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特許異議申立

2023-701229

樹脂成型体および化粧シート

審判番号
2023-701229
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-171608
登録番号
7279764
請求日
2023年11月21日
審決日
2024年06月28日
公報発行日
2024年09月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】TOPPANホールディングス株式会社
  • 【権利者代理人】廣瀬 一
  • 【権利者代理人】宮坂 徹
  • 【権利者代理人】田中 秀▲てつ▼
  • 【異議申立人】下河 あい
審判長/審判官
  • 審判長 藤原 浩子
  • 審判官 北澤 健一
  • 審判官 藤井 勲
分類
P1651.113-YAA(C08L) / P1651.121-YAA(C08L) / P1651.537-YAA(C08L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7279764号発明「樹脂成型体および化粧シート」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7279764号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕、〔4-10〕について訂正することを認める。 特許第7279764号の請求項1~2及び4~9に係る特許を維持する。 特許第7279764号の請求項3及び10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7279764号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~10に係る特許についての出願は、平成29年6月2日(以下、「原出願日」という。)に出願した特願2017-110294号の一部を、令和3年10月20日に新たな出願としたものであって、令和5年5月15日にその特許権の設定登録がされ、同年同月23日に特許掲載公報が発行された。 その後、その特許に対し、令和5年11月21日に特許異議申立人 下河 あい(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:請求項1~10)がされたものである。 その後の主な手続の経緯は、次のとおりである。 令和6年1月31日付け: 取消理由通知 同年4月 4日 : 特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 同年4月11日付け: 訂正請求があった旨の申立人への通知 なお、当該通知に対し、申立人からの応答はなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正内容 令和6年4月4日提出の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。 (1)請求項1~3についての訂正 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、前記紫外線吸収剤に」を「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、前記紫外線吸収剤に」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (2)請求項4~10についての訂正 ア 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4の「樹脂成型体を有し、前記紫外線吸収剤は、」を「樹脂成型体を有し、前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、前記紫外線吸収剤は、」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 イ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5の「前記オレフィン樹脂は、ホモポリプロピレン樹脂のみである」を「前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみである」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 ウ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6の「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、前記紫外線吸収剤に」を「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、前記紫外線吸収剤に」に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 エ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項7の「前記オレフィン樹脂は、ホモポリプロピレン樹脂のみである」を「前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみである」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 オ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項8の「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、前記紫外線吸収剤に」を「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、前記紫外線吸収剤に」に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 カ 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 2 一群の請求項について 訂正事項1及び2は、訂正前に引用関係を有する請求項1~3に対して、また、訂正事項3~8は、訂正前に請求項9及び10により引用関係を有する請求項4~10に対して、請求されたものであるから、本件訂正は、一群の請求項ごとに請求されている。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)請求項1~3についての訂正 ア 訂正事項1による訂正について 訂正事項1は、「オレフィン樹脂」を「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみ」に限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」ということがある。)の段落【0048】~【0064】の実施例1~26においては、オレフィン樹脂として「高結晶性ホモポリプロピレン」のみを用いているから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものである。 イ 訂正事項2による訂正について 訂正事項2は、訂正前の請求項3を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、新規事項を追加するものでもない。 (2)請求項4~10についての訂正 ア 訂正事項3~7による訂正について 訂正事項3、5、7は、「オレフィン樹脂」を「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみ」に限定し、訂正事項4、6は、「ホモポリプロピレン樹脂のみ」を「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみ」に限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、本件明細書の段落【0048】~【0064】の実施例1~26においては、オレフィン樹脂として「高結晶性ホモポリプロピレン」のみを用いているから、訂正事項3~7は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものである。 イ 訂正事項8による訂正について 訂正事項8は、訂正前の請求項10を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、新規事項を追加するものでもない。 4 小括 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件訂正は適法なものであり、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕、〔4-10〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2で示したとおり、本件訂正は認められるため、本件特許の請求項1~10に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいい、本件特許発明1~10を総称して「本件特許発明」という。)は、それぞれ、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。 「【請求項1】 オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、 前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であり、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層と、その樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備したことを特徴とする樹脂成型体。 【請求項2】 前記光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成型体。 