特許異議申立
2023-701388
照明器具用レンズおよび照明器具
- 審判番号
- 2023-701388
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-089138
- 登録番号
- 7300598
- 請求日
- 2023年12月27日
- 審決日
- 2024年11月12日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】コイズミ照明株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 【異議申立人】柴田 都
- 審判長/審判官
- 審判長 草野 顕子
- 審判官 高橋 学
- 審判官 横溝 顕範
- 分類
- P1652.113-YAA(F21V) / P1652.121-YAA(F21V)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7300598号発明「照明器具用レンズおよび照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7300598号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~10〕について訂正することを認める。
特許第7300598号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7300598号(以下「本件特許」という。)の請求項1~10に係る特許についての出願は、令和元年5月9日に出願され、令和5年6月22日にその特許権の設定登録がされ、同年6月30日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年12月27日 :特許異議申立人柴田都(以下「申立人」という。)による請求項1に係る特許に対する特許異議の申立て
令和6年 3月 7日付け:取消理由通知書
同年 5月10日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同年 7月25日 :訂正請求書に対する手続補正書(方式)の提出
同年 9月 3日付け:訂正拒絶理由通知書
同年10月 3日 :特許権者による意見書及び手続補正書の提出
同年10月16日 :令和6年10月3日の手続補正書に対する手続補正書の提出
なお、令和6年7月25日付け手続補正書(方式)、令和6年10月3日付けの手続補正書、及び令和6年10月16日付けの手続補正書により補正された令和6年5月10日の訂正請求書による訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)については、「特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情」(特許法第120条の5第5項ただし書参照)がある場合に該当すると判断し、改めて申立人に意見書を提出する機会を与えないこととしたところ、その理由は次のとおりである。
本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)後の特許請求の範囲の記載を、本件訂正前の同記載と比較すると、本件訂正後の特許請求の範囲の記載は、本件訂正前の請求項5において特定した事項を本件訂正後の請求項1に組み入れるとともに請求項5を削除し、また、本件訂正前の請求項1において特定した事項を本件訂正後の請求項4に組み入れて独立形式請求項へ改め、更に、本件訂正前の請求項6を削除し、また、請求項7~請求項10において、その引用関係を整合させたものである。
そうすると、本件訂正の内容は、外形的には、特許請求の範囲の減縮、請求項5、6の削除、及び請求項5、6の削除に伴う明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるが、実質的には、本件訂正前の請求項1の削除、当該請求項1の削除に伴う他の請求項の引用関係の整理による特許請求の範囲の減縮、及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、前述のように、本件特許異議の申立ては、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る特許に対してだけなされたものである。
そうすると、実質的には、本件特許異議の申立ての対象である特許は、本件訂正によって、削除されたといえる。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線は、訂正箇所を示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90°以下である、」の「あ」と「る」の間に、「り、前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出してい」を追加する訂正をする(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~3、7~10も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に「前記内側入射面に、段差が設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「光源から光軸に向けて出射された光を透過する照明器具用レンズであって、
本体部と、
前記本体部の周囲に配置された外周部と、
前記本体部と前記外周部とを連結する連結部と
を備え、
前記本体部は、内側入射面と、内側反射面と、凸レンズの設けられた内側出射面とを有し、
前記内側反射面は、前記内側入射面から入射した光を反射し、
前記外周部は、外側入射面と、外側反射面と、外側出射面とを有し、
前記外側反射面は、前記外側入射面から入射した光を反射し、
