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特許異議申立

2023-700881

再生可能原料から得られるフランカルボン酸に基づくポリエステルポリオール系接着剤

審判番号
2023-700881
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-522812
登録番号
7231623
請求日
2023年08月28日
審決日
2024年06月25日
公報発行日
2024年09月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
  • 【権利者代理人】松谷 道子
  • 【権利者代理人】森住 憲一
  • 【権利者代理人】酒井 麻理奈
  • 【異議申立人】笠原 佳代子
審判長/審判官
  • 審判長 関根 裕
  • 審判官 瀬下 浩一
  • 審判官 菊地 則義
分類
P1651.121-YAA(C09J) / P1651.537-YAA(C09J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7231623号発明「再生可能原料から得られるフランカルボン酸に基づくポリエステルポリオール系接着剤」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7231623号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-17〕について訂正することを認める。 特許第7231623号の請求項1、2、5-17に係る特許を維持する。 特許第7231623号の請求項3、4についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件特許に係る出願は、2018年(平成30年)7月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年10月25日 (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、令和5年2月20日に特許権の設定登録(請求項の数17)がされ、同年3月1日に特許掲載公報が発行され、その後、同年8月28日に笠原 佳代子(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものであり、当審は、同年11月28日付けで取消理由を通知し、特許権者は、その指定期間内である令和6年3月1日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、その請求による訂正を「本件訂正」という。)を行い、当審は、特許権者から訂正の請求があったことを、同年同月12日付けで申立人に通知したところ、申立人は、同年4月11日に意見書を提出したものである。 第2 本件訂正の適否についての判断 1 本件訂正の内容 本件訂正は、以下の訂正事項1~9からなる。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み」と記載されているのを、 「前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択され」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、5~17も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5において、「請求項4に記載の接着剤」とあるのを、「請求項1または2に記載の接着剤」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7において、「請求項1~6のいずれかに記載の接着剤」とあるのを、「請求項1、2、5および6のいずれかに記載の接着剤」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項8において、「請求項1~7のいずれかに記載の接着剤」とあるのを、「請求項1、2および5~7のいずれかに記載の接着剤」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項9において、「請求項1~8のいずれかに記載の接着剤」とあるのを、「請求項1、2および5~8のいずれかに記載の接着剤」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項10において、「請求項1~9のいずれかに記載の接着剤」とあるのを、「請求項1、2および5~9のいずれかに記載の接着剤」に訂正する。 (9)訂正事項 特許請求の範囲の請求項11において、「請求項1~10のいずれかに記載の接着剤」とあるのを、「請求項1、2および5~10のいずれかに記載の接着剤」に訂正する。 2 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項1に係る特許発明は、「接着剤」について、「少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含む」ことを特定している。 これに対して、訂正後の請求項1は、「前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択され」との記載により、訂正後の請求項1に係る発明におけるフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオールをより具体的に特定し、更に限定するものである。すなわち、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 前記アの理由から明らかなように、訂正事項1は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものであるといえる。 ウ 新規事項の有無 訂正事項1における「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物である」ことは、願書に添付した特許請求の範囲に基づいて導き出される構成である。訂正前の請求項3には、前記ポリエステルポリオールがフランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であることが記載されている。 訂正事項1における「前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択される」ことは、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。このポリオールに係る説明として、段落【0024】には、「・・・(略)・・・特に好ましい実施形態では、ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールからなる群から選択される。・・・(略)...」との記載がなされている。 したがって、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであるといえる。 (2)訂正事項2、3 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、請求項3を削除するというものであり、訂正事項3は、請求項4を削除するというものであるから、当該訂正事項2、3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2は、請求項3を削除するというものであり、訂正事項3は、請求項4を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものであるといえる。 ウ 新規事項の有無 訂正事項2は、請求項3を削除するというものであり、訂正事項3は、請求項4を削除するというものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものであるといえる。 (3)訂正事項4 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項5には請求項4を引用する記載があるところ、請求項4は訂正事項3により削除され、引用する請求項が存在しなくなるために、請求項5は明瞭でない記載となる。 また、訂正前の請求項4は、「前記ポリオールはジオールであることを特徴とする、請求項3に記載の接着剤」であり、引用された請求項3は「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の接着剤」と特定されていたところ、訂正事項1により、訂正前の請求項4における発明特定事項の下位概念である発明特定事項が、訂正後の請求項1および当該請求項1を引用する請求項2に導入されている。具体的には、訂正後の請求項1および2に係る発明では、「前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択され」ると化合物名で特定されており、特定されているこれらの化合物は全てジオールであるとともに、「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、」と特定されているから、訂正後の請求項1および2に係る発明には、訂正前の請求項4に係る発明で規定されていた発明特定事項の下位概念が規定されている。 このような状況において、訂正事項4は、削除される請求項4を引用せずに、訂正前の請求項4における発明特定事項の下位概念である発明特定事項を規定する請求項1または請求項2を引用することにより、請求項5の記載を明瞭な記載にするためのものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 前記アの理由から明らかなように、訂正事項4は、請求項5が引用する請求項を、上位概念の発明特定事項を規定する訂正前の請求項4から、より下位概念の発明特定事項を規定する訂正後の請求項1または請求項2とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものであるといえる。 ウ 新規事項の有無 前記ア、イの理由から明らかなように、訂正事項4は、上位概念である発明特定事項を規定する請求項を引用していたものを、より下位概念である発明特定事項を規定する請求項を引用するものとする事項であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものであるといえる。 (3)訂正事項5~9 ア 訂正の目的について 訂正事項5~9は、訂正前の請求項7~11が請求項3および4の記載を引用する記載であるところ、請求項3および4を引用しないものとするための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項5~9は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものであるといえる。 ウ 新規事項の有無 訂正事項5~9は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものであるといえる。 (4)独立特許要件 本件においては、訂正前の請求項1~17について特許異議申立てがされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (5)一群の請求項について 訂正前の請求項1~17について、請求項2~17は請求項1を直接的または間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~17に対応する訂正後の請求項1~17は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 よって、本件訂正は、一群の請求項である訂正前の請求項1~17についてされたものであるから、特許法120条の5第4項の規定に適合する。 4 小括 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~17〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1~17に係る発明は、令和6年3月1日の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下「本件特許発明1」等、まとめて「本件特許発明」ともいう。)である。 「【請求項1】 プラスチック基材および/または金属基材接着用の接着剤であり、 前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択され、接着剤中のNCO:OHの物質量比は1.2:1~2.9:1であり、使用される前記フランジカルボン酸が再生可能原料から得られ、前記接着剤は水分の存在下で硬化可能であることを特徴とする、接着剤。 【請求項2】 前記接着剤中のNCO:OHの物質量比は、1.5:1~2:1であることを特徴とする、請求項1に記載の接着剤。 【請求項3】(削除) 【請求項4】(削除) 【請求項5】 前記ポリエステルポリオールは、完全に再生可能原料から得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の接着剤。 【請求項6】 再生可能原料からのポリエステルポリオールの割合は、前記接着剤中のポリエステルポリオールの総重量に基づいて、少なくとも80重量%であることを特徴とする、請求項5に記載の接着剤。 【請求項7】 前記NCO基含有化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートであることを特徴とする、請求項1、2、5および6のいずれかに記載の接着剤。 【請求項8】 前記NCO基含有化合物は、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4’-または4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、メチレントリフェニルトリイソシアネート(MIT)、水素化MDI(H12MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ならびにそれらのオリゴマーおよびそれらのポリマーからなる群から選択される化合物であることを特徴とする、請求項1、2および5~7のいずれかに記載の接着剤。 【請求項9】 前記NCO基含有化合物は、NCO末端プレポリマーであることを特徴とする、請求項1、2および5~8のいずれかに記載の接着剤。 