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特許異議申立

2023-701332

非晶質ポリエステル樹脂、接着剤、塗料組成物、積層体

審判番号
2023-701332
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-536615外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7294133
請求日
2023年12月18日
審決日
2024年03月18日
公報発行日
2024年04月26日
結論
維持
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.113-Y (C08G) / P1651.121-Y (C08G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7294133号発明「非晶質ポリエステル樹脂、接着剤、塗料組成物、積層体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7294133号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7294133号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、令和1年6月14日を国際出願日とする特願2019-536615(優先日 平成30年6月22日)であって、令和5年6月12日にその特許権の設定登録(請求項の数6)がされ、同年同月20日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和5年12月18日に特許異議申立人 笠原 佳代子(以下、「申立人」という。)は、特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし6)を行った。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし6に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいう。また、本件特許発明1ないし6をまとめて「本件特許発明」ともいう。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位とイソフタル酸由来の構造単位と直鎖脂肪族ジオール由来の構造単位とを含む非晶質ポリエステル樹脂であって、 前記非晶質ポリエステル樹脂中の前記一般式(1)で表される構造単位と前記イソフタル酸由来の構造単位との合計含有量が、前記非晶質ポリエステル樹脂に含まれる酸成分由来の構造単位の合計含有量100モル部に対して70モル部以上であり、軟化温度が50~140℃であり、酸価が5mgKOH/g以上である、非晶質ポリエステル樹脂。 【化1】 [図:0001409175000001.jpg] 【請求項2】 前記直鎖脂肪族ジオール由来の構造単位の合計含有量が、前記非晶質ポリエステル樹脂に含まれる酸成分由来の構造単位の合計含有量100モル部に対して60モル部以上である、請求項1に記載の非晶質ポリエステル樹脂。 【請求項3】 メチルエチルケトン不溶分が2質量%以下である、請求項1又は2に記載の非晶質ポリエステル樹脂。 【請求項4】 請求項1~3のいずれか一項に記載の非晶質ポリエステル樹脂を含む接着剤。 【請求項5】 請求項1~3のいずれか一項に記載の非晶質ポリエステル樹脂を含む塗料組成物。 【請求項6】 請求項1~3のいずれか一項に記載の非晶質ポリエステル樹脂を含む積層体。」 第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由 1 特許異議申立理由の概要 令和5年12月18日に申立人が提出した特許異議申立書(以下、「申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は、次のとおりである。 (1)申立理由1(甲第1号証に基づく新規性欠如) 本件特許の請求項1ないし4及び6に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の上記請求項に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 (2)申立理由2(甲第1号証を主引用例とする進歩性欠如) 本件特許発明1ないし6は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の上記請求項に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。 2 証拠方法 申立書に添付されて提出された証拠方法は、以下のとおりである。 