前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90°以下であり、
前記内側入射面に、段差が設けられている、照明器具用レンズ。」に訂正する(請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項7~10も同様に訂正する)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5を削除する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項7に
「前記内側出射面は、前記外側出射面に対して窪んでおり、
前記凸レンズは、前記内側出射面に設けられる、請求項1から6のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」とあるうち、請求項1から4のいずれかを引用するものについて
「前記内側出射面は、前記外側出射面に対して窪んでおり、
前記凸レンズは、前記内側出射面に設けられる、請求項1から4のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」
に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項8に
「前記内側入射面の中央に、凹凸が設けられている、請求項1から7のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」とあるうち、請求項1から4および7のいずれかを引用するものについて
「前記内側入射面の中央に、凹凸が設けられている、請求項1から4および7のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」
に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項9に
「前記光源から出射され、前記本体部、前記外周部および前記連結部のいずれかを透過した光を拡散する拡散部材をさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」とあるうち、請求項1から4、7および8のいずれかを引用するものについて
「前記光源から出射され、前記本体部、前記外周部および前記連結部のいずれかを透過した光を拡散する拡散部材をさらに備える、請求項1から4、7および8のいずれかに記載の照明器具用レンズ。」
に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項10に
「請求項1から9のいずれかに記載の照明器具用レンズと、
前記照明器具用レンズに向けて光を出射する光源と
を備える、照明器具。」とあるうち、請求項1から4および7から9のいずれかを引用するものについて
「請求項1から4および7から9のいずれかに記載の照明器具用レンズと、 前記照明器具用レンズに向けて光を出射する光源と
を備える、照明器具。」
に訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、「前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している」との記載により、本件訂正前の「本体部」の「内側入射面の中央」及び「内側入射面の端部」の形状をより具体的に特定し、更に限定するものである。
よって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項1の「前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している」は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項5の記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載された事項の範囲内においてなされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2のうち、本件訂正前の請求項4が請求項1から3のいずれかの記載を引用するものであるところ、請求項2、3を引用しないものとする訂正は、引用する請求項の数を減少させる訂正であるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、請求項1を引用するものについて、請求項1との引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、請求項間の引用関係を解消するものなので、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項2は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるので、明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、本件訂正前の請求項5を削除するというものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項3は、本件訂正前の請求項5を削除するというものであるから、明細書等に記載された事項の範囲内においてなされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的
訂正事項4は、本件訂正前の請求項6を削除するというものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項4は、本件訂正前の請求項6を削除するというものであるから、明細書等に記載された事項の範囲内においてなされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的
