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特許異議申立

2023-700872

コロニー計数のプロセス及び装置

審判番号
2023-700872
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-005095
登録番号
7228955
請求日
2023年08月25日
審決日
2024年09月19日
公報発行日
2024年12月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】インターサイエンス
  • 【権利者代理人】太田 恵一
  • 【異議申立人】西村 裕之
審判長/審判官
  • 審判長 福井 悟
  • 審判官 北田 祐介
  • 審判官 高堀 栄二
分類
P1651.121-YAA(C12Q) / P1651.537-YAA(C12Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7228955号発明「コロニー計数のプロセス及び装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7228955号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕、〔13~19〕について訂正することを認める。 特許第7228955号の請求項2~12に係る特許を維持する。 特許第7228955号の請求項1、13~19に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7228955号の請求項1~19に係る特許についての出願は、平成30年1月16日(パリ条約による優先権主張 2017年1月23日 (FR)フランス共和国)に出願され、令和5年2月16日に特許の設定登録がされ、同年2月27日に特許掲載公報が発行された。その特許に対し、令和5年8月25日に特許異議申立人 西村 裕之(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。 それ以降の手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年12月 5日付け 取消理由通知書 令和6年 3月 6日 意見書(特許権者) 同年 3月27日 取消理由通知書(決定の予告) 同年 6月24日 意見書・訂正請求書(特許権者) 同年 7月 2日付け 通知書(申立人宛) 同年 8月 2日 意見書(申立人) なお、本件特許異議の申立てに係る審理対象は、全ての請求項に係る特許についてであり、審理対象外の請求項は存しない。 第2 訂正の適否についての判断 令和6年6月24日提出の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の請求は、特許請求の範囲を、上記訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるものであり、その内容は、以下のとおりのものである。下線は、訂正箇所を示す。 1 訂正の内容 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記分析すべき試料の組のうちの1つの試料の前記返送搬送工程の前に,前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の前記供給搬送工程が実施される請求項1記載のプロセス。」と記載されているのを、 「分析すべき試料の組に存在するコロニーの数を計数するプロセスであって,前記分析すべき試料の組の各試料は,移動式の保管装置の保管場所に保管され,前記分析すべき試料の組の各試料は,平板培地を受容するように構成された培地支持体を含み,前記プロセスは,前記分析すべき各試料に対し, 供給搬送と呼ばれる,前記保管装置の保管場所から分析領域に前記試料を搬送する,供給搬送工程と, 返送搬送と呼ばれる,前記分析領域から前記保管場所に前記試料を搬送する,返送搬送工程と, 前記試料が配置される前記分析領域の全体又は一部の複数の画像を取得する,取得工程と, 前記試料の複数の画像の分析を含む,前記試料中のコロニーの存在を検出する,検出工程と, 前記検出工程で存在が検出された前記コロニーを計数することによって,前記試料中に存在する前記コロニーの数を決定する,決定工程と を含み, 全ての工程は,所定の温度指示に従った同一の調節されたチャンバで行われ, 前記分析すべき試料の組のうちの1つの試料の前記返送搬送工程の前に,前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の前記供給搬送工程が実施されるプロセス。」に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3~12も同様に訂正する。) (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2記載のプロセス。」と記載されているのを、「請求項2記載のプロセス。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1~3いずれか1項記載のプロセス。」と記載されているのを、「請求項2又は3記載のプロセス。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1~3いずれか1項記載のプロセス。」と記載されているのを、「請求項2又は3記載のプロセス。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1~5いずれか1項記載のプロセス。」と記載されているのを、「請求項2~5いずれか1項記載のプロセス。」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項8に「請求項1~7いずれか1項記載のプロセス。」と記載されているのを、「請求項2~7いずれか1項記載のプロセス。」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項9に「請求項1~8いずれか1項記載のプロセス。」と記載されているのを、「請求項2~8いずれか1項記載のプロセス。」に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項13を削除する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項14を削除する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項15を削除する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項16を削除する。 (13)訂正事項13 特許請求の範囲の請求項17を削除する。 (14)訂正事項14 特許請求の範囲の請求項18を削除する。 (15)訂正事項15 特許請求の範囲の請求項19を削除する。 2 一群の請求項について (1)請求項1~12 訂正前の請求項1~12について、請求項2~12は、請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~12は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (2)請求項13~19 訂正前の請求項13~19について、請求項14~19は、請求項13を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項9によって記載が訂正される請求項13に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項13~19は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的の適否 訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項1は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項1は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的の適否 訂正事項2は、訂正前の請求項2が、請求項1の記載を引用する記載であったものを、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項2は、上記アで検討したとおり、訂正前の請求項1を引用していた訂正前の請求項2を、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項2は、上記アで検討したとおり、訂正前の請求項1を引用していた訂正前の請求項2を、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的の適否 