【化1】 [図:0001414199000001.jpg] 【化2】 [図:0001414199000002.jpg] 【請求項3】(削除) 【請求項4】 オレフィン樹脂を主成分とし、光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有し、前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層と、その樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備した樹脂成型体を有し、 前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり 前記紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有し、 前記酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であり、 前記光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする化粧シート。 【化3】 [図:0001414199000003.jpg] 【化4】 [図:0001414199000004.jpg] 【請求項5】 オレフィン樹脂を主成分とし、光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有し、前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層と、その樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備した樹脂成型体を有し、 前記紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有し、 前記酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であり、 前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであることを特徴とする化粧シート。 【請求項6】 オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、 前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であり、前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層と、 その樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備した樹脂成型体を有し、 前記紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有し、 前記酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であり、 前記光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする化粧シート。 【化5】 [図:0001414199000005.jpg] 【化6】 [図:0001414199000006.jpg] 【請求項7】 オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であり、前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層と、 その樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備した樹脂成型体を有し、 前記紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有し、 前記酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であり、 前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであることを特徴とする化粧シート。 【請求項8】 オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであり、 前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であり、前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層と、 その樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備した樹脂成型体を有することを特徴とする化粧シート。 【請求項9】 前記光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする請求項4~8の少なくとも何れか一項に記載の化粧シート。 【化7】 [図:0001414199000007.jpg] 【化8】 [図:0001414199000008.jpg] 【請求項10】(削除)」 第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要、証拠方法等及び取消理由の概要 1 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。 (1)申立理由A(甲第1号証を根拠とする新規性欠如) 本件特許の請求項1及び8に係る発明は、本件特許の原出願日前に頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)申立理由B(甲第1~4号証を主引用例とする進歩性欠如)(以下、主引用例の番号にあわせて、順に、「申立理由B-1~B-4」という。) 本件特許の請求項1~10に係る発明は、甲第1~4号証に記載された発明、甲第1~5号証に記載された技術的事項及び甲第6~7号証記載の周知技術に基づいて、本件特許の原出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (3)申立理由C(サポート要件) 本件特許の請求項1~4、6及び8~10についての特許は、以下の理由で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 具体的理由は以下のとおり。 本件特許の請求項1~4、6及び8~10に係る発明は、長期間に亘る耐候性を実現した樹脂成型体及び化粧シートを提供することを目的とする。しかし、前記各発明に対応する実施例を確認しても、各発明の構成要件を満たす樹脂成型体及び化粧シートが長期間にわたる耐候性という効果を有するか不明であり、明細書の記載と技術常識に照らしても本件各発明の効果が得られるか不明であるから、サポート要件に違反する。 2 証拠方法 申立人は、証拠として、以下の文献等を提出している。文献の表記は、特許異議申立書の記載に基づく。以下、甲各号証の番号に応じて、甲第1号証を「甲1」などという。 甲第1号証:特許第4270676号 甲第2号証:特開2009-209205号公報 甲第3号証:米国特許第5733956号 甲第4号証:特開2013-22906号公報 甲第5号証:特開2006-88349号公報 甲第6号証:国際公開第2013/187455号 甲第7号証:国際公開第2012/137755号 甲第8号証:国際公開第2018/221610号 3 取消理由の概要 当審が通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 ・取消理由1(甲2を主引用例とする進歩性欠如) 本件特許の請求項1~10に係る発明についての特許は、甲2に記載された発明、甲2に記載された技術的事項及び甲6~7に記載された周知技術に基づいて、本件特許の原出願日前に当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 第5 当審の判断 1 本件特許の請求項3及び10に係る特許について 上記第2に示したとおり、請求項3及び10が削除されたことにより申立ての対象が存在しなくなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、本件特許の請求項3及び10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 2 取消理由1(甲2を主引用例とする進歩性欠如)及び申立理由B-2(甲2を主引用例とする進歩性欠如)について 申立理由B-2は、取消理由1と主引用例を同じくするものであるから、取消理由1と併せて検討する。 (1)甲2に記載された発明の認定 甲2の実施例1に着目すると、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認める。 「エチレン-プロピレン共重合樹脂(MFR=25、密度=0.90g/cm3、曲げ弾性率1700MPa)45質量部、 木粉(三共精粉(株)製、エコミルズ スーパーフィーダー#100)55質量部、 無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製、ユーメックス1010)5.0質量部、 テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ第3ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.1質量部、 トリス(2,4-ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト0.1質量部、 カルシウムステアレート0.05質量部、 光安定剤である化合物No.1の以下の化合物0.05質量部、及び、 [図:0001414199000009.jpg] 紫外線吸収剤である化合物No.7の以下の化合物0.2質量部 [図:0001414199000010.jpg] をドライブレンドした後、二軸押出機190℃で造粒後、180℃でプレス成形して得た、厚さ2mmの試験片。」 (2)対比・判断 ア 本件特許発明1について (ア)対比 甲2発明の「エチレン-プロピレン共重合樹脂(MFR=25、密度=0.90g/cm3、曲げ弾性率1700MPa)」及び「無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製、ユーメックス1010)」は、本件明細書の段落【0035】の記載からみて、本件特許発明1の「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂」と、「オレフィン樹脂」である限りにおいて一致する。 また、甲2発明の「エチレン-プロピレン共重合樹脂」及び「無水マレイン酸変性ポリプロピレン」は、「試験片」に成形される組成物全体105.5質量部(=45+55+5.0+0.1+0.1+0.05+0.05+0.2)において、それぞれ「45質量部」及び「5.0質量部」であり、合計で「50質量部」である主な成分であることから、甲2発明の「エチレン-プロピレン共重合樹脂」及び「無水マレイン酸変性ポリプロピレン」は、本件特許発明1の「オレフィン樹脂を主成分」とする点で一致する。 