訂正事項5は、本件訂正前の請求項7の「請求項1から6のいずれかに記載の照明器具用レンズ」との記載を「請求項1から4のいずれかに記載の照明器具用レンズ」とする訂正であり、訂正事項3、4で削除された請求項5、6の引用という明瞭でない記載の釈明を目的とするもの、又は、請求項5、6との引用関係の解消を目的とするものであり、そして、引用先の請求項の選択肢を限定するものなので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項5は、訂正事項3、4で削除された請求項5、6を引用先の請求項の記載から削除するものであるので、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載された事項の範囲内においてされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、明りょうでない記載の釈明、特許請求の範囲の減縮、請求項間の引用関係の解消を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的
訂正事項6は、本件訂正前の請求項8の「請求項1から7のいずれかに記載の照明器具用レンズ」との記載を「請求項1から4および7のいずれかに記載の照明器具用レンズ」とする訂正であり、訂正事項3、4で削除された請求項5、6の引用という明瞭でない記載の釈明を目的とするもの、又は、請求項5、6との引用関係の解消を目的とするものであり、そして、引用先の請求項の選択肢を限定するものなので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項6は、訂正事項3、4で削除された請求項5、6を引用先の請求項の記載から削除するものであるので、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載された事項の範囲内においてされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6は、明りょうでない記載の釈明、特許請求の範囲の減縮、請求項間の引用関係の解消を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(7)訂正事項7について
ア 訂正の目的
訂正事項7は、本件訂正前の請求項9の「請求項1から8のいずれかに記載の照明器具用レンズ」との記載を「請求項1から4、7および8のいずれかに記載の照明器具用レンズ」とする訂正であり、訂正事項3、4で削除された請求項5、6の引用という明瞭でない記載の釈明を目的とするもの、又は、請求項5、6との引用関係の解消を目的とするものであり、そして、引用先の請求項の選択肢を限定するものなので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項7は、訂正事項3、4で削除された請求項5、6を引用先の請求項の記載から削除するものであるので、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載された事項の範囲内においてされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項7は、明りょうでない記載の釈明、特許請求の範囲の減縮、請求項間の引用関係の解消を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(8)訂正事項8について
ア 訂正の目的
訂正事項8は、本件訂正前の請求項10の「請求項1から9のいずれかに記載の照明器具用レンズと、」との記載を「請求項1から4および7から9のいずれかに記載の照明器具用レンズと、」とする訂正であり、訂正事項3、4で削除された請求項5、6の引用という明瞭でない記載の釈明を目的とするもの、又は、請求項5、6との引用関係の解消を目的とするものであり、そして、引用先の請求項の選択肢を限定するものなので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
訂正事項8は、訂正事項3、4で削除された請求項5、6を引用先の請求項の記載から削除するものであるので、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載された事項の範囲内においてされたものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項8は、明りょうでない記載の釈明、特許請求の範囲の減縮、請求項間の引用関係の解消を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3 一群の請求項について
本件訂正前の請求項1~10について、請求項2~10は、それぞれ請求項1を引用しているものであり、請求項2~10は、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。ただし、請求項5、6は、訂正事項3、4によって削除されている。
一方、請求項4は、訂正事項2によって、訂正前の請求項1を引用するものが独立形式請求項に訂正されるものの、本件訂正請求書の「請求の理由」には、「別の訂正単位とする求め」については記載されていない。
したがって、本件訂正前の請求項1~10に対応する本件訂正後の請求項1~10は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
4 独立特許要件
(1)本件訂正後の請求項1について
本件訂正前の請求項1は、訂正事項1により訂正される請求項であり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であるが、本件訂正前の請求項1には、本件特許異議の申立てがされている。
したがって、本件訂正後の請求項1については、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(2)本件訂正後の請求項2~4、7~10について