甲第1号証:国際公開第2018/012572号 甲第2号証:特開2001-214140号公報 甲第3号証:再公表特許WO2015/097746号公報 以下、「甲第1号証」等を、順に「甲1」等という。 第4 当審の判断 申立人がした申立ての理由によっては、本件特許発明1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。 その理由は以下のとおりである。 1 証拠方法等の記載事項等 (1)甲1の記載事項等 ア 甲1の記載事項 甲1には、以下の記載がされている。 なお、下線については当審において付与したものである。以下、同様。 「請求の範囲 [請求項1] ポリエステルからなる層を少なくとも最表層に有するシーラントフィルムであって、 前記ポリエステルが、2,5-フランジカルボン酸単位を20~50モル%、エチレングリコール単位、1,3-プロパンジオール単位及び1,4-ブタンジオール単位からなる群から選択される少なくとも1種のジオール単位を18~49.5モル%、及びジエチレングリコール単位を0.5~2.5モル%含有し、 前記シーラントフィルムの結晶化度が14%未満であり、かつ 前記シーラントフィルムが、125℃で20秒間静置した場合における最大収縮方向の収縮率が6%以上である延伸フィルムであることを特徴とするシーラントフィルム。」 「[0007] 本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、機械的性質、特に引張伸度に優れ、なおかつヒートシール性、非吸着性及びガスバリア性にも優れたシーラントフィルムを提供することを目的とする。 [0008] 上記課題は、ポリエステルからなる層を少なくとも最表層に有するシーラントフィルムであって、前記ポリエステルが、2,5-フランジカルボン酸単位を20~50モル%、エチレングリコール単位、1,3-プロパンジオール単位及び1,4-ブタンジオール単位からなる群から選択される少なくとも1種のジオール単位を18~49.5モル%、及びジエチレングリコール単位を0.5~2.5モル%含有し、前記シーラントフィルムの結晶化度が14%未満であり、かつ前記シーラントフィルムが、125℃で20秒間静置した場合における最大収縮方向の収縮率が6%以上である延伸フィルムであることを特徴とするシーラントフィルムを提供することによって解決される。 ・・・ [0013] 本発明のシーラントフィルムは、機械的性質、特に引張伸度に優れ、なおかつヒートシール性、非吸着性及びガスバリア性にも優れる。したがって、このようなシーラントフィルムは、各種包装材の最内層等として好適に用いられる。また、本発明の製造方法によれば、このようなシーラントフィルムを簡便に得ることができる。」 「[0021] 他のコモノマー単位として用いられるジカルボン酸単位としては、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体;シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体から誘導されるものが例示される。前記ダイマー酸は、不飽和脂肪酸を二量化して得られるジカルボン酸である。前記不飽和脂肪酸としては、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸等の炭素数18の不飽和脂肪酸が挙げられる。前記ダイマー酸は、水素添加されていないものであってもよいし、水素添加されたものであってもよいが、重合時の着色が少ない後者が好ましい。他のコモノマー単位として用いられるジカルボン酸単位が、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位、セバシン酸単位、ダイマー酸単位及びアジピン酸単位からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位、セバシン酸単位及びダイマー酸単位からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましく、テレフタル酸単位及びイソフタル酸単位からなる群より選択される少なくとも一種であることがさらに好ましい。」 「[0037] 前記ポリエステルを製膜する方法としては、前記ポリエステルをTダイ法、インフレーション法等で押出成形する方法が挙げられる。押出成形に用いる前記ポリエステルの固有粘度は、Tダイ法では0.6~1.3dl/gの範囲内であることが好ましく、インフレーション法では0.8~1.3dl/gの範囲内であることが好ましい。前記ポリエステルを押出成形するのに用いられる押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等が挙げられる。押出成形時の前記ポリエステルの温度は、(前記ポリエステルの融点+10℃)~(ポリエステル樹脂の融点+80℃)の範囲内の温度にするのが好ましい。