ここで、請求項1の「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層」という記載は、本件明細書の段落【0027】の「上記紫外線吸収剤や上記光安定剤を保護層へ添加する場合、保護層の主成分であるオレフィン系樹脂100重量部に対して、それぞれ0.1~3.0重量部添加することが好ましい。」の記載からみて、紫外線吸収剤と光安定剤のそれぞれの添加量が3.0重量部以下であることを意味しているものと認められる。 甲2発明の「光安定剤である化合物No.1の以下の化合物 [図:0001414199000011.jpg] 」は、本件明細書の段落【0026】に「N-アルコキシヒンダードアミン系光安定剤」の一例として記載される「炭酸ビス(1-ウンデカンオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)」であって、かつ、本件明細書の実施例6のpKa5.5である「LA-81」(https://web.archive.org/web/20160316143155/https://www.adeka.co.jp/chemical/products/plastic/pro116c.html 参照)と同じものである。 したがって、甲2発明の「光安定剤である化合物No.1の以下の化合物(当審注:構造式省略)」は、pKaが正の数値である5.5であるから、本件特許発明1の「正の数値を示す」「pKa」を有する「光安定剤」に相当する。 甲2発明の「光安定剤」は、「オレフィン樹脂」である「エチレン-プロピレン共重合樹脂(MFR=25、密度=0.90g/cm3、曲げ弾性率1700MPa)」及び「無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製、ユーメックス1010)」の合計量100質量部に対して、0.1質量部(=0.05質量部/50質量部×100)添加されるから、本件特許発明1と同じく、「オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下」の範囲内で添加されるものである。 甲2発明の「紫外線吸収剤である化合物No.7の以下の化合物 [図:0001414199000012.jpg] 」は、本件明細書の段落【0022】の「2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェノール(商品名LA-36)」であって、かつ、本件明細書の実施例3のpKa-5.1である「LA-36」と同じものである。 したがって、甲2発明の「紫外線吸収剤である化合物No.7の以下の化合物(当審注:構造式省略)」は、本件特許発明1の「紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKa」を有する「紫外線吸収剤」に相当する。 甲2発明の「紫外線吸収剤」は、「オレフィン樹脂」の合計量100質量部に対して、0.4質量部(=0.2質量部/50質量部×100)添加されるから、本件特許発明1と同じく、「オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下」の範囲内で添加されるものである。 そして、甲2発明における、光安定剤と紫外線吸収剤のpKaの差は、前記の値から計算すると、10.6となるから、本件特許発明1の「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」の範囲内になる。 さらに、甲2発明の「試験片」は、木質系合成樹脂組成物をプレス成形したものであって、樹脂の層をなすことから、本件特許発明1の「樹脂層」及び「樹脂成型体」に相当する。 そうすると、本件特許発明1と甲2発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であり、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点2-1-1> 本件特許発明1の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲2発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点2-1-2> オレフィン樹脂が、本件特許発明1においては、「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみ」であるのに対し、甲2発明においては、「エチレン-プロピレン共重合樹脂(MFR=25、密度=0.90g/cm3、曲げ弾性率1700MPa)」及び「無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製、ユーメックス1010)」である点 (イ)判断 事案に鑑み、相違点2-1-2について検討する。 甲2の【請求項4】や段落【0014】には、甲2発明で用いられる「エチレン-プロピレン共重合樹脂」と同列に「ポリプロピレン樹脂」などの合成樹脂が挙げられており、段落【0015】には、樹脂が、溶媒への不溶分比率、立体規則性の有無や種類等によらず用いられることも記載されている。 しかしながら、甲2には、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂を用いることは例示されていない。 また、甲1、3~7にも、甲2発明のような、木質系合成樹脂組成物におけるポリオレフィン樹脂として、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂を用いることは記載されておらず、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そうすると、甲2発明において、エチレン-プロピレン共重合樹脂と無水マレイン酸変性ポリプロピレンに代えて、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみを用いる動機付けがあるとはいえない。 したがって、相違点2-1-1について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲2発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件特許発明2について 本件特許発明2は、本件特許発明1を直接的に引用するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様の理由で、甲2発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 本件特許発明4~9について 本件特許発明4~9は、上記相違点2-1-2の構成を有するものであるから、上記ア(イ)に説示したものと同様の理由により、甲2発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)取消理由1(甲2を主引用例とする進歩性欠如)、申立理由B-2(甲2を主引用例とする進歩性欠如)についてのまとめ 以上によれば、本件特許発明1~2及び4~9は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1~2及び4~9に係る特許は、取消理由1及び申立理由B-2によっては取り消すことはできない。 3 取消理由に採用しなかった申立理由について (1)申立理由A(甲1を根拠とする新規性欠如)及び請求項1、8についての申立理由B-1(甲1を主引用例とする進歩性欠如)について ア 甲1に記載された発明の認定 甲1の請求項1を引用する請求項4に着目すると、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 「表面側より上塗り層、透明ポリオレフィン系樹脂シート、接着剤層及び絵柄模様層からなる中間層、並びに基材シートが順次積層されており、前記上塗り層と前記透明ポリオレフィン系樹脂シートと前記接着剤層の3つの層に、光安定剤及び/又は酸化防止剤、並びに紫外線吸収剤からなる添加剤を含有することを特徴とする化粧材であって、 光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定剤であることを特徴とする化粧材。」 イ 対比・判断 (ア)本件特許発明1について a 対比 甲1発明の「ポリオレフィン系樹脂」は、本件特許発明1の「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂」と、「オレフィン樹脂」である限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「透明ポリオレフィン系樹脂シート」は、「光安定剤及び/又は酸化防止剤、並びに紫外線吸収剤からなる添加剤を含有する」ことから、本件特許発明1の「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有」する「樹脂層」に相当し、甲1発明の「化粧材」は、本件特許発明1の「樹脂成型体」に相当する。 そうすると、本件特許発明1と甲1発明とは以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点1-1-1> 本件特許発明1の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲1発明は、そのような層を具備しない点 <相違点1-1-2> 本件特許発明1においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-1-3> 本件特許発明1においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-1-4> 本件特許発明1においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 b 新規性についての判断 上記aで示したとおり、本件特許発明1と甲1発明とは相違しており、当該相違点は実質的なものであるから、本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではない。 c 進歩性についての判断 事案に鑑み、相違点1-1-3について検討する。 甲1の段落【0039】には、本件明細書の実施例において用いられているチヌビン326が記載されており、また、段落【0042】には、本件明細書の実施例において用いられているチヌビン622も記載されている。しかしながら、甲1の段落【0039】、【0042】には、紫外線吸収剤、光安定剤として、チヌビン326、チヌビン622以外にも、多数の化合物が列挙されており、そのような多数列挙された化合物の中から、チヌビン326とチヌビン622という特定の組合せ、すなわち、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はない。 