【請求項10】 前記接着剤は、溶媒を含有する、または溶媒不含である、または水性分散液として存在することを特徴とする、請求項1、2および5~9のいずれかに記載の接着剤。 【請求項11】 請求項1、2および5~10のいずれかに記載の接着剤を少なくとも1つの基材に塗布し、次いで前記基材を少なくとも1つのさらなる基材と互いに接合する、少なくとも2つの基材を接着する方法。 【請求項12】 前記基材の少なくとも1つは、金属面または印刷面を有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。 【請求項13】 前記接着剤を第1フィルム状基材に塗布し、次いで前記基材を第2フィルム状基材に接着することを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。 【請求項14】 前記接着剤を1~100g/m2の量で塗布することを特徴とする、請求項11~13のいずれかに記載の方法。 【請求項15】 フランジカルボン酸が再生可能原料から得られることを特徴とする、請求項1に記載の接着剤を調製するためのフランジカルボン酸の使用。 【請求項16】 請求項11~14のいずれかに記載の方法を使用して得られる物品。 【請求項17】 前記物品が食品包装であることを特徴とする、請求項16に記載の物品。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 令和5年11月28日付けで通知した取消理由の概要は、次の理由である。 理由(進歩性)本件特許の請求項1~17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証~甲第3号証の4に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、上記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 甲第1号証:欧州特許出願公開第2567996号明細書 甲第2号証:特開2004-143314号公報 甲第3号証の1:特開平11-256131号公報 甲第3号証の2:特表平8-503513号公報 甲第3号証の3:特開平6-271832号公報 甲第3号証の4:特開2000-38561号公報 第5 第4の理由(進歩性)について 1 甲号証について 甲第1号証~甲第3号証の4は前記第4のとおり。 2 甲号証の記載について (2)甲第1号証(以下、「甲1」という。) なお、摘記事項の後ろに申立人による仮訳を掲載した。 1a「 [図:0001414180000001.jpg] ・・・ [図:0001414180000002.jpg] ・・・ [図:0001414180000003.jpg] 」 ・請求項1 a)下記から得られる重縮合物と、 a1)下記式(I)のフラン誘導体と、 式中、Rは-(R1)x-(R2)y-R3であり、各R1は独立してC1~8アルキル、C2~8アルケニルまたはC2~8アルキニルであり、 各R2は独立して、 各R3は独立してOH、NH2、COOHまたはCOOR4であり、R4はC1~8アルキル、C2~8アルケニルまたはC2~8アルキニルであり、nは1、2または3であり、各xは独立して0または1であり、各yは独立して0または1である。 a2)脂肪族アルコールのダイマー、脂肪酸および/またはそのエステルのダイマー、脂肪族アミンのダイマー、および/または脂肪族イソシアネートのダイマ-; ここで、重縮合物のTgは-50℃~0℃であり、 b)1分子当たり少なくとも2つの官能基を有する架橋剤と、の反応で得ることができる感圧接着剤。 ・請求項2 式(I)のフラン誘導体が下記式(II)の構造を有する、請求項1に記載の接着剤。 ・請求項3 式(II)のフラン誘導体が、2,5-フランジカルボン酸ジアルキルエステル、2,5-フランジカルボン酸、2,5-ビス(ヒドロキシーメチル)フラン、2,5-ビス(アミノメチル)フラン、5ーヒドロキシメチルフラン酸、および/または2-アミノエチルー5-ヒドロキシ-メチルフランである、請求項2に記載の接着剤。 ・・・ ・請求項10 前記架橋剤が、イソシアネート、エポキシド、無水物、およびマレイミドからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の接着剤。 1b「 [図:0001414180000004.jpg] 」 [0008] 上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態では、接着剤は生物由来である。本明細書で使用される「生物由来」という用語は、ASTM 6866-08に従って、少なくとも70%の「再生可能」炭素を必要とするものである。 1c「 [図:0001414180000005.jpg] 」 [0015] 脂肪族アルコールのダイマーは、例えばCroda(商品名PRIPOL 2033)またはCognis(SOVERMOL 908)から市販されている。PRIPOL 2033とSOVERMOL 908は両方とも、高純度で完全に水素添加され、蒸留された脂肪族ダイマーアルコールである。これらの製品は、無色透明の粘桐な液体のように見える。それらの特性は次のように要約できる。 色(ガードナー/DIN ISO 4630 < 1 OH価(DIN 53240) 200~212mgKOH/g 酸価(ISO 660) <= 0.2mgKOH/g 水分含有量(ISO 2464) <= 0. 2% 25℃での粘度(ISO 2555) 1800~2800mPa/s 官能基数 2 1d「 [図:0001414180000006.jpg] 」 [0039] 上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態では、b)は、MDI[4,4-メチレン-ジ(フェニルイソシアネート)]、HDI[ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート]、IPDI[イソホロンジイソシアネート、5ー-ソシアナト-1-イソシアナトメチル-1,3,3ートリメチルシクロヘキサン]、およびそれらの任意の組み合わせである。 1e「 [図:0001414180000007.jpg] 」 [0057] 上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態では、成分b)は、接着剤に対して5重量%~55重量%で存在し、より好ましくは10重量%~50重量%、特に好ましくは15重量%~40重量%である。 [0058] 上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態では、a1)および/またはa2)はさらにジオールモノマーを含む。 [0059] 本明細書で使用される「ジオールモノマー」という用語は、脂肪族ジオールを指す。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態では、ジオールモノマーは、3~16個の炭素原子、すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の炭素原子を有し、より好ましくは4~11個の炭素原子、すなわち4、5、6、7、8、9、10または11個の炭素原子を有する。