20より高い。中胴部24は、柱状足部20の上面と同軸上に一体に形成されている。先端部22は、中胴部24の上端と一体に形成されている。先端部22の円錐形の上端は、被試験デバイス26のパッド(バンプ)に接触するようにできている。)

段落【0038】

「As indicated above, the invention allows adjustment of the coefficient of elasticity and locations of the probes of the probe card as well as the direction of deformation of the probes upon pressure subject to different probing requirements. Further, the invention allows batch production to simplify the fabrication and to reduce the manufacturing cost.」

(上述のとおり、本発明は、プローブカードのプローブの弾性係数と位置、並びに異なるプローブ要件に応じた圧力によるプローブの変形方向の調整を可能にするものである。更に、本発明によると、大量生産が可能となる上、製造が簡素化され、製造コストを削減し得る。)

段落【0039】

「Further, the plate-like base of the probe set of the probe card can be formed integrally in a circuit board, keeping the probes joined to the circuit board. The circuit board could be either made of materials such as ceramic based, organic based, silicon based, flexible substrate and their combinations. The probes can be made having different shapes to provide different coefficient of elasticity. FIG. 14 shows a probe 50 for vertical probe card constructed according to the second embodiment of the present invention. As illustrated, the probe 50 comprises a foot 51, a tip 52, and a middle body portion 53 connected between the foot 51 and the tip 52. The middle body portion 53 comprises two elongated sidewalls 54 arranged in parallel and spaced from each other at a distance. The middle body portion 53 has a different coefficient of elasticity relative to the aforesaid first embodiment. FIG. 15 shows a probe 55 for vertical probe card constructed according to the third embodiment of the present invention. According to this embodiment, the middle body portion 56 of the probe 55 comprises three sidewalls 57 that provide a structural strength superior to the aforesaid second embodiment. FIG. 16 shows a probe 60 for vertical probe card constructed according to the fourth embodiment of the present invention. According to this embodiment, the middle body portion 61 of the probe 60 comprises three sidewalls 62 and a connection 63 joining the sidewalls 62. This embodiment has a structural strength superior to the aforesaid second and third embodiments.」

(更に、プローブカードのプローブセットの板状基部を回路基板と一体的に形成して、プローブを回路基板に接合した状態に保つことができる。回路基板は、セラミック系、有機系、シリコン系、可撓基板、それらの組み合わせなどの材料で作製してもよい。プローブは、異なる弾性係数を得るために異なる形状を有するように作製してもよい。図14は、本発明の第2実施形態に従って構成さ垂直型プローブカード用のプローブ50を示す。図示のように、プローブ50 は、足部51、先端部52、足部51と先端部52との間に接続された中胴部53を備える。中胴部53は、互いに離隔して平行に配置された2つの細長い側壁54を備える。中胴部53は、前述の第1実施形態とは異なる弾性係数を有する。図15は、本発明の第3実施形態に従って構成された垂直型プローブカード用のプローブ55を示す。当該実施形態によれば、プローブ55の中胴部56は、前述の第2の実施形態よりも優れた構造強度を提供する3つの側壁57を備える。図16は、本発明の第4実施形態に従って構成された垂直型プローブカード用プローブ60を示す。当該実施形態によれば、プローブ60の中胴部61は、 3つの側壁62と、側壁62を結合する接続部63とを備える。当該実施形態は、 前述の第2の実施形態と第3の実施形態より優れた構造強度を有する。)

段落【0040】

「By means of changing the structure of the probe can achieve control of the direction of deformation of the probe. FIG. 17 shows a probe 65 for vertical probe card constructed according to the fifth embodiment of the present invention. According to this embodiment, the middle body portion 66 of the probe 65 comprises three sidewalls 67 that have different cross sections. When the tip 69 of the probe 65 receives a pressure, the structure of the sidewalls 67 of the middle body portion 66 controls the direction of deformation of the probe 65. The sixth embodiment of the present invention as shown in FIG. 18 is an application of the same theory. As illustrated, the middle body portion 71 of the probe 70 according to the sixth embodiment of the present invention is formed of one single sidewall connected between the foot 72 and the tip 73 biased from the central axis passing through the tip 73 and the foot 72. The position of the middle body portion 71 controls the direction of deformation of the probe 70 upon a pressure. FIG. 19 shows a probe 75 for vertical probe card constructed according to the seventh embodiment of the present invention. According to this embodiment, the middle body portion 76 of the probe 75 has a folding structure. Subject to the design of the folding status of the middle body portion 76, the direction of deformation of the probe 75 is controlled. FIG. 20 shows a probe 80 for vertical probe card constructed according to the eighth embodiment of the present invention. According to this embodiment, the top edge of the tip 81 is biased from the central axis of the probe 80 at a distance. This design also achieves the objective of changing the direction of deformation of the probe 80.」

(プローブの構造を変更することにより、プローブの変形方向を制御し得る。 図17は、本発明の第5の実施形態に従って構成された垂直型プローブカード用のプローブ65を示す。当該実施例によれば、プローブ65の中胴部66は、異なる断面を有する3つの側壁67を備える。プローブ65の先端部69に圧力がかかるとき、中胴部66の側壁67の構造がプローブ65の変形方向を制御する。図18に示す本発明の第6の実施形態は、同じ理論を応用したものである。図示されているように、本発明の第6実施形態によるプローブ70の中胴部 71は、先端部73と足部72とを通る中心軸から偏向された足部72と先端部73との間に接続された単一の側壁で形成されている。中胴部71の位置により、圧力を受けたときのプローブ70の変形の方向が制御される。図19は、 本発明の第7実施形態に従って構成された垂直型プローブカード用プローブ75を示す。本実施形態によれば、プローブ75の中胴部76は、折り畳み構造を有している。中胴部76の折り畳み状態の設計に応じて、プローブ75の変形方向が制御される。図20は、本発明の第8の実施形態に従って構成された垂直型プローブカード用のプローブ80を示す。この実施形態によれば、先端部81の上端は、プローブ80の中心軸から一定の距離を置いて付勢されている。当該設計により、プローブ80の変形方向を変更するという目的を達成できる。)

【請求項28】

「The vertical probe as claimed in claim 21, wherein said middle body portion is an elongated plate.」

(前記中胴部は細長い板状である、請求項21に記載の垂直型プローブ。)

「図4
[図:0001434536000001.jpg]
」
「図14
[図:0001434536000002.jpg]
」

イ 上記アから、甲1には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)プローブ50は、足部51と先端部52との間に配置された垂直に細長い中胴部53とを有する導電性材料から作製される部材として構成されていること(段落【0030】、図14)。足部51が、板状基部16の上面に一体に形成されること(段落【0030】)、先端部が被試験デバイス26のパッドに接触すること(段落【0030】)、中胴部は細長い板状であること(請求項28)。