本件訂正前の請求項2~4、7~10は、以下に示すとおり、訂正事項1、2、5~8により訂正される請求項であり、これらの訂正事項は、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
・訂正事項1により訂正される請求項 2~3、7~10
・訂正事項2により訂正される請求項 4、7~10
・訂正事項5により訂正される請求項 7
・訂正事項6により訂正される請求項 8
・訂正事項7により訂正される請求項 9
・訂正事項8により訂正される請求項 10
そして、本件訂正前の請求項2~4、7~10には、本件特許異議の申立てがされていない。
そうすると、本件訂正後の請求項2~4、7~10については、特許法120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件が課される。
そこで、以下のア、イにおいて、本件訂正後の請求項2~4、7~10についての独立特許要件を検討する。
ア 本件訂正後の請求項2~3、7~10について
後述の「第5 当審の判断」で示すように、本件訂正後の請求項1に係る発明には、特許を受けることができないとすべき理由はない。
そうすると、本件訂正後の請求項2~3に係る発明は、本件訂正後の請求項1を直接的又は間接的に引用するものであり、本件訂正後の請求項1に係る発明の構成を全て含み、さらに限定を付加したものであるから、同様に、特許を受けることができないとすべき理由はなく、また他に特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、本件訂正後の請求項2~3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができたものであるといえる。
また、本件訂正後の請求項7~10に係る発明のうち、本件訂正後の請求項1を直接的又は間接的に引用する発明も、本件訂正後の請求項1に係る発明の構成を全て含み、さらに限定を付加したものであるから、同様に、特許を受けることができないとすべき理由はなく、また他に特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、本件訂正後の請求項1を直接的又は間接的に引用する本件訂正後の請求項7~10に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。
イ 本件訂正後の請求項4、7~10について
まず、本件訂正後の請求項4に係る発明についてであるが、当該請求項4に係る発明は、「前記内側入射面に、段差が設けられている」との発明特定事項を含むものである。
一方、後述の「第5 当審の判断」で示すように、本件特許異議の申立てにおいて、証拠として提出された甲第3号証には、「前記内側入射面」に相当する「入射面3a」を「平面」(光軸に対して垂直な平面)で構成することについては、示唆されているといえるが、「入射面3a」に対して「段差が設けられ」ることについては、記載も示唆もされていない。そして、この点は、本件特許異議の申立てにおいて、証拠として提出された他の証拠である甲第1号証、甲第2号証にも、記載も示唆もされていない。
そうすると、本件訂正後の請求項4に係る発明は、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもなく、また、他に特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、本件訂正後の請求項4に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができたものであるといえる。
また、本件訂正後の請求項7~10に係る発明のうち、本件訂正後の請求項4を直接的又は間接的に引用する発明は、本件訂正後の請求項4に係る発明の構成を全て含み、さらに限定を付加したものであるから、同様に特許を受けることができないとすべき理由はなく、また、他に特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、本件訂正後の請求項4を直接的又は間接的に引用する本件訂正後の請求項7~10に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができたものであるといえる。
5 小括
以上のとおり、訂正事項1~8に係る本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項、第6項、及び第7項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~10〕について訂正することを認める。
第3 本件訂正後の発明
前記第2のように、本件訂正は認められるから、本件訂正後の請求項1~4、7~10に係る発明(以下「本件発明1」などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~4、7~10に記載された事項により特定される次のとおりのものであるところ、訂正特許請求の範囲の全体の記載は以下のとおりである。
「【請求項1】
光源から光軸に向けて出射された光を透過する照明器具用レンズであって、
本体部と、
前記本体部の周囲に配置された外周部と、
前記本体部と前記外周部とを連結する連結部と
を備え、
前記本体部は、内側入射面と、内側反射面と、凸レンズの設けられた内側出射面とを有し、
前記内側反射面は、前記内側入射面から入射した光を反射し、
前記外周部は、外側入射面と、外側反射面と、外側出射面とを有し、
前記外側反射面は、前記外側入射面から入射した光を反射し、
前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90゜以下であり、
前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している、照明器具用レンズ。
【請求項2】
前記内側反射面は、前記内側入射面から入射した光を全反射するように構成されており、
