特許異議申立
2023-701157
詳細図切出システム、詳細図切出方法及びプログラム
- 審判番号
- 2023-701157
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-516274
- 登録番号
- 7267523
- 請求日
- 2023年10月31日
- 審決日
- 2024年03月25日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】スパイダープラス株式会社
- 【異議申立人】廣瀬 哲夫
- 審判長/審判官
- 審判長 千葉 輝久
- 審判官 五十嵐 努
- 審判官 樫本 剛
- 分類
- P1651.121-Y (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7267523号発明「詳細図切出システム、詳細図切出方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7267523号の請求項1~7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7267523号の請求項1~7に係る特許についての出願は、令和4年(2022年)5月9日を国際出願日とする出願であって、令和5年4月21日に特許権の設定登録がなされ、同年5月1日にその特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和5年10月31日に特許異議申立人廣瀬哲夫により特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件特許発明
特許第7267523号の請求項1~7の特許に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、請求項1~7の特許に係る発明を、「本件発明1」~「本件発明7」という。)
なお、請求項1に付したA~Gは、説明のために当審で付したものであり、以下、「構成A」~「構成G」という。
「【請求項1】
A 建物構造図の詳細図に対して、所定の領域を切り出す詳細図切出システムであって、
B 前記詳細図に設定された第1領域を第1切出データとして切り出したアノテーションデータを取得する取得部と、
C 取得した前記アノテーションデータをデータ解析し、前記第1領域に含まれる各構造物の詳細を識別し、当該アノテーションデータを教師データとして、前記詳細図と、前記第1領域とを対応付けて学習する学習部と、
D 学習結果に基づいて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、
E 新たな詳細図に含まれる各構造物を識別して、生成した前記学習済モデルに基づいた第2領域を、第2切出データとして切り出す切出部と、
F 階、識別符号、位置、断面の図形、断面寸法、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋の何れかを含む所定の識別項目に基づいてデータ解析し、前記第2切出データに含まれる各構造物を識別する識別部と、
G 識別した前記各構造物の現場名、階、識別符号及び構造物の詳細を構造物毎にまとめた一覧を生成する一覧生成部と、
A を備える詳細図切出システム。
【請求項2】
前記学習部は、前記第2切出データを新たな教師データとして、前記新たな詳細図と、前記第2領域とを対応付けて再学習する、
請求項1に記載の詳細図切出システム。
【請求項3】
前記第2切出データに対する変更の入力を受け付ける受付部と、
を更に備え、
前記切出部は、受け付けた変更に基づいた第2切出データを再度切り出す、
請求項1に記載の詳細図切出システム。
【請求項4】
前記第2切出データに、メタデータを付与する付与部と、
を更に備える請求項1に記載の詳細図切出システム。
【請求項5】
前記第2切出データを出力する出力部と、
を更に備える請求項1に記載の詳細図切出システム。
【請求項6】
建物構造図の詳細図に対して、所定の領域を切り出すコンピュータが実行する詳細図切出方法であって、
前記詳細図に設定された第1領域を第1切出データとして切り出したアノテーションデータを取得するステップと、
取得した前記アノテーションデータをデータ解析し、前記第1領域に含まれる各構造物の詳細を識別し、当該アノテーションデータを教師データとして、前記詳細図と、前記第1領域とを対応付けて学習するステップと、
学習結果に基づいて、学習済モデルを生成するステップと、
新たな詳細図に含まれる各構造物を識別して、生成した前記学習済モデルに基づいた第2領域を、第2切出データとして切り出すステップと、
階、識別符号、位置、断面の図形、断面寸法、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋の何れかを含む所定の識別項目に基づいてデータ解析し、前記第2切出データに含まれる各構造物を識別するステップと、
識別した前記各構造物の現場名、階、識別符号及び構造物の詳細を構造物毎にまとめた一覧を生成するステップと、
を備える詳細図切出方法。
【請求項7】
建物構造図の詳細図に対して、所定の領域を切り出すコンピュータに、