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態では、ジオールモノマーは、特に、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールからなる群から選択される再生可能資源に由来するジオールモノマーである。 1f「 [図:0001414180000008.jpg] ・・・ [図:0001414180000009.jpg] 」 [0106] 別の実施形態では、本発明は、シートまたはフィルムを積層するための接着剤の使用を対象とする。 ・・・ [0108] 上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態では、シートまたはフィルムは化石ベースまたは生物ベースである。バイオベースのキャリアフィルム上にバイオベースの接着剤をラミネートすることにより、完全にバイオベースのテープ構造を得ることが可能である。 1g「 [図:0001414180000010.jpg] 」 実施例 実施例1 フランモノマーおよび脂肪族アルコールのダイマーを含むバイオベースのポリエステルの合成 [0124] ポリエステル交換反応は以下の手順に従って実施した。PRIPOL 2033(77.42g;143.69mmol)およびジメチル-2,5-フランジカルボキシレート(DMF)(22.58g;l22.62mmol)を秤量して、メカニカルスターラー、ガス注入口、ディーンスターク型コンデンサーとアライン還流コンデンサーを備えた250ml円筒形ガラス反応器に入れた。混合物を室温で撹拌して均質化し、次いで少量のトルエンに溶解した触媒チタンテトラブトキシド(25.0mg)を反応容器に導入した。オイルバスを使用して、メタノールの凝縮が観察されなくなるまで、温度をゆっくりとした段階で170℃まで上昇させた。次に、ガス入口を停止し、真空圧(5~10ミリバールの範囲)を加え、温度を210℃まで1時間未満で段階的に上昇させ、その後、生成したポリマーを反応器から機械的に除去した。得られたポリエステルは、-20℃のガラス転移(Tg)、12,080g/モルの重量平均分子量(Mw)、5,642g/モルの数平均分子量、2.14の分散指数、36.3mgKOH/gの水酸基価を有していた。 実施例2 イソシアネート化合物で架橋した粘着剤組成物 [0125] 実施例1のポリマー4.75gをトルエン1.25gと混合して粘度を下げ、次いで三量体化HDI(DESMODUR N3600)0.25gを添加した。配合物中の架橋剤の重量パーセントは、ポリマー重量に対して5重量%であった。混合物を均質化し、直ちに室温で厚さ50mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上の90mm(当審注:「90μm」の誤記と認める。)の接着剤層(湿潤時の厚さ)に手動でロールコーティングした。二層の積層体を130℃のオーブンで5分間乾燥および硬化させた。接着剤層には剥離ライナーを被覆した。接着剤層の乾燥厚さは19μmであった。 [0126] BA鋼パネルに対する接着力は、2kgの円筒をテープ上で15分間の滞留時間で二重回転させた後、180゜剥離法を用いて測定した。テープ幅は20mmであり、試験は3回行った。この特定のテープのBA鋼パネルからの接着強度は280cN/20mmであった。 実施例3 ソシアネート化合物の重量分率が接着強度に及ぼす影響 [0127] ポリマー/架橋剤の重量比を変化させて実施例2を繰り返した。接着剤は、3.2、3.5、および10wt%のDESMODUR N3600を使用して調製された。BA鋼パネルの接着強度はそれぞれ1048、615、630cN/20mmであった。 (2)甲第2号証(以下、「甲2」という。) 2a「【請求項1】 水酸基価が30~250mgKOH/gであるポリエステルポリオールに、該ポリエステルポリオールの活性水素原子1モルに対して3モル以上のアルキレンオキシドを触媒存在下で開環付加重合させて得られたポリエステルポリエーテルポリオール。 ・・・ 【請求項5】 請求項1または2に記載のポリエステルポリエーテルポリオールにポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマー。 ・・・ 【請求項7】 請求項5に記載のウレタンプレポリマーを含むウレタン系硬化性組成物。 【請求項8】 請求項1または2に記載のポリエステルポリエーテルポリオールを含むウレタン系硬化性組成物。 【請求項9】 請求項7または8に記載のウレタン系硬化性組成物を用いたウレタン接着剤。」 2b「【0039】 またポリイソシアネート化合物をポリオール化合物等と反応させる場合にその使用量はイソシアネート指数(以下、NCO指数と省略することもある。)で表すことが多い。ここでイソシアネート指数とは、ポリオール化合物およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表した数値である。すなわちイソシアネート基を水酸基より過剰量に用いる状態で反応させる場合にはイソシアネート指数は100より大きくなり、逆に水酸基をイソシアネート基より過剰量に用いる状態で反応させる場合にはイソシアネート指数は100未満となる。 ・・・ 【0042】 また上記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネート化合物をポリエステルポリエーテルポリオールよりも過剰に用いて製造される。この場合のポリイソシアネート化合物とポリエステルポリエーテルポリオールとの使用量の割合としては、イソシアネート指数で130~500が好ましく、150~300がより好ましい。上記範囲であれば、反応性が良好で、かつ作業性の良好な粘度範囲のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが得られる。またこのイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基の含有量としては、0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。特にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを一液型ウレタン接着剤として用いる場合には、イソシアネート基含有量は、3~8質量%が特に好ましい。イソシアネート基含有量が上記範囲であれば良好な反応性、硬化特性を有するウレタン系硬化性組成物が得られる。」 2c「【0052】 (ウレタン接着剤) 本発明に係るウレタン接着剤は、上述のウレタン系硬化性組成物を用いる。ウレタン接着剤としては、一液型接着剤と二液型接着剤とに分けられる。 【0053】 上記の一液型接着剤としては、上述したイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含むウレタン系硬化性組成物を用いる。この硬化性組成物が空気中または被接着基材中の水分と反応することで硬化物が得られる。一液型接着剤は、主に木工、木質床材の接着用途に使用される。また特定の処方として、一液型接着剤を反応性ホットメルト接着剤として用いてもよい。この反応性ホットメルト接着剤は、自動車用シート、建材、布の接着等に用いられる。」 (3)甲第3号証の1(以下、「甲3の1」という。) 31a「【請求項1】 反応性ホットメルト接着剤組成物であって、1より大きいイソシアネート指数を有し、 (a)65℃未満の融点を有する高分子量のポリエステルジオールを含む低ヒドロキシル価の組成物と(b)2または3以上のイソシアネート基を含有する化合物とを反応させることにより製造されるポリウレタンプレポリマーから本質的になる前記組成物。」 31c「【0001】 【発明の属する技術分野】反応性ホットメルト接着剤(「反応性ホットメルト」)は、鎖伸長して第2のポリウレタンポリマーを生成するために、表面または周囲の湿分と反応する、イソシアネート-末端ポリウレタンポリマー(しばしば、「プレポリマー」と呼ばれる)からなる。反応性ホットメルト接着剤は「ポリウレタンホットメルト接着剤」としても公知である。」 31d「【0012】 【発明の実施の形態】この発明のいかなるポリウレタンプレポリマーのイソシアネート指数も1よりも大きい。この発明の目的のために、「イソシアネート指数」という用語は当技術分野で慣用の意味と同じ意味を持つ。たとえば、3のイソシアネート指数は、ポリウレタンプレポリマー組成物の製造中に消費される各反応性ヒドロキシル部分について、製造された3個のイソシアネート部分があることを意味する。したがって、イソシアネート指数が1より大きいなら、すべての反応性ヒドロキシル部分はポリウレタンプレポリマーを製造するのに消費されてしまうだろう。好ましくはこの発明のポリウレタンプレポリマーは1~約6の間のイソシアネート指数を有する。」 (4)甲第3号証の2(以下、「甲3の2」という。) 32a「【特許請求の範囲】 1.A) a)少なくとも1種のポリイソシアネート、 b)全ホットメルト接着剤に基づいて10重量%を越える濃度の少なくとも 1種のポリアルキレングリコール、 c)少なくとも1種のポリエステルグリコール、 からなる少なくとも1種のポリウレタンプレポリマー;および B) d)樹脂、および e)安定剤、 などの所望による添加剤; を含有する湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤。」 32b「 本発明のホットメルト接着剤は上記成分からなるが、好ましくは次の成分から なる: a)15~35重量%のポリイソシアネート; b)10~70重量%、特に15~35重量%のポリアルキレングリコール; c)5~65重量%、特に30~50重量%のポリエステルグリコール; d)0~15重量%、特に3~10重量%の樹脂;および e)0~0.5重量%、特に0.01~0.1重量%の安定剤。 しかし、個々の成分の重量範囲だけでなく相互間のこれら成分の重量比も重要 である。即ち、反応性基NCO:OHの比は1.1:1~2:1、特に1.15 :1~1.5:1であるべきである。特定の接着剤組成物のために、このNCO :OH比を選択して、ホットメルト接着剤が有用な分子量を有するようにすべき である。」(第14ページ第26行~第15ページ第9行) (5)甲第3号証の3(以下、「甲3の3」という。) 33a「【請求項1】 以下の式1で示される1種又は2種以上の結晶性ポリエステルジオールとジイソシアネート化合物とを、NCO/OH比が1.2~2.5の下で反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、炭素数2~10のジオールをNCO/OH比が1.2~50の下で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とする反応性ホットメルト型接着剤」 33b「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型反応性ホットメルト型接着剤に関し、さらに詳しくは初期凝集力に優れた反応性ホットメルト型接着剤に関するものである。」 33c「【0014】本発明1における末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの生成において、結晶性ポリエステルジオールとジイソシアネート化合物のNCO/OH比は1.2~2.5、好ましくは1.5~2.0である。 【0015】また、本発明2におけるジイソシアネートオリゴマーの、炭素数2~10のジオールとジイソシアネート化合物のNCO/OH比は1.2~2.5、好ましくは1.5~2.2である。 【0016】NCO/OH比が1.2よりも小さい場合は、得られるウレタンプレポリマーの分子量が大きくなりすぎて、溶融粘度が非常に高くなる。また、NCO/OH比が2.5よりも大きい場合は、ジイソシアネートモノマーの残存量が多くなり、後に添加する低分子量ジオールが残存ジイソシアネートモノマーとの反応に奪われてしまう。」 (6)甲第3号証の4(以下、「甲3の4」という。) 34a「【特許請求の範囲】 【請求項1】数平均分子量1000~8000のポリエステルポリオール100質量部と3官能以上のポリアミンポリオール0.5~20質量部とからなる混合ポリオールに過剰の有機イソシアネート化合物を反応させてなる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤組成物。」 34b「【0020】本発明においては、前記有機イソシアネート化合物と、前記ポリエステルポリオール、ポリアミンポリオールおよびポリエチレングリコールからなるポリオールとのウレタン化反応によって本発明の接着剤組成物であるポリウレタンプレポリマーが得られる。この有機イソシアネート化合物中のイソシアネート基(以下、NCOと記載)数とポリオール中の水酸基(以下、OHと記載)数の比率をNCO数/OH数=1.3~5.0とし、ポリウタレンプレポリマー中のNCO含有率を1.0~5.0質量%とするのが適当であり、NCO数/OH数=1.3以下の場合では、架橋密度が低くなるため湿気硬化後の接着力、耐水性および耐熱性が極度に低下し、NCO数/OH数=5.0以上の場合では、湿気硬化時に接着剤層の発泡が多くなる、初期接着力および初期耐熱クリープ性が低下するなどの弊害が生じるため好ましくない。」 3 甲1に記載された発明 甲1には、実施例3として実施例1のポリマーに対して10w%の架橋剤である三量体化HDI(DESMODUR N3600)を使用した接着剤が記載されており(摘記1g参照)、ポリマー4.5gに対して三量体化HDI(DESMODUR N3600)は0.5gとなるから、「脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033(77.42g;143.69mmol)およびジメチル-2,5-フランジカルボキシレート(DMF)(22.58g;l22.62mmol)ポリエステル交換反応により得られたフランモノマー及び脂肪族アルコールのダイマーを含むバイオベースのポリエステルであるポリマー:4.5gをトルエン1.25gを混合したものに、三量体化HDI(DESMODUR N3600):0.5gを添加し、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に90μmでロールコーティングして、二層の積層体として、乾燥および硬化させ、厚さは19μmとして、BA鋼を接着する、混合物。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる(摘記1c、1g参照)。 