前記外側反射面は、前記外側入射面から入射した光を全反射するように構成されている、請求項1に記載の照明器具用レンズ。
【請求項3】
前記光軸に対する前記内側反射面の傾きは、前記光軸に対する前記外側反射面の傾きよりも小さい、請求項1または2に記載の照明器具用レンズ。
【請求項4】
光源から光軸に向けて出射された光を透過する照明器具用レンズであって、
本体部と、
前記本体部の周囲に配置された外周部と、
前記本体部と前記外周部とを連結する連結部と
を備え、
前記本体部は、内側入射面と、内側反射面と、凸レンズの設けられた内側出射面とを有し、
前記内側反射面は、前記内側入射面から入射した光を反射し、
前記外周部は、外側入射面と、外側反射面と、外側出射面とを有し、
前記外側反射面は、前記外側入射面から入射した光を反射し、
前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90゜以下であり、
前記内側入射面に、段差が設けられている、照明器具用レンズ。
【請求項5】(削除)
【請求項6】(削除)
【請求項7】
前記内側出射面は、前記外側出射面に対して窪んでおり、
前記凸レンズは、前記内側出射面に設けられる、請求項1から4のいずれかに記載の照明器具用レンズ。
【請求項8】
前記内側入射面の中央に、凹凸が設けられている、請求項1から4および7のいずれかに記載の照明器具用レンズ。
【請求項9】
前記光源から出射され、前記本体部、前記外周部および前記連結部のいずれかを透過した光を拡散する拡散部材をさらに備える、請求項1から4、7および8のいずれかに記載の照明器具用レンズ。
【請求項10】
請求項1から4および7から9のいずれかに記載の照明器具用レンズと、
前記照明器具用レンズに向けて光を出射する光源と
を備える、照明器具。」
第4 取消理由通知で通知した取消理由について
本件訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が令和6年3月7日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
理由:(進歩性)本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
記
甲号証一覧
甲第3号証:特開2012-28010号公報(以下「甲3」という。)
第5 当審の判断
1 甲3の記載事項
甲3には、以下の事項が記載されている。
(1)「【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子光源と、発光素子光源からの光を導光する導光レンズとを有する車両用灯具に関する。」
(2)「【0044】
図1は第1の実施形態の車両用灯具100を示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の車両用灯具100の正面図である。図1(B)は図1(A)のA-A線に沿った鉛直断面図である。詳細には、図1(B)は発光素子光源1の光軸1’を含む第1の実施形態の車両用灯具100の鉛直断面図である。図1(C)は図1(A)のB-B線に沿った水平断面図である。詳細には、図1(C)は発光素子光源1の光軸1’を含む第1の実施形態の車両用灯具100の水平断面図である。
【0045】
図2および図3は第1の実施形態の車両用灯具100の導光レンズ3などを拡大して示した図である。詳細には、図2(A)は導光レンズ3の正面図である。図2(B)は図2(A)のC-C線に沿った鉛直断面図である。詳細には、図2(B)は発光素子光源1の光軸1’を含む導光レンズ3の鉛直断面図である。図3は図2(A)のD-D線に沿った水平断面図である。詳細には、図3は発光素子光源1の光軸1’を含む導光レンズ3の水平断面図である。
【0046】
図4は導光レンズ3によって導光される発光素子光源1からの光La0,LaU,LaD,LaL,LaRの光路を示した図である。詳細には、図4(A)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1からの光La0,LaU,LaDの光路を示した図である。図4(B)は図3に示す水平断面内における発光素子光源1からの光La0,LaL,LaRの光路を示した図である。図5は導光レンズ3によって導光される発光素子光源1からの光LfU,LfD,LfL,LfRの光路を示した図である。詳細には、図5(A)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1からの光LfU,LfDの光路を示した図である。図5(B)は図3に示す水平断面内における発光素子光源1からの光LfL,LfRの光路を示した図である。
【0047】
図6は導光レンズ3によって導光される発光素子光源1からの光Lc4U,Lc4D,Lc4L,Lc4Rの光路を示した図である。詳細には、図6(A)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1からの光Lc4U,Lc4Dの光路を示した図である。図6(B)は図3に示す水平断面内における発光素子光源1からの光Lc4L,Lc4Rの光路を示した図である。図7は導光レンズ3によって導光される発光素子光源1からの光Lc3U,Lc3D,Lc3L,Lc3Rの光路を示した図である。詳細には、図7(A)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1からの光Lc3U,Lc3Dの光路を示した図である。図7(B)は図3に示す水平断面内における発光素子光源1からの光Lc3L,Lc3Rの光路を示した図である。
【0048】