溶融した前記ポリエステルをフィルム状に押出した後、冷却ドラムなどを用いて急冷固化することにより未延伸フィルムを得ることが好ましい。これにより、得られるフィルム中のポリエステルの結晶化が抑制される。前記冷却ドラムの温度は、(前記ポリエステルのガラス転移点-30℃)~(前記ポリエステルのガラス転移点+10℃)の範囲の温度にするのが好ましい。フィルム製造時に発生するトリム等のスクラップは回収して再利用することができる。」 「[0044] 本発明のシーラントフィルムの結晶化度が14%未満である必要がある。ここで、シーラントフィルムの結晶化度とは、延伸フィルム中のポリエステルの結晶化度である。前記結晶化度が14%以上である場合、引張伸度及びヒートシール性が不十分となる。前記結晶化度は10%以下が好ましく、8%以下がより好ましい。前記結晶化度は0%以上であってもよい。本発明のシーラントフィルム中のポリエステルの固有粘度が0.5~1.3dl/gの範囲内であることも好ましい。」 「[0046] 本発明のシーラントフィルムは、機械的性質、特に引張伸度に優れ、なおかつヒートシール性、非吸着性及びガスバリア性にも優れる。したがって、当該シーラントフィルムは、食品、飲料、薬品、化粧品、医療器具等の包装材の最内層等として好適に使用される。本発明のシーラントフィルムは、上記ポリエステルからなる層を少なくとも最表面に有するものであるが、単層の包装材として用いる場合、その厚みは、通常20~80μmである。また、本発明のシーラントフィルムを多層の包装材の最内層として用いる場合、シーラントフィルムの厚みは、通常3~20μmである。このとき、本発明で用いられる上記ポリエステルからなる層と積層させる他の層としては、紙、前記シーラントフィルム以外の樹脂フィルム、金属板等が挙げられる。なかでも、(コストを低減させるとともに、弾性率を調整できる)観点から、本発明で用いられる上記ポリエステル以外の他のポリエステルを他の層とし、本発明で用いられる上記ポリエステルと他の層とが共押出され共延伸された多層フィルムであることが本発明の好適な実施態様である。他のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート共重合物、ポリエチレン-シクロヘキサンジメチレン-テレフタレート共重合物、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートイソフタレート共重合物とポリエチレンフラノエートとのドライブレンド物等が好適に用いられる。共押出成形する方法としては、上記押出成形のところで説明された方法と同様の方法を用いることができる。また、共延伸する方法としては、上記未延伸フィルムを延伸する方法のところで説明された方法と同様の方法を用いることができる。」 「[0047] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。 [0048] (1)固有粘度(IV) ポリエステルの固有粘度は、フェノールと1,1,2,2-テトラクロロエタンとの等質量混合物を溶媒として用いて、温度30℃にて測定した。 [0049] (2)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(TA インスツルメント製TA Q2000型)を用いてポリエステルのガラス転移温度(Tg)を測定した。ポリエステルを昇温速度10℃/分で280℃まで昇温した後、-50℃/分で30℃まで急冷してから、再び昇温速度10℃/分で昇温したときのデータからガラス転移温度(Tg)を算出した。 [0050] (3)結晶化度(χ) 前記示差走査熱量計を用いてフィルム中のポリエステルの結晶化度(χ)を求めた。ポリエステルフィルムを昇温速度10℃/分で昇温させることにより、融解エンタルピー(ΔHm(J/g)及び結晶化エンタルピーΔHc(J/g)を測定した。このとき測定されたΔHm及びΔHc、並びにポリエステルの完全結晶体融解熱量[140.1(J/g)]を用いて、下記式から結晶化度χ(%)を求めた。 χ(%)=[(ΔHm-ΔHc)/140.1]×100 [0051] (4)熱収縮率 厚み40~60μmのシーラントフィルムを80mm角の正方形に切り出し、製膜時の流れ方向(MD)および延伸方向をフィルムに印した。フィルムを125℃に保持された恒温装置中に20秒間静置した後、最大収縮方向における収縮率を求めた。 [0052] (5)引張試験 厚み40~60μmのシーラントフィルムを、製膜時の流れ方向(MD)が長手方向となるように、長さ100mm、幅15mmの短冊状に切り出し試験片を得た。オートグラフ(島津製作所製)を用いて、温度23℃、相対湿度65%、引張速度50mm/分にて前記試験片の引張試験を行うことにより、シーラントフィルムの流れ方向(MD)における引張強度、ヤング率及び引張伸度(破断伸度)を求めた。 [0053] (6)ヒートシール試験 幅15mmの短冊状に切り出した厚み40~60μmのシーラントフィルム2枚を重ね合わせ、YSS式ヒートシーラー(安田精機製作所製)を用いて、70~150℃の温度条件(10℃間隔)で、0.2MPaにて2秒間ヒートシールを行うことにより、異なる温度でヒートシールされたサンプルを作製した。オートグラフ(島津製作所製)を用いて、引張速度50mm/分にて各サンプルの剥離試験を行うことにより、2枚のフィルムを引き剥がすのに必要なピール強度(180度ピール)を測定した。ピール強度が5.0N/15mm以上となるときのシール温度をヒートシール可能温度とした。150℃でヒートシールした場合でもピール強度が5.0N/15mm以上とならなかった場合、ヒートシール不可とした。 [0054] (7)酸素透過度 酸素透過度は、酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製「MOCON OX-TRAN2/20」)を用いて測定した。具体的には、測定装置にフィルムをセットし、温度20℃、湿度65%RHにて測定した。 [0055] 実施例1 (1)溶融重縮合 2,5-フランジカルボン酸(FDCA)100質量部、エチレングリコール(EG)47.7質量部、二酸化ゲルマニウム(GeO2)0.012質量部及び亜リン酸0.012質量部からなるスラリーをつくり、スラリーをエステル化槽に2時間かけてフィードしながら加圧下(ゲージ圧0.25MPa)で190℃に加熱してエステル化反応を行ってオリゴマーを製造した。得られたオリゴマーを重縮合槽に移し、これに0.1kPa下、270℃で120分間溶融重縮合させて、固有粘度0.7dL/gの共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルをノズルからストランド状に押出し30℃の温水中で冷却した後、円柱状(直径約2.5mm、長さ約2.5mm)に切断して、共重合ポリエステルのペレット(溶融重合ペレット)を得た。 [0056] (2)溶融重合ペレットの予備結晶化 以上のようにして得られた溶融重合ペレットを転動式真空固相重合装置に投入し、0.1kPa下、130~140℃で3時間予備結晶化を行った。 [0057] (3)固相重合 前記予備結晶化の後に、温度を上昇させて、0.1kPa下、190~200℃で100時間固相重合させて、固相重合ペレットを得た。得られた共重合ポリエステルの固有粘度は0.9dL/gであった。得られたポリエステルを構成する単量体成分の比率を1H-NMRスペクトル(装置:日本電子社製「JNM-GX-500型」、溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸)により確認したところ、2,5-フランジカルボン酸単位:エチレングリコール単位:ジエチレングリコール単位=50:48.75:1.25(モル比)であった。また、得られた共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は87℃であった。ポリエステルを構成する単量体成分の比率および、ガラス転移温度は固相重合の前後で変化しなかった。 [0058] (4)フィルム作製 得られた固相重合ペレットを120℃の乾燥機で終夜乾燥させたのち、一軸混練(シリンダー温度:260~280℃)させてから、T-ダイから85℃の冷却ロール上に押し出し、厚さ100μm、幅300mmの未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを100mm角に切り出し、四方をチャック固定し、95℃でパンタグラフ一軸延伸[延伸倍率:2倍、延伸方向:製膜時の流れ方向(MD)]を行った。得られた延伸フィルムの固有粘度の測定、結晶化度測定、熱収縮率測定、引張試験、ヒートシール試験及び酸素透過率測定を行った。結果を表1に示す。熱収縮率測定における最大収縮方向は、延伸方向(製膜時の流れ方向)であった。横方向(TD)の熱収縮率も合わせて表1に示す。 [0059] 実施例2 2,5-フランジカルボン酸48.5質量部、テレフタル酸51.5質量部、エチレングリコール46.25質量部、二酸化ゲルマニウム(GeO2)0.012質量部及び亜リン酸0.012質量部からなるスラリーをエステル化槽に2時間かけてフィードしながら加圧下(ゲージ圧0.25MPa)で220℃に加熱してエステル化反応を行ってオリゴマーを製造した。得られたオリゴマーを重縮合槽に移し、これに0.1kPa下、270℃で200分間溶融重縮合させて、固有粘度0.9dL/gの共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルをノズルからストランド状に押出し30℃の温水中で冷却した後、円柱状(直径約2.5mm、長さ約2.5mm)に切断して、共重合ポリエステルのペレット(溶融重合ペレット)を得た。