前記詳細図に設定された第1領域を第1切出データとして切り出したアノテーションデータを取得するステップ、
取得した前記アノテーションデータをデータ解析し、前記第1領域に含まれる各構造物の詳細を識別し、当該アノテーションデータを教師データとして、前記詳細図と、前記第1領域とを対応付けて学習するステップ、
学習結果に基づいて、学習済モデルを生成するステップ、
新たな詳細図に含まれる各構造物を識別して、生成した前記学習済モデルに基づいた第2領域を、第2切出データとして切り出すステップ、
階、識別符号、位置、断面の図形、断面寸法、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋の何れかを含む所定の識別項目に基づいてデータ解析し、前記第2切出データに含まれる各構造物を識別するステップ、
識別した前記各構造物の現場名、階、識別符号及び構造物の詳細を構造物毎にまとめた一覧を生成するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム」
第3 申立理由の概要
特許異議申立人廣瀬哲夫(以下「異議申立人」という。)は、以下の理由を申し立て、請求項1~7に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。
1 特許法第29条第2項(同法第113条第2号)について
本件発明1~7は、甲第1号証~甲第4号証に基づいて当業者が容易に発明できたものである。
したがって、本件発明1~7に係る特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
2 証拠
甲第1号証:特許第6989884号
甲第2号証:特表2022-522257号公報
甲第3号証:特開2021-026506号公報
甲第4号証:特開2020-009008号公報
第4 当審の判断
1 各甲号証の記載
(1)甲第1号証について
甲第1号証には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与した。以下同様。)。
「【0001】
本発明は、電子小黒板生成装置及び電子小黒板生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事において、事前に作成された設計図面に沿った施工が完了したことの記録を作成する必要がある。特に、工事完了後に外部から視認できなくなる工事箇所については、特に、それぞれの箇所の施工状態を画像で記録することが求められる。この記録方法として、主にカメラを用いて施工箇所を写真撮影する方法が用いられる。その際、施工箇所と共に、当該施工箇所を識別するための情報を記入した工事用小黒板も写り込むようにする。
【0003】
工事用小黒板は、画像として記録される施工箇所ごとの内容に書き替える必要があり、この書き替えは人手で行っていた。また、正確に記録する必要もあるので、写真を見てわかる程度の明瞭さで記入する必要がある。この点、建築工事の規模によって記録する施工箇所の数は大量であるから、その都度、正確に工事用小黒板を書き替える作業は非常に煩雑である。そこで近年は、工事用小黒板に係る煩雑さを解消するために、電子小黒板の導入が進んでいる。
【0004】
従来、設計図面に記載されている文字や図形の中から必要な部分を作業者が特定して抜き出す必要があった。従来技術の一例として、設計図面に記載されている文字や図形を人手で特定し、それら特定された部分を抜き出して電子小黒板の画像を生成する技術が知られている(特許文献1を参照)。
・・・(中略)・・・
【0009】
しかしながら、建築工事の設計図面において、例えば配筋図などの記載様式は完全に統一されているわけではなく、構造図として必要な情報は定まっていても、様式には揺らぎがある。したがって、仮に、配筋図から電子小黒板を生成するために必要となる図形や文字を自動的に特定して抽出するには、図面内の表現の揺らぎ(様式のばらつき)に対応する必要がある。すなわち、従来技術を用いて、建築工事で必要となる工事記録の作成の効率化を図るために、電子小黒板を精度良くかつ効率的に生成するには課題がある。
【0010】
本発明は、設計図面から自動的に電子小黒板画像を生成する電子小黒板生成装置及び電子小黒板生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、電子小黒板生成装置に関し、建築工事に用いられる構造図を入力する構造情報入力部と、前記構造図を解析し、前記構造図に含まれる構造物を一意に識別するための識別子と、当該識別子において区別され当該構造物の構造を図示する断面図と、当該識別子において区別され当該構造物の仕様を示す要素情報の、配列パターンとしてのレイアウトパターンを学習データとして機械学習をした学習済みモデルを生成する学習部と、前記学習済みモデルによって、前記構造図の入力に対して、前記レイアウトパターンを区別し、前記建築工事において施工される構造物ごとに、当該構造物の施工状況を記録する画像に重畳させる電子小黒板画像を前記レイアウトパターンに基づいて出力する電子小黒板画像出力部と、を含むことを特徴とする。」
「【発明を実施するための形態】
【0014】
[本発明に係る実施形態の要旨]