訂正事項3は、訂正前の請求項3が、訂正前の「請求項1又は2」を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするために訂正後の「請求項2」を引用する記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項3は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項3は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的の適否 訂正事項4は、訂正前の請求項4が、訂正前の「請求項1~3いずれか1項」を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするために訂正後の「請求項2又は3」を引用する記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項4は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項4は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的の適否 訂正事項5は、訂正前の請求項5が、訂正前の「請求項1~3いずれか1項」を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするために訂正後の「請求項2又は3」を引用する記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項5は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項5は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (6)訂正事項6 ア 訂正の目的の適否 訂正事項6は、訂正前の請求項6が、訂正前の「請求項1~5いずれか1項」を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするために訂正後の「請求項2~5いずれか1項」を引用する記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項6は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項6は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項6に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (7)訂正事項7 ア 訂正の目的の適否 訂正事項7は、訂正前の請求項8が、訂正前の「請求項1~7いずれか1項」を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするために訂正後の「請求項2~7いずれか1項」を引用する記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項7は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項7は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項7に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (8)訂正事項8 ア 訂正の目的の適否 訂正事項8は、訂正前の請求項9が、訂正前の「請求項1~8いずれか1項」を引用する記載であったものを、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするために訂正後の「請求項2~8いずれか1項」を引用する記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項8は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項8は、訂正前の請求項1の削除に伴い生じる明瞭でない記載を明瞭にするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項8に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (9)訂正事項9 ア 訂正の目的の適否 訂正事項9は、訂正前の請求項13を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項9は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項9は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項9に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (10)訂正事項10 ア 訂正の目的の適否 訂正事項10は、訂正前の請求項14を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項10は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項10は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項10に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (11)訂正事項11 ア 訂正の目的の適否 訂正事項11は、訂正前の請求項15を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項11は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項11は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項11に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (12)訂正事項12 ア 訂正の目的の適否 訂正事項12は、訂正前の請求項16を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項12は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項12は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項12に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (13)訂正事項13 ア 訂正の目的の適否 訂正事項13は、訂正前の請求項17を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項13は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項13は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項13に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (14)訂正事項14 ア 訂正の目的の適否 訂正事項14は、訂正前の請求項18を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項14は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項14は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項14に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 (15)訂正事項15 ア 訂正の目的の適否 訂正事項15は、訂正前の請求項19を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否 訂正事項15は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 新規事項追加の有無 訂正事項15は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件 本件においては、すべての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項15に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。 