(イ)プローブは、被試験デバイスと物理的に接触すること(段落【0004】、段落【0030】、図4)。

(ウ)構造物は、中胴部53が前記足部51の上面と同軸上に一体に形成されて、前記先端部52は、前記中胴部53の上端と一体に形成されていること(段落【0030】)。

(エ)垂直に細長い中胴部53が、垂直方向に沿って、互いに離隔して平行に配置された2つの側壁54を備えること(段落【0039】、図14)。

(オ)2つの側壁54は圧力がかかるとき変形すること(段落【0038】、段落【0040】、図4)。

ウ 以上から、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。

〔甲1発明〕

「板状の基板部16の上面に一体に形成され足部51と、被試験デバイス26のパッドに接触する先端部52と、
前記足部51と前記先端部52との間に配置された垂直に細長い中胴部53とを有する導電性材料から作製された部材として構成され、被試験デバイス26と物理的に接触するための垂直に細長いプローブ50であって、
前記部材は、前記中胴部53が前記足部51の上面と同軸上に一体に形成されて、前記先端部52は、前記中胴部53の上端と一体に形成されており、
垂直に細長い前記中胴部53が、垂直方向に沿って、互いに離隔して平行に配置された2つの側壁54を備え、
前記2つの側壁が圧力がかかるとき変形するプローブ50。」

(2)甲2

ア 甲2には以下の記載がある。(括弧内に請求人が提出した甲2訳文を付記する。)

段落[0060]

「With reference to FIGS. 8A to 8D, a contact probe according to an embodiment of the invention is indicated with 20.」

(図8A~8Dを参照すると、本発明の一実施形態に係る接触プローブが20で示されている。)

段落[0061]

「The contact probe 20 has a rod-shaped body 21 equipped with at least a contact end or tip 22. In particular, as seen with reference to the prior art, the contact tip 22 is in mechanical contact with a contact pad of an integrated electronic device to be tested, said integrated electronic device meanwhile being electrically contacted with a testing equipment (not shown) of which this testing head is a terminal element.」

(接触プローブ20は、少なくとも接触端又は先端22を装備したロッド状本体21を有する。特に、従来技術を参照して見てとれるとおり、接触先端22は、試験対象の集積電子デバイスの接触パッドに対して機械的に接触しており、一方で当該集積電子デバイスは、試験ヘッドが末端要素である試験装備(図示せず)と電気的に接触している。)

段落[0062]

「Moreover, for example in the case of probes for a testing head having unblocked probes, associated with a micro-contact strip or space transformer, the contact probe 20 has a second contact tip 23 towards a plurality of contact pads of this space transformer. This is given by way of non-limiting example of a testing head according to an embodiment of the invention.」

(さらに、例えば、非ブロック化プローブを有する試験ヘッド用のプローブの場合、マイクロコンタクトストリップ又はスペーストランスフォーマとの関連で、接触プローブ20は、このスペーストランスフォーマの複数の接触パッドに向かって第2の接触先端23を有する。これは、本発明の一実施形態に係る試験ヘッドの非限定的な例によって与えられる。)

段落[0064]

「In particular, the rod-shaped body 21 of the contact probe 20 has at least a first portion 21A and a second portion 21B having cross sections S1 and S2 of different profile, as shown in enlarged scale in FIG. 8B.」

(特に、接触プローブ20のロッド状本体21は、図8Bに拡大して示されるとおり、異なるプロファイルの断面S1及びS2を有した少なくとも第1の部分21A及び第2の部分21Bを有する。)

段落[0065]

「Advantageously according to an embodiment of the invention, the first cross section S1 has at least a higher dimension than a corresponding dimension of the second cross section S2, to prevent the contact probe 20 from exiting from the guide holes realized in the dies, as it will be better seen hereafter.」

(好都合なことに、本発明の一実施形態によると、第1の断面S1は、第2の断面S2の対応する寸法よりも少なくとも高い寸法を有し、以降によりよく見て取れるとおり、接触プローブ20がダイにおいて実装されたガイド穴から出るのを防ぐようにする。)

段落[0068]

「Advantageously according to an embodiment of the invention, it is possible to obtain a contact probe 20 with non-uniform cross section starting from a probe realized in a traditional way by means of a circular cross section wire. This circular cross section wire is flattened at two different thicknesses in correspondence with the portions 21A and 21B of the rod-shaped body 21 of the contact probe 20 thus obtaining a contact probe 20 having a first S1 and a second S2 substantially rectangular cross section with rounded edges.」

(好都合なことに、本発明の一実施形態によると、円形断面ワイヤによって従来のやり方で実装されたプローブから開始して、非均一な断面を備えた接触プローブ20を得ることができる。この円形断面ワイヤは、接触プローブ52のロッド状本体21の部分21A及び21Bに対応した2つの異なる厚さに平坦化されることにより、第1及び第2の縁部の丸められた略矩形の断面S1及びS2を有する接触プローブ20を得る。)

段落[0070]

「Similarly it is possible to obtain a non-uniform cross section contact probe 20 according to a further embodiment of the invention starting from a probe having a rectangular cross section and flattening a portion thereof, thus obtaining a contact probe 20 having a first S1 and a second S2 rectangular cross section, as schematically shown in FIGS. 10A and 10B and in FIGS. 10C and 10D.」

(同様に、矩形断面を有するプローブから開始して、その一部を平坦化することで、本発明のさらなる実施形態に係る非均一断面接触プローブ20を得ることにより、図10A及び10B並びに図10C及び10Dに概略的に示される通り、第1及び第2の矩形断面S1及びS2を有した接触プローブ20を得ることができる。)

段落[0080]

「Advantageously according to an embodiment of the invention, the nonuniform cross section contact probe 20 is associated with a convenient hole with different profile between an upper die 24 and a lower die 25 of the testing head, as schematically shown in FIGS. 11A and 11B. In particular, the lower die 25 has holes having a cross section SF2 whose profile substantially corresponds to the profile of the second cross section S2 of the second portion 21B of the contact probe 20, while the upper die 24 has holes having a cross section SF1 whose profile corresponds to the union of the profiles of cross sections S1 and S2 of portions 21A and 21B of the contact probe 20.」

(好都合なことに、本発明の一実施形態によると、非均一断面接触プローブ20は、図11A及び11Bに概略的に示されるとおり、試験ヘッドの上方ダイ24及び下方ダイ25の間の異なるプロファイルを備えた簡便な穴部に関連づけられる。特に、下方ダイ25は、プロファイルが接触プローブ20の第2の部分21Bの第2の断面S2のプロファイルに実質的に対応する断面SF2を有する穴部を有し、一方で下方ダイ24は、プロファイルが接触プローブ20の部分 21A及び21Bの断面S1及びS2のプロファイルの統合に対応する断面SF1を有する穴部を有する。)

段落[0082]

「In other words, the so-obtained testing head has a preferred exit direction of contact probes 20, particularly from the lower die 25 towards the upper die 24, any movement in the opposite direction being prevented by the guide holes of the lower die 24 being conveniently shaped and having at least a dimension being lower than a corresponding dimension of the section profile of the probe portion 21A.」

(換言すると、このようにして得られた試験ヘッドは、特に下方ダイ25から上方ダイ24に向かって、接触プローブ20の好適な出口方向を有し、簡便な形状を有し、少なくともプローブ部分21Aの断面プロファイルの対応する寸法よりも低い寸法を有した下方ダイ24のガイド穴によって、反対方向に移動が防止される。)

段落[0091]

「As previously seen for the existing technologies, the minimum pitch value of a device to be tested is limited by the fact that the cross section of the wire realizing contact probes is circular. In fact, the minimum pitch value is given by the diameter of guide holes increased by the thickness G1 of the separation wall between two adjacent holes, as schematically shown in FIG. 12A in the case of contact probes realized according to the prior art.」

(既存の技術について先に見られたとおり、試験対象デバイスの最短ピッチ値は、ワイヤ実装接触プローブの断面が円形であるということによって限定される。実際のところ、最短ピッチ値は、従来技術によって実装された接触プローブの場合、図12Aに概略的に示されるとおり、ガイド穴の直径が2つの隣接した穴部間の分離壁の厚さG1分増加されて与えられる。)

