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特許異議申立

2023-701176

プログラム及び情報処理装置

審判番号
2023-701176
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-093663
登録番号
7268907
請求日
2023年11月07日
審決日
2024年03月11日
公報発行日
2024年04月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社MaaS Tech Japan
  • 【権利者代理人】小林 功
  • 【異議申立人】森田 弘潤
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 智康
  • 審判官 安井 雅史
  • 審判官 松田 直也
分類
P1651.113-Y (G06Q) / P1651.121-Y (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7268907号発明「プログラム及び情報処理装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7268907号の請求項1~8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7268907号の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和元年9月6日に出願した特願2019-162859号の一部を令和3年6月3日に新たな特許出願として出願され、令和5年4月25日にその特許権の設定登録がされ、同年5月8日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年11月7日に特許異議申立人(以下、「申立人」という。) 森田弘潤 は、特許異議の申立てを行った。 第2 本件発明 特許第7268907号の請求項1~8の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明8」という。) 「【請求項1】 出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、 ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段、 前記登録手段により前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段、 前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段、 として機能させ、 前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に、前記施設に滞在するスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録すると共に、登録された前記移動スケジュールを前記出発地点から前記施設までの移動経路を示す移動スケジュールに変更し、且つ、前記施設から前記到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを追加登録することにより、登録された前記移動スケジュールを変更する、 プログラム。 【請求項2】 前記判定手段は、前記移動スケジュールの間に、前記施設情報が示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する、 請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】 前記判定手段は、前記スケジュールに基づき、ユーザに空いている時間があるか否かを判定し、当該判定の結果、前記時間があると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記時間がないと判定した場合に提案不可と否定判定する、 請求項1に記載のプログラム。 【請求項4】 前記スケジュールは、複数存在し、 前記判定手段は、複数のスケジュールのうち一のスケジュールと当該一のスケジュールの次のスケジュールの間の時間が、前記施設情報が示す施設に応じて設定された設定時間以上であるか否か判定し、当該判定の結果、設定時間以上であると判定した場合にユーザに空いている時間があるとして提案可と肯定判定し、設定時間未満であると判定した場合にユーザに空いている時間がないとして提案不可と否定判定する、 請求項3に記載のプログラム。 【請求項5】 前記判定手段は、前記スケジュールに基づき、ユーザが、前記施設情報が示す施設まで現在から所定時間以内に来られるか否かを判定し、当該判定の結果、前記所定時間以内に来られると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記所定時間以内に来られないと判定した場合に提案不可と否定判定する、 請求項1に記載のプログラム。 【請求項6】 前記端末装置をユーザ装置としたとき、 前記コンピュータは更に、前記施設情報が示す施設の予約状況を管理する施設装置と通信可能であり、 前記判定手段は更に、前記施設装置と通信して、前記施設情報が示す施設を予約可能か否か判定し、 前記出力手段は、前記判定手段が、提案可能と判定し、且つ、予約可能と判定した場合に、前記提案内容を出力する、 請求項1に記載のプログラム。 【請求項7】 前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に前記施設装置と通信し、前記施設の予約処理を実行する、 請求項6に記載のプログラム。 【請求項8】 出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、 ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段、 前記登録手段により前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段と、 前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段と、 を備え、 前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に、前記施設に滞在するスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録すると共に、登録された前記移動スケジュールを前記出発地点から前記施設までの移動経路を示す移動スケジュールに変更し、且つ、前記施設から前記到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを追加登録することにより、登録された前記移動スケジュールを変更する、 情報処理装置。」 第3 申立理由の概要 申立人は、下記2の証拠方法(以下、甲第1号証、甲第2号証を、それぞれ「甲1」、「甲2」という。)により、下記1を申立理由とする特許異議の申立をしている。なお、理由番号は、当審で付与した。 1 申立の理由 (1)申立理由1(甲1を主引例とする新規性違反) 本件発明1、3、4、8は、甲1に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に規定される要件を満たしていないため、同法第113条第2号により取り消されるべきものである。 (2)申立理由2(甲1を主引例とする進歩性違反1) 申立理由1において、仮に相違点があるとしても、本件発明1、3、4、8は、甲1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項に規定される要件を満たしていないため、同法第113条第2号により取り消されるべきものである。 (3)申立理由3(甲1を主引例とする進歩性違反2) 本件発明1~5、8は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項に規定される要件を満たしていないため、同法第113条第2号により取り消されるべきものである。 (4)申立理由4(甲1を主引例とする進歩性違反3) 本件発明6、7は、甲1に記載された発明及び慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項に規定される要件を満たしていないため、同法第113条第2号により取り消されるべきものである。 2 証拠方法 甲1:特開2018-45634号公報 甲2:特開2011-81840号公報 第4 甲1、甲2の記載 1 甲1(特開2018-45634号公報)について (1)甲1の記載事項 甲1には、以下のとおりの記載がある。(なお、下線は当審が付した。以下、同様。) 