4 まとめ 以上のとおり、訂正事項1~15による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる目的に適合し、また、同法同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するから、本件訂正を認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正の請求により訂正された請求項1~19に係る発明(以下、項番に従い、「本件訂正発明1」などという。また、訂正前の請求項に係る発明を「本件発明1」などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~19に記載された、以下の事項によって特定されるとおりのものである。下線は、訂正箇所を示す。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 分析すべき試料の組に存在するコロニーの数を計数するプロセスであって,前記分析すべき試料の組の各試料は,移動式の保管装置の保管場所に保管され,前記分析すべき試料の組の各試料は,平板培地を受容するように構成された培地支持体を含み,前記プロセスは,前記分析すべき各試料に対し, 供給搬送と呼ばれる,前記保管装置の保管場所から分析領域に前記試料を搬送する,供給搬送工程と, 返送搬送と呼ばれる,前記分析領域から前記保管場所に前記試料を搬送する,返送搬送工程と, 前記試料が配置される前記分析領域の全体又は一部の複数の画像を取得する,取得工程と, 前記試料の複数の画像の分析を含む,前記試料中のコロニーの存在を検出する,検出工程と, 前記検出工程で存在が検出された前記コロニーを計数することによって,前記試料中に存在する前記コロニーの数を決定する,決定工程と を含み, 全ての工程は,所定の温度指示に従った同一の調節されたチャンバで行われ, 前記分析すべき試料の組のうちの1つの試料の前記返送搬送工程の前に,前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の前記供給搬送工程が実施されるプロセス。 【請求項3】 前記プロセスの全ての工程,又は各工程の反復を含む請求項2記載のプロセス。 【請求項4】 前記コロニーの存在を検出する前記検出工程が, 前記複数の画像のうちの1つの画像で物体を識別する,第1の工程と, 前記複数の画像のうちの1つ又は複数の他の画像上で識別された物体の大きさの変化を分析する,第2の工程と, 前記識別された物体の前記大きさが変化しているときに,前記コロニーの存在を識別すること を含む請求項2又は3記載のプロセス。 【請求項5】 前記コロニーの存在を検出する前記検出工程が, 前記複数の画像のうちの1つの画像で物体を識別する,第1の工程と, 前記複数の画像のうちの1つ又は複数の他の画像で,前記識別された物体の大きさの変化を分析する,第2の工程と, 前記識別された物体の前記大きさが51μmから1000μmまで,好ましくは100μmから200μmまで変化しているときに,前記コロニーの存在を識別することと を含む請求項2又は3記載のプロセス。 【請求項6】 確定数と呼ばれる,前記試料中に存在するコロニー数を決定する決定工程を含み,前記決定工程が, 前記決定工程で決定された,前記試料中に存在する前記コロニーの数の変化を分析することと, 前記コロニーの数が,所定期間より長期にわたって安定しているときに,コロニーの確定数を決定することと を含む請求項2~5いずれか1項記載のプロセス。 【請求項7】 前記コロニーの確定数を決定する前記決定工程が達成されると,前記分析すべき試料の組から前記試料が回収される請求項6記載のプロセス。 【請求項8】 前記保管装置に試料を装填することによって,前記分析すべき試料の組に試料を追加すること,及び/又は 前記保管装置から前記試料を取り外すことによって,前記分析すべき試料の組から前記試料を除去することを含み, 前記追加及び/又は前記除去が,前記プロセスのその他の工程と同時に行われる請求項2~7いずれか1項記載のプロセス。 【請求項9】 前記分析すべき試料の組に対して,試料の取得順序を計算する計算工程と, 前記計算された取得順序に基づいて,前記組の搬送順序を決定する搬送順序決定工程と を含む請求項2~8いずれか1項記載のプロセス。 【請求項10】 前記分析すべき試料の組の変更を含み,前記取得順序を計算する前記計算工程と,前記搬送順序を決定する前記搬送順序決定工程とが,前記分析すべき試料の組の変更の後に実施される請求項9記載のプロセス。 【請求項11】 前記取得順序を計算する前記計算工程と,前記搬送順序を決定する前記搬送順序決定工程とが,前記分析すべき試料の組をそれぞれ変更した後に実施される請求項10記載のプロセス。 【請求項12】 前記分析すべき試料の組の各試料に対して,前記取得工程の反復回数が,所定の回数よりも多く,前記所定の回数が,10分毎~120分毎の間に含まれることが好ましい請求項3~11いずれか1項記載のプロセス。 【請求項13】 (削除) 【請求項14】 (削除) 【請求項15】 (削除) 【請求項16】 (削除) 【請求項17】 (削除) 【請求項18】 (削除) 【請求項19】 (削除)」 第4 特許異議申立の理由の概要及び当審が通知した取消理由の概要 1 特許異議申立の理由の概要及び証拠方法 申立人が、訂正前の請求項1~19に係る特許に対して申し立てた特許異議申立理由(以下、「申立理由」という。)の概要及び証拠方法は、次のとおりである。 (1)申立理由(甲第1号証を主引例とする進歩性欠如) 請求項1~19に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1~19に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 (2)証拠方法 ア 申立書に添付した証拠方法 甲第1号証:国際公開第2011/162213号 甲第2号証:特開2000-139445号公報 甲第3号証:特開平11-227941号公報 甲第4号証:特許第3384567号公報 甲第5号証:特表2004-511788号公報 甲第6号証:小川廣幸著,「寒天培地培養法の迅速化を可能にしたタイムラプス影像解析法」,PHARM TECH JAPAN,2016年,Vol.32 No.14,23~30頁 (以下、「甲第1号証」~「甲第6号証」を、それぞれ「甲1」~「甲6」という。) イ 令和6年8月2日提出の意見書に添付した証拠方法 甲第7号証:特開2016-67292号公報 (以下、「甲第7号証」を、「甲7」という。) 2 当審が通知した取消理由 (1)令和5年12月5日付け取消理由通知に記載した取消理由 訂正前の請求項1~19に係る特許に対して、当審が令和5年12月5日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 ア 取消理由1(甲1を主引用例とする進歩性の欠如) 本件発明1~7、9、12は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲4、6、当審で引用した下記の文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明8、10、11は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲4~6、文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明13、16~18は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明14、15、19は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲6、文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 ・文献A:特開2002-262856号公報 ・文献B:特開2016-13059号公報 イ 取消理由2(甲2を主引用例とする進歩性の欠如) 