4 対比・判断 (1)本件特許発明1 ア 引用発明との対比 引用発明の「脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033(77.42g;143.69mmol)およびジメチル-2,5-フランジカルボキシレート(DMF)(22.58g;l22.62mmol)ポリエステル交換反応により得られたフランモノマー及び脂肪族アルコールのダイマーを含むバイオベースのポリエステルであるポリマー」は、フランジカルボン酸エステルと脂肪族ダイマーアルコールとの反応生成物であるから、本件特許発明1の「フランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール」及び「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり」に相当する。 引用発明の「三量体化HDI(DESMODUR N3600)」は、HDIはヘキサメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネートであるから、本件特許発明1の「NCO基含有化合物」に相当する。 引用発明の「ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にロールコーティングして、二層の積層体として、乾燥および硬化させ、厚さは19μmとして、BA鋼を接着する、混合物」は本件特許発明1の「プラスチック基材および/または金属基材接着用の接着剤」に相当する。 そうすると、本件特許発明1と引用発明は、「プラスチック基材および/または金属基材接着用の接着剤であり、 前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物である、接着剤。」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1> ポリオールが、本件特許発明1はエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択されるのに対し、引用発明は脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033(77.42g;143.69mmol)である点。 <相違点2> 本件特許発明1は接着剤中のNCO:OHの物質量比は1.2:1~2.9:1であるのに対し、引用発明はそのような特定がない点。 <相違点3> 本件特許発明1は使用されるフランジカルボン酸が再生可能原料から得られるのに対し、引用発明はそのような特定がない点。 <相違点4> 本件特許発明1は、接着剤は水分の存在下で硬化可能であるのに対し、引用発明はそのような特定がない点。 イ 相違点についての検討 <相違点1>について 甲1には引用発明の混合物は、甲1の請求項1に記載されるように「a)下記から得られる重縮合物と、 a1)下記式(I)のフラン誘導体と、 [図:0001414180000011.jpg] 式中、Rは-(R1)x-(R2)y-R3であり、各R1は独立してC1~8アルキル、C2~8アルケニルまたはC2~8アルキニルであり、 各R2は独立して、 [図:0001414180000012.jpg] 各R3は独立してOH、NH2、COOHまたはCOOR4であり、R4はC1~8アルキル、C2~8アルケニルまたはC2~8アルキニルであり、nは1、2または3であり、各xは独立して0または1であり、各yは独立して0または1である。 a2)脂肪族アルコールのダイマー、脂肪酸および/またはそのエステルのダイマー、脂肪族アミンのダイマー、および/または脂肪族イソシアネートのダイマ-; ここで、重縮合物のTgは-50℃~0℃であり、 b)1分子当たり少なくとも2つの官能基を有する架橋剤と、の反応で得ることができる感圧接着剤。」であり(摘記1a参照)、引用発明の混合物の脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033は、前記a2)として含まれるものであるところ、甲1には、a2)はさらにジオールモノマーを含むこと、ジオールモノマーは、特に、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールからなる群から選択される再生可能資源に由来するジオールモノマーであることが、記載されており(摘記1e参照)、ここで、脂肪族ダイマーアルコールとジオールモノマーは異なるものであり、互いに上位概念や下位概念となるものではないから、この記載は、引用発明の混合物が、a2)脂肪族アルコールのダイマーに加えて、ジオールモノマーを追加的に含むものであると解される。そうすると、甲1発明の混合物において、脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033に代えて、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールのようなジオールモノマーとして、ポリオールをジオールモノマーのみとする動機付けがあるとは言えない。 また、甲1発明の混合物において、脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033に代えて、甲1には前記a2)として列記されている脂肪酸および/またはそのエステルのダイマー、脂肪族アミンのダイマー、および/または脂肪族イソシアネートのダイマ-を採用し、かつ、a2)はさらにジオールモノマーを含むものとして、ジオールモノマーは、として1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールを採用すれば、本件特許発明1のポリエステルポリオールように、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、ポリオールが、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール又は1,4-ブタンジオールのみからなるものとなるが、甲1発明の混合物において、脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033を脂肪酸および/またはそのエステルのダイマー、脂肪族アミンのダイマー、および/または脂肪族イソシアネートのダイマ-に代えたうえで、さらに、ジオールモノマーを含むものとして、ジオールモノマーは、として1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールを採用することまで動機付けがあるとはいえない。 また、甲2及び甲3の1~甲3の4にも、甲1発明の混合物において、脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033に代えて、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールのようなジオールモノマーに代えて、ポリオールがジオールモノマーのみとする、あるいは、脂肪族ダイマーアルコールであるPRIPOL 2033を脂肪酸および/またはそのエステルのダイマー、脂肪族アミンのダイマー、および/または脂肪族イソシアネートのダイマ-に代えたうえで、さらに、ジオールモノマーを含むものとして、ジオールモノマーは、として1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、または1,4-ブタンジオールを採用することまで動機付けとなる記載はない。 