「【請求項12】 コンピュータを、 タイムライン上に配置済みの第1POIの終了時刻から前記タイムライン上に配置済みの第2POIの開始時刻までの時間間隔が、前記第1POIから前記第2POIまでの移動に要する時間よりも長い場合に、前記第1POIの終了時刻と前記第2POIの開始時刻との間の前記タイムライン上に、立ち寄りPOIを配置可能な時間帯を示すプランニングエリアを出力するプランニングエリア出力手段、 として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。」 「【0001】 本発明は、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。」 「【0010】 本実施形態の情報処理システム1は、モバイル端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)やパソコン等の電子機器の使用者(以下、単に「ユーザ」ともいう)に対して、タイムライン上にPOI(Point Of Interest)を配置して旅行計画を行うためのプランニング画面を提供するシステムである。 【0011】 「タイムライン」とは、POIを時系列に並べて表示できるプランニング画面上の領域である。「POI」とは、ユーザが関心を持っている地物等であり、例えば、店舗、宿泊施設、レジャー施設等の施設や観光地などの地点である。ここでいう「地点」は、施設などの比較的狭域の地点に限定されず、行政区などの比較的広域にわたる地点であってもよい。また、POIは、地点に限定されず、例えば、祭りなどのイベントを含んでいてもよい。」 「【0013】 サーバ3は、例えば、旅行サイトの提供者の自社サーバまたはホスティングサーバである。その他、サーバ3は、旅行サイトの提供を代行する代行者が利用するサーバ、あるいは旅行サイトを提供するサーバと連携してプランニング画面を提供するサーバであってもよい。」 「【0015】 端末装置2は、旅行計画を行うためにユーザが使用するものであり、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である。なお、端末装置2は、デスクトップ型のパソコンであってもよい。」 「【0022】 次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。 【0023】 通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。」 「【0025】 記憶部33は、経路ネットワーク情報データベース36と、POI情報データベース37とを有する。 【0026】 経路ネットワーク情報データベース36は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば、交通ネットワーク情報を含む。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。また、交通網の情報は、例えば駅等の路線網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の線路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。 【0027】 POI情報データベース37は、地点検索や経路探索条件の地点設定等に用いるPOI情報が格納されている。POI情報は、POIの位置情報や名称情報等を含む。」 「【0030】 次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、図1に示すように、経路探索部34とプランニング部35とを有する。プランニング部35は、プランニングエリア出力手段の一例であるプランニングエリア出力部351と、POI提示手段の一例であるPOI出力部352とを有する。プランニング部35は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。 【0031】 プランニング部35は、プランニング画面を生成して出力する。例えば、プランニング部35は、旅行サイトから端末装置2に送信された旅行商品の予約完了メールに含まれるリンクを介して旅行プランの作成が指示された場合に、プランニング画面を生成して出力する。プランニング部35から出力されたプランニング画面は、ネットワーク経由で端末装置2に送信され、端末装置2の出力部24で表示される。 【0032】 なお、プランニング部35は、予約完了メールに対する旅行プランの作成指示に限定されず、例えば、予約完了メールに含まれるリンクを介さずに旅行サイトに直接アクセスしたユーザの指示に応じてプランニング画面を生成および出力してもよい。また、図1の例では、プランニング部35の全ての機能がサーバ3に備えられているが、プランニング部35の一部の機能が端末装置2や他のサーバに備えられていてもよい。例えば、プランニング部35でのプランニング画面の生成は、プランニング画面の全部の生成に限定されず、プランニング画面の一部を端末装置2の制御部22が生成してもよい。 【0033】 プランニング部35は、予約完了メールの内容に基づいて、プランニング画面のタイムライン上に、第1POIと第2POIとを配置する。例えば、プランニング部35は、予約完了メールに含まれるリンクに含まれた第1POIと第2POIの情報に基づいて、プランニング画面のタイムライン上に第1POIと第2POIとを配置する。また、例えば、旅行商品は飛行機とホテルのパッケージ商品であり、第1POIは、到着空港であり、第2POIは、宿泊施設であってもよい。プランニング部35は、第1および第2POI以外のPOI(例えば、出発空港など)をタイムライン上に配置してもよい。また、プランニング部35は、予約完了メールに記述されているPOIの情報に限定されず、旅行サイトに直接アクセスしたユーザの指示に基づいて、タイムライン上に第1POIおよび第2POIを配置してもよい。 【0034】 ここで、タイムライン上に配置されるPOIには、開始時刻と終了時刻が設定される。開始時刻は、POIでの予定が開始する時刻である。終了時刻は、POIでの予定が終了する時刻である。開始時刻と終了時刻とに基づき、後述するタイムライン上のPOIのフレームの幅が決まる。また、開始時刻と終了時刻の間隔が、POIの滞在時間である。タイムライン上にPOIが配置される際に、滞在時間には初期設定された所定値が設定される。初期設定された所定値は、POI毎に定まっていてもよいし、POIの種別毎に定まっていてもよい。例えば、イベントには開始時刻と終了時刻が設定されていることがある。それとは別に、ユーザがイベントに参加する時間帯はそれぞれである。滞在時間の設定は、平均的な滞在時間でもよいし、演目の時間に基づいてもよい。ユーザ操作に応じて開始時刻や終了時刻、滞在時間は変更できる。 【0035】 プランニング部35のプランニングエリア出力部351は、タイムライン上に配置済みの第1POIの終了時刻から、タイムライン上に配置済みの第2POIの開始時刻までの時間間隔(以下、第1POI時間間隔ともいう)が、第1POIから第2POIまでの移動に要する時間(以下、第1移動所要時間ともいう)よりも長いか否かを判定する。 【0036】 この判定に用いる第1移動所要時間を取得するため、プランニングエリア出力部351は、経路探索部34に、経路ネットワーク情報データベース36内の経路ネットワーク情報およびPOI情報データベース37内のPOI情報に基づいて、第1POIから第2POIまでの移動経路を探索させる。そして、プランニングエリア出力部351は、探索された第1POIから第2POIまでの移動経路に基づいて第1移動所要時間を取得し、取得された第1移動所要時間を用いて判定を行う。第1POIから第2POIまでの移動経路に基づく第1移動所要時間の取得の具体的な態様は特に限定されず、例えば、移動経路のリンク長に対応する距離を所定の移動速度で除することで第1移動所要時間を取得してもよい。 【0037】 そして、第1POI時間間隔が第1移動所要時間より長いと判定された場合、プランニングエリア出力部351は、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻との間のタイムライン上に、第3POIを配置可能な時間帯を示すプランニングエリアを出力する。ここで、第3POIは、第1POIと第2POIとの関係で、旅行プラン上に第1POIと第2POIとに次いで配置される第3のPOIである。また、第3POIは、第1POIにおける予定と第2POIにおける予定との間で立ち寄るPOIである立ち寄りPOIとも言える。 【0038】 また、プランニング部35のPOI出力部352は、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻とを変更せずに立ち寄り可能な第3POIの候補(以下、「第3POI候補」ともいう)を出力する。 【0039】 プランニングエリア出力部351から出力されたプランニングエリアおよびPOI出力部352から出力された第3POI候補は、プランニング画面の一部としてネットワーク経由で端末装置2に送信され、端末装置2の出力部24を介してユーザに提示される。 【0040】 なお、プランニングエリア出力部351は、タイムラインと識別可能な表示態様を有するようにプランニングエリアを出力してもよい。