本件発明1~7、9、12は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲2に記載された発明、並びに、甲1、4、6に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明8、10、11は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲2に記載された発明、並びに、甲1、4~6に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明13~19は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲2に記載された発明、並びに、甲1、6に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 (2)令和6年3月27日付け取消理由通知に記載した取消理由 訂正前の請求項1~19に係る特許に対して、当審が令和6年3月27日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 ア 取消理由3(甲1を主引用例とする進歩性欠如) 本件発明1、3~7、9、12は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲2、4、6、当審で引用した下記の文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明8、10、11は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲2、4~6、文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明13、16~18は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲2、文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 本件発明14、15、19は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1に記載された発明、並びに、甲2、6、文献A、Bに記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 ・文献A:特開2002-262856号公報 ・文献B:特開2016-13059号公報 イ 取消理由4(サポート要件違反) 本件特許の請求項1、3~19に係る特許は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、それらの発明に係る特許は同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 第5 甲1、2の記載 甲1、2には、以下の事項が記載されている(下線は合議体による。)。 1 甲1:国際公開第2011/162213号 (甲1ア) 「[0001] 本発明は、例えば、大腸菌などの細菌や真核生物などの微生物の検出により食品等の検査対象物を検査する微生物検出方法、微生物検出装置及びプログラムに関する。」([0001]段落) (甲1イ) 「[0029][図1]本発明の第1実施形態における検査システムを示す模式平面図。 ・・・ [図10]トレーニング処理ルーチンを示すフローチャート。 [図11]識別処理ルーチンを示すフローチャート。 ・・・ [0031] 図1に示すように、微生物検査システム(以下、単に「検査システム11」と称す)は、周囲を壁部12で囲まれた恒温室13を備えている。恒温室13の温度は、空調機14により所定の温度に保たれている。検査システム11は、恒温室13の図1における右下部分に、投入棚15、取出棚16、及び取出棚17を備えている。投入棚15からは、検査対象物の一例である試料S(例えば、培地を収容するシャーレ)が恒温室13内へ投入される。恒温室13からは、検査結果が良品である試料Sが取出棚16より取り出され、検査結果が不良品である試料Sが取出棚17より取り出される。恒温室13内には、複数の収納棚18、試料Sを検査するための微生物検査装置(以下、単に「検査装置19」と称す)、及び搬送ロボット20が設けられている。各収納棚18には、恒温室13内へ投入された試料Sが培養のために収納される。搬送ロボット20は、各棚15~18と検査装置19との間で試料Sを搬送する。各棚15~17には、恒温室13の内側と外側とを繋ぐコンベア15a~17aがそれぞれ設けられている。試料Sを投入及び取出す際は、コンベア15a~17aの外側の端部と中間部とに設けられた二重のシャッタ21,22が片方ずつ順番に開放される。こうすることで、外部から恒温室13内への微生物等の浸入が防止される。 [0032] 搬送ロボット20は、恒温室13内の床面に配置された回転式の本体20aと、本体20aから延出する複数の間接を有するアーム20bとを有している。試料Sは、アーム20bの先端部のチャック部20cにより把持されて、各棚15~18と検査装置19との間を搬送される。 [0033] 検査装置19は、試料Sを載置するための検査台23(検査用ステージ)と、検査台23上の試料Sを撮影するためのカメラ24とを備えている。収納棚18に収納された試料Sは、培養期間中に定期的に検査装置19により検査される。検査装置19は、カメラ24で撮影した試料Sのカラー画像に基づいて、試料Sの培地における微生物のコロニーを検出する。コロニーが検出されないまま所定の培養期間を終えた試料Sは、良品用の取出棚16から搬出される。一方、コロニーが検出された試料Sは、不良品用の取出棚17から搬出される。 [0034] 検査システム11は、恒温室13の外側に、コントローラ25とパーソナルコンピュータ26とを備えている。コントローラ25は、空調機14、搬送ロボット20、コンベア15a~17a及びシャッタ21,22などを制御する。検査装置19を構成するパーソナルコンピュータ26には、カメラ24により撮影された試料Sのカラー画像データが入力される。パーソナルコンピュータ26では、所定のアルゴリズムにより、色情報を用いて試料Sの培地と微生物とを識別してコロニーを検出する微生物検出処理を行う。 ・・・ [0037] 試料Sは、培地M(寒天培地等)を収容するシャーレ35(例えば、ガラスシャーレ)である。シャーレ35は、皿部35aに蓋35bを被せてから上下反転させた状態で、蓋35bをカメラ24と反対側に向けて、検査台23上に載置されている。これは、蓋35bを外すことにより恒温室13内の微生物が培地Mに混入することを防止するためである。恒温室13の清浄度が十分高ければ、蓋35bを外して検査してもよい。 [0038] 皿部35aには、検査対象である飲料液が所定割合で混合された培地Mが収容されている。シャーレ35内の培地Mは、恒温室13内において所定の温度条件下で所定の培養期間、培養される。シャーレ35は、検査装置19により、培養開始時と培養期間中の複数の設定時期とにそれぞれ検査される。搬送ロボット20による検査台23上へのシャーレ35の移動が繰り返されるうちに、検査台23上に配置されるシャーレ35の位置が数mm~1cm程度、シャーレ35の角度が数度~30度程度、元の位置から変化することがある。」([0029]~[0038]段落) (甲1ウ) 「[0044] 制御部41は、検出処理の全体を制御したり、設定データをメモリ42に記憶したりする。また、制御部41は、カメラ24が撮影した試料Sの画像及びコロニー検出結果をモニタ33に表示する。制御部41は、モニタ33に設定画面を表示する。作業者は、入力操作部32を操作して、培養期間、トレーニング期間(学習期間)、識別期間(検査期間)、学習間隔時間(学習サンプリング間隔)、識別間隔時間(識別サンプリング間隔)、ノイズ収集の有無、閾値設定用距離、最外周検出の有無、判別の有無、コロニー識別条件(面積条件又は径の条件)などの各種設定データを入力してこれらをメモリ42に記憶させる。メモリ42には、ハードディスクやRAMの一部の記憶領域が使用される。」([0044]段落) (甲1エ) 「[0068] 制御部41は、識別処理部47から取得したコロニー検出結果をモニタ33に表示する。コロニーが検出されなければ、検出コロニー個数の表示は「0」のままである。コロニーが検出されれば、検出されたコロニーの個数が表示される。それとともに、図5(d)に示すように、培地Mの画像には、検出されたコロニーを囲むマーク70が重畳表示される。」([0068]段落) (甲1オ) 「[0075] 図10におけるステップS110では、検査対象の培地Mが収容されたシャーレ35が、カメラ24により、1~10回、例えば、5回撮影される。 ・・・ [0084] 図11に示すように、まず、ステップS210では、検査対象の培地Mを収容したシャーレ35が、カメラ24により、トレーニングのときと同じ回数だけ撮影される。 ・・・ [0095] ステップS320では、面積条件に基づき検出物がコロニーであるか否かが判定される。コロニー検出部66は、ラベリングされた検出物の面積がメモリ42から読み出した面積条件を満たすか否かを調べる。検出物の面積Sdが面積条件Slower≦Sd≦Supperを満たした場合、検出物はコロニーCLであると判定される。 ・・・ [0098] 図8は、検査装置19を用いて試料Sを検査したときの検出菌数、検出実菌数及び目視検出菌数を比較したグラフである。飲料液の試料液を混合した培地Mに大腸菌を付与し、18時間に亘って培養した。横軸が培養開始からの経過時間(hr)、縦軸がコロニー数(個)をそれぞれ示している。図8(a)及び図8(b)の各試料Sでは、検査対象の飲料液の色の違いによって培地の色が異なる。グラフにおける検出菌数とは、検出処理装置40が一定時間毎に検出した菌の数である。検出実菌数は、培養期間の各時点における極微小なコロニーを含む菌の数の実測値である。目視検出菌数は、熟練した検査員が一定時間毎に培地を目視で検査して検出できた菌の数である。図8の例では、培養開始から5時間を経過するまでの期間がトレーニング期間であり、5時間経過後の期間が識別期間(検査期間)である。図8(a)及び図8(b)の各グラフから分かるように、トレーニング期間では、検出菌数と検出実菌数とが共に「0」で推移している。培養開始から6~8時間で微生物が検出され始める。検出菌数は、識別期間の全体に亘って、検出実菌数とほぼ同数で推移している。この結果は、培地の色の影響を受けることなく、検出処理装置40による菌検出精度が高いことを示している。また、識別期間において、検出菌数は目視検出菌数よりも多い状態で推移している。この結果より、検査装置19を用いれば目視検査よりもコロニーを小さな段階から早期に検出できることが判った。また、検査装置19により検出可能な微生物のコロニーのサイズは、目視ではほぼ検出不可能なサイズ、具体的には、約0.008平方ミリメートルであった。」([0075]~[0098]段落) (甲1カ) 「 [図:0001417615000001.jpg] 」(図1) (甲1キ) 「 [図:0001417615000002.jpg] 」(図10) (甲1ク) 「 [図:0001417615000003.jpg] 」(図11) 2 甲2:特開2000-139445号公報 (甲2ア) 「【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、微生物などの検査方法およびその装置に関するものである。 ・・・ 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この発明は前掲の特願平10-36827号、発明の名称:「微生物などの検査体における検査方法および装置」において、それを発展させた方法と装置であり、それは微生物の特定と、その画像を精確に把握、撮像すること、また検査体を検査するための各装置を一つの匡体内に纏めて内蔵し、そこにおいて自動的に検査体の判定、検査結果の蓄積を行うとともに、検査体の滅菌、殺菌処理をも簡易に行うことができるようにしたところの、方法と装置を提供することを目的としている。」(【0001】~【0003】段落) (甲2イ) 「【0007】図1で示すのは、この発明の実施例として検査装置(J) において、培養装置[自動挿入機構付きふ(孵)卵器](A) 、画像取り込み装置(B) 、演算処理装置(C) [コンピューターなど]、事前廃棄処理装置(D) 、電源部および制御装置(E)などの関連配置を示す構成図であり、図2はこれらの各装置を匡体(H) に一体的に組み込んだ前記検査装置(J) の外観図である。それは正面左側に、採菌した培地である検査体(x) [寒天質その他]を入れた検査体容器(1) を、一枚づつ投入する挿入口(h) を設け、匡体(H) の正面右側にはモニター画面(2) が設けられて、ここで前記検査結果、および周辺環境の状態、その他を観察することができる。匡体(H) の側面右側には、検査体(x) を入れた検査体容器(1) を20枚づつ積み重ねて、4列収納するためのマガジン(3) を取り出すための持ち手(3')が出ている(後述参照)。なお磁界や電界を検査体(x) にかけると、コロニーの形成を促進するので、そのユニットを組み込んだ装置とした場合、さらに培養時間の短縮が可能となる。 【0008】図3(a)に示すのは図2の匡体(H) 内を示す平面図であり、培養装置(A) に、挿入口(h) より一枚づつ投入された検査体(x) を入れた検査体容器(1) には、バーコードなどの識別符号が付され、回転する円形の載置台(4) において、縦方向に20枚づつ積み重ねられた一組が、載置台(4) の内周内に四組配置されるように構成され、計80枚が格納されるようになっている。この中で一定時間(たとえば6時間)の培養が行われる。培養が終わったときにおいて、検査体容器(1) は下方より、検査体容器取り出し機構(5) [図1;搬送装置1]によって一枚づつ取り出され、開蓋後、画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]へと送られ、ここで検査体(x) の撮影が行われる。そしてその撮影結果のデータは演算処理装置(C) に取り込まれる。撮影の終わった検査体容器(1) は閉蓋後、検査体容器送りアーム(6) [図1;搬送装置2]によって、シャトル機構(7) をガイドとして、後方に配置したマガジン(3) に送られ、そこで20枚づつ積み重ねて、4列収納されて蓄積され、併設する事前廃棄処理装置(D) [殺菌灯など]によって滅菌が行われる。その後マガジン(3) は匡体(H) 外に取り出される。 【0009】なお匡体(H) 内にこのような事前廃棄処理装置(D) を設けず、匡体(H) 外に取り出してから滅菌されてもよい。図3(b)は図3(a)の内部正面を、演算処理装置(C) 部分を除いて示す図、図3(c)は同じく内部側面図である。なお撮影済みの検査体(x) および検査体容器(1) を殺菌する装置、たとえばマイクロ波などによる殺菌器を組み込むこともある。なおこの実施例では採菌した培地である検査体(x) を、検査体容器(1) に入れた場合の取り扱いの機構について述べているが、検査体(x) の種類、態様によって、それを扱う機構は、それぞれ適宜設計するものとするものとし、前記実施例の機構に限定されるものではない。また検査体(x) において、一定以上にある特定の菌数が増えたときには、それを感知して、アラームランプ、ブザーなどを作動させるようにしてもよい。なおまたこの匡体(H) を配置した部屋などに、別途、その空間の温度、湿度、ダストなどの状況を測定する付属機器を配置して、それから得る情報を前記演算処理装置(C)に取り込み、環境の管理などを行うこともできる。」(【0007】~【0009】段落) (甲2ウ) 「 [図:0001417615000004.jpg] 」(図3) 第6 当審の判断 本件訂正発明2~12に係る特許は、以下のとおり、当審が通知した取消理由通知書に記載した取消理由及び申立人による申立理由によっては、取り消すことができない、と判断する。 事案に鑑み、まず取消理由4を検討し、その後、取消理由1及び3、取消理由2の順で検討を行うこととする。 1 取消理由4(サポート要件違反)について 取消理由4(サポート要件違反)は、本件発明1、13のどの発明特定事項が、「試料の平板培地に存在するコロニーの確定数の計数に必要な時間」の「削減」に寄与し、また、どの発明特定事項が、「計数の誤り率」の「削減」に寄与しているのか、具体的に説明する記載が本件明細書に見当たらないことを理由とするものであったが、本件訂正により本件発明1、13は削除された。 そして、本件訂正発明2及び同発明を直接又は間接的に引用する本件訂正発明3~12は、試料の平板培地に存在するコロニーの確定数の計数に必要な時間を削減し、進行している他の試料の分析を中断又は妨害することなく、試料を装填したり取り外したりできるシステムを提供するという本件訂正発明の課題を解決できるものであるから、上記の発明は、サポート要件に適合するものである。 したがって、取消理由4(サポート要件違反)は理由がない。 2 取消理由1及び3(甲1を主引用例とした進歩性の欠如)について (1)甲1に記載された発明 甲1には、図1に示される微生物検査システム(以下、単に「検査システム11」と称す)が記載され、検査システム11は、周囲を壁部12で囲まれた恒温室13を備え、恒温室13の温度は、空調機14により所定の温度に保たれていること、恒温室13の図1における右下部分に、投入棚15、取出棚16、及び取出棚17が設けられ、投入棚15から、検査対象物の一例である試料S(例えば、培地を収容するシャーレ)が恒温室13内へ投入されること、恒温室13から、検査結果が良品である試料Sが取出棚16より取り出され、検査結果が不良品である試料Sが取出棚17より取り出されること、恒温室13内には、複数の収納棚18、試料Sを検査するための微生物検査装置(以下、単に「検査装置19」と称す)、及び、搬送ロボット20が設けられ、各収納棚18には、恒温室13内へ投入された試料Sが培養のために収納されること、搬送ロボット20は、各棚15~18と検査装置19との間で試料Sを搬送することが記載されている(甲1ア、イ、カ)。 