図8は導光レンズ3によって導光される発光素子光源1からの光Lc2U,Lc2D,Lc2L,Lc2Rの光路を示した図である。詳細には、図8(A)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1からの光Lc2U,Lc2Dの光路を示した図である。図8(B)は図3に示す水平断面内における発光素光源1からの光Lc2L,Lc2Rの光路を示した図である。図9は導光レンズ3によって導光される発光素子光源1からの光Lc1U,Lc1D,Lc1L,Lc1Rの光路を示した図である。詳細には、図9(A)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1からの光Lc1U,Lc1Dの光路を示した図である。図9(B)は図3に示す水平断面内における発光素子光源1からの光Lc1L,Lc1Rの光路を示した図である。」
(3)「【0051】
第1の実施形態の車両用灯具100では、図2(B)および図3に示すように、入射面3aが球面状の曲面によって構成されているが、第2の実施形態の車両用灯具100では、代わりに、球面状以外の曲面、平面などによって入射面3aを構成することも可能である。」
(4)「【0053】
更に、第1の実施形態の車両用灯具100では、図2および図3に示すように、入射面3aからの光La0,LaU,LaD,LaL,LaR(図4(A)および図4(B)参照)を透過させて車両用灯具100の照射方向(図4(A)の左側、図4(B)の下側)に出射する凸状の出射面3bが、導光レンズ3に設けられている。また、発光素子光源1の光軸1’を含む鉛直断面内における出射面3b(図2(B)参照)の曲率よりも、発光素子光源1の光軸1’を含む水平断面内における出射面3b(図3参照)の曲率が小さく設定されている。詳細には、鉛直方向に延びている直線VL(図2(B)および図3参照)を中心に、点b1(図2(B)参照)から点b2(図2(B)参照)まで延びている曲線b(図2(B)参照)を360°回転させることにより得られる曲面によって、出射面3b(図2(A)、図2(B)および図3参照)が構成されている。」
(5)図1には、以下の内容が示されている。
「
[図:0001419339000001.jpg]
」
(6)図2Bには、以下の内容が示されている。
なお、本体部、外周部、連結部の位置の説明は、当審で付与した。
「
[図:0001419339000002.jpg]
」
(7)図3には、以下の内容が示されている。
「
[図:0001419339000003.jpg]
」
(8)図4~図9には、以下の内容が示されている。
「
[図:0001419339000004.jpg]
」
「
[図:0001419339000005.jpg]
」
「
[図:0001419339000006.jpg]
」
「
[図:0001419339000007.jpg]
」
「
[図:0001419339000008.jpg]
」
「
[図:0001419339000009.jpg]
」
2 甲3発明
図1~図9の図示内容からみて、甲3の第1の実施形態には、以下の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる(括弧内に、根拠箇所を示した。)。
「発光素子光源1から光軸1’に向けて出射された光を透過する車両用灯具100の導光レンズ3であって(段落【0044】、【0045】、図4~図9)
本体部と、
本体部の周囲に配置された外周部と、
本体部と外周部とを連結する連結部と
を備え(図2B)、
本体部は、入射面3aと、反射面3gと、凸状の出射面3bとを有し(【0053】、図4、図5)、
本体部の反射面3gは、入射面3aから入射した光を反射し(図5)、
外周部は、入射面3cと、反射面3d1~3d4と、出射面3e1~3e4と(図6~図9)を有し、
外周部の反射面3d1~3d4は、入射面3cから入射した光を反射し(図6~図9)、
本体部の入射面3aは、球面上の曲面である凹面である(【0051】、図2B、図3)、
車両用灯具100の導光レンズ3。」
3 本件発明1について
(1)対比
ア 本件発明1と甲3発明とを対比すると、後者の「発光素子光源1」は前者の「光源」に相当し,以下同様に、「光軸1’」は「光軸」に、「車両用灯具100の導光レンズ3」は「照明器具用レンズ」に、「本体部」は「本体部」に、「外周部」は「外周部」に、「連結部」は「連結部」に、「入射面3a」は「内側入射面」に、「反射面3g」は「内側反射面」に、「凸状の出射面3b」は「凸レンズの設けられた内側出射面」に、「入射面3c」は「外側入射面」に、「反射面3d1~3d4」は「外側反射面」に、「出射面3e1~3e4」は「外側出射面」に、それぞれ相当する。
これらの相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
イ 後者の「発光素子光源1から光軸1’に向けて出射された光を透過する車両用灯具100の導光レンズ3」は、前者の「光源から光軸に向けて出射された光を透過する照明器具用レンズ」に相当する。
ウ 後者の「本体部と、本体部の周囲に配置された外周部と、本体部と外周部とを連結する連結部とを備え」ることは、前者の「本体部と、前記本体部の周囲に配置された外周部と、前記本体部と前記外周部とを連結する連結部とを備え」ることに相当する。
エ 後者の「本体部は、入射面3aと、反射面3gと、凸状の出射面3bとを有」することは、前者の「前記本体部は、内側入射面と、内側反射面と、凸レンズの設けられた内側出射面とを有」することに相当する。
オ 後者の「本体部の反射面3gは、入射面3aから入射した光を反射」することは、前者の「前記内側反射面は、前記内側入射面から入射した光を反射」することに相当する。
カ 後者の「外周部は、入射面3cと、反射面3d1~3d4と、出射面3e1~3e4とを有」することは、前者の「前記外周部は、外側入射面と、外側反射面と、外側出射面とを有」することに相当する。
キ 後者の「外周部の反射面3d1~3d4は、入射面3cから入射した光を反射」することは、前者の「前記外側反射面は、前記外側入射面から入射した光を反射」することに相当する。
そうすると、両者は、
「光源から光軸に向けて出射された光を透過する照明器具用レンズであって、
本体部と、
前記本体部の周囲に配置された外周部と、
前記本体部と前記外周部とを連結する連結部と