「図8A、図8B
[図:0001434536000003.jpg]
」
「図10A、図10B
[図:0001434536000004.jpg]
」
「図10C、図10D
[図:0001434536000005.jpg]
」
「図11A、図11B
[図:0001434536000006.jpg]
」

イ 上記アから、甲2には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)試験対象の集積電子デバイスと、電気的に接触する接触先端22、接触先端23の間に第1の部分21A及び第2の部分22Bがある接触プローブ20は一体である(段落[0060]、段落[0061]、段落[0062]、段落[0064]、段落[0068]、図8A、図8B)。

(イ)第1の矩形断面S1と第2の矩形断面S2を有する接触プローブ20である(段落[0070]、図10A、図10B、図10C、図10D)。第1の矩形断面S1と第2の矩形断面S2は、円形断面のワイヤを平平坦化することにより得られる(段落[0068])。

(ウ)下方ダイ25は、プロファイルが接触プローブ20の第2の部分21Bの第2の断面S2のプロファイルに対応する断面SF2を有する穴部を有し、上方ダイ24は、プロファイルが接触プローブ20の部分21A及び21Bの断面S1及びS2のプロファイルに対応する断面SF1を有する穴部を有することで、第1の部分21Aの2つの肩部が下方ダイ25のガイド穴に係合することによって、移動が阻止される(段落[0065]、段落[0080]、段落[0082]、図11A、図11B)。

ウ 以上から、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。

〔甲2発明〕

「電気的接触する接触先端22、接触先端23と、
接触先端22、接触先端23の間に、第1の部分21Aと第2の部分22Bを有し、試験対象の集積電子デバイスと電気的接触する接触プローブ20であって、
接触プローブ20は、一体であり、
円形断面のワイヤを平坦化することにより得られる、第1の部分21Aの第1の矩形断面S1と、第2の部分22の第2の矩形断面S2を有し、
第1の部分21Aの2つの肩部が下方ダイ25のガイド穴に係合することにより、移動が阻止される
接触プローブ20。」

(3)甲3

ア 甲3には以下の記載がある。(括弧内に請求人が提出した甲3訳文を付記する。)

段落[0002]

「Embodiments of the present invention relate to microprobes (e.g. for use in the wafer level testing of integrated circuits) and more particularly to microprobes that have a base end and a contact tip end which makes contact with an electronic component has it is compressed toward the base end. Other embodiments pertain to fabrication of such probes using electrochemical fabrication methods.」

(本発明の実施形態は、マイクロプローブに関し(例えば、集積回路のウエハレベル試験において使用される)、特に、基端と、基端に向かって圧縮される際に電子部品と接触を生じる接触先端と、を有するマイクロプローブに関する。他の実施形態は、電気機械製造法を使用したこのようなプローブの製造に関連する。)

段落[0081]

「FIGS. 4A-4I illustrate various stages in the formation of a single layer of a multi-layer fabrication process where a second metal is deposited on a first metal as well as in openings in the first metal so that the first and second metal form part of the layer. In FIG. 4A a side view of a substrate 82 is shown, onto which patternable photoresist 84 is cast as shown in FIG. 4B. In FIG. 4C a pattern of resist is shown that results from the curing, exposing, and developing of the resist. The patterning of the photoresist 84 results in openings or apertures 92(a)-92(c) extending from a surface 86 of the photoresist through the thickness of the photoresist to surface 88 of the substrate 82. In FIG. 4D a metal 94 (e.g. nickel) is shown as having been electroplated into the openings 92(a)-92(c). In FIG. 4E the photoresist has been removed (i.e. chemically stripped) from the substrate to expose regions of the substrate 82 which are not covered with the first metal 94. In FIG. 4F a second metal 96 (e.g., silver) is shown as having been blanket electroplated over the entire exposed portions of the substrate 82 (which is conductive) and over the first metal 94 (which is also conductive). FIG. 4G depicts the completed first layer of the structure which has resulted from the planarization of the first and second metals down to a height that exposes the first metal and sets a thickness for the first layer. In FIG. 4H the result of repeating the process steps shown in FIGS. 4B-4G several times to form a multi-layer structure are shown where each layer consists of two materials. For most applications, one of these materials is removed as shown in FIG. 4I to yield a desired 3-D structure 98 (e.g. component or device).」

(図4A~4Iは、多層製造プロセスにおける単層の形成における種々の段階を示しており、第2の金属は、第1の金属上と、第1の金属の開口中に蒸着されることで、第1及び第2の金属がその層の一部を形成するようにする。図4Aにおいて、基板82の側面図が示されており、その上には、図4Bに示されるとおり、パターン化可能なフォトレジスト84が鋳造される。図4Cにおいて、レジストのパターンは、レジストの効果、露光、及び現像によって得られることが示されている。フォトレジスト84のパターニングにより、結果として、フォトレジストの表面86からフォトレジストの厚さを通じて基板82の表面88まで延設された開口又は隙間92(a)~92(c)を生じる。図4Dにおいて、金属94(例えば、ニッケル)が、開口92(a)~92(c)内に電気めっきされたものとして示されている。図4Eにおいて、フォトレジストは、第1の金属94で被覆されていない基板82の領域を露出するために、基板から除去されている(すなわち、化学的に剥離されている)。図4Fにおいて、第2の金属96(例えば、銀)は、基板92(導電性)の露出部分全体の上方、及び第1の金属94(こちらも導電性)の上方で、ブランケット電気めっきされたものとして示されている。図4Gは、第1の金属を露出して第1の層の厚さを設定する高さまで第1及び第2の金属の平面化を行った結果として得られた構造の完成された第1の層を描いている。図4Hにおいて、多層構造を形成するために図4B~4Gに示されるプロセスステップを数回繰り返した結果が示されており、各層は2つの材料からなる。ほとんどの用途において、これらの材料のうちの1 つが、図4Iに示されるように除去され、所望の3-D構造98(例えば、構成要素又はデバイス)を生じる。)

段落[0082]

「Various embodiments of various aspects of the invention are directed to formation of three-dimensional structures from materials some of which may be electrodeposited or electroless deposited. Some of these structures may be formed form a single layer of one or more deposited materials while others are formed from a plurality of layers of deposited materials (e.g. 2 or more layers, more preferably five or more layers, and most preferably ten or more layers). In some embodiments structures having features positioned with micron level precision and minimum features size on the order of tens of microns are to be formed. In other embodiments structures with less precise feature placement and/or larger minimum features may be formed. In still other embodiments, higher precision and smaller minimum feature sizes may be desirable.」

(本発明の種々の態様の種々の実施形態は、電気蒸着又は無電解蒸着され得る材料から3次元構造を形成することに関する。これらの構造の一部は、1つ以上の蒸着材料の単一層から形成されてもよく、また他のものは、蒸着材料の複数の層(例えば、2つ以上の層、好ましくは5つ以上の層、最も好ましくは10 個以上の層)から形成される。いくつかの実施形態において、ミクロンレベルの精密さで位置決めされた特徴と数十ミクロンオーダーの最小特徴サイズとを有する構造が形成されなければならない。他の実施形態において、特徴配置の精密さが低く、及び/又は、より大きな最小特徴を有する構造が形成され得る。さらに他の実施形態において、より高い精密さとより小さな最小特徴サイズとが望まれることがある。)