ウ 本件特許発明1の効果について 本件特許明細書の実施例からみて、本件特許発明1は密着シーム接着及び折り目試験でにおいて優れた効果を奏するものであり、そのような本件特許発明1により奏される効果は、引用発明と比較して、当業者の予測を超える顕著なものであるとはいえる。 エ 申立人の主張及び当審の判断について 申立人は、令和6年4月11日提出の意見書の「1)-2 進歩性について」において以下のとおり主張する。 (ア)甲1の[0058]~[0059]の記載に基づいて、「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、」なる特定が、フランジカルボン酸とポリオールだけでなく、それ以外のモノマー成分を含めた反応生成物まで包含して解釈される場合、訂正後の本件特許発明1の発明特定事項のうち、訂正事項1で特定された「ポリエステルポリオール」については、ダイマージオールをポリオールとして含む反応生成物を使用する甲1に記載されたポリエステルポリオールと区別できない。 (イ)特開2017-82234号公報の例えば実施例1、特開2015-145502号公報の例えば実施例2、特表2013-510213号公報の例えば実施例3、特開2008-291244号公報の例えば実施例1及び国際公開W02012/057233号公報の例えば樹脂1を挙げ、「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、」との特定が、フランジカルボン酸以外の他の酸成分を含むものまで包含して解釈されるとすると、フランジカルボン酸及び他の酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択されたポリオールとの反応生成物である「ポリエステルポリオール」は、当業者に周知慣用技術であり、前記のように甲1発明においても、同様のポリオールを使用できることが示唆されているため、訂正後の本件特許発明1は、進歩性を有さない。 しかし、当審は、本件特許発明1において特定されているポリエステルポリオールは、甲第1号証に記載されたものと明確に区別でき、また、当該ポリエステルポリオールが当業者に周知慣用技術であるとしても、本件特許発明1は甲第1号証に係る引用発明に対して進歩性を有すると判断する。理由は以下のとおりである。 (ア)本件特許発明1は、フランジカルボン酸とポリオールだけでなく、それ以外のモノマー成分を含めた反応生成物まで包含していると解釈され、ポリオール以外は何を含むかは特定されていないところ、ポリオールについては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択されることが、特定されているから、ダイマージオールをポリオールとして含む反応生成物を使用する、甲第1号証に記載されたポリエステルポリオールと明確に区別できる。 (イ)フランジカルボン酸及び他の酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択されたポリオールとの反応生成物である「ポリエステルポリオール」は、当業者に周知慣用技術であるとしても、前記イ<相違点1>についてで検討したとおり、甲1の請求項1、[0058]及び[0059]記載から、引用発明においてポリオールをエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択されたものとする動機付けがあるとはいえないから、引用発明においてそのような周知技術を採用する動機付けがあるとは言えない。 よって、申立人の前記主張は採用できない。 エ 小括 したがって、本件特許発明1は、<相違点2>~<相違点4>について検討するまでもなく、甲1に記載された発明、あるいは、甲1に記載された発明、並びに、甲2及び甲3の1~甲3の4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。 (2)本件特許発明2、5~17 本件特許発明2、5~17は、本件特許発明1を引用し、さらに限定するものであり、前記本件特許発明1と引用発明との<相違点1>と同じ相違点を有するものであるから、本件特許発明2、5~17は、甲1に記載された発明、あるいは、甲1に記載された発明、並びに、甲2及び甲3の1~甲3の4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要 当審が取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要は以下の1及び2のとおりである。 (1)理由2(サポート要件)本件特許の請求項1~17に係る特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で特許法第36条第6項第1号に適合するものではないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 本件特許公報には、以下の記載がある。 ・・・ 以上のように、「したがって、本発明の目的は、接着剤の成分が再生可能原料に基づいて少なくとも部分的に調製される、および食品産業、特に食品包装における使用にも適する接着剤を提供することである。」と記載され(段落0008)、接着強度の評価(表2)に基づいて、「本発明による接着剤は、従来の接着剤のものに匹敵するか、または部分的に超える満足な結果を示す。」と記載されている(段落0070)。 従って、本件特許発明の課題は、上記記載から明らかなように、「接着剤の成分が再生可能原料に基づいて少なくとも部分的に調製されること、および食品産業、特に食品包装における使用にも適する接着強度を有する接着剤を提供すること」であると理解できる。 一方、実施例において使用されているNCO基含有化合物は、接着剤IとIIのいずれも、NCO末端プレポリマーを含んでおり、NCO末端プレポリマーと、NCO基含有低分子化合物とでは、化学構造が大きく異なり、これを用いた接着剤の接着性等も当然に異なる。このため、NCO基含有化合物として、NCO基含有低分子化合物のみを使用する場合に、課題が解決できる(適度な接着強度が得られる)と当業者が認識することができないため、NCO基含有低分子化合物のみを使用する場合まで、本件特許発明を拡張ないし一般化することができない。従って、請求項9以外の各請求項に係る発明については、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえず、サポート要件違反である。 よって、本件特許発明1~8、及び10~17は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反しているため、同法113条第4号により、その特許は取り消されるべきである。 (2)理由3(明確性要件)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、本件特許の請求項1~17に係る発明に係る特許は、同法第36条第6項の規定を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。 