以下、本発明に係る電子小黒板生成装置及び電子小黒板生成方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、クラウドコンピューティングを利用する電子小黒板生成装置の例を示すシステム構成図である。
【0015】
電子小黒板生成装置としての電子小黒板自動生成装置10は、インターネット上に配置されたコンピュータのハードウェア資源を利用して、そのハードウェア資源において実行されるソフトウェア技術によって所定の機能を実現する装置である。電子小黒板自動生成装置10については、詳細を後述するが、情報入力装置20から入力される建築工事用の設計図面(以下、単に「設計図面」と表記する。)のうち、柱などの構造物の設計図面(以下「構造図」と表記する。)を教師データとする機械学習による学習済みモデルを搭載する。なお、電子小黒板自動生成装置10への情報入力機能を実現するハードウェアとして、以下の説明では、いわゆるパーソナルコンピュータに代表される情報処理装置を例示している。また、情報出力装置(画像表示含む)としては、いわゆるタブレット型情報端末を例示している。しかしながら、本実施形態に係る電子小黒板自動生成装置10に対する情報の入出力を担うハードウェア資源は、これらに限定されるものではない。以下において説明する情報処理機能を実現可能なものであれば、形態等は問わないものとする。
【0016】
そして、電子小黒板自動生成装置10は、学習済みモデルにおいて構造図を解析することで、入力された構造図の様式が多様であっても、適切な電子小黒板画像を自動的に、かつ、正確に生成して、記録を要する施工箇所に関連付けて管理することができる。」
「【0038】
[電子小黒板生成方法の実施形態]
次に、電子小黒板自動生成装置10において実行される機能処理によって実現される電子小黒板生成方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。
・・・(中略)・・・
【0042】
[学習処理の例]
まず、電子小黒板自動生成装置10は情報入力装置20によって、電子小黒板画像を自動的に生成するための教師データとしての配筋図Dtのデータ入力を受け付ける(S501)。S501において入力される配筋図のデータは、例えば、PDFで生成されているものを取得すればよい。
【0043】
すなわち、S501では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現される構造情報入力部により構造情報入力ステップが実行される。
【0044】
続いて、入力された配筋図データを解析して、配筋データに含まれるテーブル構造を解析する。そして、テーブル構造で形成されている配筋図に含まれる枠組みから、各セルを個別に識別できる状態にする(S502)。
【0045】
ここで、教師データとして入力される配筋図データの構成に関して説明する。図6(a)、(b)、(c)に例示するように、教師データとしての配筋図Dtには、様々なレイアウトからなるものがある。これらを教師データとして学習処理を行うことで、実行処理において入力される配筋図Diから、文字や図形を区別し、電子小黒板画像を生成するために必要な情報の識別子、情報の要素を特定する。そして、各情報を関連付けて、構造物ごとの電子小黒板を生成するためテーブルデータを生成するための学習済みモデルを生成できる。
【0046】
図7は、あるレイアウトからなる教師データとしての配筋図Dtの一例である。図7に示すように教師データとしての配筋図Dtには、鉄筋コンクリート構造を利用する建築工事において、施工される柱構造物を個別に区別するための情報が記載されている。各柱に用いられる鉄筋の本数や配置状態を示す断面図(以下「豆図P1」とする。)と共に、柱構造物の建築物内での配置(階数)や位置を識別するための識別情報M11が含まれている。また、識別情報M11に関連付けられている各柱の構造を示すための情報としての「上端筋」「下端筋」「スターラップ」「腹筋」に関する情報を示す要素情報M22が含まれている。
【0047】
S502では、周知の画像分析処理技術を利用して、建築図面データの分析をして、図7に示すような配筋図Dtから、すべての垂直線と水平線を検出する。そして、各垂直線と水平線の交点を特定して、豆図P1が含まれるコンポーネントP11を全て特定する。すなわち、S502では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現されるコンポーネント特定部によりコンポーネント特定ステップが実行される。
【0048】
また、S502では、画像分析技術を用いて各コンポーネントP11に含まれる文字を分析し、文字領域の大きさを抽出する。
【0049】
また、S502では、各コンポーネントP11に含まれる潜在的なテーブルの輪郭を取得して、座標位置で定義する。その潜在的なテーブルを構成する垂直線と水平線に沿って分析して、コンポーネントP11において複数のセルが含まれているか否かを分析する。
【0050】
図8は、コンポーネントP11に含まれる潜在的なテーブルのイメージを説明する図である。図8に例示する潜在テーブルP111は、配筋図Dtにおいて枠線が表現されてはいないが、コンポーネントP11の構造を解析することによりテーブル構造を解析し、解析結果として特定のテーブル構造として情報が取得される。そして、潜在テーブルP111の構造に基づいて、コンポーネントP11に含まれる各要素が特定される。