段落[0085]

「A first group of embodiments of the invention are directed to #staircase# probes, or #staircase# compliant contact elements. Two examples of simple staircase probes are shown in FIGS. 5A and 5B. These probes have a sloped elongated aspect with periodic discrete offsets. These probes 102 and 112, respectively in FIGS. 5A and 5B, have base ends 104 and 114 which may be bonded to a substrate (not shown) and contact, or tip, ends 106 and 116 which may function as contact elements or to which contact ends may be adhered (e.g. by forming on, by being formed on, or by bonding thereto). Connecting these end elements are a plurality of stepped elements 108 and 118. As may be seen from the lower steps in FIG. 5A, the steps may be defined simply by blocks that are offset (in the x-direction) from adjacent lower and adjacent higher blocks by a portion of their width. From the upper steps in FIG. 5A it may be seen that a more complex structure may also, or alternatively, exist. The upper steps indicate the horizontally offset elements are not connected directly to one another but instead are connected by a narrower vertical bridging element 109.」

(本発明の第1の群の実施形態は、「階段」プローブ又は「階段」適合接触要素に関する。単一の階段プローブの2つの例が、図5A及び5Bに示されている。これらのプローブは、周期的な具体的オフセットを備えた傾斜長尺態様を有する。図5A及び5Bにおけるこれらのプローブ102及び112は、接触要素として機能し得る、又は接触端部が(その上に形成することにより、その上に形成されることにより、又はそこに接合することにより)接着され得る、基板(図示せず)及び接触又は先端端部106及び116に接合され得る基端104及び114を有する。これらの端部要素を接続するのは、複数の段差要素108 及び118である。図5Aにおいて下方ステップから見て取れるように、ステップは、それらの幅の一部によって隣接する下方ブロック及び隣接する上方ブロックから(x方向に)オフセットされたブロックによって単に規定され得る。図5Aにおける上方ステップからは、より複雑な構造も、又は代替として存在し得ることが見て取れる。上方ステップは、水平方向にオフセットした要素が互いに直接接続されるのではなく、代わりにより狭い垂直方向のブリッジ要素109によって接続されることを示している。)

段落[0121]

「FIG. 31 provides a side view of a three probe array of probe elements 392 each having unaligned mounting and contact positions (i.e. the mounting positions and the contact positions of each probe are not located along a vertical line) as well as having a longer and a shorter curved arms 394 and 396 connected to a linear bar 398 that supports a probe tip 400. When a compressive force is applied to the tip, the longer and short arms cause a different amount of horizontal displacement which cause a tilting of the probe tip 400 which in turn may cause lateral motion of the tip which may result in scrubbing of a contact pad to which the tip is contacted.」

(図31は、各々、非整列搭載及び接触位置を有し(すなわち、各プローブの搭載位置及び接触位置が垂直線に沿って配置されない)、且つプローブ先端400を支持する直線バー398に接続された長短の湾曲アーム394及び396を有する、プローブ要素392の3つのプローブアレイの側面図を提供する。圧縮力が先端に付与されるとき、長短のアームは、異なる量の水平方向変位を生じ、これがプローブ先端400の傾斜を生じ、ひいては先端の横方向の動きを生じ、結果として先端が接触する接触パッドのスクラビングを生じ得る。)

「図31
[図:0001434536000007.jpg]
」

イ 上記アから、甲3には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)集積回路のウエハレベル試験において使用される、電子部品と接触を生じる接触先端を有するプローブであること段落[0002])。

(イ)基端及び接触先端400と、基端と接触先端400に接続された湾曲アーム394及び396とを有する複合バネ構造として構成されたプローブ要素392であって、プローブ要素392は一体であること(段落[0081]、段落[0082]、段落[0085]、段落[0121]、図31)。

ウ 以上から、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。

〔甲3発明〕

「電子部品と接触において使用される基端及び接触先端400と
基端と接触先端400に接続された湾曲アーム394及び396とを有する複合バネ構造として構成され、集積回路のウエハレベル試験のため電子部品と接触を生じるプローブ要素392であって、
一体である、
プローブ要素392。」

(4)甲4

ア 甲4には以下の記載がある。

[第1ページ左下欄第19行~右下欄第19行]

「本発明はきわめて接近した集積回路領域のプルービングを可能とする探針構造に関する。例えばパッドをテスタに接続するごとく探針コンタクタの探針をパッドに係合させることによって半導体チップ上のパッドに接続された電気的特性をテストする際には、パッドもしくはチップに対する損傷を防止するために制御された力でパッドの各々を探針により接触させることが必要である。」

[第3ページ左下欄第20行~右下欄第2行]

「偏向中に偶発的に係合する探針15の線16の短絡を防止するために、探針の各々は線16を取り巻く絶縁材料を有する。」

[第5ページ左下欄第1~4行]

「探針15の線16は、円形の断面を有するものとして説明されたが、探針15の線16の断面積は任意の他の形状を有し得る。したがって、例えば長方形若しくは平方形であり得る。」

「図2
[図:0001434536000008.jpg]
」
「図3
[図:0001434536000009.jpg]
」
「図4~6
[図:0001434536000010.jpg]
」

イ 上記アから、甲4には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)パッドをテスタに接続するごとく探針コンタクタの探針をパッドに係合させることによって半導体チップ上のパッドに接続された電気的特性をテストすること(第1ページ左下欄第19行~右下欄第19行)。

(イ)探針15の線16は、長方形若しくは平方形であり、一体であること(第3ページ左下欄第20行~右下欄第2行、第5ページ左下欄第1~4行、図2~6)。

ウ 以上から、甲4には、次の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されている。

〔甲4発明〕

「半導体チップ上のパッドをテスタに接続するごとく電気的に接触させる探針15と、半導体チップ上のパッドと接触する探針15であって、
一体であり、
探針15の線16が長方形若しくは平方形の断面積を有する
探針15。」

(5)甲5

ア 甲5には以下の記載がある。

「【0034】図3(a)(b)は本発明の実施の形態2による垂直式プローブカードの主要部を示す構成図であり、図3(a)は座屈前の、図3(b)は座屈後の様子を示している。」

「【0035】本実施の形態におけるプローブ針1は、プローブ針の根元側部分1bと、プローブ針の先端部分1aとがそれぞれ案内板3、4に開けられ穴により保持されており、上記案内板3、4で保持された先端部分1aと根元側部分1bとの間にあるプローブ針の中央部1cの直径が、上記先端部分1aの直径および上記根元側部分1bの直径より細く構成されている。このような構成とすることにより、実施の形態1と同様、中央部1cで座屈変形を起こしやすくし、プローブ針の先端部分を回転運動させるようにするとともに、座屈変形による曲げモーメントが基板のハンダ接続部分に伝わりにくくし、ハンダ接続部分の信頼性を高めることができる。このとき案内板3に設けられた穴3aとプローブ針根元側部分1bのクリアランスをできるだけ小さくしておくことで、プローブ針1の座屈変形による曲げ応力がハンダ接続部分に及びにくくなる。」

「【0036】本実施の形態によるプローブ針1を形成するには、実施の形態1と同様、先端部が概略球形状のプローブ針材料を水酸化ナトリウム溶液に浸漬し電解研磨をかけるエッチングによって、中央部1cを先端部分1aおよび根元側部分1bに比べ細く構成することができるが、このとき、プローブ針材料の先端部分および根元側部分にコーティングしておくことで、中央部だけを選択的に細らせることができる。」