また、プランニングエリア出力部351は、第3POI候補の中から選択されたPOIが第3POIとしてプランニングエリアに配置された場合に、プランニングエリアを更新してもよい。 【0041】 また、POI出力部352は、プランニングエリアと同一画面上に表示されるように第3POI候補を出力してもよい。また、POI出力部352は、第3POI候補を選択可能なリスト形式で出力してもよい。また、POI出力部352は、プランニングエリアに第3POIが配置された場合に、第3POI候補を更新してもよい。この場合、POI出力部352は、第3POIの配置によって立ち寄り不可能となった第3POI候補を、削除または選択不能にしてもよい。ここで、立ち寄り不可能となった第3POI候補とは、配置済みの第1POI、第2POIおよび第3POIに加えて新たな第3POIとして新たに当該第3POI候補をタイムライン上に配置した場合に、配置された全てのPOIの訪問に要する移動時間に基づいて、第1POIの予定時刻(開始時刻および/または終了時刻)、または、第2POIの予定時刻を変更しなければならなくなる第3POI候補である。 【0042】 (動作例) 次に、図1の情報処理システム1の動作例について説明する。図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。 【0043】 図2に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、予約完了メールを介して、旅行プランの作成を受け付ける(ステップS1)。なお、予約完了メールは、サーバ3のプランニング部35からネットワーク経由で端末装置2に送信されたものであってもよく、また、サーバ3以外のサーバから端末装置2に送信されたものであってもよい。 【0044】 図3は、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、予約完了メールMを示す図である。予約完了メールMには、POIの情報が含まれた旅行の予約内容を示す本文と、予約内容に基づいた旅行プランの作成を指示するリンクLとが記述されている。図3の例において、予約完了メールMには、沖縄空港を到着空港(第1POI)とし、ホテルAを宿泊施設(第2POI)とした旅行プランが記述されている。リンクLは、入力部23で選択可能とされており、リンクLを選択することで、予約内容を反映したプランニング画面を起動することができる。 【0045】 このような予約完了メールMが表示されることで、ユーザは、リンクLを選択する簡便な作業によって、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻との間に第3POIに立ち寄る旅行プランの作成を開始することができる。なお、ユーザは、旅行サイト(本実施形態ではサーバ3)に直接アクセスして旅行プランの作成を開始してもよい。 【0046】 旅行プランの作成を受け付けた後、図2に示すように、端末装置2の制御部22は、リンク情報に基づいて旅行サイトすなわちサーバ3にアクセスする(ステップS2)。 【0047】 サーバ3へのアクセスの後、サーバ3のプランニング部35は、端末装置2からのアクセス情報すなわち予約完了メールMの予約内容に基づいて、旅行サイトすなわちプランニング画面の初期化処理を行う(ステップS3)。初期化処理は、例えば、予約完了メールMに記述された予約内容(飛行機、ホテル等)に基づいて、プランニング画面のタイムライン上に第1POIおよび第2POIを配置する処理である。 【0048】 初期化処理の後、プランニングエリア出力部351は、プランニングエリアを生成する(ステップS4)。具体的には、プランニングエリア出力部351は、予約完了メールMに記述された予約内容に基づいて第1POI時間間隔を算出する。また、プランニングエリア出力部351は、経路探索部34に、第1POIの位置情報と第2POIの位置情報とに基づいて第1POIから第2POIまでの移動経路を探索させ、探索された移動経路に基づいて第1移動所要時間を取得する。そして、プランニングエリア出力部351は、第1POI時間間隔が第1移動所要時間より長い場合に、プランニングエリアを生成する。 【0049】 一方、プランニングエリア出力部351は、第1POI時間間隔が第1移動所要時間以下である場合には、プランニングエリアを生成しない。 【0050】 プランニングエリアを生成した後、POI出力部352は、プランニングエリアに基づいて、第3POI候補のリストを作成する(ステップS5)。具体的には、POI出力部352は、POI情報データベース37内のPOI情報から、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻を変更せずに立ち寄り可能な第3POI候補を抽出し、抽出された第3POI候補のリストを作成する。例えば、第1POIおよび第2POIのそれぞれと同エリアにあるPOIを複数抽出し、抽出した各POIについて、第1POIを出発地、第2POIを目的地、抽出したPOIを経由地、第1POIの終了時刻を出発時刻として経路探索条件を設定して経路探索を実行した結果、経路探索結果の経路の到着時刻が第2POIの開始時刻以前であれば、当該経由地に設定されたPOIを第3POI候補として抽出し、第3POI候補のリストを作成する。より効率的な抽出方法は後述する。 【0051】 第3POI候補のリストを作成した後、プランニング部35は、プランニングエリア出力部351で生成されたプランニングエリアと、POI出力部352で作成された第3POIのリストとを含むプランニング画面を、ネットワーク経由で端末装置2に送信する。 【0052】 端末装置2の制御部22は、サーバ3から送信されたプランニング画面を通信部21を介して受信して出力部24に表示させる(ステップS6)。 【0053】 図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、プランニングエリアおよび第3POI候補の表示例を示す図である。図4のプランニング画面SC1では、タイムラインTL上に、出発空港(羽田空港)と、第1POIの一例である到着空港(那覇空港)と、第2POIの一例である宿泊施設(ホテルA)とのそれぞれを示すフレームI1が時系列で配置されている。ここで、フレームI1のサイズ(滞在時間幅)は、タイムラインTL1上に配置するPOIの滞在時間の初期値に基づいて決定されるようにしてもよい。また、フレームI1のサイズ(滞在時間幅)は、予約内容に基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、予約内容に基づく第1POIの開始時刻は10時20分、終了時刻は10時54分、滞在時間(初期値)は34分であり、これに応じて、第1POIのフレームI1は、タイムラインTL上の10時20分から10時54分の時間帯に対応する位置に、34分に応じたサイズ(滞在時間幅)で配置されている。このように、タイムラインTL上のPOIのフレームI1は、それぞれの開始時刻および終了時刻に対応するタイムラインTL上の位置に配置されている。 【0054】 また、フレームI1には、POIの名称が記述されている。また、POIの名称以外にも、フレームI1には、POIの開始時刻とPOIの終了時刻とが記述されていてもよい。」 「【0056】 図4に示すように、第1POIと第2POIとの間には、タイムラインTLと異なる表示態様で、プランニングエリア出力部351から出力されたプランニングエリアPAが表示されている。例えば、プランニングエリアPAは、第1POIおよび第2POIのフレームと同じ横幅の枠で表示され、タイムラインTLと異なる色で表示されている。色を異ならせること以外にも、例えば、プランニングエリアPAにプランニングエリアPAと識別可能な名称を表示することで、プランニングエリアPAの表示態様をタイムラインTLの表示態様と異ならせてもよい。なお、図4の例において、プランニングエリアPAは、第1POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間帯を示している。」 「【0058】 また、プランニング画面SC1上(すなわち、プランニングエリアPAと同一画面上)には、POI出力部352から出力された第3POI候補のリストを示す複数の画像I2が、入力部23で選択可能な表示態様で表示されている。 【0059】 図4の例において、画像I2には、第3POI候補の名称が含まれている。第3POI候補の名称以外にも、画像I2上には、第3POI候補のジャンル、住所、写真、画像などが含まれていてもよい。また、画像I2が選択された場合、POI出力部352は、画像I2に対応する第3POI候補の詳細情報を出力してもよい。この場合、POI出力部352は、第3POIの詳細情報として、例えば、第3POI候補の営業時間、標準滞在時間、キャッチコピー、口コミ評価などを出力してもよい。なお、標準滞在時間は、1つのPOIに対し、複数の時間が定められてもよい。例えば、日時や時間帯毎に異なる標準滞在時間がPOI情報に含まれていてもよい。また、リストに表示される第3POI候補のジャンルは、プランニング画面SC1に対する入力操作で変更可能であってもよい。