【0051】
また、潜在テーブルP111には、潜在セルP112が含まれる。図8の例では、一つの潜在テーブルP111に複数の潜在セルP112が含まれている。したがって、図8においては、一つのコンポーネントP11に、一つの潜在テーブルP111が含まれていて、その潜在テーブルP111には、二つの潜在セルP112が含まれている。
【0052】
すなわち、S502では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現されるセル抽出部によりセル抽出ステップが実行される。
【0053】
また、S502では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現されるテーブル構造識別部によりテーブル構造識別ステップが実行される。
【0054】
以上のように、配筋図Dtを分析し、多様な様式やレイアウトにおいてテーブル輪郭とセル輪郭を特定し、これらの相関を学習させる。すなわち、配筋図Dt(教師データ)に含まれる豆図P1の特定と、識別情報M11の特定及び要素情報M22の特定と、これらの相関関係を機械学習する(S503)。すなわち、S503において、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現される学習部より学習ステップが実行される。
【0055】
そして、S503において、配筋図Dtに含まれる構造物を一意に識別するための識別子と、当該識別子に関連づく図面と、当該識別子に関連づく要素情報と、を含む情報の配列状態(レイアウト)を学習データとして機械学習処理を実行する。その結果、配筋図Dtに含まれる各データの配列(位置)及びその内容に基づいて、後述する電子小黒板311を自動的に生成するときに用いられるデータの配列パターンとしてのレイアウトパターンを区別可能な学習済みモデルを生成する。この学習済みモデルに対して、所定のデータを入力することにより、上記にて列挙した各データを含むデータを自動的に特定して抽出し、電子小黒板311のレイアウトに当てはめて画像としての電子小黒板311を出力する。」
「【0060】
[実行処理の例]
続いて、実行処理の例について、引き続き図5を参照しながら説明する。S503において学習済みモデルが生成された後、電子小黒板自動生成装置10に対して情報入力装置20から新たに、入力データとしての配筋図Diを入力する(S504)。電子小黒板自動生成装置10では、入力された配筋図Diに対して学習済みモデルによる内容特定処理を実行する(S505)。この結果、電子小黒板の生成に用いるテーブルデータを生成する。
・・・(中略)・・・
【0064】
そして、生成されたテーブルデータに基づいて、配筋図Diに含まれる情報から特定された電子小黒板画像を生成する(S506)。例えば、図10(a)に例示した配筋図Diから図10(b)に例示する電子小黒板311が生成される。
【0065】
配筋図Diから特定された識別情報M11に関する情報と、要素情報M22として特定されるコンポーネントP11の情報に基づいて、図10(a)に例示するような、電子小黒板311を生成する。
【0066】
図10(a)における符号M111は、識別情報M11に相当する部分であって、文字情報として特定されて、電子小黒板311に含まれる情報識別子に相当する。この情報識別子のレイアウトも、配筋図Diのレイアウトに合わせて適宜選択されるものとする。
【0067】
また、符号M221は、要素情報M22に相当する部分であって、コンポーネントP11ごとに変化する。
【0068】
また、図11は、配筋図Diから特定されて生成されたデータテーブルの一部を示す別例である。図11のデータテーブルに基づくと、図12(a)と図12(b)に例示する電子小黒板311が生成される。
【0069】
S506において、図10(b)及び図12のように生成された電子小黒板311を記憶装置102に格納する。すなわち、S506では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現される画像格納部により画像格納ステップ実行される。
【0070】
その後、画像表示装置30を用いて施工箇所の記録操作を行うときに、格納されている電子小黒板311が読み出されて、施工箇所の画像に重畳されて記録される(S507)。
【0071】
すなわち、S507では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現される電子小黒板画像出力部により電子小黒板画像出力ステップが実行される。
【0072】
続いて、生成されている電子小黒板311のうち、施工箇所の記録に用いられていないものの有無を判定する(S508)。すなわち、記録すべき施工状況が未記録状態である構造物の存在を判定する。判定の結果、未記録状態の構造物が存在しているときは(S508)、電子小黒板自動生成装置10から画像表示装置30に対して、未記録構造物に関する通知を出力する(S509)。これによって、記録漏れを抑制することができる。