「【0037】実施の形態3.図4は本発明の実施の形態3に係わるプローブ針を示す説明図である。本実施の形態におけるプローブ針1は、図1に示される案内板3で保持されているプローブ針の根元側部分1b及び中央部1cの直径が、案内板4で保持されているプローブ針の先端部分1aの直径より細く構成されるとともに、根元側部分1bおよび中央部1cは先端部分1aに近づくに従ってテーパ状にさらに細く構成され、先端部分1aとの境界部に「くびれ」を構成する。本実施の形態に係わるプローブ針1はこのような最小の径を有する「くびれ」部分1dを有しているため、座屈変形が「くびれ」部分1dで大きく発生し、プローブ針1の先端部分1aの回転運動がより起こりやすくなる。」

「【0043】さらに、上記実施の形態では先端部分1aの形状が概略球形状のものを示したが、必ずしも球形状でなくてもよい。」

「【0048】なお、上記実施の形態ではガイド穴4aの穴形状を工夫して、位置決め精度とプローブ針の回転によるテストパッド材料との相対滑り量を確保したが、案内板4の材料がポリイミド等、樹脂により構成されている場合には、穴形状をストレートとし、プローブ針先端部分の直径と穴4aの直径を同じにしてもよく、位置決め精度とプローブ針の回転によるテストパッド材料との相対滑り量を確保できる。」

「【0052】
【発明の効果】本発明の第1の構成によれば、基板に対してほぼ垂直に取り付けられたプローブ針の先端部分を半導体ウエハの電極パッドに押圧し、上記先端部分と上記パッドを電気的接触させて、上記半導体ウエハの動作をテストするウエハテスト用プローブカードにおいて、上記プローブ針は、上記プローブ針の根元側部分と先端部分とをそれぞれ案内板により保持するとともに、上記案内板で保持されている上記先端部分の直径に比べて、少なくとも上記根元側部分と上記先端部分との間にある中央部の直径を細く構成したので、プローブ針の主たる変形部分がプローブ針の中央部となり、プローブ針の先端部分に回転運動を起こすことができ、プローブ針が被測定対象の電極パッドに対して相対滑りしやすくなるため、テストパッド材料とプローブ針との電気的接触が安定しておこなえるようになる。」
「図1
[図:0001434536000011.jpg]
」
「図3
[図:0001434536000012.jpg]
」
「図4
[図:0001434536000013.jpg]
」

イ 上記アから、甲5には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)先端部分1a及び根元側部分1bと、先端部分1aと根元側部分1bとの間にある中央部1cを有し、一体のプローブ針1であること(段落【0034】~【0037】、段落【0043】、段落【0048】、図1(a)、図1(b)、図3(a)、図3(b)、図4)。

(イ)半導体ウエハの電極パッドと電気的接触するためのプローブ針であること(段落【0052】)。

ウ 以上から、甲5には、次の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されている。

〔甲5発明〕

「電気的接触させる先端部分1a及び根元側部分1bと、
先端部分1aと根元側部分1bとの間にある中央部1cを有し、
半導体ウエハの電極パッドと接触するためのプローブ針1であって、
一体の
プローブ針1。」

(6)甲6

ア 甲6には以下の記載がある。

[第1ページ右下欄第13~16行]

「本発明は接触器用の接片、特に高周波の応用に適する短い長さを持ち且つテストされる製品上の又はそれに接続された電気接触パッドヘの最少の力を掛ける切片に関する。」

[第3ページ左上欄第17行~左下欄第16行]

「導電素子20の各個は基板23を通じて基板23の上面にある導電パッド33へ電気的に接続される。これらのパッド33は、所望のパターンに配置され、それによりこれらパッド33の各個は基板23がハウジング11とプリント配線板37との間に置かれるときプリント配線板37の各接点35と係合するようにする。プリント配線板37はアルミニウム板38へ固着される。接点35の各々はプリント配線板37の内面の端縁からその外面へ延びている。各接点35は電気導体40と接触し、これはアルミニウム板38に取付けられている。それ故、アルミニウム板38にはプリント配線板37上の接点35の数及びハウジング11内の接片15の数と同数の電気導体40が取付けられている。それ故、電力はテスタから導体40の各々を経てそれに接続されたプリント配線板37の接点35へ、次に基板23の素子20を経て接片15へ供給できる。かくして接片15の各個には所望の通り選択的に給電できる。第2図で分るように、接片15の枢動自在端は上部型板12に21と銘打たれた箇所で支持されてこの接片が型板12から落ちるのを阻止している。上部型板12に課せられる唯一の制限はその開口19の底部に十分な間隙があり、そのため接片15の枢動自在に形成された端部17から延びる頸部又は直線延長部22が制限されることなく、従つて接片15が湾曲するとき所要の枢動が起り得るようにすることである。これら接片が適正に偏位するためには、接片15の下線部25が下部型板14に設けられた開口27内で摺動自在であることが必要である。テストされる製品上の又はそれに接続された電気パッド29が接片15の下端に当つて押されるとき、その力は下部型板14を通る接片15の運動に変成され、それに対応してこの接片の中央の予め曲げられた部分31の屈撓が起る。この偏位が起ると、接片15の上端部ではまた枢動が起る。第2図で分るように、接片15には中央部31があつてそこには予定の曲率が設定されている。」

[第3ページ右下欄第9行~第4ページ左上欄第2行]

「第3図は扁平にした中央部31を有する切片を示し、これは改善された偏位特性を与える、何故ならそれは偏位への抵抗を低減し、それに相応して製品のパッド29へ掛かる力を低減するからである。実際、接片15の曲線中央部31を扁平にすることは、それが更に製品上の電気パッドに掛かる力を最小にするが故に、第4図の接片との比較において認め得るように、接点15をもつと短くもでき、しかもなお製品パッドに容認し得る力範囲内の力を掛けることを可能にする。この接片の扁平にされた曲線部31の下端は下端部25が通る型板14の間口より幅広く、それによりこの接片の型板からの垂直落下を阻止する肩を形成する。」

[第4ページ左上欄第10行~右上欄第4行]

「第5図を参照するに、本発明の接触器10に用いられる接片15の図面が、種々の典型的寸法を付けて示されているが、これは実尺度ではなく単に説明のためである。この接片は直径が0.1mmのワイヤで作られる。この接片の上端は直径が0.19mmの球17として示される。球型端17の下端からこの接片の湾曲中央部の上部まで延びる頸部は約0.38mmの長さである。接片15の上端とその下端とのずれは1.27mmとして示される。この接片の中央曲線部31は3.30mmの長さとして示され、半径は5.33mmである。勿論この接片15の曲線中央部31は上端と下端間のずれを与える。この中央部31は前述のように扁平にされ、その厚さは約0.043mmになっている。」

「図2
[図:0001434536000014.jpg]
」
「図3
[図:0001434536000015.jpg]
」
「図4
[図:0001434536000016.jpg]
」
「図5
[図:0001434536000017.jpg]
」

イ 上記アから、甲6には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)電気的な接触される端部17及び下端部25と、端部17と下端部25との間の曲線中央部31がある一体の接片15であって、テストされる製品と当たる接片15であること(第1ページ右下欄第13~16行、第3ページ左上欄第17行~左下欄第16行、図2~5)。

(イ)接片15における曲線中央部31の下端は型板14の開口より幅広とされて、その下端に2つの肩が形成され、当該2つの肩によりこの接片15の垂直落下を阻止すること(第3ページ右下欄第19行~第4ページ左上欄第2行、図2~3)。