当該共重合ポリエステルを構成する単量体成分の比率を実施例1と同様にして確認したところ、2,5-フランジカルボン酸単位:テレフタル酸単位:エチレングリコール単位:ジエチレングリコール単位=25:25:48.75:1.25(モル比)であった。また、得られた共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は83℃であった。得られた共重合ポリエステルを用いたこと、フィルム製膜時に75℃で2日間0.1kPa下で真空乾燥させたペレットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。熱収縮率測定における最大収縮方向は、延伸方向(製膜時の流れ方向)であった。 [0060] 実施例3 2,5-フランジカルボン酸48.5質量部、イソフタル酸51.5質量部、エチレングリコール46.25質量部、二酸化ゲルマニウム(GeO2)0.012質量部及び亜リン酸0.012質量部からなるスラリーを用いたこと以外は実施例2と同様にして溶融重合ペレットを得た。こうして得られた共重合ポリエステルの固有粘度は0.8dL/gであった。当該共重合ポリエステルを構成する単量体成分の比率を実施例1と同様にして確認したところ、2,5-フランジカルボン酸単位:イソフタル酸単位:エチレングリコール単位:ジエチレングリコール単位=25:25:48.75:1.25(モル比)であった。また、得られた共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は80℃であった。得られた共重合ポリエステルを用いたこと、以外は、実施例2と同様にして延伸フィルムの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。熱収縮率測定における最大収縮方向は、延伸方向(製膜時の流れ方向)であった。」 「[表1] [図:0001409175000002.jpg] 」 イ 甲1に記載された発明 甲1の実施例3で得られた共重合ポリエステルに着目すると、甲1には以下の発明が記載されていると認められる。 「2,5-フランジカルボン酸単位:イソフタル酸単位:エチレングリコール単位:ジエチレングリコール単位=25:25:48.75:1.25(モル比)であり、固有粘度(フェノールと1,1,2,2-テトラクロロエタンとの等質量混合物を溶媒として用いて、温度30℃にて測定)が0.8dL/g、ガラス転移温度(Tg)が80℃である共重合ポリエステルであって、下記製造方法により得られたシーラントフィルムの結晶化度(χ)が0%、引張強度92MPa、ヤング率2.3GPa及び引張伸度(破断伸度)>300%,ヒートシール可能温度が120℃、である共重合ポリエステル。 シーラントフィルムの製造方法:上記共重合ポリエステルを75℃で2日間0.1kPa下で真空乾燥させたペレットを、一軸混練(シリンダー温度:260~280℃)させてから、T-ダイから85℃の冷却ロール上に押し出し、厚さ100μm、幅300mmの未延伸フィルムを作製し、得られた未延伸フィルムを100mm角に切り出し、四方をチャック固定し、95℃でパンタグラフ一軸延伸[延伸倍率:2倍、延伸方向:製膜時の流れ方向(MD)]を行った。 結晶化度(χ):ポリエステルフィルムを昇温速度10℃/分で昇温させることにより、融解エンタルピー(ΔHm(J/g)及び結晶化エンタルピーΔHc(J/g)を測定した。このとき測定されたΔHm及びΔHc、並びにポリエステルの完全結晶体融解熱量[140.1(J/g)]を用いて、下記式から結晶化度χ(%)を求めた。 χ(%)=[(ΔHm-ΔHc)/140.1]×100 引張強度、ヤング率及び引張伸度(破断伸度):厚み40~60μmのシーラントフィルムを、製膜時の流れ方向(MD)が長手方向となるように、長さ100mm、幅15mmの短冊状に切り出し試験片を得た。オートグラフ(島津製作所製)を用いて、温度23℃、相対湿度65%、引張速度50mm/分にて前記試験片の引張試験を行うことにより、シーラントフィルムの流れ方向(MD)における引張強度、ヤング率及び引張伸度(破断伸度)を求めた。 ヒートシール可能温度:上記延伸フィルムを幅15mmの短冊状に切り出した厚み40~60μmのシーラントフィルム2枚を重ね合わせ、YSS式ヒートシーラー(安田精機製作所製)を用いて、70~150℃の温度条件(10℃間隔)で、0.2MPaにて2秒間ヒートシールを行うことにより、異なる温度でヒートシールされたサンプルを作製した。オートグラフ(島津製作所製)を用いて、引張速度50mm/分にて各サンプルの剥離試験を行うことにより、2枚のフィルムを引き剥がすのに必要なピール強度(180度ピール)を測定した。ピール強度が5.0N/15mm以上となるときのシール温度をヒートシール可能温度とした。」