【0073】
すなわち、S509では、電子小黒板自動生成装置10において実行される処理プログラムにおいて実現される情報通知部により情報通知ステップが実行される。
【0074】
図5に戻る。S510では、電子小黒板自動生成装置10は、追加で学習処理を行うか否かを判断する。例えば、実行処理を実行した結果、より精度向上が必要等と判断された場合等には、電子小黒板自動生成装置10は、追加で学習処理を行う。
【0075】
次に、追加で学習処理を行う場合(S510:YES)には、電子小黒板自動生成装置10の処理は、S501に戻る、すなわち、学習処理を追加して行う。一方で、追加で学習処理を行わない場合(S510:NO)には、電子小黒板自動生成装置10は、全体処理を終了する。
【0076】
以上説明したとおり、本実施形態に係る電子小黒板生成方法によれば、構造図面の一例としての配筋図から、施工箇所の状態を画像記録する際、施工箇所に関連する情報を表示するための電子小黒板画像をソフトウェア技術によって自動生成する。この電子小黒板画像生成処理には、教師データとしての配筋図Dtと、これに含まれる豆図P1と情報の関連付けられ方の揺らぎの影響を排除して、所定の形式の電子小黒板画像を生成するための機械学習を実行した学習済みモデルを用いる。」
「【図5】
[図:0001409147000001.jpg]
」
「【図7】
[図:0001409147000002.jpg]
」
「【図10】
[図:0001409147000003.jpg]
」
・上記【0001】、【0010】によれば、甲第1号証には、設計図面から自動的に電子小黒板画像を生成する電子小黒板生成装置に関する発明が記載されている。
・上記【0011】、【0015】、【0042】-【0045】、【0060】によれば、入力される設計図面は、建築工事に用いられる構造図であり、様々なレイアウトからなる配筋図Dtのデータである。
・上記【0042】、【0054】-【0055】によれば、学習処理において、学習部は、配筋図Dtを分析し、多様な様式やレイアウトにおいてテーブル輪郭とセル輪郭を特定し、これらの相関を学習させ、すなわち、配筋図Dt(教師データ)に含まれる豆図P1の特定と、識別情報M11の特定及び要素情報M22の特定と、これらの相関関係を機械学習し、配筋図Dtに含まれる各データの配列(位置)及びその内容に基づいて、後述する電子小黒板を自動的に生成するときに用いられるデータの配列パターンとしてのレイアウトパターンを区別可能な学習済みモデルを生成している。
・上記【0046】によれば、豆図P1は、各柱に用いられる鉄筋の本数や配置状態を示す断面図であり、識別情報M11は、柱構造物の建築物内での配置(階数)や位置を識別するための情報であり、文字情報を含み、要素情報MM22は、「上端筋」「下端筋」「スターラップ」「腹筋」に関する情報であり、文字情報を含むものである。
・上記【0060】によれば、実行処理において、新たに入力データとしての配筋図Diを入力し、入力された配筋図Diに対して学習済みモデルによる内容特定処理を実行し、電子小黒板の生成に用いるテーブルデータを生成している。
・上記【0064】によれば、生成されたテーブルデータに基づいて、配筋図Diに含まれる情報から特定された電子小黒板画像を生成している。
・上記図10(b)によれば、電子小黒板画像の例には、豆図P1とともに、「工事件名|蔵衛門マンション新築工事」、「工事種目|鉄筋工事」、「階|地中」、「部位|地中小梁」、「符号|FB1全断面」、「B×D|450×800」、「上端筋|3-LD25」、「下端筋|2―LD25」、「スターラップ|2-D10@150」、「腹筋|2―D10」を示す情報が含まれる。
したがって、上記摘記事項及び図面を総合すると、甲第1号証には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号a~d3は、説明のために当審で付したものであり、以下、「構成a」~「構成d3」という。
「a 設計図面から自動的に電子小黒板画像を生成する電子小黒板生成装置であって、
b 入力される設計図面は、建築工事に用いられる構造図であり、様々なレイアウトからなる配筋図Dtのデータであり、
c 学習処理において、学習部は、配筋図Dtを分析し、多様な様式やレイアウトにおいてテーブル輪郭とセル輪郭を特定し、これらの相関を学習させ、すなわち、配筋図Dt(教師データ)に含まれる豆図P1の特定と、識別情報M11の特定及び要素情報M22の特定と、これらの相関関係を機械学習し、配筋図Dtに含まれる各データの配列(位置)及びその内容に基づいて、後述する電子小黒板を自動的に生成するときに用いられるデータの配列パターンとしてのレイアウトパターンを区別可能な学習済みモデルを生成し、
c1 豆図P1は、各柱に用いられる鉄筋の本数や配置状態を示す断面図であり、
c2 識別情報M11は、柱構造物の建築物内での配置(階数)や位置を識別するための情報であり、文字情報を含み、
c3 要素情報MM22は、「上端筋」「下端筋」「スターラップ」「腹筋」に関する情報であり、文字情報を含み
d1 実行処理において、新たに入力データとしての配筋図Diを入力し、入力された配筋図Diに対して学習済みモデルによる内容特定処理を実行し、電子小黒板の生成に用いるテーブルデータを生成し、