(ウ)接片15における曲線中央部31は、所定の直径を有するワイヤの中央部を扁平にすることにより得られること(第3ページ右下欄第9行~第4ページ左上欄第2行、第4ページ左上欄第10行~右上欄第4行、図3、図5)。

ウ 以上から、甲6には、次の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されている。

〔甲6発明〕

「電気的な接触される端部17及び下端部25と
端部17と下端部25との間の曲線中央部31とを有し、
テストされる製品と当たる電気的な接片15であって、
接片15は、一体であり、
接片15における曲線中央部31は、所定の直径を有するワイヤの中央部を扁平にすることにより得られるものであり、曲線中央部31の下端が型板14の開口より幅広とされ、その下端に2つの肩が形成され、当該2つの肩によりこの接片の垂直落下を阻止する
接片15。」

(7)甲7

ア 甲7には以下の記載がある。(括弧内に請求人が提出した甲7訳文を付記する。)

段落[0002]

「The present invention relates generally to semiconductor wafer probing apparatus, and more particularly, to an improved contact probe pin device including an elongated conductor component having a coating of a substantially less conductive metal with high elastic properties.」

(本発明は、半導体ウエハプロービング装置全般に関し、特に、高い弾性特性と実質的に低い導電性を備えた金属のコーティングを有する長尺コンダクター構成要素を備えた、改良接触プローブピンデバイスに関する。)

段落[0004]

「Discrete semiconductor devices are typically formed on a semiconductor substrate employing precise photolithographic techniques. A plurality of such devices are usually formed on a single wafer and the wafer is subsequently sliced into separate individual die upon completing the fabrication process. However, prior to slicing, the partially finished devices are often tested using a wafer probe apparatus to electrically engage bond pads on the dice to evaluate the electrical characteristics thereof.」

(具体的な半導体デバイスは、通常、精密なフォトリソグラフィ技術を採用した半導体基板上に形成される。複数のこのようなデバイスは、大抵、単一のウエハ上に形成され、ウエハは、続いて、製造プロセスの完了に際して別々の個別ダイに薄化される。しかしながら、薄化に先立って、部分的に完成したデバイスは、その電気的特性を評価するために、ダイス上の接合パッドに電気的に接合するように、ウエハプローブ装置を使用して試験されることが多い。)

段落[0018]

「In some embodiments the probe tip may be canted or bent at an angle of between zero and about 12 degrees to that of the longitudinal axis of the probe pin. The canted tip advantageously creates an X-Y shear force component from the z-direction stress on the canted probe tip as it is brought into contact with the bond pad of the device under test. The length of the scrub mark resulting from lateral movement of the probe tip across the bond pad is conveniently controlled by adjusting the tip cant angle. A smaller scrub mark minimizes contact damage to the semiconductor contact pad elements causing less damage to wire bonds and reduced particulate contamination resulting in higher device yields.」

(いくつかの実施形態において、プローブ先端は、プローブピンの長手軸に対してゼロ~約12度の間の角度で傾斜又は屈曲され得る。傾斜した先端は、好都合なことに、試験下デバイスの接合パッドと接触すると、傾斜されたプローブ先端上へのZ方向応力からX-Yせん断力成分を生じる。接合パッドを横切るプローブ先端の横方向の動きの結果として生じるスクラブマークの長さは、 先端傾斜角度を調整することによって簡便に制御される。より小さなスクラブマークで、半導体接触パッド要素への接触損傷を最少化することにより、ワイヤ接合への損傷を少なくし、微粒子汚染を低減することで、結果としてデバイスの収率を上げる。)

段落[0032]

「A side view of the pin 10 is illustrated in part (a) of FIG. 2, wherein the overall length of the pin is indicated by #L# and the uncoated lengths of the tip end portion 14 and connector end portion 16 are indicated by #I#. In accordance with a preferred embodiment of the invention, the pin length #L# is typically within the range of 40 mils to 1#, and the lengths #I# of the tip and connector portions are typically within the range of 5 mils to 100 mils in length. As is noted in parts (b) and (c) of FIG. 2, the pin may also take various non-straight configurations. For example, in part (b), the tip end portion 14 is shown deformed to one side by an angle #. In part (c) of FIG. 2, a pin having a bowed mid section is illustrated at 24. In parts (a)-(c) of FIG. 2, it is presumed that the coatings 20 are uniform along the length of the mid-section and have a transverse cross section of the type illustrated in part (a) of FIG. 3. As will be noted in that figure, the outside diameter of wire 12 is indicated by the dimensional arrow D1, and the outside diameter of the coating 20 is indicated by the arrow D2. In a typical embodiment, the diameter D2 is approximately equal to twice the dimension D1. However, a typical range for the ratio D2/D1 is between 1.2 and 3.」

(ピン10の側面図が図2の(a)部分に示されており、図中、ピンの全長は、「L」で示され、先端端部部分14とコネクタ端部部分16の被覆の施されない長さは、「I」で示されている。本発明の好適な実施形態によると、ピンの長さ「L」は、通常、40ミルから1”の範囲内にあり、先端及びコネクタ部分の長さ「I」は、通常、5ミルから100ミルの長さ範囲内である。図2の(b)及び(c)の部分に示されるように、ピンは、種々の非直線状構成も採り得る。 例えば、(b)の部分において、先端端部部分14は、角度θで一方側に変形された様子が示されている。図2の(c)の部分において、折れ曲がった中間セクションを有するピンが24に示されている。図2の(a)~(c)の部分において、コーティング20は、中間セクションの長さに沿って均一であり、図3の(a)の部分に示された種別の横断面を有する。図面に記されるとおり、ワイヤ12の外径は、寸法矢印D1で示され、コーティング20の外径は。矢印D2によって示される。通常の実施形態において、直径D2は、寸法D1の約2倍に等しい。しかしながら、比率D2/D1の通常範囲は、1.2~3の間である。)

「図1
[図:0001434536000018.jpg]
」
「図2、図3
[図:0001434536000019.jpg]
」
「図4
[図:0001434536000020.jpg]
」

イ 上記アから、甲7には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)電気的な接触に使用される先端端部部分14、コネクタ端部部分16とを有し、電気的特性を評価するデバイスと接触するピン10であること(段落[0002]、段落[0004]、段落[0018]、段落[0032]、図1~4)。

(イ)ピン10が、一体型であること(図1~2)。

ウ 以上から、甲7には、次の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されている。

〔甲7発明〕

「電気的な接触に使用される先端端部部分14とコネクタ端部部分16とを有し、
電気的特性を評価するデバイスと接触するピン10であって
一体型の
ピン10。」

(8)甲8

ア 甲8には以下の記載がある。(括弧内に請求人が提出した甲8訳文を付記する。)

第1欄第18~30行

「When testing the electrical characteristics of an integrated circuit, whether a chip, module, and the like, the probes of a contactor engage the pads of the package under test to provide an electric path from the device under test to the tester. Accordingly, it is imperative to ensure that the probes contacting the pads be endowed with a controlled force to prevent or at the least, reduce, any damage to the pads. Oftentimes, excessive force exerted by the probe on the pad, particularly when dealing with a chip, can destroy the pad altogether, requiring the additional step of having to reconstruct the pad in question by way of techniques known as solder reflow.」