を備え、
前記本体部は、内側入射面と、内側反射面と、凸レンズの設けられた内側出射面とを有し、
前記内側反射面は、前記内側入射面から入射した光を反射し、
前記外周部は、外側入射面と、外側反射面と、外側出射面とを有し、
前記外側反射面は、前記外側入射面から入射した光を反射する、照明器具用レンズ。」
において一致し、以下の点で相違すると認められる。
(相違点)
本件発明1では、「前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90°以下であり、前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している」のに対して、甲3発明では、「本体部の入射面3aは、球面上の曲面である凹面である」点。
(2)相違点についての検討
相違点の判断に入る前に、まず、本件発明1の「光軸に対する内側入射面の傾き」について確認しておくと、本件明細書の段落【0041】には、「ここで、光軸LXに対する傾きは、-Z方向を基準とした面と対象となる面との角度を示す。例えば、光軸LXに対する内側反射面114の傾きは、5°以上40°以下である。また、光軸LXに対する外側反射面124の傾きは、30°以上50°以下である。」と記載されている。
また、本件特許の図1には、以下の内容が示されている。
「
[図:0001419339000010.jpg]
」
以上を踏まえると、本件発明1の「光軸に対する内側入射面の傾き」とは、光軸と内側入射角面とがなす角のうち、両者が-Z方向でなす角のことと理解できる。
そうすると、相違点における本件発明1の「前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90°以下である」という構成は、すなわち、内側入射面が光軸に対して垂直な平面又は上向き(光源側)に凸形状であることを特定しているといえる。
一方、甲3の段落【0051】には、「第1の実施形態の車両用灯具100では、図2(B)および図3に示すように、入射面3aが球面状の曲面によって構成されているが、第2の実施形態の車両用灯具100では、代わりに、球面状以外の曲面、平面などによって入射面3aを構成することも可能である。」と記載されている。
そうすると、甲3には、甲3発明の「入射面3a」を「平面」(光軸に対して垂直な平面)で構成することについては示唆されているといえる。
しかしながら、甲3の段落【0051】の記載及び他の記載を踏まえても、甲3には、「入射面3a」の中央をその端部よりも「発光素子光源1」に対して突出させるように構成することについては、記載も示唆もされていない。
また、申立人が提出した他のいずれの証拠(後述の第6参照。)をみても、相違点の本件発明1に係る構成における「前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している」との構成について、記載も示唆もされていない。
そうすると、甲3発明において、相違点に係る本件発明1の構成を採ることが、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
よって、本件発明1は、甲3発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
申立人は、特許異議申立書において、甲3とは別の次の証拠も提示し、以下の特許異議申立理由(以下「申立理由」という。)を主張している。
甲第1号証:特開2005-49367号公報(以下「甲1」という。)
甲第2号証:特開2018-180127号公報(以下「甲2」という。)
1 申立理由
(1)主たる証拠を甲1、甲2、又は甲3とした場合の本件訂正前の請求項1に係る発明の新規性の欠如[特許法第29条第1項第3号(同法第113条第2号)]
本件訂正前の請求項1に係る発明はいずれも、甲1に記載された発明(以下「甲1発明」という。)、甲2に記載された発明(以下「甲2発明」という。)、又は甲3発明と同一の発明である。
(2)主たる証拠を甲1、又は甲2とした場合の本件訂正前の請求項1に係る発明の進歩性の欠如[特許法第29条第2項(同法第113条第2号)]
本件訂正前の請求項1に係る発明は、甲1発明、又は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
2 申立理由の検討
(1)申立理由(1)について
甲1、甲2にはいずれも、前記第5の3(1)における相違点に係る本件発明1の「前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90°以下であり、前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している」との構成は、記載も示唆もされていないから、本件発明1は、甲1発明、甲2発明と同一ではない。
また、前記第5の3(1)における本件発明1と甲3発明との間の相違点は、実質的な相違点であるので、本件発明1は、甲3発明と同一ではない。
したがって、申立理由(1)には理由がない。
(2)申立理由(2)について
前記第5の3(1)における相違点に係る本件発明1の「前記内側入射面の任意の地点において、前記光軸に対する前記内側入射面の傾きは90°以下であり、前記内側入射面の中央は、前記内側入射面の端部よりも前記光源に対して突出している」との構成については、甲1、甲2のいずれにも記載も示唆もされていないから、前記第5の3(2)における相違点の判断と同様の理由により、本件発明1は、甲1発明、甲2発明のいずれかに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、申立理由(2)には理由がない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に本件特許の本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-701388