d2 生成されたテーブルデータに基づいて、配筋図Diに含まれる情報から特定された電子小黒板画像を生成し、
d3 電子小黒板画像の例には、豆図P1とともに、「工事件名|蔵衛門マンション新築工事」、「工事種目|鉄筋工事」、「階|地中」、「部位|地中小梁」、「符号|FB1全断面」、「B×D|450×800」、「上端筋|3-LD25」、「下端筋|2―LD25」、「スターラップ|2-D10@150」、「腹筋|2―D10」を示す情報が含まれる、
a 電子小黒板生成装置。」
(2)甲第2号証について
異議申立人が証拠として提出した甲第2号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0002】
本開示は、機械学習を使用するツールに関する。本開示はまた、自動化された構造評価に関する。」
「【0037】
図1は、本建造物用機械学習ツールに対する機械学習モデルを作成するための機械学習アルゴリズムをトレーニングするためのプロセスを示すフローチャートである。始めに、ステップ102で生データが収集される。上述したように、生データは、写真、レンダリング、手書きまたはデジタル図面、ポイントクラウドデータ等を含むさまざまな形式であってよい。写真は目の高さおよび/または頭上ドローンによって得られてよい。好適には、生データは建造物またはそのコンポーネントに関連する画像データである。写真は、デジタルカメラ、デジタル一眼レフ(DSLR)カメラ、携帯電話カメラ、ドローン、衛星画像、ポイントクラウドデータ、スキャンされた書類、または他の手段を通じて得られてよい。ポイントクラウドデータは、3次元レーザスキャンまたは他の手段を通じて得られてよい。生データは、ステップ104において、分類、オブジェクト検出、セグメント化、または他の機械学習技術が使用されるべきか否かに応じて、全部、オブジェクトレベル、画素レベル、またはポイントレベルの注釈が電子的に付される。
【0038】
ステップ106において、注釈付きデータは、既存のニューラルネットワークまたは他のタイプの機械学習アルゴリズムをトレーニングするための入力として使用される。」
(3)甲第3号証について
異議申立人が証拠として提出した甲第3号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、検出パラメタ生成装置、検出パラメタ生成方法、検出パラメタ生成プログラム、オブジェクト検出装置、オブジェクト検出方法、およびオブジェクト検出プログラムに関し、より詳しくは、構造適応型DBNを用いて画像からオブジェクトを検出するための検出パラメタを生成する検出パラメタ生成装置、検出方法および検出プログラム、ならびに、生成された検出パラメタを用いてオブジェクトを検出するオブジェクト検出装置、検出方法および検出プログラムに関する。」
「【0011】
建築設備図面には、照明、コンセント、トイレ等を示す様々な種類の記号が含まれる。また、記号ごとに頻出度や希少度といった特徴が異なる。」
「【0030】
ステップS2では、建築設備図面の記号を検出するための検出パラメタ(第1の検出パラメタおよび第2の検出パラメタ)の生成を行う。ここで、第1の検出パラメタ(T1i)は、オブジェクト検出用の画像(検出用画像)を分割して得られた分割画像にi番目のオブジェクト(オブジェクトi)が存在するかどうかを判定するための閾値である。第2の検出パラメタ(T2i)は、分割画像に基づいて作成された変形画像にオブジェクトiが存在するかどうかを判定するための閾値である。検出パラメタの生成については、後ほど図6~図8を参照して詳しく説明する。」
(4)甲第4号証について
異議申立人が証拠として提出した甲第4号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理システム用プログラムに関する。」
「【0008】
建築物における作業を管理するための情報処理システム(例えば、情報処理システム10である。)は、
前記建築物を示す建築用データ(例えば、建築用データD1である。)を入力するデータ入力手段と、
前記建築用データを画面(例えば、画面PLである。)上に出力する建築用データ出力手段と、
前記建築用データが出力された画面上において、前記作業が行われる位置に、識別表示(例えば、アイコンICN1である。)を出力する識別表示出力手段と、
前記識別表示と、前記作業を識別できる識別情報とを対応させたリスト(例えば、リストLIである。)を出力するリスト出力手段と、
前記識別情報に対応し、かつ、前記作業が行われる前に入力され、前記作業に関連する情報を示す作業関連データ(例えば、作業関連データD2である。)を入力する作業関連データ入力手段と
を含む。」
2 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 対比
(ア)構成Aについて
本件発明1の「建物構造図の詳細図」について、本件特許の明細書及び図面を参照すると、【0004】には「詳細図(豆図等)」と記載されている。
また、【0026】には「学習用端末20は、詳細図40から、第1領域42を切り出す。このとき、学習用端末20は、囲み線41に沿って、第1領域42を切り出すものであっても良いし、囲み線41の外周又は内周に沿って、第1領域42を切り出すものであっても良い。」と記載されており、図4には「詳細図40」について下記のとおり記載されている。