(チップ、モジュール等を問わず、集積回路の電気特性試験するとき、接触器のプローブは、試験下デバイスからテスターに電気的経路を提供するために試験下パッケージのパッドに係合する。したがって、パッドに接触しているプローブに制御された力が与えられ、パッドに対するいずれの損傷も防止、又は少なくとも低減するように保証することが必須である。多くの場合、特にチップを取り扱うとき、プローブによってパッドに課される過剰な力により、パッドを一緒に破壊してしまう可能性があり、はんだリフローとして既知の技術により、問題のパッドを再構築しなければならない追加ステップを必要としてしまう。)

第1欄第63行~第2欄10行

「A prior art buckling beam contactor is shown in FIG. 1. It consists mainly of a housing, insulating dies with an area array of holes, and an array of contacts or wires. These contacts employ the principal of a buckling column whereby the application of a force beyond the critical force causes buckling to occur. Contact lengths are 16.6 mm for 0.10 mm diameter contacts. Contacts are made of paladium allow and are coated with insulating parylene. They further have swages head which interfaces with gold pads on the footprint transformer. The upper and lower dies provide both location and bearing surfaces. The offset die provides both bias prebuckle and vertical retention. The contacts traverse all three dies using holes that are aligned with respect to each other and which are positioned to coincide with the footprint of the device under test.」

(従来技術の座屈ビーム接触器が図1に示されている。これは主に、ハウジング、穴部のエリアアレイを備えた絶縁性ダイ、及び接触点又はワイヤのアレイからなる。これらの接触点は、座屈柱の原則を採用することにより、臨界力を超えた力の付与で座屈を生じさせるようにしている。接触長は、0.10mm直径の接触点に対して16.6mmである。接触点は、パラジウム合金で作成され、 絶縁性パリレンで被覆される。これらはさらに、フットプリントトランスフォーマ上の金のパッドと接合するかしめヘッドを有する。上方及び下方ダイは、位置及び耐力面の双方を提供する。オフセットダイは、偏向事前座屈及び垂直方向保持の双方を提供する。接触点は、互いに対して揃えられ、試験下デバイスのフィットプリントに合致するように位置決めされた穴部を使用して3つすべてのダイを横断する。)

第4欄第10~20行

「Referring now to the drawings, and more particularly to FIG. 2, there is shown a side view of a straight self-scrub buckling beam and an exploded view of its tip, in accordance with the invention. The beam is shown both, in a no load state as well as under compressive stress, to be referred hereinafter as a buckled beam.
An array of electrically conductive contacts made of thin straight wires 90 are held by three insulated guide plates. These are: a top guide plate (or die) 10, an offset guide plate 20 and a bottom guide plate 30.」

(以降、図面、より具体的には図2を参照すると、本発明に係る直線状セルフスクラブ座屈ビームの側面図とその先端の展開図とが示されている。ビームは、以降、座屈ビームと称される、無負荷状態と圧縮応力下との双方が示されている。

薄い直線状ワイヤ90で作成された導電性接触点のアレイが、3つの絶縁性案内プレートに保持される。これらは、頂上部案内プレート(又はダイ)10、オフセット案内プレート20、及び底部案内プレート30である。)

「図1
[図:0001434536000021.jpg]
」
「図2
[図:0001434536000022.jpg]
」

イ 上記アから、甲8には以下の事項が記載されていることがわかる。

(ア)ワイヤ90は、両端、中間部分を有すること(図1~2)。

(イ)ワイヤ90は、一体型であること(図1~2)。

(ウ)集積回路の電気的特性試験において電気的接触に採用されるワイヤ90であること(第1欄第18~30行、第1欄第63行~第2欄第10行、第4欄第10~20行、図1~2)。

ウ 以上から、甲8には、次の発明(以下、「甲8発明」という。)が記載されている。

〔甲8発明〕

「電気的接触に採用されるワイヤ90の両端と、
ワイヤ90の両端の間に位置する中間部分を備え、
電気的特性試験の集積回路と接触するワイヤ90であって、
一体のワイヤ90。 」

2 甲1発明の進歩性について

(1)甲1発明を主引例として

ア 対比

本件発明1と甲1発明を対比する。

(ア)後者において、「足部51」は「導電性材料で作製された部材」の一部であり、また「足部51」は「板状基部16の上面に一体に形成され」ることで板状基部16に接触するところ、「足部51」はかかる接触により、板状基部16に電気的に接続されることになる。よって、後者の「足部51」は、前者の「電気的な接触に利用される領域」に相当する。

また、後者において、「先端部52」も「導電性材料で作製された部材」の一部であり、「先端部52」は「被試験デバイス26のパッドに接触する」ところ、「先端部52」はかかる接触により、被試験デバイス26のパッドに電気的に接続されることになる。よって、後者の「先端部52」も、前者の「電気的な接触に利用される領域」に相当する。

そうすると、後者の「板状基部16の上面に一体に形成された足部51と、被試験デバイス26のパッドに接触する先端部52」が、前者の「電気的な接触に利用される二つの端部領域」に相当する。

(イ)後者の「前記足部51と前記先端部52との間に配置され」ること、「垂直に細長い」こと、及び「中胴部53」はそれぞれ、前者の「前記両端部領域の間に位置す」ること、「縦長」であること、及び「一つの」「中間領域」に相当する。そして、前記足部51と前記先端部52との間に配置された垂直に細長い中胴部53とを有する「部材」は、その足部51が板状基部16に接触し、先端部52が被試験デバイス26のパッドに接触するので、“接触する部材”といえるから、前者の「接触体」に相当する。そして、後者の「部材として構成され」ることは、前者の「接触体を備え」ることに相当する。

(ウ)後者の「試験デバイス26」、「垂直に細長い」こと、及び「プローブ50」はそれぞれ、前者の「電気検査の対象物」、「縦長」であること、及び「電気接点素子」ないし「接点素子」に相当する。

(エ)後者において、前記部材は「前記中胴部53が前記足部51の上面と同軸上に一体に形成されて、前記先端部52は、前記中胴部53の上端と一体に形成される」ことにより、全体として一体になっているから、後者の「前記部材は、前記中胴部53が前記足部51の上面と同軸上に一体に形成されて、前記先端部52は、前記中胴部53の上端と一体に形成されて」いることは、前者の「接触体は、一つの一体型接触体であ」ることに相当する。

(オ)後者の中胴部53の「2つの側壁54」は、前者の中間領域の「複数の層板」に相当し、後者の「中胴部53」が「垂直に細長い前記中胴部53が、垂直方向に沿って、互いに離隔して平行に配置された2つの側壁54を備える」ことは、前者の「中間領域」が「長手方向に沿って積層される複数の層板で構成され」ること相当する。

また、後者において、「互いに離隔して平行に配置された2つの側壁54」の間には、当然に隙間が存在するから、後者の中胴部53が「垂直に細長い前記中胴部53が、垂直方向に沿って、互いに離隔して平行に配置された2つの側壁54を備える」ことは、前者の中間領域の「隣接する前記複数の層板が、少なくとも一つの縦長のスリットにより、互いから切り離されている、又は互いに離間」することにも相当する。

イ 一致点

本件発明1と甲1発明とは以下の点で一致する。

「電気的な接触に利用される二つの端部領域と、
前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域とを有する接触体を備え、
電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子であって、
前記接触体は、一つの一体型接触体であり、
前記中間領域がその長手方向に沿って積層される複数の層板で構成され、
隣接する前記複数の層板が、少なくとも一つの縦長のスリットにより、互いから切り離されている、又は互いに離間している接点素子。」