本件特許発明1の構成Bについては、『前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、』と特定されているものの、反応前の混合物としてポリエステルポリオール、およびNCO基含有化合物を含むものだけに限定しているのか、又は反応後の生成物として両化合物を含むものかが明らかでない。そして、構成Eにおいて「水分の存在下で硬化可能である」と特定されているものの、反応後の生成物でもNCO基が過剰であると、水分による硬化性を示すため、構成Eを根拠として、反応前の混合物としてポリエステルポリオール、およびNCO基含有化合物を含むものだけに限定していると解することはできない。また、本件明細書の実施例として記載された接着剤Iでは、反応後の生成物(NCO末端プレポリマー)のNCO:OHの物質量比のみが記載されており(本件特許公報の段落0058)、接着剤Iに更に添加されているNCO基含有化合物のNCO:OHの物質量比は記載されていない(本件特許公報の段落0059)。そうすると、反応後の生成物のみについて、NCO:OHの物質量比が記載されており、反応後の生成物が本件特許発明1に包含されているとも解釈することができる。 従って、本件特許の請求項1~17については、反応前の混合物としてポリエステルポリオール、およびNCO基含有化合物を含むものだけに限定しているのか、又は反応後の生成物として両化合物を含むものかが明らかでなく、第三者に不当の不利益を与える程度に、特許請求の範囲が不明確である。 よって、本件特許発明1~17は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反しているため、同法113条第4号により、その特許は取り消されるべきである。 2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についての当審の判断 (1)理由2(サポート要件)について 本件特許明細書の記載から、ラミネート接着剤Iは申立人のいう前記課題を解決できることが理解でき、ラミネート接着剤IはNCO基含有化合物として4,4'-MDIのみを含んでおり、4,4'-MDIはNCO基含有低分子化合物であるから、NCO基含有低分子化合物のみを使用する場合に、課題が解決できる(適度な接着強度が得られる)と当業者が認識することができ、本件特許発明1、2、5~8、及び10~17が、NCO基含有化合物がNCO末端プレポリマーに特定されていないとしても、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえず、サポート要件違反であるとはいえない。 (2)理由3(明確性要件)について 本件特許発明1の「水分の存在下で硬化可能であることを、特徴とする接着剤」との記載から、接着剤が水分の存在下でもはや硬化可能ではない反応後の混合物として特定されているのではないことは明らかである。また、本件特許明細書の【0058】に記載されるNCO基含有化合物のNCO:OHの物質量比は反応前のものであることも明確である。よって、本件特許発明1およびこれを直接又は間接的に引用する本件特許発明2、5~17は明確である。 第6 令和6年4月11日提出の意見書における新たな特許異議申立理由について 1 新たな特許異議申立理由の概要 申立人が上記意見書で新たに主張する特許異議申立理由の概要は以下のとおりである。 理由(明確性要件)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、同法113条第4号により、その特許は取り消されるべきである。 1)-1 明確性要件違反 訂正事項1aは、請求項1に「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、」との限定を追加するものである。ここで、「フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物」を通常の語義として解釈すると、「フランジカルボン酸のみとポリオールのみとの反応生成物」と解釈される。しかし、広義には「フランジカルボン酸とポリオールと、任意成分である他のモノマーとの反応生成物」とも解釈できる。 なお、訂正事項1aが「フランジカルボン酸とポリオールと、任意成分である他のモノマーとの反応生成物」として解釈される場合、訂正事項1bにおいて、「前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールのみからなる群から選択され」と特定したとしても、ダイマージオールをポリオールとする、甲第1号証に記載されたポリエステルポリオールと区別できないことになる。この点については、後述する。 一方、本件特許公報の実施例では、以下の記載のように、フランジカルボン酸とポリオールとを含む反応生成物として、フランジカルボン酸及び他の酸性分とポリオールとの反応生成物のみが、実施例では使用されている。 ・・・ 以上のように、本件特許公報では、何れの実施例でもアジピン酸が、フランジカルボン酸以外の他の酸成分として使用されているのに対して、訂正事項1aでは、「前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、」と特定されており、両者には齟齬がある。 従って、訂正事項1aによる特定が、フランジカルボン酸とポリオールだけでなく、それ以外のモノマー成分を含めた反応生成物まで包含して解釈されるか否かが、明確でない。 よって、訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明1」という)は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反しているため、同法113条第4号により、その特許は取り消されるべきである。 2 新たな特許異議申立理由についての当審の判断 本件特許発明1は、フランジカルボン酸とポリオールだけでなく、それ以外のモノマー成分を含めた反応生成物まで包含して解釈されることは明らかであり、そうである以上、ポリオール以外のモノマー成分としてアジピン酸を含んでもよいことは明らかであるから、申立人のいう前記齟齬があるとはいえず、その結果、本件特許発明1及び本件特許発明1を直接又は間接的に引用する本件特許発明2、5~17は明確である。 第7 むすび 以上のとおりであるから、令和5年11月28日付けで取消理由通知に記載した取消理由、令和6年4月11日提出の意見書において主張する特許異議申立理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、5~17に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、2、5~17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 本件特許の請求項3、4は、本件訂正により削除され、この特許に対する特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700881

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