また、リスト上での第3POI候補の配置順は、例えば、第3POI候補の開始時刻または終了時刻が早い順、人気度が高い順、タイムラインTL上に配置済みのPOIとの関連度が高い順などであってもよい。件数が多すぎて一度に全ての第3POI候補を表示できない場合、スクロールバーをあわせて表示するなどしてスクロール可能な表示態様で第3POI候補のリストを表示してもよい。 【0060】 このようなリスト上の第3POI候補は、例えば、プランニングエリアPA上へのドラッグアンドドロップなどの入力部23を用いた選択操作によって、タイムラインTL上に第3POIとして配置できる。 【0061】 このように、プランニングエリアPAと同一画面上に、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻を変更せずに立ち寄り可能な第3POI候補のリストを選択可能な表示態様で表示することで、ユーザは、旅行プランに追加したい第3POIを簡便に選択できる。 【0062】 また、図4の例において、プランニング画面SC1には、第1POI、第2POIおよび第3POI候補を含む地図MAが表示されている。」 「【0064】 プランニング画面SC1を表示した後、図5に示すように、端末装置2の制御部22は、プランニングエリアPA上にPOIを追加するPOI追加処理を受け付ける(ステップS7)。図6の例では、POI追加処理として、第3POI候補のリスト上の1つの第3POI候補(水族館A)が、入力部23を用いてプランニングエリアPA上にドラッグアンドドロップされている。ユーザに選択された第3POI候補は、プランニングエリアPA上にドロップされることで、第3POIとしてプランニングエリアPAに配置される。なお、第3POI候補は、ドラッグアンドドロップ以外の操作で選択されてもよい。 【0065】 POI追加処理を受け付けると、端末装置2の制御部22は、追加したPOI(第3POI)のPOI情報、開始時刻および終了時刻をネットワーク経由でサーバ3に送信する。なお、第3POIの開始時刻は、第3POI候補をドロップしたタイムラインTL1上の位置に応じた時刻となる。また、第3POIの終了時刻は、例えば、第3POIの開始時刻に、POI情報に含まれている第3POIの滞在時間(例えば、標準滞在時間)を加えた時刻となる。なお、第3POIの開始時刻および終了時刻は、プランニングエリアPA上へのドロップ以外の入力方法(例えば、キー入力等)で指定してもよい。また、第3POIの開始時刻および終了時刻は、タイムラインTL上に配置された第3POIのタイムライン上での位置情報(座標情報)として送信され、サーバ3側で、端末装置2から送信されたタイムライン上での位置情報に対応する開始時刻および終了時刻を算出してもよい。 【0066】 POI追加処理に応じて、プランニングエリア出力部351は、プランニングエリアPAを更新する。プランニングエリアPAの更新において、プランニングエリア出力部351は、図5に示すように、第1POIの終了時刻から第3POIの開始時刻までの時間間隔(以下、第2POI時間間隔ともいう)が、第1POIから第3POIまでの移動に要する時間(以下、第2移動所要時間ともいう)より長いか否かを判定(時間間隔判定)する(ステップS8)。第2移動所要時間は、既述した第1移動所要時間と同様に、経路探索部34で探索された第1POIから第3POIまでの移動経路に基づいて取得することができる。 【0067】 第2POI時間間隔が第2移動所要時間と同一である場合(ステップS8:第2移動所要時間と同一)、プランニングエリア出力部351は、第1POIと第3POIとの間のタイムラインTLを移動時間帯とする。このとき、第3POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間間隔よりも第3POIから第2POIまでの移動に要する時間が短い場合は、第3POIと第2POIとの間のタイムラインTLにプランニングエリアPAを出力する(ステップS10)。」 「【0069】 図7は、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、POI追加処理に応じたプランニングエリアPAおよび第3POI候補の第1の表示例を示す図である。第2POI時間間隔が第2移動所要時間と同一の場合におけるプランニングエリアPAの更新(ステップS10)および第3POI候補の更新により、端末装置2では、画面表示(ステップS12)によって例えば図7に示されるプランニング画面SC2が表示される。 【0070】 POI追加処理前の図6のプランニング画面SC1に対して、POI追加処理後の図7のプランニング画面SC2では、第1POI(那覇空港)と第2POI(ホテルA)との間のタイムラインTL上に、第3POI(水族館A)のフレームI3が追加されている。 【0071】 また、図6のプランニング画面SC1に対して、図7のプランニング画面SC2では、プランニングエリアPAの表示が更新されている。具体的には、プランニングエリアPAの範囲が、第3POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間帯を示すように変化すなわち縮小している。図7の例では、既述したように、第1POIの終了時刻から第3POIの開始時刻までの第2POI時間間隔が、第1POIから第3POIまでの第2移動所要時間と同一である。すなわち、第1POIの終了時刻と第3POIの開始時刻との間に他のPOIに立ち寄る時間はない。このため、図7の例では、第1POIと第3POIとの間のタイムラインTL上にプランニングエリアPAを表示せず、移動時間であることを示す画像(例えば、フレーム間を接続する線と車のアイコン)を表示している。 【0072】 このように、POI追加処理に応じてプランニングエリアPAが更新されることで、ユーザは、第1POIと第3POIとの間の時間帯に新たな第3POIを追加できなくなったことを一目で容易に把握することができる。また、ユーザは、第3POIと第2POIとの間に新たな第3POIを追加できることを一目で容易に把握することができる。」 「【0098】 なお、上述した各態様のプランニング画面は、保存を指示する画面操作によって、サーバ3の記憶部33に読出し可能な状態で保存できる。プランニング画面は、旅行プランに対応する年月日ごとに区分けされた状態で保存されてもよい。また、プランニング画面は、端末装置2の記憶部に保存されてもよい。」 「【0100】 また、本実施形態によれば、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻とを変更せずに立ち寄り可能な第3POI候補を提示することで、当初の旅行プランに影響を与えない追加のプランを簡便かつ適切に策定できる。」 「【0120】 図15(b)に示すように、第3の変形例において、プランニング部35は、第1移動所要時間に重なる時間帯へのPOI再追加処理(図15(a))がなされた場合、例えばポップアップの形式で警告画面Wを出力する。図15(b)の例において、警告画面Wの内容は、第3POI(レストランA)の標準滞在時間(60分)より少ない滞在時間(30分)での立ち寄りが可能であることを通知する内容となっている。また、警告画面Wにおいては、標準滞在時間より少ない滞在時間での滞在の有無を選択可能となっている。そして、警告画面Wに対して標準滞在時間より少ない滞在時間での滞在を選択した場合、図15(c)に示すように、プランニング部35は、標準滞在時間より少ない滞在時間を条件として第3POIをプランニングエリアPAに配置する。」 「【0125】 (第5の変形例) 図17(a)は、本実施形態の第5の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、地図上での第3POI候補の選択に応じた経路の表示例を示す図である。図17(b)は、地図上での第3POI候補の選択の変更に応じた経路の表示例を示す図である。 【0126】 図17(a)に示すように、第5の変形例において、プランニング部35は、マウスオーバ等によって地図MA上の第3POI候補(水族館A)が選択されると、選択された第3POI候補を経由した第1POIから第2POIまでの移動経路R1を経路探索部34に探索させる。そして、プランニング部35は、探索された移動経路R1を地図MA上に重畳表示する。なお、図17(a)に示すように、プランニング部35は、移動経路R1にあわせて、第1POI(那覇空港)の出発時刻と、第3POI候補(水族館A)の到着時刻および出発時刻と、第2POI(ホテルA)の到着時刻とを表示してもよい。 【0127】 また、図17(b)に示すように、プランニング部35は、地図MA上の第3POI候補の選択が変更されると、変更後の第3POI候補(水族館B)を経由した第1POIから第2POIまでの移動経路R2を経路探索部34に探索させる。そして、プランニング部35は、探索された移動経路R2を地図MA上に重畳表示する。」 