また、甲2~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明1は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた樹脂成型体を得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ)本件特許発明8について 本件特許発明8は、本件特許発明1における「樹脂成型体」について「化粧シート」と特定した発明である。 そうすると、本件特許発明8は、上記「(ア)本件特許発明1について」で述べた理由と同様の理由で、甲1に記載された発明ではなく、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 申立理由A(甲1を根拠とする新規性欠如)及び請求項1、8についての申立理由B-1(甲1を主引用例とする進歩性欠如)についてのまとめ 以上によれば、本件特許発明1及び8は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるとはいえず、また、本件特許発明1及び8は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1及び8に係る特許は、申立理由A及び申立理由B-1によっては取り消すことはできない。 (2)請求項2、4~7、9についての申立理由B-1(甲1を主引用例とする進歩性欠如)について ア 甲1に記載された発明の認定 上記(1)アにおいて示したとおりである。 イ 対比・判断 (ア)本件特許発明2について a 対比 本件特許発明2と甲1発明とを、上記(1)イ(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点1-2-1> 本件特許発明2の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲1発明は、そのような層を具備しない点 <相違点1-2-2> 本件特許発明2においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-2-3> 本件特許発明2においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-2-4> 本件特許発明2においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-2-5> 本件特許発明2においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点1-2-3及び1-2-5についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されているものの、甲1発明においてLA-81を用いることや、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はない。 また、甲1、3~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明2は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた樹脂成型体を得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ)本件特許発明4について a 対比 本件特許発明4と甲1発明とを、上記(1)イ(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体を有する化粧シート。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点1-4-1> 本件特許発明4の化粧シートを構成する樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲1発明は、そのような層を具備しない点 <相違点1-4-2> 本件特許発明4においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-4-3> 本件特許発明4においては、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-4-4> 本件特許発明4においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-4-5> 本件特許発明4においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-4-6> 本件特許発明4においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点1-4-3、1-4-5~1-4-6についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されており、甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲1発明においてこれらを用い、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明4は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明4は、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ)本件特許発明5について a 対比 本件特許発明5と甲1発明とを、上記(1)イ(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体を有する化粧シート。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点1-5-1> 本件特許発明5の化粧シートを構成する樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲1発明は、そのような層を具備しない点 <相違点1-5-2> 本件特許発明5においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-5-3> 本件特許発明5においては、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-5-4> 本件特許発明5においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-5-5> 本件特許発明5においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点1-5-3及び1-5-5についてまとめて検討する。 甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲1発明においてそのような紫外線吸収剤を用い、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明5は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明5は、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (エ)本件特許発明6について a 対比 本件特許発明6と甲1発明とを、上記(1)イ(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体を有する化粧シート。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点1-6-1> 本件特許発明6の化粧シートを構成する樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲1発明は、そのような層を具備しない点 <相違点1-6-2> 本件特許発明6においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-6-3> 本件特許発明6においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-6-4> 本件特許発明6においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-6-5> 本件特許発明6においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-6-6> 本件特許発明6においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点1-6-3、1-6-5~1-6-6についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されており、甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲1発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明6は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明6は、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (オ)本件特許発明7について a 対比 本件特許発明7と甲1発明とを、上記(1)イ(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体を有する化粧シート」。 そして、以下の点で相違する。 <相違点1-7-1> 本件特許発明7の化粧シートを構成する樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲1発明は、そのような層を具備しない点 <相違点1-7-2> 本件特許発明7においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-7-3> 本件特許発明7においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であ」るのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-7-4> 本件特許発明7においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 <相違点1-7-5> 本件特許発明7においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲1発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点1-7-3及び1-7-5についてまとめて検討する。 甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲1発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明7は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明7は、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (カ)本件特許発明9について 本件特許発明9は、本件特許発明2における「樹脂成型体」について「化粧シート」と特定した発明である。 そうすると、本件特許発明9は、上記「(ア)本件特許発明2について」で述べた理由と同様の理由で、甲1発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 申立理由B-1(甲1を主引用例とする進歩性欠如)についてのまとめ 以上によれば、本件特許発明2、4~7、9は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項2、4~7、9に係る特許は、申立理由B-1によっては取り消すことはできない。 (3)申立理由B-3(甲3を主引用例とする進歩性欠如)について ア 甲3に記載された発明の認定 甲3の実施例2に着目すると、以下の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認める。 「Tinuvin440を47.5%、Tinuvin327を37.5%、Tinuvin622を25.0%含む光安定剤パッケージを熱可塑性オレフィン系エラストマーと混合して形成した光安定化ポリマー組成物からなる試験片。」 イ 対比・判断 (ア)本件特許発明1について a 対比 甲3発明の「熱可塑性オレフィン系エラストマー」は、本件特許発明1の「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂」と、「オレフィン樹脂」である限りにおいて一致する。 また、甲3には、「光安定剤パッケージは、組成物の約0.4~2重量%の量で存在する」(第3欄第25~27行)ことが記載されていることも参酌すると、甲3発明の「熱可塑性オレフィン系エラストマー」は主な成分であると認められるから、甲3発明の「熱可塑性オレフィン系エラストマー」は、本件特許発明1の「オレフィン樹脂を主成分」とする点で一致する。 甲3発明の「Tinuvin622」は、本件明細書の段落【0026】に示されているものであるから、本件特許発明1の「光安定剤」に相当し、本件明細書の表1の実施例7のデータによれば、そのpKaは、正の数値を示す6.5である。 さらに、甲3発明の「試験片」は、樹脂からなるものであるから、本件特許発明1の「樹脂層」及び「樹脂成型体」に相当する。 そうすると、本件特許発明1と甲3発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点3-1-1> 本件特許発明1の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲3発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点3-1-2> 本件特許発明1においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲3発明においては、「熱可塑性オレフィン系エラストマー」を用いる点 <相違点3-1-3> 本件特許発明1においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であ」るのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-1-4> 本件特許発明1においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点3-1-3について検討する。 甲3には、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はない。 また、甲1~2、4~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明1は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた樹脂成型体を得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ)本件特許発明2について a 対比 本件特許発明2と甲3発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点3-2-1> 本件特許発明2の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲3発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点3-2-2> 本件特許発明2においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲3発明においては、「熱可塑性オレフィン系エラストマー」を用いる点 <相違点3-2-3> 本件特許発明2においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であ」るのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-2-4> 本件特許発明2においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-2-5> 本件特許発明2においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点3-2-3及び3-2-5についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されているものの、甲3発明においてLA-81を用いることや、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はない。 また、甲1、3~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明2は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた樹脂成型体を得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ)本件特許発明4について a 対比 本件特許発明4と甲3発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点3-4-1> 本件特許発明4の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲3発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点3-4-2> 本件特許発明4においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲3発明においては、「熱可塑性オレフィン系エラストマー」を用いる点 <相違点3-4-3> 本件特許発明4においては、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するのに対し、甲3発明においては、そのような組合せとすることが記載されていない点 <相違点3-4-4> 本件特許発明4においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-4-5> 本件特許発明4においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-4-6> 本件特許発明4においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-4-7> 本件特許発明4は、「化粧シート」であるのに対し、甲3発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点3-4-3、3-4-5~3-4-6についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されており、甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲3発明においてこれらを用い、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明4は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明4は、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (エ)本件特許発明5について a 対比 本件特許発明5と甲3発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点3-5-1> 本件特許発明5の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲3発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点3-5-2> 本件特許発明5においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲3発明においては、「熱可塑性オレフィン系エラストマー」を用いる点 <相違点3-5-3> 本件特許発明5においては、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するのに対し、甲3発明においては、そのような組合せとすることが記載されていない点 <相違点3-5-4> 本件特許発明5においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-5-5> 本件特許発明5においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-5-6> 本件特許発明5は、「化粧シート」であるのに対し、甲3発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点3-5-3及び3-5-5についてまとめて検討する。 甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲3発明においてそのような紫外線吸収剤を用い、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明5は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明5は、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (オ)本件特許発明6について a 対比 本件特許発明6と甲3発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点3-6-1> 本件特許発明6の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲3発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点3-6-2> 本件特許発明6においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲3発明においては、「熱可塑性オレフィン系エラストマー」を用いる点 <相違点3-6-3> 本件特許発明6においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であ」るのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-6-4> 本件特許発明6においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-6-5> 本件特許発明6においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-6-6> 本件特許発明6においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-6-7> 本件特許発明6は、「化粧シート」であるのに対し、甲3発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点3-6-3、3-6-5~3-6-6についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されており、甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲3発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明6は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明6は、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (カ)本件特許発明7について a 対比 本件特許発明7と甲3発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点3-7-1> 本件特許発明7の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲3発明の試験片は、そのような層を具備しない点 <相違点3-7-2> 本件特許発明7においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲3発明においては、「熱可塑性オレフィン系エラストマー」を用いる点 <相違点3-7-3> 本件特許発明7においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であ」るのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-7-4> 本件特許発明7においては、「前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である」のに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-7-5> 本件特許発明7においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲3発明においては、そのような特定がない点 <相違点3-7-6> 本件特許発明7は、「化粧シート」であるのに対し、甲3発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点3-7-3及び3-7-5についてまとめて検討する。 甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲3発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明7は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明7は、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (キ)本件特許発明8について 本件特許発明8は、本件特許発明1における「樹脂成型体」について「化粧シート」と特定した発明である。 そうすると、本件特許発明8は、上記「(ア)本件特許発明1について」で述べた理由と同様の理由で、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ク)本件特許発明9について 本件特許発明9は、本件特許発明2における「樹脂成型体」について「化粧シート」と特定した発明である。 そうすると、本件特許発明9は、上記「(イ)本件特許発明2について」で述べた理由と同様の理由で、甲3発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 申立理由B-3(甲3を主引用例とする進歩性欠如)についてのまとめ 以上によれば、本件特許発明1~2及び4~9は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1~2及び4~9に係る特許は、申立理由B-3によっては取り消すことはできない。 (4)申立理由B-4(甲4を主引用例とする進歩性欠如)について ア 甲4に記載された発明の認定 甲4の実施例1に着目すると、以下の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されていると認める。 「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂(E2910:出光石油化学(株)製)100重量部に耐候性の処方として、紫外線吸収剤ベンゾトリアゾール系樹脂(TINUVIN234:チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)を0.5重量部、ヒンダートアミン系光安定剤(TINUVIN123:チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)を0.5重量部それぞれ添加し、ペレットを得て、得られたペレットをTダイより230℃押出し、冷却ロールにて固化させつつ80μmとなるように製膜し、さらに表面をコロナ放電処理にて、40dyne/cm以上とし、得られた基材フィルム1。」 イ 対比・判断 (ア)本件特許発明1について a 対比 甲4発明の「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」は、本件特許発明1の「高結晶性ホモポリプロピレン樹脂」と、「オレフィン樹脂」である限りにおいて一致する。 また、甲4発明において、ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂100重量部に、紫外線吸収剤を0.5重量部、光安定剤を0.5重量部それぞれ添加しているから、甲4発明の「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」は、本件特許発明1の「オレフィン樹脂を主成分」とする点で一致する。 甲4発明の「ヒンダートアミン系光安定剤(TINUVIN123:チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)」は、本件明細書の表1の実施例5のデータによれば、pKaは4.7であるから、本件特許発明1の「正の数値を示す」「pKa」を有する「光安定剤」に相当する。 甲4発明の「光安定剤」の添加量は、ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂100重量部に対して0.5重量部であるから、本件特許発明1と同じく、「オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下」の範囲内で添加されるものである。 甲4発明の「紫外線吸収剤ベンゾトリアゾール系樹脂(TINUVIN234:チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)」は、本件特許発明1の「紫外線吸収剤」に相当する。 甲4発明の「紫外線吸収剤」の添加量は、ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂100重量部に対して0.5重量部であるから、本件特許発明1と同じく、「オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下」の範囲内で添加されるものである。 さらに、甲4発明の「基材フィルム1」は、樹脂からなるフィルムであるから、本件特許発明1の「樹脂層」及び「樹脂成型体」に相当する。 そうすると、本件特許発明1と甲4発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点4-1-1> 本件特許発明1の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲4発明は、そのような層を具備しない点 <相違点4-1-2> 本件特許発明1においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲4発明においては、「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」を用いる点 <相違点4-1-3> 本件特許発明1においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であ」るのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点4-1-3について検討する。 