ウ 相違点

本件発明1と甲1発明とは以下の点で相違する。

<相違点1>

本件発明1は、中間領域が実質的に長方形の断面を有しているのに対して、甲1発明では、中胴部53について、断面形状の特定がない点。

<相違点2>

本件発明1は、電気接点素子(1)がある一定の長さLと、ある一定の幅Bと、ある一定の厚さDを有するのに対して、甲1発明では、接点素子について、長さ、幅、厚さについて特定がない点。

<相違点3>

本件発明1は、電気接点素子の長さLが、その幅Bよりも大きいのに対して、甲1発明では、接点素子について、その長さとその幅の大小関係が特定されていない点。

<相違点4>

本件発明1は、電気接点素子の幅Bが、その厚さDよりも大きいのに対して、甲1発明では、接点素子について、その幅とその厚さの大小関係が特定されていない点。

<相違点5>

本件発明1は、各層板が、除荷されている非接触状態、及び/又は、負荷されている接触状態にあるときには、少なくとも一つの円弧を描く円弧形状を有し、前記円弧形状の前記少なくとも一つの円弧が、接点素子の長さL及び接点素子の幅Bにより定義される一つの面内に位置するのに対し、甲1発明では、2つの側壁が圧力がかかるとき変形するが、その変形形状が本件発明1のような円弧であるか明らかでない点。

<相違点6>

本件発明1では、電気接点素子は、二つの長辺を有し、その内の一方がクランク状に屈曲しており、それにより前記一方の端部領域の側方へのオフセットを構成し、前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部が形成され、前記側方へのオフセットを有する前記端部領域が、前記円弧形状の前記円弧が延びる向きとは逆向きに延びる一つの湾曲部及び/又は傾斜部を有するのに対し、甲1発明では、クランク状の屈曲がない点。

エ 相違点の検討

事案に鑑み、相違点6について検討する。

(ア)甲1発明に甲2、6発明を適用することについて

甲2発明に係る「接触プローブ20」は、「第1の部分21Aの第1の矩形断面S1と、第2の部分22の第2の矩形断面S2を有し、第1の部分21Aの2つの肩部が下方ダイ25のガイド穴に係合するにより、移動が阻止される」ものであるが、そのような「第1の部分21Aの第1の矩形断面S1と、第2の部分22」とは、「円形断面のワイヤを平坦化することにより得られる」ものである。そして第1の部分21Aと第2の部分21Bの形状は「円形断面のワイヤを平坦化」して得られるものである以上、第1の矩形断面S1の移動阻止に寄与する肩部は必然的に2つとなり、この肩部を1つにすることが、甲2の記載から自明ともいえない。そうすると、甲2は、移動の阻止に寄与する肩部を必然的に2つ有するものであることに鑑みれば、甲2に2つの長辺のうちの一方をクランク状に屈曲させて支持用段部とする点が記載されているとは認められない。

そのため、甲1発明及び甲2発明について、本件発明1と同様の「電気的な接触に利用される二つの端部領域と、前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域とを有する接触体を備え、電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子」という技術分野、「電気検査の対象物と物理的に接触する」という機能等で共通する点が認められるとしても、甲1発明に甲2発明等を適用することにより、相違点6に係る本件発明1の構成にはなり得ない。

また、甲6発明に係る「接片15」は、「接片15における曲線中央部31の下端は型板14の開口より幅広とされて、その下端に2つの肩が形成され、当該2つの肩によりこの接片15の垂直落下を阻止する」ものであるが、そのような「2つの肩」とは、所定の直径を有するワイヤの中央部を扁平にすることにより得られる」ものである。そして2つの肩の形状は、「所定の直径を有するワイヤの中央部を扁平にすること」により得られるものである以上、移動阻止に寄与する肩部は必然的に2つとなり、この肩部を1つにすることが、甲6の記載から自明ともいえない。そうすると、甲6は、移動の阻止に寄与する肩部を必然的に2つ有するものであることに鑑みれば、甲6に2つの長辺のうちの一方をクランク状に屈曲させて支持用段部とする点が記載されているとは認められない。

そのため、甲1発明及び甲6発明について、本件発明1と同様の「電気的な接触に利用される二つの端部領域と、前記両端部領域の間に位置する一つの縦長の中間領域とを有する接触体を備え、電気検査の対象物と物理的に接触するための縦長の電気接点素子」という技術分野、「電気検査の対象物と物理的に接触する」という機能等で共通する点が認められるとしても、甲1発明に甲6発明等を適用することにより、相違点6に係る本件発明1の構成にはなり得ない。

(イ)甲1発明に甲3~5、7、8発明を適用することについて

甲3~5、7、8発明にも、電気接点素子の二つの長辺の内の一方をクランク状に屈曲させ、それにより一方の端部領域の側方へのオフセットを構成し、その長辺の一方が描くクランク状の屈曲により支持用段部を形成する点は記載されていなし、他にこの点が技術常識であったことを示す証拠も存在しない。

相違点6に係る本件発明1の構成は、甲1発明及び甲2~8発明の記載に基づいて、当業者が容易に想到できたものとはいえない。

よって、本件発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、甲1発明及び甲2~8に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められない。

オ 小括

以上のとおり、本件発明1と甲1発明とを対比すると、少なくとも実質的な相違点6が存在するから、本件発明が甲1発明であるとはいえない。

また、本件発明1は、甲1発明及び甲2~8発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることがものであるとはいえない。

(2)甲3発明を主引例として

甲3発明は、少なくとも、本件発明1の「前記電気接点素子は、二つの長辺を有し、その内の一方がクランク状に屈曲しており、それにより前記一方の端部領域の側方へのオフセットを構成し、前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部が形成され」という構成を有していない。

上記相違点について検討する。

上記(1)のとおり、「前記電気接点素子は、二つの長辺を有し、その内の一方がクランク状に屈曲しており、それにより前記一方の端部領域の側方へのオフセットを構成し、前記一方の長辺が描くクランク状の屈曲により、一つの支持用段部が形成され」るという点は、甲1、2、4~8のいずれにも記載がない。

よって、甲3発明及び甲1、2、4~8発明の記載に基いて、当業者が容易に想到できたものとはいえない。

ウ 小括

甲3発明は、甲3発明及び甲1、2、4~8発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることがものであるとはいえない。

3 本件発明2~3、7~14、17~21、24、26~32進歩性

本件発明2~3、7~14、17~21、24、26~32は、本件発明1を引用し、本件発明1の発明特定事項を全て含むから、本件発明1と同様に、甲1発明及び甲2~8発明に基づいて、又は甲3発明及び甲1、2、4~8発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 まとめ

したがって、本件発明1~3、7~14、17~21、24、26~32に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえない。

よって、請求人が主張する無効理由により、本件特許の請求項1~3、7~14、17~21、24、26~32に係る発明を無効とすることはできない。

第8 むすび

以上のとおりであるから、無効理由はいずれも理由がないものであり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件特許の請求項1~3、7~14、17~21、24、26~32についての特許は、無効理由によっては、無効とすることはできない。

本件特許の請求項4~6、15~16、22~23、25は、訂正により存在しないこととなったため、請求項4~6、15~16、22~23、25に係る発明についての特許を無効とする請求は、不適法な請求であってその補正をすることができないものとなったから、特許法第135条の規定により却下する。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。

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2023-800084

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