「【図3】 [図:0001409149000001.jpg] 」 「【図4】 [図:0001409149000002.jpg] 」 「【図6】 [図:0001409149000003.jpg] 」 「【図7】 [図:0001409149000004.jpg] 」 「【図15】 [図:0001409149000005.jpg] 」 「【図17】 [図:0001409149000006.jpg] 」 (2)甲1に記載された発明 ア 段落【0011】【0025】【0027】から、甲1には、「記憶部33は、ユーザが関心を持っている地物等であり、例えば、店舗、宿泊施設、レジャー施設等の施設や観光地などの地点であるPOIの位置情報や名称情報等を含むPOI情報が格納されるPOI情報データベース37を有」することが記載されている。 段落【0030】から、甲1には、「制御部32は、経路探索部34及びプランニング部35を有」することが記載されている。 段落【0015】、【0023】から、甲1には、「通信部31は、旅行計画を行うためにユーザが使用する端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信」することが記載されている。 また、これらについて、【請求項12】、段落【0001】、【0013】、【0022】を踏まえると、甲1には、 「 通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有し、旅行サイトの提供者のサーバであるところのサーバ3を機能させるプログラムであって、 通信部31は、旅行計画を行うためにユーザが使用する端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信し、 制御部32は、経路探索部34及びプランニング部35を有し、 記憶部33は、ユーザが関心を持っている地物等であり、例えば、店舗、宿泊施設、レジャー施設等の施設や観光地などの地点であるPOIの位置情報や名称情報等を含むPOI情報が格納されるPOI情報データベース37を有」することが記載されているといえる。 イ 段落【0031】、【0044】、【0047】、【図3】によると、甲1には、 「 プランニング部35は、旅行サイトから端末装置2に送信された旅行商品の予約完了メールに含まれるリンクを介して旅行プランの作成が指示された場合に、予約完了メールの、到着空港、宿泊施設を含む予約内容に基づいて、プランニング画面のタイムライン上に第1POIおよび第2POIを配置するプランニング画面の初期化処理を行」うことが記載されているといえる。 ウ 段落【0030】、【0035】、【0037】、【0048】~【0050】によると、甲1には、 「 プランニング部35は、初期化処理の後、経路探索部34に、第1POIから第2POIまでの移動経路を探索させ、探索された移動経路に基づいて第1移動所要時間(第1POIから第2POIまでの移動に要する時間)を取得し、第1POI時間間隔(第1POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間間隔)が第1移動所要時間より長い場合に、プランニングエリアを生成するところ、当該プランニングエリアは、タイムライン上に出力されるものであり、第1POI時間間隔が第1移動所要時間以下である場合には、プランニングエリアを生成せず、プランニングエリアを生成した後、プランニングエリアに基づいて、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻を変更せずに立ち寄り可能な第3POI候補を抽出し、抽出された第3POI候補のリストを作成」することが記載されているといえる。 エ 段落【0051】、【0053】、【0062】によると、甲1には、 「 プランニング部35は、第3のPOI候補のリストを作成した後、生成したプランニングエリアと、第3POI候補のリストとを含むプランニング画面SC1を端末装置2に送信し、プランニング画面SC1には、第1POI、第2POIおよび第3POI候補を含む地図MAも表示され」ることが記載されているといえる。 オ 段落【0064】~【0066】によると、甲1には、 「 端末装置2は、 POIを追加するPOI追加処理を受け付け、POI追加処理として、ユーザに選択された第3POI候補は、プランニングエリアPA上にドロップされ、 POI追加処理を受け付けると、追加したPOI(第3POI)のPOI情報、第3POIの開始時刻および終了時刻をサーバに送信し、 プランニング部35は、POI追加処理に応じて、プランニングエリアPAを更新」することが記載されているといえる。 カ 段落【0098】によると、甲1には、 「 プランニング画面は、保存を指示する画面操作によって、サーバ3の記憶部33に読出し可能な状態で保存できる」ことが記載されている。 上記ア~カによれば、甲1には、以下の発明(「甲1発明」という。)が記載されている。 「通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有し、旅行サイトの提供者のサーバであるところのサーバ3を機能させるプログラムであって、 通信部31は、旅行計画を行うためにユーザが使用する端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信し、 制御部32は、経路探索部34及びプランニング部35を有し、 記憶部33は、ユーザが関心を持っている地物等であり、例えば、店舗、宿泊施設、レジャー施設等の施設や観光地などの地点であるPOIの位置情報や名称情報等を含むPOI情報が格納されるPOI情報データベース37を有し、 プランニング部35は、旅行サイトから端末装置2に送信された旅行商品の予約完了メールに含まれるリンクを介して旅行プランの作成が指示された場合に、予約完了メールの、到着空港、宿泊施設を含む予約内容に基づいて、プランニング画面のタイムライン上に第1POIおよび第2POIを配置するプランニング画面の初期化処理を行い、 プランニング部35は、初期化処理の後、経路探索部34に、第1POIから第2POIまでの移動経路を探索させ、探索された移動経路に基づいて第1移動所要時間(第1POIから第2POIまでの移動に要する時間)を取得し、第1POI時間間隔(第1POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間間隔)が第1移動所要時間より長い場合に、プランニングエリアを生成するところ、当該プランニングエリアは、タイムライン上に出力されるものであり、第1POI時間間隔が第1移動所要時間以下である場合には、プランニングエリアを生成せず、プランニングエリアを生成した後、プランニングエリアに基づいて、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻を変更せずに立ち寄り可能な第3POI候補を抽出し、抽出された第3POI候補のリストを作成し、 プランニング部35は、第3のPOI候補のリストを作成した後、生成したプランニングエリアと、第3POI候補のリストとを含むプランニング画面SC1を端末装置2に送信し、プランニング画面SC1には、第1POI、第2POIおよび第3POI候補を含む地図MAも表示され、 端末装置2は、 POIを追加するPOI追加処理を受け付け、POI追加処理として、ユーザに選択された第3POI候補は、プランニングエリアPA上にドロップされ、 POI追加処理を受け付けると、追加したPOI(第3POI)のPOI情報、第3POIの開始時刻および終了時刻をサーバに送信し、 プランニング部35は、POI追加処理に応じて、プランニングエリアPAを更新し、 プランニング画面は、保存を指示する画面操作によって、サーバ3の記憶部33に読出し可能な状態で保存できる、 プログラム。」 キ また、段落【0125】、【0126】によると、甲1には、「プランニング部35は、選択された第3POI候補を経由した第1POIから第2POIまでの移動経路R1を経路探索部34に探索させ、探索された移動経路R1を地図MA上に重畳表示する処理も可能とする」という技術的事項が記載されている(以下、「技術的事項1」という。)。 2 甲2(特開2011-81840号公報)について (1)甲2の記載事項 甲2には、以下のとおりの記載がある。 「【0001】 本発明は、予め登録されたスケジュールに関連する情報を収集し、ガイド情報として提供するガイド情報提供システムに関する。」 「【0008】 ガイド情報提供システムは、スケジュールで指定された時刻および目的地を考慮して、収集された情報のうちユーザに提供すべき情報を選択し、選択された情報をガイド情報としてユーザに提供する。例えば、次の目的地への移動経路に対して所定距離内にある地点に関する情報のみを選択する態様、指定された時刻に目的地に到達可能な範囲内の地点に関する情報のみを選択する態様を採ることができる。また、食事場所についての情報提供する場合には、目的地に移動する時間帯が食事時に当たるか否かを考慮して情報を選択するようにしてもよい。また、次の予定までの時間的な余裕が少ない場合には、予定に遅れる危険性を低減するため、目的地から遠い地点に関する情報は除外し、目的地に十分に近い地点に関する情報を選択するようにしてもよい。」 