(以下、「甲1発明」という。) (2)甲2の記載事項 「【請求項1】基材の片面に、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、ワックスを主成分とするヒートシール接着剤層を設けたヒートシールラベルにおいて、ラベリングをする際の温度条件での該ヒートシール接着剤の貯蔵弾性率が10Pa~5000Paであることを特徴とするヒートシールラベル。」 「【0008】ヒートシール接着剤の軟化点もヒートシールラベルの品質に影響する重要な因子であるが、本発明は該接着剤が軟化したときの性質である粘弾性を適正化したことが特に重要なのである。つまり軟化点は樹脂が軟化し始める温度であり、低いと該ラベルの保存性(ブロッキング)が劣り、逆に高いとラベリング装置により高い熱源が必要となり、経済的に不利となる。因みに適正な軟化点としては60℃から110℃程度である。従って本発明のヒートシール接着剤の貯蔵弾性率は120℃での測定値で代表できる。 【0009】また、ラベリングする際の温度としては、該接着剤の軟化点以上で、かつ適正な貯蔵弾性率となる温度であればよく、本発明は通常のラベリング装置で採用される温度を120℃と仮定してラベリング適性の最適化を図ったもので、設定温度が軟化点に合わせて変更されても、その温度での貯蔵弾性率が本発明の範囲であれば良好なラベリング適性を示す。」 (3)甲3の記載事項 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構成単位と、 ビスフェノール骨格を有する化合物由来の構成単位と、 多価カルボン酸由来の構成単位とを含むポリエステル樹脂であって、 前記ビスフェノール骨格を有する化合物由来の構成単位を、前記多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して20モル部以上含む、ポリエステル樹脂。 【化1】 [図:0001409175000003.jpg] 」 「【0057】 以下に本発明の実施例を示す。また、評価は以下の方法で行った。 (1)ポリエステル樹脂の評価方法 <ガラス転移温度(Tg)> 示差走差熱量計(島津製作所製DSC-60)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、ガラス転移温度以上の温度(100℃)で10分間融解した後、ドライアイスを用いて冷却したサンプルを用いた。 <軟化温度(T4)> フローテスター(島津製作所社製CFT-500D)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度を測定した。 <酸価(AV)> サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール10mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10ml、クロロホルム20ml、クレゾールレッド溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。 酸価(mgKOH/g)=(B-C)×0.02×56.11×p÷A ・・・」 「【0058】 <エステル系溶剤に対する溶解性> メチルエチルケトン(MEK)不溶分 ポリエステル樹脂約0.5gを三角フラスコ内に精秤し(Ag)、フラスコ内にMEK50mlを加え、70℃のウォーターバスにて3時間加熱溶解した。この溶液を、セライト545を密に充填した後、前記セライト545を十分に乾燥させた1GP100のガラスろ過器(Bg)を用いて吸引濾過を行った。その後、アセトンを用いてガラスろ過器内に残存するMEKを十分に除去したのち、不溶分の残存したガラスろ過器を再度乾燥して重量を測定し(Cg)、以下の式に従ってMEK不溶分を算出した。 MEK不溶分(質量%)=(C-B)/A ×100 エステル系溶剤溶解性の基準を、以下の通りとした。 S(非常に良好) :MEK不溶分が0~1質量% A(良好) :MEK不溶分が2~3質量% B(使用可能) :MEK不溶分が4~5質量% C(劣る) :MEK不溶分が6質量%以上」 「【表1】 [図:0001409175000004.jpg] 【表2】 [図:0001409175000005.jpg] 」 2 対比・検討 (1)本件特許発明1について 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明の「エチレングリコール単位」及び「ジエチレングリコール単位」は、本件特許発明1の「直鎖脂肪族ジオール由来の構造単位」に相当する。 甲1発明の「2,5-フランジカルボン酸単位」及び「イソフタル酸単位」は、各々本件特許発明1の「酸成分由来の構造単位」である「一般式(1)(当審注:以降、構造式【化1】は省略する。)で表される構造単位」及び「イソフタル酸由来の構造単位」に相当する。