甲1、3には、本件明細書の実施例において用いられているチヌビン622も記載され、また、甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81が記載されているものの、甲4発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はない。 また、甲4~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明1は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた樹脂成型体を得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ)本件特許発明2について a 対比 本件特許発明2と甲4発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点4-2-1> 本件特許発明2の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」するが、甲4発明は、そのような層を具備しない点 <相違点4-2-2> 本件特許発明2においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲4発明においては、「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」を用いる点 <相違点4-2-3> 本件特許発明2においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0であ」るのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-2-4> 本件特許発明2においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点4-2-3~4-2-4についてまとめて検討する。 甲1、3には、本件明細書の実施例において用いられているチヌビン622も記載され、また、甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81が記載されているものの、甲4発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はない。 また、甲4~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpKaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、10.5~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明2は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた樹脂成型体を得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ)本件特許発明4について a 対比 本件特許発明4と甲4発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点4-4-1> 本件特許発明4の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲4発明は、そのような層を具備しない点 <相違点4-4-2> 本件特許発明4においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲4発明においては、「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」を用いる点 <相違点4-4-3> 本件特許発明4においては、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するのに対し、甲4発明においては、そのような組合せとすることが記載されていない点 <相違点4-4-4> 本件特許発明4においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-4-5> 本件特許発明4においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-4-6> 本件特許発明4は、「化粧シート」であるのに対し、甲4発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点4-4-3~4-4-5についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されており、甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲4発明においてこれらを用い、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明4は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明4は、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (エ)本件特許発明5について a 対比 本件特許発明5と甲4発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点4-5-1> 本件特許発明5の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲4発明は、そのような層を具備しない点 <相違点4-5-2> 本件特許発明5においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲4発明においては、「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」を用いる点 <相違点4-5-3> 本件特許発明5においては、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するのに対し、甲4発明においては、そのような組合せとすることが記載されていない点 <相違点4-5-4> 本件特許発明5においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-5-5> 本件特許発明5は、「化粧シート」であるのに対し、甲4発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点4-5-3~4-5-4についてまとめて検討する。 甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲4発明においてそのような紫外線吸収剤を用い、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5である紫外線吸収剤と、pKaが3.0から7.0の光安定剤を含有」するような組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明5は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明5は、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (オ)本件特許発明6について a 対比 本件特許発明6と甲4発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点4-6-1> 本件特許発明6の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲4発明は、そのような層を具備しない点 <相違点4-6-2> 本件特許発明6においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲4発明においては、「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」を用いる点 <相違点4-6-3> 本件特許発明6においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であ」るのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-6-4> 本件特許発明6においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-6-5> 本件特許発明6においては、「光安定剤は、下記式(1)、又は下記式(2)で表される構造を有する」(当審注:式(1)、式(2)は省略)のに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-6-6> 本件特許発明6は、「化粧シート」であるのに対し、甲4発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点4-6-3~4-6-5についてまとめて検討する。 甲2には、式(1)で表される構造を有する光安定剤であるLA-81を用いることが記載されており、甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲4発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明6は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明6は、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (カ)本件特許発明7について a 対比 本件特許発明7と甲4発明とを、上記(ア)aでの検討も踏まえて対比すると、以下の点で一致する。 <一致点> 「オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、 前記紫外線吸収剤および前記光安定剤の添加量が、前記オレフィン樹脂100重量部に対して3.0重量部以下である樹脂層を具備した、樹脂成型体。」 そして、以下の点で相違する。 <相違点4-7-1> 本件特許発明7の樹脂成型体は、オレフィン樹脂の「樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層とを具備」し、「酸変性樹脂層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂で形成された層であ」るが、甲4発明は、そのような層を具備しない点 <相違点4-7-2> 本件特許発明7においては、「オレフィン樹脂は、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂のみであ」るのに対し、甲4発明においては、「ランダム共重合体であるポリオレフィン系軟質樹脂」を用いる点 <相違点4-7-3> 本件特許発明7においては、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0であ」るのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-7-4> 本件特許発明7においては、「紫外線吸収剤は、トリアジン骨格を有」するのに対し、甲4発明においては、そのような特定がない点 <相違点4-7-5> 本件特許発明7は、「化粧シート」であるのに対し、甲4発明は、そのような特定がない点 b 判断 事案に鑑み、相違点4-7-3~4-7-4についてまとめて検討する。 甲2の段落【0035】には、紫外線吸収剤としてトリアジン骨格を有するものも例示され、甲4の段落【0012】には、トリアジン系の紫外線吸収剤が例示されているものの、甲4発明においてこれらを用い、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように選択する動機付けはない。 また、甲1、3、5~7にも、「前記紫外線吸収剤に光を照射したときの負の数値を示すpkaと、正の数値を示す前記光安定剤のpKaとの差が、8.0~12.0」である組合せとなるように紫外線吸収剤と光安定剤との組合せを選択する動機付けとなる記載はなく、また、それが技術常識となっていたともいえない。 そして、本件特許発明7は、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤とを組み合わせることにより、耐候性に優れた化粧シートを得ることができるという効果を奏する。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明7は、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (キ)本件特許発明8について 本件特許発明8は、本件特許発明1における「樹脂成型体」について「化粧シート」と特定した発明である。 そうすると、本件特許発明8は、上記「(ア)本件特許発明1について」で述べた理由と同様の理由で、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ク)本件特許発明9について 本件特許発明9は、本件特許発明2における「樹脂成型体」について「化粧シート」と特定した発明である。 そうすると、本件特許発明9は、上記「(イ)本件特許発明2について」で述べた理由と同様の理由で、甲4発明、及び、甲1~7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 申立理由B-4(甲4を主引用例とする進歩性欠如)についてのまとめ 以上によれば、本件特許発明1~2及び4~9は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1~2及び4~9に係る特許は、申立理由B-4によっては取り消すことはできない。 (5)申立理由C(サポート要件)について ア 本件特許発明の課題 本件明細書における段落【0005】等の記載から、本件特許発明の解決課題は、少なくとも「耐候性に優れた樹脂成型体および化粧シートを提供すること」にあると認められる。 イ 検討 本件明細書の一般的記載を見てみると、「紫外線吸収剤と光安定剤は、併用して用いたほうが、単独で用いた場合より安定性を増す場合があることが知られている。・・・紫外線吸収剤は、光吸収時した際に、トリアジン骨格もしくはベンゾトリアゾール骨格の窒素上に分子内水素結合を生じている存在確立が高い。言い換えると、ヒドロキシル基上の水素が解離しやすい状態にある。pKaが7よりも大きい光安定剤を共存させることで、光を吸収し励起状態にある紫外線吸収剤は、光安定剤と酸塩基反応を経た、副反応を生じやすくなる。つまりは、紫外線吸収剤や光安定剤が本来生じている反応式(3)から反応式(6)の反応を経ることができず副反応が増加する。言い換えると、光により分解しやすくなり、耐候性の低下に繋がる。一方で、pKaが7.0以下の光安定剤を用いた場合、光を吸収し励起状態にある紫外線吸収剤のヒドロキシル基上の水素と酸塩基反応を生じにくいため、紫外線吸収剤や光安定剤が反応式(3)から反応式(6)の反応を経やすい。そのため、光に対する耐候性を向上させることができる。」(段落【0045】)と記載され、式(3)~(6)は、段落【0016】~【0020】、【0023】~【0025】に示されている式であり、また、「保護層3を構成するオレフィン樹脂組成物中における紫外線吸収剤に光を照射したときのpKaが-4.5から-5.5であり、かつpKaが3.0から7.0の光安定剤を用いることで、耐候性の高い樹脂成型体や化粧シート1を提供することができる。」(段落【0046】)ことも記載されている。これらの記載から、所定のpKaを有する紫外線吸収剤と光安定剤を併用することにより、耐候性が向上すること及びその作用機序が記載されているといえる。 次いで、本件明細書の【実施例】には、紫外線吸収剤や光安定剤が異なる実施例と比較例の樹脂成型体を作製し、耐候性の評価を行った結果が示されている。そして、本件特許発明で特定されたpKaを満たす実施例の樹脂成型体は、満たさない比較例の樹脂成型体よりも、耐候性に優れることが示されている(段落【0048】~【0077】)。 そうすると、本件特許発明で特定されたpKaを満たす場合、優れた耐候性を示し、当該発明の課題を解決することができることを、当業者が認識できる。 したがって、本件特許発明は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明の課題を解決できると認識できる範囲のものである。 ウ 申立人の主張について 申立人は、特許異議申立書の第87ページの3.において、「(i)本件特許発明1、2、3及び8~10について」として、「特許発明1は、オレフィン樹脂を主成分として、紫外線吸収剤と光安定剤とを含有する樹脂成型体であり、上記紫外線吸収剤と上記光安定剤の光を照射したときのpKa値の差が10.5~12.0であり、上記紫外線吸収剤と上記光安定剤との含有量が規定され、該オレフィン樹脂層のいずれか一方の面に設けられた酸変性樹脂層を具備することを特徴とするものであり、長期間に亘る耐侯性を実現した樹脂成型体および化粧シートを提供することを目的とする。しかし、pKaの差が上記範囲に含まれる実施例は、具体的に実施例6、7、19及び20であり、pKaの差が上記範囲に含まれない他の実施例1~5、8~18及び21~26と比較して耐候性評価に対する優位性が全く確認できない。」と主張している。 そこで、上記申立人の主張について検討すると、上記イで説示したように、当業者が課題を解決できると認識するためには、本件特許発明で特定されたpKaを満たさないだけの比較例と比べて耐候性が向上していれば良いと認められ、実施例の中でより優れていなければならないと解釈すべき根拠は見あたらない。 よって、申立人の上記主張を首肯することができない。 申立人による、特許異議申立書の第87~88ページの3.における、「(ii)本件特許発明4について」及び「(iii)本件特許発明6について」で示された主張も同旨のものであるから、同様の理由により首肯することができない。 エ 小括 したがって、請求項1~2、4、6、8~9に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえないから、申立理由Cによっては取り消すことはできない。 第6 むすび 上記第5のとおり、本件特許の請求項1~2及び4~9に係る特許は、当審が通知した取消理由及び特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~2及び4~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、本件特許の請求項3及び10に係る特許についての特許異議の申立ては、請求項3及び10が訂正により削除されたことにより申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701229

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  • 2023-700558異議申立 / 2025-02-13 / 請求成立(取消)化粧シート及び化粧材
    同じ当事者: TOPPANホールディングス株式会社、下河 あい
  • 2024-700475異議申立 / 2024-12-24 / 訂正認容積層体および化粧シート
    同じ当事者: TOPPANホールディングス株式会社、下河 あい
  • 2024-700476異議申立 / 2024-12-24 / 訂正認容積層体およびそれを用いた化粧シート
    同じ当事者: TOPPANホールディングス株式会社、下河 あい
  • 2023-701277異議申立 / 2024-10-15 / 請求成立(取消)化粧シート及び化粧材
    同じ当事者: TOPPANホールディングス株式会社、下河 あい
  • 2023-701219異議申立 / 2024-03-19 / 維持化粧シート
    同じ当事者: TOPPANホールディングス株式会社、下河 あい
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,513件(113・C08L、121・C08L、537・C08L)
  • 2025-700661異議申立 / 2026-04-30 / 訂正認容ポリプロピレンコーティング組成物
    共通の審決分類: 113・C08L、121・C08L、537・C08L
  • 2025-700469異議申立 / 2026-04-27 / 訂正認容樹脂組成物及び電子部品装置
    共通の審決分類: 113・C08L、121・C08L、537・C08L
  • 2025-700320異議申立 / 2026-03-31 / 訂正認容澱粉含有樹脂組成物、ペレット、フレーク、樹脂成形物、澱粉含有樹脂組成物の製造方法…
    共通の審決分類: 113・C08L、121・C08L、537・C08L
  • 2024-700791異議申立 / 2026-03-26 / 訂正認容導電性組成物および生体センサ
    共通の審決分類: 113・C08L、121・C08L、537・C08L
  • 2024-701168異議申立 / 2026-03-13 / 訂正認容封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
    共通の審決分類: 113・C08L、121・C08L、537・C08L

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