上記の搬送ロボット20は、恒温室13内の床面に配置された回転式の本体20aと、本体20aから延出する複数の間接を有するアーム20bとを有し、試料Sは、アーム20bの先端部のチャック部20cにより把持されて、各棚15~18と検査装置19との間を搬送される(甲1イ)。 上記の検査装置19は、試料Sを載置するための検査台23(検査用ステージ)と、検査台23上の試料Sを撮影するためのカメラ24とを備え、カメラ24で撮影した試料Sのカラー画像に基づいて、試料Sの培地における微生物のコロニーを検出し、コロニーが検出されないまま所定の培養期間を終えた試料Sは、良品用の取出棚16から搬出される一方、コロニーが検出された試料Sは、不良品用の取出棚17から搬出される(甲1イ)。 また、検査システム11の作業フローを示す図10(トレーニング処理ルーチンを示すフローチャート)のS110においては、検査対象の培地Mが収容されたシャーレ35が、カメラ24により、1~10回、例えば、5回撮影されること、図11(識別処理ルーチンを示すフローチャート)のステップS210においては、検査対象の培地Mを収容したシャーレ35が、カメラ24により、トレーニングのときと同じ回数だけ撮影されることが記載され(甲1イ、オ、キ、ク)、図11によると、S220において撮影した画像データに基づいて培地の領域を検出すること、最外周検出がある場合、S270において最外周検出局所領域内で色エッジを検出して、コロニー領域を検出し、判別処理がある場合、S300において形状、色、位置から検出物を判別し、S310において検出又は判別した検出物をラベリングし、S320において面積条件に基づき検出物がコロニーであるかを判定し、S330においてコロニー検出結果をモニタに表示し、コロニー検出結果に応じた制御信号を出力することが示されている(甲1ク)。 さらに、検査システム11の上記作業フローを制御する制御部41は、識別処理部47から取得したコロニー検出結果をモニタ33に表示し、コロニーが検出されなければ、検出コロニー個数の表示は「0」のままであるのに対し、コロニーが検出されれば、検出されたコロニーの個数が表示されること(甲1ウ、エ)が記載されている。 そうすると、甲1には、以下の発明が記載されていると認められる。 「周囲を壁部12で囲まれた恒温室13を備えている微生物検査システム11において、 試料Sの培地における微生物のコロニーを検出する方法であって、試料Sは収納棚18に培養のために収納され、試料Sは、例えば、培地を収容するシャーレであり、 搬送ロボット20は、恒温室13内の床面に配置された回転式の本体20aと、本体20aから延出する複数の間接を有するアーム20bとを有し、 試料Sは、アーム20bの先端部のチャック部20cにより把持されて、各棚15~18と検査装置19との間を搬送される工程と、 検査装置19は、試料Sを載置するための検査台23(検査用ステージ)と、検査台23上の試料Sを撮影するためのカメラ24とを備え、カメラ24で、例えば5回撮影する工程と、 カメラ24で撮影した試料Sのカラー画像に基づいて、 培地の領域、コロニー領域を検出し、検出又は判別した検出物をラベリングし、面積条件に基づき検出物がコロニーであるかを判定し、コロニーを検出する工程と、 コロニーが検出されれば、検出されたコロニーの個数を表示する工程とを含み、 恒温室13の温度は、空調機14により所定の温度に保たれており、 コロニーが検出された試料Sは、不良品用の取出棚17から搬出される方法。」(以下、「甲1発明」という。) (2)本件訂正発明2について ア 対比 本件訂正発明2と甲1発明を対比する。 甲1発明の「微生物のコロニーを検出する方法」は、「コロニーを検出する工程と、コロニーが検出されれば、検出されたコロニーの個数を表示する工程」を含むものであるから、本件訂正発明2の「コロニーの数を計数するプロセス」に相当する。 甲1発明の「試料S」は、「例えば、培地を収容するシャーレ」であるから、本件訂正発明2の「平板培地を受容するように構成された培地支持体を含」む「試料」に相当する。 甲1発明の「収納棚18」は本件訂正発明2の「保管場所」に相当するから、甲1発明の「試料Sは収納棚18に培養のために収納され」ることは、本件訂正発明2の「試料は」「保管場所に保管され」ることに相当する。 本件訂正発明2の「保管場所」は、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明8によると、単に試料が保管される場所を意味するのみならず、試料が追加又は除去される場所でもあるから、甲1発明の「各棚15~18」は、本件訂正発明2の「保管場所」に相当する。 甲1発明の「検査装置19」の「試料Sを載置するための検査台23(検査用ステージ)」は、本件訂正発明2の「分析領域」に相当し、「分析すべき試料を受容するように構成され」ているものである。 甲1発明の「検査装置19は、試料Sを載置するための検査台23(検査用ステージ)」を備えているから、甲1発明において「試料S」が「各棚15~18と検査装置19との間を搬送される」際に「検査装置19」の「検査台23(検査用ステージ)」に載置されることは明らかである。 甲1発明において「試料S」は「各棚15~18と検査装置19との間を搬送され」、「収納棚18に収納された試料Sは、培養期間中に定期的に検査装置19により検査され」るものであるから、「試料S」が「各棚15~18と検査装置19との間を搬送され」る際、それらの間を往復することは明らかである。 そうすると、甲1発明の「試料Sは、・・・各棚15~18と検査装置19との間を搬送される工程」は、本件訂正発明2の「供給搬送と呼ばれる,前記保管装置の保管場所から分析領域に前記試料を搬送する,供給搬送工程と,返送搬送と呼ばれる,前記分析領域から前記保管場所に前記試料を搬送する,返送搬送工程」に相当する。 甲1発明の「検査装置19は、試料Sを載置するための検査台23(検査用ステージ)と、検査台23上の試料Sを撮影するためのカメラ24とを備え、カメラ24で、例えば5回撮影する工程」においては、「検査台23」の全てまたは一部の画像が取得されることは明らかであるから、甲1発明の「カメラ24で、例えば5回撮影する工程」は、本件訂正発明2の「前記試料が配置される前記分析領域の全体又は一部の複数の画像を取得する,取得工程」に相当する。 甲1発明の「カメラ24で撮影した試料Sのカラー画像に基づいて、培地の領域、コロニー領域を検出し、検出又は判別した検出物をラベリングし、面積条件に基づき検出物がコロニーであるかを判定し、コロニーを検出する工程」においては、「試料の複数の画像のうちの1つの画像を分析する」ことは明らかであり、「培地の領域、コロニー領域をし、検出又は判別した検出物にラベリングし、面積条件に基づき検出物がコロニーであるかを判定」される際、「画像」は「分析」されるから、甲1発明の「コロニーを検出する工程」は、本件訂正発明2の「検出工程」に相当する。 甲1発明の「コロニーが検出されれば、検出されたコロニーの個数を表示する工程」においては、「コロニーを計数することによって」「試料中に存在する前記コロニーの数を決定」することが前提になるから、甲1発明の「コロニーが検出されれば、検出されたコロニーの個数を表示する工程」は、本件訂正発明2の「決定工程」に相当する。 甲1発明において、「恒温室13の温度は、空調機14により所定の温度に保たれて」いるから、本件訂正発明2のように「全ての工程は,所定の温度指示に従った同一の調節されたチャンバで行わ」れているものと認められる。 そうすると、両者は、 「分析すべき試料に存在するコロニーの数を計数するプロセスであって,分析すべき試料の各試料は,保管場所に保管され,前記分析すべき試料は,平板培地を受容するように構成された培地支持体を含み,前記プロセスは,前記分析すべき各試料に対し, 供給搬送と呼ばれる,前記保管装置の保管場所から分析領域に前記試料を搬送する,供給搬送工程と, 前記試料が配置される前記分析領域の全体又は一部の複数の画像を取得する,取得工程と, 前記試料の複数の画像の分析を含む,前記試料中のコロニーの存在を検出する,検出工程と, 前記検出工程で存在が検出された前記コロニーを計数することによって,前記試料中に存在する前記コロニーの数を決定する,決定工程と を含み, 全ての工程は,所定の温度指示に従った同一の調節されたチャンバで行われるプロセス。」 で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) 本件訂正発明2では、「保管場所」が「移動式の保管装置」に存在するのに対し、 甲1発明では、移動式であることが記載されていない点。 (相違点2) 本件訂正発明2では、「試料の組」を分析し、「分析すべき試料の組のうちの1つの試料の・・・返送搬送工程の前に,前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の・・・供給搬送工程が実施される」のに対し、 甲1発明では、「試料の組」として分析しているか不明であり、分析すべき試料の組のうちの1つの試料の返送搬送工程の前に、前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の供給搬送工程を実施することが規定されていない点。 イ 相違点1、2についての判断 まず、相違点1について検討する。 培養した検体を検査する方法において、多くの検体を、作業者に負担をかけることなく、連続的且つ効率的に検査場所に搬送するため、回転軸の周囲に収納棚が配置された回転ラックのような移動式の保管装置を用いることは、本件特許の優先日前の周知技術であるから(例えば、文献Aの[0023]-[0027]、[0052]-[0053]、図1、文献Bの請求項1、[0005]-[0006]、[0025]-[0028]、図4、6等参照)、甲1発明において、上記の周知技術を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであり、特に甲1発明において、上記の周知技術の採用を妨げる特段の事情があるとは認められない。 次に、相違点2について検討する。 微生物の検査方法において、複数の試料を同時に検査にかけることは本件特許の優先日前の周知技術といえるが(例えば、甲4の第11欄第18~29行、甲6の第24頁右欄第15~23行等参照)、分析すべき複数の試料を組に纏め、組に含まれる1つの試料の返送搬送工程の前に、組に含まれるもう1つの試料を供給搬送工程に供することが本件特許の優先日前の周知技術であるとは認められない。 そして、甲1には、試料Sを組で纏めることが記載されてないうえ、甲4~6、引用文献A、Bを参照しても、甲1発明の分析すべき試料Sを組に纏め、組に含まれる1つの試料の返送搬送工程の前に、組に含まれる1つの試料を供給搬送工程に供することを動機づける記載は見当たらないので、甲1発明で、相違点2として挙げた本件訂正発明2の発明特定事項を採用することが当業者にとって容易に想到し得たとはいえない。 したがって、本件訂正発明2は、甲1に記載された発明、並びに、甲4~6、引用文献A、Bに記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 申立人の主張について 申立人は、令和6年8月2日付け意見書において、甲4、5に記載されるように、分析すべき試料の組のうちの1つの試料の返送搬送工程の前に、前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の供給搬送工程が実施される、との構成は、技術常識であり、甲1発明においても、スループット効率を向上することが当然に求められる課題であることから、甲1発明において、複数の工程を並行して操作するために、搬送する工程を、試料を検査装置19の検査台23(検査用ステージ)から収納棚18に搬送するために、収納棚18から検査装置19の検査台23(検査用ステージ)に別の試料を搬送するように変更することは当業者であれば容易に想到し得たことであると主張する。 また、申立人は、甲7には、所定の培養容器の観察中において、他の培養容器を搬送部により搬送して回転テーブル上に設置することにより、短時間でより多くの培養容器の処理を行うことが可能であること、すなわち、試料である培養容器を観察(分析)している間に次に観察(分析)する培養容器(試料)を搬送して(分析領域を構成する)回転テーブルに待機させておく技術が開示されており、試料を分析している間に次に分析する試料を搬送して分析領域に待機させておくことは技術常識であると主張する。 しかし、申立人が指摘する箇所を子細にみても、甲4、5、7に、分析すべき複数の試料を組で纏め、組の1つの試料の返送搬送工程の前に、組のもう1つの試料の供給搬送工程を実施する技術が開示されているとは認められないし、取消理由通知で採用しなかった甲3の記載を勘案しても、当該事項が本件特許の優先日前の周知技術であるとは認められない。 申立人は、一般社会においても、例えば健康診断の際に、検査時間がかかる血液検査やエックス線検査を受診する場合には、検査が滞りなくスムーズに進むように、検査の順番を待つ被験者を検査場所で待機させておくことは通常行われているなど、検査の前に被験者(被検査物)を待機させておくことは、技術常識というよりもむしろ社会の一般常識レベルの事項であるとも主張する。 しかし、甲1発明の検査が時間を要することは甲1に記載されてないし、試料Sを組で纏めることや検査前に試料Sを待機させておくべきことも甲1には記載されていない。しかも、健康診断で採用されている手法が、微生物の検査で一般的に採用されていることを示す証拠も申立人より提出されていない。 したがって、申立人の主張は、いずれも採用できない。 (3)本件訂正発明3~12について 本件訂正発明3~12は、本件訂正発明2を直接又は間接的に引用するから、本件訂正発明2と同様の理由により、甲1に記載された発明、並びに、甲4~6、引用文献A、Bに記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)小括 以上のとおりであるから、取消理由1及び3(甲1を主引用例とした進歩性の欠如)は理由がない。 3 取消理由2(甲2を主引用例とした進歩性の欠如) (1)甲2に記載された発明 甲2には、微生物などの検査方法であって(甲2ア)、検査体(x) [寒天質その他]を入れた検査体容器(1) は、回転する円形の載置台(4) において、縦方向に20枚づつ積み重ねられた一組が、載置台(4) の内周内に四組配置されるように構成され、計80枚が格納されるようになっていること、培養が終わったとき、検査体容器(1) は下方より、検査体容器取り出し機構(5) [図1;搬送装置1]によって一枚づつ取り出され、開蓋後、画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]へと送られ、ここで検査体(x) の撮影が行われること、撮影結果のデータは演算処理装置(C) に取り込まれること、撮影の終わった検査体容器(1) は閉蓋後、検査体容器送りアーム(6) [図1;搬送装置2]によって、シャトル機構(7) をガイドとして、後方に配置したマガジン(3) に送られ、そこで20枚づつ積み重ねて、4列収納されて蓄積されること(甲2イ)が記載されている。また、培養装置[自動挿入機構付きふ(孵)卵器](A) 、画像取り込み装置(B) 、演算処理装置(C) [コンピューターなど]、事前廃棄処理装置(D) 、電源部および制御装置(E)などの関連配置を一体的に組み込んだ匡体(H) を配置した部屋などに、別途、その空間の温度、湿度、ダストなどの状況を測定する付属機器を配置して、それから得られる情報を前記演算処理装置(C)に取り込み、環境の管理などを行うこと(甲2イ)が記載されている。また、図3には、載置台(4)上の検査体容器(1)が下方より、検査体容器取り出し機構(5)によって取り出されることが図示されている(甲2イ、ウ)。 そうすると、甲2には、以下の発明が記載されていると認められる。 「微生物などの検査方法であって、検査体(x) [寒天質その他]を入れた検査体容器(1) は、回転する円形の載置台(4)において、縦方向に20枚づつ積み重ねられた一組が、載置台(4) の内周内に四組配置されるように構成され、計80枚が格納されるようになっており、 載置台(4)上の検査体容器(1) は下方より、検査体容器取り出し機構(5) [図1;搬送装置1]によって一枚づつ取り出され、開蓋後、画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]へと送られ、検査体(x) の撮影が行われ、その撮影結果のデータは演算処理装置(C) に取り込まれる工程、 撮影の終わった検査体容器(1) は閉蓋後、検査体容器送りアーム(6) [図1;搬送装置2]によって、シャトル機構(7) をガイドとして、後方に配置したマガジン(3) に送られる工程を含み、 培養装置 (A)、画像取り込み装置(B)、演算処理装置(C)などを組み込んだ匡体(H)を配置した部屋などに、その空間の温度、湿度、ダストなどの状況を測定する付属機器を配置して、それから得られる情報を前記演算処理装置(C)に取り込み、環境の管理などを行う方法。」(以下、「甲2発明」という。) (2)本件訂正発明2について ア 対比 本件訂正発明2と甲2発明を対比する。 本件訂正発明2の「平板培地を受容するように構成された培地支持体」について、本件明細書([0196]段落)には「丸い形状の培地支持体,特にペトリ皿」と記載されていることを考慮すると、甲2発明の「検査体容器(1)」は、本件訂正発明2の「平板培地を受容するように構成された培地支持体」に相当する。 