「【図4】
[図:0001409147000004.jpg]
」
したがって、本件発明1における「建物構造図の詳細図」は、図4の「詳細図40」のような豆図を含むものである。
一方、甲1発明において、構造図である「配筋図Dt」(構成b)は、構成cのように豆図P1が含まれており、「配筋図Dt」は本件発明1の「建物構造図の詳細図」に相当する。
また、甲1発明の構成cの「豆図P1」、「識別情報M11」及び「要素情報M22」は、図7を参照すると、配筋図Dtのレイアウト上の領域をそれぞれ切り出して得たものといえ、甲1発明は本件発明1の「建物構造図の詳細図に対して、所定の領域を切り出す」ことに相当する処理を行うものといえる。
したがって、甲1発明の「電子小黒板生成装置」は、本件発明1の「建物構造図の詳細図に対して、所定の領域を切り出す詳細図切出システム」に相当する。
(イ)構成Bについて
上記(ア)で述べたとおり、甲1発明の「豆図P1」、「識別情報M11」及び「要素情報M22」は、筋図Dtのレイアウト上の領域をそれぞれ切り出して得たものといえ、「豆図P1」、「識別情報M11」及び「要素情報M22」の各データは、配筋図Dtに設定された所定の領域を切出データとして切り出したアノテーションデータといえるものである。
したがって、甲1発明と本件発明1は「前記詳細図に含まれる所定の領域を第1切出データとして切り出したアノテーションデータを取得する取得部」を備える点で共通する。
ただし、詳細図に含まれる所定の領域が、本件発明1は、「詳細図に設定された第1領域」であるのに対して、甲1発明は、配筋図Dtに含まれる「識別情報M11」、「豆図P1」、「要素情報M22」である点で相違する。
(ウ)構成Cについて
甲1発明の構成cの学習処理において使用する、識別情報M11の「柱構造物の建築物内での配置(階数)や位置を識別する情報」(構成c2)や、要素情報M22の「「上端筋」「下端筋」「スターラップ」「腹筋」に関する情報」(構成c3)は、各構造物の詳細といえる情報である。
また、甲1発明は、配筋図Dt(教師データ)のレイアウト上から、識別情報M11、要素情報M22の各データを得ている以上、データ解析といえる処理を行って、識別情報M11の「柱構造物の建築物内での配置(階数)や位置を識別する情報」や、要素情報M22の「「上端筋」「下端筋」「スターラップ」「腹筋」に関する情報」等の各構造物の詳細を識別していることが明白である。
そして、甲1発明は、配筋図Dt(教師データ)のレイアウト上の領域から取得された豆図P1、識別情報M11、要素情報M22の相関関係を機械学習しているといえる。
したがって、甲1発明と本件発明1は「取得した前記アノテーションデータをデータ解析し、前記所定の領域に含まれる各構造物の詳細を識別し、当該アノテーションデータを教師データとして、前記詳細図と、前記所定の領域とを対応付けて学習する」点で共通する。
ただし、上記(イ)で挙げた相違点に関係して、詳細図と対応付けて学習する所定の領域が、本件発明1は「前記第1領域」、すなわち「詳細図に設定された第1領域」であるのに対して、甲1発明は、配筋図Dtに含まれる「識別情報M11」、「豆図P1」、「要素情報M22」である点で相違する。
(エ)構成Dについて
甲1発明の構成cの「学習部」は、機械学習により「学習済みモデル」を生成しており、本件発明1の「学習結果に基づいて、学習済モデルを生成するモデル生成部」に相当する。
(オ)構成Eについて
一般に機械学習の分野では、教師あり学習の学習段階における入力データと、予測段階の入力データは、同種のものを用いるから、甲1発明の構成d1の実行処理は、上記(ウ)で検討した構成cの学習処理の内容を踏まえると、新たに入力データとして入力する配筋図Diのレイアウト上から、データ解析を行って、各構造物の詳細を識別し、切出データとして切り出すものと認められる。
したがって、甲1発明と本件発明1は「新たな詳細図に含まれる各構造物を識別して、生成した前記学習済モデルに基づいた所定の領域を、第2切出データとして切り出す切出部」を備える点で共通する。
ただし、上記(イ)、(ウ)で挙げた相違点に関係して、第2切出データとして切り出す所定の領域が、本件発明1は「第2領域」であるのに対して、甲1発明は、配筋図Dtに含まれる「識別情報M11」、「豆図P1」、「要素情報M22」である点で相違する。
(カ)構成Fについて
甲1発明は、上記(オ)で述べたとおり、新たに入力データとして入力する配筋図Diのレイアウト上から、データ解析を行って、各構造物の詳細を識別し、切出データとして切り出すものである。
ここで、甲1発明の電子小黒板画像は、構成d3のように階、部位、符号、B×D、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋を示す情報を含んでいる。
そうすると、甲1発明は、切り出しデータに含まれる各構造物の詳細を識別する際に、階、部位、符号、B×D、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋といった項目に基づいて、データ解析を行っているといえる。