「【0019】 本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、一部を省略したり適宜組み合わせたりして構成することができる。本発明は、上述したガイド情報提供システムとして構成する他、コンピュータによってガイド情報を提供するガイド情報提供方法として構成することもできる。また、かかるガイド情報の提供を実現するためのコンピュータプログラムとして構成したり、このコンピュータプログラムの少なくとも一部を記録した記録媒体として構成したりすることもできる。この場合、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD-ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。」 「【0041】 それぞれのスケジュール関連情報には、図中に示す種々の情報が格納される。「パス」は、情報の格納先を表している。サーバ200内のディレクトリやファイル名で表しても良いし、Webサーバ400に格納された情報のURLを用いても良い。「優先度」は、ガイド情報として提供する際の優先度を表している。後述する通り、優先度を用いることで、類似の情報が繰り返し提供されることを回避したり、ユーザの嗜好を反映した情報を優先的に提供したりすることが可能となる。「NORMAL」は、通常の優先度を意味している。「優先度」は、優先度の高低を表す数値としても良い。「名称」には、店舗名、名所の名称、地名など、スケジュール関連情報を表す名称が格納される。「場所」は店舗の所在地、名所の所在地など、スケジュール関連情報に関連する地点を表す緯度、経度が格納される。Webサーバ400を参照して、スケジュール関連情報を収集する場合、住所は特定できても緯度、経度までは特定できないことがある。このような場合には、「場所」は住所で登録可能としてもよい。本実施例では、ガイド情報を提供する際の処理の簡略化を図るため、「場所」は緯度、経度の形式に統一して格納するものとした。緯度、経度が直接、収集できなかった場合には、サーバ200が住所に基づいて地図DB204を参照し緯度、経度を検索する。」 「【0051】 C1.スケジュール登録・変更処理: 図4はスケジュール登録・変更処理のフローチャートである。メインルーチン(図3)のステップS100に相当する処理である。先に説明した通り、この処理では、端末100を利用することも可能ではあるが、以下では説明の便宜上、パソコン300を利用するものとして説明する。 【0052】 この処理を開始すると、サーバ200は、マイボックス203から既存のスケジュールを読み込む(ステップS102)。スケジュールが未登録の場合には、実質的に何も読み込まれないまま、ステップS102の処理を終えることになる。そして、サーバ200は、読み込んだスケジュールをパソコン300の画面に表示し、ユーザの操作に基づいてスケジュールの編集コマンドを入力する(ステップS104)。 【0053】 図中にスケジュールの編集画面の例を示した。パソコン300には、指定された日のスケジュール画面W1が表示される。既に登録済みのスケジュールは、この画面W1に表示される。図中の例では、「13時からZ社で会議」という予定が登録済みである。ユーザがパソコン300のマウスまたはキーボードを操作して、画面W1内でいずれかの時間帯を指定すると、スケジュールを入力するためのサブウィンドウW2が表示される。既に予定を登録済みの時間帯をクリックした場合には、サブウィンドウW2には、登録済みの予定内容が表示される。ユーザは、このサブウィンドウを利用して、日時、タイトル、場所、メンバー、その他のメモなどを登録することができる。また、スケジュール関連情報の収集を行うか否か(ON/OFF)を切り換えることができる。情報収集をONとすると、サーバ200によって、スケジュールとスケジュール関連情報とを対応づける関連IDが割り振られる。図中の例は、関連IDとして「INFO1」が割り当てられた状態を示している。スケジュールの編集は、図示した画面に限らず、周知の種々の編集画面を利用することが可能である。 【0054】 図では、スケジュール関連情報の収集を行うか否かをユーザが指定する例を示した。情報収集のON/OFFの指定は不要としてもよい。例えば、サーバ200は、予定が登録された場合に、その直前の空き時間に対して、自動的に情報収集をONに設定するようにしてもよい。また、このような設定をするまでなく、全時間帯について情報収集を行うようにしてもよい。例えば、予定が登録されている時間帯については、その予定に対応した情報を収集し、空き時間については次の予定までの移動中で有効活用できる情報を収集すればよい。 【0055】 スケジュールの編集が完了すると、サーバ200は編集結果をマイボックス203に格納して、スケジュールを更新する(ステップS106)。そして、情報収集処理、即ちスケジュール関連情報を収集するための処理を実行する(ステップS110)。 【0056】 図5は情報収集処理のフローチャートである。この処理では、サーバ200はマイボックス203からスケジュールを読み込み、情報収集の対象となるべき予定、即ち対象スケジュールを抽出する(ステップS112)。本実施例では、先に説明した通り、情報収集が「ON」に設定された予定を抽出することになる。 【0057】 サーバ200は、この対象スケジュールに対して、直前のスケジュールの場所を開始時位置として設定し、対象スケジュールの直後の場所を終了時位置に設定する(ステップS114)。そして、開始時位置から終了時位置までの経路探索を行う(ステップS116)。経路探索は、地図DB204の道路ネットワークデータを参照して行うことができる。ここでは、対象スケジュール前後の予定が与えられているため、この予定に支障がない移動方法を探索する必要がある。つまり、直前の予定の終了時刻に開始時位置を出発し、直後の予定の開始時刻には終了時位置に到達していなくてはならない。このような経路は、所要時間最短という条件で探索すればよい。ダイクストラ法を用いる場合には、各リンクの通過所要時間を反映したコストが最小となるよう、経路探索を行えばよい。経路探索には、種々の条件を考慮することができ、例えば、車両、徒歩、交通機関利用時など、移動手段を多様に変化させて、それぞれの経路を求めても良い。徒歩の時には、坂道や階段に高いコスト値を付すことによって、坂道や階段を避ける経路を探索してもよい。同様に、ユーザの要望をコストに反映させることで、種々の要望を考慮した経路探索を行うことが可能である。」 「【0059】 サーバ200は、次に、個人プロファイル201から、ユーザの嗜好および趣味に関するデータを読み込む(ステップS118)。そして、以上で取り込んだ情報に基づいてWebサーバから情報を収集する(ステップS120)。この情報収集は、ユーザに有用な情報を提供することが目的であるから、次の条件で行う。まず、ユーザの嗜好、趣味に合致または類似する情報であることが条件となる。例えば、ユーザが「ラーメン好き」という嗜好を有している場合には、合致する情報として「ラーメン屋」の案内情報を収集すればよい。また、類似する情報として、「中華料理屋」や、そば屋、うどん屋などの麺類の店の案内情報を収集すればよい。趣味についても同様である。情報収集時には、スケジュールに同行するメンバー構成を考慮してもよい。例えば、家族でのレジャーの場合には、家族構成や家族のメンバーの嗜好、趣味等を考慮することができる。出張の場合には、会社の同僚の嗜好、趣味等を考慮することもできる。 【0060】 第2の条件は、直後の予定に間に合う場所的範囲で情報収集を行うことである。例えば、いくら人気のあるラーメン屋に関する情報であっても、次の予定に間に合わないほど遠くにある店についての情報では活用できないからである。この条件は、種々の方法で判断することができる。例えば、ステップS116で探索した経路から所定距離内の場所についての情報というように簡易な方法で判断するようにしてもよい。この場合の「所定距離」は、次の予定までの余裕時間、次の目的地までの距離、ユーザの移動速度を考慮して設定することができる。また、別の態様として、スケジュール関連情報に対応した場所を経由地としてステップS116の経路探索を行い、直後の予定に間に合うか否かを判断するようにしてもよい。 【0061】 以上の条件に合致する情報が得られると、サーバ200は、その情報に、対象スケジュールに付された関連IDを付して、情報ボックスに格納する(ステップS122)。サーバ200は、情報収集処理を適宜、繰り返し実行することで、関連IDが付された全スケジュールについてスケジュール関連情報を収集するとともに、それぞれの予定について、できるだけ多くのスケジュール関連情報を収集するよう努める。情報収集処理は、例えば、全スケジュールについて一定数までの情報が収集されるまで繰り返し実行するようにしてもよい。」 「【0080】 次に、サーバ200は、現在位置から設定場所まで至る寄り道経路を探索する(ステップS312)。また、スケジュールデータを参照して、現在時刻から次の予定までの余裕時間を求め、ガイド情報に登録された所要時間(図2参照)が許容範囲か否かを判断する(ステップS313)。