甲2発明の「検査体(x) [寒天質その他]を入れた検査体容器(1)」は、本件訂正発明2の「試料」に相当する。 甲2発明の「縦方向に20枚づつ積み重ねられた一組が、載置台(4)の内周内に四組配置されるように構成され、計80枚が格納されるようになって」いる「回転する円形の載置台(4)」は、本件訂正発明2の「移動式の保管装置」に相当し、甲2発明における「検査体容器(1)」が配置されている場所は、本件訂正発明2の「保管場所」に相当し、本件訂正発明2の「画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]」は、本件訂正発明2の「分析領域」に相当する。 そうすると、甲2発明の「載置台(4)上の検査体容器(1)が「検査体容器取り出し機構(5) [図1;搬送装置1]によって」「取り出され」、「画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]へと送られ」る工程は、本件訂正発明2の「供給搬送と呼ばれる,前記保管装置の保管場所から分析領域に前記試料を搬送する,供給搬送工程」に相当する。 甲2発明の「後方に配置したマガジン(3)」は、上記1(2)アで検討したところによると、本件訂正発明2の「保管場所」に相当し、「撮影の終わった検査体容器(1)」が分析領域に配置されていることは明らかであるから、甲2発明の「撮影の終わった検査体容器(1) 」が「検査体容器送りアーム(6) [図1;搬送装置2]によって、シャトル機構(7) をガイドとして、後方に配置したマガジン(3) に送られる工程」は、本件訂正発明2の「前記分析領域」から「保管場所に前記試料を搬送する,」「返送搬送工程」に相当する。 なお、本件訂正発明2が同じ保管場所に返送搬送するものであると解したとしても、微生物の検査において、検体の撮影を繰り返し行うことは周知技術であるので(例えば、甲1の[0095]~[0096]、[0098]、図8、甲6の第23頁右欄第7行~第24頁右欄第23行、第27頁右欄第6行~第29頁左欄第13行、図1、13~15等参照)、かかる点は、本件訂正発明2と甲2発明を実質的に区別する相違点にはならない。 甲2発明の「検査体容器(1) 」が「画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]へと送られ、検査体(x) の撮影が行われる工程」においては、「検査体(x)」が配置される領域の全体または一部の複数の画像を取得することは明らかであるから、甲2発明の「検査体容器(1)」が「画像取り込み装置(B) [CCDカメラなど]へと送られ、ここで検査体(x)の撮影が行われ」る工程は、本件発明1の「前記試料が配置される前記分析領域の全体又は一部の複数の画像を取得する,取得工程」に相当する。 甲2発明の「撮影結果のデータが演算処理装置(C) に取り込まれる工程」においては、複数の撮影結果のデータが分析されることは明らかであるから、甲2発明の「撮影結果のデータが演算処理装置(C) に取り込まれる工程」は、本件訂正発明2の「前記試料の複数の画像の分析を含む,検出工程」に相当する。 本件訂正発明2の「チャンバ」について、本件明細書([0117]~[0118]段落)には、「好適には,本装置は,保管装置と,取扱システムと,撮像装置とが配置された閉鎖チャンバを備えてもよい」と記載されていることから、甲2発明の「培養装置(A)、画像取り込み装置(B)、演算処理装置(C)などを組み込んだ匡体(H)」は、本件訂正発明2の「チャンバ」に相当する。そして、甲2発明においては、「培養装置 (A)」などを組み込んだ「匡体(H)」は、配置された空間の「温度」などの「環境の管理などを行う」ものであるから、「全ての工程は,所定の温度指示に従った同一の調節されたチャンバで行われる」ものであると認められる。 そうすると、両者は、 「分析すべき試料の各試料は,移動式の保管装置の保管場所に保管され,前記分析すべき試料は,平板培地を受容するように構成された培地支持体を含み,前記プロセスは,前記分析すべき各試料に対し, 供給搬送と呼ばれる,前記保管装置の保管場所から分析領域に前記試料を搬送する,供給搬送工程と, 前記分析領域から保管場所に前記試料を搬送する,返送搬送工程と, 前記試料が配置される前記分析領域の全体又は一部の複数の画像を取得する,取得工程と, 前記試料の複数の画像の分析を含む,検出工程と, を含み, 全ての工程は,所定の温度指示に従った同一の調節されたチャンバで行われるプロセス。」 で一致し、以下の点で相違している。 (相違点3) 本件訂正発明2は、「コロニーの数を計数するプロセス」であるのに対し、 甲2発明では、「微生物などの検査方法」と記載されるだけで、「コロニーの数を計数する」ことが記載されていない点。 (相違点4) 本件訂正発明2では、「試料の組」を分析し、「分析すべき試料の組のうちの1つの試料の・・・返送搬送工程の前に,前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の・・・供給搬送工程が実施される」のに対し、 甲2発明では、「試料の組」として分析しているか不明であり、分析すべき試料の組のうちの1つの試料の返送搬送工程の前に、前記分析すべき試料の組のうちのもう1つの試料の供給搬送工程を実施することが規定されていない点。 イ 相違点3、4についての判断 まず、相違点3について検討する。 微生物を検査する技術的手段として、コロニー数を計数する手法は本件特許の優先日前の常套手段であるものの(例えば、甲1の[0031]~[0034]、[0095]~[0096]、[0098]、図8、甲6の第23頁右欄第7行~第24頁右欄第23行、第27頁右欄第6行~第29頁左欄第13行、図1、13~15等参照)、甲2発明は、「微生物の特定と、その画像を精確に把握、撮像すること、また検査体を検査するための各装置を一つの匡体内に纏めて内蔵し、そこにおいて自動的に検査体の判定、検査結果の蓄積を行うとともに、検査体の滅菌、殺菌処理をも簡易に行うことができるようにしたところの、方法と装置を提供すること」を目的とするものである(甲2ア)。 そして、甲2には、コロニー数の計測が、当該目的に寄与することが記載も示唆されておらず、また、その点が本件特許の優先日前の技術常識から明らかであったともいえない。 よって、甲1、6の記載から、甲2発明において、「コロニーの数を計数する」ことを採用することが、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 次に、相違点4について検討する。 甲2には、検査体(x) を組で纏めることが記載されてないうえ、「第6の2(2)イ」で検討したように、分析すべき複数の試料を組で纏め、組のうちの1つの試料の返送搬送工程の前に、組のうちのもう1つの試料の供給搬送工程を実施することは、甲1、4~6のいずれにも記載されておらず、当該事項が、本件特許の優先日前の周知技術であるとも認められない。 よって、甲2発明で、相違点4として挙げた本件訂正発明2の発明特定事項を採用することが当業者にとって容易に想到し得たとはいえない。 したがって、本件訂正発明2は、甲2に記載された発明、並びに、甲1、4~6に記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件訂正発明3~12について 本件訂正発明3~12は、本件訂正発明2を直接又は間接的に引用するから、本件訂正発明2と同様の理由により、甲2に記載された発明、並びに、甲1、4~6に記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)小括 以上のとおりであるから、取消理由2(甲2を主引用例とした進歩性の欠如)は理由がない。 4 取消理由通知において採用しなかった申立理由について 申立理由(甲1を主引用例とした進歩性の欠如)は、取消理由1及び3(甲1を主引用例とした進歩性の欠如)と同じであるから、更なる検討を要しない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正発明2~12に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立の理由によっては、取り消すことはできない。また、他に本件訂正発明2~12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項1、13~19に係る特許は、上記第2のとおり、訂正により削除されたので、請求項1、13~19に係る特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700872

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