したがって、甲1発明は本件発明1の「階、識別符号、位置、断面の図形、断面寸法、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋の何れかを含む所定の識別項目に基づいてデータ解析し、前記第2切出データに含まれる各構造物を識別する識別部」に相当する構成を備えている。
(キ)構成Gについて
甲1発明の構成d3の電子小黒板画像に含まれる「工事件名|蔵衛門マンション新築工事」、「階|地中」、「符号|FB2両端」は、それぞれ、本件発明1の「現場名」、「階」、「識別符号」にそれぞれ相当する。
また、甲1発明の構成d3の電子小黒板画像に豆図P1とともに含まれる、「B×D|450×800」、「上端筋|3-LD25」、「下端筋|2―LD25」、「スターラップ|2-D10@150」、「腹筋|2―D10」を示す情報は、本件発明1の「構造物の詳細」に相当する。
そうすると、甲1発明の上記情報を含む「電子小黒板画像」は本件発明1の「識別した前記各構造物の現場名、階、識別符号及び構造物の詳細を構造物毎にまとめた一覧」に相当し、甲1発明において「電子小黒板画像」を生成する構成は、本件発明1の「一覧生成部」に相当する。
(ク)以上のことから、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
A 建物構造図の詳細図に対して、所定の領域を切り出す詳細図切出システムであって、
B’ 前記詳細図に含まれる所定の領域を第1切出データとして切り出したアノテーションデータを取得する取得部と、
C’ 取得した前記アノテーションデータをデータ解析し、前記所定の領域に含まれる各構造物の詳細を識別し、当該アノテーションデータを教師データとして、前記詳細図と、前記所定の領域とを対応付けて学習する学習部と、
D 学習結果に基づいて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、
E’ 新たな詳細図に含まれる各構造物を識別して、生成した前記学習済モデルに基づいた所定の領域を、第2切出データとして切り出す切出部と、
F 階、識別符号、位置、断面の図形、断面寸法、上端筋、下端筋、スターラップ、腹筋の何れかを含む所定の識別項目に基づいてデータ解析し、前記第2切出データに含まれる各構造物を識別する識別部と、
G 識別した前記各構造物の現場名、階、識別符号及び構造物の詳細を構造物毎にまとめた一覧を生成する一覧生成部と、
A を備える詳細図切出システム。
<相違点1>
詳細図に含まれており、詳細図と対応付けて学習する所定の領域が、本件発明1は、「詳細図に設定された第1領域」であるのに対して、甲1発明は、配筋図Dtに含まれる「識別情報M11」、「豆図P1」、「要素情報M22」である点。
<相違点2>
第2切出データとして切り出す所定の領域が、本件発明1は「第2領域」であるのに対して、甲1発明は、配筋図Dtに含まれる「識別情報M11」、「豆図P1」、「要素情報M22」である点。
イ 判断
上記相違点1、2について、まとめて検討する。
本件特許は、自動で詳細図の一部を切り出すことにより、作業効率の向上を図ることを課題としており(【0004】~【0005】)、本件発明1の「学習済モデル」は、詳細図に設定された「一部の領域」を切り出すためのものと認められ、機械学習の学習段階では一部の領域である「第1領域」を切り出し、予測段階では一部の領域である「第2領域」を切り出すためのものといえる。
一方、甲第1号証において、配筋図Dtのレイアウト上から取得される「豆図P1」、「識別情報M11」、「要素情報M22」は、それらの領域を合わせると配筋図Dt全体を網羅するものと認められ、甲1発明の「学習済みモデル」は、詳細図(配筋図Dt)に設定された「一部の領域」を切り出すものとはいえない。
また、機械学習モデルを用いて、建物構造図の詳細図に含まれる「一部の領域」を切り出すことについて、他の甲第2号証~甲第4号証にそのような技術思想はなく、また周知技術ともいえない。
したがって、本件発明1は、甲第1号証~甲第4号証に基づき、当業が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~5について
本件発明2~5は、請求項1を引用するものであり、本件発明1に対して、さらに限定した構成を追加したものである。
よって、上記1に示した理由と同様の理由により、本件発明2~5は、特許法第29条第2項の規定に反してなされたものではない。
(3)本件発明6、7について
本件発明6、7は、本件発明1の発明のカテゴリを、単に詳細図切出装置の発明から、詳細図切出方法、コンピュータ読み取り可能なプログラムの発明へとそれぞれ変更したものであって、本件発明1と同様の発明特定事項をすべて備えている。
よって、本件発明6、7は、上記(1)に示した理由と同様の理由により、甲第1号証~甲第4号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定に反してなされたものではない。
3.まとめ
以上のとおり、本件発明1~7は、甲第1号証~甲第4号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-701157