この判断においては、登録されている所要時間の他に、設定地点までの移動に要する時間を考慮する必要がある。つまり、「所要時間<余裕時間-移動時間」という関係にあることが必要である。移動時間は、種々の方法で推定することができる。例えば、現在地点から設定地点までの距離、または移動経路から設定地点までの距離に応じて、移動時間を推定してもよい。ステップS312で求めた寄り道経路と、ユーザの移動速度に基づいて、移動時間を求めてもよい。」 「【図2】 [図:0001409149000007.jpg] 」 「【図4】 [図:0001409149000008.jpg] 」 (2)甲2に記載された発明 ア 段落【0019】によると、甲2には、「ガイド情報の提供を実現するためのコンピュータプログラム」が記載されている。 イ 段落【0051】、【0053】、【0055】~【0057】、【0059】~【0061】によると、甲2には、「スケジュール登録・変更処理において、ユーザが、日時、タイトル、場所、メンバー、その他のメモなどを登録し、スケジュールの編集が完了すると、サーバ200は、編集結果をマイボックス203に格納してスケジュールを更新し、そして、スケジュール関連情報を収集するための情報収集処理においては、情報収集の対象となるべき予定、即ち対象スケジュールに対して、開始時位置から終了時位置までの経路探索を行い、次に、Webサーバからの情報収集であって、まず、ユーザの嗜好、趣味に合致または類似する情報であることを条件とし、直後の予定に間に合う場所的範囲を第2条件として情報収集を行い、条件に合致する情報を情報ボックスに格納」することが記載されている。 ウ 段落【0041】、図2によると、甲2には、「スケジュール関連情報には、店舗名、名所の名称、地名などの「名称」、店舗の所在地、名所の所在地などの「場所」等が含まれ」ることが記載されている。 上記ア~ウによれば、甲2には、以下の発明(「甲2発明」という。)が記載されている。 「ガイド情報の提供を実現するためのコンピュータプログラムであって、 スケジュール登録・変更処理において、ユーザが、日時、タイトル、場所、メンバー、その他のメモなどを登録し、スケジュールの編集が完了すると、サーバ200は、編集結果をマイボックス203に格納してスケジュールを更新し、そして、スケジュール関連情報を収集するための情報収集処理においては、情報収集の対象となるべき予定、即ち対象スケジュールに対して、開始時位置から終了時位置までの経路探索を行い、次に、Webサーバからの情報収集であって、まず、ユーザの嗜好、趣味に合致または類似する情報であることを条件とし、直後の予定に間に合う場所的範囲を第2条件として情報収集を行い、条件に合致する情報を情報ボックスに格納し、 スケジュール関連情報には、店舗名、名所の名称、地名などの「名称」、店舗の所在地、名所の所在地などの「場所」等が含まれる、 プログラム。」 第5 当審の判断 1 申立理由1~申立理由4について (1)本件特許発明1について (1-1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 「出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、」について (ア)甲1発明は、「プランニング部35は、旅行サイトから端末装置2に送信された旅行商品の予約完了メールに含まれるリンクを介して旅行プランの作成が指示された場合に、予約完了メールの、到着空港、宿泊施設を含む予約内容に基づいて、プランニング画面のタイムライン上に第1POIおよび第2POIを配置するプランニング画面の初期化処理を行」い、「プランニング部35は、初期化処理の後、経路探索部34に、第1POIから第2POIまでの移動経路を探索させ、探索された移動経路に基づいて第1移動所要時間(第1POIから第2POIまでの移動に要する時間)」を取得し、「第1POI時間間隔(第1POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間間隔)」と比較するものである。 そうすると、甲1発明の「到着空港」、「宿泊施設」は、それぞれ、本件発明1の「出発地点」、「到着地点」に相当する。 したがって、甲1発明の「予約完了メール」の「予約内容」は、「移動経路を示す移動スケジュールを含む」との事項は除き、本件発明1の「出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュール」と、「出発地点と到着地点とを含むユーザの予定」との点で、共通する。 (イ)甲1発明の「POI情報」は、「店舗、宿泊施設、レジャー施設等」の「施設」に関する情報であるから、本件発明1の「施設情報」に相当する。 (ウ)甲1発明は、「旅行サイト」から「予約完了メール」が「送信」されるところ、「旅行サイト」は、「サーバ3」が「提供」するものであるから、「旅行サイト」を「提供」する「サーバ3」は、「予約完了メール」の「予約内容」を記憶する手段を有しているといえる。 他方、甲1発明は、「サーバ3」が、「POI情報が格納されるPOI情報データベース37」を有する「記憶部33」は、「予約完了メール」の「予約内容」を記憶するか判然としないものの、本件発明1の「施設情報」を「記憶する記憶手段」に相当する。 (エ)甲1発明は、「サーバ3」が「通信部31」を有し、「通信部31」が「ユーザが使用する端末装置2」と「情報を送受信」するものであるから、甲1発明の「端末装置2」は、本件発明1の「ユーザの端末装置」に相当する。 (オ)以上のとおりであるから、甲1発明の「サーバ3」は、本件発明1の「出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」と、「出発地点と到着地点とを含むユーザの予定と施設情報を記憶し、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」との点で共通する。 イ 「ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段、」について 甲1発明は、本件発明の「ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段」に対応する構成を備えていない。 ウ 「前記登録手段により前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段、」について 甲1発明の「プランニング部35」は、「・・・、第1POI時間間隔(第1POIの終了時刻から第2POIの開始時刻までの時間間隔)が第1移動所要時間(第1POIから第2POIまでの移動に要する時間)より長い場合に、プランニングエリアを生成するところ、・・・、第1POI時間間隔が第1移動所要時間以下である場合には、プランニングエリアを生成せず、プランニングエリアを生成した後、プランニングエリアに基づいて、第1POIの終了時刻と第2POIの開始時刻を変更せずに立ち寄り可能な第3POI候補を抽出し、抽出された第3POI候補のリストを作成し、・・・生成したプランニングエリアと、第3POI候補のリストとを含むプランニング画面SC1を端末装置2に送信」するものである。 ここで、端末装置2に送信される「プランニング画面SC1」は、「生成したプランニングエリアと第3POI候補のリストとを含む」ところ、第1POI時間間隔が第1移動所要時間以下である場合には、プランニングエリアが生成されないのであるから、当然、前記プランニング画面SC1」も生成されることはない。そうすると、甲1発明の「プランニング部35」は「プランニング画面SC1」を生成するか否か、つまり、提案の可否を判定する機能を備えているといえる。 そして、前記「プランニング画面SC1」は、ユーザに「提案」するために端末装置2に送信されるものであることは明らかである。 したがって、甲1発明の「プランニング部35」と本件発明1の「前記登録手段により前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段」とは、「提案の可否を判定する判定手段」との点で共通する。 エ 「前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段、」について 甲1発明の「プランニング部35」が端末装置2に送信するプランニング画面SC1には、プランニングエリアと第3POI候補のリストが含まれており、前記「第3POI候補のリスト」には立ち寄り可能な施設が含まれていることは自明である。 そして、上記ウで言及したように、「プランニング画面SC1」は、第1POI時間間隔が第1移動所要時間より長い場合、つまり、提案の可否の判定結果が「可(肯定)」である場合に生成・送信されるものである。 したがって、甲1発明の「プランニング部35」は、本件発明1の「前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段」に相当する手段も備えている。 