また、甲1発明の酸成分由来の構造単位は、「2,5-フランジカルボン酸単位」及び「イソフタル酸単位」のみであるから、「2,5-フランジカルボン酸単位」及び「イソフタル酸単位」の合計含有量は、酸成分由来の構造単位の合計含有量100モル部に対して100モル部となり、本件特許発明1の「前記非晶質ポリエステル樹脂中の前記一般式(1)で表される構造単位と前記イソフタル酸由来の構造単位との合計含有量が、前記非晶質ポリエステル樹脂に含まれる酸成分由来の構造単位の合計含有量100モル部に対して70モル部以上」である事項を満たす。 そして、甲1発明の「共重合ポリエステル」は、本件特許発明1の「ポリエステル樹脂」と同じモノマー組成比を有し、また、甲1発明の「共重合ポリエステル」は、当該共重合ポリエステルから得られた延伸フィルムの結晶化度(χ)が0%となっていることから、当該共重合ポリエステル自体が「非晶質」であるものと認められる。そうすると、甲1発明の「共重合ポリエステル」は、本件特許発明1の「非晶質ポリエステル樹脂」に相当する。 してみると、両発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 <一致点> 一般式(1)で表される構造単位とイソフタル酸由来の構造単位と直鎖脂肪族ジオール由来の構造単位とを含む非晶質ポリエステル樹脂であって、 前記非晶質ポリエステル樹脂中の前記一般式(1)で表される構造単位と前記イソフタル酸由来の構造単位との合計含有量が、前記非晶質ポリエステル樹脂に含まれる酸成分由来の構造単位の合計含有量100モル部に対して70モル部以上である、非晶質ポリエステル樹脂。 <相違点1> 非晶質ポリエステル樹脂の軟化温度が、本件特許発明1は「50~140℃」であるのに対し、甲1発明は不明である点 <相違点2> 非晶質ポリエステル樹脂の酸価が、本件特許発明1は「5mgKOH/g以上」であるのに対し、甲1発明は不明である点 そこで、上記相違点について検討する。 <相違点1>について 本件特許発明1の「軟化温度」について、本件特許明細書を参酌すると、その段落【0054】に、「(軟化温度(T1/2)) 島津製作所(株)製フローテスターCFT-500Dを用い、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30Kgf)、昇温速度3℃/分の等速昇温下で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した温度を求めた。」と記載されている。 一方、甲2の段落【0008】には、「ヒートシール接着剤の軟化点もヒートシールラベルの品質に影響する重要な因子であるが、本発明は該接着剤が軟化したときの性質である粘弾性を適正化したことが特に重要なのである。つまり軟化点は樹脂が軟化し始める温度であり、低いと該ラベルの保存性(ブロッキング)が劣り、逆に高いとラベリング装置により高い熱源が必要となり、経済的に不利となる。因みに適正な軟化点としては60℃から110℃程度である。」と記載されている。 まず、甲1発明の「ヒートシール可能温度」と、本件特許発明1の「軟化温度(T1/2)」は同じ温度ではない。 そして、本件特許発明1の「軟化温度(T1/2)」は、いわゆる樹脂全体の「1/2」量が溶出する際の温度を意味する。一方、甲1発明に規定される「ヒートシール可能温度」は、所定の接着強度が得られるようにフィルム同士が溶着されるのに必要な加熱温度であって、軟化あるいは溶融するのは主にフィルムの表面部分であることを当業者は理解するのが通常である。 そうすると、甲2に記載される「軟化点」が、本件特許明細書でいう上記「軟化温度(T1/2)」を意味するのか定かではなく、甲1発明に規定される「ヒートシール可能温度」が、樹脂全体の「1/2」量が流出するまでの加熱温度である本件特許発明1の「軟化温度(T1/2)」より必ず低くなるとはいえないし、また、上記「軟化温度(T1/2)」が「ヒートシール可能温度」よりも低くなることが本件優先日時の技術常識であったともいえない。 よって、相違点1は、実質的な相違点であるから、本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではない。 ついで、相違点1の容易想到性について検討する。 本件特許発明は、コーティング剤や接着剤に使用できるよう、「バイオマス由来のモノマーを使用して環境負荷を低減し、良好な溶剤溶解性およびガスバリア性を有するポリエステル樹脂を提供すること」(本件特許明細書の段落【0008】)を目的とするものである。 一方、甲1の段落[0007]に記載されているように、甲1発明は、「機械的性質、特に引張伸度に優れ、なおかつヒートシール性、非吸着性及びガスバリア性にも優れたシーラントフィルムを提供すること」を目的としてなされたものであり、そのフィルムの具体的製造方法について、段落[0037]に、「前記ポリエステルを製膜する方法としては、前記ポリエステルをTダイ法、インフレーション法等で押出成形する方法が挙げられる。押出成形に用いる前記ポリエステルの固有粘度は、Tダイ法では0.6~1.3dl/gの範囲内であることが好ましく、インフレーション法では0.8~1.3dl/gの範囲内であることが好ましい。」と記載されていることからすると、本件特許発明のように溶剤に溶解してフィルムを製造することを意図するものではない。 ところで、機械的性質とヒートシール性を両立させることは困難なことであったことは、本件特許優先日の技術常識である。 そして、甲1ないし甲3には、共重合ポリエステルの機械的性質を保持したまま、「軟化温度(T1/2)」を「50~140℃」とする技術については記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、相違点1に係る事項である「軟化温度(T1/2)」を「50~140℃」とする動機付けはないといえる。 そして、本件特許発明1は、「環境負荷を低減できるとともに、良好な溶剤溶解性およびガスバリア性」を有する効果を奏するものである。 よって、相違点2を検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明、すなわち甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件特許発明2ないし6について 本件特許発明2ないし6は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様の理由で、本件特許発明2ないし4及び6は、甲1に記載された発明ではないし、また、本件特許発明2ないし6は、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 3 申立人の主張について 申立人は申立書において、以下の主張を行っている。 ・主張(ア):「・・・実施例3では、ヒートシール可能温度が120℃である(表1)。ここで、樹脂の軟化によってヒートシールが可能となることや、軟化温度がヒートシール可能温度より低いことは、甲第2号証にも記載されているように、当業者の技術常識である。また、実施例3では、樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃であり、ガラス転移温度末満で樹脂が軟化しないことも、当業者の技術常識である。 従って、実施例3のポリエステル樹脂の軟化温度は、80~120℃の範囲内である蓋然性が高い。」(申立書第10ページ) ・主張(イ):「・・・甲1発明として、ヒートシール可能温度が120℃である実施例3で得られたシーラントフィルムに対して、よりヒートシールの適正化を図る目的で、甲第2号証に適切な軟化点として記載された60℃から110℃程度を採用して構成Dに想到することは、当業者は極めて容易になし得ることである。」(申立書第17ページ) そこで、上記主張について検討する。 ・主張(ア)について 上記2(1)で説示したとおり、甲2に記載される「軟化点」が、本件特許明細書でいう上記「軟化温度(T1/2)」を意味するのか定かではなく、本件特許明細書でいう上記「軟化温度(T1/2)」が「ヒートシール可能温度」よりも低くなる根拠もない。 よって、申立人の上記主張を首肯することができない。 ・主張(イ)について 上記2(1)で説示したとおり、甲1発明は、「機械的性質、特に引張伸度に優れ、なおかつヒートシール性、非吸着性及びガスバリア性にも優れたシーラントフィルムを提供すること」を目的としてなされたものであるところ、甲1ないし甲3には、共重合ポリエステルの機械的性質を保持したまま、「軟化温度(T1/2)」を「50~140℃」とする技術については記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、相違点1に係る事項である「軟化温度(T1/2)」を「50~140℃」とする動機付けはないといえる。 よって、申立人の上記主張を首肯することができない。 4 まとめ 以上検討したとおり、本件特許発明1ないし4及び6は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるとはいえないし、また、本件特許発明1ないし6は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、申立理由によっては取り消すことはできない。 第5 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。 また、ほかに本件特許の請求項1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701332

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