オ 「前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に、前記施設に滞在するスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録すると共に、登録された前記移動スケジュールを前記出発地点から前記施設までの移動経路を示す移動スケジュールに変更し、且つ、前記施設から前記到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを追加登録することにより、登録された前記移動スケジュールを変更する、」について 上記イで言及したように、甲1発明は、本件発明の「ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段」に対応する構成を備えていないのであるから、甲1発明は、本件発明1の「前記登録手段は、・・・、登録された前記移動スケジュールを変更する、」に対応する構成を備えていない。 カ 「プログラム」について 甲1発明の「プログラム」は、「サーバ3」を上記ア~オとして機能させることから、後述する相違点は別にして、本件発明1の「プログラム」に相当する。 キ 以上、ア~カによると、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点、相違点を有する。 [一致点] 出発地点と到着地点とを含むユーザの予定と施設情報を記憶し、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、 提案の可否を判定する判定手段と、 前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段、 として機能させる、 プログラム。 [相違点] [相違点1] 本件発明1は、「出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段」との構成を有しているのに対し、甲1発明は、POI情報データベース37を有する「記憶部33」が、「予約完了メール」の「予約内容」を記憶しているか定かではなく、「予約内容」に「出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュール」が含まれていない点。 [相違点2] 本件発明1は、「ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段」との構成を有しているのに対し、甲1発明は、そのような構成を有していない点。 [相違点3] 判定手段について、本件発明1には、「前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、」との事項が特定されているのに対し、甲1発明には、係る事項が特定されていない点。 [相違点4] 本件発明1においては、「登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に、前記施設に滞在するスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録すると共に、登録された前記移動スケジュールを前記出発地点から前記施設までの移動経路を示す移動スケジュールに変更し、且つ、前記施設から前記到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを追加登録することにより、登録された前記移動スケジュールを変更する、」との事項が特定されているのに対し、甲1発明には、係る事項が特定されていない点。 (1-2)新規性について(申立理由1) 上記1のとおり、本件発明1と甲1発明との間には、実質的な上記相違点1~上記相違点4があるため、本件発明1は、甲1に記載された発明ではない。 (1-3)進歩性について(申立理由2、3) まず、上記相違点1について検討する。 ア 甲1発明は、旅行サイトから送信された旅行商品の予約完了メールの、到着空港、宿泊施設を含む「予約内容」に基づいて、タイムライン上にPOIを配置して旅行計画を行うためのものであるが、スケジュール管理におけるスケジュールの有効活用に関するものではないから、旅行サイトから送信された予約完了メールの「予約内容」に「出発地点から到着地点までの移動経路」を含める構成とする動機付けはない。 本件特許の出願時において上記相違点1に係る構成が周知技術であるとしても、上記のとおりであるから、甲1発明に、当該周知技術や慣用技術を適用しようとする動機付けはない。 よって、甲1発明及び周知技術・慣用技術に基づいて、上記相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものではない(申立理由2)。 イ 甲1には、上記「第4」1(2)キのとおりの技術的事項1が記載されているものの、「POI追加処理」に関する事項であって、技術的事項1は、「予約完了メールの、到着空港、宿泊施設を含む予約内容」を特定するものではない。 よって、甲1発明及び技術的事項1に基づいて、上記相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものではない(申立理由2)。 ウ 甲2には、上記「第4」2(2)のとおりの甲2発明が記載されているものの、「収集」する「スケジュール関連情報」は、「店舗名、名所の名称、地名などの「名称」、店舗の所在地、名所の所在地などの「場所」」等であって、「探索」した「経路」を含むことまで特定されていないから、「探索」した「経路」が、「スケジュール」として「情報ボックスに格納」されているとはいえない。 よって、甲1発明に甲2発明を適用したとしても、上記相違点1の構成には至らないから、甲1発明及び甲2発明に基づいて、上記相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものではない(申立理由3)。 なお、甲2発明を主引用発明として、甲1発明を適用したとしても、上記のとおりであるから、上記相違点1の構成に至らないことは明らかである。 エ そして、上記相違点1の構成とすることで、「スケジュールの有効活用ができる」(段落【0017】)という、格別顕著な作用効果を奏するものである。 オ したがって、上記相違点2~上記相違点4について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく(申立理由2)、本件発明1は、技術的事項1、甲2発明、周知技術及び慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない(申立理由3)。 (1-4)申立人の申立書における主張について ア 申立人は、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)において、本件発明1の「移動スケジュール」は、甲1の「第1POIから第2POIまでの移動に要する時間(第1移動所要時間)に相当する」旨主張する(申立書25頁)。 しかしながら、本件発明1の「移動スケジュール」は、「出発地点から到着地点までの移動経路」を示すものであって、申立人が主張するような「移動に要する時間」ではないから、申立人の上記主張に理由はない。 イ 申立人は、申立書において、「本件特許発明1は、甲第2号証に記載の発明に甲第1号証に開示事項を適用することで容易に発明できたということもできる。」と主張する(申立書31頁)。 しかしながら、上記(1-3)ウのとおりであるから、甲2発明及び甲1発明に基づいて、本件発明1とすることは、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 よって、申立人の主張に理由はない。 (2)本件発明2~本件発明7について 本件発明2~本件発明7は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、これらの請求項に係る発明は、いずれも、上記1(1)(1-1)キに示した相違点1~相違点4に係る構成を有しているから、上記1(1)に示した理由と同様の理由により、甲1に記載された発明ではなく(申立理由1)、また、甲1に記載の発明、甲2に記載の発明、さらには周知技術及び慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない(申立理由2~4)。 (3)本件発明8について 本件発明8は、本件発明1の「プログラム」の発明を「情報処理装置」として記載した発明であって、上記相違点1~上記相違点4に係る構成を有しているから、上記1(1)に示した理由と同様の理由により、甲1に記載された発明を「情報処理装置」に書き換えた発明(以下、「甲1発明A」という。)ではなく(申立理由1)、また、甲1発明A、技術的事項1、甲2発明、さらには周知技術及び慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない(申立理由2、3)。 2 まとめ 上記1で示したとおり、申立理由1~申立理由4に理由がない。 第6 むすび 以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701176

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